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Akiko Yano×Hiromi:Get Together -LIVE IN TOKYO-「ものまねしたくなる?!ファンキーな歌とピアノVS元気が出るピアノ」
友人に紹介されて以来、好きなように楽しく聴いているピアニスト、上原ひろみ。
そして、彼女と同じくアメリカに本拠地を置き、「近所づきあい」感覚でかるーく
世代をも超えて意気投合してしまったベテランシンガーソングライター、矢野顕子。
二人ともかなりトんでるプレイヤーだというのは、特に矢野さんはものまねでお馴染み(笑)。
そんな二人がタッグを組んでライヴを行ってみたら・・・??
という豪華な夢が、東京で大々的に実現したひとときを、記録したアルバムです。
Get Together ~LIVE IN TOKYO~ (2011/11/23) 矢野顕子X上原ひろみ 商品詳細を見る |
今作より前、上原ひろみ嬢のソロアルバム「PLACE TO BE」にて、彼女のオリジナル曲
「GREEN TEA FARM」を、ひろみ嬢の「ぜひ矢野さんに歌って欲しい!」という切望を受けて
矢野さん×ひろみ嬢のコラボが音源化、という出来事があったのですが、
二人の仲良しぶりはそれからも続き、NHK総合の音楽番組「SONGS」では二人で並んで
ラーメンズルズル(ラーメンの曰くは後述)という楽しすぎる登場!
そのときに、今回紹介するアルバムからの曲を二人で披露してくれたのでした。
もう、少し前になってしまいますが。
Place to Be (2010/01/28) Hiromi 商品詳細を見る |
↑これが二人の共演曲が収録された、ひろみ嬢のソロアルバム
「ひろみ嬢の作品のコンプリート欲」というだけで手を出した今作、
実を言うと、矢野さんの歌って、しっかり聴いたことがなかったんです。
ものまね番組でよくネタにされてるなーとか、教授の元奥さんなんだなぁとか、
それぐらいしか知らなくて、どれだけ破壊力があるか想定しておらず・・・・・・
楽しいカルチャー・ショックもといアキコ・ショックにぶっちぎれてしまいながら
聴いている内に陽気になってきちゃった、仲良しコラボの感想をぽつぽつ書きましょう。
編曲は#2,#5以外全てひろみ嬢。
#1 「CHILDREN IN THE SUMMER」
糸井重里さんが作詞、矢野さんが作曲した、夏休みをイメージさせる曲。
歌や演奏、歌詞には当然清涼感があり、ひろみピアノも普段よりPOP、
「クラムボンのミトさんの演奏?」って勘違いしそうなカルいノリ。
矢野さんの歌がメロディラインを丁寧になぞり、美しい歌声を披露・・・とか
うっとりしてたらすぐにうちのめされてしまう。
独特の、素っ頓狂なあの個性。よくものまねされている、あの節回し。
純朴な楽曲ではやはり収まらない。アウトロ、ひろみも早くもぶっとばし出す。
#2 「あんたがたアフロ(あんたがたどこさ&AFRO BLUE)」
#2と#7は、2曲の全然違う曲をメドレーにして、行ったり来たりしながら
1曲で2度以上おいしい、彼女達らしいおもしろ企画。
静寂と優美の、ピアノ2台によるデュエットが、さらさら流れるように繰り広げられる
「AFRO BLUE」と、お馴染みのわらべうたを超個性的にアレンジした「あんたがた~」。
それにしてもものすごい「あんたがたどこさ」の矢野節。もうめちゃんこ。
メロディラインにもリズムにも、乗ってるのか壊してるのか?いっそパンキッシュ!
#3 「CAPE COD CHIPS -LIVE IN TOKYO-」
矢野さんの詞、ひろみの作曲。
気持ちがちょっと離れてるかな?という関係のパートナーに向けたメッセージを
ポテトチップスを仲介として歌いあげるという、ユニークな歌詞。
甲高くぶっ飛びまくるサビのメロディラインがかなり個性的。
特に最後は高い、高い!矢野さん、ほとんど叫びながら歌っている。
こんな超個性的なメロは矢野さんの曲だろうと思ってクレジットを見ると
ひろみの曲で驚く。ひろみ、それだけ矢野さんの超個性をわかっているということか。
#4 「LEAN ON ME」
カヴァー曲、全英詞。
ここまでの少々奇抜な矢野顕子節は一休みして、しっとりと歌いあげ、演奏する。
仲良し二人による、ピアノでのお喋り。
因みに矢野さんは、前回の記事で書いた大貫妙子さんとも仲良しなのだとか。
友達、仲間がいつもいっぱい。明るい矢野節は、ご本人の人柄をしのばせる?
#5 「学べよ」
作詞も作曲も矢野さん。
もう何もかもがぶっこわれている。
「ぶっこわれてる脳は 乾くばかり」っていう歌い出しって。
「泣くだけ泣いたら はい、次、行きます!」のくだりは特に飛びまくり。
失敗したのか、失恋したのか、とにかく超ショックな出来事にぶつかって、
怪我して、泣いて、じゃあそこから学ぼう!と這い上がろうとする詞。
この二人、ただじゃ転ばなさそうである。
低い所でさわがしく、気持ちの混乱を表現しているピアノアレンジが巧み。
#6 「月と太陽」
作詞も作曲もひろみ。
ここまでの矢野さん曲がかなりトんでいながら、しかし絶妙なバランス感覚で
どっしりと立っていたので、この曲は心なしか、頼りなく、生真面目に聞こえる
気がしないでもない。二人の性格の違いが出ているような感じもある。
この曲に関しては、矢野さんが、ひろみの表現したい歌を伝えることに専念している。
全く奇をてらわず、優しく包み込むように、純真でまっすぐなひろみの世界観に
命を吹き込む。
アルバム(ライヴ)中で異端な曲のようで、すんなり馴染んでいるMagic。
#7 「りんご祭り(DON'T SIT UNDER THE APPLE TREE&リンゴの唄)」
楽しいメドレー再び。ライヴ録音らしく、大歓声からスタート。
ファンキーでハネててノリノリ、グルーヴィーな「~APPLE TREE」。
ピアノ2台+歌だけで、ここまででっかいグルーヴが生まれている。
そこに驚いているといつの間に、「赤いリンゴに口びるよせて~」と
レトロな、お馴染みのあの歌へとなだれ込む。
ハネたまんまで憂いている。悲しげなのに、全然悲しくない。
くせになる新解釈。こちらも、両曲を行ったり来たり、フリーダム。
#8 「ラーメンたべたい」
「何のこっちゃ?ふざけてるのか?」と度肝を抜かれるタイトル、
「SONGS」冒頭で二人がラーメンをかっこんでいるのはこの曲に因んで。
ひろみの大食い・早食いが凄かった(笑)。流石、世界を一人で放浪してるだけある。
ところでこの曲が歌っているのは、どうやら、失った恋(愛)について。
気丈にしてるけど本当はこたえるものがあって、ヤケでラーメンを一人で
たべたい(たべる)という、ちょっと切ない矢野顕子ワールド。
強がりだけど弱くって、弱音を吐いてても強くって、大人の女は一筋縄ではいかない、
けれど何だかんだいってやっぱり強い!そんな矢野さんの姿が見えてくるようだ。
「今度くるときゃ みんなでくるわ ばあちゃんもつれてくる」って、
心許ない時こそユーモアセンスを発揮できるのがカッコイイ大人の証拠。
アレンジは、はっきりした形を保っていないような、どことなくファジーな旋律。
複雑で、完全にどこかに着地できない、ムズカシイ感情の機微をうまく表している。
そして、大喝采と「どうもありがとう!」の声で、賑やかに幕を閉じる!
フツーの人に比べてテンションがとっても高い、パワフルでハイな感性を
持って生まれた「特殊」なふたりが、偶々近くに住んでいるという縁も手伝って
出逢い、年の差も超えて、おそろしくストレンジなタッグが誕生した。
元気が出るピアニストと、元気が炸裂する歌うたいの組み合わせ。
エネルギッシュでファンキーな演奏が、楽しさをわけてくれるはず。
ひろみの個性も相変わらず強いけれど、それを遙かに凌駕する(ひろみが矢野さんに
合わせている部分も多いというのもあるが)、矢野顕子のぶっとんだ個性は圧倒的。
こりゃものまねして笑かしたくもなる。カルチャーショックものの超個性、すごいや。
個人的な話ですが、実は明日からの3連休で、3年ぶりに実家に帰るのです。
祖母の容体が余り良くないと知らされて。
で、ぶっちゃけ、私、両親との関係に問題大アリで、凄く緊張していて・・・。
体調を崩すほどに緊張していたのですが、このCDをかけたり、記事を書いていたら
何だか元気になってきた!!
この二人がくれるエネルギー、パワー、言葉のアヤどころでなくホンモノのようです。
何度聴いてもぶっとんだアルバムですが、今日ばかりは、二人に頭を下げたい勢い。
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