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Boom Boom Satellites:その7 19972007+TO THE LOVELESS+新作シングル「BROKEN MIRROR」など近況

Boom Boom Satellitesブンブンサテライツ)の連載記事最終回は
ベストアルバム、同年に出た今のところ最新作のアルバム、そして
6月6日にリリースされるニューシングルなどの近況を取りあげていきます。

まずはブンブン初のベストアルバム「19972007」。

1997200719972007
(2010/01/27)
ブンブンサテライツ

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ビートルズのホワイトアルバム状態。しかも、ジャケ写の枠が見えないので
アーティスト名とアルバム名だけが宙に浮いている(笑)
宣材写真のほうがある意味、ジャケ写ぽいかも。
横を向いている中野雅之さんと、正面を向いている川島道行さん。

Boom Boom Satellites 19972007

10年分の曲を詰めるとなると、昔の曲と今の曲とで作風の違い、音質の違いがあって
続けて聴いていると違和感を覚えることが多いもの。
そこをブンブンは大幅に改善。ミックス、マスタリング、歌詞の日本語訳まで全部やり直して
初期の曲でも全く古びない、一つの作品として楽しめる、見事な「ベストアルバム」が誕生。
例えば97年のデビューシングル曲で1stアルバムに収録されていない「JOYRIDE」では
シンセをオーヴァーダブ。10年前の衝撃を、時代を超えて再現することに成功しています。
中野さん曰く「人生を表現できればいい」と思いながら構成したというこのベスト。
あがったり、おちたり、またあがったり、静まったりして、人間の一生の中で起こる起伏、
喜び悲しみが表現されていて、デジタルサウンドの中に人間くささを聴いて取ることができます。
アルバム一枚を通して人生を表現したいという思いは、アルバム制作のときに常にあるのだとか。

「19972007」は、ブックレット、例えば歌詞掲載部分ひとつとっても大変デザイン性が高く
歌詞部分を一つ一つコピーしてジャケ写のように部屋に飾っても絵になりそう。
凝り具合には本当に驚いたのですが、背景には、「アルバムとして、手にとってもらいたい
という切実な願いが。デジタル配信ばかりじゃなくて、曲単体で抜き出して聴くのでもなくて。
そのためには「手に取る」だけの価値のあるものを創ろう、という狙いで、スタッフ込みで
皆で考え抜いたデザインなのだそうです。
この姿勢、問題意識は、約4ヶ月後にリリースされたオリジナルアルバムにも投影されます。


ベストから4ヶ月、前作からは2年半ぶりと、かなりじっくりと時間をかけて制作した
7thアルバム「TO THE LOVELESS」は、4thからの流れにピリオドを打ち、新たな段階へ
踏み出した作品となりました。オリコンチャート5位と、バンドの最高順位も記録。

TO THE LOVELESS(通常盤)TO THE LOVELESS(通常盤)
(2010/05/26)
ブンブンサテライツ

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誰だこれは?!どっちだ?と面食らっていると、ブックレットの別のページに類似の格好をした
中野さんらしき人物を見つけたので、そうしたらこれは川島さん。でもわからん!
宣材写真もこんな風に変わりました。

Boom Boom Satellites TO THE LOVELESS

これを見れば「あぁ、もう思いっきり前作までと変えてきたな」と嫌でも分かります。
リーゼント風スタイルでちょい悪ニーチャンになった中野さんと、
目は据わってる、無精髭は生やしてる、本当に悪そうな(笑)川島さん。
おまけに、ジャケットも宣材写真も、ブックレットの写真等もずっとモノクロ。
何気に「19972007」からその傾向があるのですが、以前のカラフルなブンブンは
お開きにしたことが、まずヴィジュアルから窺えます。

音源はもっと荒涼としていて、聴きながら連想されるのはひたすらに灰色の世界。
歪んだ音、歪んだヴォーカル、どこか後ろ向きな歌詞、一切踊れない不穏なビート
歪みきった音が渦巻くのに、その音一つ一つにどこからか清涼感が漂うのが不思議な質感。
今回は何にカウンターを当てたのかと思っていたら、「対象になるような興味深い音楽が
何もない。だから、自分達の内面を凝視する結果になった」と。「UMBRA」期の再来?
メロディアスな部分は前作からも引き継いでいるし、前作の段階で退廃が既に顔を出していたので
それなりに地続きではあって、また新しい流れを生み出したといえるでしょう。
そして色々な所で言われていたのは「NINぽい」。(NIN=Nine Inch Nails)
私も第一印象は「NINぽい」でした…
こんな荒れ果てた作品がよくオリコン5位を獲れたものだと、未だに驚きを隠せません。
それまでの活躍で知名度もついたので、ブランドとしてのリザルトとも考えられますが。

全体的に荒涼とした一枚の中に、今まで見たことのない、暖かくて優しい光が射し込みます。
ブンブン初のバラード、しかもメジャーコードの曲、ストリングスが彩る「STAY」。
さっきまでのあれほどの砂嵐はこの曲を引き立てるために吹き荒れていたのかと思えるほど。
強がりの火花ではなく、大いなる存在から与えられる灯りでもなく、
自分の中からゆっくりと自然に沸き上がってきた柔らかな煌めき
美しい名曲です。
しかし次第に再び荒涼とした風景に立ち返り、音像は完全にカオスの様相を呈しています。

アルバムは70分超えと今までで最長、そしてカオティックで荒涼とした音像。
ブックレットを見ると二人がヴィジュアル系ふうのメイクをしていたり…
制作時間もとてもかけているし、「UMBRA」期以来の問題作ではないでしょうか。
セールスはとても良いけれど、4thからの3連作のファン、フェスバンドとしてのファンには
戸惑いや違和感が大きかったのでは。
かくいう私も4thを最高傑作だと思っているファン。本作への違和感は未だ払拭できていません。
とはいえ、この頃になるとファン層がかなり入れ替わり
(本作がきっかけなのだろうか?現在のファン層は7th中心のファンが多い様子)、
いわば、新しいブンブンスタイルが形成される過渡期にあったと思われます。
いや、6thが既に「新しいスタイル」の模索に片足踏み込んでいて、本作で完成形を見た
形容することも出来るかも。


「これからどうなるのかな」と思っていた頃に、東日本大震災が起こりました。
両親、親戚など、身内が東北にいる二人。
2011年は一年をアルバム制作に充てようと考え、スタジオの引っ越しもした矢先の出来事。
日本の多くのアーティストと同様、いやそれより恐らく深く、二人は内省の闇でもがきながら
幾つかのライヴを行い、そこで得た観客のレスポンスに力づけられ、救われます。
そうして今年、6月6日、新曲(シングル)「BROKEN MIRROR」をリリース。
アニメ「ガンダムUC(ユニコーン)」の主題歌なんだそうです。
フジロックをはじめ、今年も夏フェスにガンガン出まくりながら、アルバムもコツコツ
制作していくのだとか。
公式HPの「NEWS」欄で、新曲のPVがリンクされていたので、観てみました。
7thの流れを汲みつつ、それよりも明るく、踊れるビートが復活した印象。
私はアルバム派なので、この曲はアルバムが発売されてから本格的にチェックすることに
なると思いますが、新しいアルバムには悲しみや希望が真っ直ぐに詰まっているのではないかと
予測しています。彼らのことだから、絶望や混沌の中からこそ、とても純粋で美しい光を
見出したり、提示したりするために、あらゆる試行錯誤を繰り返し、そして実現してくれるはず。
それを耳にするのが今からとても楽しみです。




過去最長の連載記事となりました。しかもずっとぶっ続け。ストイックなブンブンの二人に
インスパイアされたのかもしれません。
ここまで付き合ってくださった方、連載記事の一つでも目にしてくださった方、
心よりお礼を申し上げます。

書き上げて一息。さぁ、次は何を書こうかな。
あくまで「ある程度知っているもの」「できる範囲」「できるタイミング」になりますが、
テーマのリクエストもひっそりと受け付けております。
「朝やけ、コレ書いてくれ!」という題材のある方は気軽に声を掛けてください。
ご期待に添えるものになるかどうかは保証できませんが、せめて一生懸命やりますので(笑)
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コメント

お疲れ様です!

これだけの力作を
8ページも…。

スゴいです。


ブンブンさんのコトが
本当にお好きなんですね。

ワタシは、好きでもココまで頑張れません。


お疲れ様でした。


次回は何を計画なさっていらっしゃるのか

楽しみにしていますね。

アルバムの数=連載の数の現状、キツかったりして

ありがとうございます・・・
今日はちょっとぐったり気味だったりします(笑)燃え尽きて。

愛があっても寡作だったりするアーティストも少なくないので、
連載回数とアーティストへの愛はイコールとは一概に言えない部分もあるのですが、
やはり長く書いているとアーティストや作品に思い入れが深くなっていきます。
私の場合、音を書くつもりで取り組んで、音源の聴きこみや気づいた所の書き取りなど
ネチネチとしていても、どーしても人(アーティスト)が何を考え何を目指したかが
気になるし、描きたくなるし、そうすると自ずとアーティストに共感するようになる。
人たらしを捨てきれないのが、なかなか「音楽レビュー」に徹しきれない所以なのか。

しかしこの連載形態は流石にちょっと疲れます。他にあれとかこれとかしたいのに
できない、常にblogのことが頭の片隅にある、という現状は何とかしたいところ。
ここまで追いかけられないがゆえに、取りあげられていない音楽etcも多くあるので
もう少しライトな形態での記事もこれからは増えていく見込みです。
ただ、「言葉でどこまで表現できるか」に挑んでいる、音楽に対して言葉での説明が
少ないのが一般的な最近の音楽blogに対するカウンターを打っている、節はありますね。
あ、早速連載記事アーティストに毒された!(笑)

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