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「あまちゃん」が教えてくれたこと、考えさせてくれたこと

新しい朝ドラがもうとっくに始まってるというのに、まだ「あまちゃん」の最終回の
録画を再生しては、今まで見たこともないようなあっかるい笑顔のユイちゃんとか、
「三代前から マーメイド 親譲りの マーメイド」なんかに繰り返し胸を打たれて
「うぅ…ううぅ…」と一人、TVの前でぐずぐずやっているのです。
先日の「有吉反省会」で「あまちゃん」便乗芸人どもが紹介されていましたが、なんか
ああいうのも許せてしまえそうなほど(ウソ)、現在、深刻な「あまロス」です。
最初の回から最終回まで、録画を駆使しながら、6か月間完全コンプリートしてきたのです。
前からファンだったクドカンが脚本で、冗談みたくかわいい能年ちゃんが主演なんですよ!
あんなにばかばかしく、あんなに世知辛く、あんなに愉快で、あんなに感動的なドラマは
(自分の中では)滅多にない!
まして、自分の行動にまで、影響を与えるとは。

そういうわけで、毎日このドラマを観てきた体験を通して、考えさせられたことや、
このドラマが私に与えた具体的な変化、あと感想について、書いてみようと思います。
まあ、感想が大半です。


「地元へ帰ろう」…地元、家族との対峙
主人公のアキが途中まで在籍する地元系アイドルグループ、GMTのデビューシングルにして
ヒット曲のタイトルがずばり「地元へ帰ろう」。グループコンセプトまんまやんけ!
このフレーズは、曲のタイトルだけでなく、物語の根幹にも深く関わっている。
震災をきっかけにアキもタレント・女優を辞めて「地元」・北三陸市に帰るのだが、
もっと深いドラマがあったのが、母の春子と、その母である(アキにはおばあちゃん)
夏ばっぱとの長年の確執と、その解決。
いつまでも大人になりきれず、夏さんに愛されたい、過去の過ちを謝罪してほしい…
などの想いがずっと胸に引っ掛かり続けて、イライラやさぐれている春子。
「イライラ」は怖いけれど(いきなりアキをぶったり)、愛情不足で不安定なあの感じは、
個人的に、劇中のどの登場人物よりもシンパシーがあった。
私も両親、とりわけ父親とああいう感じだから…。「分かり合えない」って思い込んで、
軽いトラウマになっちゃって、気が付けば愛情が憎しみに変化してる、あの感じ。
春子と夏ばっぱは割と綺麗に和解することができた。でもどうしても、ドラマだからか、
登場人物(特に足立家の人々)があっけなく「許し」すぎる印象は拭えなかった。
現実はこうはうまくいかないよっていう。
だけどこのドラマの役割として、あえて明るく夢や希望を提示したようにも思えた。

実は私はこのドラマに触発されて(+祖母の病気)、数年振りに実家に帰ってみた。
両親は昔より随分丸くなって接しやすくなっていた。昔の言動を反省してもいたらしい。
でも両親に対する恐怖心や憎しみは簡単に消えない。萎縮して、食事もまともに摂れない。
けれど、ほんのちょっとだけ、それらは和らいだ、のかもしれない。
「帰る場所はない」と言い聞かせて、十年近く、一人でやってきた。
「ああ、帰ってきてもいいんだ」そう感じられた瞬間、安心して、涙が溢れた。
そういう点だけでも、一度「地元に帰ろう」してみたのは、意義があったと思う。
もう少しでまた帰ることになるが、今度は更にひとつふたつ、許せることが増えるだろうか。

YMOやTM Networkにハマる!
「あまちゃん」の隠し味は、80年代テイスト。音楽だとか、アイドルだとか、
あちこちに懐かしい(90年代世代の私には、新しい)小ネタが詰まっている。
そんな中でハマったのがYMOとTM Network。前者は、アキ→種市片想い時代の
アキ夢オチのテーマでおなじみに。そして後者は、観光協会のセクシー担当・
栗原ちゃんが、やたら熱心に踊りながら歌おうと頑張っているところで、
カワイソス担当のヒロスに目撃され、成り行きの一発に至るテーマ(笑)。
洋楽主義だったはずなのに、今やすっかり立派?なTMヲタ予備軍に。
YMOもCD揃えようとしてるし、TM流れでaccessにまで手を出してるし。
すっかり染められてしまいました。今後、これらのアーティストの記事も登場?

やりたいことがコロコロ変わっても、ブレても、いいじゃない
やりたいことがあまりにもコロコロ変わりまくるアキ。春子を中心に散々
窘められるけど、その春子も実家へ帰ったり東京へ戻ったり、大吉っあんと
再婚しようとしたり、夫(アキパパ)の正宗とやり直したり、会社作ったり。
最後にはみんなが北三陸へ帰ってくる。種市も、安部ちゃんも、なんと水口も!?
ドラマの登場人物としてはハチャメチャで支離滅裂に映る。でも考えてみれば
現実だって結構こんなもん。まったくブレずに生きてる人なんて一握り。
多かれ少なかれ、みんな、ブレながら、迷いながら、自分の生き方を見つけている。
転がりながら、変化しながら、見つけて、気づいて、生きていけばいいじゃない。

田舎も都会も、いいところ、悪いところ、両方ある。万能じゃない
田舎賛美でも都会コンプレックスでもないのがこのドラマのナイスバランス。
どっちかに偏るドラマや映画(特に田舎賛美主義)の蔓延に辟易していたところだ。
自分は田舎で18年暮らしてそれから10年以上都会で生活しているが、
田舎が楽園だとも都会が万能だとも思っていない。
田舎でも都会でも、今いる所のいい所、信頼できる人やネットワークを見つけ、
自分の求めるものはどちらにありそうか、自分のことも、田舎や都会のことも
よく見て考えてみる…。そういう作業が大事なのではないか、と考えさせられた。

一人ひとりの凸凹、それが面白い。誰もが愛すべきキャラ
ちょっぴりウザいいっそんも、産業?スパイの水口も、「母の敵」の鈴鹿さんも、
ラスボス太巻さえも…。どこか憎めない、かわいいところ、人情味がある。
人をどう見るか。クドカンにかかれば、誰もが愛すべき名キャラになる。
まぁ実際には「嫌」としか感じられない人もいるんだけどさぁ。

その人にその役やらせるかねのマジック
例えば、杉本哲太さんが、ギャースカうるさい怪獣みたいな大吉っつぁんになったり、
小池徹平くんが、影は薄いしアキには認識されない、哀れなストーブになったり。
詳しくは知らないが菅原さんや勉さんの中の人たちはかなりのコワモテ名脇役らしい。
などなど、「そうきたか!!」の妙に最初驚き、だんだん納得していく。
配役にも小ネタが。「マンハッタン・ラブストーリー」というクドカンドラマを
観たことがある人なら、キョンキョンと尾美さんが夫婦で尾美さんがタクシー運転手
という設定に笑いが止まらなかったはず。「イボリー、悲願成就!!」って。
松尾スズキさんも「喫茶店のマスター」だし、ナポリタンもしっかり登場するしで、
このドラマを観たら多分「あまちゃん」が数倍面白くなること間違いなし(笑)
そして、「ずっと無愛想」な役ばかりだった松田龍平さんに、あえての水口を。
普段はイメージ通りにクールだが、ときに憤り、泣き、笑い、意欲に燃える…と、
熱さを秘めた男。こんな演技もできたんだったよな、と新鮮で、とても良かった。

折れても、また立ち上がれる
「東日本大震災」という最後の試練が前提の時点で、込められているメッセージ。
そして顕著なのはやはり足立一家。VIP一家から一転、地元の名士の父が倒れ、
介護に疲れた母はなんと蒸発。心が折れたユイちゃんはグレて高校もやめてしまう。
父と母が落ち着いたと思ったら、東京に向かうユイちゃんは震災当日、北鉄の車両内に
閉じ込められ、歩いて歩いて目にしたものはボロボロになった線路、断たれた未来。
ユイちゃんを見ていると何度も「この子はもうダメかもしれない」と思ってしまう。
薄幸な彼女だけど、ちゃんと自分なりの幸せのかたちを、アキと共に見つけられた。
春子、ユイちゃん、ユイママと、挫折した住民を生温かく見守る北三陸の人々。
いらん噂や陰口を叩いたりもしているようだが…まぁ何だかんだであったけぇ。


直前に「家政婦のミタ」をあれだけ当てた脚本家の「純と愛」の惨劇があったので
パンクな芸風のクドカンはもっと酷いことになるのか…?と、かなり不安だった。
海女さんになった後でアイドルになる、とTV雑誌のあらすじ欄で見たとき、
前年の大河「平清盛」ばりの大失敗(私もそうだが、コアなファンは実は多い)に
なっちゃうんじゃないか?と、不安はピークに達した。
それが蓋を開けたら、まさかの国民的大流行である。じぇじぇじぇ!!!
いいことなのだがむずがゆい。クドカンの作品がこんなに「大衆」に愛されるとは!
意外すぎるけど、まぁそれもいい。
これだけ、面白おかしくて、あったかいドラマは、
今までありそうでなかったから。



朝から食事吹き出しそうなほど笑わせてくれてありがとう、
自分の人生に引き寄せて、いろんなことを考えさせてくれてありがとう、
身支度まできちっと済ませたのにうるうる泣きそうにさせちゃってくれてありがとう。
たかがドラマ、されどドラマですね。
私にとっては単なるドラマ以上の存在になった、朝ドラ「あまちゃん」でした。


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テーマ:NHK:朝の連ドラ - ジャンル:テレビ・ラジオ

コメント

潮騒のメモリー

僕は毎回「あまちゃん」を観ていたわけではないのですが、
最終回はしっかりと観ました。

燃える朝やけさんは、「あまロス」になっているのですね…。
それだけ魅力的なドラマって、久々なんじゃないでしょうか。

僕は、小泉今日子さんが役柄名義(天野春子)でリリースした
「潮騒のメモリー」が、頭の中をぐるぐるとリピートしています。
80年代アイドルは、ストライクゾーンなので(笑)。

しかも、たまたま「笑っていいとも!」で、作曲家の大友良英さんが
テレフォンのコーナーに出演されているのを観て、
「そんなエピソードがあったんだぁ~」と思いましたよ。

10月期新ドラマに、またハマるドラマが出てくると良いですよね☆

じぇじぇじぇ!!

こんばんは^^
私も「あまちゃん」ハマリました。
記事でも曲紹介と一緒にギリギリセーフでマネしてみたり(笑)

http://letssingtogether.blog16.fc2.com/blog-entry-530.html

職場の近くにある某CD屋さんでは、お店の前にラジカセを出して、「潮騒のメモリー」や「暦の上ではディセンバー」とかの「あまちゃん」のアルバムの曲を流しています。
アキは最後は震災を機に北三陸に帰ったんですよね。
それにしても春子、歌手に憧れて何度もオーディションを受けたけれども、最初はアキの芸能界入りに反対していたんですよね。歌が終わった後いきなりアキをひっぱたいていましたものねぇ。でもアキがGMTをクビになっちゃった後は、個人事務所を設立しちゃったり、すごいです。
私も笑ったり、「じぇじぇじぇ!!」をマネしてみたり、今後を楽しみにしたりしていました。
またこういう面白いドラマが出て来るといいですね^^

お返事遅れてごめんなさい1

かげとらさん、こんばんは。
すっかりレス遅くなってしまいました。

この記事を書いて、さすがに最終回の録画はもう消して、
想いは一種「成仏」したようですが、いまだに朝8時が近づくとそわそわします。
「ごちそうさん」は観ていないので、そのままスルーするだけなのですが。

キョンキョンがCDを出したり、大友さんがいいともに出たりと、
まぁさまざまなかたちで展開して、ブレークしたこのドラマ…
なんだか、台風のような現象でしたね。

キョンキョンは「木枯らしに抱かれて」という曲が大好きですが、
これ87年頃なんですね。しかも作曲がアルフィーの高見沢さん。
でもそれを知ったのは大分後で、「優しい雨」「あなたに会えてよかった」あたりが
リアルタイムで記憶にある最初のキョンキョンですね。そういう世代です。。

あまちゃん、半沢と、7月期が面白すぎたので、10月期はぼんやりするかも(笑)。
「相棒」も、今期は観るか否か迷っているので。

お返事遅れてごめんなさい2

sayaさん、こんばんは。
最近はいつもレスすらこんな調子で、すみません…

お店の中でなく「前」ってのがアツイですね>職場近くのCD屋さん
あまちゃん関連のCDも本当、大げさでなく「山のように」リリースされて
とんでもないことになってますね。
CD屋さん(特にレンタル)は、まだまだあまちゃん関連のヒット、続きそうですね。

アキにも春子にもいろんな変化や成長がありましたが、最後はアキは北三陸で原点へ、
春子は東京で正宗さんと鈴鹿ひろ美と楽しく(笑)お仕事。
二人とも、生まれ故郷とは違う「第二の故郷」を選んでいるのが興味深いですね。
そして夢のような、アキとユイちゃんの「潮騒のメモリーズ」エンド。
最終回が胸アツだったのは、あまりにも徹底してハッピーだったからだと思います。
朝ドラの歴史を塗り替える勢いの、あらゆる方向で画期的なドラマでした。

お久しぶりです~

あまちゃん、楽しかったですよね!
朝ドラということもありクドカンさんの毒が薄まって
結果的に、クドカンさんの優しく、気取らない部分が際立ち
見事に温かいドラマに仕上がりましたね。
やっぱりクドカンのドラマは根本があたたかいドラマなんだよな~と改めて思わされました。

朝やけさんの記事、どれも同じ感想です。一つ一つ頷いて読みました。
振り返るとあまちゃんが大旋風になったのを私も一緒に楽しみましたよ。キョンキョンの曲をダウンロードしたり、ツイッターをROMったり、大友さんの出演する番組までチェックしたのは初めてのことでした。夢中になってたなぁ~
そういえば。今朝、民報のニュースでも一話しか登場していなかった勝地涼さんが”前髪クネ男”として紹介されていました(笑)出演者にとってもおいしいドラマだったでしょうね♪

そうそう。。。あまちゃんが終わった週はシュン・・・としていた私でしたが、次の「ごちそうさん」がこれまた面白くてあまロスになることなく過ごしているので助かってます(´▽`)。。。

rikoさんのあま愛&クドカン愛がアツイ!

rikoさん、ご無沙汰しています。
また来ていただいてありがとうございます。。(卑屈)

バカ、パンク、人情。
バカとパンクが目立つものだから、もう一つのクドカン三大テーマ
「人情」って、後になってじわーっと「ああ、そうか・・・」なんて
しみてきますよねえ。
「あまちゃん」では前二つをあまり露骨に出せないことが、かえって
「人情」のクローズアップに繋がって、「面白くて泣ける」「いい話」
「あったかい世界」っていう、少し違った触感になったかと思います。

> そういえば。今朝、民報のニュースでも一話しか登場していなかった勝地涼さんが”前髪クネ男”として紹介されていました(笑)
前日の「八重の桜」では、のちに東大総長になる偉い人を立派に演じていたのに
次の日にはあのクソチャラ男に!狙ってやってたんでしょうか?!?
今クールのドラマ「実験刑事トトリ2」第1話では、「メガネ会計ババア」こと木野花さんが
なんと、スタイリッシュなデザイナー、そして殺人犯!として登場して、笑ったり感心したり。
「あまちゃん」で初めて知った役者さんが沢山いたので、みんなのその後にも注目ですね。
それにしてもずぶん先輩こと福士蒼汰君、最近大活躍じゃないですか!驚いています。

私も「あまロス」抜けることができました。きっかけは、今更「SPEC」の再放送を観たこと!
いま完全にハマっています。住んでいる地区で連ドラやSPドラマを再放送してくれたお陰です。
ああ、ありがたや。来月公開の劇場版が見逃せない!!
「ごちそうさん」たまに見るんですが、爽やかな感じですよね。

お久しぶりです

燃え朝さん、ご無沙汰しておりました。

最近は燃え朝さんのブログへ訪問出来ずに申し訳ない次第であります。

あまちゃんは全く詳しくはないのですが、「有吉反省会」にあまちゃん便乗芸人が出ていたので鑑賞しました。

そして、主演された女優さんも今や時の人扱いのようですね。

私は小泉今日子お姉様の怪しげな魅力の方が気になって仕方がないです。(笑)

キョンキョンの新曲(?)「潮騒のメモリー」が出てますよ~

マグかつさん、どうもです~!
こちらこそご無沙汰であります。

> あまちゃんは全く詳しくはないのですが、「有吉反省会」にあまちゃん便乗芸人が出ていたので鑑賞しました。
なんとなく意外。マグかつさん「有吉反省会」みたいなバラエティもご覧になるんですね。
私もその日たまたま見たんですけどね。
accessの浅倉大介さんが、それとなくバイカミングアウトさせられてて、なかなかしんどかったです。。
便乗芸人どもは・・・道の駅のおばちゃんは必要だろうと思うのですが(笑)

> そして、主演された女優さんも今や時の人扱いのようですね。
能年ちゃん・・・カルピスのCM見たらもっと幸せな気分になれますよ~カワイイ!!
時の人扱いに戸惑っている様子ですよね。道を踏み外さず堅実に頑張ってほしいです。

> 私は小泉今日子お姉様の怪しげな魅力の方が気になって仕方がないです。(笑)
自分はキョンキョンはちょっとキツそうで苦手だったんですが、春子を見て
映画「毎日かあさん」なんかも挑戦したくなりました。
春子は普段はギャグみたいなモンスターなのに、いざというと脆く、何ともいえません。
時折見せる寂しげな笑顔がとてもきれいで、魅せられると同時に、考えさせられました。

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・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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