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F1:その8 ジャン・アレジ「愛に生き、夢を追いかけたドライバー。ワールドチャンピオンとはまた違う、幸運なレーサーのカタチがここに」

GWを準備期間に充て、まさかのF1記事連載再開!
今回取りあげるのは、日本でも馴染み深いドライバー、ジャン・アレジ

「ジャン・アレジ」という名を聞いて、日本人が思い浮かべるイメージは大きく分けて
この二つかと。

後藤久美子さん(ゴクミ)の旦那様
TARGET表紙のアレジ&ゴクミ夫妻
最近では資生堂「マキアージュ」のCMなどで、黄金の輝きを放たんばかりの美しさで
観る者をハッとさせるゴクミ。
かつては小麦色の美少女だったのが、アレジと結ばれてからは(事実婚、実は略奪婚でもある)
愛故か、それともセレブになった故か、キラキラと眩いオーラをその身に纏うように。
しかしまぁエロティックで品のあるカップルだ・・・!
スーツ&デニム特集も面白そうだし、普通にこの雑誌欲しい。
昔、別の雑誌でこのカップルの特集を見かけて、ありあまる色気に
しばらく息を呑んでしまったものです。二人ともまだまだ枯れませんな!

黄金期目前の跳ね馬を果敢に駆り、情熱的な走りで人を魅了した愛すべきドライバー
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「アレジ=フェラーリドライバー」のイメージって強いんじゃないかと思います。
実際、5年間もドライヴしていたわけだし。
しかし何よりティフォシと我々のハートを掴んだのは、「本気でフェラーリが大好きだから
フェラーリのためならどんな駄目マシンだって諦めないぜ!」というまっすぐなスピリットと
その情熱から来る勇猛果敢な走り。
この動画の頃の「92年のフェラーリ(F92A)」は、跳ね馬の長い歴史に残る最悪な駄馬。
そんな逆境にありながら、モナコGP(絶対に抜けないモナコモンテカルロのレース)予選で
ウィリアムズ+セナに続く4番グリッドを獲得!関係者も吃驚したのだとか。
こうした、駄馬をねじ伏せるような走りが、同じフェラーリドライバーにして夭折したカリスマ
ジル・ヴィルヌーヴを彷彿させ、ティフォシ(=フェラーリファン)達を熱狂させました。

だけどアレジには、もう少し違ったかたちで、F1ドライバーとしての幸せを
全うできる可能性があったのも有名な話です。
そのきっかけが、こちらの大バトル。
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90年開幕戦、F1デビューしてまだ1年も経っていない新人アレジ、マシンも中堅どころのティレル。
(同僚には中嶋悟がいて、日本での中嶋のCMで、中嶋のメットを被ってドライヴしていた)
それなのに!この年のワールド・チャンピオン、アイルトン・セナのマクラーレンと
双方一歩も譲らない互角の大バトルで、もう観客も関係者もやんややんや。
スタートでトップに躍り出て、セナに抜かれてもすぐさま抜き返して、ぎりぎりまで
首位の座をセナ様に渡さない。結局抜かれるけれど、見事2位フィニッシュ。
表彰台でセナはアレジを称え、観客からはアレジコールが鳴りやまない。

こんなレースやバトルを何度か見せつけて、関係者が黙っているはずもなく、
アレジには当時のふたつのトップチームからオファーが来ます。
一つはフェラーリ、そしてもう一つはウィリアムズで、ウィリアムズと仮契約まで漕ぎつけるも
最後に選んだのはフェラーリ。
しかし、翌91年から、ウィリアムズは当時の最強チーム・マクラーレンに肉薄し、
92年にはマンセルが悲願のチャンプ、以降も97年頃まで「最強」の称号を欲しいままに。
一方で91年からのフェラーリはお家騒動や、エースのプロストの離脱で大波乱、
96年にミハエル・シューマッハーがベネトンの首脳陣を連れて組織改革に乗り出すまで
長い長いスランプに陥ってしまう・・・
「もしあの時、アレジがフェラーリじゃなく、そのままウィリアムズに行っていたら
もっと勝てたのに。ワールド・チャンピオンだって夢じゃなかったのに!」

今でも叫ばれ、そして論議になる「たられば」です。

アレジは幼少期から、先に述べた伝説のフェラーリドライバー、ジル・ヴィルヌーヴの大ファンで
部屋に等身大ポスターを飾っていたほど。
(ちなみにセナや片山右京などもジルファンで、右京はフランスF3選手権時代のライバル)
そして、フランス生まれだけど両親はシチリア出身のイタリア人。
流れるティフォシの血と、ジルへの憧憬が、何をもってしてもフェラーリを選ばせました。
幼い日からの夢を叶える道をとったわけですね。
そして結果的に、アレジはジルに擬えられてティフォシに熱狂的に愛され。
例え、優勝がたった1回しかなくても、ワールド・チャンピオンに手が届かなくても。
そういえばジルは無冠の帝王のまま、コース上(予選)で天に召された人でした。(優勝は6回)

アレジの最初で最後の優勝の場面がこちら。
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92年からつけている、ジルと同じカーナンバー27で、自身の誕生日に、
ジルの名を冠したカナダ「ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット」で、フェラーリで優勝!
ファイナルラップから涙で前が見えなかったというアレジ。
マシンは限界寸前にあったため、ウィニングラン途中で止まってしまいます。
そこに親友シューマッハーが寄ってきて、ベネトンに跨って歓喜のウィニングラン。
91年の同僚にして師匠のアラン・プロストが、解説席で思わず笑ってしまうほど
子どものような喜びっぷり。
観客がコースに凄い勢いで大挙してなだれ込み、大騒ぎ!轢かれちゃうよ!
神様が「最初で最後だから、オプションいっぱい付けてあげるね」と意図したかのような
めでたい曰くばかりの、アレジでなくとも感涙もののスペシャルな優勝。
夢が叶った瞬間でした。
そしてこのレースの後、日本のメディアに向けてゴクミとの交際宣言をして、
ゴクミが「勝利の女神」と呼ばれていたのを憶えています。


件の「たられば」を真剣に考えてみました。
90年のウィリアムズは前年に引き続き、ティエリー・ブーツェン&リカルド・パトレーゼの
地味だけどデキるコンビ。来るべき黄金期の足場固めにじっくり当たり、奮闘する姿は
93~95年のアレジ&ベルガーコンビとかなり印象が被る(実力が拮抗していた辺りも)。
90年序盤でブーツェンの放出とパトレーゼの残留が決まっており、No.1ドライバー候補の
オファーを、アレジと当時フェラーリにいたナイジェル・マンセルに持ち掛けていたのだそう。
アレジは、この「二股かけられている」状況にも嫌気が差してフェラーリを選んだようですが
もしマンセルとアレジがチェンジせず、91年から、アレジがウィリアムズにやって来て
パトレーゼと共に走っていたら・・・?(マンセルはフェラーリに残留したと仮定)

ウィリアムズ贔屓のパトレーゼファンから言わせてもらうと、これは・・・駄目でしょう(苦笑)
仮にもマンちゃんはBIG4の一人、マンちゃんとアレジではやっぱり格が違いすぎる。
マンちゃんが来たからこそ開発陣も本気になって凄い車が出来た、あれだけの成果を出した、
91年以降のウィリアムズ確変はそういう要因も小さくないのでは。
ブーツェンとアレジの比較もする必要があるけれど、前年までと似たり寄ったりになる気が。
それに、アレジはテスト嫌いのセッティング苦手、90年は中嶋にやってもらっていたそうで。
何だか書いててマンちゃんとアレジって似てる(セッティングは別として)と改めて思いつつ
パトレーゼに、いきなり入って来た生意気な新人君にそこまで面倒をみてあげる「父性」は
申し訳ないけれどあんまり感じられない(笑)仲良くしてあげる絵が全然浮かばない・・・
後年「どけジジイ」と言われるおじさんが「クソガキ」と罵る絵ばかり浮かんでなりません。
何気に、フェラーリの同僚が同郷のプロスト教授だったのもきっと良かったと思うんですよね。
教授はアレジが尊敬する先輩で、教授も同郷の後輩が可愛くてかなり面倒をみていたし。
(ゴクミの前の奥さんとの結婚式で立会人を務めたりするほど!まぁ、後に決裂するのだが)
そのあたりがパトレーゼでは・・・。(その点、ベルガーは本当によくやったと思う。
何度か深刻に対立したり、こっぴどいイタズラを喰らわされたりするけど、割と良い関係)
加えて、ウィリアムズってかなりドライバーを双六の駒のように考えているチームで、
その年のチャンプを翌年追い出したりするし(例:マンセル、ヒル)、トップダウンも多く
アレジの気質にはあまりに窮屈すぎるチームじゃないかと。
「1年それなりに走って、チームともパトレーゼとも大喧嘩して史実の教授状態になって、
すぐに余所のチームへと移籍しちゃいそう、しかもその移籍先がフェラーリ」が私の結論です。

似たもの同士?マンセルVSアレジの名勝負を動画でどうぞ。
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94年鈴鹿、セナのいないF1を嘆くように雨が吹き荒れて視界を遮る。
そんなあまりに湿っぽいレースを盛り上げてくれた、熱い二人の熱い、そしてフェアなバトル。
闘い暮れて二人は互いの健闘を讃え合う。いい光景です。
この二人に「周りの湿っぽいムード」なんて関係ない!
本当、二人が居てくれて良かったと思います。


確かにワールド・チャンピオンは獲れなかったし、優勝も一度しかできなかった。
でも、ティフォシが自分のことを、憧れのジルに擬えて、熱く賞賛してくれた。
ティフォシのみならず多くの人にとって、記憶に残るドライバーになれた。
「たられば」を今でも言ってくれるような根強いファンを沢山獲得することができた。
そうして、夭折することもなく五体満足で、無償の愛を与えあえるパートナーもそばにいる、
今日も。
こんな幸せ、もっと称えられても良いんじゃないでしょうか。
男としては仕事で「結果」を出したいものだけれど、「過程」に十二分な反響があって、
記録よりも記憶に残る仕事を残したというのも、それはそれで自分を思いきり褒めていい。
他人に誇っていい。
いろんな名ドライバー(や、名チーム)がいるからF1って面白いんです。
例え、ちょっと直情型で、いつまでも少年ぽさが抜けない、天然さんでも・・・
(この辺の面白エピソードはゲルハルト・ベルガーの回を参照ください)
とりあえず日本人としては、ゴクミさえ泣かせないでいてくれたらそれだけでいい・・・?!


さて、次は、これまでと全然違う切り口で、二人のF1ドライバーを取りあげていきます。
音楽に縁の深いドライバー、デイモン・ヒルとジャック・ヴィルヌーヴ。
カテゴリがF1なのか音楽なのか分からないくらいまぜこぜに書いちゃうつもりで準備中!
次回の記事も、どうぞお楽しみに。
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