2012-10

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これは使えるリラクゼーション系音楽CD:その10 眠れない夜のために~安眠やリラックスを誘うCDセレクション~

最近、自分をとりまく環境が公私ともに激変。忙しくなり、増える一方の物事を
がむしゃらにこなす一方、ついつい休養をおろそかにするように。
もともと寝不足がちで休日に「朝寝」「夕寝」でカヴァーしていたのに
そういう仮眠でもうまく寝付けなくなったり、夜の睡眠で疲れがとれなくなったり
四六時中疲れてイライラしたりと、実は今、結構酷いことになっています。
それの対策を考え、実行している最中なのではありますが。

考えた対策の一つにして重要な柱が「よく寝ること~早く寝ること」。
blogの記事書き・よそへうろうろ・ドラマ後の2ch閲覧など、主にPC関連の
夜更かしばかりしているので、ちょっと自粛しなければなりません。
誰に聞いてもよく寝るようにと言われます。だから、そこから。
(そんなわけで、しばし更新や訪問が遅れたり少なくなったりする可能性があります。
ご了承ください)

今回は、このような状況下にある私のサポートになってくれそうな、
快眠へと導いてくれるCDについてです。
記事書きのため、音源を再生しながら書いていますが、う~ん眠くなる・・・


SPA ASIA/久保田麻琴

スパ アジアスパ アジア
(2010/06/25)
久保田麻琴

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以前の記事(久保田麻琴さん特集)でも紹介したCDのアジア編。
異国情緒にあふれ、癒されながらも神秘的なムードで部屋中いっぱいに。
久保田さんご本人が、作曲しながら何度も眠りに落ちたという本作。
トロトロ、じっとり、濃い眠りが訪れそう。音楽としてもとても面白いです。


RELAXING MOODS -SPA-

RELAXING MOODS VI~Yoga.Spa.Pilates~RELAXING MOODS VI~Yoga.Spa.Pilates~
(2007/11/17)
オムニバス

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以前ヨガに合う音楽で取りあげた、ヨガ、スパ、ピラティス向けの音楽を3枚集めた
コンピレーションCDのスパ編。見たところこの画像の作品が最終作のようですね。
シリーズが結構出ていて、少しずつ雰囲気が変わっていくような気がします。
心なしかだんだんローファイになっていくのは何故でしょうか。
悲しくなりそうでならない、その塩梅も不思議。「幽玄」という表現が似合います。


③SPA & 和SPA -ZEN-

スパスパ
(2006/08/21)
木下伸司

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和スパ~ZEN和スパ~ZEN
(2010/04/09)
ウェルビーイング、木下伸司 他

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ともに同じ会社からリリースされた、「スパ」がテーマのCD。どう違うか?
見たまま・タイトルのままですが、「スパ」が洋風で「和SPA」が和風ですね。
他との違いは和SPAのほうが分かり易いかも。古典音楽に使用されるような楽器の
音色をちりばめてあったり、曲名も漢字2字だったりして。
VIPなホテルでどっしりくつろげる気分を味わえるようなのが「スパ」、
露天風呂や旅館で季節の移ろいを感じながらしっぽりするのが「和SPA」でしょうか。
どちらも、気軽に手に取れる雰囲気も魅力です。


入眠サポート「自然音で眠りたい」 & 究極の眠れるCD 深き眠りへ・・・

自然音で眠りたい~入眠サポート~自然音で眠りたい~入眠サポート~
(2007/03/14)
自然音

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究極の眠れるCD究極の眠れるCD
(2002/07/22)
メンタル・フィジック・シリーズ

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本格的な不眠対策用CD。ここまでくると少々構えてしまいますが。
本来の聴き方は、2枚とも共通していて、
寝る前にこれらのCDを再生してそのまま床につくというもの。
はやく眠りについてしまっても、流れているCDが安眠をサポートしてくれる働きを
してくれるのだそうで、添付の冊子には不眠で悩む方々を対象に実験した結果など
効能をはっきり表示・説明しており、寝付けなくて悩んでいる人によいのでは。
ただ自分は「CDを再生したまま寝る」のが気になって。電気代馬鹿にならないし。
だから他のCDと同じように、寝る前のひとときのBGMにしています。
内容は、「自然音で眠りたい」は完全に自然音のみで、「究極の眠れるCD」だと
ささやかな音楽と自然音のミックス。どちらも4曲で構成されており、だんだん
穏やかな音楽になっていきます。


自律神経にやさしい音楽

自律神経にやさしい音楽自律神経にやさしい音楽
(2007/07/25)
メンタル・フィジック

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ちょっと番外編かもしれませんが、寝る前も用途に書かれているし、
実際に寝る前に聴くことも多いので、こちらでご紹介。
実は私、このところ胃がボロボロなんです。胃酸過多状態と思われる症状。
明らかに原因はストレスなんですがね。あとお腹もときどき壊したりして。
そして数年前から「自律神経失調症」という病気にかかっており、
内科で漢方を飲んだりして治療してもいるんです。良くなったと思ったら・・・
そこで音楽の出番。心身の疲れにも合う、爽やかで明るいトーンの音楽。
薬がわりにはならないけれど、気持ちはゆっくりほぐれていきます。
そして、気持ちがほぐれることが、眠りにも繋がって。


全てのCDが、「まず緊張をほぐすこと」から始めています。
そこから幽玄の世界や異国情緒といった夢の世界へと誘ったり、
自然音で包み込んで安息へと導いたり。
このところ普通の音楽をジプシーしていましたが、それも落ち着かなくなり
また今回紹介したような安眠系音楽で、寝る前の時間を彩ってみようかと思います。
まぁそればかりでもマンネリするから、時にはあえて、好きな激しい音楽だって
聴いちゃったりもして。

そんなわけで何はともあれ、まずは早く寝なくちゃ。
おやすみなさい!



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世界は言葉でできているゴールデン初回SPまとめ(2012/10/24)「勝負の行方もいいけれど、自分の胸に響く『大事な言葉』を探してみよう」

深夜枠での人気番組、世界は言葉でできているが、この秋からまさかの
ゴールデン進出!かなり驚いたんですが、人気を考えると妥当?
初回は2時間SPでした。直後の9時には「相棒」もあって、TV観っぱなしの水曜に。
司会は深夜枠からの佐野瑞樹アナと今回からの高島彩アナ。
そしてレギュラー主宰者を小泉今日子さんが不定期で務めるとのこと。
えぇ~なぜキョンキョン?箭内道彦さんかYOUさんならまだ「ありそう」で納得なのだけど
ゴールデンらしくってこと?
今更ですみませんが、まとめてみました。どれだけニーズがあるのかわかりませんが・・・

2グループに分かれて決勝進出者2名を出すのはチャンピオンシップ大会と同じ。
しかし今回は2時間SPだけあって、予選が3バトルある。総合上位2人が決勝進出。
1~2バトル目と3バトル目の間になぜかサロンみたいな場所で、お菓子なんか出されて
休憩時間・トークタイムがある。なんだこりゃとポカーンした場面(苦笑)

今回は深夜枠のおさらい・まとめの意味合いも感じた偉人セレクト。
コトバスター達も深夜枠時代からの面々が半分以上だったので。
おさらいしつつ、まるっきり深夜の放送と同じお題でなかったのでホッ。
全部同じだったら今回、観ているかどうかわからなかったので(笑)。

以下、偉人の名言の赤字部分が問い、コトバスター名の後に回答、うち名言超えには下線。
個人的にグッときたものを勝手ながら太字にて。各問でのコトバスターの並びは得票順。


<Aグループ>人生の名言
お馴染みの設楽又吉Mummy-Dに加えて、
徳井市川猿之助西村賢太が初参戦と、時事がもれなく踏み込まれた顔ぶれ。
設楽に(たまに徳井にも)何かとしつこく絡むアヤパン正直邪魔だった。存在価値を
出そうとしてるんだろうけど・・・。やり取りで失点した回答も幾つかあったように思う。

フリードリヒ・ニーチェ「総じて 値段のつくもの は、すべて価値のないものである。」
又吉:類似品 設楽:言葉で伝えられるもの 市川:体裁が繕われたもの 
徳井:あらゆる後悔 Mummy:ひとからもらえるもの 西村:小、中学校時代の友人
「小、中学校時代"以降"の友人」ならまだありそうだし何となくわかる。
が、無心の友人が多そうなその時代をあえて否定するのは西村さんならでは。
高校以降は友人がいなかった(学校行ってない)とのこと。つまり友人全否定、と(苦笑)。

スティーブ・ジョブズ毎日を人生最後の日だ と思って生きてみなさい。
いつかそれが正しいとわかる。」
市川:自分には必ず何か果たすべき役割がある 
Mummy:とりあえず、親のいうことは聞いとくか・・・
又吉:生きている 西村:この際、一度死に損なった 徳井:世界が間違っているんだ
設楽:最後に自伝を書く
名言超えはなかったが、ナルホドと感じる言葉がたくさんあった。
誰の言うこともそれなりに感じ入るところがあるが、そのなかでも猿之助さんの回答は
生きてきた世界の厳しさ、それを全うしてきたなかで得たものの大きさがズシリと迫る。
ジョブズ氏の名言は、言葉それだけでは大して響かないかもしれないが、
自分自身の日常に置き換えてこの言葉を想像すると、強烈に効いてくる言葉。

ゲーテ「人生において大切なのは 生きること であって、 生きた結果 ではない。」
設楽:道のり・目的地 又吉:迷い・悟り 
西村:絶望も畏れぬこと・絶望に慣れること
市川:一緒にメシを食える仲間の数・携帯アドレスの登録件数
Mummy:ただ生きていくこと・なぜ生きるのかを考えること 徳井:伝えること・考え込むこと
設楽は割といつも、すぐに回答を出してきて、それが簡潔で、いきなり高評価を取る。
その回答は時々によって好きずきあるけれど、観ていて痛快だし、素直に凄いと思う。
西村さんの回答にギクッとした。自分もそれらを一緒くたにしようとしていたから。
又吉の回答はMummy-Dも横で共感。確かに悟ってる奴見たって面白くもなんともない。

又吉と設楽が決勝進出。まぁ妥当な感じ。


<Bグループ>男と女の名言
若林板尾ビビる・スカパラ谷中・東進ハイスクール先生と常連が多い中、
チャンピオンシップ大会時にゲストで登場し、自分の回答を披露するなど意欲をみせていた
小出恵介くんが遂に登場。
ダダ滑りだったら格好つかないだろうと心配していたが、それなりの健闘。面目は保った。
しかしまぁ若林の新キャッチコピー(笑)
ハイパー名言クリエイター」って、うさんくさ・・・ハードルまた上がっちゃった。
佐野アナに「密かにコピーライターへの転職を進めている」とイジられ、「相方を
見捨てるんだ!酷い!」と外野からヤジられたりと、絶対王者はなかなか忙しい。

オスカー・ワイルド「男は 愛する女の最初の男になる事 を願う。
女は 愛する男の最後の女になる事 を願う。」
若林:彼方の成功・足元の安心 谷中:女の幸せ・二人の幸せ
林:女が平日を支えてくれること・男が休日を満たしてくれること
小出:最初・最後 板尾:高さ・深さ ビビる:猪木・藤波
谷中さんが回答した途端、女性からの歓声が半端ない(笑)
YOUの言うところの「今この瞬間、女子みんな妊娠した」のまさにその瞬間だった。
恋愛のお題は「愛」のほうが連想される回答だと既婚者(世代)に説得力が増す。
この面子だと林先生なんかはそのタイプ。実体験から出る言葉があるだろうから。

よしもとばななそれが最後かと思えない程度の恋 なんて、
女にはひまつぶしにもなんない。」
板尾:死にたくならない恋 小出:手が届く男 谷中:共感できないラヴソング
若林:注文した覚えのない無償の愛 林:いつがひま?って聞く気にもなれない男
ビビる:もしよかったら、僕でよかったら、
この問題の場合、お題(の回答)にそもそも共感できなかったので、
正直どの回答も自分にはピンと来づらかった。
そんな中、最後のほうで出たこのビビるの回答が何となく、語感含め好みだった。
小出くん、めでたく名言超え。

ローザ・ルクセンブルク「女の性格がわかるのは、 恋が始まる 時ではないわ。
恋が終わる 時よ。」
谷中:恋している・嫉妬している 若林:取り乱した・正気に戻った
林:食事をしている・食事を作っている ビビる:夜8・朝8 
小出:話をしている・笑っている 板尾:同居が始まった・別居が始まった
これも「なるほど」な回答の多い問題だった。「女」を「人」と置き換えてもいえることと
「女」ならではのことがあり、怖さが出るのは後者のほうだろう。
よりにもよって離婚経験者のキョンキョンを主宰者に板尾さんのこの回答(苦笑)
で、冷静に答えてるキョンキョン。ある意味、お題回答並みにスリリングなやりとり。
そして予選中ずっと「恋愛に(異性に)いい思い出がない」と取り乱している若林(笑)

若林と谷中さんが決勝進出。やはり深夜枠の面子が揃うのか。納得だけど。


<決勝戦>正直に生きる名言
岡本太郎「自分らしく生きる必要はない。むしろ "人間らしく"生きる道を考えてほしい。」
若林:必要なのは自意識ではなく、無意識なんだ。 
谷中:自分自身に驚くほどはしゃげ 
設楽:過去の自分を殺すべきである 又吉:悪魔みたいに笑え
小出くんではないが、毎回一緒に考えながら観ている。難しいお題だと感じた。
名言も「人間らしく生きるということは、自分の本能に従って、のびのび生きるとか・・・」
といった司会陣の解説が入ってやっと合点がいくほどで、理解するのに時間がかかった。
理解してからは、とてもいい言葉だと思う。「考えてほしい」という語感も含め。
名言の方向性や、自分が考えていた方向性(他人の真似をしろ、など)とまるで違う
発想の、谷中さんの回答に今見ると好感をもつが、放映当時はどれもいまいちな感触だった。

憧れの人・岡本太郎の名言を超えて、見事(今回も)若林が優勝。
他のコトバスターの回答にはあれほど手厳しかったシティボーイズの皆さん
きたろうさん、大竹まことさん、斉木しげるさん)まで絶賛しだして不気味だし、
どうしてもこの絶対王者体制に馴染めない・・・
当の若林がどう感じているかが気になるところですが、そこはお笑いタレント。
こういう状況をどうあしらうか、笑いをとってくれるかが今後のみどころですね。


時々「バラエティ」という枠組みを忘れて、M-1などのような勝負ものとして
この言葉のバトルに見入ってしまうことがありますが、
言葉には正解はないことが、観てみて、そして今回まとめてみて、
改めてよくわかる番組でした。
点数は付くし、決勝進出できる人出来ない人・優勝できる人できない人いるけれど、
自分の心に響いた言葉(回答)、それすなわち自分の「一票」「大事な言葉」
大事にとっておけば良いのではないでしょうか。
言葉はなんとおもしろく、奥が深いものだろう!
言葉の魅力と難しさをいつでも実感させてくれるこの番組のコンセプトに、
感謝と尊敬の意を込めて、陳腐な賛辞のかわりに、超ニーチェくんを捧げたいです。



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ざっくり映画ライフ:その7 困難な状況のなかで生きる少女達(赤い文化住宅の初子、百万円と苦虫女、フラガール)裏テーマもあるよ!

映画やドラマじゃ、お姫様のような女の子も多いけれど、
今回紹介する映画の主人公は、みんな、地を這って、時に人に踏んづけられながら
それでもどっこい生きている、不器用だけどあきらめられない少女達。
時々甘く、時々切なく、時々目も当てられない、切実な3作をどうぞ。

赤い文化住宅の初子

赤い文化住宅の初子 [DVD]赤い文化住宅の初子 [DVD]
(2008/01/25)
佐野和真、東亜優 他

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中学3年生の女の子・初子と二人暮らし。は亡くなり、は蒸発した。
兄は高校を中退し、仕事に就いたりやめたりを繰り返しながら、自らと初子を養うが
家計はギリギリで公共料金さえしばしば止められ、兄は初子に暴力的に振る舞う。
初子はラーメン屋でアルバイトをして家計を支え、高校進学を夢見るが
工場勤務の兄は初子の進学に反対。何もかも苦しい初子の毎日だったが、ひとつだけ
救いがあった。それは、同級生でボーイフレンドの三島くんの存在だった・・・

開始早々「生活保護を申請しろよー!」と突っ込みたくなってしまったが
(兄は仕事がないわけではなく、収入が少ないのと風俗などの浪費癖が酷い「だけ」で
保護を受給しているのにあのような困窮具合なのかもしれないが、後に述べる理由から
申請自体していないとみるのが自然かと思われる)
この兄妹がそれを申請しないのはほぼ間違いなく、父への意地だろう。
ホームレスになった父がある日突然兄妹のもとへやってきて、父が兄に「初子を高校にも
行かせられないなんて」と悪態をついて大喧嘩になるシーンがある。
貧困の再生産、それに虐待の再生産が起きていると思しき父兄。
世界のどこにも居場所がなくて、思うようにいくことは何一つなくて、真っ暗闇で生きる
初子をたったひとつ、しかしいつも確かに照らすのは三島くんの献身的な愛情だ。
やりきれない日常に、ダイヤモンドのかけらのような小さな恋がせつないほど映える。

ラストは、凄惨だが、初子と兄の行き詰まった暮らしに踏ん切りをつけ、前へ進むために
ある意味起こるべくして起こった事件。
これから兄妹や三島くんがどうなるかは分からないが、微かな希望が最後に生まれる。

ダメ兄に塩谷瞬さん、写真の中にいる亡きお母さんに鈴木砂羽さん、ホームレスまで
成り下がってひと悶着起こす父親に大杉漣さん、担任教師に坂井真紀さん、
意外なところでは桐谷美玲ちゃんが出演している。
初子や三島くんは無名俳優さんだが、それがかえって純粋無垢な感じになって良い感じ。


百万円と苦虫女

百万円と苦虫女 [DVD]百万円と苦虫女 [DVD]
(2009/01/30)
蒼井優、森山未來 他

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前作と同様、タナダユキさん監督の作品。
ドリーミーなロードムービー風に色づけしてあるがこの少女もなかなかの苦労人。
蒼井優ちゃん演ずる主人公・鈴子はフリーター。女友達とルームシェアしようとしたら
なぜかその彼氏も一緒で、しかも喧嘩して女友達が逃げてしまい鈴子は彼氏と二人きり。
この男がまたいろいろと嫌な奴で、鈴子はキレて彼氏の持ち物を窓から全て投げる!
そうしたら塀の中に入る羽目に。受刑を終えて実家に戻ってきても家に居場所がなく、
息苦しくなった鈴子はひとり家を出て、日本各地を転々として暮らすようになる・・・

海辺の町、山あいの村、ある地方都市、どこでも鈴子を求める人や落ち着ける居場所は
ちゃんといる・あるのだけれど、人間関係が苦手な鈴子はいつも躊躇ってしまい、
そこに「前科持ち」という消せない経歴がとどめを刺す。
とりわけ、「ある地方都市」のホームセンターで出会った、森山未來くん演ずる大学生・
中島とは最後までうまくいくのではないかと誰もが思うはず。
鈴子は中島には前科のことも、百万円貯めたら次の街へ引っ越すつもりだとも、
全てを話したうえで、中島は鈴子を受け入れ、慎ましくも穏やかな同棲生活を送った。
しかし「百万円貯めたら鈴子が去ってしまう、それなら・・・」と考えた中島の作戦が
かえって誤解を生んでしまう。
山あいの村で鈴子に優しくしていたお人好しの農家の長男(ピエール瀧さん)もそうだが
鈴子を想う男性達はみんな気弱で不器用、肝心な時にうまくやれない。
彼らの不器用さ・気弱さと鈴子の不器用さ・かたくなさによるすれ違いがもどかしい。

泣けるのは、鈴子の小学生のとの、手紙でのやりとり。いじめられっ子の弟だったが
地元の仲間に前科持ちと言われてやり返す鈴子を思い出し、勇気づけられ、強くなっていく。
だけど当の鈴子はなかなか人を受け入れられず、「また逃げてしまった」と涙する。

鈴子は人には不思議と恵まれているのだから、心の壁を乗り越えれば安息まですぐだろう。
どうかその厚い壁を越えてほしいと切に願わずにいられない。


フラガール

フラガールスタンダード・エディション [DVD]フラガールスタンダード・エディション [DVD]
(2007/03/16)
松雪泰子、豊川悦司 他

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町をあげた「困難な状況を這い上がる物語」。大ヒット、数々の受賞などがあったので
ご存じの方も多いのでは。
しかも本作は実在する町の、実在する施設の、実在する先生の(、実在する生徒がモデルの)
本当にあって今でもつづいている物語だというのだから一層胸が熱くなる。

福島県いわき市常磐炭鉱は大幅な規模縮小に追い込まれ、町は危機的状況に陥り、
町おこし事業として常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)を立ち上げる。
フラダンスの講師として、本場仕込みの高飛車な女・まどか(松雪泰子さん)が呼ばれ
「やってみたい」と集まったのは、早苗徳永えりちゃん)、早苗に強引に誘われた紀美子
蒼井優ちゃん)、泣き虫の大女・小百合南海キャンディーズしずちゃん)などごく僅か。
当初は早苗の付き合いだった紀美子は、まどかの優美で力強い踊りを覗き見て、
フラダンスに本格的に魅せられる。
しかし町には反対派の声が根強くあり、その中でも紀美子の母・千代富司純子さん)は
強硬な反対派で、紀美子は勘当され、家出してフラダンスに打ち込むことになった。
年が離れた兄・洋二朗豊川悦司さん)は紀美子を心配する一方で、まどかに出会い、
借金取り(寺島進さん)に追われて苦しむまどかを助けたりと、心が通じ合っていく。
フラダンスの踊り子たちはその後、飛躍的に増加、日本各地を行脚するうちに
次第に踊りの実力もメンバー間の絆も出来上がっていくのだが、困難は次から次へと・・・

あきらめない少女達、あきらめない大人達が奇蹟を起こす。
田舎町に赴任させられて腐っていたまどか、紀美子と千代の母娘対立、
ハワイアンセンター事業反対派たちなど、いがみ合い、硬い表情をしている人々が
フラダンスを通じてだんだん氷解し、南の島さながらに暖かい人情が生まれる。

物事は単純にはいかず、その行き場のない苦い怒りすら燃料に変わる。
時代性(昭和40年代前半)もあってやや暴力的な描写にちょっと引く場面もあるが、
大きな感動がすべてを帳消しにして、観る側に希望を与える。


「現在のフラガールがどうしているか」以前放映していたドキュメント、
見逃していましたが、DVDになってます。
因みに昨年の震災によせて、松雪さん、富司さん、蒼井ちゃん、しずちゃんなど出演者が
1000万円の義援金をいわき市に送ったそうで。

がんばっぺ フラガール!  ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】がんばっぺ フラガール! ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】
(2012/07/21)
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム

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これは観たいですね。いや、いまこそ観なくては。

いやぁ、女の子って強い生き物ですわ、ホントに。
世の男性の皆さん、あんまり強くないという女性の皆さん、ぜひ彼女達にあやかりましょう!


最後に、今回のざっくり映画ライフには、ひっそりと裏テーマが。
蒼井優
ベリーショートになった蒼井ちゃん、可ー愛ーい!
周囲は誰も同意してくれませんが(苦笑)それでも良いんです!
なんでも、「生まれたとき以来」のこんなに短い髪型だとか。
イメージががらりと変わって、これまでとはまた全然違う役どころが観られそう。
そんな日が今からとっても楽しみです。


※おまけのおまけ
先日のFC2ランキングのリザルトが過去最高を更新!
日記 1483位 (昨日:4019位) / 438961人中
その他 490位 (昨日:1236位) / 69919人中
更新日時:2012/10/22 09:17
皆様のおかげです。心よりお礼を申し上げます。これからも頑張ります!

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Syrup16g 後編:Syrup16g&2004年頃の簡易ライヴレポ&解散の謎「痛々しいほど溢れ出すバンドへの愛、本当のリアルの無情と無常」

2004年のアルバム「delayedead」やライヴ「遅死10.10」は、
第一期Syrup16g完結」というコンセプトに基づいて行われ、以後の彼らは
音源を全く発表せず、ひたすらにライヴに励み、その中に1曲は必ず新曲を演奏したりと
独特のこだわりをもって、いわゆる「第二期」を駆け抜けていきました。
しかし、そうそうライヴに行けないライトめのファンにとって、そうした様子は
Syrup16gというバンドの存在を少しずつ忘れていくのに都合の良すぎるものでした。

2006年、2枚のベスト盤「動脈」「静脈」が突如リリース。

動脈動脈
(2006/08/23)
Syrup16g

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静脈静脈
(2006/08/23)
Syrup16g

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「新譜もないのになぜ今更?」「まさか解散するの?」等、注目と共に
懸念も広がりました。
ライヴDVDも発売されましたが、Syrupの活動は段々減速。
ライヴのペースが落ちるばかりか、公式ページのセットリストの曲名には
新曲の仮タイトルが付けられなくなって「新曲」とだけ表記するように。
ステージ上では五十嵐さんが、かつてのようにギターソロを弾きこなせない場面が
増えている、と噂されることもあったのだとか。

そして、2008年1月30日、三年四ヶ月ぶりの新作「Syrup16g」を発表後、
3月1日の日本武道館ライブを最後に解散
メンバーは散り散りになり、ライヴで披露されたきりでリリースされない「新曲」が
大量に、未発表のまま残されました。

Drの中畑大樹さんはSyrupが解散する以前から「期限無しレンタル移籍加入」として
参加していた、元NUMBER GIRL~ZAZEN BOYSのアヒト・イナザワさん率いるバンド
VOLA & THE ORIENTAL MACHINE」に正式に加入、現在でも活動中。
Baのキタダマキさんの名前は今でもあちこちで見かけます。
コーネリアス、ゆず、salyu、ホフディラン、小泉今日子、メロン記念日などなど
さまざまなアーティストやアイドルのレコーディングに参加しています。
そしてVo/Gtの五十嵐隆さんはといえば、解散後は一人沈黙を続けていましたが
犬が吠える」名義で2008年の秋、ソロプロジェクトを始動。
しかし2009年、突如公式HP内で解散を発表し、以来今に至るまで、音沙汰なし。
ファンの声はカムバックの切望から「自殺したんじゃね」といった冷やかしまで。
元々が精神的に不安定な人なので、精神を悪くして療養しているか、
音楽業界が嫌になって隠遁しているかのどちらかかなぁと自分は想像しています。


<ライトなライヴレポ~ライヴの光景>
さて、かつての淡い記憶を頼りに、Syrup16gのライヴに足を運んだ記録を
ライトに綴ってみましょう。
「delayedead」収録曲「前頭葉」を聴いた記憶があるし、それ以後はしばらく
ライヴに行く機会が無かった筈なので、恐らく2004年のライヴレポとなります。

「delayedead」を聴いて感じられるように、勢いのある演奏で盛り上がりながら、
内省的な曲は相変わらず内省的と、振れ幅の大きいライヴだったと記憶しています。
前座は同じ事務所の古明地洋哉さんで、当時FMラジオのパワープッシュ曲だった
「untitle#1」などを披露。なかなか印象的なアコギ弾き語り30分でしたっけ。

Syrupのライヴに行って驚いたのはファンの独特のノリ。
ロックフェスに行ってわいわい楽しんでいるようなライトなロックファンと、
普段家に引きこもって、Syrupを「救世主」として崇めるためにやってきたような層。
そのふたつが入り交じり、会場は熱気は熱気でも異様な雰囲気がありました。
激しくノリの良い曲でもじっと突っ立って、一言も聞き逃すまいとする人たち。
私はその「信者層」に宗教めいたものを感じてしまい、かなり引いてしまいました。
どういう系統のライヴでも突っ立ったままの人はいるしそれは変でも何でもないですが
Syrupのライヴにいた「信者層」のノリはあまりに重く、暗く、深刻な感じ。
こういった熱心な層に支えられてSyrupの人気はあるのだなあと痛感するライヴでした。
彼らを「背負う」「寄りそう」という業がこのバンドにのしかかっていることも。


<なぜ解散したのか~不穏な噂話とともに>
Syrup16gの解散理由について、何か情報はないものかとネットサーフィンしていたら
このような「刺激的な」記事を見つけてしまいました。
syrup16g 武道館への軌跡 - 異聞・オルタモントの悲劇
音楽ライターの方が、Syrup16gが所属していた事務所keycrewについて書いた記事。

・事務所側はSyrup16gをBlankey Jet Cityのようなバンドとして売りだそうとした。
・初期のベーシスト交代劇は、事務所社長の好みが「屈強なベース」だったために、それに合わなかった佐藤さんは、脱退(という名目のクビ)を余儀なくされた。
・「第二期」の活動では同じ事務所の後輩を前座にライヴを繰り返し、中畑さんは後輩のバンドに参加したりもした。つまり、事務所で唯一ネームバリューのあるバンドだったsyrup16gは、さんざん宣伝に利用されることになった。
・事務所の他の所属ミュージシャンも矢継ぎ早に離れた、あるいは凋落していった。

といったものです。
これはなかなかインパクトのある「裏話」で、もし本当ならそりゃ五十嵐さんも
色々嫌になるわなという感じがしますが、本当かどうかは我々には分からないし
公になっている訳でもないので何ともいえません。

実際に五十嵐さんが音楽雑誌で語ったところでは、

・Syrup16gという活動を通して、五十嵐さんは「バンド幻想」のもたらす永遠の青春を、ひとり追いかけていた。
それがもたらすであろう奇跡にもっと近づくため、数年前に休止を決めてからも、ひたすら自分を追い込んで、問い続けていた。
報われる保証はどこにも無いが、それでも「syrup16g」として、文字通り「倒れるまで」もがき続けた。
・そのようにもがき続ける五十嵐さんに対して、他の二人のバンドに対するスタンスはもっと冷静なもので、五十嵐さんと他の二人との間の温度差が顕著になっていった。
そうして三人は別離することとなった。
・五十嵐さんとしては、メンバーとの温度差や別れは予期せぬものだった。
大いに悩んで大いに苦しんだ、その結果がこれで、強い喪失感に襲われた。
語弊があるかもしれないけれど、時期が悪すぎた。

といった言葉がありました。
正直ちょっと、ひとりよがりな印象を受けます。
元々が五十嵐さんが全ての曲を作詞作曲して歌うバンドなのでこんなものなのかも
しれませんが、ここまで他の二人の姿が見えないのもちょっとどうなのかと
感じてしまいます。だからこそ「コミュ障」な自分を歌っていたのでしょうが。
上に載せた記事リンクを事実と仮定して加えた場合、そうした事務所の横暴と
ひとり孤独な闘いを繰り広げて、敗北し、メンバーの理解も得られなかった
五十嵐さんという姿が浮かび上がってきて、非常に切ないものがあります。

・・・どうにせよ、五十嵐さんの対人スキルの不足や精神的な脆さからいって、
Syrup16gというバンドが10年以上続いた、寧ろそのほうが奇跡的なのでは?
バンドは古今東西いろいろあるものですから、まぁこんなところでは。
真相を得る術はないし、何よりもう終わったことですから、
「今までお疲れ様、そしてありがとう」以外に、かける言葉はないのでしょう。


<ラストアルバム「Syrup16g」>
上述した事情による、ボロボロである種さっぱりした、しかしどろついた無念さも色濃い
セルフタイトルのラストアルバム「Syrup16g」。
なぜかワーナー(現在のユニバーサルミュージック)からのリリース。
初登場13位(オリコン)登場回数6回と、最後にしてバンドの最高リザルトを記録しました。

Syrup16gSyrup16g
(2008/01/30)
Syrup 16g

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歌詞カードを取り出すと、紙質(半紙っぽい)やフォントと併せて、まるで葬式のようで
うすら怖いものを感じました。
この、自らの手で自らを弔おうとする演出は、かつてCoccoが無期限活動休止を
宣言した時の”ラストアルバム”「サングローズ」にも似た印象を受けました。

さて、CDを再生して。
これまでの作品とは比較にならないくらい演奏のレベルが上がっています。
マスタリング等で頑張った可能性もありますが、あれだけライヴを繰り返したので
普通に各人の実力が飛躍的に向上したと捉えるのが良いかと。
音質も良くて、グレードが上がった「大物ミュージシャン」みたいです。
良くも悪くも。
迫力満点の演奏はライヴ映えしそうで聴きごたえがあります。
しかし、「彼らが歌ってきたテーマは何か」が抜け落ちている気がします。
歌詞もよくまとまってまるで純文学のような完成度で、これはこれでいいのですが
根本に流れているものは変わっておらず、本作における3人の卓越した演奏は
バンド本来のテーマ「不全」「欠落」「未完成」の入る隙を与えてくれません。
そのためにこれまでの作品のような感情移入がしづらいのです。
「少し遠くに行ってしまった、高みに登ってしまった」という感じがします。

また本作の歌詞は全体的にそこはかとなくバンドの解散が前提にあるので
どれもこれも解散ソングに見えてしまい、その意味でも簡単に同情しにくい。
もっと気になるのはアレンジ。時々、取ってつけたようなキーボードが入って
チープな宅録みたいに聞こえて、他の音から浮いていて明らかに変です。
どういう意図があってこのような音を入れたのか逆に知りたいほど。

もはや「未完成」ではない、「欠落」や「不全」もない、完成された実力を
「各々がばらばらに」発揮している印象を受けます。
このように各人が「完成」した時点でバンドの役目は終わったのかもしれません。

歌詞を読んでいると随所に「涙」「泣いて」といったフレーズが登場します。
恐ろしいことに、2曲に1曲くらいの割合で。
これでは、あまりにも泣きすぎています。一体何がそうさせるのでしょう?
#11「イマジネーション」~#12「夢からさめてしまわぬように」は
五十嵐さん自身の解説によると「バンドの解散ソング」なのだそうです。
そこから整理してみます。

#11「イマジネーション」ではこんなフレーズが頻出します。
最後のチャンスだと わかってたのに
Syrup16gというバンドは五十嵐さんにとって「最後のチャンス」だという
切迫感があったのでしょう。だから、失うともう後がない。
#12「夢からさめてしまわぬように」になるともっと感傷的になり、
夢からさめてしまわないように
夢の先の事を考えて泣くのはもうやめておこう

と繰り返されます。
Syrup16g(をやっている俺)は夢の中みたいに幸せな場所で、
Syrup16gが無くなる事、Syrup16gを失った自分は泣くほど辛くて虚しくて不安。
もっと 寄りそって 近づいて 消えないで
もっと 寄りそって 近づいて この手を握って
そっと いかないで 少しだけ 声をかけて
そっと いかないで

と締めくくられるこの曲、このアルバム。
五十嵐さんにとってのSyrup16gというバンドの重みや切実さが痛いほどわかります。
他のふたりには、こうした五十嵐さんのバンドへの拘泥は
理解できないもの、ついていけないものとして映っているとしても。

テーマが「欠落」から「喪失」へと変わったとはいえ、
繊細で鋭い、あの刺すような痛みと、美しいメロディは健在。
テーマが一点に絞られたぶん、完成度は過去のどの作品も追いつけないほどで
だからこその最高セールスなのでしょうか(話題性が一番だとは思いますが)。
まるでこれまでとは別のバンドが演奏しているように心なしか聞こえますが
諸行無常、同じままで留まっている人も音楽もないということなのか。
三年四ヶ月という歳月は、当然のように成長も喪失ももたらして、
それに五十嵐さんが付いていけずに泣いて縋っている姿がここにあるのでしょう。

様々な不可解な変更点、噂される業界のしがらみ等が頭をかすめる作品ですが
曲調がバラエティ豊かで、意外と単純に楽しめる作品でもあります。
この世界(というか、音楽業界や事務所?)の無情さ、
何かを全力でやりきることの喜び悲しみ、そういったものが
情感豊かに描かれ、喪失感を誘う一枚になっています。



武道館でのラストライヴはこちら。
未見なのですが、書いている内にちょっと観たくなってきました。

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(2008/05/28)
syrup16g

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第二期を中心にばらまかれたままになった大量の未発表曲を
どうにかまとめてリリースする方法や機会はないのだろうかと思いつつ、
まるで廃人にでもなったかのように揶揄されたり、忘れ去られている五十嵐さんが
何とか再起して、新しい「チャンス」、新しい表現を届けてくれないものかと
ここまでまとめた末に、個人的に願うようになったのですが、
誰からも忘却され、また元の暗闇で暮らし続けるのがこの人の願いなのでしょうか。
こんな結末、リアルではあるけれど、あまりにも淋しすぎます。




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Syrup16g 中編:HELL-SEE,Mouth to Mouse,delayedead「普段後ろ向きな人が見出した希望こそ、こんなにも強く深く胸に響き渡る」

2003年以降の作品では、認知度が格段にアップ、音楽も心なしかキャッチーで
前向きな要素が加わってきたSyrup16g。セールスの向上なんかもあったのでしょうか。
なんにせよ、今回紹介する、いわば「中期」の3枚は、それぞれに吹っ切れて
病みすぎずピンピンすぎず、かなり入りやすい、丁度良い塩梅の作品揃いだと思います。


まずはHELL-SEE(ヘルシー)から。

HELL−SEE【reissue】HELL−SEE【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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見間違い?!1,500円という価格破壊が話題騒然になった一枚。なぜ?
そして歌詞カード最終ページには「へる氏ー」という名のゆるキャラ。
いろいろ謎だらけです。
因みに、#2「不眠症」では「うるせぇてめぇ メェー」という歌詞があって
ジャケットは羊(の群れ)と赤に染まった不気味な画面。
ちょっと、うすら怖い?

知人から「サンプル品」を「もらった」ため、元の値段と相まって「そんなに安いのは
楽曲のクオリティが安っぽいからなんじゃないの」という猜疑心が抜けず、
偏見によって、他の作品と比べるとあまり聴いてこなかったアルバム。
でも改めて聴いてみるとまったくそんなことはないです。
これまでと比べてかなりアグレッシブ。内よりも外へ攻めていく音作り、
本作から顕著になる「人を小馬鹿にしたような言葉遊びのゆるい歌」が登場して
楽曲の幅がまたグッと広がっています。

そして今回紹介する3枚は全て希望を歌ってアルバムが締めくくられ、本作のトリ
#15「パレード」では遠回しながら「明日も生きたい」というファンへのメッセージ。
また、前作では欠員補填の色合いが強かったキタダマキさん(Ba)がバンドに馴染み、
キタダさんがアイデアを積極的に出して作った曲なども登場するようになったそう。
バンドのカラーが少しだけ明るくなったのは、キタダさん効果があるのでしょうか?
(あとは単純に、バンドが軌道に乗ったことで五十嵐さんの気持ちが安定したなど)
サウンドも、キタダさんのベースは滑らかで、よく聞こえてきて、メロディアスで
スリーピースバンドとして三位一体に近づくことに成功した印象です。


次に、曲単体でのお気に入りが多い「Mouth To Mouse(マウス トゥ マウス)」。

Mouth to Mouse【reissue】Mouth to Mouse【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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シングルカットもされた(現在は絶版)#2「リアル」は、bloodthirsty butchers
吉村秀樹さんがフィードバックギターで参加している、という曰くもありますが
(何気に五十嵐さん達、交友関係広いんですよね・・・それもびっくりするほど)
何が好きって、この歌詞。
最初から前向きで自信満々な人に希望なんて歌われたってウザいだけなんですが
Syrupみたいに本来後ろ向きな人が見出した希望なら大いに共感し、応援できる。
こんな自分が相当ヒネてて暗いことは百も承知ですが、この曲があるから
そういう厄介な自分だってもしかして愛せるかもしれないって思えそうになります。

リアル 作詞・作曲 五十嵐隆

命によって 俺は壊れた
いつかは終わる そんな恐怖に
でも命によって 俺は救われた
いつかは終わる それ自体が希望

お前にこの一生捧げよう
必要なくなって 見捨てられるまで
許しがたいまで 腐り切った
魂は水で洗い流して

圧倒的な存在感
生身の感情の表現
すべての言葉しっぽ巻いて
逃げ出すほどのリアル

遠いよ みんな遠いよ
本当のリアルはここにある

必死なのはかっこ悪くない
むしろその逆
笑っていた
感じられること
すべてを喜びに変えろ

妄想リアル もっとSO REAL


他にも、「セ・ラ・ヴィ これが人生 やっとおもしろくなってきたんだ」と歌う
#1「実弾(Nothing's gonna syrup us now)」、
サナギが蝶になって飛んでいく様子に飛翔のイメージを託した#9「変態」、
「愛しかないとか思っちゃうヤバい」とまで歌ってしまう締めくくりの#14
Your eyes closed」など、「どうした?」と訝るほど穏やかで
いつもの屁理屈をやめて希望的観測を前に出した、聴きやすい楽曲が多めです。

#5「My Song」のシングルはわざわざ買ってしまいましたっけ。
(現在は絶版→#4「パープルムカデ」のシングルとあわせてリイシュー)

パープルムカデ/My Song【reissue】パープルムカデ/My Song【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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美メロにのせて、女性の目線で綴られた端正なラブソングに耳がくぎづけ。
私小説だけでなく、フィクションにも優れた作家へと大きく成長した
五十嵐さんの卓越したソングライティングを堪能することができます。
キャッチーでポップな曲が多めなので、Syrup初心者はここから入るのも良いかも。



そして原点回帰「delayedead(ディレイデッド)」。

delayedeaddelayedead
(2004/09/22)
Syrup 16g

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本作は「COPY」リリース時に在籍していたインディーズのレコード会社からのリリース。
この作品もあっという間に出来上がったアルバム。昔の作品(インディーズ時代の
アルバム「Free Throw」の曲やそれ以前の曲)を新録で多く収録しているのが
大きな要因。コンセプトが「delayed」と似ているのでそれをもじったタイトルに。
一番時間がかかったのが、ジャケットに使われている飛行機のプラモデル製作だそうで
驚くやら呆れるやら(苦笑)
プラモ担当の中畑大樹さん(Dr)、自室に篭って細かい部分の塗装まで施したとのこと・・・。

昔の曲から最新の曲、ハイな曲からロウな曲、
曲が書かれた時期も詞や曲の中身もそれぞれにバラツキがありますが
昔の曲たちが、最新の曲たちに一歩も劣らないクオリティを誇っているのにびっくり。
勢いがあってエッジが効いている演奏も実に頼もしく、激しいライヴが目に浮かびます。

五十嵐さんは多作で曲を書くスピードも大変速いと有名なのだそうですが
こうまで昔から今まで書き続け、しかもそのクオリティは高い、なんて恐るべき才能。
最新の曲の歌詞や全体の演奏(昔の曲でも再録)からは余裕や貫禄が感じられますが
自信に満ち満ちてはいない頃の楽曲のメッセージや絶妙なコード進行もたまらない。

なかでも胸を打たれるのは「Free Throw」から収録された#14「明日を落としても」。

明日を落としても 作詞・作曲 五十嵐隆

つらい事ばかりで
心も枯れて
あきらめるのにも慣れて

したいことも無くて
する気も無いなら
無理して生きてる事も無い

明日を落としても誰も
拾ってくれないよ
それでいいよ

機械みたいな声で
サヨナラされて
それでも何か傷ついて

誰も愛せなくて
愛されないなら
無理して生きてる事も無い


そう言って
うまくすり抜けて
そう言って
うまくごまかして
そう言って
楽になれる事
そう言って
いつの間にか気付いていた


繊細な人にしか掬い取れない些細だけど的確な心の動き。
弱さの中に隠れたしなやかさと、つらさの中で生きる術。
この人に幼少期~思春期、何があったのかは知らないし知る気もないのですが、
恐らくは人並み以上にあったであろう、つらい体験や心の傷。
そんな中から出てきた言葉は、疲れている人、弱っている人、壊れたことがある人、
そして普通の人の心を巧みにとらえます。


遅死10.10 [DVD]遅死10.10 [DVD]
(2005/01/26)
Syrup 16g

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「delayedead」は第一期シロップ完結を謳い文句にリリースされたアルバム。
そして同年10月10日に日比谷野外大音楽堂で開催されたライブ「遅死10.10」は
「第一期Syrup16g完結」というコンセプトに基づいて行われ、
このライヴ以降音源リリースは途絶え、旺盛なライヴ・サーキットをメインに
活動していくことになりました。


次にスタジオ・アルバムが世に出るのは、「第二期」を経た後と思われる
四年後のこと。そしてそのとき、バンドは・・・
次回の記事「後編」は、当時の簡単なライヴレポと、最後のアルバムについて
とりあげていきます。



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Syrup16g 前編:COPY,coup d'Etat,delayed「無気力はある種の癒し?弛緩した音世界と救いのない言葉に、身を任せてみる」

Syrup16gシロップ16グラム)を知ったころ、そして流行っていたころ、
私は大学生で、その年頃にはよくあることとして、病みがちでした。
周りの人間も多分に病んでいました。全員とは言わないまでも、少なくない割合で
その人の言動の少しずつから大半と程度は様々ながら、やはり病みがちでした。
Syrup16gは、そんな時期に知り、そんな周囲の人間に教わったこともあって、
「病んだ人間のための音楽」と認識していて、そういう時期を過ぎた今では「悪い思い出」
として、あまり聴きたくなくて遠ざけていましたが、かといって捨てることもできず。

最近、CDが収まらなくなり、整理のために昔のCDを出してきたら、Syrup16gのCDたちと
再会しました。どうしようと迷ったのでとりあえず聴いてみたら、案外大丈夫。
病んでいた頃のエピソードや病みを描いた歌詞は、今はある程度遠くの記憶として
割り切れて、病みに関係ない要素、「美メロ」「ディレイを多用したギターサウンド
ときに荒涼として、ときに温かみのあるアレンジ」などに心地良くなりました。
思えばあんまりあからさまに病んでない「普通っぽい人」にもSyrup好き結構いたもんです。
当時「どうしてだろう?」って彼らの事を疑問に思っていたのですが、疑問が解けました。
そっか、「病み」関係なく、音楽として気持ちいいんですね、このバンド。


Syrup16gは1996年に専門学校の同級生で結成され、2008年に解散と、一応10年以上は
もっていたのですね。
バンドの中心人物でほぼ全曲の作詞作曲を行うVo/Gの五十嵐隆さん、
ライブ中によく大声で叫び、よく上半身裸になるというDrの中畑大樹さん、
初期に在籍したBaの佐藤元章さん→2002年後半から加入したBaのキタダマキさんによる
オルタナ/グランジ系の3ピースバンド。
インディーズで2枚のアルバムなどをリリースした後、2002年にメジャーデビュー、
その年の6月でベーシストが佐藤さんからキタダさんに替わるメンバーチェンジを経て
2年強の間にフルサイズのアルバムを4枚発表するという、生き急ぐかのようなハイペース。
今回の記事では、インディーズ時代のアルバムとメジャーでの1st、2ndという
比較的「初期」といえる時期についてとりあげます。



COPYCOPY
(2001/10/05)
syrup 16g

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君に存在価値はあるか
そしてその根拠とは何だ
涙流してりゃ悲しいか
心なんて一生不安さ


これはインディーズ時代のアルバム「COPY」収録の「生活」の歌詞の一部ですが
私達、なんかグサッと言われてしまっています。
まぁ言わずもがな「君」と言いながら自分自身に向けて書かれているのですが
それでもフレーズが耳に入ったとき、思わず振り返ってしまうような威力があります。
考えすぎて思い詰めすぎて不安で感情が溢れている自分を、自虐的に突き放すフレーズ。
自分に対する愛が足りない印象をまず受けますが、改めて見ると客観的ともとれます。
自分の存在価値だの根拠だの難しい理屈をこねくり回し、挙げ句の果てに涙まで流している
そんな現在の自分の姿をありのままに受け入れているとも。
「心なんて一生不安さ」そう言って理屈っぽくて不安に駆られやすい自分を受け入れて
ドライに捉えると、かえって楽になれそうです。
少なくとも「頑張ってこの弱さを乗り越えるんだ」って唄われるより遙かに気楽です。
Syrup16gの楽曲の世界、五十嵐さんの人生観は、内省的で「病み」を常に孕みながら
いつもどこか客観的で醒めていて、いっそ悟りが入っていて、無気力で退廃的で
それがかえって、ある種の「癒し」として作用したりします。


未だノーチェックながら(後のアルバムに再録で殆どの曲が入っているので)
その前には「Free Throw」というアルバムもリリースしています。

Free Throw【reissue】Free Throw【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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ざっくりしたサウンドが魅力的だった「COPY」の後、日本コロムビアから
白く美しいジャケットも印象的な「coup d'Etat(クーデター)」でメジャーデビュー。

coup d'Etat【reissue】coup d'Etat【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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音が鋭角的になり、洗練され、そしてかなり攻撃性が増しました。
せっかくメジャーデビューしたんだからもっと浮かれても良さそうなものを、1曲目から
My Love's Sold」=「俺の愛が売られてる」と、かなり殺気立っています。
「クーデター」というアルバムタイトル自体、「自分の曲を売り物にする事も良しとする」
「自分自身に対してのクーデターを起こす」という事からついたそうで、
このアルバムでのデビュー以前にも別のレコード会社からのデビューのチャンスが
あったのですが、五十嵐さんが演奏中に暴発したためにふいになったとのこと。
インディーズで伸び伸びと自分のペースでやっていくのが合っていたけれどデビューもしたい、
けれどメジャーの環境はプレッシャーが半端ない・・・といったところだったのでしょうか。
まぁそのお陰か、必要以上に気張って方向性が変わって、というようなありがちな出来にならず
これまでの方向性を継続しながら、更に研ぎ澄まされて、更に広がりも深みも増して
見事に名盤が出来上がって、素晴らしいことです。

リストカット~自殺未遂を連想させる曲、抗精神薬の名前をもじった曲など
一刻の猶予も許さない切羽詰まった曲が多く、少々コワい感じもするかもしれない一枚。
しかし、この病んだ感じや切羽詰まった感じ、これでこそオルタナ/グランジ。
本作以後は徐々に落ち着いていく彼ら。若さもあっての最高強度の狂気が炸裂し、
キレッキレ感にギリギリ感、そして勢いが全作品中最も満ちている、傑作であると同時に
貴重な「青さの記録」でもありそうです。



そして次作が、正しく私が「一緒に泣いた」アルバム。

delayed【reissue】delayed【reissue】
(2010/10/27)
syrup16g

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夜の闇と青い光、紫の光もいい感じのジャケット「delayed(ディレイド)」。
このアルバムでベーシストがキタダさんへチェンジ。佐藤さんは、ベーシストとしての
生命線、腰を痛めて、リズムキープに支障が出てしまい戦線離脱になったそうです。
デビュー前、結成当初から演奏していた曲なども収録したためか、前作から僅か3ヶ月という
短すぎるインターバルでのリリース。
前作に比べて穏やかな曲が大半を占めており、前作が動なら本作は静。
とにかく美メロばかりで、「良い曲」が沢山詰まっているアルバムです。
その中にはあのミスチル桜井さんが「いい曲だよね」と賞賛し、後にBank Band
『沿志奏逢3』でカヴァーした「Reborn」があります。
美しくて、哀しげで、よくまとまっていて、サビで感情がぐぐっと押し寄せるギターは
Radioheadの初期作なんかを彷彿する感じ。さらりとしたバッキングのギター、
ちらりと登場する逆回転っぽいギターも良くて、ギター好きにもウケそうです。
アルバムでは3曲目に収録で、最後にボーナストラックとしてアコースティック版が
入っていて、こちらも美しい仕上がり。
更に4曲目「水色の風」のコーラスでは、親交のあるBUMP OF CHICKENのボーカル
藤原基央さんが参加しているそうで(Wiki見て初めて知りました。全然気づかなかった)
セールスは前作に比べ若干地味ながら、何気に豪華なアルバムかも・・・?

しかしながら私が「一緒に泣く」ほど、ライナスの毛布のように寄り添ったのは
1曲目の「センチメンタル」。
(恐らくは五十嵐さん自身の)不器用な青春の日々の記憶を貫く心の痛みを歌った曲。
歌詞も哀しげだけど、涙腺を刺激されてしまうのはなんといってもそのメロ。
温かさと哀しさ淋しさ痛みの配分が、最近別に何も悲しいことなんてなくても
堪えきれず涙を浮かべ、時に零さずにはいられなくなるのです。
Syrupのアルバムを聴き直してみたとき、他のアルバムの「病み」にはもう引っ張られず
距離を置けたのに、このアルバム、そしてこの曲は引き離すことができませんでした。
あの頃、大して何もなくても、無性に悲しく淋しくなっては泣いてばかりいました。
そんなときよく本作をかけていました。
この曲やアルバムをかけるから泣けるのか、淋しくて胸が痛いから沁みるのか。
区別など今となってはつきませんが、今でも鮮やかに感受性の琴線にふれる曲です。
6曲目「サイケデリック後遺症」や7曲目「キミのかほり」などもよく聴きましたね。
捨て曲がない、自分にとっては最高傑作のアルバムです。
聴き手が病んでいようといまいと、本作の美メロと繊細で瑞々しい言葉達は、
きっと多くの人の心に響くはず。その意味ではポップでキャッチーな作品といえます。



みんな「頑張れ」とか「一生懸命」とか「応援してるよ」「見守ってるよ」とか
前向きに前向きにと心がけた歌を届けようとして、それはそれで生産的で良いですが
時々ちょっとそんな風潮に疲れてしまいます。
「頑張る気なんてない」「やる気ない」「後ろ向き」「他人の事なんて知らない」
自分でなかなか言えない心の奥の本音を代弁して、肩に背負った前向きという荷物を
ひととき下ろさせてくれるSyrup16gの楽曲に、救いがないはずなのに妙に救われます。

どうしてでしょうね。
00年代前半に流行っていたバンドですが、寧ろ今こそ必要な音楽なような気がします。
いまや誰もが、ときどき深く疲れ切って、その疲弊を誰にも話せないでいたりするから。


次回はSyrup16g中編として、「HELL-SEE」「Mouth to Mouse」「delayedead」を
取りあげます。
最近はどうも更新遅めですが、よろしければ懲りずに次回にもおつきあいください。



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相棒 その8:Season11-1感想「期待以上の見応えがうれしい!青くて尖った"坊っちゃん"相棒の誕生と、右京さんの不気味な企み」

前Seasonみたいにgdgdだったら観るのやめようと思っていた相棒 Season11
右京さん水谷豊さん)とは親子ほども年の差がある、成宮寛貴さんの新・相棒。
「倍ほどの年齢の相棒だなんて?!設定に無理がないか?苦し紛れ??」
悪い方に想像が膨らむ一方で、成宮さんは私と同い年で、ものすごく一方的ながら
同世代として頑張って欲しいと応援したい心境もあり、なんとも複雑な気持ちで
Season11初回放送を待っていたものです。

それが蓋をあけてみればかなりの好感触!2時間があっという間でした。
アクション要素もあって画的にも見応えがありました。
新・相棒、甲斐亨=略称カイト君の人物像もオープニング10分+αで
がっつり掴めて、きっちりインパクトが残り、次回に自ずと期待が湧きます。
投げ出さないで観て良かった!
・・・といって、前Seasonみたいに初回と最終回だけ面白くて後はgdgdとかだったら
さすがにキレちゃうかも。頼みますよ、次もその次も、バトンを繋いでください・・・

昨日の初回を観て感じたことを、大きく幾つかの要点にわけながら書いてみます。


☆新しい相棒はどんな奴?
今回一番に重きをおかれ、神戸君に比べてかなり丁寧に描かれていた最重要ポイント。
最初の10分くらいを観てると別のドラマを観てるようでしたが、甲斐亨=カイト君の
人となりが魅力も弱点もはっきり描かれて、入り込みやすく感じました。
神戸君の場合、こういったキャラ付けがはっきりしないために、脚本家さんによって
キャラがブレたり深く描きにくくなり、ドラマの登場人物としては支離滅裂になったり
空気になっちゃっていたりしたので、その点をカイトではクリアできた感じ。

・え?略すの?
「甲斐亨」略して「カイト」?しかも右京さんまで「カイト君」って呼ぶの?
イマドキの若者って表現なんですかね。
どっちかというと「かおる」「たける」に続いて「とおる」の縛りのほうが気になった
ものでしたが。しかもフルネームだと、「か」で始まり「る」で終わる。
そして段々短くなっている(亀山薫7字、神戸尊6字、甲斐亨5字)。次はもうない?
ヒマ課の皆さんやカイト父関係者みたいに「坊っちゃん」のほうが絶妙でいいような。
あ、これは今後イタミン達が陰で日向で蔑称として呼ぶのか(笑)

・年上と思しき彼女がいて、普段は料理を作ったり足裏マッサージをしたりと甲斐甲斐しく
尽くす一方、事件~隠蔽に巻き込まれてテンパったら「バーカ」と八つ当たりしたり。
なんか亀山と美和子みたい。でも残念なのは、現時点ではこの彼女に美和子級の魅力を
感じられなかったこと。キャラが薄いというか、可愛げが足りないというか。
正直あまり可愛くもないし・・・まぁ好みの問題ですかね。
私が個人的に鈴木砂羽さんを好きなだけなのか。
後はいきなり「事後」の姿で二人が登場したこと。友達カップルみたいだった亀山夫妻と違い
ここはちょっぴり性愛強めの姉さん女房カップルといったところか。

・父親は警察庁次長 警視監甲斐峯秋石坂浩二さん)で、親子仲はかなり冷え切って
父親の存在はカイトの重圧。「パパの七光り」は禁句!
ヒマカたちが揶揄したり、お父さん関係の方々(今回の事件の関係者達)が親しみを込めて
呼んでいた「坊っちゃん」は言わずもがなここから。
カイトは父親のコネに頼らず、自力で所轄の刑事になった、ところで急な特命行きに。
実家が坊っちゃんなのは亀山似で、モヤモヤ屈折して育ってそうなのは神戸似の印象。
なぜあんなに不仲なのか、カイトに警察を辞めて欲しがっているのはなぜなのか、
このお父さんとの関係は何だか訳ありげで、今後の展開が気になりますね。
それにしても、「おとといきやがれ!」って、カイトはまた随分古風な捨て台詞を・・・

・絶対音感で銃声を聞き分けられたり、右京さんからの唐突な電話に混じった音声で
花の里を突き止めたり、鋭い観察眼をもっていたりと、何気にスペックが高い。
これもありあの右京さんが、「即席コンビ」結成で事件解決にあたった今回、即座に
カイトを相棒として認めた。でも、本当はお父さんの事(後述)が絡んでいるのでは?
一見、亀山的な種類の能力だけど、絶対音感は幼い頃ピアノを習わされた経験から
身についたものだったりして、天才に見える努力家。御曹司は大変ですな。

・犯人に頭突きをかまして大暴れ!右京さんが力ずくでナイスセーブ!するも、
「もうしない」とのフェイントで再びアタック!またも右京さんにセーブされて
小学生みたいに、ドアの外に立たされ、取調中に一人で立ちんぼする羽目に・・・
あれまあずいぶんと荒々しい御曹司。で、それを先生みたいに窘める右京さん。
なんか面白いもの見ました(笑)

・正義感が強くて、曲がったことが大嫌い。相手が上司でも先輩でも知り合いでも
お構いなしに噛みつき、問い詰め、ときに殴りかかる(上述)。
右京さんのような原理主義的正義とも、神戸君のような臨機応変的な正義とも違う。
亀山のそれに似ているような気がする。ただ、亀山はさすがにもう少し空気は読んだ
筈だったので、そこら辺がやっぱり坊っちゃんなのか、若さゆえか。
まあ、まだ確立していないというのが一番的確なのか。


☆警察庁とのパワーゲームの強力な切り札?
前述したように、カイトのお父さん・甲斐峯秋は警察庁次長 警視監。これは
「警察庁№2のポストで警視庁含む全国の警察組織を指揮監督する」ものだそうで。
そんなお父さんは、今回の事件で右京さんの敏腕ぶりを高くかって、突然の右京さんの
「あの子がほしい」ならぬ「貴方の子がほしい」のかごめかごめに乗っちゃった。
そこで思い出すのが、最後に大河内ラムネと右京さんとのサシ飲みの会話中のみ登場した
神戸君と、その傍にいるであろう長谷川のオッサンと、つかず離れずでいるであろう
雛子の存在。(但し雛子は、中の人=木村佳乃さんがママになり、クリーンなイメージを
つけたい印象を最近の出演作から受ける。雛子も軟化したり、卒業したりするのか・・・?)
思い返せばSeason tenの最終回で、長谷川は神戸という持ち札を右京さんから奪って
警察庁長官官房付」という長谷川に近いところに持ってきましたっけ。
そこで今度は右京さんが、警察庁No.2の持ち札を思いっきり奪ってやったように
カイトかごめかごめ劇の時に感じられたんですよね。
神戸が「腰を抜かして」驚いたのも、大河内がわざわざ右京さんを飲みに誘ったのも
その辺りに驚いたり、真意を探りたかったからなのだろうか、などとも。

最初は思いつきか、息子のような情からか、カイトに亀山の名残を見たのか、と
いうふうにも考えたんですけども。それらもありながらかもしれないけれども。
右京さん、たまきさんとの間に子どもいないようだったし。
ただ「相棒」シリーズが始まった当初の「奇人」の頃とは違って、昨今の右京さんは
ちょっとした演技や駆け引きなんて必要あらば辞さないですよね。
だから、カイトを思いつきで気に入ったように振る舞って、腹の中ではそういう
パワーゲームを有利にもっていこうという思惑で、カイトに対しても峯秋に対しても
華麗な演技をこなしてるようにちょっと思えて。
で、そうしているうちに右京さんの方に、カイトに対して本当の情が芽生える、
今までの亀山や神戸とは逆パターンで、というのはどうだろうと考えたんです。
どうでしょうか。これは深読みのしすぎ?みんなが思っている事?

この夏に来たばかりの峯秋が今のような背景を知っているかは何ともいえませんが
神戸、大河内、そして長谷川、その辺りは知らないはずもなく。
長谷川が黙っているとは思えません。きっとまた何か仕掛けてくるはず。
長谷川、いつ出るか?そこに神戸(や雛子)もいるのか?
右京さんと長谷川のチェスはまだまだこれから。ゾクゾクしますね。
ただ当のカイトは知るよしもなく、じきに右京VS長谷川の構図をカイトが知ったら
右京さんの真意とは関係なく、カイトは右京さんの意図を、今書いた推論のような
解釈や推察をしてしまいそう。
そのときにどんなぶつかり合いが繰り広げられ、そしてどうやって関係を修復するか
ここも個人的に今後のみどころとして楽しみです。


☆今回の事件
舞台は香港の日本領事館。何かあったら日本も中国も手を出せない。
事実上の「独立国」のような存在で、総領事はいわば絶対君主。
カイトにとっての兄貴分、根津に誘われて、カイトが独立国に足を踏み入れると、
銃の暴発とみられる死亡事故が。しかし、国の誰もがその事実を隠蔽しようとし、
死亡証明書に偽りを書き、根津は膝をついてカイトに隠蔽を頼み込む。
そのことで悶々としているところで右京さんと「運命の出会い」を果たす。
カイトにやたらと話しかける「野次馬根性丸出しの変な奴」、右京さんは
事件が「病死」と扱われていることに納得がいかないカイトの話を聞いて
唐突に、一緒に香港へ行かないかと誘いをかけ、思わぬ事実が白日に曝される・・・

カイトの兄貴分・根津がブラック化していたのはとても面白く、
総領事・小日向や、暴発事故で亡くなった女の夫である三井などとの
ドロドロ権力闘争で最後までやりきったほうが良かったのでは。
「小日向の奥さんと根津がデキてました」と言われた途端に、なんかちょっと
安っぽくなっちゃったような。
右京さんとカイトである種の意気投合をし、真実を、犯人を追いかける過程が
とてもスリリングでスピード感があっただけに、最後に一気に減速・・・
まぁでも、この手の事件だと「警察には手を出せません、警察は手を出しては
いけません」「どうして!法の無力と矛盾!」という結末になりやすいなかで
ちゃんと犯人が捕まってくれてスッキリとホッ。

信用していた「身内」がすっかり汚れてしまっていたことを知ったカイト。
彼の正義や倫理観にはどんな影響があるのでしょう。
お父さんとの関係がああな辺り、今更さしてショックでもないのでしょうか。
でも基本、挫折知らずの「坊っちゃん」だから、現時点で無鉄砲な性格のような。
亀山のように、時に彼女に甘えながら、概ねまっすぐ受け止めて進んでいくのか。
神戸のように、素知らぬ振りして、陰でダメージを堪えきれず煩悶するのか。
カイトは刑事としてはひよっ子で、人としてもまだまだ若く、真っ白な画用紙の状態。
人として刑事として、カイトは特命でどんなふうに育っていくんでしょうね。

ところで今回、右京さんが大の問題発言をしましたね。
「被疑者を問い詰めて、いたぶるのが好き」という趣旨の!
まさかの右京さんS宣言です。
みんな、「変人」「しつこい」とは常識レベルで分かっているけれど
それがサディズムだったとは・・・?!
まぁよくよく思い返してみれば右京さんの言動はMの人ではまずあり得ない
理屈攻撃と神経攻撃の繰り返しですから、言われてみれば「ああなるほど」なんですが
なんか事件より重篤な「事件」が起きちゃったような(笑)


☆いつもの皆さん
・カイトが来るまで、ヒマカことみんなの角田課長が、事実上の相棒というか
お手伝いをさせられていた様子で、それを大木・小松が右京さんに抗議する。
・角田課長と大小の3人で、特命に来るカイトについてコソコソ(このときに
「あいつを何と呼ぶか」「そりゃ、おめえ、坊っちゃんだろ」というやりとりが)。
大小が大活躍!大小づてに聞くヒマカの姿というものも面白い。
それだけいいように言っておいて、いざカイトが来たら、途端にカタコトに。
この小物っぷりが庶民にとってはたいへん愛おしいのです。

・開始50分、噂の男・イタミンが登場!相変わらず般若のような形相。
芹沢が小綺麗になった、これはあの彼女と結婚したフラグ?三浦さんは若返った?
そして、そこに米沢が加わり、やりとりは完全に「裏・相棒」然としたコント。
アッハッハッゆかいゆかい。
余談ですが、イタミン=伊丹のスピンオフ映画は、この「トリオ・ザ・捜一」で
作って欲しかった・・・田中圭君が嫌いな訳ではないんですが、イタミンの相棒は
三浦さんで、イタミンといえばトリオ・ザ・捜一であってほしいもので・・・
いや商業的に無理なのは重々分かっているんです。あの米沢でさえ、単独でなく
新しい相棒(相原=萩原聖人さん)が必要だったのだから。
さみしいけれど、何だかんだでスピンオフ映画「X DAY」も楽しみにしています。

内村刑事部長が上層部での話し合い(という名のたらい回し)に出ているために
またしても損な役回りを務める中園参事官
哀愁を誘うその腰巾着な仕事姿。でも、腰巾着だって続けていればいいことあるさ!
なんとなく前より、大勢の部下たちを率いる姿がキマってきた気がしましたよ?


オーケストラ調アレンジになったいつものテーマ曲をバックに、
手ぶらで豪雨に打たれるカイトと、傘をさして悠然と佇む右京さんの
ブルーを基調にしたオープニングは精悍でとっても決まっていますね。
この時点で、かなり「やった!」とガッツポーズものだったのですが、
2時間観て最後まで「いいぞいいぞ」が基本的に止まらないことに安堵しました。
期待半分懸念半分だっただけ、この新しいコンビが、思っていた以上に
絵になること、テンポも良いことに、安心するやら見入るやら。

半年つづくドラマは、作る側は当然ながら、観る側も結構骨が折れるんです。
そうまでして毎回のように時間通りにTVの前に鎮座するような、
昼間の再放送の録画まで使って全シリーズ制覇を目論むような、
ドラマにそこまで熱中したのは「相棒」シリーズがはじめて。
続くかぎりやっていただいて、その代わりいつでも質の良い作品を作る努力も
沢山していただいて・・・作り手の方々に願うのはそんなこと。
出逢えてありがとう」記事8つめにしてはじめて浮かんだ、あたりまえの言葉を
最後に綴って今回の記事をおしまいにします。
そのうち次に「相棒」の記事を書く時も、同じ気持ちを持てていたなら幸運です。

テーマ:相棒 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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「愛の詩」企画参加作:後編「狂気の車」「I Want To Hold Your Hand」

Poem Spice -人魚姫の恋- さん主催の企画「愛の詩」にインスパイアされて
柄にもなく、恋愛詩など書いてしまい、前編に引き続き後編のお披露目です。
じつはこの企画には縛りがあり、

お題→リヤカー/峠/シュン/切符/moz/84/スピード/
    違反/バトル/免許/特殊/小型/原付/
いずれかの単語を使った「愛の詩(ღˇ◡ˇ)」を書いてねヾ(დ☣‿☣)ノ


とのことなんですね。
そんなわけで前半の詩も含め、今回の詩には1つ以上、お題の単語を盛り込んでいます。
お題の単語を盛り込もうとして、ちょっと蛇足な表現が増えたかも・・・?
大事なことなので二度言いますが、All Rights Reserved By 燃える朝やけ です。
勝手に使ったりパクったりすることは固く禁じます!
え?無駄な心配?


まずはその3。こちらは、Poem Spiceさんのところに実際に投稿した作品です。


「狂気の車」

ぼくらは突き進む
何かに憑かれたように突き進む
ブレーキのついてない車で
免許も持ってないのに飛ばしてる

どこまでいくんだろう
高速で進んでる今は気持ちイイけど
どこまでいっちゃうんだろう
違反とられそうな危ない行為に耽りながら

ぼくらは止まれない
ボンネットから煙がくすぶってる狂気の車
いまに火だるまになって燃え尽きようとも
手に手をとって ふたりでどこまでも駆けてゆくのさ
道なき道を



最後にその4、ここのみでの掲載です。


「I Want To Hold Your Hand」

切符を切るパチンという音に
顔をあげると あなたがいた
やさしい顔で切符を手に笑ってるあなた
昨日はその手を見つめていた
今日はその手に触れてみたい
明日はその手で 私の手をとってほしい

再びのパチンという音で我に返る
夢見てるだけじゃいけない
誰かとバトルになるかもしれない
それでも 愛おしいあなた
その手に触れるために
パチンパチンを何度もやり過ごし 考えている
I Want To Hold Your Hand
それだけで



以上、お目汚し失礼しました!
たまにはこんなチャレンジもしますよってことで。

テーマ:恋愛詩 - ジャンル:小説・文学

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「愛の詩」企画参加作:前編「光」「リヤカーとトロッコ」

Poem Spice -人魚姫の恋- さん主催の企画「愛の詩」にインスパイアされて
柄にもなく、恋愛詩など何本か書いてしまいました。
といっても詩自体は(歌詞も含め)かなり以前から書いていたのですが
書きためては恥ずかしくなってストックを捨て、の繰り返しで
レビュー中心のこのblogで自作詩を披露するなんて当然初めてです。
「朝やけこんな事までしちゃったのか」と、驚いたり呆れたりしながら
生暖かい目で読んでやってくださいまし。
あ、当然ながらAll Rights Reserved By 燃える朝やけ ですからね、
勝手に使ったりパクったりすることは固く禁じます!
え?そんなにいいものじゃない?


まずはその1。こちらは、Poem Spiceさんのところに実際に投稿した作品です。


「光」

ぼくたちは
光のスピードで惹かれあい
あっという間に恋におち
気がつけばひとつになっていた

展開が早すぎて
時々ちょっと息があがってしまう
受け止めるべき きみが多すぎて
時々ひどく取り乱してしまう

それでも どうしても
きみの存在にしがみついていたい
戸惑いの峠は越えたから
光のスピードで
ぼくたちは何度でもまた恋におちる




次の作品はここのみでの掲載です。


「リヤカーとトロッコ」

きみが生まれながらにもっている障害
ぼくが唐突に押しつけられた問題
リヤカー引いてるきみと
トロッコ押してるぼく
通りすぎる道すがら
特殊なふたりが出逢った
通りすぎる道すがら
偶然交錯したふたつの視線の先で
ピンクの火花スパークした
そのとき ぼくらに付いてまわっている重しが
不意に フッと軽くなっていく気がしたんだ



あと2つ作ってしまったので、残りは後編として
次の記事にまわします。

テーマ:恋愛詩 - ジャンル:小説・文学

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これは使えるリラクゼーション系音楽CD:その9 リラックス呼吸法&ストレッチ「ナレーション入り音楽にのって、ゆったり深呼吸&ストレッチ!」

前回の記事では、主に休日の昼と夕方のヨガ習慣について書きましたが、
実はこの時間帯、1ヶ月のうち1/4~1/5には、マンネリ防止&これはこれで有意義なため
リラックス呼吸法&ストレッチ」を組み込んでいます。
ヨガとほぼ同タイミングに始めたので、こちらも継続2年余りになりますね。

リラックス呼吸法&ストレッチリラックス呼吸法&ストレッチ
(2006/04/25)
インストゥルメンタル

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これまで紹介してきたものでは初の、ナレーション入りのCDです。
ナレーションを聞きながら、付属の冊子に詳しいポーズが載っているのでそれも参考に
ナレーションに従って呼吸したり、運動したりするものです。

全体で3つのプログラムに分かれており、日中向けのデイリー・プログラム
夜寝る前向けのナイト・プログラム、デイリー・プログラムからナレーションを省いて
自由に運動するスタイルのフリー・プログラムの3部構成(曲は3×3=9曲)。
私はこのうち、メインがデイリー・プログラムで、1日に2回運動する機会ができたら
2回目をフリー・プログラムにしています。
ナイト・プログラムで寝る前にリラックスするのもいいんですが、布団やクッションを
高さ調整して行う運動が少なくなく、それがちょっと面倒なのもあって、やっていません。

デイリー・プログラムとフリー・プログラムはナレーションの有無以外に収録内容に
違いはなく、1曲目が「リラックス呼吸法」、2曲目が「身体をほぐす基本ストレッチ」、
最後に3曲目が「クールダウン&リラックス」となっています。
最後の3曲目は軽くさらう程度なので、1曲目と2曲目の内容が2本柱です。


まず1曲目「リラックス呼吸法」。
椅子に、背もたれに寄りかからないですわり、へその辺りで手を組み、
ナレーションにあわせて、口を小さくすぼめて、細く長く息を吐いていきます。
「体の中の空気を全部吐き出すつもりで」腹式呼吸をするのです。
息を吐くほどに、お腹が凹んでいくのが、組んだ手から感じ取れるように。
そして息を吐ききったら、自然とお腹が膨らんで、体に空気が入っていく=
息を深く吸い込むことができます。
こうして、意識して深い呼吸をおこなうことによって、体の緊張がとれたり、
ストレスが解消されたり、心肺機能の向上、血液循環の改善、新陳代謝の活性化、
頭の中の血液の循環の改善、免疫力の向上など、幅広く心身に効能があるのだそうです。
中盤では、胸の前で手を合わせ、息を吐きながら両手を押し合い、吸いながら力を抜く
といった、次のプログラム(ストレッチ)に少しずつ移行するような動きが登場。
最後は、息を吐きながら両手をあわせたまま高く上へあげていき、吸いながら
手のひらを外にむけ、吐きながら両腕をゆっくりおろして完了です。

続いて2曲目「身体をほぐす基本ストレッチ」。
先ほどのような、呼吸をしながら動くものもあれば、呼吸が関係ないものもありますが、
基本は、気持ち良く無理のない程度に筋肉を伸ばし続けること。
精神的な緊張の連続、肉体的な疲労、どちらも筋肉が硬くなり、体内に老廃物が溜まった
状態に。神経を使いすぎて精神的な疲労状態に陥っても全身の筋肉が硬くなってしまいます。
そこでストレッチの出番。筋肉の緊張が緩和され、体内に溜まった老廃物をうまく
排出してくれるというわけです。
特に精神的なストレスには、首、肩、背中などの筋肉の緊張を取り除くのがよいそうで、
基本ストレッチの中にもそれらの部位を意識したポーズが多めに取りあげられています。
はじめは、付属冊子の説明文+イラストを見ながら、ナレーションも聞きながら、と
キョロキョロしながらのストレッチだったのですが、動作はシンプルなので
繰り返すうちに段々暗記してきて、今では冊子を見なくても(多分ナレーションなしでも)
すらすら動けるようになっています。1ヶ月に1週末=連休で3日分くらいしかしないので
最初の回は、今でも冊子をちらっと見たりするのですが(笑)
ところでこの部分はナレーション通りにやると、冊子にあるポーズで左右やるものが
片方分しかできないものがひとつあるのがネック。そこで、ナレーションを1ポーズ分
無視して、その「もう片方」に充てています。これはちょっとCD制作の落ち度・・・
製造販売元のDellaさん、見ていらっしゃったら、どうか修正版の発売をお願いします。

そして3曲目で腹式呼吸のおさらいを一度やって、あとはのんびりクールダウン、
リラックス。食前にやる習慣のため、いつもこの残り時間は、食事の支度です(笑)


フリー・プログラム(等)で「是非お試し下さい」と紹介されているのは
肩こりに効果的なストレッチ」で、首と肩の筋肉を動かすポーズがさまざま。
そこで私はフリー・プログラムをこのストレッチに充てています。
しかしフリー・プログラムで難しいのは、ナレーションがない分、
「ナレーション待ち」のような時間のブランクが出来て、時間が余ってしまうこと。
ブランク分を頭の中でイメージして、動かない時間を用意しながら動くか、
ナレーション入りの流れを無視して、自分でポーズのペース配分を決めて動くかが必要です。
そんなこともあり、「肩こりに効果的なストレッチ」は、冊子に載っている流れのポーズを
いつも2~3周くらいしています(苦笑)。まぁいいか。


休日は、一人暮らしなので家事をしたり、テレビのHDに録画した映画などを観たりして
日頃からの睡眠不足や疲れもあっていつも「起きる→寝る→食事する」の繰り返し。
ダラダラ寝ていざ起きると、どうもボーッとして食欲も湧きにくいということがありますが
ストレッチやヨガをひととおりするとスッキリして、いい具合にお腹も空いてきます。
日常のリズムをつくるのに大切なヨガ&ストレッチ習慣。
これからも細く(もう少し太く?)長く、続けていきたいものです。



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これは使えるリラクゼーション系音楽CD:その8 ヨガに合う音楽を探せ!簡素ver&がっつりver「長続きの秘訣は超ファジーなルール?!」

夏が過ぎ、ようやく家の中で運動をしても死なない環境になってきたので
ここ2年くらい続けている、ヨガ習慣を再開です。
ジョージ・ハリスン@ビートルズや、ジョン・フルシアンテ@元レッチリ、
フリー@レッチリなどに憧れて(当時は特にジョージ・ハリスン)いたところに
懸賞でヨガ入門本とヨガマットを当てたことで、運命のように始まったヨガライフ。
今年は一時、別のスポーツで腰を痛めた時に休止し、治った頃には猛暑が来て、
先日、2ヶ月振りくらいにヨガしたんですが、筋肉痛になりました・・・

私の個人的な状況はこのぐらいにして、「ヨガに合う音楽」の記事です。
ヨガには音楽がつきものですからね。
レンタルで色々探して、あれこれローテーションしています。
同じものを毎日かけるのでは飽きるので・・・
ところで欲しい音楽には2パターンあります。
①簡素ver.:太陽礼拝や月の礼拝を数回やったら、軽く寝るポーズ、瞑想は少しだけ。
②がっつりver.:本に載っているポーズをいくつか行う。瞑想をきちんと行いたい時も。
このようなとき、それぞれに合うものが何となく分かってきたので、ご紹介します。

簡素ver.

RELAXING MOODS -YOGA-

RELAXING MOODS~Yoga.Spa.Pilates~RELAXING MOODS~Yoga.Spa.Pilates~
(2005/01/22)
ヒーリング

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ヨガ、スパ、ピラティスに向いているという音楽CD3枚のセット。
って、括りが大雑把過ぎないか?!(笑)
ヨガとピラティスの関連は何となくわかるけどスパは方向性違うでしょ。
音楽の作り手もよくわからないし、色々と無茶入ってますが、使わせていただいてます(笑)
検索してみたらIからⅥまで出ていて、自分もIとⅢとⅥを(飛び飛びですが、
なんせレンタルなので)見つけて、それぞれ利用しています。
使い分けとしては、スパは寝る前用にして、ヨガとピラティスの音楽を使っています。
以前一度だけピラティスの講座に参加したことがあり、かなりキツかったですが
ヨガと似ているようでやはり違いますね。でもまぁ、ピラティスは普段しないので、ヨガ用に。
音楽は「ゆったり落ち着いた感じ」を出そうとしているのか。
心なしか、Ⅲ→Ⅵと進むにつれ、全体的にアンニュイなトーンになっていくような。
作ってる側と販売してる側がお気楽そうなのにあわせて?気楽に使えるのがいいところ。
楽になるのが目的ですからね、気負わないのがいちばん。

My Yoga Style

My Yoga Style powered by adidasMy Yoga Style powered by adidas
(2010/04/28)
V.A.

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パワード・バイ・アディダス!
びっくりしたのと興味本位で手を出しました(笑)
確かランニング用の音楽も出していたような?ランニングは流行っているだけあって
専用の音楽CDが多くて羨ましいです。
サウンドは打ち込みと思しきのんびりミュージック。とりたてて「ヨガっぽさ」はなく
ヨガ以外の用途にも幅広く使えそうな気がします。

スピリット・オブ・ヒーリング ~インド~

スピリット・オブ・ヒーリング~インドスピリット・オブ・ヒーリング~インド
(2006/07/25)
久保田麻琴

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以前の久保田麻琴さん特集でも取りあげたCDのインド版。
もろインド!に、現代的エッセンスを取り入れて、聴くだけでもいい気分。
そんな中でヨガをしたら、う~んまさに気分は「ヨガ通」?
瞑想中に音楽のほうに気がいきそうになるのが難点だったりして(笑)


がっつりver.

YOGA~THE MUSIC FOR PEACEFUL MIND

YOGA〜THE MUSIC FOR  PEACEFUL MINDYOGA〜THE MUSIC FOR PEACEFUL MIND
(2005/06/25)
インストゥルメンタル

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「簡素系」と「がっつり系」を分けるポイントは曲数=曲の長さ。
つまりたいていの場合、曲数が少ないほど、1曲が長いから、
じっくり時間を使いたい場合に適しているというわけ。
このCDは私が一番最初にヨガのBGMとして手にしたもの。
ヨガらしさがあり、爽やかさもあり、最初に使うには無難で良かったかも。
しかしちょっぴり困る点が。
ひとつは、曲と曲のつなぎ目がなく、気がつけば次の曲になっていること。
「音楽はあくまでBGMなので、ヨガをする丈に合わせる」と割り切るなら、
気にならないことでしょうが、音楽の丈で区切っている自分はちょっと戸惑い。
やはり音楽好きは基準を音楽においてしまうのか・・・?
そしてもうひとつは、最後の6曲目がやたら短い(笑)。この曲だけは簡素向けかも。
ま、でも、いい気分でヨガできるCDなので、ひとつ持っていて損はないと思います。

メディテーション

メディテーションメディテーション
(2007/04/25)
米山拓巳

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その名の通り瞑想向け。ヨガらしさもありつつ、イマジネーションが主役な感じの音楽。
癒し系のサウンドは、眠る前に聴いても良さそうです。
こちらはあまり曲の長さにムラがなく、瞑想(+ヨガ)6回分とくっきり分けられる。
自分はヨガをしてから音楽が終わるまでの間を瞑想タイムとする大雑把人間なので、
音楽が短ければ瞑想は簡素になり、長ければじっくり瞑想しようとするのですが、
ブランク明けから、どうも以前ほど集中できなくなってしまいました・・・
眠いとか、お腹減ったとか、日常の考え事をはじめてしまったりとか。
頭のゴチャゴチャを整理するために瞑想はあるはずなのに、それをうまく使えていない
現状はやはりブランクがきいている様子。
多忙による頭の混沌は正にピークなので、今こそ瞑想をいかしたいところですね。

ほかに「Healing Cafe YOGA」という長尺CDもあるのですが、Amazonには
出てきませんでした・・・販売会社がマイナーなのか、絶版なのか。


ちょっと言いづらいですが、「BGM」なので、音楽として良すぎるとある意味不向きで、
ほどよく雰囲気があって、ほどよく退屈なものが、適しているのかな、という印象です。
つまり、何かのBGMとして最適な音楽は、音楽単体としてはちょっと物足りないのかも?

そんな私、ヨガをするのは休日の食事前(昼食前と夕食前)だけ、というルーズぶり。
平日だと家に帰ってくる頃にはヘトヘトでお腹もペコペコで、なかなかできず・・・
朝は今のところラジオ体操をしているので、現状どうしてもこんなふうに。
でも心と身体の健康を考えると、本来推奨されている「朝(早朝)」とか、
平日の夕食前とか、ポーズによっては寝る前だとか、
もう少しヨガ時間を増やせると、日々のリセットが効くようになるかもしれませんね。
瞑想だけという手もあるし。
他のスポーツもいいけれど、やっぱり自分は家でマイペースにやるヨガが好きだと
2ヶ月振りにまるっきり自分のペースでざっくり行ったヨガのとき、思いました。
がちがちにルールを縛らないでゆる~くやるのが長続きしている秘訣なのかも?(笑)
珍しく2年も続いている、運動の習慣。これからも継続していきたいものです。



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酔いどれ詩人になるまえに「頽廃と刹那に生きたカリスマの『ブレないもの』・・・逆境の中でも自分らしさを貫く勇気と強さ」

レッチリのアンソニー・キーディスや故ヒレル・スロヴァク、またアラニス・モリセット
敬愛している作家だということで知った作家・詩人のチャールズ・ブコウスキー
既に故人ですが、ミュージシャン、俳優、同業者など、世界的にコアな人気を得ています。
そんな彼の青年期~デビュー前までを描いた半自伝映画「酔いどれ詩人になるまえに」を
観てみたらかなりおもしろかったので、記事を書いてみます。

酔いどれ詩人になるまえに [DVD]酔いどれ詩人になるまえに [DVD]
(2008/02/27)
マット・ディロン、リリ・テイラー 他

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本作の原題「Factotum」=ブコウスキーの著書「勝手に生きろ!」が原作。
ブコウスキーを反映させた主人公・ヘンリー・チナスキー
マット・ディロンがルーズに、しかしどこかかっこよく演じています。
こんなにだらしないキャラクターをこのような二枚目俳優がやってよいものかと多少戸惑いつつ
だからこそ執筆に打ち込む姿や、独白部分の説得力が増している印象も受けました。


その場しのぎの仕事に就いてはだらしない言動で首になり、職を転々とし、
昼夜を問わず酒と煙草とセックス、時に競馬などに明け暮れるチナスキー。
一見ダメ男の典型のような彼にはもう一つの一面があった。
それは文章を書くこと。詩を書き、小説を書いては、出版社に送りつけている
自称「作家」である。勿論、それで食べていけないために、一時的な仕事を
うろついているのだが、仕事の依頼は一向に来ない。
一応は大学で2年間、報道学を学んできたのに・・・
鬱屈した毎日が続き、一時的な仕事にはモチベーションが上がらず、
だんだん新しい仕事も見つからなくなっていってしまう。
恋愛も長続きせず、恋人に選ぶのは自分と同じくらい自堕落な女ばかり。
仕事や恋人を彷徨い、いったん仲間が出来たと思っても関係が終わったとたん疎遠に。
恋人には愛を求めない。欲しいのは「成功すること、何かを成し遂げること」だけ。
実家の父親とも険悪な関係が続いている。(史実では父親に虐待されていたそうだ)
孤独と堕落のなか、ただひたすらチナスキーは文章を書き続けて投稿を続け・・・


飲酒から来る粗相や、やる気のなさによるサボタージュ、あるいは仲間に唆されて
道を踏み外してしまうケースなど、さまざまなパターンでチナスキーは職を失い、
その過程と、結果のナレーション(マット・ディロンによる一人称振り返り)に
どこか微笑ましいユーモアが混ぜ込まれていてファニーです。
「酒と女に溺れ、定職に就かず、売れない作家をしている」というととても痛々しくて
正視できない映画、キャラクターになりかねないですが、こうやって軽いノリがあるので
そんなに重々しくならず気楽に観ることができます。

ストーリーの舞台がはっきりと提示されず、時間軸があやふやな一種の不思議世界
広がっているのも魅力。
史実ではブコウスキーは1920年生まれで、ロスの大学に在籍後、NYに移住して、のちに
放浪生活に入るのは1944年以降のことだから、古い街並みが広がって、ファッションも
時代を感じさせるものをまとっているはずなのですが、会社の上司の机の上にPCがあったり
男女が比較的現代的な格好をしていたりして、一方で史実の時代を思わせるものがあってと
舞台が限定されず(「19○○年といった注釈も出ない)解釈は観る側に委ねられ、
ブコウスキーの半自伝と限定しないで独立した青年の半生の物語として視聴することも可能。
あるいは、ブコウスキー~チナスキーの、酒で朦朧とした中での妄想と捉える見方も??

その場しのぎの仕事や女性関係を泳ぐチナスキーの恋の相手達もまた、何だか似たもの同士で
やるせなくなります。
1日に4回もセックスして、チナスキーが仕事に就くと相手してくれないと言って怒り、
失職すると寧ろ喜んで、深酒しては翌朝、二人揃ってバスルームに駆け込んで嘔吐して。
一度別れて再びよりを戻したこの女性(ジャン)とは結ばれるのかと思いましたが・・・。
あるいは、パトロンの爺さんに、自分が本命ではないと知りながら、チナスキーがいながら
経済的に頼り、どこか忘れられていない様子の女性がいて。
酒場や職場、就職斡旋所で出会う仲間や同僚たちも、酒に溺れていたり投げやりだったりと
これまた似たもの同士がくっついてしまいます。
一度「まっとうな道」を外れると、もう戻れなくなって、戻る気力さえいつしかなくして
ズルズルと一生「アウトロー」の道を歩き続けるしかないのでしょうか。
刹那的な登場人物たちを見るにつけ、そんな空しい気持ちが起こりました。

それでも、どんなに堕落していても、どんなに悲惨な生活を送っていても、
「文章を書くこと」「自分を表現すること」にかけてはまったくブレずに自分を信じ抜く
ひたむきな姿勢は最初から最後までずっと同じ。寧ろ孤独がエネルギーになっていると
感じるくらい。(「孤独は贈り物だ」という有名な名言も登場するくらいだし)
ここにチナスキーの、そして本作の希望があります。
何があっても諦めない。笑われても認められなくても挫けない。
やり続ける。自分の中にあるものを信じ抜いている。
社会性の面では全く適合できていないし、する気もなさそうなチナスキーですが
かえってその孤独こそが、彼の内にある才能を磨き、開花させるのに最適な環境に
なっていました。
屈辱を味わうこと、人に理解されないこと、怒りを覚えること、そうした経験全てが
創作においては何一つ無駄にならず、格好の材料やエンジンに昇華されました。
このはっきりした目的意識が、彼を周囲の仲間達と似て非なる存在へと
結果的に至らしめていたのだと思います。
こういう辺りは現代の混沌とした社会情勢の中でも応用できるのではないでしょうか。

一見、破天荒で荒廃した物語ですが、最後に大きな希望の花が咲きます。
そのときに、本作の根っこにあるもの=チナスキー(ブコウスキー)という人物の
本質がくっきり見えてきます。
酒も女も放浪もほぼ一生涯貫いてきた孤高の作家だったブコウスキー。
酒に溺れるのも女に溺れるのも絶えず彷徨いながら生きるのもそれ即ちポリシー。
試行錯誤もありながら、自分に素直だったために、自分の中にあるものがまっすぐ出て
今日に至るカルト的支持、後生まで残る偉大な詩や言葉が紡げたのでしょう。


無気力で適当に見えるチナスキー(ブコウスキー)が終盤にモノローグで力強く語る台詞
何かにトライするなら、徹底的にやれ」。
普段の怠惰な様子からは想像もできないほど熱い言葉です。
文章を書くことは、他の普段の行為や出来事とは別次元。
執筆に打ち込むときのチナスキーの真剣さは強いコントラストになって印象に残ります。
頽廃の仮面に隠された熱くまっすぐな信念の言葉は、世界中の多くの人の胸を打ちました。
彼の名や、彼の言葉は、こんなふうにして遠い未来にも語り継がれていきます。
私もブコウスキーの本を何か読んでみたいと思わされました。
本気とはどういうことなのか。
社会的体裁と、自分の中にある大切なもの、どちらを大事にして生きていきたいのか。
リスクはたくさんあるけれど、人はどんなふうにでも生きていけるということ。
やりたいと思うことをやる難しさと、やり遂げる達成感。

体裁に囚われず本質を追究するチナスキーの生き方を観て、私の中に無数の問いかけ、
魂への揺さぶり・・・そういったものが生まれていきました。
怠惰で見苦しい男の一部始終とみるか、究極のドリーマーとみるかは人それぞれです。
この手の人は、そうやってばっくり見方が分かれるものだから。



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