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Ramones:Too Tough to Die「ラモーンズの軽やかで明るい側面、鬼軍曹の素顔・・・"友人や人生に恵まれて、俺は幸せだ"」

前回の「End of the Century」は「ラモーンズの重くて暗い側面」が
フィーチャーされた映画でしたが、一転して今回とりあげる「Too Tough to Die」は
ラモーンズの、とりわけジョニー・ラモーンの、軽やかで明るい側面、救い、希望、
そういったものが前面に出た、楽しく、最後は心洗われる、ハッピーな作品に。
基本的には同名のトリビュート・チャリティ・ライヴのダイジェスト。
そこに出演者のインタビュー、ライブの後日談などが混じってくる展開です。

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2004年9月、ジョニーが前立腺癌で死去するほんの数日前に開催されたこのライヴは
元々ジョニーが友人のロブ・ゾンビに「ラモーンズ結成30周年ライヴをやるぞ」と
突然言い出したことから始まった企画。しかしジョニーの病状が深刻になるにつれて
趣旨は「闘病中のジョニーを励ますライヴ」へ。
そしてライヴを観に行くこともできないほどになり、死の床についたジョニーへ
会場のファンからの「ヘイ!ホー!レッツゴー!」の大声援のエールと
彼を、ラモーンズをリスペクトする出演者たちによる全力投球の演奏が捧げられるのです。
ライヴを「見届けて」僅か数日後にジョニーは旅立ってしまうのですが
ライヴの後日談として最後に、ジョニーの葬儀と友人達のスピーチ、そして
巨大ジョニー銅像の付いた記念碑に埋葬されるまでが収められています。
ライヴの収益は「前立腺癌研究とリンパ腺研究基金」に寄付されたり、
「ジョーイ、ディー・ディー、そしてジョニー・ラモーンに捧ぐ」と締めくくられたり、
出演者インタビューでもジョーイディー・ディーマーキーの話をする人がいたりと、
ジョニー一人だけでなく、ラモーンズ全体や、他のメンバーが好きな人にも
十分楽しめる内容になっています。

この映画のキーマン、立役者となる何人かの人物を鍵に
本作、そしてジョニーを介したラモーンズに、もっと踏み入ってみましょう。


ジョニーの妻・リンダ
リンダは元々、ラモーンズのホームグラウンドといえるライヴハウス「CBGB」の常連で
ラモーンズ以外にも同時期のパンク音楽シーンに造詣が深かった。
だから、ジョーイ、ディー・ディー、加えてジョー・ストラマーと訃報が続くなかで
これ以上パンク音楽シーンに悲しいニュース、悲しいムードを持ち込みたくなかった
また、ジョーイの闘病の姿を見て、病気のことを公開することによって、ジョニーが何かと
病気のことばかり聞かれるのではないか、そんなの嫌なのではないか
、とも考えた。
そのような考えから、リンダはジョニーの病気をなるべく公表しなかった。
時が来て、いざ公表すると、ジョニーはすっきりした様子だったという。
これまで彼女には「派手好きで良く喋る勘違いオバさん」というイメージがあったが
この良妻エピソードで随分印象が変わった。
ジョン・レノンにおけるオノ・ヨーコのような立ち位置なのだろう。まぁ彼女には
好き嫌い・諸説あるようだが・・・

リンダが明かすジョニーの素顔としては、映画(特にホラー)好き、収集癖、
日記(記録)の習慣
(ラモーンズ結成時以来、20冊にわたる)、野球観戦好きなど。
特に映画は、生き字引のような存在。友達が、映画でわからないことがあると
みんなジョニーに聞きに電話をしてくる。それでわざわざ調べて、教えてあげる。
個人的にも、わからないことを常に調べながら映画を観ていたらしい。
また、趣味によって(映画友達、野球友達など)友達がそれぞれ居た。
ジョニーの友達になる条件は「何か一つ仕事以外に、熱心な趣味がある」こと。
趣味を媒介として、たくさんの、さまざまな友達が出来て、
ラモーンズ解散後はとりたてて音楽活動をせず、趣味や友達との交流に勤しんでいた。

インタビュアーに「ジョニーの面白いところは?」と聞かれたリンダ、「全部よ」。
やることなすこと面白くて、毎日一緒にいても飽きないのだという。
色々聞かれていっぱい喋るリンダはいつも元気があって、何だか楽しそうだ。
こういうリンダと一緒にいたから鬼軍曹ジョニーも気を抜けて、「面白い」側面を
臆面もなくポロリポロリと出してしまえたのかもしれない。


マンディ・スライン監督
マンディ監督は両親ともがラモーンズの仕事をしていて、監督とお姉さんは
幼少期の夜をしょっちゅうCBGBで過ごしたのだそう。
「子どもが来る場所じゃない!」「託児所じゃねえ!」と言われていたとのこと
(そりゃそうだ、これは親が悪い)。
一般の子どもにとっての童謡が、彼女達姉妹にとってはラモーンズだったわけだ。
監督はシャイで、幼少期にしても大人になっても、なかなかメンバーには
自分から声を掛けたり、親しくなったりはできづらかった。
関係者の娘ということでメンバー達は優しく接してくれたけれどどこか他人行儀で
よそよそしく、距離があったとのこと。不器用な彼ららしい(笑)
やがてドキュメンタリー映画に興味を持ち、作品を作るようになる監督。
そんななかで今回の話と出会った。

「コンサートの様子を撮影させてください」という監督の申し出に
ジョニーは反対。監督が推測するに、ジョニーは友達をカメラの前に曝したく
なかったのだろう、友達を守りたかったのだろう
、という。
また、撮影するということはジョニーが会場に居られないことも意味する。
病状悪化で会場での鑑賞が絶望的になり、監督はリンダに密かに依頼、快諾を得る。
しかしジョニーはお見通しで、「何話してるんだ?」とからかわれてしまった。
そして、いざ当日、いざ撮影。リンダの存在にも助けられ、インタビューも無事完了。
ジョニーを元気づける為にと、無理なスケジュールを強行して編集に勤しむが、
散歩から帰るとジョニーの訃報が流れ、監督はへなへなと座り込んでしまった・・・

音楽を引き立たせたかった。ラモーンズの音楽の素晴らしさを伝えたかった
これが監督の願い、想い。
なかなかその意図、よく伝わってくる映画だったと思う。


レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
エンドロールにて、スペシャル・サンクス欄で、個人名でなくバンド名が
記されていて、「End of~」、トリビュート・アルバム「We're Happy Family」にも
参加と、皆勤賞状態のレッチリ。普段のライヴでもよくカヴァーしている。

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バンド単独で最も劇中にフルで流れる曲が多いのは貢献度かそれとも知名度か。
皆、いつも以上に気合いが入っており、フロント三人がガンガン動く。
それも当然、フロント三人はラモーンズが大好きで、影響を受けまくりだから。
ジョンフリーの手元に違和感が・・・と思ったら、ジョニーやディー・ディーにあやかり
ずっとダウン・ストロークで弾いている。特にフリーの違和感半端ない(笑)
Youtubeのコメント欄で「ジョーイそっくり!」「声はジョーイ、姿はイギー・ポップ
と大反響だったアンソニーは、キャラや当時の髪型と相まって寧ろジョニーみたい。
フリーのあのコケティッシュなキャラ作りにディー・ディーの影響が強いのも窺えた。

それにしても意外だったのは、いかにもラモーンズの影響を受けてます!な
アンソニーとフリーよりも、ジョンが一番ラモーンズと面識があること。
ジョニーとはかなり仲が良くて葬儀にも呼ばれているし、ジョーイやC.Jと遊んだことまで
あるという。レッチリ脱退後の近年、リンダと写っている画像なども目にする。
「憧れすぎて、ラモーンズのメンバーはアニメのキャラクターみたいだ」と言うジョン。
インタビューで、ラモーンズやジョニーについて目をキラキラさせながら喋るジョン。
葬儀のスピーチで今にもわあああんと泣きじゃくらんばかりなのを堪えて話すジョン。
巨大ジョニー銅像を間近にして、目をまん丸にしてお口ポカーンしてるジョン。
感慨深いというかお前面白すぎるだろというか、見どころの一つだと思う(笑)
アンソニーとフリーは、ヒレルジャック時代にチンソックスでライヴに乱入して
ジョニーに大目玉食らった
エピソードがあり、それが尾を引いてるのか・・・?
(本作には当然出てこないが、アンソニーの自伝に載っているエピソード)
唯一メタラーでラモーンズと縁が薄いと思われるチャドだが、ライヴ後?楽屋裏?で
マーキーと一緒に写真撮影なんかして、ちょっと仲良くなったようで良かった良かった。

個性の強いフロント三人と少し距離をおいたドラマー。レッチリって、どうも構造が
ちょっぴりラモーンズに似ているのではないか
と感じている。
ジョンをヒレルに、チャドをジャックに置き換えても同じことがいえると思う。
でもジョンをジョシュに置き換えた今のレッチリでは似てないなぁ。


たくさんの友達
「ラモーンズ30周年ライヴをやるぞ」と言い出したのはジョニーだったけれど
具体的な企画、出演者集め、出演、そして映画の監督まで全て彼の友人知人による
「手作りのライヴ」。
MCを務めたロブ・ゾンビ(ジョニーの提案時はソロで「バンドがない」と言ったら
「じゃあMCやれ」となった)曰く「仲間は自然と集まった。出たいというバンドも
沢山名乗り出てくれた。多すぎて断ったくらいだ」というほど。
ジョニーの危篤から死まで、エディ・ヴェダーはつきっきりだったというし
前述のジョン@レッチリやリサ・マリー・プレスリーなども見舞いに足を運び、
これまた多くの友達に看取られて臨終のときを迎えたのだそう。
件の巨大ジョニー銅像にはヴィンセント・ギャロなども友人としてメッセージを刻んだ。
葬儀のスピーチで、メンバーのC.Jは号泣しながら、ジョニーとの友情に感謝した。

ジョニーが友達と一緒に写っている写真も作中でどっと登場する。そこにはあの
ジョー・ストラマーの姿もある。
「End of~」では「フォロワー、寧ろコピーバンドがあんなに売れて俺たちは」
という険悪で皮肉なエピソードとして出てきた印象だが、あの作品の時点で
ジョーはラモーンズへの敬愛を語っている。それに時間も過ぎた。
ラモーンズには色々なことがあったが、もはや全てのわだかまりから解放されて
ジョニーは自由な気持ちで短い余生を謳歌した
ことがここからもわかる。

最も印象に残った友達は、やはりロブ・ゾンビ。
温かいけれどメソメソしない、つかず離れずの距離感のある優しさがいい。
巨大ジョニー銅像を造ったのはロブの友人で、造ったきっかけもまた、
ジョニーとロブとの何気ないいつものやりとりにあった。
「リンダに幸運だと自覚させること」「リンダ、リンダ、俺は伝説の男だ」
「お前がいい暮らしを謳歌できるのは、この俺のお陰なんだぞ」
葬儀のスピーチで、ジョニーの物真似混じりに銅像に込めた想いを語るロブ。
見た目はちょっと怖いけど、気の良い奥さんのようにジョニーを理解している。
ロブとジョニーの本名、苗字が同じだけど、兄弟ではないよね?


マーキー、C.J、プロデューサーのダニエル・レイによる3ピース+ゲストの数曲、
熊の着ぐるみやゴリラ?のお面などが楽しいディッキーズ
ヴォーカルの女性が視覚的にも聴覚的にも強烈すぎるX
シュワちゃんを彷彿とさせるド迫力のヘンリー・ロリンズ@ブラック・フラッグ、
深く響き渡り存在感のある声がすばらしいエディ・ヴェダー@パール・ジャムなど
見どころ聴きどころが書ききれないほど沢山あるライヴ、映画でした。
そりゃ本家のラモーンズとは違うけれど、温かくてアツイスピリットが伝わる。
そして現代にアップデートされている。
今や、若い子がイカす音楽としてラモーンズを聴き、Tシャツを着るまでに。
観ていて楽しくハッピーな気持ちになる映画であると同時に、「End of~」を思い出して
「ラモーンズ、こんなに愛されているんだな。凄いな、本当に良かったな」
という感慨が沸き起こってきたのは、一介のファンである私どころでなく
当のラモーンズのオリジナルメンバーたちこそ天で噛みしめていることでしょう。
友達や人生に恵まれて、俺は幸せだ
ジョニーがロブに託した手紙に綴ったこの言葉こそが、全てを語っています。



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コメント

こんばんは~

朝やけさんがラモーンズ好きとはちょっと意外でした~(笑)

ラモーンズ中学生の頃のフェイバリットでした~。
ビィ~ト~~ンザッブラ~~♪昔コピーしていました!
なつかしぃ~。
こんなけシンプルなコード進行をこんだけかっこよくパワフルに
演奏するバンド!ラモーンズは偉大なパイオニアですね~。

シンプル イズ ベスト!って本当ですね

呑ま蔵さん、こんばんは!
そうか、呑ま蔵さんはギタリストですもんね。
丁度直撃世代か・・・「あれなら出来そう」ってミュージシャンの皆さんが
コメントを寄せていましたが、そんな想いでコピーされていたんでしょうか。

年齢からいって私(もうすぐ30歳)がラモーンズを聴いているのは
ちょっと変なので、意外と思われるのは無理もないです。
もちろん完全に後追いで、レッチリのファンになる→数年後、ジョン単独で
深入りしたファンになる→Too Tough~を観て興味を持つ→ベストアルバムや
ロックンロール・ハイスクール→今回の前後編でした。
(つまりToo Tough~は再見でした。だからこそ心にしみた)
傑作と名高い初期の三作から、いずれ本格入門いってみようと思ってます♪

1.2.3.4♪

燃える朝やけさん

こんばんわ♪

おいら、高校生のときに、
ラモーンズのコピーバンドをしてたときがあり、
かなりお気に入りです。

やはり曲前の「1.2.3.4♪」

これを聞くだけで、
最高を感じます。(笑)

パンクとメタルを繋ぐもの、それが「1!2!3!4!」

たけるさん、こんばんは。
お加減はいかがですか?

おお、たけるさんもラモーンズをコピーしていたんですね。
でもラモーンズってパンクですよね。メタル好きのたけるさんをも
魅了するものがあったというわけですねぇ。

> 曲前の「1.2.3.4♪」
ある意味、曲が始まる前のこの部分に、既にバンドの音楽の魅力が
凝縮されていますね。
これさえあればいっそ曲それ自体は何でもいいという境地に?(笑)

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