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ざっくり映画ライフ:その1 夏の夜長とジブリアニメ(千と千尋の神隠し・風の谷のナウシカ・紅の豚)「国民的老舗ブランドの変遷を追いながら」

昨夜録画した「千と千尋の神隠し」を今日の昼に観ながら、「そうだ、映画のための
新しい企画を作ろう」と思い付きました。
1記事全部使うほどは書かないけれど、印象に残ったのでざっくりと感想を述べたい用の。
その名も「ざっくり映画ライフ」。どんどん「ざっくり」が増えていきますが、
1記事1題材限定型だと題材の取りこぼしがどうしても増えちゃうんですよ。

記念すべき第一回はおなじみスタジオジブリ作品。言うまでもなく数多くありますが
今回は、今年放映された「紅の豚」「風の谷のナウシカ」そして昨日の「千と千尋の神隠し」
がややメインです。来週のトトロまで待つという手もありますが、トトロとラピュタは
内容ほとんど暗記しちゃっているからなぁ。
因みに、ジブリアニメをTVで観るということはそれすなわち加藤清四郎くんの「シネマボーイ」に
出くわすことと同義でありますが、普段「いらね」と感じるこの前フリ後フリも
ジブリアニメでだったらいいかなぁと。子ども(と大人)のためのアニメですからね。


まずは昨日の「千と千尋の神隠し」。もう10年も前ですか。

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キャッチフレーズの「生きる力」とか懐かしい。そういやよくそんな事言われてましたね。
「前にも観たからいいかな」と思っていたけど、それが案外覚えていなくって。
千尋一家が例のトンネルをくぐるまでのオープニングや、大泉さんが声優やっていたとか
でかい赤ん坊いたとか、千尋がヒロインらしくない子だというのが凄く話題になったとか、
そこまでは覚えていたんですけど、肝心の話の筋なんかは全然覚えていなかった。

ある映画を「前に観た」という経験が一応あっても、いざ観てみると殆ど覚えていない、
断片的な記憶しかない、物語が何を伝えようとしていたのかまではわからない、といった
ぼんやりした「経験」でしかない、なんてことありませんか?

TVを地デジにして以来、地上波で少しでも興味のある映画は必ず録る習慣がつき、
去年の年末の映画までまだ残っているんですが(もう観ないのかも・・・)
「あぁ、コレ、こういう話だったかぁ」「あのシーンとあのシーンしか覚えてなかった」
というパターンがかなりありました。(「ボディガード」なんかもそのパターン)
今回はモロにそれ。これまで、映画や単発ドラマの記事は二度観してメモをとりながら
記事をつくってきたんですが、すぐ前のものですら取りこぼしてしまうのだから、
まして過去の淡い記憶が頼りにならない、新たな発見があるのは言うまでもなく。

ジブリものの主人公ってみんなお利口さんで、明るく元気で、素直で可愛くて、
こういったシチュエーションでもすぐ適応して・・・というのにウンザリがあったのは
ナウシカを再聴したときに再確認したのですが、千尋はキャラ造形からして可愛くない(笑)
でもすごくいまどきの子どもにいそうな顔や所作をしている
んですよね。
理想的な子どもから現実の子どもへのシフトは、昔の作品から辿ると余計にインパクト大。
それに、ややゆっくり成長していくから、感情移入が追いつきやすい
今までの主人公って既に完成されていて、「どうせ出来るんでしょ?」と予測がついちゃう。
でも千尋は実にどんくさくて、挨拶もできなくて、ぼんやりしているところからのスタート。
周りから怒られながらも、仕事をがんばって、褒められる体験をして、責任感がついて
どんどんたくましく、臆さない子に育っていく。
だからいわゆる「主人公補正」も、今までと比べて自然に観られてよかったです。
最後には正体のよくわからない感動が湧いてきて、涙ぐんでしまいました。

登場人物たちが古い言葉をしゃべっていたり、古代日本ふうの着物を着ていたりしていて
大河ドラマ「平清盛」を連想してしまったのは私だけ?
ああいう(というか、もっと深い)日本古来の神話や伝承を織り交ぜた
キャラ設定やストーリーが、国際的な評価を決定づけたそうですね。
グローバリゼーションが方々で叫ばれていたあの時期によく、こんなメッセージを
鳴らせたな、しかも受け入れさせてしまうとは
、と、今考えると驚きを隠せません。

デジタル技術を使うようになった影響などもあり、絵柄など雰囲気が従来(トトロとか
ラピュタとかの頃)と比べてかなり変わっていますね。
あの少し垢抜けない、青臭い「らしさ」が欠けたような印象も受けたのですが、
時代と並走するとはつまりそういうことなのかと。

あの頃の問題提起(無気力な子ども、若者)は、10年経った現在にも鋭く響くように
感じました。最近よく子どもや若者が農村に出て修行したりしている流れにも続くような。
つまり、あの当時の世相の問題は、解決の目を見ていないと。個人レベルでは活発な若者も
増えているように感じるけれど、その面でも「格差」がとんでもなく大きいのでは。
「10年前の流行」って「懐メロ」にもなれない一番厳しいタイミングかもしれませんが
今こそこの作品は観られるべきだと思います。特に未来に躓いている、若者に。



次に、これも割と最近放映していた「風の谷のナウシカ」。

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島本須美、納谷悟郎 他

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はっきり言って苦手で、避け続けてきました。「グロ」なイメージが焼き付いていたから。
いつも食事をしながら映画の録画を観るので、ヘドロんちょが出てくるタイミングを運良く
華麗にスルーしながら視聴できましたが、ちょっと被った時はやっぱりしんどかった。
でも実はその辺は「千尋」の方がグロです。思い切りげぇぇってやってるし。
ナウシカは、その一瞬一瞬さえ避ければ大丈夫。「案外観られるな」と胸を撫で下ろしました。
今秋にエヴァンゲリオンの新作公開が控えている庵野秀明さんの名前を
クレジットで確認できて、それにも「おおっ」と。しかも「千尋」のクレジットにもGAINAXの名が。
庵野さんが描いたのは例の巨神兵ですが、勿論しっかり観ておきました。
エヴァを思い返すと確かに、随所にナウシカを想起させる描写があったかも。
今春くらいからEテレで30分くらいだけ放映されているアニメ「ふしぎの海のナディア」を
ずーっと欠かさずしぶとく観続けているんですが、それを称して「ナウシカ×エヴァ、
もしくはガンダム」と言っているくだりを雑誌で読んだのが何だか頷けるような。
(そこにプラス「ヤッターマン」じゃないの?グランディスさん達ってドロンボー一味の
パク・・・オマージュって感じがする)そしてその間の「トップをねらえ!」も気になります。

ナウシカは、とにかく自然が第一なんですね。良くいえば純粋な、悪く言えば原理主義的な。
自分のスキルや経験でなんでもできるから、自然自然と言って村人を率いることができる。
確かに勇ましいヒロインではあるけれど、それは愛情や環境に恵まれているから
成り立つ少女像
なのだと、ライバル役の姫君を観ていると懐疑的になってしまいました。
本作には原作の漫画があるそうで、そちらではその姫君が単なる「噛ませ犬」役でなく
成長を経てナウシカと対峙するキャラクターで、ナウシカと二分する人気があったとか。
だから観終わって寧ろ「是非とも今度は漫画のナウシカを読んでみたい」と思いました。
何巻何十巻と続けられる漫画と違い、映画は基本、2時間だから、描ききれない部分が
出ますよね。その「描ききれない部分」にこそ隠れた魅力が詰まった作品である気がして。

「ナディア」は、ナウシカにオマージュしながら、懐疑的な目線が混じっているところが
今(全体の半分も終わっていないけど・・・)観ていて、あるように感じます。
どんな過去があったのか殺生を絶対否定するナディア、しかし近代的な世界ではそれは
我が儘でしかない。ナウシカのような絶対的能力も権力もない。だから時々「みんな、
みんな大嫌い!」と言ってイジケて、孤立してしまう。「ナウシカの理屈は風の谷だから
通用するのであって、実際の世界では綺麗事でしかない」と言わんばかりに。

何度か脱線しましたがちゃんとナウシカに戻って、「千尋」でも千尋を救う少年の正体は
千尋が昔溺れたことがある、再開発で今はもう存在しなくなった川の神様だったりして、
ナウシカで提示された自然愛、自然保護の主張はブレないなぁとしみじみ。


最後に、あまりにもシブい豚が主人公の洋画風お気に入り作品「紅の豚」。

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よく、宮崎アニメでは飛行機や飛行艇など、飛ぶアイテムが頻出すると言いますが
この作品はそれを思い切り極めたもの。なにせ空の男たちのお話ですから。
そして舞台は20世紀初頭のイタリア。いやもうね、豚が豚なのに人間よりもモテて、
哀愁があって・・・ストーンズやトム・ウェイツなんかがよく似合いそうな豚ですよ。
観てみると結構、わんぱくヒロインが話を掻き回したりして、正統派の物語の体裁を
していると意外な印象さえあったんですが、全体に漂うムードが完全に白黒映画。
「古きよき」という言葉がこれほど似合うアニメ映画はないと言いたい。
千尋もナウシカも大きなメッセージを背負った映画だったんですが、本作に関しては
何を読み取るというではなくて、ただ心地良い空気に身を委ねるのが一番の楽しみ方。
男も女も現在を楽しく生きていて、エピローグに出てくる年をとった皆さんも
おじいちゃん・おばあちゃんなりの楽しい生き方暮らし方で楽観的にやっているのが
僅かな描写でも伝わります。「楽観的にいまを生きようよ」それがメッセージかも。
豚の「正体」も、明かしているようでイマイチはっきりしない=結局どこか謎に
包まれたままなモノローグで、最後にどうなったのかも「ご想像にお任せ」で、
こんなに最後まで神秘的で種明かしをしない不親切な主人公も宮崎アニメらしくない。
映画を観ているのかと勘違いするような雰囲気が極上の、異端の隠れ名作
私としてはこっそり隠しておいて、一人だけのものとして秘かに楽しみたいくらい。
ジブリ作品の時点で「こっそり」「一人だけのもの」なんてあり得ないのですが(笑)


ジブリ作品ってエンディングもお話のひとつで、エンディング楽曲にも傑作が多くて
聞き惚れてしまいますね。今回の中では「紅の豚」の加藤登紀子さんにうっとりするばかり。
スタッフクレジットの横に描かれる背景画もエピローグになっていて
こういうこだわりと、それを尊重してくれる日テレさん、GJ!と思うことしきり。
CMを入れるタイミングや時間数までジブリ側に指定されると聞いたことがあるのですが
日テレサイドには面倒かもしれないけれど、観る側としてはその徹底ぶりがありがたい。

80年代のナウシカを代表とする「ジブリ全盛期」、90年代の紅の豚といった
変化球、まったりの時期」、そして00年代の千尋のような「改革期」と
ジブリアニメの3つの年代を概観するかたちに図らずもなりました。
10年代は、吾朗さんが監督を務めることが増えて「世代交代期」になるのか?
しかしこれだけひとつのブランドを長く維持しているのはやはり凄いことですね。


あーあ、「ざっくり」のつもりがまた長々としてしまった。
変にハードルを上げてしまったような、または短く書けないのを露わにしてしまったような。
まだまだたくさん「ざっくり」な切り口であっさりと感想を書きたい映画があるので
今後どんなふうにそれらを語ろうかと考えながら、今回の記事を終わらせていただきます。
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テーマ:スタジオジブリ - ジャンル:映画

コメント

ジブリ。

ジブリは実は好きで、
ほとんどの作品を観ています。


一つだけ好きな作品を…と聞かれたら、

ワタシは
ラピュタ
ですね。

(今、゛似合わない~゛って笑ったでしょ?すみません。少女趣味な一面があって。)


鉄板コースですね

「ジブリをほぼ全部観ている」に一瞬、意外だと感じなかったといえば嘘になりますが
(すみません…)、お子さんがいらっしゃる+一緒に観られるという側面を思い出したら
そんなに「似合わない」とは思いませんよ。

一番を選ぶとなると、脊髄反射的に浮かぶのは私もラピュタなんですけど
ポニョを複数回観て全部、号泣しているので、ポニョと競りそうです。
今回観て千尋も心に沁みました、ちょっとグロっ気が辛いですけど。
紅の豚も捨てがたいし、うーん…悩みます。

ざっくり映画ライフ

燃える朝やけさん

こんばんわ。
「ざっくり映画ライフ」、
良いですね~♪

ジブリものは嫁さんの影響もあり、全部観ていますが、
人それぞれによって好みがあるようで、
渋い「紅の豚」が大好きという人もいれば、
ファンタジー性の強い「トトロ」が好きなどなど、
いろいろ意見があります。

ちなみに我が家では、
嫁さんが「千と千尋の神隠し」が大好きで、
おいらは「天空の城ラピュタ」です。

ジブリものは風景や登場人物の描写が、
すごく良いですよね。

引き込まれていきます。

また次回楽しみにしています♪

たける

人それぞれの好みにすんなり馴染んじゃう所も、凄いと思います

たけるさん、こんばんは♪

やっぱり好みは分かれますね。
たけるさんがラピュタで奥様が千尋。
ホント人それぞれだから面白いといえるくらい。
子ども向けと見せかけて、性別年齢問わず観られるのもいいし。

どのようなテーマでも共通してみられる、美しい自然の風景。
癖のある脇役、かわいいちいさないきもの、お父さんやお母さんやおばあちゃん。
ドラマや映画なんかでもそうですけど、奥深い作品って、そういう「周りの環境」
の部分が、すごくしっかりしているから、主役やストーリーが生きますよね。

また今後も面白い記事を書けたらなぁと思います。
しかしジブリってその辺ズルいですよね、ストレートフラッシュって感じで
これほど普遍的な題材はそうそうないですよ(苦笑)
我ながらなぜこれを最初にもってきてしまったのか・・・なんて。

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