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The Smashing Pumpkins:その2.5 Pisces Iscariot & Earphoria「スマパンの凪の部分、魅せる部分に出逢えるレア作品」

The Smashing Pumpkinsスマパン)の裏作品特集前後編、後編は
シングルのB-Sideやアルバムのアウトテイクなどを集めたアルバム
Pisces Iscariotパイシーズ・イスカリオット)」からスタート。

パイシーズ・イスカリオットパイシーズ・イスカリオット
(2012/07/25)
スマッシング・パンプキンズ

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Amazonで検索をかけると、豪華なDVD付セット「完全生産限定盤」が先に出てくる。

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(2012/07/25)
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何度も聴いてみて、一曲一曲ねちっこく追っていくような作品ではないと感じたため
あえてさらっとした感想を。

収録楽曲が生まれたのは主にSiamese Dream(サイアミーズ・ドリーム)期で
たまにGish(ギッシュ)期の曲が混じる。
つまり前回書いたDVD「Vieuphoria」とも重複する時期。
スマパンの裏作品はことごとくこの時期に集中している。

#2、#6、#7など、いつも通りのハードで疾走感のある楽曲、サウンドもあるが
それより大半を占めるのは、大人しい曲、穏やかな曲。
フリートウッド・マック(#9)やエリック・バードン&ジ・アニマルズ(#12)の
カヴァーまで登場。#12なんて思い切りブルース、後にも先にもあるまじきことだ。
(この4人の時代においては)
奇しくも全体におけるジェームス曲の割合がいつもの作品と同じくらい(#3、#5。#5は
ジェームスの歌唱で、ビリーがキャリア中、彼の作曲に唯一口を出さなかった曲)。

「Gish」と「Siamese Dream」の間にリリースされて忘れ去られたアルバム、と言っても
信じてもらえそうな気がする。
多少ばらつきはあるが、「穏やか」というキーワードでまとまる気もするし。
とはいえ普段のスマパンのアルバムとは全く異なるアルバムであることは言うまでもない。
こんな控えめなスマパンのアルバム、後にも先にも聴いたことがない(し存在しない)

他の普段の曲たちと何が違うのかというと、やはり「シングルA面」「アルバム収録曲」
といった「重圧」「大役」を背負わなかったことで、インパクトやエゴを強烈に主張する
必要がなく、ただリラックスしてありのままそこに在れば良い曲たち
だということ。
勿論リリース候補曲として全力で制作したのだろうし手を抜いたとは決して言っていない。
だけど後からこうして聴くと、不思議と肩の力が抜けた曲ばかり集まっている。
美しいメロ、アコースティックサウンドが多く、逆回転ギターなども登場する。
スマパンの「動」の部分を私達が普段聴いているとしたら、本作は「静」。
ライナーノーツを全く読まずに聴いていたら、大半をジェームスが手がけたと言われても
信じてしまいそうな癒し系の曲、気負わない素朴な魅力の曲が並ぶ。

初め聴いたときは「しくじったか」と思ったが、2回3回と聴いていくうちにジワジワ嵌った。
この穏やかさ、淡さの魅力に気付くことができたら後はすっかりクセになる。

夜寝る前に聴いてもなかなか悪くない。スマパンのアルバムを寝る前に聴けるなんて?!
あまり前面に出してこなかった「凪」のスマパンに出逢えるアルバム



次に、前回紹介したライヴDVD「Vieuphoria」のCD版「Earphoria」について。
ブッチ・ヴィグたちがトチ狂っているジャケはDVDと同じ(笑)

EARPHORIAEARPHORIA
(2002/11/27)
スマッシング・パンプキンズ

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ここには、DVDに入っていた迷場面・・・インタビューや喜劇といったパートは全てなく
ライヴでもMCは基本カットされ、演奏場面だけが収録されている。
そこで当時のスマパンのライヴの姿がかえって浮き彫りになる。
但し、「Vieuphoria」を観て補完しないと要領を得ない展開(例えば、「Mayonaise」の
アコースティック演奏で、途中でビリーが笑い出してしまうが、それはジェームスを見て
何か可笑しくなってしまったらしいから。彼は何もしてないと思うが、ビリーったら不思議)
がぼちぼち出てくるし、まさかの日テレ音楽番組出演場面だとか、「Silverf***」における
ジェームスの猟奇的パフォーマンスだとか、ビリーのギター破壊だとか、「これこそが
スマパン、こんなのもスマパン」と言いたい名場面が本作だけではことごとく知らずじまい。
「Vieuphoria」を観た後で、楽しい思い出の保存版として持っておくとか、
観た場面場面を補完しながら聴く、などといった工夫が必要
だろう。

前回の記事では主に視覚的な面に焦点をあてて感想を書いたので本作では聴覚的な面を。
まず、音質が曲によってはガタッと悪いので、いつもより少しボリューム上げて。

他のバンドの例にもれず、スマパンもライヴで元の楽曲を様々に弄って盛り上げる。
大人しめな曲をハードに演ってしまったり(#3「Disarm」)、その逆に激しい曲を
アコースティックヴァージョンにしたり(#4「Cherub Rock」)、
もともと速い曲をもっと速く演奏して思い切り煽ったり(#7「I Am One」、#12「Geek U.S.A」)
インプロ混じりに展開させたり別の曲と混ぜたり(#14「Silverf***」は、展開が激変したあげく
あの「Over the Rainbow」にまでいきついてしまう)。
こういった「魅せるバンド」としての側面を知ることができる。

#1や#6は、ビリーやジェームスの作ったインストで、どちらも完全に打ち込みサウンド。
まさかまさかこの時期に既に「Adore」への伏線が張ってあるのか・・・?!
ところでこれらの、DVDではBGMになっていたり、チョイ出で終わった曲たちについて
本作のライナーノーツでは「VHSでリリースされた『ヴューフォリア』には収録されて
いなかった」と書かれており、DVDで映像を観た身としては「???」となる。
VHSでは未収録の楽曲数曲が収録されていると宣伝文句にもなっているし。
VHSからDVDに新装発売する際に、本作の楽曲を挿入したものと推察される。
というかそれしかないだろう。

本作(Vieuphoriaも含め)には何曲も、先ほどの「Pisces Iscariot」にも収録されていない
全くの未収録曲が収められており、裏Pisces Iscariotとすらいえる側面があるかも。
そういった意味でもコレクターズアイテム的にとっておくと楽しいのでは。

何度聴いても荒々しい4人の演奏が快感だ。映像なしでも迫力が伝わってくる曲が幾つもある。
壮絶なパフォーマンスと、ここでしか聴けない曲を楽しめる、レアものの作品だろう。



あ~濃すぎるスマパンの3作品、あっという間でした。
感想をまとめあげるまでは大変だったのですが・・・なにせあまりに面白くて(笑)
これにてオリジナルメンバー時代のスマパンの作品は一通り網羅したはず。
後は現在「スマパン」と名乗っている集団を応援するか否か、なのですが
現時点での最新作「Oceania」は地味にイイとあちこちで耳にするしなぁ・・・
もはや原形を留めなくなったバンドのファンの心情というものは、色々複雑なのでありますよ。



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コメント

メランコリ~

スマパンは今聴いてもやっぱり本当によくて、この前iTunesをみてたら、リマスター盤やらデラックス・エディションやらたっくさん出てるんですねー!

私はリアルタイムで「Gish」から入ったので、ハードなスマパンも大好きなんですが、実は、やる気のない脱力系の方の曲も大大大好きなのです。
優しくて美しくて、なんかやるせなくて、ホントに素晴らしいですよね。
なので「Pisces Iscariot」、是非聴いてみようと思います。

スマパンは、この4人でなくちゃ!という気持ちは、きっとほとんどの人が思ってることでしょうね・・・レッチリと同じですね!

嗚呼、青春の日々

なみっぺさん、こんばんは。
リアルタイムでGishからとは、さぞかしワクワクする体験だったのでは?
なにせどんどん上り調子になっていく様子の一部始終に立ち会えるのだから・・・
ダーシーのベースがドゥオンドゥオンとアグレッシブに自己主張しているのが
燃えてくるので、今では「Gish」期もかなり好きな時期になりました。

最近少しずつリマスターしてデラックス・エディションを出しているようですね。
以前の連載の時期にはサイアミーズまでで、今回画像検索でAmazonを見たら
メロンコリーまで。2枚組ですから価格も倍額で、本当の「大人買い」に
なってました(苦笑)

いまやオリジナルメンバーがビリー一人しかいないとは・・・ジェームスとダーシーが
いない時点で期待をしなくなってしまったところに、ジミーまでもが脱退した暁には
ホントどうすればいいかと。レッチリでいえば、フリーまで脱退したようなもので。
曲作りやレコーディングにほぼ関わらないとはいえ(これも微妙ですが)、やっぱり
揃って欲しいメンバーというのはいるわけで、ねぇ。
終わったことをあまり悔いても仕方ないし、生産的でもないのですが・・・

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