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ドキッ!初めてのビブリオバトル観戦記~某都市、ある初夏の週末に~
皆さんのお住まいの地域では開催しているでしょうか、「ビブリオバトル」?
ビブリオバトルとは、書評(本の感想、評論)のNo.1を決める闘い!
ってそのまんまですが、要は、発表者がオススメ本に関するプレゼンをして、
観戦者からの質問の応酬なんかもありつつ、最後に観戦者から「一番読みたい本」を
投票してもらう、というもの。京大で生まれ、学生の間でまず流行し、それが今では
幅広い層、幅広い地域に拡がっている最中の、現在進行形で発展しているバトルです。
「誰のプレゼンが良かった」というバトルではないですが、いいプレゼンをすれば
それだけ、本のイメージは良くなるし、プレゼン内容が悪いと観戦者の興味も引けません。
本のセレクト、上手なプレゼン。このふたつが勝敗を決める二本の柱となり、
質問への明解な受け答えや、発表者の好感度の高い人柄(キャラ)なども重要な感じ。
司会を務めた事務局の職員さん曰く、他にも沢山のバトルのスタイルがあるのだそうです。
今後、様々な試行錯誤を繰り広げてゆきたいとのこと。
プレゼンは5分間で、驚いたのが、レジュメなどの資料(観戦者に配る用だけでなく、自分で
見るものも!)を一切使えないこと。全部自分の言葉(と、練習で暗記した文言)で
真っ向勝負しなくてはならないんです。
5分間という短い時間ゆえか、緊張ゆえか、それとも両方からか、発表者はどうしても
心なしか早口で詰め込むようなプレゼンが多いと感じてしまいました。
あと、急に事務局側から参加を頼まれた等で、準備不足から、行き当たりばったりになり
言いたいことを言い切れないまま時間切れ・・・というプレゼンも見受けられました。
「連日、お風呂で練習しては、隣の人に壁を叩かれ・・・」と周到に準備してきた人でさえも
声はふるえ、ガチガチになり、一生懸命さがかえって痛々しかったり・・・
難しいですね。私なんか絶対無理だと思いました(笑)
「どれだけ、この本が面白いか?どうしてこの本を多くの人に読んで欲しいのか?
なぜ、この本は面白いのか、この本じゃなきゃいけないか?」
重視されているのはこういう辺りで、熱意重視という印象でした。理論重視で話していた
何度か出場されている方は、事務局の職員さんに「理屈はわかったけど、どうして・・・」と
突っ込まれていました。(事務局の職員さんも観衆の様子を見計らって、質問をします)
「ほかの本とどう違うのか、なぜ勧めたいのか」といった理屈の面は、どちらかというと
観戦者のほうが質問していることが多かったです。
こちらも、結構来慣れている方がぼちぼち居る様子で、質問が鋭く、人によってはちょっと
キツい印象を受けましたね。大学講師タイプというか。
因みに、発表者への誹謗中傷、人格否定といった攻撃的な質問は禁止されているので
「おまえのプレゼンつまんね!クズ!」というような罵倒をされる心配はいりません。
あくまでも、発表者と観戦者との相互理解、交流、本との出会いを目的としているイベント。
某匿名大型掲示板や、大学の手厳しいゼミのような、つぶし合いや自己顕示はお門違いです。
それが保証され、平和な議論の場として質問と回答の応酬が成り立っていて、ほっとしました。
初めての観戦ということもあり、その場に居合わせるだけでやたらと緊張してしまい、
前半3名まではずっと緊張しっぱなしでした。
後半になって段々勝手が分かってきたり、場に馴染んだりしてきて、余裕が出たのか、
勇気を出して質問にチャレンジ!!
相手は現役女子高生の子で、なんかしょうもないことを聞いちゃったのか、観衆の中にクスクス
笑う人がいて、ちょっと嫌な気分になったのですが、当の女子高生ちゃんは実に溌剌としていて、
プレゼンも本当に堂々たるもので、その場の皆が彼女の迫真のプレゼンに圧倒されていました。
でもこんなに真面目(オススメ本も教育関係と、堅い印象がありました)なのに、素はふつーの
女子高生(笑)。見事、優勝したのですが、友達の参加者の子と一緒にぴょんぴょん飛び跳ねて
キャーキャー言っている。・・・ねこっかぶり??今時の優等生って器用なんだなあ、と、ちょっと
怖くなってしまった瞬間でした。なんつって。
6人の参加者がいたので、紹介された本は6冊。
哲学書を漫画で読破しようという本、伝説の将棋師の伝記、いじめ問題をとりあげた新書、
日本のとある文豪が世界の探偵になりきってしまう推理小説、ほっこり系小説、
発展途上国で現在でも実際に行われている悲惨な慣習についてのノンフィクション。
自分から手に取る本、私の場合は物凄く偏っているので(好きな作家、知ってる作家しか
買わないところがある)、知らない本を知る、知らないジャンルを知る、知らない
「ひとそれぞれの興味のツボ」を知るという、大変興味深い体験ができました。
「本を通して人をみる 人をとおして本をみる」
これが、パンフレットに載っている、ビブリオバトルのキャッチコピー。
大会が終わり、私は知り合いもなしに独りで来たこともあって足早に席を立ったのですが
会場は発表者同士や観戦者同士、発表者の知り合いと思われる観戦者などのおしゃべりの場に。
和気あいあいとした交流の場と化していました。
(正直、そこに「内輪ノリ感」を感じて、居づらくなって出てきたのですが)
私は日頃、このblogで、「音楽etcを通して」顔を知らない多くの人達との交流をありがたくも
果たしているのですが、当然ながら「本」を通しても人と人は繋がっていくのですね。
本と人との、人と人との緩やかな出会い。どれだけ本や音楽やコミュニケーションがデジタル化
されても、アナログの、生身の「人と人との繋がり」は引き続き大切にされ続けてゆくのだろうと
しみじみ考えながら、会場を後にしました。
近隣の地域で開催されていたら、皆さんもいかがでしょうか、ビブリオバトル。
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コメント
初めて知りました!
ビブリオバトル、普及はまだまだこれからです
レスしようとして気づいたのですが「3分」でなくて「5分」の誤りでした・・・(事務局が
事前にくれた、ビブリオバトルについての資料を見返して気づきました)
さっき慌ててササッと直してきましたが、なんかそういうのもしっちゃかめっちゃかに
なりそうな位の、緊張感とせわしなさだったもので、あの場。。
楽しんで読んでいただき光栄です。
blogもしていてFacebookなど他のSNSもやっていて、という方も多いと思いますが
今の自分にはこの手のblogの距離感が丁度良いんですよね~。あくまでも緩く緩く。
Facebookとかmixiとかちょっと距離が近すぎる感じ。
そして、何百何千のツイートや掲示板への書き込みをしても(どちらもしたことないのですが)
たった一言の、生身での出会い・会話には敵わないのかもな、とも考えました。
何だかんだで、ニンゲン=ホモサピエンスは一人では生きていけない生き物・・・
一人で本に感動したり音楽に興奮したりしても、それを誰かと共有できたらいいって
少なからず誰もが願っているところが、根底にはあるのかもしれませんね。
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体験レポ、楽しく読ませて頂きました。
初めて知りました。
書評…僕的には懐かしい響きですが、
3分というのは短いですね。
さて、キャッチコピー、うんうんと頷けるところがありますね。
僕もこうしてコメントさせてもらって感じているのが、
アナログな繋がりだったりするので、
本を通じての、人と人との緩やかな出会いって良いと思います。