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【CDレビュー・感想】John Frusciante:ENCLOSURE

もはや恒例の(笑)ジョン・フルシアンテのレビューです。
新作・・・といってももう2ヶ月も経ってしまったけど、最新作「ENCLOSURE」。
こんなに遅くなったのは、ここしばらくの集大成的作品ということで、
こちらも、頭を整理整頓するのにそれなりに時間がかかったからです。
でも、いざまとめてみると、理解が深まって、耳にする面白みも増すから不思議です。
それではどうぞ。


「プログレッシブ・シンセ・ポップ」という概念を掲げ、ギターをシンセサイザーに持ち替え
(ギターも弾いているが、ジョンの関心の中心は専らシンセだったように思うので)
これまでの彼の音楽と似つかない、しかし萌芽はずっと前からあった、
遙かなる理想郷への冒険の旅に出たジョン。
まだ概念も何も打ち出していなかった「Letur-Lefr」から繋がる長い道の、
目的地がひとまずこの作品だと捉えることにして、振り返りながらまとめていく。

Letur-Lefr

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(2012/07/04)
ジョン・フルシアンテ

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・実験のはじまり、プロジェクトの予告
・前作「The Empyrean」の音響志向から更に進み、エレクトロニクス、ヒップホップへの傾倒
・どことなく80年代っぽい ・まだ音がこなれておらず、耳障りが少々悪いきらいも

PBX Funicular Intaglio Zone

PBX Funicular Intaglio Zone【高音質SHM-CD/ボーナストラック2曲/解説/歌詞対訳/ポスター付】PBX Funicular Intaglio Zone【高音質SHM-CD/ボーナストラック2曲/解説/歌詞対訳/ポスター付】
(2012/09/12)
ジョン・フルシアンテ

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・「プログレッシブ・シンセ・ポップ」を初めて掲げた作品
・前作の違和感が減り、ポップで聴きやすくなった 個人的には4枚のなかで最も聴いている
・ギターや歌からできるだけ遠くに行こうと拘っている印象。弾いているし歌っているけれど、
それらをあえてねじ曲げたサウンド、主役はシンセサウンドとリズム
・①②とも、ジョン自身によるペインティングによるジャケット、インタビューなし

OUTSIDES 

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(2013/08/14)
ジョン・フルシアンテ

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・ギターの手癖を抑えぬいているとはいえ、再びギターに焦点が移る
ギターらしからぬギターサウンドの誕生
・サウンドも、アートワークも、スタイリッシュに変身
・10分超えの曲など、曲のかたちもフリーフォーム
・自身のHPで、RHCP時代のツアースタッフで急逝した人物に捧げた「Wayne」発表
この曲で、故人のためにギターを弾き倒したことが影響したか?
・ウータン・クラン所属のグループ「ブラック・ナイツ」のプロデュースを始める

ENCLOSURE

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・「集大成」というテーマのせいで、後ろの帯で浅田真央ちゃんみたいな扱いにされてしまう
書いた奴ソチの見過ぎだっただろ「!!!!!!!」
・遂に歌も戻ってきた、「ギター×歌」という従来の基本フォーマットにある程度立ち返った。
そこに「プログレッシブ・シンセ・ポップ」が完全な融合を果たした。
歌ものを基軸に置いてリズムで遊ぶというスタイルなので、従来よりメロディアスになり
圧倒的に聴きやすくなった。予備知識などの構え抜きで「ロック」としても聴けるかもしれない
・これまでは自分のなかで完結させて満足させていたような印象があった、音にしても、
アーティストとしての姿勢としても。しかし本作は、明らかに「外」を向いていて、風通しが良い。
過去作と比べても、「聴かれる」ことを強く意識してつくられているように感じる。
・ジョンといえば「もの悲しい曲」だった。いままではそうだった。しかし本作はひと味違う。
最初の曲からボーナス・トラックまで「格好いい曲」がずらりと並んでいる
もの悲しいメロディであっても、アレンジで格好良く加工されていたり。
・あちこちで、まるでRHCPの「Stadium Arcadium」の頃に戻ったかのような、
アグレッシブなギター演奏が沢山登場する。スタンスはずばり「ロック」だろう。
付随するうんちくは山ほどあれど、本作は、何も考えずかっこよさに身を委ねるのがいい。
・ブラック・ナイツのプロデュース、奥さんのプロジェクトにちらっと参加(オマーも)、
デュラン・デュランのレコーディングへの参加など、外部の人間との絡み仕事が多い時期で、
こうした仕事が、ジョンの意識を外へと向けさせたのでは。
但しジョンのソロ作品はしばらく出す予定はないのだとか・・・
・「Outsides」から、超長いインタビューが付くようになった。音源はおまけでこちらがメインかと
疑うほどに(苦笑)。それが発展して(?)、音楽に関する自身の考えをまとめた本を発表しようと
作業中とのこと。何やかやと忙しく、さしずめ今は「何でもやってみよう」期?

これまでの作品が情報誌や音楽雑誌のレビューで冷たい扱いを受けていたのに対し
本作は軒並み好評でほっとした。
なにせGuitar Magazine 5月号にも表紙で出ているんだから。

Guitar magazine (ギター・マガジン) 2014年 05月号 [雑誌]Guitar magazine (ギター・マガジン) 2014年 05月号 [雑誌]
(2014/04/12)
ギター・マガジン編集部

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しかし、インタビューは大半がアルバムに付いているものと被り、写真は「PBX」の時と
同じ格好をしているような・・・使い回しか?
買う価値はどれだけあったのか、ちょっと疑問である。
それでも、ようやっと表に出て来たという感じがして、素直に嬉しかった。

さて、直近の予定はジョン自身がアルバム付属のインタビューで語っているが
それから先の予想や要望、その他諸々を勝手に書いてしまおう!

●かってに予想&要望
・次にジョンが自身の音楽作品をリリースするとき、それは再び「ギター×歌」に
戻っている可能性が結構高いように思う。
ソロ3rdくらいから少しずつ萌芽がみられ、着実に育ってここまで大きくなった
「プログレッシブ・シンセ・ポップ」の流れが、今回のアルバムで、ひとまわりして
戻ってきたように感じられたため。
カヴァー曲集を出してみて欲しいのだが。ジョン的にRHCPを連想させそうでダメ?
それこそ、ソロ3rdのライヴ~RHCPのライヴで披露していた曲を新録したり、
いま現在興味のある曲をまとめてくれたら絶対発売当日買いにいく。
・急死したルー・リードが、生前ジョンについてちらりとツイートしていたようだが、
一緒に何かやる計画があったのか?ルーはジョンにオファーくらいはしていたのか?
今後、その幻の音源の発表があるかな? と、淡ーい期待をかけてみる。
RHCPに再々復活する可能性もあるのかなーと思ってインタビューを読んでいた。
ただそれは、実際にやったとしたら、もう「大ヒンシュク」にしかならないだろうが。

●ちょっと気になった
・インタビュー中で、RHCP脱退の時期や理由が脱退当初と全然違うのはどういうこと?
(当初:The Empyreanが出来た後で「ソロに専念したい」と気づき、辞める決意。
現在:Stadium Arcadiumツアー後にフリーがやめたいと言いだし、「それなら俺も」と
ジョンも脱退。その後、フリーは脱退撤回(フリーにはよくあること)、ジョンのみが
抜けることに・・・)
すぐに真相を話すとフリーがジョンヲタにフルボッコにあいそうだったから?
何だかRHCPのイメージがますます悪くなってしまう。どうなるのRHCP??

●一世を風靡したアーティストの宿命
・ジョンがここ数年打ち込んでいる試みは、音楽誌のレビューなどを見るかぎり、
世間の音楽リスナーや、評論家、以前からのファンに十分理解されているとは
言いがたいだろう。
ジョンは「他人なんて」と言いながら、「他人に媚びない姿勢込みで評価してほしい」
とも願っているから、「リリース」をして、インタビューを受けているのだろうけれども。
自身がヘビーな音楽リスナー、音楽信者であるなら、「栄枯盛衰」の定めの前例を
よく知っているだろうし見てもいるだろう。
00年代を中心とした絶頂期を過ぎ、10年代は、「前時代のもの」として、敵扱いされ、
理解されないことも多いかもしれない。
だが、時代の流れは繰り返す。人だって流行って廃って、また盛り返す。
それは、どん底から蘇ったジョンがいちばん知っていること。
私たちファンは、5年、10年単位で、かなり気長に見守っていくのが、
今~これからのジョンとの、ベストな付き合い方なのかなと思っている。


かつての隆盛が嘘のように、RHCPの株が大暴落していて、
いま「好きなバンドはRHCPです!」と公言するのは、かなり勇気が要りますね。
時代の荒波というやつでありましょう。
そこから抜けて全く違う動きをしているジョンは、まだ少し暴落は堪えているけど
かつてほどの神通力はなくなっているように思います。
私も「ついていけないな」と感じることが増えてきていたし・・・。
正直「ENCLOSURE」がなかったらファンを脱落していたと思います。
しかし、これは、長くやっているミュージシャン、アーティストの定め。
ここから更に第一線でやっていけるか、やっていくのか?
ジョン・フルシアンテ、10年代が正念場でしょう。
賽は投げられて、どの目に転ぶ?


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