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Salyu:その1 landmark「今でもこれが金字塔だと思う!トキメキと透明感に溢れたワンダーランド、コバタケさんの捨て曲なしベストワーク」

Salyuの作品を最初から追いかけていくシリーズ、2回目だけど「その1」は
デビュー作、「landmark(ランドマーク)」です。
landmarklandmark
(2005/06/15)
Salyu

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淡い色調の、可憐な花が、満開で咲いている姿になぞらえたジャケ。
Salyu自身は真ん中にいて小さいですが、手をいっぱいにひろげ、全身で光を浴びているよう。
このアルバムとアーティストをよく象徴した、うまいジャケだと思います。

小林武史プロデューサー(以下コバタケさん)には、女性アーティストに対し
「こうあって欲しい」という像があるように感じられます。
キーワードを挙げるなら、少女性、可憐、素朴、純真、あなたありきの私、など・・・
かつて(苦笑)手がけていたMy Little Lover(以下マイラバ)でこれが顕著に
みられましたが、マイラバでは、akkoさんがテクニック上の限界で到達できなかった
(テクニック上の限界を、"コケティッシュ"として昇華してみせたのはさすが)
「理想の女性アーティスト」の完成形を、このアルバムで達成できたのではないでしょうか。

そして、Salyuという少女の成長のペースにも、ちょうどぴたりと合っており、
コバタケワールドとSalyu嬢の実際の姿が、最も一致した作品だとも思います。
これ以降は、Salyu嬢が少女から大人へ成長し、その過程で強い自我がめざめ、
歌唱力も神業や成熟の域へと向かい、コバタケさんがついていけないとか、
Salyu嬢の反抗期(笑)とか、段々噛み合わなさが出てくるからです。

だから、「landmark」は、2人のベストマッチであると同時に、
「コバタケさんのベストワークなアルバム」だと思っています。
完璧な脚本に完璧な演出、そこに見事な演じ手。
まるで名映画監督のような、コバタケさんの緻密なつくり込みがあってこそ
Salyuという役者も、ここまでの力を発揮できて、かつ魅力的に映っているな、と。
このアルバムでの2人の役割を例えるなら、きっとそんな感じです。


CDをプレイヤーに入れて再生させると、まず感じるのは、これまでになかったスケール感。
透明感や神秘的な曲調などを引き継いでいますが、ふんわりと始まりながらも
高揚感があり、ワクワクさせられ、熱さを秘め、サビでそれが爆発するような歌声や展開に
思わず身震いします。
「これから何かスゴイことが始まるぞ」「どんな面白いものが待っているだろう?」
否応なしに聴く者の胸が躍り、歌声に詰まった情熱にこちらまで焦がれてしまいます。

「リリィ・シュシュ」という、薄暗く湿った枠から放たれ、
水を得た魚のように、瑞々しく、いきいきと跳ね回るSalyuの歌声は
「私の歌を歌える!うれしい!」という喜びに溢れているのがよく伝わってきます。
「リリィ・シュシュ」時は頼りなかった音程や声量も、大分しっかり骨組みができてきて、
ひとつひとつの声が、はっきりとした輪郭をもって力強く紡がれ、
時にはふわりと浮遊し、時には清らかに綴られ、時には高らかに舞い上がり、
楽曲の求めるままに、いや「心のままに」と感じられるほど、
変幻自在なイリュージョンがCDプレイヤーの中から繰り広げられます。


楽曲のバランスは「リリィ・シュシュ」の時と少し似ていて、
神秘的で透明感に溢れた曲、ファニーでポップな曲、バラード調の曲が同率くらい。
そして新しく、「躍動感を感じさせるダイナミックな曲」という枠が加わった感じ。
Salyuというアーティスト、あるいは少女の姿として、元々ある三つの面に加えて
「リリィ・シュシュ」のコンセプトに合わない、「わんぱくさ」が反映された、と。
サウンド面でもそうで、浮遊感や繊細さを出した、アナログロックや軽妙なポップと
レディオヘッドなどを想起させるような、ジリジリ焼き付くようなギターが印象的な
デジロック的なアレンジの曲とが、透明感を媒介として混在しています。
詞・曲ともに、全てコバタケさんの手によるもの。
ロマンティックで透明感あふれる、少女が紡ぐような「あえてちょっとつたない」歌詞も
イイんですよねぇ。


透明感と柔らかさが極上な曲としては「Peaty」「彗星」
ファニーでポップな曲では「ウエエ」「Pop」
美しいバラード調の曲では「VALON-1」
(「Dialogue」もいい曲なんだけど、まんまマイラバなきらいがあって、少々・・・)
そしてワクワク、ジリジリさせられる曲では
「landmark」「アイアム」「Dramatic Irony」
オススメといったところでしょうか。・・・って、ほぼ全部になってしまった!
(分類が難しい。ほとんど全部、「透明感」カテゴリに入るような気もしちゃう)

殆どハズレ曲が無いと思います。その点でもオススメ指数、名作指数が上がります。
楽曲の良さ、引き込まれる世界観は、歴代アルバムでもダントツだと思います。
また、冗長な大作でもなく、ある程度曲調にバラエティがありつつも
「透明感」「少女性」で一貫しているので、一枚の作品としてのまとまりも良い


常に、いまこの瞬間にも、進化を続けているアーティスト、Salyu。
しかし、私の中では、どこかで今でも、この1stアルバムでのイメージが
「Salyu像」だったりしている
ような気がします。
コバタケさんもそうなんじゃないのかなぁ?
今の進化を、娘が大人になるのを見届けるように、嬉しかったり複雑だったり
しながら見守っているのじゃないのかな?
・・・なーんて、想像してしまったり。


「landmark」リリース後にも、たゆまぬ鍛錬をたくさん積んだであろうSalyu。
次作は、その成果が歌声の進化に繋がり、これまでとはまるで違う世界を
私達に見せてくれるのです・・・!
その続きは次回へ。



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