2012-09

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Willie Nelson & Wynton Marsalis Featuring Norah Jones:Here We Go Again Celebrating The Genius Of Ray Charles

今月、個人的に本当にあらゆる方面で目が回るほど忙しくしっちゃかめっちゃかで、
自分のペースを見失って焦ったり、落ち込んだりする場面も多々あったのですが、
そういう下向き矢印の気分を上にあげてくれた、救世主のような音楽がありました。
とにかく楽しい。聴いていて楽しいし、演奏している側が楽しんで演奏しているのが
とってもよく伝わってくる。みんなの笑顔すら浮かんでくる。
そんなとっても素敵なアルバムを紹介します。
Jazzの棚にあったCDだけど、音楽性はカントリーやR&Bでもある一枚。
Willie Nelson & Wynton Marsalis Featuring Norah Jones
Here We Go Again Celebrating The Genius Of Ray Charles

ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン ~ライヴ・イン N.Y.ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン ~ライヴ・イン N.Y.
(2011/04/06)
ウィントン・マルサリス,ウィリー・ネルソン ノラ・ジョーンズ、ノラ・ジョーンズ 他

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ソウル・ミュージックの巨人、亡きレイ・チャールズの音楽へのオマージュがテーマ。
そして本作の中心人物、ウィリー・ネルソンはカントリー・ミュージックの大御所。
ふたりは年も近く、何かと共演する機会があり、ウィリーはレイを「親友」と語ります。
ふたりのキャリアはしばし交錯し、ウィリーとレイの縁は浅からぬものがあります。
一見音楽ジャンルの違うふたりに見えますが、レイはゴスペルとブルースをルーツに
ビッグ・バンド・ジャズやカントリー、ポップなどへもアプローチしており、
ウィリーもカントリーだけに留まらず、ロック、フォーク、ポップ、ジャズと
ジャンルレスな音楽を展開してきました。
そこに呼ばれた、おなじみノラ・ジョーンズも、これまたよく知られているように
カントリー、ポップなど多様な音楽を取り入れ、ジャズの枠ではなく、自分らしさにこだわった
音楽づくりをしています。そして「小さい頃から、シャワーを浴びながらレイの物真似を
してうたっていた」というほどの、レイのファンでもあります。
一方、本作のもう一人の重要人物であるトランペッター、ウィントン・マルサリス
ジャズとクラシックの両分野で大きな業績をあげてきた、いわば正統派。
「アウトロー・カントリー」と呼ばれるほどの異端な吟遊詩人と、正統派で誠実な音楽家が
ある日出会って化学反応を起こし(2007年のライヴを録音したアルバム「スターダスト」)
そこから展開して今回の企画が生まれました。

レイ・チャールズの50年代と60年代のヒット曲が勢揃いのセットリストですが、
ウィントン曰く、本作の曲順には、とっても素敵なこだわりが。
「"恋に落ち、恋に迷い、恋に破れ、恋を取り戻そうとする"というストーリーに基づいて
組んだんだ」とのこと。何とロマンティック!
私はこのアルバムを通してはじめてレイ・チャールズの歌にふれたわけですが、
その世界に大いに魅了されました。悲しい歌詞の歌でもどこか陽気、嬉しい曲はもっと陽気。
日本のジャズ・シンガー、akikoのカヴァーで唯一知っていた「Come Rain Or Come Shine
も、私が聴いたカヴァーよりずっとメロをアレンジして(寧ろこちらが原曲に近いのか?)
ノラによって歌われており、ほとんど、見知らぬ曲を聴いている気分です。

普段からノラの作品はチェックしており、正直言って3rd以降は惰性で集めているところが
あって(除く「ノラ・ジョーンズの自由時間」。あれはユニークで聞き飽きない)、
そういう延長線上の感覚で「ノラの作品をコンプリート」と機械的に手にした本作、
「また最近の路線なのかなぁ」と惰性でプレイヤーに入れたところ、10秒も経たぬ内に
「これは、何もかもが決定的に違う!」と大感動。

プレイヤー陣がウィントンやウィリーの仲間達だから豪華の極みで、当然演奏の質が段違い。
そして、恐らく決定的に魅せられたのは、ウィリーのクセがあって軽妙なヴォーカル。
ノラの倍の年齢はあろうかというのに、この軽やかさ、滋味、ビターとスウィートの調和。
ファニーな魅力がすがすがしい#1「Hallelujah I Love Her So」のフレッシュさ、
ちょっとずつズレながらウィリーとノラが徐々にハモっていく#4「Cryin' Time」の甘美さ。
ウィントンも加わる軽妙な掛け合いが楽しい#12「What'd I Say」はラスト間近だけあって、
観客の盛り上がりもピークで、ヒートアップした会場の熱気まで伝わってきます。
ノラはセットリストの大体半分くらいで登場し、概ね2~3曲に1曲の割合で歌っています。
主役はウィリーなので、ウィリーの歌がやや多く、ノラの出番もデュエットが多め。
ノラ目当ての人は少々物足りないかもしれませんが、ウィリーの歌を好きになれればOKです。

どこをとっても、軽やかで、踊り出したくなるようなハネた曲が満載、
コクのあるウィリーの歌声とスモーキーなノラの歌声の相性も抜群。
品格と余裕をもってどっしり奏でられる、ウィントンを始めとするプレイヤー達の名演に
思わずうっとり。聴き所たっぷり、渋みもムードもたっぷりです。
夜が一番似合いそうだけど朝や昼でも元気をくれる音楽として楽しめそう。
ジャンルも年代も超越した、ひたすらご機嫌でとびきり上質なライヴアルバム。
気分転換に、いい気分をさらにアゲるために、いつ聴いても気持ち良くなれる一枚です。
自分へのご褒美、音楽好きの人へのプレゼントにも最適かもしれませんね。
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テーマ:JAZZ - ジャンル:音楽

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ざっくり映画ライフ:その6 バイオレンスからヒューマンドラマまでおまかせ、北野武映画特集!(アウトレイジ、キッズ・リターン、アキレスと亀)

もうすぐ「アウトレイジ ビヨンド」が公開ですね。
いままであまり興味がなかったのですが、いざ前編の「アウトレイジ」を観ると
もうすっかり楽しみになってしまいました!
ただお金がないのは相変わらずなので、DVD化を待つとしますかねぇ。
大きなスクリーンでバイオレンス映画を観られるまでの耐性も多分まだないし・・・
そんなわけで、今回のざっくり映画ライフは、北野武映画特集いきます!

アウトレイジ

アウトレイジ [DVD]アウトレイジ [DVD]
(2010/12/03)
ビートたけし、三浦友和 他

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記憶しているところでは、「バイオレンス映画だけどエンターテインメント性が高い」
みたいに言われていたような。それで、バイオレンスが基本ダメな私でも
「大丈夫かな?気楽に観られるかな?」と、TV放映を録画してみました。

漂う緊張感がただならない・・・
エンターテインメントというから、「座頭市」のように、笑わせたり楽しませたり
してくれるものだと思っていたら、そんな緩やかな隙間など一縷もない。
どいつもこいつも、みんな悪い・・・「全員悪人」!
そして生き残る奴ほど薄ら怖くて非情で、最後の最後に本性を見せたりする。
反対に破れる側の面子はどこか人情味や頼りなさがあり、そこが隙になる。
前者でいうと三浦友和さんや加瀬亮さんなんかはもうとんでもなく怖くて狡猾。
後者でいうとビートたけしさんや椎名桔平さん、國村隼さんなど、どこか憎めない。
中間あたりを泳いでいる立場の小日向文世さんあたりの役どころも読めなくて不気味。

暴力団の抗争の話で、R15+指定。それだけにかなり殴り合いや撃ち合いが出てきます。
でも目も当てられないほどグログロにしないところが、私が脱落しなかった要因です。
ここら辺はきっとたけし監督のこだわり。ありがたい。
「グロは嫌」という理由で避け続けてきたバイオレンス映画。「HANA-BI」や「BROTHER
などもそういう理由でまだ観ていないのですが、本作を観て「いけそうかも」と
思えるようになってきました。特に「HANA-BI」なんて代表作だし、観ないなんて損かも。
スピード感と緊張感溢れる物語展開にキャラ立ちした登場人物、飽きる暇がない。
いやぁ、これは続編で完結編になる「アウトレイジ ビヨンド」が気にならずにいられません!


キッズ・リターン

キッズ・リターン [DVD]キッズ・リターン [DVD]
(2007/10/26)
金子賢、安藤政信 他

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私が初めて観た北野映画。
前述の理由で「HANA-BI」は遠いところにあったので、本作が一番身近にあって
確か高校生ぐらいの頃に観たような・・・?いやTV権が無かった筈だから大学生か?
青春映画の王道のようなストーリー展開で、そこも入りやすかった要因ですね。
00年代には段々なくなっていくけれど、この頃は「キタノ・ブルー」と呼ばれる
青い色味の画面が独特の雰囲気を作っていて、なおさら青春まっさかりですね。
金子賢さんと安藤政信さんの出世作。二人とも最近なかなか見かけませんが・・・

でもよく観るとこれも「ボクシング」と「ヤクザ」でどちらにしてもややバイオレンス。
そういう所が当時、少々しんどくはあったのですが・・・
青春って外から見たら美しく見えるけれど中にいると結構酷なんですよね。
うまくいくばかりが人生じゃない。けれどそれを受け入れて生きていかなければならない。
青春は、キラキラした素振りして、大人社会の手厳しい洗礼をこれでもかと浴びせかける。
やるせないけれど、みんなそうやって大人になっていくしかないわけで。
青春の苦み、現実の壁、そういうものが容赦なくのしかかってくる、真っ黒な後味は
ある意味「アウトレイジ」よりもバイオレンスかも。

うまくいかない二人の生きざま、青春を過ぎた今改めて観たらどう響くのでしょう。


アキレスと亀

アキレスと亀 [DVD]アキレスと亀 [DVD]
(2009/02/20)
ビートたけし、樋口可南子 他

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TAKESHI'S」「監督・ばんざい!」を観た時、何となく行き詰まり感を覚えたのですが
この頃のたけし監督は、方向性に悩み、鬱々としていたそうですね。
そんな監督が「芸術家としての自己を投影した三部作の最後の作品」として
撮ったのが本作。そうやって考えると、たけしさんの半生もこんな風だったのだろうかとか、
奥さんとの関係性もこんな具合なんだろうかとか、いろんな憶測が浮かんできます。
ただ、観たときはそんなことは知らず、「印象に強く残った作品」のひとつになりました。

絵を描くのが大好きな「天才少年」が、前衛芸術家になって、
ひとりの女性と出会って恋に落ちて、家族を持って、
絵はなかなか売れず、世間から、そしていつしか妻からも受け入れられなくなって
それでも男は絵を描くことをやめられず、月日だけが残酷に過ぎていって・・・
物語は少年時代、青年時代、中年時代と大きく三つに分けて描かれ、配役も同様に分かれ、
中年時代(現代)の男と妻を演じるのがたけしさんと樋口可南子さん。
奥さんは青年時代、麻生久美子さんが演じていて、なんておいしい男なんだろう(笑)。

しかし本作もまた、口の中に苦みがいっぱいに染みわたるような映画で。
神童と仰がれて何不自由なく生まれ育ったところから大きく転落する少年期。
仲間達と出会って無茶して、切磋琢磨して、やがて人生の伴侶を見つける青年期。
自らの方向性を曲げられず、半分狂ったようになって、生活も苦しくなり、
娘からも妻からも見捨てられ、ボロボロになって、それでも描くことをやめられない中年期。
そして、そんなしがない男を、いつもどうしても見捨てられず、理解者であろうと努める妻。
二人に未来がないって分かっていても、最後に妻が帰ってくるのが男の唯一にして最大の救い。
妻が再び現れるまで、男は見る影もないほどに身も心も朽ち果てて。
愛がすべてを叶えることはできないけれど、
愛よりも無条件で理不尽で無償な、強い力はこの世のどこにもない。
一人の男の、波乱の半生を苦み(ときどきおもしろみ)たっぷりに描きながら、
愛がもっている可能性、愛をくれる存在への感謝、そういう温もりも感じられる映画です

少し地味めですが、私は本作がかなり強烈に胸に刺さりました。


こうやって見ていくと北野映画って「ほろ苦い」作品が多いですね。
ここに挙げきれなかった作品や、まだ観ていない作品も、やっぱりそんな香りがするし。
しかし「なぜたけし監督はここまでヤクザ映画を撮るのか?そういう世界の人なのか?
という疑問に対し、調べたところ、芸能界とヤクザの世界との癒着は避けがたいもので
たけしさんはその中で何とか利害関係を避けながらバランスをとってきて、
銃を使った人間は幸せな結末を迎えられないシナリオにしているのだそうです。
なるほどなぁと。ヤクザ賛美、暴力賛美が信条の方でなくて何となくひと安心。
暴力描写がキツイと感じたときは、最悪観なければ良いわけですからね。
生死を彷徨うバイク事故を経て、映画の世界観が随分変わったらしいのですが
バイク事故以前の北野作品はまるでノータッチ。そのあたりも今後、見比べてみると
面白そうだなと思いました。

そんなわけでPart2があるかもしれない北野武映画特集。
「相棒」の見過ぎで多少の暴力描写やグロ描写に耐性が付いたのもある気がしますが
バイオレンス映画も挑戦してみようと思えた今、また観ていく対象が広がっていきそうで。
世に放たれんとしている「アウトレイジ ビヨンド」、世界からどう受け止められるのか?
映画の内容と同時に、そちらのほうも興味深くて、とてもゾクゾクします。

テーマ:TVで見た映画 - ジャンル:映画

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ざっくり映画ライフ:その5 初心な恋と煌めく青春の日々(君が踊る、夏 、カフーを待ちわびて、初雪の恋~ヴァージン・スノー~)

至極個人的なことですが、最近リア充になり、そこにこのところの忙しさも加わって
更新までちょっと間が空いてしまいました。
で、そうやってフワフワうわついた気分でいると、何だか恋愛映画でも観たく
なるというもので。
そこに元々自分が好きなジャンル「青春映画」の要素が加われば完璧。
メジャー度合いも季節もばらばらですが、恋愛・青春映画をまたいくつか
取りあげてみたいと思います。

君が踊る、夏

君が踊る、夏【DVD】君が踊る、夏【DVD】
(2011/03/21)
溝端淳平、木南晴夏 他

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高知市のよさこい祭りを舞台にした作品。マイナーめですが、観おわった後の感じが
とても爽やかで、忘れがたい体験となり、少しでも多くの人に知ってもらいたくご紹介。
本来のカテゴリーは「難病少女もの」かも。というのは、話の基本筋が
「腎悪性横紋筋肉腫様腫瘍という小児がんと戦いながらもよさこいを踊る
実在の少女の話を元にした、難病の少女と奔走する青年たちの感動作」というものだから。
でも主人公の青年と、少女の姉で青年の(元)彼女のラブストーリーの色合いも
同じくらい強いように感じられます。
難病の少女を媒介にして「元さや」に戻る、とも言えるのですが。

一緒に上京するはずだった青年と彼女、唐突に彼女が別れを切り出して離ればなれに。
しかし、青年の母親が入院したとの報せをうけ、5年振りに帰省した際に
母親の入院先の病院で彼女の妹である難病の少女と出会い、物語も恋も動き出します。
青年に彼女は、かつて別れを告げたのは妹の病気のためだったこと、
青年に心配をかけたくなかったため、夢を追う彼の邪魔をしたくなかったためだと
打ち明けて、不器用なすれ違いを偶然の再会でやっと解消するくだりが、
ベタですがなんとも甘酸っぱい。この映画全体がもう甘酸っぱく、青春そのものです。
青年が自分の夢や居場所を見つける物語でもあり、友情などの群像劇でもあって、
夏に観ると一番ぴったりですが他の季節に観ても爽快感いっぱいになれるはず。
ラストのよさこい祭りのシーンは見応えたっぷり。
キャストがちょっと地味め?・・・でも、良作品質は保証します!


カフーを待ちわびて

カフーを待ちわびて [DVD]カフーを待ちわびて [DVD]
(2009/10/02)
玉山鉄二、マイコ 他

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2006年に、第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した、原田マハさんの恋愛小説が映画化。
何となく深夜のTV放映を録画しておいて、随分経ってから期待せずに観たところ、思いのほか
爽やかで、切なくて、いい感じだったんです。
本作の舞台は沖縄県与那喜島。作品を通して沖縄の自然や、人々の暮らしぶりや人情が
じっくり味わえて、ゆったり進む物語と、のんびりして少し奥手な主人公の雰囲気を
よく引き立たせています。

亡き祖母から引き継いだ雑貨店を営みながら、愛犬のカフーとのんびりゆったり
マイペースにひとり暮らしをしている青年、明青(あきお)。
旅先の神社で冗談まじりに「嫁に来ないか」と絵馬に書いたところ、何と数ヶ月後に
「その言葉が本当なら私をお嫁さんにして下さい」という手紙が届きます。
そして手紙の主の、幸(さち)と名乗る女性が本当に明青の前に現れたからさぁ大変。
家に居着くし、家事は余りうまくないし、何かワケアリぽいし、明青もいい歳してウブだから
なんにも出来ないし、かといって追い出すわけにもいかないし・・・
そこに島のリゾート開発という話が立ち上がり、平穏だった明青の日々に暗雲がさしこめて
もしかしたら幸が突然明青の元に来たのは、リゾート開発に反対派の明青を、
嫁(候補)をあてがうことで懐柔させるためではないか、という噂もしきり・・・
「古きよき」まち、むらは、本当は存亡の危機といつでも背中合わせだという事実が
ファンタジーのような話に現実味を持たせ、穏やかな毎日や幸の存在が何かとても
儚くて、美しくて、かけがえのない、しかし明日失ってしまうかもわからないという、
刹那の尊さを浮き上がらせます。
原作の小説では結末はあえて明らかにならないまま。それを映画では、ぼかす形では
ありますが、「オリジナル・ラストで映画化」と、結末をひととおり描いています。
TVの前にゆったり座って、のんびりくつろぎながら、楽しみたい、なごむ映画です。


初雪の恋 ヴァージン・スノー

初雪の恋 ~ヴァージン・スノー~  [DVD]初雪の恋 ~ヴァージン・スノー~ [DVD]
(2007/11/22)
宮崎あおい、イ・ジュンギ 他

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季節はずれではありますが、本作はまさにどストライクな初恋・青春!
日韓共同制作で、派手に打ち上げていた印象があったので、この記事の前2作は知らないが
本作だけは知っているという方も多いのでは?
キャストの3番手に塩谷瞬がおり、TV欄では出演者が「宮崎あおい・塩谷瞬」に
なってました(笑)キャストで釣る気満々過ぎ!ある意味、今が旬ではあるようです。
主人公の友達の少年でそんなに出番も多くないのに、ほとんどキャスト詐欺(苦笑)

主人公の少年・ミンは、陶芸家の父の仕事の都合で日本の高校へ転校することになった
やんちゃでノーテンキな男の子。
そのやんちゃ振りは転校前日から発揮され、京都市内をバタバタと散策していると
袴姿の可愛い女の子に出逢い、ミンは彼女に一目惚れ。
いざ転校してみると、彼女はクラスメイトで、七重という名前であることが判明。
「日本の女の子はシャイだからアプローチは控えめに」という友人の助言も聞かず
ミンは七重に猛アタック、いつしか二人は付き合うように。
しかし、七重は「ある事情」を抱えており、ある日突然ミンの前から姿を消す。
七重を失ったミンは日本にいる意義を見失い、韓国に帰ることに。
離ればなれになった二人。もう二度と会えない、あれっきりの恋だと
ミンは七重を忘れるように努め、父の陶芸の手伝いに勤しんで月日は流れ、
そして運命の悪戯がもう一度、更にもう一度、二人を引き合わせる・・・。
終盤は韓流ドラマでよくありそうな「偶然」「出来すぎ」展開のようにも思えましたが
少年少女から少し大人になった二人の佇まいが魅力的なのもあって、そのベタさが
かえって素直にロマンティックで良いと感じられました。
「ベタなロマンティック」もたまには良い気がしてくる、爽やかでスウィートな恋物語。


どの作品も、今時いないだろうと思ってしまうほど、一点の曇りもないように澄み切った
ピュアなハートを持った男女とその周りの人たちによって物語が繰り広げられていきます。
そして各作品の舞台(高知、沖縄、京都~ソウル)が登場人物に負けず劣らずの勢いで
魅力的にその土地らしさを醸し出し、土地によっても物語が形成されている印象。
豊饒な土壌には豊饒な作物が育つといいますが、まさにそんなふうに、
ゆたかな土地で育った純粋な少年少女~青年達が紡ぐボーイ・ミーツ・ガールだからこそ
こんなにもすんなりと、受け入れ、見守ることができるのでしょう。
いま恋愛をしていても、いなくても、もうとっくに少年少女の頃を過ぎていても、
きっと、なにか、心を惹きつけられるのではないか?
そんな澄み切って甘酸っぱい映画たち、時にはいかがでしょう。

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ジョン・フルシアンテ その4:PBX Funicular Intaglio Zone「新たな境地のギター、更なる進化を遂げたプログレッシブ・シンセ・ポップ」

5曲入りEP「Letur-Lefr」から2ヶ月、遂にJohn Fruscianteジョン・フルシアンテ)の
フルアルバムがご開帳!
その名も「PBX Funicular Intaglio Zone」。

PBX Funicular Intaglio Zone【高音質SHM-CD/ボーナストラック2曲/解説/歌詞対訳/ポスター付】PBX Funicular Intaglio Zone【高音質SHM-CD/ボーナストラック2曲/解説/歌詞対訳/ポスター付】
(2012/09/12)
ジョン・フルシアンテ

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ビルの頂上から人が不安定な体勢で立っている、もしくは落ちかけている、
「アメトーーク!」で絵へた芸人が書いたら速攻「怖い怖い怖い!」と突っ込まれそうな
ジョンによるホラーなペインティングがジャケットを飾り、付属のポスターではこの絵の
フルヴァージョンが。
私はタワレコで購入したので、それの縮小ヴァージョンのステッカー(大体ハガキサイズ)
がもらえて、こうして縮小してみれば置きやすいし、細かいことは気にならないし(苦笑)
ポップなアクセントとして部屋に飾ってあります。
タワレコ店頭では、このジャケットもあれば、よく雑誌やネットの特集に登場する、
ブックレットにも最終ページに登場する本人近影が販促POPにどがっと姿を現して、
何かその・・・凄く足を運びにくかったというか、忍びのようにサッと急いで1枚取って、
別の棚まで避難したというか・・・タワレコの冊子の間に挟みながらレジまで持って行って
エロ本買うんじゃないんだから!って足取りになってしまったというか・・・。

やたら「天才」「奇才」「問題作」って煽っているのも居心地が悪く、
戸惑いがちな雑誌やネットでのレビュー、一方では過度に崇めるような過剰なレビュー、
「どうしてこの人に対峙するアティテュードには中庸がないのだろう」と甚だ疑問に思い。
こういう「腫れ物扱い」「神様扱い」こそ、ジョンが厭っているものではないか?
それが嫌でわざわざRed Hot Chili Peppersレッド・ホット・チリ・ペッパーズ
以下レッチリ)を辞めたのでは?リスナーはアーティスト自身のことを考えなくてよいと?
それなりに熱心なファン(だけど、他にも好きなものは山ほどある)としては違和感を
禁じ得ない状況、まだしばらくは続きそうですね。それもまた、ジョンが手にした自由と
引き替えの試練なのでしょうが。

John Frusciante 1
ライトなレッチリファンがジョンというメンバーに着目するきっかけになった
2003年のスレイン・キャッスルでのライヴ(DVD化もされている)でのひとこま。
この頃で、既に足元にはエフェクターがこれだけたくさん。
当時は留守電の使い方も分からず、せっかく褒め言葉を入れておいたアンソニーを
しょんぼりさせたという、アナログ人間なエピソードにかなり笑わせてもらったけれど
作品ごとにデジタル人間化が著しく進んで、遂に現在の、エレクトロニック中心の
ソロ作品をリリースするまでの境地に。いやはや人間、何があるか分からないものですね。

あえてこの記事では「Letur-Lefr」を「前作」と表現させて頂きますが、
前作を経ずにいきなり「The Empyrean」から本作へと飛んできたなら
驚き、戸惑いはそりゃもうとんでもないものに違いないだろうと断言できます。
しかし、前作を経た人であれば、かなりすんなり聴けるはず。
それどころか、もっとハマるのでは。前作を聴いてダメだった人でも、
本作なら大丈夫な可能性が結構高いのではないかと思います。

前作からの「プログレッシブ・シンセ・ポップ」路線を踏襲しながら、
前作から何段階も進化して、「プログレッシブ」は伊達じゃない感じ。
従来からあったジョンのメロや歌声と「シンセ・ポップ」との間に、前作では少々
隔たりを感じましたが、本作ではその距離がほぼ無くなったのではないでしょうか。
だから違和感が少なく、かなり聴きやすくなりました。
ライナーノーツでもあるように、エイフェックス・ツインスクエアプッシャー
といったアーティストの作風をかなり彷彿させる曲調やアレンジに。
この二人の熱心なファンの方が本作を聴いたら、彼らの贋作に聴こえるのか、
それともちゃんとオリジナルだと感じられるのかがちょっと気になるところです。
そういったエレクトロニック・ミュージックの先達の、自然さ、滑らかさを取り入れ
聴いていて「気持ち良い」「心地良い」と感じられる音楽へと到達。
前作だと、エレクトロニックなリズムと「ジョン節」なメロや歌、双方の主張が強くて
ちょっと喧嘩しちゃっている感があり、それが「戸惑い」に繋がったのですが
本作ではそれが克服され、双方が控えめに自己主張しながらも巧みに協調し、
エレクトロニックなソロ作品のなかでは今まで無かった、心地良さに繋がっています。
そのような意味でいえば、各方面で煽られているような「驚愕の」「衝撃の」といった
形容詞は少し違うように感じられてきます。
(今までのジョンを知らなければ)とても自然でフレッシュで心地良い音楽
だといえるでしょう。

Jimi Hendrix-John Frusciante
何と!ジミヘンとジョンがほぼ鏡写しに。
ジョンのファンにはジミヘンファンも少なくないと思いますが、その逆はどうなのか。
ちょっと誰かに尋ねるのも畏れ多い気がしないでもないですが怖いもの訊きたさもあり・・・。
当のジョンは「白いジミヘン」と擬えられ讃えられることをどう感じていたのでしょうか。

「前作がダメだった人でも本作なら大丈夫では?」と表現した一番の理由、それはやはり
ジョンのギターが聴けること。
前作でも聴けることは聴けるのですが、もっと正面から「新しいギターのアプローチ」として。
本作をプレイヤーに入れて初めて気がついたことでしたが、「ギター中心の音楽でなくても
それはそれで」と思っていた筈の自分ですら、「ジョン・フルシアンテはギターを弾いて
いてくれたほうが嬉しい、ジョンのギターを聴きたかった」という渇望があったことが
本作におけるジョンのギタープレーを聴いて実感し、そして何か安心しました。
もうこの人は当分、下手すると一生、ギタリストとして振る舞わないのではないかと
危惧していたので。(奥さんのユニットでの演奏等、細々とした活動は除いて)
但しこれはレッチリ~従来のソロで聴けていたような「ギタリストらしいギター」とは
かなり趣を異にし、「プログレッシブ・シンセ・ポップ」のためのギターです。
エレクトロニック・サウンドとギター・サウンドとの調和のため、それまでしていた
ギタリストの発想でのギター・プレイをやめ、まるで電子音のようだったり、
「一体全体それはどうやってプレイしているのか?」と手元が全く想像できないような
まったく新しい発想でのギター・プレイを発見、披露しています。
これは、レッチリのキャリア最高傑作と名高い「Blood Sugar Sex Magik」にて
フリーのあのブリブリバキバキなベースとアンソニーのラップの合間を自在に泳ぐ、
人を舐めているかのようなユニークなギター・プレイと、同程度かそれ以上の価値を
有する発明なのではないでしょうか。

ほかに、前作に顕著だった新しい要素「ヒップホップ」は、前作ほどの頻度では
ないとはいえ本作にも登場。R&Bの要素もミックスされています。
様々な音楽的要素を組み合わせる中で、R&Bとヒップホップが特にジョンの音楽と
ブレンドしやすかったとのこと。さも料理を作るかのように、音楽をも作るのでしょうか。

John Frusciante 2
ア~~ア~ア~~♪(笑)
なぜゴミ箱に入っているのかとか、なぜ3人いるのかとか、なぜ一人(3人?)でそんなに
楽しそうなのかとか、色々なはてなが浮かんでは消えますが楽しそうだから良いとしますか。
そういや、もうこのぐらいの時期から、「たまに、ドラムンベースにのって踊りにも行く」
と言ったり、レディオヘッドオウテカエイフェックス・ツインスクエアプッシャー
の名を何かに付け口にしたり(レディオヘッドの場合は、トムがジョンのファンになって
熱心にライヴに通ったり、ジョンをモチーフに「Reckoner」を作曲したりと、何と両思い)
していたりして、今思い返すと本作の路線はかなり前からの既定路線といえるのかも
しれませんね。予想外・衝撃どころか、寧ろまったくブレずにここまで来たのかも?

本作でジョンはやたらとご機嫌。よく「Yeah!」って叫んでいます。
本作のような境地まで到達できたことが、また、自分の思い描いた世界と戯れられるのが
楽しくて仕方ないのでしょうね。
いわゆる「天然さん」のパブリック・イメージがあり、そういうエピソードにも事欠かず、
感情や感性の赴くままに生きているかのように見える人ではありますが、
10年前からの興味関心が現在まで、まっすぐレールを描くように継続し、発展し、そして
成就するのは、一体どこまでが成り行きでどこからが計画通りだったのでしょうか。
アルバムタイトルの説明などに顕著なように、考えが極めて独創的であると同時に、
知識やテクニックの話が多いなど、とても冷静な理系人間の側面も際立ってきました。
感性の人?理性の人?正反対の性質を同時に持ち合わせたアーティスト、そして人間。
その理性の側面で構築されているのがエレクトロニック・サウンドやギター・プレイで、
対して感性の側面を表現しているのが、ジョンの歌声やメロディ
なのかもしれません。
両面を有しているから、無機質にも収まらないし、有機質にも終始しない。
この「とりとめのなさ」を受け入れられるかどうかが、ジョン・フルシアンテという
アーティストやその作品を、好きになれるか否かを大きく左右するように思います。

John Frusciante 3
ご結婚おめでとうございます、からもう1年ですか。
各種メディアの取材を一切受けない、ライヴ・ツアーにも出ないとなり、
昨年音楽サイトで報道されていた、ストーカー騒動がその後どうなったか、
無事解決したのか、分からずじまいです。
もしかするとそのストーカーを避けるために取材もライヴもしないのかもしれませんが・・・
なにせ名前が名前だけに、当時本当に不安になったものです。
ビートルズ好きでもある人ですが、そっちの「ジョン」と同じ事態にならないことを
祈ってやみません・・・
因みにあちこちでいわれている「最近のジョンは、目を見開いた写真が多くて、こりゃ
クスリやってるんじゃないのか?ヤバいんじゃないのか?」疑惑についてですが、
個人的見解としては「レッチリ時代の反動、区切り」ではないかと考えています。
目ぇ開かないの?的な写真があまりにも多すぎたレッチリ時代。そこからの脱却を
音楽面だけでなく写真に写る時も図っているのでは?と。そう信じています(苦笑)
本作の音楽面から垣間見える姿があまりに冷静で乗り気、そして何より正気な姿なので。
「またドラッグに溺れちゃった」とか正直、もう格好悪いので、お願いだから勘弁して。


鳴っている音こそ大きく違えど、いま述べてきた点において、本作は
あまりにもジョンらしすぎるアルバム」と呼ぶことができるような気がしています。
雑誌やネットや本人の言葉@blogで何やら小難しい言葉を沢山並べて論じられていますが
頭で難しく考えすぎず、とりあえずお店の視聴機などで聴いてみてはいかがでしょうか?
そうして聴いてみて、何を感じるか、それが本作の全てなのではないかと思います。



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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

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村治佳織:プレリュード「初めて聴いたクラシック・ギターは、とても繊細で、とても優美だった・・・一つひとつの所作に、静謐な祈りを込めて」

エレキギターは、基本、鋭角的でラウド、攻撃的な楽器。
アコースティック~フォーク・ギターは、ざっくりとして素朴な味わい。
そして、初めて聴いたクラシック・ギターは、
一つ一つの弦が細い糸でできていて、それを縦横に織って、うすく上品な肌触りの
布が出来上がるような、とても繊細で、とても優美な響きをもっていると感じられました。

私がそのように感じたのは、演奏者である村治佳織さんの感性、奏法、選曲、アレンジ等が
そうした持ち味を有しているから、なのかもしれません。
村治佳織さんの現時点での最新作「Preludeプレリュード)」。

プレリュード(初回限定盤)(DVD付)プレリュード(初回限定盤)(DVD付)
(2011/10/05)
村治佳織

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「美人ギタリスト」ということで有名なので、クラシック音楽、ましてクラシック・ギター
という分野に全く縁のなかった私でも、その名と大まかな方向性は知っていました。
それにしても、ジャケットだけ見ると女優さんかな?と見紛うお美しさ。
「檀れいさんのようにも見えるし、夏川結衣さんのようにも見えるな」というのが
とてもおおざっぱな、村治さんの容姿に対する感想です。

ギターを手にしてこんなふう。
村治佳織1
アルバムには、アレンジャーの佐藤弘和さんによる解説が綴られている冊子のほかに
村治さんのお姿のみを収めた8ページのブックレットが付属。
解説の冊子にも、ギターを抱えた村治さんが2人、抱えていない姿が1人。
まるでアイドルのCDのようで唖然。そりゃ写真集も出るわけですよね。

そういえば昨年はスーパーでのお買い物中に、こんなものに出会った記憶があります。
村治佳織2
村治さんとヨーグルトメーカーとのタイアップ企画。
当時、村治さんのことを大まかにしか知らなかった私は正直「はぁ?」と思いました。
またくだらないタイアップ商品かと。
でも今となっては、ちょっと食べてみたい・・・
今年は店頭で見かけないので、昨年、偏見をもたずに食べておけばよかった・・・
村治さん抜きに、単なるデザート好きとしても(笑)


初回限定版にはDVDが付いていて、内容は#9の「アダージェット第4楽章」(マーラー)のPV。
どことなく、楽曲のイメージビデオというより村治さんのイメージビデオと化していた感が
やはりこちらにもありましたが、それを鑑賞していて色々と気づいたことが。
主に彼女がクラシック・ギターを奏でているシーンでのことなのですが。

左手の運指、右手のストローク、そのひとつひとつの丁寧さ。
左手では確かめるようにコードを丁寧に押さえ、右手では指のそれぞれで大切に弦をはじく。
まるでギターの6本の弦全てを慈しむかのようです。
ときに手元をじっと見つめながら、ときに旋律に酔いしれるように目を閉じて、
綺麗に整えられた指先が螺旋のように蠢いてトレモロを奏でる。
上品でしどけない色気がそこはかとなく漂う映像でした。

彼女のアルバムで初めてしっかりと聴いた「クラシック・ギター」という楽器に対して
「とても繊細で、とても優美」という印象を持った理由はここにありました。
村治さんがギターと対峙する姿勢、そして人間性が、そのまま音となって
クラシック・ギターに立ち現れている
のですね。


本作の選曲は、実に親しみやすさと神秘性の狭間を行き来しています。

親しみやすさでいえば、#11-12のP.J.チャイコフスキー
ギターのための≪くるみ割り人形≫組曲より、こんぺい糖の精の踊り、花のワルツ
は、誰もが知っていて誰もが好きな曲なのでは。可憐な演奏がとてもあたたかです。
#14ではビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」が登場。但し本作のヴァージョンは
それをカヴァーしてヒットした、セルジオ・メンデス&ブラジル'66のボサ・ノヴァ風を
イメージしてのアレンジで、よりクラシック・ギターにハマるように。
アルバムの締めくくり、#19はジャズのスタンダード・ナンバー「スターダスト」で
ちょっとあっけらかんと。

そして、ある曲のなかに、別の曲のフレーズを登場させて更におもしろく。
#1はビー・ジーズの往年の名曲「How Deep Is Your Love愛はきらめきの中に)」に
J.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番"プレリュード"」の開始部分を取り入れて。
#10は1974年のニール・セダカのヒット曲「雨に微笑みを」で、タイトルの「雨」にちなみ
雨に唄えば」や「オーバー・ザ・レインボー」が顔を出します。

神秘性でいえば、本作は坂本龍一さん(以降「教授」)が2曲を提供しており、
#2「プレリュード」、#13「スモール・ハピネス」どちらも祈りのような静謐な曲。
本作のリリースが2011年であることと当然大きな関係があり、震災当時、村治さんが
音楽の・・・自分の・・・無力さを知って打ちひしがれるといったエピソードが
とあるドキュメンタリー番組で登場しました。
そこにきて教授は被災者支援活動にも積極的。共有できる意識、メッセージがあったのは
言うまでもありません。
「スモール・ハピネス」は映画「一命」の挿入歌にもなったそうです。
続く#3-8「コンポステラ組曲」はとてもエキゾチック。コンポステラとはスペインにある
巡礼の終着地点の街。スパニッシュというより、何かもっと中近東の響きをもって
聞こえてくるのはなぜでしょうか。
終盤の組曲、#15-18「コユンババ」はゾクッとするような雰囲気。
「コユン(羊)」「ババ(父)」は13世紀南トルコに住んでいた古い伝説の隠者の名前で
その地方にある小さな湾は、今でもコユンババと呼ばれているのだとか。
スペイン、トルコ。巡礼、隠者。教授の作曲した、内面に向かっていく曲想の2曲。
そしてDVDでPVが観られる#9「アダージェット」は映画「ヴェニスに死す」のテーマ音楽。
解説分でアレンジャーの佐藤さんも書いていますが、やはり、「祈り」が本作のテーマに
なっているのだと、耳を澄ましていても何だか伝わってきます。
だから#19の「スターダスト」がさっぱりとした明日への希望のように感じられ、
聴き終わって爽やかな感覚が残るのでしょう。

「プレリュード(前奏曲)」、それすなわち「始まり」。
祈りは希望に向けて。音楽の力は、やすらかで深いところへ、自分の内へ、外へ。
村治さんが奏でるしなやかで真摯なメッセージが、やわらかく、しかし確かに伝わる、
心地良さと共に骨もある一枚
です。


これが前半部でちらりと述べた村治さんの写真集。

dulcinea/ドゥルシネア―村治佳織写真集 (ソトコトclassics)dulcinea/ドゥルシネア―村治佳織写真集 (ソトコトclassics)
(2003/07)
村治 佳織、カイ ユーヌマン 他

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あっさりと自然な佇まいでギターを抱えて街を歩く村治さん。
表紙だけ見ると、譜面の本だと間違ってしまいそうですね。


さて、TV出演など各方面で幅広く活躍する村治さんですが、その活躍の歴史は
商売道具である手指の疾患との闘いの歴史でもあるようです。
2005年10月、右手後骨間神経麻痺橈骨神経麻痺)により演奏活動を休止、
治療・静養に入り、2006年1月に復帰、ツアー、レコーディングを再開。
そして本作リリース直後の2011年11月、再び右手後骨間神経麻痺(橈骨神経麻痺)の
治療により演奏活動を一時休止、今年2月に復帰を果たしたのだそうです。
デビュー作が1993年リリースで、そこから本作までのべ18枚のアルバムをリリースと
海千山千乗り越えて、もうすっかりベテランの域に。
それでもアイドル扱いされているって凄いですが(因みに現在、村治さん34歳)
今度、近くのコンサートホールにツアーに来る機会があったら
是非その美貌を拝みに・・・ではなくて、卓越した演奏に耳を傾けるために
足を運んでみたいと思います。

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

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ほぼ10年越しの念願かなって、ショート・フィルムの映画祭に足を運ぶ ~ショート・フィルム初体験記~

もう何年も前から行ってみたかった、ショート・フィルムの映画祭
今年も開催されるとのことで、「今年こそは!」との思いで
この頃の多忙と酷暑でクッタクタにも関わらず、映画館に行って参りました。
疲れすぎていて途中で寝ちゃったんですが・・・・・・

開催地は初めて行く映画館。先月「かぞくのくに」を観に行ったミニシアターより
ひとつ手前の通りにあるところで、こうした機会がなければ滅多に足を運ぶことは
なかったであろう映画館でした。そうした意味でも、意義はあったかも。
時間ギリギリに家を出て到着してしまったので周辺を見渡す余裕はあまりなく、
それでも、開催最終日で午前中にもかかわらず、後部席はずらりと人で一杯。
余裕のある前部席の真ん中あたりに陣取りました。

審査員数名のほか、映画を観た一般観客からも投票を受け付けて、グランプリを
決める仕組みのため、アンケートと共に投票シートが。
今回観た映画のなかからグランプリは出るのか?
観る側もちょっぴり緊張ですが、撮った側はもっともっと緊張なんでしょうね。

7本の短編作品をあわせて全体で1時間半。
2分半の短いものもあれば20分超えのものもあり、実写もアニメーションもあり、
今回観たプログラムでは国籍もハンガリー、フランス、イギリス、スウェーデン、
ノルウェーなどとごちゃ混ぜ。プログラムによっては日本の作品が混ざっていることも。
また、ミュージック・ビデオ、専門学校などの学生による作品もあったようです。
他のプログラムでは、日本の作品を集めたもの、特定の監督の作品を集めたもの、
3.11にまつわる作品を集めたもの、企画ものとしてはボーカロイド作品なども。
前述のミニシアターでオフシアターを上映したり、少し離れた地域でも作品を上映したり
後日、美術館でも幾つかの作品や、今回の受賞作のセレクションを鑑賞できたりするようで
どんどん規模が大きくなっています。
今回は1つのプログラムしか観ませんでしたが、面白そうなものがぎゅう詰めで
来年度は複数プログラムをぜひ観たいと思いました。

後半をほぼ寝落ち(正確には、辛うじてウトウト、頭こっくりこっくり、
内容は何一つ頭に入っていません・・・)してしまったので詳細な感想は憚られますが
「生き延びた」前半~中盤までで言うなら、イギリス制作の作品(18分と長め)が
一番好みで、投票もこの作品にしました。
短い中に切ないストーリーがしっかりとあり、ちょっと怖い。
今チェックしたところ、パンフレットでのジャンルも「スリラー」になっていました。
20分弱でも哀切感ある物語って語れるものなのですね。
最初に上映されたハンガリー制作の作品は10分弱なのに起承転結のコメディで、
その次のフランス制作のコメディ・アニメは2分半なのになかなかに情報量がみっしり。
短くてもぎゅっと詰まっているし、長めでもメリハリのある話なら長さを感じない。
後半に行くにつれて「ドラマ」作品が増えていたので、そういった味わいも
寝落ちしないでしっかりと味わいたかったところで、悔やまれます。

うとうとしながら投票やアンケートを書いて、会場を出たら、次のプログラム待ちで
(15分区切りで入れ替えなのです)人がみっしりいっぱい。
国内作品のプログラムの時間帯だったのでとっつきやすかったのでしょうか。
映画館の外には、プログラムの上映予定が書かれたポスターに、近くから遠くから
見入る人でいっぱい。出くわした人の群れは、心なしか大学生くらいの若い世代が
多めなように感じられました。映画1本分の料金で何本も観られてお得♪感覚か?
でも実は私も、大学生のころから、この映画祭に行ってみたいと、ずーっと
気になり続けていたものです。だから彼らは昔の自分に行動力を足した感じでしょうか。

世界各国でも同様のショート・フィルム映画祭が開催されていて、今回はそうした
他の国の映画祭で好評を博した作品のセレクションもプログラムに入っていました。
無料プログラムがあったり、「素敵なプレゼント」がもらえるプログラムがあったりと
どんどん身近になってきたショート・フィルムと映画祭。
来月は近隣の大学でも映画祭を行うようです。ほかの場所でも映画祭や、独自の視点の
映画上映会を行ったりと、私のいるまちはかなり「映画のまち」になりつつあります。
そんな中での、恒例になった、まちに根付いたといえるショート・フィルム映画祭。
いろんな国のいろんなジャンルのいろんな表現法のいろんなストーリー。
それらを一度に味わうことができる、ショート・フィルムってなかなか美味しくて
クセになってしまいそうです。

テーマ:映画祭 - ジャンル:映画

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オートマティックにDJプレイを披露するCDMDプレイヤーを修理に出してから戻ってくるまでの記録(2012/9/8~9/15)

件の「キュルキュルキュルと鳴くCDMDプレイヤー」のその後です。
記事を書いてから1週間、レンズクリーナーの繰り返しで粘ってみましたが、
クリーナーをかけても改善されなくなって、ついに限界に。
色んなことがありすぎたので、なんとなく記録ふうにしてみました。


9月8日:プレイヤーをヨドバシに修理に出しにいく
電話で確認したところ、外箱は要らない、リモコンやコンセントなどが必要とのこと。
わざわざ部屋の奥底から外箱を出してきてスタンバイしてあった為、悄然。
ともかくも必要なものをかき集めてヨドバシの修理カウンターに向かう。
そのままの姿で持って行くと傷つくリスクに加え重いので、車を運転できない私はタクシーに乗る。
やむを得ない。
メーカーの修理工場がわりと近くにあるので懸念していたような1ヶ月2ヶ月はかからないが、
見積もりだけで1~2週間かかる予定と言われる。まぁ、こんなものか。

それから「PCのみで音楽ライフ」が始まった。
聴きたい音楽は全てiTunesで再生したり、iTunesに取り込んだりして聴く暮らしのことだ。
MDが聴けない(除くポータブル)ので、MDのBGMが必要なヨガはお休み(という名のサボり)。
あの記事やあの記事は全てこうした環境下で書いていたのです。本当死ぬかと思った。


9月10日頃:ヨドバシの修理カウンターから連絡がくる
見積もりが出たそうだ。読み取りレンズを取り替えなければならないため
2万円ほどを要するとのこと。但しヨドバシで購入当初つけてもらった延長保証を使えば
1割=2千円ほどで済む(この1回を使い切ったら次はないが)とのこと。
迷わず延長保証を使う。次、壊れたら、もう買い直し、MDとさらばの決心を
しなければならない。時代の変遷を感じ、いつか来る「コレクション総無駄」に向けて
心が折れないようにと備える。

この頃、iTunesは複数曲を収録したCD-Rの曲目を読めないということを知る。
様々な事情で「まとめ収録」を行うことが多い私。そうしたものも含め次々に、
チェックしたい音源を取り込むと、アルバムタイトルや曲目が読めないがために、
「トラック1」「トラック2」で纏められ、アルバムがバラバラ!
今日までに記事を書いたアーティストの作品が含まれていないのが不幸中の幸いだが、
音楽に関する記事を多く書いていて、何度も音源を聴きたい私にとっては
絶望的な境地にあった。
「手動でアーティスト名(仮)付けよう」そんな悲愴な決意をしていた矢先、次の展開が・・・


9月14日頃:ヨドバシの修理カウンターから連絡がくる
帰宅してへばっていると電話が。早くも、修理が完了したそうだ!素晴らしい仕事だ。
しかしなにせへばっている。心身共にボロボロなまでに疲れたからへばっているのだ。
あと土日祝はお得な地下鉄きっぷがある。平日ではそれがない。
いやしくも、取りに行くのを土日祝に決定。

車がガンガン行き交う通りのそばに住んでいるため、夏に窓を網戸で開け放っていると
家中砂埃まみれ。本当に何から何まで、あっという間に砂埃をかぶっているのだ。
バルコニーに布団やら洗濯物やらとても干せる環境じゃないほどだ。
この環境をどうにかしなくてはならない。しかしどうすればいいのだろうか。
夏場になって「レンズが汚れて」しまった原因がここにあることは、断定はできないが
かなり高い確率だ。
・・・ん?もしかして、網戸の掃除をサボってるせいか?
そう思いつきながらも網戸はいまだ掃除していない。しかし、バルコニーを箒で掃き掃除。
玄関をちょっと払えるくらいのミニ箒だったため、箒がややボロボロになる。


9月15日(本日):CDMDプレイヤー、カムバックを果たす
午前中に軽いスポーツに汗を流す。午後には後述するアーティストの新作にありつく。
究極に暑い中、ヨドバシに向かう。タクシーで持って帰るつもりでいたのだが、
店員さんが「手持ちできるように」丁寧に梱包してくれた。
おかげで我慢してつい地下鉄に乗ってしまう。
修理費用は、ヨドバシのアフターサービス用ポイントなども使うことができたので
更に割り引き、2千円を割るというお買い得プライス。ありがとうございます。

そしてずっしりと重いプレイヤーを持って、歩く、歩く・・・。
実はヨドバシから地下鉄までかなりの距離がある。そして地下鉄から家までは5分、
普段は便利な距離だがプレイヤーを持ってでは結構キツイ距離である。
地下鉄へ向かう地下街でへばりながら歩く。地下鉄の中でぐったりして、荷物も
ろくに置けないほどへばり、隣のおばあさまが「荷物置く?」と声をかけてくださる。
普段であれば席を譲ってドヤ顔でキメる対象であるはずのおばあさまに、
よりによって心配をかける。
人を見下してはいけない。ありがとうございます。
地下鉄を降りる。ここから、階段を上るのがまた大変で、一度へばって体勢を立て直し、
そろそろ持ち手がちぎれるのではないかとの懸念に駆られながら、かなりバテながら、
のこのこのこのこと足を進め、何とか家のあるマンションまでたどり着く。
エレベーターを待つ間、ずっとゼーハーと肩で息をしていたのは言うまでもない。

殆ど泣きそうな勢いでバテまくり、全身から汗が出まくり、
どうしていつも選択を間違えてしまうのだろう」と自責の念で弱った胃を更に痛めつける。
しかし黙って佇んでいられない、ちゃんとせずにはいられない、優等生の性が
なおも私を追い込む。後にすればいいのに、すぐに梱包をほどいて、
元あった位置へと一生懸命CDMDプレイヤーをセッティングしてしまう。
クタクタで、肉体だけでなく精神的にも弱ってきて、ノイローゼに近いモードに陥る。
とりあえずアイスノンを枕上に敷いて1~2時間眠る。

食事を取ったら、早速CDを聴けるか試してみる。
この日はツレから借りた別のCD(多分そのうちレビューします)もあったので
まずそっちから聴く。順調。良かった。ようやく音楽ライフに凪が訪れた。
・・・とはいえ一瞬、再生前に必要以上にグルグルしていたのは気のせいか?
信じたくない、そこまで一気に訪れたらキャパシティいくらあっても足りん。
大丈夫だと思われる。
そして、今、かけているジョン・フルシアンテの新譜だが、意図的に音をいじっていて
エレクトロ方面の音遊びがあの日々のDJプレイに、
音楽を聴く楽しみが音楽に虐められているような恐怖感に変わってしまいそうになる。
楽しいはずのジョンの「音遊び」が、もはや「音虐め」に感じられてきてしまう。
日頃から対象に対してサディスティックに向き合っていることへの、これは罰なのだろうか?
どうやら、今回の一件で、私は音楽鑑賞の上で致命的なトラウマをこさえてしまったらしい。


はっきり言って私はまだ落ち着きません。
またキュルキュルキュルとプレイヤーがDJプレイを始めやしないかと・・・!
まだまだ酷暑、窓をほぼ開け放った状態でないといられない日々は終わらず。
レンズが汚れる可能性はそれだけ上がるわけで。
それに来年、再来年・・・と夏はまだまだ何度でもやってくるわけで。
・・・これで今度はPCが壊れましたとか言われたらいよいよ脳みそのキャパシティオーバーは
確実なんでしょうな。いや、もう、とっくにキャパオーバーなんですが。
音楽聴くのが半ばトラウマになりかかるなんていう状況なんざ予想だにしませんでした。
ともかく、色々な人達(特にヨドバシ~修理工場のグッジョブ)にここはひとまず
心からお礼を述べたい
ところです。
お願いだから、もう(せめて、しばらくは)壊れないで!!!
この一連の騒動で、もはや心まで壊れそうになってきたのだから・・・

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橘いずみ:どんなに打ちのめされても+ごらん、あれがオリオン座だよ「時代を超える熱い言葉の雨にうたれて、熱い歌に心ゆさぶられ」

噛みつくような歌唱。余りにもストイックなまでに自虐的な歌詞。
さめきって鋭い眼差し。自分をまるごとぶっつけるような激しさ。
そんな彼女を時に人は「女・尾崎豊」と称しました。
彼女の名は橘いずみ(現在は結婚したことを機に榊いずみと改名)。
実際にプロデューサーも尾崎豊と同じ須藤晃氏だったというのもあるでしょう。
そして、出てきた当初は「女・尾崎豊」を売り込む側も狙っていたふしが
ある気もします。
たとえばこんなジャケット写真で。
橘いずみ1
アルバム「どんなに打ちのめされても」。
自分を護るように着込んだデニムの上着に、からだをくるむツタのような枝。
アルバム発売が昔だったこともあって本作などの画像がなかなか無いのですが、
ブックレットの裏表紙で正面を睨み付ける表情はまさに「女・尾崎豊」そのもの。
このアルバムを私が入手した理由はただひとつ、この曲が入っているから・・・
橘いずみ2
最近「モテキ」映画版でも使われたという、インパクト大の名曲「失格」。
橘いずみが流行っていた頃は私は小学校低学年くらいだったので全くリアルタイムでは
ないのですが、ラジオなどでこの曲をたびたび耳にする機会があり、そのときから
「この曲は?!」と、ずっと曲の全体の姿やアーティストの正体が引っかかり、
高校生から大学生にかけての時期、このアルバムまで辿り着きました。

自分の言いたいことを私は何も言わない
自分のやりたいことを私は何もできない
自分の為に泣いても人の為には泣けない
主義・主張を叫んで外を歩く勇気なんかない
ひねもすベッドに寝てるのは病人か赤ん坊
何もかもが嫌になるにはまだまだまだ若すぎる
誰かの喋る言葉で心なんて弾まない
明るく元気だけが取り柄の女になれない
他人の視線ばかり気にしてる人を認めない
社長の意見は必ずしも正しく思えない
月夜にいつも女はキスを待ってる訳じゃない
安いベッドは軋む音がうるさくて気が滅入る
愛してないのに抱かれ他の人を夢見てる
パチンと弾けて落ちたピンクのバラの花びら

何事かと思いました。一気にこんなにまくしたてられ。
しかも妙にラップ調で、でもラップではなく紛れもないロックで。
2番だともっと自伝の色合いが強くなり「そこまでバラしちゃっていいの?」、そして遂に

あなたは失格!そうはっきり言われたい
生きる資格がないなんて憧れてた生き方

なんてズバッと言われた日には、もう途方に暮れるしかありません。
あるCDのレビューで、アラニス・モリセットのことを「ヒステリー」と称していましたが
橘いずみは、ある種、和製アラニス、いやアラニスの先取りをしたような・・・??
その「ヒステリー」が世の中に大きく受け入れられてしまうあたりも。

CDで歌を聴いていると、どちらかというと「女・尾崎」より「中島みゆきのフォロワー」
という印象を受けました。なんだか暗いし、歌い方がなんとなく似ているし、
楽曲がどこか歌謡曲~演歌(いま聴き直した感想ではフォーク)風味だし。
音の作り方も当然ながら90~00年代中心のリスナーの自分にとっては少々古く、
昔の音楽を聴き慣れた今、聴き直すとそうでもないですが、出会った当時の私には
本作の音楽はちょっとキツいものがあり、「失格」ともうひとつの名曲以外に
なかなか「聴いて楽しむ」ということは難しかったというのが率直な感想です。
アルバムタイトルの由来となっている「打ちのめされて」。

どんなふうにでも生きてゆける
例えばつまずいても 膝抱え泣いても
もしも暗闇に放り出され
どちらを向いてみても 何も見えなくなっても

 正しい答をつきつけられた時
 自分の答が何もかも違ってた
 強く傷ついて 心砕け
 優しい言葉でもっと 深く打ちのめされて


若さからくる不安定さ、貪欲さ、厳しい現実、鋭敏な感受性、根っこのしぶとさ。
本作くらいの時期だと「潔癖で純潔な少女」の顔も残っていて。
自分の曲の全ての作詞作曲を手がける彼女ですが、曲や恋愛の歌などには余り突っ込んだ
関心が出ず(恋愛の曲は、ちょっと重いタイプというか、トゥー・マッチな感が・・・)、
専らこうした「人間の業」「内省」「生きること」をテーマとした2曲を主に聴いていました。
そして、今回記事を書くにあたって聴き直すまで、橘いずみというアーティストは、
私にとっては聴くためではなく、言葉の雨にうたれるためのアーティストでした。

その様相がちょっと変わってくるのがこの作品。(「どんなに打ちのめされても」も
ロック×フォークとして、魅力的な作品ではあるのですが)

ごらん、あれがオリオン座だよごらん、あれがオリオン座だよ
(1996/03/21)
橘いずみ

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この頃になると見た目もご覧のようにすっかり女らしくなって、
「失格」のように自分の頭に銃口を向けながら紡いだような曲は減っていきます。
一人芝居「真空パック症」を95年から97年にかけて行っていたこともあるのか、
歌詞、そして歌もどこか演劇的。モノローグも時折みられます。
あまり詞を抜粋してとりあげるような「胸にささる」歌詞は減る一方、
風刺、自虐、狂気ぎりぎりの情熱や奔放さ(舞台の上と考えれば納得かもしれない)が
すっかり定番スタイルとなったラップ~フォーク風の言葉畳みかけの上で踊ります。
そして大きな変化はアレンジ。SEなんか登場したりもして、わりあい今聴いても古さを
感じない、当時でいえばいまどきの音、目新しさのある音を全体に用いていて、
曲もキャッチーでまとまりが良くなり、耳で聴いても十分楽しめる作品になっています。
調べてびっくりしたのが、あの韓国ドラマ「冬のソナタ」のテーマ曲の一部に、
本作収録の「26-Dec.11th, 1968」という曲が使用されていたこと。
そうだっけ?!熱心に韓国ドラマを観ていなかったのもあり、全然記憶にないのです。
でもそう言われて聴き直してみると、歌詞を取っ払えば、見事に冬ソナのあの曲に。
しかしまた意外なところから・・・どういうご縁で??

そんな中で歌詞に見入ってしまったのが「自分」とこれまたダイレクトなタイトルの曲。

愛がすべてを救ってゆくのなら
君はどうして自分捨てられない
やさしさとか いとしさとか
計算するのはやめにしよう
(中略)
愛がすべてを救えるのに
どうして自分を捨てられない


紹介したのはサビ部分。言葉数が多くギラギラした雰囲気の歌詞・楽曲が多いなかで
少ない言葉と心洗うようなバラード、感極まった熱い歌。
バラード調の曲で多いのですが、感情移入しすぎなのか、涙を堪えるように、
あるいは泣きながら、歌っているのでは?と思われるような場面がみられます。
最初「高音が出ないのか?歌唱が安定していないのか?」と思っていましたが
他の曲では十分に出ていることから「そうか、泣いているのか、泣きそうなのか」と。
こういった「過剰な熱さ」みたいなものも「女・尾崎豊」なんでしょうか。

「女・尾崎豊」だけあって、04年には尾崎のトリビュートに
路上のルール」で参加しています。
このアルバムで彼女の存在を知った人もいるのでは?

BLUE ~A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI (CCCD)BLUE ~A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI (CCCD)
(2004/03/24)
オムニバス、斎藤和義 他

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Coccoの「ダンスホール」、Mr.Childrenの「僕が僕であるために」、
斉藤和義の「闇の告白」などなど、印象的なカヴァーが沢山つまっていた本作のなかで、
そういった現代のビッグネームにもひけを取ることなく、
色褪せずしなやかで強い彼女のヴォーカルがキラキラ輝きを放っているのが
なんとも頼もしく、「元気にしてるんだな、良かった」と嬉しい気持ちにもさせられました。

現在では旦那さんの苗字というか新しい本名「榊いずみ」として活動、
ふたりの女の子のママでもあるそうで。
そして今年7月には、デビュー20周年ということでオールタイム・ベストをリリース。

GOLDEN☆BEST橘いずみ+榊いずみ〜20th ANNIVERSARY〜GOLDEN☆BEST橘いずみ+榊いずみ〜20th ANNIVERSARY〜
(2012/07/25)
橘いずみ

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オリジナルアルバムはもう取り扱っていないお店が多そうですが、
こうしたベストアルバムなら買えたり、レンタルしたりできるのでは?
時代をきっと超える、熱い言葉、熱い歌、その奥にあるあたたかさ
初めてふれてみては、または、久方ぶりにふれてみては、いかがでしょう。

テーマ:女性アーティスト - ジャンル:音楽

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ウルフルズ:後編 9「『アホ』を武器に、4人が一つにまとまって、この世界をサヴァイヴせよ!強靱でキレのよい、文句なしの傑作」

トータス松本が自ら「ベストアルバム以外で、何か1枚人に勧めるなら
これを選ぶ」と豪語したという、会心の出来の9thアルバム「」が
ウルフルズの記事、後半戦のメインです。

99
(2005/02/23)
ウルフルズ

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オリコン初登場順位6位(あえて9を逆さまにした順位なのが何とも)と、
セールスもさることながら、メンバー全員、心技体がひとつになったタイトな演奏、
時にパワフルで時に繊細な「ウルフルズ節」がひとつの無駄なくしみわたる楽曲、
そしてきっと、トータス、ウルフルケイスケ(ケーヤン)、
ジョン・B・チョッパー(ジョンB)、サンコンJr.(サンコン)4人の息もツーカーで
ウルフルズの歴史のなかで最も脂が乗り、気合いも入っていたとおぼしき時期。
タイトル通り全9曲で40分足らずと簡潔。捨て曲なし。
ウルフルズのCDのなかで何が一番好きか、オススメかと聞かれたら、
迷わずガッと挙げる、大プッシュの一枚です。
お値段も2,300円と何気にお買い得だったり。

バカサバイバーバカサバイバー
(2004/11/03)
ウルフルズ

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先日、またひとりカラオケに行った時、ウルフルズを歌ったんですが
その時にさりげなくTOP20をチェックしたら、
定番の「ガッツだぜ!!」「バンザイ~好きでよかった~」「明日があるさ」等に続き、
何と6位に本作#1で先行シングルの「バカサバイバー」が!!
因みに、4位は確か「それが答えだ!」で、「笑えれば」が5位。
「笑えれば」意外に見えて実はオリコン順位もよく、先日の「未来シアター」でも
ジーンズ職人さんのテーマソングになってましたね。
で私は「暴れだす」(後述)を歌ったのですが、この曲はベスト20ギリギリで意外。
活動休止前最後のオリコントップ10入りの曲だし、もっと人気あるイメージだったのに。

しかしまぁ。バカサバイバー、本人映像ヴァージョン(PV)のカラオケだったんですが
やっぱ何遍観てもこのPVはクソおもろw
ゲラゲラ笑っちゃって、ある意味見入っちゃって、歌うどころじゃなくなってしまいました。
バカサバイバー1
全体的にパンクスっぽく、トータスはSM風情のキケンな帽子とグラサンで威嚇し、
背中には「BAKA SURVIVOR」って縫い込んであって間違ったヤンキー、突き抜けてます。
キヨシローさんふうにアイメイクして赤レザーのスーツ着てるジョンB(詳細は後ほど)、
最後にこうやって出てきてるのは演奏放棄(笑)のサンコン、通常営業?のケーヤン。
あとなぜか突然脈絡なく、ババーンとごついバイクに跨ったトータスが出てくる(笑)

みんなとは違うベクトルで笑いが止まらないジョンBのターンw
バカサバイバー2
2番では画像の左半分がジョンB。こうやっておめかしウフフして彼女?を待つも
歌詞とリンクしてフラれた結果、シャツやスーツをぶん回してかなぐり捨て、
右側の映像(トータスと背中合わせしたりとパンクス風情で大暴れ)に繋がる。
ネタキャラ以外の何者でもないですなぁ。いやはや、ゆかい、ゆかい。(ひとごと)

「B・A・K・A SURVIVOR」(ビー・エー・ケー・エーと一文字ずつカタカナ読みする)って
みんなで歌うとか、もうアホ通り越して本当にバカだなwと笑いつつも、
寛容の「ええねん」の境地を超えて、「サヴァイヴ」というもっとひりつくやり方へと、
現実との向き合い方が大きく変わっているのが象徴的。
ケーヤンが作詞作曲してCMタイアップもついた#9「まいどハッピー」も、
一見するとお気楽なのだけど、よく見るとスマイルしながら挑戦状を叩きつけていたり。

よさげなムードにムカつけ
意味のない言葉に突っ込め
見た目も中身も濃い目
悲しい話で笑え


#2「ゼンシン・イン・ザ・ストリート」で歌われるように
「合い言葉はAAP(=アホアホパワー)」。
「アホ」を武器に、4人が一つにまとまって、この世界をサヴァイヴしていこうという
強い意志が全体に貫かれています。


胸を強く打つハート・ウォーミングな歌もいままで以上に強靱に。
#3「」、聴いていて全員のパッションに打たれて泣きそうになってきます。

ぼくが笑い飛ばす歌
君が笑い転げる歌
ぼくが酔いしれる歌
君が涙ぐむ歌
ぼくが叫びまくる歌
君が泣きじゃくる歌 歌 歌
歌! 歌!
ぼくは君に ぼくの歌を歌う
君もぼくと いっしょに歌ってくれ


トータスの歌に込められた熱量が物凄く、圧倒されます。
怒濤の勢いで一気にたたみかけるサンコンのドラムも聴きごたえをプラス。

そして#10「暴れだす」。(アルバム収録はfull version)

暴れだす/大丈夫暴れだす/大丈夫
(2005/01/13)
ウルフルズ

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わいも君が泣いちゃうPVもなんとも心温まる作品でぜひ観ていただきたいですが、
大人になるほどギクリとする歌詞と、シンプルで優しいメロディが素晴らしい曲。
なかでも個人的にグサッと刺さるフレーズがこちら。

オトナになって やることやって
ケガの数だけ 小さくなって


「サヴァイヴ」「AAP」で強気に攻めてみても、心はときどき苦しさや不安でいっぱい。
ここでホンネをきっちり吐露しているからこそ、全体の強さに説得力が出ています。

臆することなくズバッと切り込んで、そのまま快速で一気にゴールまで走り抜ける。
キレのよいアルバム。紛うことなく傑作です。



さて、「9」以降のウルフルズはといえば。
ウルフルズ1
トータスが侍姿に扮して歌う姿がよく似合っていてかっこいい「サムライソウル
こちらはオリジナルアルバムには未収録。
よく似てると言われているけど、香川照之さんではありません(笑)

サムライソウルサムライソウル
(2006/01/25)
ウルフルズ

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それから同年には、愛をテーマにしたアルバム「YOU」もリリース。

YOUYOU
(2006/03/08)
ウルフルズ

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・・・と、ここまでは割といい流れで来たと思うんですが、翌年からのリリースは
それまで居た東芝EMIからワーナーに移籍して。
この移籍は誰の意思なのか?どうも理由も目的も釈然としない上に、
バンドの方向性も悪い意味で変わってしまったような。

KEEP ON,MOVE ONKEEP ON,MOVE ON
(2007/12/12)
ウルフルズ

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現時点では最後のオリジナルアルバムである「KEEP ON,MOVE ON」は
ジャケットこそスタイリッシュなものの、クレジットはトータス+アレンジの伊藤銀次氏一色、
音からは他のメンバーの姿が、そして存在意義が見えてこない。
セールスは良かったようですが、何かモヤモヤしたものを感じているところに
09年、まさかの?必然の?活動休止宣言。
「KEEP ON~」のトリを締めくくるのが「四人」という曲であったのが苦く残り・・・。
ウルフルズ2
この頃からトータスがソロでライヴをしたりシングルやアルバムをリリースしたりしており、
またWikiではトータス以外のメンバーが09年以降ワーナーに所属していなかったり
といった所から、トータスのソロ専業?トータス以外のメンバーを切る目的?
という見方がありますが、一方で噂として少なからず耳にしたことがあるのが、
メンバー間の不仲、お金に関する内輪モメ・・・。
ウルフルズのギャラはまず全てリーダーのケーヤンに行き、そこから各メンバーへ配分される
制度への不満だとか、トータスVSケーヤン・サンコンの対立で、ジョンBの一時脱退もトータスに
耐えられなかったためだとか、トータスの独裁状態に対する他メンバーの不満だとか・・・・・・。
だから寧ろトータスの現状は「ウルフルズをやりたくても出来なくなって、
やむなくソロで活動するしかなくなった」結果だという説も・・・。
メンバー間の絆を前面に押し出してきたバンドが「不仲」「お金」を原因に仲違いするなんて
あまりにもやるせない。しかし、バンドは人間関係であって、ビジネスでもあるもので。
トータス一人を悪者とみなす向きもちょくちょくあるようですが、バンドは4人で成り立って
いるものだから、誰か一人だけのせいにはならないのではと思います。
3人のメンバーも決して黙っているわけではなくて、それぞれソロ活動を行っているようです。
あまり表舞台には登場しませんが・・・

演奏は確かにトータスのスタジオミュージシャンやツアーメンバーの方が上手かもしれない、
だけど何かが物足りない。
うまくはなくても、ケーヤン、ジョンB、サンコンの演奏には味があり、
なにより「この4人」でなくてはならないという必然感がありました。
今はもう、無くなってしまったのかもしれないけれど。
再結成(再始動)は諦めて各々の活動に期待するのが一番建設的ですが、
ユニコーンのような例もあるし、気長に待ってみるのもいいのかもしれません。

もう忘れられてしまったかもしれない、固い絆で結ばれた「この4人」だった頃のこと。
ちょっと淋しいよ」そう本音を零して本稿を終わりにしたいと思います。



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辻井伸行:神様のカルテ~辻井伸行 作品集「滑らかで、優しくて、川のせせらぎのような風景の数々・・・『盲目』から『本物』への脱皮の証明」

何ものにも染まらない、無垢できよらかな、
川のせせらぎのように流れるやさしいピアノ。
初めて聴いたクラシックのCD、辻井伸行君の自作集は
クラシックにあまり馴染みのない私の耳にも、滑らかに響き渡ってきました。
神様のカルテ ~辻井伸行 自作集」。

神様のカルテ ~辻井伸行 自作集神様のカルテ ~辻井伸行 自作集
(2011/07/27)
辻井伸行

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嵐の櫻井翔くんと宮崎あおいちゃんが共演した映画「神様のカルテ」にテーマ曲や挿入曲、
エンディング曲を提供したことが軸となっていますが、
その他の多数の番組、CMのタイアップ曲~テーマ曲も収められ、
さしずめ辻井君のオリジナル曲のベスト・アルバムの趣も持つ本作。
ジャケットには「WORKS 2000-2011」の文字。文字通り、辻井君が11年間に及んで
作ってきた曲の数々が詰まっています。

「滑らかで、優しくて、川のせせらぎのよう」という感想を全体的に持ったのは
本作に収められている曲が少なくない割合で、自然を舞台につくられているから。
「神様のカルテ」の舞台となった信州をはじめ、スペインのマヨルカ島、
イタリアの小さな町コルトナ、ヴェネチア、冬の富良野、パリのセーヌ川、高尾山、
自宅にほど近い川沿い。
皆さんもよくご存じのとおり彼は生まれつきの全盲のはずですが、まるで景色が
はっきりと事細かく見えているかのように、聴いていると情景が浮かび上がってきます。

演奏能力はいうまでもなく、見えないはずのものを「見て」、その景色を鮮明に描き出す
という特殊な才能も、特筆すべきものではないでしょうか。
#6「風がはこんできたもの」は脚本家の倉本聰さんが4夜連続で4アーティストと対談した
TBSの同名の特別番組の第3夜に出演した時に作曲したものですが、
そこでは、倉本氏に案内され、冬の富良野独特の自然現象を観察したり、
倉本氏の劇団の公演を鑑賞したりして、それらの体験から得た心象風景をもとに
作曲を行う辻井君の姿が映し出されていました。
瑞々しく自然の不思議に「見入る」辻井君、活き活きした演劇を楽しむ辻井君。
我々とは全く違った所から、景色や風景といったものを感じ取り、見つめ、描き出す。
それはなんとも神秘的な光景でした。


#1「神様のカルテ」(同名映画テーマ曲)をはじめとする、美しく流れ出すように
自然の風景をスケッチしていく爽やかなタッチの曲が大半を占めますが、
なかには変わり種もあり、そこに思わず注意が向きます。

例えば、#4「ショパンへのオマージュ」は哀しげな曲。
辻井君が深く尊敬している作曲家、ショパン。
辻井君の2ndアルバムは「マイ・フェイバリット・ショパン」だったり、
ショパンの生家を訪ねたり、彼が苦しい時期に滞在した元修道院を訪ねたりと
深い敬愛が窺えます。
「ショパンへのオマージュ」では、その、苦しい時期に滞在した元修道院の部屋で
ショパンの弾いていたピアノに触れたら、感極まって涙が止まらなくなり、
「ショパンの魂と出逢って対話したような不思議な体験」と述べる体験をもとに
制作されたもの。ショパンの苦しみと共に慟哭しているような楽曲です。

#6「音の絵」は、ビートたけしさんが「今、一番会いたいアーティスト」に迫る
NHKBSプレミアムの番組「たけしアート☆ビート」に辻井君が出演した時、
たけしさんと辻井君が一緒にピアノで色々なことにチャレンジし、その際に
たけしさんのイメージを即興的に演奏した曲です。
番組収録の日、辻井君をイメージした絵をたけしさんがプレゼントしてくれた
お礼の気持ちをこめて「音の絵」というタイトルをつけ、たけしさんに捧げられています。
ちょっと厳粛で、ほの暗い感触。たけし映画のイメージでしょうか?
「将来、たけしさんの映画に音楽で参加できたら嬉しい」とまで語っているあたり。

#8「それでも、生きてゆく」はふたつの方向へ向けられています。
ひとつは2011年3月11日の東日本大震災で亡くなった人への追悼と、被災した人の
心の支えになりたいという願い。
そしてもうひとつは、フジテレビの同名のドラマ。4月のアメリカ・ツアー中に出来たこの曲は
全米各地で演奏されていましたが、同時期に、悲劇を乗り越え希望を見出す家族の物語である
このドラマの音楽の依頼を受け、ドラマのテーマと内容に、曲との共通性を強く感じ、
テーマ曲として提供することを決めたとのこと。
悲しげで重たい曲。「悲しみから立ち上がろうとする人に寄り添い支えるような曲」を
書いたという辻井君、その思い、狙いがよく伝わってきます。


見慣れた場所、知らない場所、自然の景観、人との出逢い、尊敬するアーティスト、
世界で起こった出来事。
お母さんの「実況」や自らの感覚を通して、自分の周りのあらゆる事物から
インスパイアを受けて、事物を「見て」、繊細な感性で次々と曲に仕上げていく。
そんな端正で丁寧な仕事=WORKSが15曲。
優しくて透明感に満ちたピアノは辻井君の人柄そのままのように感じられました。
TVなどで見聞きするあの姿やあの言葉そのものだと。
ピアノの音色は、鏡写しのように、弾く人の人柄まで反映するのでしょうか。
オリジナル楽曲ということも後押しして、なおさらそんなふうに思えてしまいます。


辻井君のショパンへの憧憬が詰まった2ndアルバムと、

マイ・フェイヴァリット・ショパンマイ・フェイヴァリット・ショパン
(2010/03/24)
辻井伸行

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エマーソン、レイク&パーマーを思い出す「展覧会の絵」を含む3rdアルバム。

展覧会の絵展覧会の絵
(2010/09/15)
辻井伸行

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どちらも興味津々です。本作にない新しい顔を垣間見ることができるはず。
どんな解釈をしているんだろう?


話題性と知名度、そして「友人のオススメで、貸してくれたから」という安易な理由で
ちょっと聴いてみた辻井君の自作集。
私にとって初めてのクラシック音楽CD体験。友人にとっても初めてだったそうです。
しかも、友人が本作をいつも聴いていたところ、友人のお母さんがファンになって
すっかりハマってしまい、ライヴのチケットを友人の分まで取ろうとしたとか。
(凄まじい倍率で、結局取れなかったそうですが)
そして私も何度もこのCDをリピートしています。
「辻井伸行」というブランド、ネームバリューだけではここまでの「奇蹟の連鎖」は
起こせないはず。
唯一無二の魅力、普遍性がある証拠です。

音楽をする上で目が見えるとか見えないとかはあまり関係ないと思うんです。僕も『盲目の天才ピアニスト』と呼ばれるよりは、ひとりでも多くの人に演奏を聴いてもらえる、"本物"のピアニストでありたいと思うだけです。


とは本作の解説ブックレットに掲載されている辻井君の言葉。
その志、しかと耳で目で受け取りました。
「盲目」という看板はもはや意味を成さず、今や、彼は正真正銘の本物のピアニストとして、
日本を、世界を駆けめぐっている真っ最中。
これからも純真なまま、どこまでもまっすぐに進んでいって欲しいと願うばかりです。

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松崎ナオ:Flower Source「淋しくて、あたたかくて、胸にささる・・・路傍にひっそりと咲く無垢の花」

子どものように純真で無垢な歌声、さらさら流れる仲間達の鳴らすバンドサウンド、
温かいけれどどこか淋しげな曲、なにげないようでグサリと刺さる歌詞。
松崎ナオの作品に一度触れたら、何だか忘れがたく頭に焼き付いてしまうはず。

しかし、「松崎ナオ」と言っても「誰それ?」とピンとこない人のほうが多いのでは。
それなら、こう言ったらわかるでしょうか。

唄ひ手冥利~其の壱~唄ひ手冥利~其の壱~
(2002/05/27)
椎名林檎、草野マサムネ 他

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椎名林檎のカヴァーアルバム「唄ひ手冥利~其の壱~」に収録されている
太田裕美「木綿のハンカチーフ」で「女性役」として共演していた、あの声の人。
あのちょっと拙いような、純朴な歌声の持ち主・・・それが彼女です。
ヴォーカリストとしては決して上手ではないのですが、感性や雰囲気でもっていくタイプ。
松崎ナオははじめから作詞作曲を手がける歌うたいとして世に出てきて、
注目されたのは曲作りをはじめとする独自の世界観やセンス。
そんな辺りが、椎名林檎と意気投合した要因かと思われます。デビューもほぼ同時期だし。


1998年にデビューして、エピックレコードジャパンから3枚のアルバムをリリース。
私が彼女を知り、ハマったのはこの頃でした。
しかし現在ではこれら3枚は既に廃盤になり、いつのまにか彼女の動向を見失い、
「彼女は今、どうしているのだろう?まだ音楽を続けているのか?」
それすらわからないまま月日が過ぎました。

ある日、ドキュメンタリー好きな私はいつものように、録画しておいたNHK総合の
ドキュメント72hours」という番組を観ていました。
するとエンディングで聞き覚えのある歌声が・・・!
今回紹介するアルバムに収録されている曲「川べりの家」が、その番組のテーマソングに
なっていたんです。

懐かしい気持ちになっていたところで、レンタルショップで彼女のアルバム
Flower Source」を発見!
レンタルされているってことは多くの人に気軽に手にとってもらうチャンスが
あるってことで、今回、記事にしてプッシュしようと決意しました。

Flower SourceFlower Source
(2006/08/18)
松崎ナオ

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CDの帯には山崎まさよしさんのリコメンドコメントが書いてあって、
あなたが何気なく放った言葉はかなり胸に刺さる」という旨の内容を、
実にまさやんらしい文章で表現してありました。

松崎ナオの特徴である「胸に刺さる」言葉と曲。
ピークは1st~3rdのエピック期だったと思いますが(若さ特有の、不安や焦燥感が
じりじり、ちくちくした痛みとなって体中を駆けめぐるような音楽だった)、
本作でも言葉と曲の「じりじり、ちくちく」は健在。
しかし、エピック期では若さからくる陰鬱さ、深刻さがやや前面に出ていたのに対し
年齢を少し重ねたことで、もう少し気楽な世界観、気楽な歌や演奏になっています。
気の合う仲間達が集まってワイワイ楽しみながら制作されたような雰囲気で、
繊細ながらも、リラックスした心地良い空気が流れます。
例えるなら、木漏れ日の中で風を受けながら、過去や現在や未来、人や動植物について
想いを馳せるような・・・。

小さい頃から共にあった庭とそこに生えていた木々との別れを歌った#3「木のうた」、
曲も詞もとても心地良く、そしてとても胸に刺さります。

小さい頃に歌ったうたと 木々のざわめきが
重なる所 それになりたい
広がり続けてく

心の中の木々はいつでも ボクに語りかけ
はじめてできたボクの友だち

ずっと さようなら
忘れたりしない



フレーズで強烈だったのは#6「愛のキャベツ」で、楽観的な楽曲とは裏腹に

忘れない 忘れない 死んだら 忘れる


という言葉はなかなかのカウンターパンチ。
彼女、淡々とした調子で、こういう残酷な真実をスパッと言ってしまうんです。
まるで見たままをそのまま口にしてしまい、それがやけに的を射ている子どものように。

エピック期で私が魅了された「混沌、陰鬱さ、痛み」は今でも残っていると言わんばかりの
アルバム最終ナンバー#12「混沌」は、淡々と展開していたのに最後に急に転調し、
タイトル通り、混沌と不安と心許なさを一瞬だけのぞかせ、たまらない気持ちになります。
じりじりと締め付けられるような痛み、あぁ、この感じだ、と。

そうして、タイアップの話でも取りあげた#2「川べりの家」は、
番組の内容とうまくマッチして、番組のエンディングで流れたときに溢れ出す
やるせなさ、淋しさ、人のたしかな営み、温もり・・・といったら。
「ドキュメント72hours」は、文字通り72時間、ある場所にカメラをほぼ定点観測して密着、
そこに集う人々の営み・・・ホンネ、哀愁、夢や頑張り、明日へと向かう背中などが
とてもよく浮かび上がってくる番組。日々のリアルから、痛みと温かい感触とが交錯します。
この番組を、彼女の歌は、こんなふうに彩ります。

大人になってゆくほど 涙がよく出てしまうのは
1人で生きて行けるからだと信じて止まない

それでも淋しいのも知ってるから
あたたかい場所へ行こうよ

 川のせせらぎが聞こえる家を借りて耳をすまし
 その静けさや激しさを覚えてゆく
 歌は木に溶けてゆき そこだけ水色
 幸せを守るのではなく 分けてあげる


松崎ナオは登場当時よく雑誌などで「天才」と称されていました。
こうやって歌詞、とりわけサビ部分を見ていると、その由縁が何だか分かりすぎるほど分かり、
いたく納得してしまいます。
「ちょっと歌の歌詞書いてみて」と言われて、誰にでも書けるような発想や言葉選びでは
到底ないのでは?


慎ましくではありますが、彼女は今も現在進行形で活動を続けているようです。
数年前、あるバンドのライヴを観にいったとき、対バンで、本作にも参加している
ドブロクというバンドのメンバーとコラボして、物凄く陽気で楽しげな演奏を披露していました。
タガが外れたかのようにあけっぴろげで、大きな笑顔で伸び伸びと歌う彼女の姿を見て、
これまでの音楽とのギャップに驚くと同時に、音楽をやることが心から楽しいのだな、
健やかな魂でいまを生きているのだな、と、安堵する気持ちも起こってきました。
このところこうしたセミプロのライヴにめっきり足を運ばなくなってしまいましたが、
また久しぶりに足を運んだら、ひょっこり会えたりするのかもしれません。
そんな日が来たら、つま先から頭までどっぷりと、その歌声に浸ってみたいと思っています。

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FLiP:その2 XX emotion:「カッコカワイくて、元気が出るアルバム!がむしゃらに一生懸命いまを生きる全ての人へ」

かわいらしいヴィジュアルとは裏腹の骨太なロックを鳴らすガールズバンド、
FLiPフリップ)の2ndアルバム、「XX emotion」(ダブルエックス・エモーション)が
5月16日にリリース。発売はちょっと前ですが、今更レビューしてみます。

XX emotionXX emotion
(2012/05/16)
FLiP

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ジャケット右上の新しいバンド名ロゴや、ユウミ(Dr)の赤い髪も妖艶な本作、
通して聴いてみてまず感じたことは「いろんな曲調の曲が出てきた!」。
メジャーコードの曲、パーティーロック、HR/HM風のリフなどなど。
彼女達が現在行っているライヴのタイトルが「喜怒哀ROCK」だということで、
曲に詰まった感情も本当に色とりどり。
1stは、思春期の「不安でどうしようもない」フラストレーション的な激しい感情が
中心でしたが、そんな彼女達ももう20代半ばとなり、一つ恋愛をするにも感じることは
幾つも幾つも。そして恋愛だけでなく、女磨き、夢に燃える気持ち、がむしゃらに仕事
(=ライヴ、レコーディング、曲作り、練習等々・・・)に取り組む日常など、
ひとり(実際には4人ですが)の女性のあらゆる暮らし、あらゆる気持ちが描かれています。
海が見える高速をドライヴしながら昔を思い出す曲、#5「Everything is alright」の
爽やかさは出色。続く#6「YUKEMURI DJ」はいっそモー娘。みたいに吹っ切れてる(笑)。
あと、全体的にポップになって、邦楽ロック・ポップスらしくなってきた印象。
サチコ(Vo/Gt)はより歌がうまくなって、その上で肩の力がちょっと抜けて、
前作よりも聴きやすく、肩肘はらず楽しめる作品になりました。
バンドの公式HPでも、#1「CHERRY BOMB」のPVがアップされていて
本作が「ポップなアルバム」になったことが一目でわかります。
傍線部にリンクを張りましたので、「カッコカワイイ」PVを是非一聴あれ。

さて、1st発売後のライヴタイトルに「女子力UP」なんてフレーズがあったけれど、
現在、みんなの女子力のほどはいかが?

普段はこんな感じで、割と普通っぽいいまどきの女の子。
FLiP1

アルバムの宣材写真だとこんな風。サチコの髪型がまんまるになった。
FLiP2

そしてライヴだと、こう!あえて傾いているのがかえってインパクト。
FLiP3

・・・あんまり、変わらないかな??(笑)
でもブックレット中央に居る「女子の晩餐会」の光景は、なかなか雰囲気があります。

FLiPの楽曲のもうひとつの楽しみ所は、歌詞。
綴られている言葉そのものはもちろんですが、興味深いのは、ユウコ(Gt)VSサヤカ(Ba)の
いわば歌詞担当2ndポジション争い。
前作はサヤカの手がけたものが多くユウコは1曲のみだったのに対し、
本作ではユウコ4曲にサヤカ2曲と、ユウコが巻き返し。
地味にライバル関係の火花がバチバチしてるんじゃないかと
歌詞カードを見ているとちょっとヒヤヒヤしてきちゃいます。
サチコ・ユウコ・サヤカの作風の違いも印象的で、
一番まとまっていて(プロデューサーのいしわたり淳治氏の手を借りず作詞曲共に
手がけることも)強気だけど少し内省的で繊細な姿が見えるサチコ、
「純文学読んでる?椎名林檎とか好き?」というふうな古風でゴシックな匂いが
漂うのがサヤカ、ロック一筋の硬派なヴィジュアルとは裏腹に割と普通っぽい女の子が
浮かぶのがユウコ。
今回はいしわたり氏単独の詞はなく、3人の詞(とくにユウコ・サヤカ)にも
前作と比べると完成度や安定感がアップ。
演奏もどっしりしながらしなやかで、詞・曲・アレンジ・演奏と全ての面で
確実に4人がグレードアップしている
のをひしひしと感じます。
ちょっと感無量(笑)

前作での私の中のキラーチューンは「カザーナ」だったのに対し、
本作では#9でシングルカットもされている「ホシイモノハ」がお気に入り。

ホシイモノハホシイモノハ
(2011/12/07)
FLiP

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相変わらず頭に残るインパクトあるサビのフレーズに、サチコのしっとりした歌、
一途で色っぽいムード。公式HPでも視聴できるようになっているので、こちらも是非聴いてみて
いただきたいです。

Do you want,you want?
Do you want,you want?Do you want?
Do you want,you want?Tonight
Do you want,you want?
Do you want,you want?Do you want?
Do you want,you want?Tonight
あなただけに 欲しいもの 教えてあげる
Do you want,you want?
Do you want,you want?Do you want?
Do you want,you want?Tonight



アルバムのトリ、#13「GHOST BUSTER」にもどっこい奮闘する姿が歌われていますが
プロになって、音楽一筋の毎日の中で、あんな困難こんな困難にぶつかり、
怒ったり泣いたり笑ったりしながら、どんどん逞しく成長して、
がむしゃらに一生懸命いまを疾走している4人がとても眩しい
です。
元気が出るアルバム!自分も頑張ろうという気になること請け合い。
もっと沢山の人に聴いてもらいたい、知ってもらいたいバンドです。
これからも応援していくぞー!



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プロフィール

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Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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