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ケイコ・リー:ヴォイセズ Ⅲ&ライヴ(フェス)の簡単なレポート「触れやすく抜け出せない・・・魔性の声に溶けてゆく」

初夏のある日、私は実家を離れて以来何かと世話になっている叔母を誘って
その時期、市をあげて1ヶ月間にも及んで行われている、大規模なジャズフェスの
目玉企画である、街の公園のど真ん中に2階建ての特設テントを設営して開かれる
日替わりライヴに初めて足を運んでみたのでした。
某レンタルショップのタイアップがついていた為、そこの店でチケットの懸賞を
見事当ててしまった事から実現した贅沢体験でした(1枚5,000円×2枚もタダでゲット!)。
そして、そのアーティストこそが、今回書く女性ジャズヴォーカリスト、
Keiko Leeケイコ・リー)なのでした。
いつもパンフを見るたびに、「大物っぽいし、歌ものだし、一度は行ってみたい・・・」と
思いながらも、テントでのライヴのチケットの高さに、諦めてしまっていました。
それが念願叶っての参加と相成ったわけです。
だからといって、音源を何一つ聴いていかなかったのは、ちょっと舐めていたからかも・・・
きっと行けばわかるだろうと。
まぁ実際行って聴けばある程度ついて行けたけれど、今回紹介するベストくらいは聴いていたら
もっとまともに楽しめていただろうに・・・と今では悔やまれます。

そんなわけで、ライヴ後になってから、あの日のライヴの要所をうまく掴んでいるだろうと
予想されたので、聴いてみたのが「ヴォイセズ Ⅲ」というベストアルバム。
以下、一旦ライヴの感想を離れ、アルバムの簡単な全曲感想を。



ヴォイセズ3ヴォイセズ3
(2011/11/09)
KEIKO LEE

商品詳細を見る

大体5年ごとにベストをリリースしていて、本作は3枚目のベストアルバムになる。
1枚目や2枚目のベスト等に収録していた人気曲も、そのまま、または2011Versionとして
収録されているので、ケイコ・リーの全体像を掴むにはうってつけの作品といえる。

1 ONE HUNDRED WAYS
クラシックギター×低く囁くケイコ節。少しエキゾチック。リゾート気分でゆったり。
柔らかいヴォーカルが、親しみやすくアルバムの世界へと誘う。

2 I CAN’T MAKE YOU LOVE ME [2011 refine version]
洗練された音に包み込まれながら、流れるように繰り広げられる、オトナジャズ。
ダイナミックなドラム、溌剌としたピアノ、間奏などではサックスが彩る。

3 I CAN’T HELP IT
ずっしり響くベースがリードする、軽やかでキャッチーな曲。
コード展開が実にJazz/Fusion。サビの「Can't Help It」が印象的で、頭に残る。

4 IN THE MORNING LIGHT(朝陽の中で微笑んで)
ユーミンの曲「朝陽の中で微笑んで」をカヴァー。何とケイコはユーミンの親友なのだ!
他の彼女の楽曲に同じく、あえて英訳し、淋しげなピアノの旋律に寄り添ってしっとりと。

5 IF I SHOULD LOSE YOU
屈強なリズム隊に組み伏されながら、いかした都会のグルーヴが展開される。
ヴァイオリンが顔を出したり、加工されたケイコの声が用いられたりと、クールなナンバー。

6 FEVER [2011 refine version]
Ba×Dr×Pfの完璧なセッションにケイコがスッと混じる。変幻自在なメロディライン。
一つのフレーズの繰り返しを基調にどんどんヒートアップ、転調も鮮やかにキマっている。

7 I DIDN’T KNOW WHAT TIME IT WAS
軽やかに跳ね回るようなピアノと、がっちりしたアンサンブルがキモになっている曲。
ジャズらしいコード展開のピアノと戯れるような、楽しいムード。

8 THAT’S ALL
ホテルで、窓から海を眺めているみたいに、ムーディーでメロディアスなナンバー。
スムースなサックスは窓辺に飾った花瓶の花か。さっぱり、でもしっとり。

9 TELL ME A BEDTIME STORY
ハービー・ハンコックのカヴァー。低音から高音まで、フリーキーに蠢くケイコの声に
高いテクニックを見せつけられる。夜更けあたりが似合う。朝靄なんかも見えそう。

10 FRAGILE [2011 refine version]
スティングのカヴァー。歌詞がずっしり重くのしかかる。ぜひネット等で訳詞を見てみて
ほしい。マイナーでシリアスな曲にのせる歌声は、淋しく、それがどこか甘美な魅力を放つ。

11 A HOUSE IS NOT A HOME
ディオンヌ・ワーウィックによるカヴァーが有名だが原曲はバート・バカラックの曲。
穏やかで温かみのあるメロディや盛り上がりの中でも、崩れない冷静さとアーバンな雰囲気。

12 THE LADY IN MY LIFE [2011 refine version]
マイケル・ジャクソンのカヴァー。わりと原曲に近い仕上がり、キーも変わらない。
しっとりした歌声や演奏の合間に朝日のような煌めきを内包しているように感じられる。

13 DON’T KNOW WHY
リリースから10年で早くもスタンダードと化している、ノラ・ジョーンズの名曲を。
ノラもケイコもスモーキーヴォイスだが、こちらは夜とお酒が似合うアダルトなノリがウリ。

14 BRIDGE OVER TROUBLED WATER
サイモン&ガーファンクルのお馴染みの名曲「明日に掛ける橋」をカヴァー。
柔らかくふくよかなタッチで涼しげに歌い上げる。スパイスとして、低音をちらりときかせて。

15 WE WILL ROCK YOU
まさかあの情熱的でハードなこの曲を、ここまで徹底的に冷たく無機質に仕上げるなんて!
憂いさえ湛えた声が重なり合う瞬間には鳥肌が立つほどゾクッとする。発想の大転換の勝利。

16 THE VERY THOUGHT OF YOU
ライヴ録音と思われる(拍手などが入っている)。凪のように静かで美しいバラード。
ケイコの声がピアノととても合うのは、彼女が元々ピアニストだったことと関係があるのか?


ただのゆるい「歌い方」だけでは、この「弛緩感」は出ないと、彼女の低音を聴いて確信した。
全身の力が抜けきっていないと出せない音域である。やっぱり世界レベルは次元が違う。
どんな曲調にも、楽器にも馴染む、溶けこんでいく柔軟さ。
また、親しみやすいけど通俗的にならず、アーバンテイストを貫いて一線を引くのも特徴。
弛緩しているが常に冷静。こんなスタンス、どこにでもあるようで、どこにもないのでは?
聴きやすいと気軽に手に取ると、その奥深さに抜けられなくなる。
この声、この人、思っていた以上にスゴイ。



さて、話は再びフェスでの特設テント下、叔母と共に訪れたライヴ会場へ。
冷房が効きすぎで、寒くて凍えそうだ・・・!とお手洗いに行くと、鍵がかからないときました。
ずらりと並んだテーブルが小さくて、席と席の間隔が狭すぎ。食事も自由に頼んで食べて
楽しめるステージなのに、一品頼んだらそれだけでもうスペースがいっぱいになってしまうし・・・
あーもう突っ込み所が多すぎる。あれこれ、あれこれ、叔母と愚痴ります。来年は改善してよ!
そのうち私の隣のおばさまと斜向かいになった叔母が意気投合、やいのやいのご歓談してました。
ケイコの大ファンで、ものすごい量の音楽を聴き、ライヴに行っているとみられる一方で
ジャニーズも聴くという、雑食でパワフルなおばさま。好奇心とエネルギーは比例するんですね。

いざ、開演。ケイコは当然のように露出高めなワンピースで登場。さ、寒くないっすか?
私達のように「初めて」「何となく」で遊びにくる層が多いことを考えて、カヴァー曲を沢山
盛り込んでくれる親切設計。「ヴォイセズⅢ」の曲の他にも、ビートルズの「Come Together」
「Across The Universe」、マイケル・ジャクソンの「Human Nature」、ベン・E・キングの
「Stand By Me」といった、老若男女お馴染みの楽曲をこれまでもカヴァーしてるようです。
私達の目の前には白人のシニアの夫婦らしきふたり。結構ノっていましたね。
通常営業のしっとりアーバンなオリジナル曲に、安らぎすぎて、あとは気疲れなどが出て
リラックスを通り越してウトウト。叔母が私を覗き込んでいるのがわかりました(苦笑)
すみません・・・寝入ってしまわないように必死で抗うのが大半に。あぁ、今となっては
「勿体ない、なさすぎる」の一言に尽きますが、久しぶりに叔母に会って気をかなり遣って
それで疲れていたのもあったのです。

全体的に「和み」タッチで進んでいったライヴですが、やはり「We Will Rock You」になると
その場の空気が一気に変わりました。皆がはっとして、演奏にくぎづけになっていた印象。
目の前の白人さんもかなり喜んでいました!

ジャズ/フュージョンはリラックスできていいんですが、今回はリラックスしすぎてしまい
大反省。でもだって、ケイコの至福の中低音や、スモーキーヴォイスには抗えまい!
今度ライヴを観る機会を得られたら、前日も当日もめちゃめちゃ寝てから行きましょう。
何で寝不足のまま行ってしまったんだろう・・・日頃の不摂生も改めて反省したライヴでした。


最後に、記憶にある方もいるかもしれませんが、「We Will Rock You」のケイコヴァージョンを
珍しく、動画でぺたりと。2001年に「日産ステージア」という車のCMソングになったそうです。
私はこの動画で改めて観て/聴いて、感極まって目から液体が・・・・・・カッコイイ!
We Will Rock You-Keiko Lee



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テーマ:SmoothJazz - ジャンル:音楽

コメント

奥深きジャズ

ライブ参加、お疲れ様でした。
早速、動画でケイコ・リーさんの歌声聴いてみました。
クール!という表現がしっくりくるなぁと思いました。
「冷静かつカッコイイ!」ですね。
ジャズって奥深い。

レスです、そして生存報告です

かげとらさん、ご無沙汰してます。。
すっかり更新が減ってしまったこのblogですが、ギリギリ続けています。
現在、「別の事」に力を入れているので、こんなペースになっていますが
何とか細々と続けていくつもりです。
他の方々のblogをなかなか見に行けないのが申し訳ない限りですが・・・・・・

説明する言葉をなかなか持ち合わせていないので(例えば、歌い方にしても、
使われる楽器にしても、ステージやセッションでの約束事にしても、
聴き慣れたポップスやロック等と全然違うので)なかなか記事にこれまで
できていなかったのですが、実はジャズはちょこちょこ聴いています。
もう少し色々聴いて、ちゃんと適切な言葉や表現で伝えられるようになれば
ぼちぼちジャズの記事が増えてくるかもしれません。
未熟なまま、強行突破するかもしれませんが(笑)

動画観ていただいてありがとうございました。
キますよね、胸に・・・

ご無沙汰しておりますm(__)m

お元気でお過ごしでしょうか?

毎日暑い日が続きますが
おかわりありませんか?



朝やけさんにも
ご心配おかけして
すみませんm(__)m


昨日
アメーバの方ですが、

ブログを久々に更新いたしました。


これから
また
ぼちぼち更新していければと思っております…


先月にいただいたコメントにも

コメ返しをさせていただきました


お身体に気を付けてお過ごしくださいネ…


(*^-^*)

こちらこそご無沙汰しております

mikaさん、こんばんは。
こちらで返事する前に、アメブロ行っちゃいました(笑)
体調を崩されているとのこと、ちょっと心配です。
でも、本当にダメだったら、ラーメン一人前は食べられませんよ。
だからきっと大丈夫です!地道に、回復を信じて・・・

暑いですよねぇ・・・私はお腹に来ています。発症の原因は別のことに
あったとはいえ・・・
食欲は落ちるし、無理に食べるとすぐピーピーになるし。
昨年は結構運動してたんですけど、あまりバテの改善には役立たなくて
今年はもう、最初からいじけました。
腰痛でヨガもできなくて、かなりイライラ、モタモタしてますよ(苦笑)

マイペースに更新していきましょう♪

こんばんは^^
クイーンの名曲"We Will Rock You"。
これをケイコ・リーという方がカバーしたのですね。
声がいいですね。
約10年前にCMに使われたこともあったんですね。
他にもお馴染みの曲をカバーしているんですね。
"Stand By Me"、私も4年前にエントリーしていました^^

http://letssingtogether.blog16.fc2.com/blog-entry-64.html

CM、全く記憶にはありませんが・・・見たかったです

sayaさん、こんばんは。
普段動画はめんどくさいから+宗教上の理由で(笑)貼らない主義なのですが
余り知られてないかもしれないとか、どうしても貼らずにいられない非常事態
といったケースではこのような例外があります。
今回は、正に両方の理由でした。
たまには動画貼るのもいいですね(笑)

さすが長く続けておられるとエントリーも幅広いですね。
ネタ探しも立派なお仕事なのでは。

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・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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