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エマーソン、レイク&パーマー その2:トリロジー+恐怖の頭脳改革「箸休めをひとつ、そして恐怖のハイテク導入をひとつ」

前回のYesから、プログレを極める!期間と化しているこのblog。
今回はエマーソン、レイク&パーマーEmerson,Lake & Palmer)を再び。
EL&Pの記事を以前書いた時は「タルカス」と「展覧会の絵」の2作合同だったので
今回の記事も同じようにいってみましょう。
「トリロジー」と「恐怖の頭脳改革」。


まずは4th「トリロジー(Trilogy)」。

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(2012/05/23)
エマーソン、レイク&パーマー

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初めての、ジャケでのメンバー顔出し。なかなかのインパクト。なぜ上半身裸??
「トリロジー」とは「3部作」または「3部曲」といった意味。
表題曲である#7は、リリース当時(LPレコード)では3部構成だったため、
それを意味していると同時に、メンバーによる三位一体の音楽
(ライナーノーツでは「一体感、結束力」)という意味も込められているとのこと。

本作の一番の特徴としては「キース・エマーソンではなく、グレッグ・レイクの
音楽的好みが反映されている」とよく言われる。
それまでの「タルカス」「展覧会の絵」やその後の「恐怖の頭脳改革」と比べ
「コンセプチュアルで高い芸術性で勝負!」「エマーソン様ここにあり!」といった
圧倒感、もっと言うと威圧感(それがカッコイイのだが)が確かに少なくて、
ややポップでメロディアス、そしておとなしい印象を受ける(あくまでEL&P内の比だが)。
とりわけ、アコースティック・ギターをメインに淡々と歌い上げる#4や
ブルージーで、演歌ばりの粘っこい哀愁を漂わせる#8は普段余りみられない路線だが
こういった音楽性が「レイク節」といえるだろうか。
ただ、他の曲は、そんなに前後のアルバムと違っているかなぁ?といささか疑問も。
結局普段の、エマーソンがガンガン前に出ている作品だって、
レイクのプロデュースなのだし・・・。
リマスター盤のライナーノーツはその2/3が92年の再結成の話で占められており、
「話がだいぶ横道にそれてしまったが」どころじゃねーよ!と言いたくなるが、
結局、特筆すべき特徴が少なくて書くことがないので、手近な話でまとめたのだろう。
(ライナーノーツ本文が書かれたのは93年9月。但し、Amazonリンク画像にあげている
最新盤ではなくて、もう少し前のリマスター盤を使いながらこの記事を書いている)

それを踏まえると、メンバーの本作の意図としては、やはり「一体感、結束力」か。
前2作のインパクト、コンセプト路線は強烈だったが、それに頼らず、楽曲と演奏の
力だけで、しっかり安定したまとまりをつくりあげている。しかも曲調はなかなかに
バラエティに富んでおり、音楽性が幅広くなった。

刺激はやや弱めだが、安心して聞ける作品。
この安定感こそ、メンバーの「一体感、結束力」の賜物。



次に5th「恐怖の頭脳改革」。

恐怖の頭脳改革+3(K2HD HQCD/紙ジャケット仕様)恐怖の頭脳改革+3(K2HD HQCD/紙ジャケット仕様)
(2012/05/23)
エマーソン、レイク&パーマー

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タイトルやジャケを見るとどうしたって、キワモノなのだろうか?と不安になる。
しかし本作は寧ろ正統派。物語性はあるし、ギランギランに派手だし。
何気に本作を最高傑作にあげる向きも多いという。
なんてったって、超絶ハイテクサウンドのインパクトが凄まじいからだろう。
エマーソンは、特別注文のムーグ・シンセサイザーを導入し、
カール・パーマーまでも「パーカッション・シンセサイザー」という特注の
シロモノを駆使して、当時の最高峰のムーグ・シンセサイザー・サウンドが
展開されている。リズム隊がシンセサイザーを使うなんて!殆ど初耳だ。
だからか、今聴いても十二分に新しいもの、刺激的なものだと感じられる。
ひとまわりまわった新鮮さ、とでもいうべきか?
#2の間奏部分なんて、作業の手が止まって聴き入ってしまうほどの壮絶さ。
とりわけドラム×パーカッション・シンセサイザーの部分に息を呑む。
エマーソンが目立つことやインパクトある演奏を披露するのは本作に始まった
ことではないが、パーマーが意表を突くことをするのは聴き慣れていないからか?
最後にはレイクの歌声までもSEになる。レイク自身が声音を歪ませているのもあるが
「コンピューターが喋った声」として加工され、楽曲の世界観の増強を図っている。
ラストのデジデジサウンドは圧巻。しかも、あえてぷつんと切れてしまう。

一曲、一音当たりの情報量、音の密度が、圧倒的に図抜けているように感じる。
最先端のテクノロジーが、彼ら特有の「ギラつき」を更に増強する。
それでいてポップさも失っておらず、人気作になるのも大いに納得。


「恐怖の頭脳改革」をリリースした頃には、商業的なピークを過ぎ、人気も後続の
イエスなどに越され、雑誌の人気投票でもエマーソンがリック・ウェイクマンに
1位の座を明け渡すことになるなど、今回の2作の時期でひとまず全盛期は終わりと
みてよいだろう。
以後は、オリジナル作品のリリースが途絶えだし、1980年、解散を発表。

しかし、イエス好きとしてEL&Pを聴くと、EL&P無しではイエスは、もっと言えば
リック・ウェイクマン(の人気)は無かっただろうなぁと感じる。
また、バンドの花形といえばギターを誰もがイメージするところに、固定観念を
大きく破って、キーボード(というか、シンセサイザー)を持ってきたことも
私などが言うまでもなく、後続のミュージシャンに多大な影響を与えているし、
EL&Pを聴いてシンセサイザーを始めたり、シンセ中心のバンドやユニットを
作ったりした人間は本当に多いんじゃないだろうか。
エマーソンのプレイを聴いて、私がそれまでヴォーカリストやギタリストなどから
主に見出してきた「音楽作りやパフォーマンスへの執念」を、キーボーディストから
初めて見つけることができた。それは本当に、天と地がひっくり返るような経験だった。
それと同じくらい、レイクの歌声、歌心にも強く惹かれた。こちらは親しみやすさと
いっていいだろうか。人工的な箱庭に生身のニンゲンの感触を与える存在。
プログレの全てが理解できたなんて、口が裂けても言わないし、一生言えない。
だが、プログレがこんなに面白いと思えるなんて、数年前には予想もつかなかった。
EL&P(とイエス)との出逢いに感謝したい。音楽はこんなにも面白く奥が深い。
レイクが初期に在籍していたし、ビルブラも移籍しているしで、今は少しずつ
キング・クリムゾンの扉をノックしている最中。
プログレの旅は、まだまだ果てしなく続く。



ということで、そのうちイエスもちゃんとやるつもりです。キング・クリムゾンも。
ただ両者とも作品が多すぎる。クリムゾンはまだ全然集めていないし、
かなりの部分を集めたはずのイエスにしたって、どうやってまとめていけばいいか?
そういう理由で避けてきたのですが、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・
プログレブログにするつもりはないのですが(笑)、ペースは遅いながらも
「難しいけど好きな音楽」についても、今後はもっと積極的に取りあげていきたいです。


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