2013-09

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激アツシーズン!2013年7月期のドラマ振り返り

四半期の恒例になりつつある、ドラマ振り返り。
今期は予期せぬ半沢ブレイク+既に観ていたあまちゃんのさらなるブームで
珍しく世の中の流れにどっしり乗っていたシーズンでした(笑)
そんなことがあってかなくてか、そこそこ色々なドラマを観たかもしれません。
さて、★五点満点&簡単な寸評をえらそうにつけて、またもいってみましょう、
偏りまくりのドラマ振り返り!!!


<採点>
・あまちゃん(後半)    ★★★★☆
・八重の桜(7月期分)   ★★★★
・半沢直樹         ★★★★☆
・孤独のグルメ Season 3 ★★
・妻は、くの一       ★★★☆
・夫婦善哉         ★★★

<寸評>
あまちゃん(後半):アイドル編に入り、失速するんじゃないかと懸念していたのだが
これが案外面白かった。そして最後にはクドカン必殺技の「最初にもどる」が炸裂!
深く考えると無茶なんだけど、何だかんだで考えさせられたり、泣かされたりしてしまう。
最終週は「あまちゃんが終わる」という事実だけで泣けてきた(笑)
最終回、見たことないよな元気いっぱいのユイちゃんの笑顔・・・!あれで、もう涙腺崩壊。
笑って泣いたこの作品、私生活がバタバタなので(後述)できるか微妙ではありますが
もっと深く「あまちゃんが考えさせてくれたこと、教えてくれたこと」の話をしたい!
ざっと下書きは作ってあるので、可能であればぜひ語らせていただきたいでございます。

八重の桜(7月期分):格好いい役をやらせたら綾瀬にハズレはないんだ!と勝手に
信じている(僕の彼女はサイボーグ、ICHI(女性版座頭市)など)のだが、会津編の
スナイパー八重は正に大当たりだったと思う!実にコワカッコヨかった。
このあたりから演技全体もどんどん締まってきて、最近の歳を取った声の演技もいい。
西島さんと綾野「殿」にはがっかり・・・逆に八重の二人の旦那はどっちも素晴らしい。
京都編の朝ドラ化を懸念していたが、オダギリ「襄」のふわふわキャラが救世主に。
これからもっと色々な表情をみせそうだ。西南戦争が終わり、今後は内容が心配。

半沢直樹:本格「風」経済ドラマという、見慣れないジャンル。物珍しさと
初回2時間SPという気合いの入れ方にびっくりして何となく観てみると、面白え!!
但しヒットし出すと「何か観る側に媚びてんなあ」と感じる場面も増えてきたような。
度重なる放送休止に阻まれたが、却ってそれが視聴意欲をそそったのかもしれない。
小物な意地悪部下達も含め、上手な役者さん達でがっちり固められ、見ごたえ満点。
ハマって、昨日の愛之助さん(国税のオカマ)のおしゃれイズム観たじゃないか!
原作通りとはいえ頭取の北大路さんあまりにもかっけー。最後に全て持って行った。
お父さんのクセにさ!!!

孤独のグルメ Season 3:これまでのSeasonよりお金がかかっていた気がする。
前半はスイーツなどお菓子系、後半(本編)はがっつりごはん系と幅広くなった。
食べ歩きをしない(寧ろ人前での食事は苦手)で小食な自分は、観ていてしばしば
しんどくなるが、五郎の底なしの喰いっぷりは清々しい。
ただちょっとパターン化していて、そこに少し飽きてしまったかも。商談→腹が減る
→喰いまくる(→原作者・久住さんのレポ)と一本調子なような。工夫はわかるけど。
漫画で読むなら(原作は漫画)飽きないだろうけど、ドラマだともしかして微妙?

妻は、くの一:繊細で丁寧なタッチ、雰囲気がとても魅力的だった。
ストーリーが少々ボヤッとしていて焦点がイマイチ定まっていない印象なのが難点だが
あの少々幻想的で、ロマンティックな雰囲気で許せてしまう。
滑稽で弱っちい染五郎さんと、ガツガツとアクションも頑張った美織ちゃん(たち)。
コミカルで、温かく、純愛で、推理要素もあって、しっかりしたアクションも、とくれば
薄味ながらなかなかの見ごたえ。「てっぱん」の頃よりうまくなったね美織ちゃん。
続編の噂があるのだが(原作の途中で終わっているため)、どうにかして実現しないか?

夫婦善哉:森山未來に期待して観たら、なぜか尾野真千子を好きになったドラマ。
いや、「なぜか」でなく、オノマチのはまり具合が半端なく、逆に森山はなんかイマイチ。
原作では森山が演じた役はもっと年上だったという。そこからくる違和感なのか?
NHKで原作者・織田作之助の特番をやっていた。寧ろ原作者のほうに興味をもったかも。
雰囲気は最高だし、テンポも良いが、どうも年月の経過がわかりづらく、それで話が
掴みにくく感じた。でも、こういうレトロなドラマはいいな。定期的に作ってほしい。

<そのほか+徒然>
・単発で再放送を録画した、西島+蒼井のだいぶ昔の「世にも奇妙な物語」再放送が
なかなかイイハナシだった。★★★★って感じで。あったかくて、泣ける物語。
・ほんとは「Woman」も気になっていたが結局観ずじまい。映画「夏の終り」も
観に行こう行こうと言いながら観ずじまい。みっしま・・・ごめん・・・・・・
・最近発動しつつある法則「ミッチーの出ているドラマにハズレなし」。
「信長のシェフ」といい、半沢といい、すげえよアンタ。まあ主演をしてるわけでも
ないのだが、この人は仕事選びが上手いというか、確実に何か持ってるのでは。
因みに、一応出てた「八重の桜」は、吉川さんの西郷どんが素晴らしく格好良かった。
・うーん、次の朝ドラと来年の大河に食指が動かん・・・。朝ドラは6ヶ月見続けるのが
疲れたのでちょっと休むつもりだが、大河もうちょっとどうにかならんのだろうか?
積極的に観たいというキャストがおらん。岡田君も中谷さんも結構好きなほうだけど
なんか観る前から雰囲気が読めてしまうような・・・・・・失敗したくないのはわかるけど。

<番外編 Eテレのバラエティ>
歴史にドキリ:今期も中村獅童が楽しそうに歌って踊っている。前期にやらなかった
登場人物ということで、文化人が多め。
その中にあって事件が起きた。「武田信玄&上杉謙信」の会で、ヤマコーが出演、
獅童と一緒に歌って踊って、まさかのギターソロまで披露!クッソワロタwwwww
未だに消せなくて、保存している。明治時代あたりに「八重」のゲスト来ないかなぁ。
ナイツの言い間違いで覚える科学の法則:昨年度、歴史人物の講義を行っていたが
今期は科学。科学って全然覚えられなくて興味ももてなかったのだが、これなら楽しく
勉強できそう(笑)。ただ、師匠ネタは正直そろそろ飽きてきたかも。


実はいま私生活が大変なのです。まず、祖母がそろそろ「山場」らしく、また帰省を
しなくてはならなさそう。祖母の町営住宅片付けも終わっていないのに。
その辺りに関係するのか、両親から「(実家に)もう帰ってこないかい?」と
結構真剣にもちかけられていたり・・・。
そして、現在のプロバイダを今日で解約して明日朝に工事、近々PCの買い直し、
もちろん設定もやり直し。祖母の山場の件はつい数時間前に聞いた話で、前回の帰省で
予想できない容体急変なので、本当にもうタイミング悪すぎ。
帰省の疲れもまだ取れていないのに、更にぐちゃぐちゃになって、もう。

そういう中を何とか越えて、「あまちゃん」語りなど、またblogの更新を、
遠くない内にしたいんですが、どうなるのか・・・
この記事も、明日になったら(あと数時間)もうしばらくネット繋がらないので、
慌てて書いているんです。いやはや。
ネット開通したら、早くPC買いに行かなきゃならないし(店員に勧められたクーポンの
関係。こんなに忙しくなるなら、断ればよかったのか?)、しばらくわやくちゃですが
そう簡単にくたばらないつもりですから、気長にお待ちくださいませ。


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Akiko Yano×Hiromi:Get Together -LIVE IN TOKYO-「ものまねしたくなる?!ファンキーな歌とピアノVS元気が出るピアノ」

ジャズやフュージョンの理屈はわからないけれど、聴いていて元気が出るから
友人に紹介されて以来、好きなように楽しく聴いているピアニスト、上原ひろみ
そして、彼女と同じくアメリカに本拠地を置き、「近所づきあい」感覚でかるーく
世代をも超えて意気投合してしまったベテランシンガーソングライター、矢野顕子
二人ともかなりトんでるプレイヤーだというのは、特に矢野さんはものまねでお馴染み(笑)。
そんな二人がタッグを組んでライヴを行ってみたら・・・??
という豪華な夢が、東京で大々的に実現したひとときを、記録したアルバムです。

Get Together  ~LIVE IN TOKYO~Get Together  ~LIVE IN TOKYO~
(2011/11/23)
矢野顕子X上原ひろみ

商品詳細を見る


今作より前、上原ひろみ嬢のソロアルバム「PLACE TO BE」にて、彼女のオリジナル曲
「GREEN TEA FARM」を、ひろみ嬢の「ぜひ矢野さんに歌って欲しい!」という切望を受けて
矢野さん×ひろみ嬢のコラボが音源化、という出来事があったのですが、
二人の仲良しぶりはそれからも続き、NHK総合の音楽番組「SONGS」では二人で並んで
ラーメンズルズル(ラーメンの曰くは後述)という楽しすぎる登場!
そのときに、今回紹介するアルバムからの曲を二人で披露してくれたのでした。
もう、少し前になってしまいますが。

Place to BePlace to Be
(2010/01/28)
Hiromi

商品詳細を見る

↑これが二人の共演曲が収録された、ひろみ嬢のソロアルバム

「ひろみ嬢の作品のコンプリート欲」というだけで手を出した今作、
実を言うと、矢野さんの歌って、しっかり聴いたことがなかったんです。
ものまね番組でよくネタにされてるなーとか、教授の元奥さんなんだなぁとか、
それぐらいしか知らなくて、どれだけ破壊力があるか想定しておらず・・・・・・
楽しいカルチャー・ショックもといアキコ・ショックにぶっちぎれてしまいながら
聴いている内に陽気になってきちゃった、仲良しコラボの感想をぽつぽつ書きましょう。


編曲は#2,#5以外全てひろみ嬢。

#1 「CHILDREN IN THE SUMMER」
糸井重里さんが作詞、矢野さんが作曲した、夏休みをイメージさせる曲。
歌や演奏、歌詞には当然清涼感があり、ひろみピアノも普段よりPOP、
「クラムボンのミトさんの演奏?」って勘違いしそうなカルいノリ。
矢野さんの歌がメロディラインを丁寧になぞり、美しい歌声を披露・・・とか
うっとりしてたらすぐにうちのめされてしまう。
独特の、素っ頓狂なあの個性。よくものまねされている、あの節回し。
純朴な楽曲ではやはり収まらない。アウトロ、ひろみも早くもぶっとばし出す。

#2 「あんたがたアフロ(あんたがたどこさ&AFRO BLUE)」
#2と#7は、2曲の全然違う曲をメドレーにして、行ったり来たりしながら
1曲で2度以上おいしい、彼女達らしいおもしろ企画。
静寂と優美の、ピアノ2台によるデュエットが、さらさら流れるように繰り広げられる
「AFRO BLUE」と、お馴染みのわらべうたを超個性的にアレンジした「あんたがた~」。
それにしてもものすごい「あんたがたどこさ」の矢野節。もうめちゃんこ。
メロディラインにもリズムにも、乗ってるのか壊してるのか?いっそパンキッシュ!

#3 「CAPE COD CHIPS -LIVE IN TOKYO-」
矢野さんの詞、ひろみの作曲。
気持ちがちょっと離れてるかな?という関係のパートナーに向けたメッセージを
ポテトチップスを仲介として歌いあげるという、ユニークな歌詞。
甲高くぶっ飛びまくるサビのメロディラインがかなり個性的。
特に最後は高い、高い!矢野さん、ほとんど叫びながら歌っている。
こんな超個性的なメロは矢野さんの曲だろうと思ってクレジットを見ると
ひろみの曲で驚く。ひろみ、それだけ矢野さんの超個性をわかっているということか。

#4 「LEAN ON ME」
カヴァー曲、全英詞。
ここまでの少々奇抜な矢野顕子節は一休みして、しっとりと歌いあげ、演奏する。
仲良し二人による、ピアノでのお喋り。
因みに矢野さんは、前回の記事で書いた大貫妙子さんとも仲良しなのだとか。
友達、仲間がいつもいっぱい。明るい矢野節は、ご本人の人柄をしのばせる?

#5 「学べよ」
作詞も作曲も矢野さん。
もう何もかもがぶっこわれている。
「ぶっこわれてる脳は 乾くばかり」っていう歌い出しって。
「泣くだけ泣いたら はい、次、行きます!」のくだりは特に飛びまくり。
失敗したのか、失恋したのか、とにかく超ショックな出来事にぶつかって、
怪我して、泣いて、じゃあそこから学ぼう!と這い上がろうとする詞。
この二人、ただじゃ転ばなさそうである。
低い所でさわがしく、気持ちの混乱を表現しているピアノアレンジが巧み。

#6 「月と太陽」
作詞も作曲もひろみ。
ここまでの矢野さん曲がかなりトんでいながら、しかし絶妙なバランス感覚で
どっしりと立っていたので、この曲は心なしか、頼りなく、生真面目に聞こえる
気がしないでもない。二人の性格の違いが出ているような感じもある。
この曲に関しては、矢野さんが、ひろみの表現したい歌を伝えることに専念している。
全く奇をてらわず、優しく包み込むように、純真でまっすぐなひろみの世界観に
命を吹き込む。
アルバム(ライヴ)中で異端な曲のようで、すんなり馴染んでいるMagic。

#7 「りんご祭り(DON'T SIT UNDER THE APPLE TREE&リンゴの唄)」
楽しいメドレー再び。ライヴ録音らしく、大歓声からスタート。
ファンキーでハネててノリノリ、グルーヴィーな「~APPLE TREE」。
ピアノ2台+歌だけで、ここまででっかいグルーヴが生まれている。
そこに驚いているといつの間に、「赤いリンゴに口びるよせて~」と
レトロな、お馴染みのあの歌へとなだれ込む。
ハネたまんまで憂いている。悲しげなのに、全然悲しくない。
くせになる新解釈。こちらも、両曲を行ったり来たり、フリーダム。

#8 「ラーメンたべたい」
「何のこっちゃ?ふざけてるのか?」と度肝を抜かれるタイトル、
「SONGS」冒頭で二人がラーメンをかっこんでいるのはこの曲に因んで。
ひろみの大食い・早食いが凄かった(笑)。流石、世界を一人で放浪してるだけある。
ところでこの曲が歌っているのは、どうやら、失った恋(愛)について。
気丈にしてるけど本当はこたえるものがあって、ヤケでラーメンを一人で
たべたい(たべる)という、ちょっと切ない矢野顕子ワールド。
強がりだけど弱くって、弱音を吐いてても強くって、大人の女は一筋縄ではいかない、
けれど何だかんだいってやっぱり強い!そんな矢野さんの姿が見えてくるようだ。
「今度くるときゃ みんなでくるわ ばあちゃんもつれてくる」って、
心許ない時こそユーモアセンスを発揮できるのがカッコイイ大人の証拠。
アレンジは、はっきりした形を保っていないような、どことなくファジーな旋律。
複雑で、完全にどこかに着地できない、ムズカシイ感情の機微をうまく表している。
そして、大喝采と「どうもありがとう!」の声で、賑やかに幕を閉じる!


フツーの人に比べてテンションがとっても高い、パワフルでハイな感性を
持って生まれた「特殊」なふたりが、偶々近くに住んでいるという縁も手伝って
出逢い、年の差も超えて、おそろしくストレンジなタッグが誕生した。
元気が出るピアニストと、元気が炸裂する歌うたいの組み合わせ。
エネルギッシュでファンキーな演奏が、楽しさをわけてくれるはず。

ひろみの個性も相変わらず強いけれど、それを遙かに凌駕する(ひろみが矢野さんに
合わせている部分も多いというのもあるが)、矢野顕子のぶっとんだ個性は圧倒的。
こりゃものまねして笑かしたくもなる。カルチャーショックものの超個性、すごいや。



個人的な話ですが、実は明日からの3連休で、3年ぶりに実家に帰るのです。
祖母の容体が余り良くないと知らされて。
で、ぶっちゃけ、私、両親との関係に問題大アリで、凄く緊張していて・・・。
体調を崩すほどに緊張していたのですが、このCDをかけたり、記事を書いていたら
何だか元気になってきた!!
この二人がくれるエネルギー、パワー、言葉のアヤどころでなくホンモノのようです。
何度聴いてもぶっとんだアルバムですが、今日ばかりは、二人に頭を下げたい勢い。


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大貫妙子&坂本龍一:UTAU「国宝もののコンビによる極上のひととき」

独特の佇まいが、強烈に耳にやきつく、歌声。
幼少期に聴いた「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」、
小中学生の頃に耳にした「Shall we dance?」のテーマソング・・・
ほかに多くのCMソングなど、多種多様のシチュエーションでその声を
誰もがきっと耳にしているであろう歌うたい、大貫妙子さん。
そして、彼女の活動を、ソロ・デビュー時から何かとサポートしてきた
世界の「教授」こと坂本龍一さん。
ふたりが13年振りに再会し、2010年、歌とピアノ、ふたりだけの
究極のアルバムをリリースしました。
その名も「UTAU」。

UTAU(2枚組)UTAU(2枚組)
(2010/11/10)
大貫妙子 &坂本龍一

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今回のレビューは、この作品。disc1は普通に二人の歌と演奏で
disc2は教授によるインストゥルメンタル+α。
disc1のみのものも売っているようです。
2枚組のこのヴァージョンは、B6サイズの冊子のようで、触感も独特。
2013年の今、ふと考えると、・・・これってタブレット端末を模したのかな?
教授の環境へのこだわりはもちろん健在です。カーボンオフセットCD。



極上のひとときを堪能できる、最小単位の編成と熟練の演奏。
それぞれに色とりどりなので、今作も全曲簡単レビューをしてみたい。

#1 「美貌の青空」
聞き覚えがあるような気がするのは、オリジナル曲である教授のソロ曲が
CMソングだったから。
キャッチーでありながら、謎めいていて、エキセントリックで、孤高。
教授とよくタッグを組んでいる作詞家、売野雅勇氏の詞にも舌を巻く。
いったいどこからこんな発想、こんな語彙が出てくるのだろう?
ユニークでありながら、ナルシシズムが匂い立ち、耽美な世界が広がる。

#2 「Tango」
#1と同じアルバムに収録された教授の曲を、2年後には大貫さんもカヴァー、
そして09年の教授のツアーのゲストに大貫さんが招かれ、この曲で共演と、
このアルバムが誕生するきっかけになった曲。
「タンゴ」らしく、中南米のテイストを漂わせながら、打ちひしがれるような
哀しみを深く織り込む。しかしながら展開は徐々にあちこち飛んでいく。
歌詞のなかに「マテ茶」が登場!

#3 「3びきのくま」
さっきまでとはがらりと変わり、あたたかみを前に出した優しいナンバー。
小田和正氏あたりがリリースしていそうな(笑)。
大貫さんといえば中低音のイメージが強いが、この曲ではかなり高いキーも
披露している。中低音に全くひけをとらない、力強く確かな高音。
硬質なイメージの強い、教授のピアノも、ふんわり優しげ。

#4 「赤とんぼ」
おなじみの唱歌を、大人が大人のために演奏してみた。
流石の品格、贅沢な時間。
ピアノはシンプルに、歌は素朴に、それでも滲み出るアーバンな香り。

#5 「夏色の服」
幾つになっても、大人になっても、女性のなかには、
膝を抱えて孤独に耽る少女が棲んでいる、とよく云うけれど
それをとても感じさせる、憂鬱な女のすがた。
クラシカルで、美しいピアノが、女のメランコリーに寄り添う。
最後のメジャーコードが、彼女の辛抱強さと芯の強さを暗示し、幕を閉じる。

#6 「Antinomy」
米映画「ファム・ファタール」のサントラ・アルバムを手がけた教授が
映画のために作ったインスト曲のひとつに、大貫さんが詞をつけた。
寂寞感に満ちた空間を想起させる。
この曲もとても音域が広く、高音から中音へ、低音から高音へ、一気に
滑るようにのぼったりおりたり。その滑らかさに、大貫さんの確かな
テクニックを魅せつけられて、息を呑む。

#7 「Flower」
ダウナーな曲が続いた後は、ちょっとカラッとした明るさのある曲。
歌詞に「ネムノキ」が登場。
1番で自然(花=ネムノキ)を描写し、2番ではその花を擬人化して
「おんな」の想いを歌いあげる、ユニークな歌詞。

#8 「鉄道員 poppoya」
坂本美雨嬢が歌っていた、同名の映画の主題歌をカヴァー。
冷たく静かに雨が降り注ぎ、締め付けられるような胸の痛みを
堪えながら、凛々しく立っている「君」の情景が浮かぶ。
原曲でも危うかったが、このヴァージョンは本当に泣きそうだ・・・
歌詞を見る分には、奥田民生氏の詞が合っていないように感じるが
歌われるのを聴いていると案外マッチしているのは、大貫さんの手腕か?
そして、曲の構成は、マイナーコードとメジャーコードが行き交う。
哀しいだけの曲ではないのだ。

#9 「a life」
このアルバムのために二人で書き下ろした曲。
他の曲とは一線を画した曲調、歌詞。軽やかでリズミカルなピアノに、
ありふれた日々の行動のありがたみを、いきいきと具体的に提示する詞。
「無くしたくないと 思うものだけを 守ってゆこう 守ってゆこう」
じわじわと前向きなエネルギーが湧いてくる。
ネクラ(?)な二人による、希望のメッセージが感じられる。

#10 「四季」
日本人で良かった~というような、情緒あふれる、歌詞、メロディ。
原曲はフェビアン・レザ・パネ氏がアレンジした大貫さんのアルバム曲で
化粧品のCMの曲になったとか。そういえば聞き覚えのあるサビだ。
う~ん、まさに花鳥風月。うっとり、しっとりと。
最後のサビでキー上げして転調するのが、唐突ではあるがグッとくる。
小室哲哉氏ちっくな気もするが・・・。教授のアレンジでは珍しいのでは?

#11 「風の道」
うららかで美しい旋律を奏でるピアノに、想像力をかき立てる、写真のような詞。
「今では他人と呼ばれるふたり」の間に、穏やかで柔らかい風が流れてゆく。
未来へ向けて・・・・・・。
普段は俯きがちな二人の視線が、揃って上向いて、アルバムは幕を閉じる。


メランコリックさやノスタルジアを期待したら、確かにそれらは裏切られなかったが
それ以上に、そういったイメージより遙かに、大貫妙子という女性の底にある
希望や母性は逞しい。
思っていたよりは曲調が幅広かった。

女性らしい柔らかさと、頑固なほどの凛々しさを併せ持ち、風のように行き交う
(当時)還暦間近とは思えない、大貫さんの唯一無二の歌声を、
より引き立てながらも、よけいな味は一切加えない、教授の鉄壁のサポート。
また、無機質で硬質な教授のピアノの、モノクロームの世界に、
色調の僅かな違いだったり、絵の具箱をひっくり返すようだったりと
彩りを与えながら、そのクラシカルな品格は少しも損なわせない、大貫さんの歌。

国宝もののコンビではあるまいか。
それは少し大袈裟だろうか。


disc 2の、教授のピアノインストも、うっとりものです。
同じ曲名や、disc 1の曲の原曲でも、ちょっと違うし(曲の長さも違う)
聞き比べてみてもおもしろいかも。
それにしても保存に困るCDだなこりゃ・・・(苦笑)
買ったり、レンタルしたりする人は、そこにちょっと気をつけてください。
普通のCDとは全然サイズが合わず、一緒に収納できないので。。


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燃える朝やけ

Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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