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ジョン・フルシアンテ:その5 Outsides「ギタリストとしての新たな地平を目指して・・・崇高な理想を少し聴き手にも向けてくれ」

うちのblogで、最多で何かしら言及している、元レッチリ(Red Hot Chili Peppers)の
ギタリスト、ジョン・フルシアンテJohn Frusciante)。
彼が「ギタリスト」から「シンセヤロウ」へと転向して、5年あまりの歳月が経ちました。
その転向の意外性には私を含む本当に多くのリスナーがぶったまげたはずですが、
今や彼の中では、「自分はエレクトロニック・ミュージックの作り手だ」という意識が
「自分はギタリストだ」という意識を上回っているかも?という、複雑な状況・・・。
そんななか、昨年の「PBX Funicular Intaglio Zone(以下PBX)」から1年弱で
新しいEPがリリースされました。フルアルバムも視野に入れたリリースのようです。

Outsides【ボーナストラック+1、高音質Blu-spec CD2、30,000文字ロングインタビュー、解説、歌詞対訳付】Outsides【ボーナストラック+1、高音質Blu-spec CD2、30,000文字ロングインタビュー、解説、歌詞対訳付】
(2013/08/14)
ジョン・フルシアンテ

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このジャケ好きです。タワレコで買ったら5センチ四方くらいのステッカーがついてきました。
何に使えばいい?といいつつ、ちょっと置いておくには飾りやすい。
気になるのが「30,000文字ロングインタビュー」。どうせジョンが喋り倒しまくっているだろう、
質問が1としたら回答は10くらいだろうと予想していたら、20くらいでした(笑)。
フォント細かくて読めねー。読破に2日くらいかかっちゃいました・・・
その中には看過できない、ちょっと「考えさせられる」回答もあったりして。
このEP、ある意味、インタビューがメインディッシュでは?

エレクトロニック・ミュージックには明るくないし、ライナーノーツにあるような専門用語も
ちんぷんかんぷんなので、「書ける範囲」「分かる範囲」でのレビューになります。
以下、音源、そしてロングインタビューについて。


<音源について>

・まずはざっと全曲を概括
#1
話題の「10分超えギターソロ曲」。レッチリ時代のStadium Arcadium(以下SA)なども
彷彿とさせながら、PBXでちらつかせた「手元が全然想像できない、ギタリストらしからぬ
ギタープレイ」をこれでもかと披露。しかしその存在感、強い自己主張は、SA時代からの
俺様プレイ・パフォーマンスと何ら変わらない。ギタリスト魂健在、というべきか。
この新しいギタープレイを強調させるためか、バッキングはとてもシンプルにまとめている。
前作と比べて圧倒的に聴きやすくなった、流れるようなバッキングを楽しむのも乙。

#2
あらゆる音やリズムをコラージュした、実験色のやや強い、2分半の曲。
コードは転調しまくり、リズムはぐるんぐるんに振り回しまくりで、目が回りそう。
ちょっとホラーっぽい音色、弦楽器と思しき音色などが登場。

#3
本作で唯一(コラージュした声を除いて)ジョンの歌「らしきもの」が登場する曲。
但し、最後のほうで、コラージュ材料として→ポエトリー・リーディングのように
出てくるだけ。淋しげなシンセの主旋律が印象的、こちらもコラージュが中心。

ボーナス・トラックの#4も似た路線で、こちらにもホラーっぽい音色が登場する。
展開がぐるぐるせわしなく移り変わるのも同じ。

・現在のジョンにとってのギターとは?
本作は、前作の流れを汲みつつ、よりスムースに、かつ、よりカオティックに進化した。
ギタリストとして、音楽家として、更なる高みを目指す、野心家のジョンの姿が垣間見える。
ジミ・ヘンドリックスやフランク・ザッパなどの、奇抜なアプローチ、チャレンジを続けた
先達に肩を並べようという狙いはもはや明白。
しかし、ギターが全面的に登場するのが#1だけであることが象徴するように、「現時点では」
シンセサイザーを毎日のように修練して、エレクトロニック・ミュージックを極めるほうが
やりたいこと、目指していること、やっていて楽しいことなのかもしれない。
そうは言うものの、何だかんだ言って、彼はギターを手放せないだろうし、ギターの名手として
後世に名を残したいという壮大な野望が消えることはないだろう。
どれだけ、「ギターなんてどうでもいいんです」という素振りをしていても。

・「ジョンのエレクトロニック・ミュージック」、ニーズは?専門筋からの評価は?
基本的にジョンは、ロックの世界からエレクトロニック・ミュージックへとやって来た人間だ。
彼の現在の音楽は、エレクトロニック・ミュージックをメインとして創る人間、聴く人間には
どのように響いているのかとても気になる。
なにせ彼が好きなのは「80年代、90年代のエレクトロニック・ミュージック」で、現在のそれは
余り好きじゃないし、知っているけど余り聴かないというし。
制作プロセスにおいても、旧いアナログの機材と最新の機材とが混在しているという。
ロックの側にずっと立っている自分は、「向こう側の見え方、評価」を想像することは難しい。
「あぁ、やっぱニュー・オーダー好きなんだな、今作も彼らの匂いがするよ」くらい。
しかし、以前からのジョン・フルシアンテのファン側の見え方ならばよくわかる。
新しいことにチャレンジするのは素晴らしいし、そこに並々ならぬ野心が伴っているために
その情熱につられて、ひかれて、また新作を購入したりダウンロードしたりしているのだが、
レッチリ時代や、90~00年代ソロ時代に思い入れがあればあるほど、戸惑いも大きくなる。
早い話が、期待しているものからどんどん遠のいてしまう。
そのような声に対して「だったら聴かなきゃいい」と、ミーハーファンの振り落としに
かかっているかのようなこのところの路線変更だが、あえて厳しいことを言うならば、
「ジョンに」魅力的なエレクトロニック・ミュージックを期待しているリスナーは
果たしてどれだけいるのか?私なら、それは本筋のミュージシャンに期待する。
ジョンに期待するのは、これまでの路線を踏襲した上で、深みと切実さが増した音楽だ。
目新しいアプローチがあったらそりゃ嬉しいが、それはあくまで「歌とギター」という
彼の本質(だと私が思いつづけていたもの)をないがしろにしない範囲でのものだった。
「期待を裏切りつづける」のは、確かに、かっこいいミュージシャンの条件ではあるが、
最近のジョンは、どうも、いきすぎているような気がする。

<インタビューについて>

・レッチリ復活は結局(やっぱり)打算だったのか
ドラッグ地獄から抜けだしてすぐ、エレクトロニック・ミュージックの道に進みたかったが
機材を揃えるお金があるはずもなく、制作ノウハウも、何も分からなかった。
どうしようもなかったので、リハビリがてら、レッチリに再加入することにした。
しかし、レッチリをやっていると、シンセサイザーの勉強に本腰を入れられず、習熟できない。
レッチリの片手間で身につくほど、シンセの道は甘くない。だから脱退して勉強に専念した。
おかげさまで現在は、シンセに精通し、思い通りの音楽を思う存分創れるようになれた。
・・・脱退関連の話をまとめるとこのような感じになる。
頭のどこかで、再加入劇には打算や妥協があるんだろうなとは思っていた。しかしそれを本人に
こうまで言われてしまうと、身も蓋もないというか、がっかりというか、物凄く腹が立った。
「お前、レッチリを何だと思ってるんだよ!レッチリはお前のオモチャじゃないぞ!!」と。
私は、アンソニーとフリーとギターの人とドラムの人、という個体認識が10年近く続いていた、
レッチリのぬるいファンを基本に、気がつけばジョン単体にも興味をもったという人間である。
正直最近のレッチリには興味が沸かないが、それでも彼らがけなされるとやっぱり面白くはない。
まして、ジョンはあのレッチリ復帰劇があったから、現在のような活動ができているのである。
(在籍時の10年余りに、バンドのために尽力したのは、勿論多大だとは思うけれども)
メンバー全員に楽器でフルボッコにされても文句言えないレベルだと思う。なんて。

ジョン・フルシアンテ、まさかのテレビ好き
「どんな映画に影響を受けましたか?」っていう質問をされたのに、「そうだね、最近テレビを
よく見るんだ」って、きいてねえよ!(苦笑。映画も色々観るとは言っているのだが)
いろんな番組名が出るわ出るわ。ビジネスマンや弁護士が活躍するドラマが好きらしい(笑)
いつの間にか「半沢直樹」を見始めて「倍返し!倍返し!」とワックワクしている自分としては
色々な意味で親近感が湧いた(苦笑)
邦楽・洋楽問わず、ミュージシャンに最近増えてるような気がする「テレビ好き」。
「意欲的なプログラムが増えている」というのが、共通の言い分である。

リスナーの存在を今一度、思い出してほしい
「レッチリでリスナーに喜んでもらうために音楽を作るのに疲れた。だからこれからは自分の為に
自分の聴きたい音楽を創る」とは、The Empyrean辺りからジョンがずっと言っていること。
当初はリリースすらせず、半引退かと危惧されていた時期で、私も絶望に暮れたものだった。
そして今、リリースは一応してくれる、インタビューも今回久しぶりに受けてくれた。
しかしそのベクトルはあくまで「自分が創りたい音楽を創ること」に常に向いていて、
少なくとも音楽を創る段階で、リスナーのことを意識しようという気はさらさら無いようだ。
聴き手に媚びないアーティストというと聞こえはいいが、そのCDは世界中でリリースされており
各国のレコード会社がわざわざ売ってくれて、熱心なファンがわざわざ買ってくれている。
そのような連鎖を続けている以上、リスナーをないがしろにすることは許されないのではないかと
思うのだが、彼の発言からは、聴き手の値踏み・軽視・見下しがそこかしこで見て取れる。
「聴き手の期待の斜め上をいく、いいものを創るから待ってろ」と思うならそう言った方がいい。
聴き手なんてどうでもいい、自分のオ●ニーだと言うなら、世界中でリリースなんてせず、
一人でシコシコやってればいい。
頼むから絶望させないでくれ。
我々リスナーがどういう気持ちでCDを手に取ってレジに持っていくか、新譜の知らせに喜ぶか、
一秒でいいから想像してみてくれないか。


今回はかなりの毒を吐いてしまいましたね。でも反省はしていません。
好きなアーティストのCDを買って、本気で嫌いになりそうになったのは初めてなのです。
しかも音源ではなくてそれ以外のところ(インタビュー)で。
流石にファンなので「元々悪意はないけど、どうしても自分の箱庭で遊びたい」人なのはよくよく
知っていたけれど、ここまで天狗・ビッグマウスになっているとどうしても幻滅してしまいます。
誰か喝を入れてくれる側近はいないものか・・・いないんだろうなあ・・・・・・
そりゃ、ファンですから、本人の狙い通り、ジミヘンやザッパに並ぶような、大胆で個性的な
偉大なミュージシャンとして大成し、長く語り継がれてほしいです。
だからこそ今回は、毒舌覚悟で、思いのたけをぶつけさせていただきました。
不快になってしまったという方、申し訳ございませんでした。


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コメント

お久しぶりです。

朝やけさん

おひさしぶりです。
たけるです。

最近いろいろあり、ご連絡遅くなりました。

まず、ジョンのことですが、(笑)
新しいEPは少しタワレコで試聴しました。

確かにシンセヤロウへの転向は、
おいらもビックリで、どうもまだピンときていません。

ただ今回のEPの1曲目は、好きです。
どこか聴いてるおいらも宙に浮くような気持ちになりますが。


これからのジョンはどんな風に進むのか、
かなり気になるところです。


そしておいらのことですが、
今回私事でいろいろありまして・・・・・

今まで書いていたブログは止めて
新たにブログをスタートしました。


これからはこちらで、
音楽のこと、日々のことを書いていきたいと思います。

またこれからもよろしくお願いします。

また遊びにきますね♪

新しいblogでもよろしくお願いします

たけるさん、こんばんは。
私事でのさまざま、さぞかし大変だったのだろうと、
新しいblogをちらりと拝見して何となく感じました。(後で改めて伺いますね)
今までよりもまったり路線になるようですね。
リンクは、どうしましょう?今までの「メタル魂」「音を楽しむ」の下に
新しいblogをリンクするかたちがよろしいでしょうか?
それとも、従来のblogはリンクから消したほうがいいですか?


ジョン・フルシアンテがシンセヤロウになってからの傾向と思われますが、
最初に出すEPは、少し後になって出すアルバムと比べると
比較的荒削りで未完成なものをあえて実験的にリリースして、
より完成度を上げたものをアルバムリリースしているように感じます。
なので、EPの感触がいまいちでも、アルバムでは満足度が上がる可能性が
結構高いのでは、と、期待を込めて書いておきます(笑)
自分も#1は結構好きですね。シンセヤロウ先生、確実にシンセの腕を上げている。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

やりたいことをやりきれる人が、今、なかなかいないのも事実ですね

secret様、はじめまして。
わざわざコメントして頂き、とても嬉しいです。ありがとうございます。

華麗なる例えに、ものすごくスッキリしました(笑)
>レッチリは、大企業。ジョンは自営業。
> 利用して、利用されるのは人間の基本かと思います。
> そのような人間の摂理がみて取れるレッチリは唯一無二であり、大変な魅力に溢れたバンドであると思います。
> レッチリに企業の縮図を見る思いです。

ほくそ笑みが出ますw
なるほどと思いました。確かにこうやって考えれば、今までのモヤモヤが随分割り切れるような
気がしてきました。2011年以降ずっと我慢していたモヤモヤがようやく晴れる気配です。
なんか、こういうモヤモヤをバサッと言いにくいものを感じていて・・・周りのblog等で見かける
ファンの意見の大半が、ジョン全面的支持、レッチリも割と全面的支持だったので、
そうやって考えられない自分は悪い奴なのかなぁ・・・とすら感じ、窮屈で。
ようやくのびのびと息ができます!!(おおげさですね)

10年くらいして金に困ったらキャッチーな作品が出てくる、の予想に同意です。
この人は少々飽きっぽいからなぁ・・・金に困らなくても、ジョンの中の周期で、
手のひら返したように、また普遍的ロック/ポップスへ戻ってくる気もするんですよね。
もっと明後日の方向へ逝くかもしれないけれど・・・

どうでも良いんじゃないかな

エンピリアンまでのジョンの音楽はシンプルなアレンジに巧みなサウンド処理なので分かり易いという楽しさ。「それ以降」のジョンの音楽には「それ以前」の音楽には無い楽しみ方がありますよ。「難解な方程式を解く楽しみ」、知恵の輪やクソ細かいパズル、脳トレみたいな物かなと。

だから私は「ファンを無視している」のではなく、「音楽に限らず何でもお手軽に便利に楽しめないと不満を漏らす傾向にあるイージーリスナー側が解けない知恵の輪を諦めた」という風に感じますね。

世界中にアルバムを出す意図にまでファンが口を挟みけちをつける意味もまったくわかりませんし、嫌なら聴かなければ良いと思います。

無題

お返事大変遅れました。
あまり家でパソコンも開いていなかったもので・・・。

この作品に対しては、かなり厳しくなったと思います。
音源そのものより、インタビューを読んで、このアーティストを支持する熱意が
ぐらついた、失望させられた、という個人的な感想がありました。
ちょっと期待しすぎていた、信心に近い思いを抱きすぎていた、という感想を
今振り返ると抱きます。
次作「ENCLOSURE」では手の平を返したように支持的な記事を書いているのですが。

ここ数ヶ月、ジョンの音楽を聴いていないので、888さんの情熱が懐かしく思えます。
コメントをいただいた記事を書いた当時の自分についても。
少し音楽の楽しみ方が変わっているせいなのですが、改めて本作を聴いてみると
今度は素直に楽しめるかもしれませんね。

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