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チキンフット:Chickenfoot「HR/HMは全然だめな私が、彼らとVelvet Revolverだけは聴けてしまう不思議。歳をとるって楽しそう!」
HR/HM系スーパーグループ、Chickenfoot(チキンフット)の1stアルバム、
その名もまんま「Chickenfoot」。
![]() | Chickenfoot (2011/08/16) Chickenfoot 商品詳細を見る |
手でこすると、ジャケット表側ではメンバーの姿が、裏側では曲目が
浮かび上がってくるという面白い加工のジャケ。
よって潔癖性の人にはレンタルは勧めません。お金なくても、新品を買いましょう。
私、普段はまずHR/HMは全然聴きません。
それなのになぜ本作を手に取ったのかって?理由は至って簡単。
「チャド(レッチリ)がようやくハードロックのプロジェクトを始めた!涙、涙」
というものでした。
チキンフットでもレッチリでもドラマーを務めるチャド・スミスですが、
ミクスチャー・ロック~ポップ・ロックのレッチリに入ったのは
音楽性としては実は本意ではなく、本当はHR/HMが大好きなメタル野郎。
しかし、その方向では食べていけず、やむなくレッチリのオーディションを受けて
その腕を買われて現在に至るというわけ。
でも他のメンバーにとってメタルは敵。チャドは「サイケデリックゴリラ」などと
他のメンバーからしばしばバカにされながらも、耐えて忍んでここまで来たのです。
だから、ようやっと本来やりたかった方向性のバンドに参加できて、
「よかったなー!」と涙を拭いながら(誇張です、スミマセン)手にとってみたと。
なのに蓋を開いてみたら、やっぱり?脇役・・・(更に涙)
まぁ仕方ないか、なにせ他のメンバーが凄すぎですもん。
天才ギタリストとして名高いジョー・サトリアーニやら、
元ヴァン・ヘイレンのサミー・ヘイガー&マイケル・アンソニーやら、ですもん。
しかもレッチリで最年長(で最のっぽ)のチャドは最年少ですからね。
「始めた」んじゃなくて、「入れてもらった」というニュアンスが正確そう・・・
このチキンフット、ヴィジュアル的にも色々と凄い。
高年齢バンドだから、毛量が足りない(苦笑)
堂々たるスキン+グラサンの強面ジョーに、後退した頭を帽子で隠すチャド(いつものこと)、
そろそろ心許なくなってきたマイケル。哀愁?迫力?
しかし、最年長のはずのヴォーカリスト、サミーだけ、見事にふっさふさ!
サミーとジョー&マイケルが10歳くらい差があって、更にチャドは二人より7歳くらい下で
かなりの年齢差バンドでもあるにも関わらず、このじーちゃんはまぁ、若い若い。
歌声にもそれが出ていますが、もうスゲェとしか言いようがありません。
一発プレイヤーをONにしただけで、アドレナリンが全開!
一つ一つの音がハッキリ、クッキリ、ズッシリと迫ってきて、潤いも感じます。
「ええ音だ」と聴き入ったり、圧倒されたりせずにはいられない威力。
マスタリング・ミキシングのグッジョブとも言えると思います。
当然各メンバーの演奏がウルトラ巧いから成せる技なのですが。
ズシンと打ちのめされるような大迫力のベース、おなじみのパワフルなドラム、
とても60代とは思えない素晴らしいヴォーカル、流麗で切れ味鋭いギター。
「肉食系」とはこういうのを言うのでしょう。あと「オッサンパワー」とか。
肉々しさを、ジョーの鋭利な持ち味が中和して、胃もたれしないようになってる(笑)
バランスを配慮するなら、誰かこういう役割を担うメンバーが居ないとね。
曲は当然ロックですが、同時に結構ポップでキャッチーな印象もあります。
全速力で飛ばす曲から、しんみりしたバラードまで、曲調もさまざま。
Amazonのレビューでは「Zepぽい」「もろZep」という声も。
そうか、だから普段HR/HMが苦手な私でもスッと入れたのか。
この手のジャンルは苦手だから、と敬遠している人でも、とっつきやすいのでは。
サミーは魂がきっとForever Youngなのでしょう、バラードを歌っても
歳を重ねた含蓄による説得力はあっても、決して枯れてはいません。
活き活きとしたサミーの歌声を聴くだけでも、幅広い層が楽しめると思います。
長年の相棒、マイケルによるコーラスも綺麗。加工の仕方もいい感じです。
聴いていてやっぱり印象に残るのは、ダイナミックこの上ないチャドのドラム。
レッチリでチャド&フリーのリズム隊にやられてしまった人は絶対に聴くべき!
(特に近年の)レッチリでは音楽性からどうしても制約があり、その鬱憤を晴らすべくか
チキンフットでは何の遠慮もなく、奔放にズダンズダンバカスカと叩きまくっていて
チキンフットの音楽に漲る「生命力」の泉となり、かつサミーやジョーをどっしり支え
チャドの永遠のヒーロー、ボンゾを思わせる、大活躍ぶりをみせてくれます。
そして、レッチリではフリーの影に隠れがちですが、チャドの果たしている役割は
決して影なんかじゃなく、大事な肝なのだと改めて実感させられました。
前任のジャック・アイアンズには悪いですが、チャドが来てから、レッチリは
「ベースが凄いバンド」から「リズム隊が凄いバンド」と呼ばれるようになったりで。
私はサミーやマイケルがいた高名なHR/HMバンド、ヴァン・ヘイレンを
一度も聴いたことがないし、今後も聴いてみるかどうかはわかりません。
レッチリが「Stadium Arcadium」をリリースした時、ジョン・フルシアンテが
エディ・ヴァン・ヘイレンのようなHR/HMの要素を現代のバンドに取り込みたかった
という旨の発言をしていて、そのアルバムでは凄まじいギターソロが満載で
ヴィジュアルもどこかギターヒーロー然。そんなジョンのことを、チャドが
「自慢の弟」なんて称えて、HR/HM調の曲では実に嬉しそうに叩きまくるといった
エピソードは確かにありました。だから全くNOではないと思います。
しかしそういった個人的な「いわく」を除いても、元メンバーが2人いる以上どうしても
比較されるヴァン・ヘイレンというバンドの音楽を聴いていなかったり興味がなくても、
ただそこにある音楽を、楽しむことができるし、また、そうすべきなんじゃないかと
至極個人的には思いました。
そうは言いつつ、実際にヴァン・ヘイレンを聴いてしまったら、
ついついジョーとエディを比べてしまうのかもしれませんが・・・
聴くと凄く元気が出て、勇気づけられる、生命力に溢れるアルバムです。
酸いも甘いもかぎ分けた、大人だからこそ奏でられる、
聴き手が安心してどっしりと身を任せることができる作品、そしてバンド。
大人による大人のための、そして、未来の大人たちのための音楽ですね。
歳を重ねるのが楽しみになります。
歳をとるほど、もっと楽しいことが待っているんじゃないかという気にさせられます。
「今日を楽しめ、だけど明日はもっと楽しいぞ」と言わんばかりの、
単純明快かつ楽観的なオッサン(オジイサン)達から、私達が得るものは多いでしょう。
メンバーがメンバーなだけに、単発企画かと思いきや、
ちょっと前には2ndアルバム、その名もなんと「Ⅲ」がリリースされたとのこと!
これからも継続してやっていくのかな?
00年代のストーンズ、そしてチキンフットと、2連チャンで
「枯れ専」ブログと化しているのはどういう訳だ?自分でもわかりません。
その前の「居酒屋もへじ」を加えると3連チャンだ!どうしたのか、私(笑)
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