2012-05

Latest Entries

web拍手 by FC2

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その6 EXPOSED「ロックで踊れるブンブン3部作の集大成!激しいビートの原動力は、世の中への違和感と怒り」

デビュー10周年と、いよいよベテランの域に達してきた
Boom Boom Satellitesブンブンサテライツ)。
節目の年にリリースした6thアルバム「EXPOSED」は、10周年記念アルバムの様相も
幾分呈する作品に。

EXPOSED(初回生産限定盤)(DVD付)EXPOSED(初回生産限定盤)(DVD付)
(2007/11/21)
ブンブンサテライツ

商品詳細を見る

私が購入したのは正にこの「初回生産限定版DVD付」でした。
DVDも「10th Anniversary Booklet」も豪華。過去の映像・写真から
中野雅之さんと川島道行さん、ブンブンの10年の歩みを振り返る、ある意味ベスト盤。
音源のベストが「19972007」だとしたら、映像や写真、ユニットの歩みのベストが本作と
いえそうな充実ぶりで、熱心なファンは持っておくべきでしょう。
「ユニットの歩み」は、今までの連載記事に書いた内容を、より簡潔に(笑)まとめた感じ。
本blogの引用等は、ネット上でインタビュー記事を拾ってそこから引っ張っているので
色々と冗長なのです・・・

しかしこのキャッチコピーはいただけない。

『考えるな、感じろ。 精神と身体が揺さぶられる
脳内革命のエッセンスが、42分間爆発し続ける!』


脳内革命って何?帯にでかでかとこの大仰なキャッチがあるもので、レジに持っていくのが
恥ずかしかった・・・・・・

ビジュアルもいつの間にかこんなんなってました。
Boom Boom Satellites EXPOSED
荘厳!前作の爽やかさはどこへ?B'zの画像でも見ている気になる(笑)
しかし、大仰なキャッチに大仰な画像は、やはり本作の作風をきちんと反映したものです。
それにしたって脳内革命とかホント止めてほしかった・・・

肝心の中身、アルバムは、紛う事なき傑作です。
4thから前作5thにかけて続く流れを継いで、更にそれを突き詰め、「3部作の集大成」と
いうべき位置づけにもあたる作品。
4thの「楽曲のカラフルさ」を削いだ5thから、今度は「サウンドのカラフルさ」を削いで
今までにないほどギターサウンドが前に出たロック・アルバムへ。
これ以上ないほどハイで、しかし「UMBRA」期とはまた違うどっしりした重みのある音楽。
全ての音が攻撃的で、ギターとシンセを中心に音が厚い層を成し、
絶対的な存在感と華を漂わせ、楽曲もこれでもかとばかりにアゲまくる。

10周年アニバーサリーに相応しい幕開けの#1、アガりまくりの超ハイテンションに熱くなる#5、
ガリガリと鳴るギターサウンドがウネウネに歪むまで突き上がる#8、神々しいインスト#9、
文字通り爆弾の如く暴発する#11、余韻が恋しくてついアルバムをリピートしてしまう#12。
時々本作は「ヘヴィ・ロック」の棚に並んでいたりしました、他のブンブン作品はテクノの棚に
あるのに。いよいよもって、カテゴリなどどうでも良い境地に達してきた節があります。
ブンブン本人達が壮年へと近づいていくのと裏腹に、ファン層はどんどん若くなるばかり。
ベテランならではの円熟と、若者を惹きつける扇情とが両立した、不思議な作品です。

リリース当時、ロックバンドが4つ打ちビートの曲をやってみたり、打ち込みサウンドを
フィーチャーしてみたりと「逆ブンブン」のようなバンドが巷に溢れていました。
彼らがダンス・ミュージックの要素を盛り込んだ文脈は「ENJOY」のため。
しかしある意味での彼らの先達・ブンブンは、その風潮にカウンターを打って出た格好です。
世の中への疑問、不満、怒り、違和感が原動力の激しいビート。
上記のような「個人の主張」をつまびらかにするために、そしてその主張を多くの人に
伝えるために選んだ、メロディや歌のクローズアップ。

同じように4つ打ち中心の曲が並び、ギターとシンセとが交じり合っていても
意味合いは真逆だなんて、ちょっと上っ面を聴いただけでは流石にわかりません。
何度か聴いて「この人たち何か怒ってるぞ」と感じはじめるまで。
あるいは歌詞カードを読んで「どうにも救いのない世界観が広がっているぞ」と気づくまで。

先行リリースとなったシングル曲#10「EASY ACTION」に描かれた行きずりの男。
「おれはただ気楽にいきたいだけ 螺旋を描いて真っ逆さま 制御不能で跳ね回る」
テクノの色合いが強く感じられる#3「MORNING AFTER」に登場する行き詰まったカップル。
「出口がどこにもない 何も感じない」
疾走感が冴えるナンバー#4「SHUT UP AND EXPLODE」の欲情に溺れた男。
「転落してすべてが崩れ去る おまえを知ってしまったことで堕落する おれ」
そして#6「INTERGALACTIC」では「銀河系での パーティーはもう終わりだ」。
実に、5thの#3「GIRL」での「パーティーをはじめた方がよさそうだ」というサビと
対をなすようなフレーズです。

本作でちょっと淋しいのが、前作までロック成分の少なくない割合を担っていたドラマー、
「第三のメンバー」こと平井直樹さんの活躍の場面が大幅に減ってしまっていること。
残りの部分は元SUPERCAR田沢公大さんが受け持ち、それまでの鋭利で繊細なドラムから
ドシリドシリと重く響くドラムへ。アルバムの方針ゆえか、それとも・・・?
因みにブンブンとSUPERCARは映画「ピンポン」のサントラ繋がり。
(SUPERCARは主題歌等を担当、ブンブンは「Scatterin’ Monkey」を劇中歌に提供)


当時のブンブンについて、私は個人的にもどかしい感情を抱いていました。
「中野さんは中田ヤスタカみたいに、やろうと思えばやれるんじゃないのか、
なのになぜやらないのか」

中田ヤスタカさんといえば、Perfume、鈴木亜美、MEG、自らのユニットcapsule、
そして最近ではきゃりーぱみゅぱみゅのプロデュース、映画「LIAR GAME」のサントラなど
八面六臂の大活躍。とりわけ00年代後半は、あの娘もこの娘もヤスタカプロデュースと、
飛ぶ鳥を落とす勢いで、毎日のようにその名を耳にするほどでした。
それなら、世界でその名を知らしめたブンブンサテライツの頭脳だって、同等かそれ以上の
活躍が出来るはずじゃないのだろうか?
ヤスタカプロデュースの音楽や女の子たちにいまいち共鳴できないのもあり、
「どうにかならないものだろうか」と、悶々とした思いをくすぶらせる日々が続きました。

でもある時「中野さんとヤスタカさんは、本質的にあまりにもかけ離れているんだ」
と気づき、「あぁ、中野さん(=ブンブン)はこれでいいんだ」と、ふっと納得がいき
以降は中野さんにこうした期待を抱くことはしないようになりました。
だってこの人は、世の中のあらゆる潮流にカウンターを打たないと気が済まない人。
自分の感受性に率直すぎて、ヤスタカさんのような必殺仕事人が務まるはずがない。
それになんと言っても、中野さんの作りたい音楽、したいことは、川島さんと共に
ブンブンサテライツをやり続けていくことのようだから。

ヤスタカさんをこき下ろしているわけでも、中野さんを見限ったわけでもありません。
真逆のものを同等のように扱って比較しようとしたのがそもそも間違っていたということ。

まわりに流されない、寧ろ疑ってかかるのがブンブンの在り方、やり方。
そんな彼らを他人と比べてしまった、私としたことが何たる愚か。
ブンブンをサウンドやイメージだけでなくそのスピリットまで応援しようと思うなら、
ファンにも相応の覚悟が要るのだなぁ、と気づかされた出来事でした。

さて次回ですが、本作の時期に彼らのライヴを観に行ったので、そのライヴレポをするか
ブンブンばかりぶっ続けすぎるので他のアーティストのCDレビュー、またはその他をします。


<おまけ:「EASY ACTION」が劇中歌となった映画「ベクシル」について>
「ベクシル-2077日本鎖国-」通常版 [DVD]「ベクシル-2077日本鎖国-」通常版 [DVD]
(2008/01/25)
谷原章介、黒木メイサ 他

商品詳細を見る

ブンブンにつられて観た映画2本目。(「ピンポン」は普通に映画を観たくて観た上に
SUPERCARのイメージが強い)
黒木メイサ!谷原章介!松雪泰子!あまりにも豪華すぎる声優陣。
気づかなかったか、忘れてました(笑)
そして先程公式サイトを見たら、何気に「ピンポン」の監督でした。
「3Dライブアニメ」と、またもや最先端の映像技法を駆使した作品。
流石に映像美は凄かったです。「APPLESEED」も凄かったけど。
「APPLESEED」は正直言ってよくわからないまま始まって終わってしまったのですが
(ジブリでもないアニメ映画を観るという行為自体に、まだまだかなりの抵抗があった)
この作品は話の流れもよく分かったし、登場人物に共感したり、ストーリーに感動したり
自然にできましたね。
スポンサーサイト

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その5 ON「アンセム連発!シンプルで爆発力のあるロック・ナンバーが詰まったキャッチーなアルバム」

前作が大きなターニングポイントとなったBoom Boom Satellitesブンブンサテライツ)。
引き続き積極的にライヴに出演してはオーディエンスから大反響が返って来て、
中野雅之さんと川島道行さんの二人は、前作から進めているロック路線を踏襲して
更にキャッチーかつタイトな楽曲を選りすぐり、新作アルバムを制作。
もっと多くの人と共有できて、もっと踊れる、一本芯の通った作品が完成しました。
その名も「ON」って、これ以上ないぐらいに簡潔!
ONON
(2006/05/17)
ブンブンサテライツ

商品詳細を見る

本作は何と、オリコンチャートで8位と、当時の自身最高リザルトを記録。
#3「Girl」がデスノートのイメージ曲に抜擢されるなど、華麗なタイアップでも話題になりました。

色違いでDVD付きの限定版もカッコイイ。期間限定発売ということで、現在は販売終了。
ON-limited edition-(DVD付)ON-limited edition-(DVD付)
(2006/11/22)
ブンブンサテライツ

商品詳細を見る


さて、このアルバムから、ブンブンの二人が雑誌などの宣材写真で、積極的に
顔出しをしていくようになります。今までもしなかったわけではないけれど。
「ON」の宣伝でよく見かけたのは、この写真。
Boom Boom Satellites ON宣材写真1
何となく二人とも顔つきが似てて、未だに区別がつきにくいことがあるんですが・・・
右側で大写しになっているのが川島さん、左側で全体が写っているのが中野さん。
Vo/Gtの川島さんをフィーチャーしていこうという姿勢がかなりはっきり出ています。

これもよく見ましたね。
Boom Boom Satellites ON宣材写真2
本作だったか次作だったかちょっと記憶が曖昧ですが、次作の頃ってもっと荒々しい
髪型や服装をしてたような記憶があるので、本作か?上の写真と同じ服装のように見えるし。
今までなぜこのような写真を紹介してこなかったのかというと、見つからなかったのではなく
あんまり絵にならなかったからです(笑)
でも本当に本作以降、「魅せる」意識の強い写真が沢山、宣伝などで登場するように
なっていきます。それに伴って二人も段々オシャレになっていくのが面白い。
初めからこんなに絵になる二人じゃなかった(デビュー時インタビューに載っていた二人は
その辺のぼんずかヲタみたいだった・・・)のが、ここまで格好良くなってなんだかびっくり。
そして心なしか、本作以降、段々女性ファンが増えていったのは気のせいでしょうか・・・?
単に聴く層が広がったというのもあるけれど、いずれにせよ功を奏したという結論で。


TVを付けていたら、ガム「キスミント」のCMでこんな歌を耳にしませんでしたか?

Well!Kick out the king of rock
Well!Kick out the band
Well!Kick out the king of night
Well!Kick out the night
Yeah!
Yeah!
Yeah!
Yeah!
Kick it Out
Kick it Out
Yeah!
Yeah!
Yeah!
Yeah!


バカな友人が「献血献血嫌ァ!」に聴こえると言っていましたが
「イェイイェイェイイェ、キキラウキキラウ」「キキキキキキキキキキキキアウッアウッルルルル」
って言ってるあれです。もう大分前のCMだから皆さんの記憶に薄いかもわかりませんが。
これがブンブンのアンセム第二弾、#1「Kick it Out」で、ガムのCMのほか
車のCM曲(次作でもみられる)、爆笑問題の番組やサッカー番組のOPテーマなど
現時点で合計4つと、最もタイアップがついた楽曲です。
前作の「Dive for You」と並ぶ、今でもライヴで欠かせない定番のナンバーでもあります。
この、非常にキャッチーで痛快なロックチューンが、アルバム収録曲で最初に生まれた曲で、
後は一気に「Kick it Out」のような分かり易くて破壊力のある楽曲を作り続ける。
こうして本作は、テンションの高い、シンプルでハイな楽曲が、止まることなくコンスタントに
繰り出される会心作
に仕上がりました。
初期のような、四六時中機材にかじりついてあーだこーだの制作方法はおしまい。
川島さんは歌詞を書く際、時間をかけないのをモットーに取り組んだのだとか。
簡潔な言葉で、響きが良くて、英詞を読んでいても楽しいくらいですが
なにより曲に乗せてシャウト混じりに歌った時、「格好良い」と感じられる流れになっているのが
素晴らしい。

「メナードジュピエル」という化粧品のCM曲になったこの曲も結構知られているのでは。

Take me anyway you want me baby
Take me I'm gonna drive you crazy
Take me anyway you want me baby
Baby
Baby
Baby
Anyway you want me baby
Take me I'm gonna drive you crazy
Anyway you want me baby
Baby
Baby
Baby
Baby…


#7の「Pill」という曲で、Bメロからサビにかけての部分です。
Aメロ前半は淡々と始まって、次第に変化が付いて、Bメロで一気に煽って
サビで更に畳みかけられる。
ご覧の通り、あからさまなSEXの歌で、ここまで包み隠さず押し倒している楽曲は初かも。
本作リリースから半年後、川島さんは女優の須藤理彩さんと結婚→第一子誕生で
しかも出来婚だったため、当時「こんな勢いで毎晩種を仕込みまくったのかぁ?」と
週刊誌レベルの邪推が頭をはびこったものでした。
楽曲もこれ以上ないと言うほどエロティック。歌を含む他の楽器がどんどん煽る横で
サビ部分、爆発したいのをこらえにこらえたようなギターが低空を渦巻き、
それがまぁ性欲の疼きにそっくりで。何度も聴きたくなる名曲です。

「Kick it Out」の「Well!」「Kick」「Yeah!」、「Pill」の「Take」「Baby」「Crazy」など
要所要所でピタリと決まるシャウトが最高。
かなり勢いのある、荒々しいヴォーカルに本作でも魅せられます。

そして、これまで紹介の機会を逃してきましたが、「第三のメンバー」との異名もある
デビュー時からずっとブンブンをサポートしてきたドラマー、平井直樹さんの活躍も
前作に引き続き聞き逃せません。ドラム好きなら「全アルバムで格好良い!」となるかも。
本作では#4「id」の叩きまくりが聴き所。もう、ロックしまくっています!
ダイナミックさに加え、打ち込みドラムに負けないくらい精緻なドラミングもおまかせ。
川島さんの歌声と平井さんのドラム、どちらも激しくて野性的だけどしっかり品があって、
前作と本作の「ロック」成分を増幅させる、欠かせない存在です。


本作はメロディがポップで、しかも歌もの要素が更に増しているので、
「ブンブンは安易な売れ線路線へとチェンジしてしまった」と、離れていった
コアなファンがいるかもしれません。違和感や抵抗を感じた人も少なくないはず。
かくいう私も戸惑った人間の一人で、本作でブンブン離れをしていった知人もいました。
中野さんは本作を制作するにあたって、1stで達成できたような理想や高評価、具体的には
「トータルな流れも楽曲のキャッチーさやビートの破壊力も含めて理想的なアルバム」
「1回スタートボタンを押したら最後まで自然と聴いてしまうアルバム」
の再現を
目標に掲げていたのですが、完成後の自己評価は「で、二度それを作れたかというと、
なかなかそうもいかなくて悔しいなと思ってた」と苦々しいもの。
「歌ものに対しての意識が変わってきていて」メロディアスな楽曲やサウンドが増えたのが
皮肉にも足を引っ張っているのではないか
と個人的には感じます。
「Pill」のようにメロディアスでも破壊力があるナンバーは良いけれど、楽曲に「ロック」が
足らず、「ポップ」「歌もの」の範疇を超えていないものが悪目立ちして聞こえたりして。
1stと同様に、少なめの音数で音選びのセンスを見せつける作り方がされているのですが
その「一つ一つの音」が1stのような攻撃性がなくて甘い、要するに「メロディアス」なため
キャッチーさは達成できても、ビートの破壊力という点で一歩及ばなかったのではないかと。
ゆえにキャッチーさが一人歩きした印象になって、今までのコアなファンに安物のイメージを
与えてしまったのではないのだろうかと思うのです。

しかし本作をきっかけにファン層が変わり、ブンブン自体の音楽観も変容したのを考えると
ある程度長く続けているユニットやバンドには必然の、進化、変化なのだと捉え、
それがブンブンにも訪れた事実を受け入れ、支持するかしないかは自身で判断するのが
賢明な態度なのかなぁという結論に至り、
私は「とりあえずこれはこれでよしとして、次作でファンを続けるか否かを決めよう」と
様子見のスタンスをとることにしました。


そうして、デビュー10周年記念作ともなる次作は、
個人的には「よし!まだ応援するぞ。判断を急がなくて良かった」と大きく頷けた作品。
4thから続く流れを更に加速した、踊れるのに凄みもある6thアルバムを、次回取りあげます。
ただ、今まであまりにもぶっ続け過ぎる流れなので、どこかで他の題材を挟むかも(笑)

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その4 FULL OF ELEVATING PLEASURES「メンバーも認める最高傑作!誇り高き覚醒」

今回の長期連載の前半戦ハイライトがやって参りました。
メンバー自らが「最高傑作」と言って憚らない、
Boom Boom Satellitesブンブンサテライツ)のベストワーク、
4thアルバム「FULL OF ELEVATING PLEASURES」のレビューです!

FULL OF ELEVATING PLEASURESFULL OF ELEVATING PLEASURES
(2005/03/24)
BOOM BOOM SATELLITES

商品詳細を見る

前作「PHOTON」から2年8ヶ月ぶりの、全米でもリリースされたアルバム。
この長い期間、ブンブンには従来の作風にドラスティックな変化をもたらすだけの
エポック・メーキングな出来事を経験したり、積極的にアクションを起こしていました。

「そろそろ、自らを変えていこう」と考えていた
ブンブンの二人、中野雅之さんと川島道行さんは、
まず、ロンドンのスタジオを引き払い、日本・東京に本拠地を戻して
地に足が付いた環境で制作に臨めるように。
海外を拠点にしたスリリングでハードな武者修行の体験は、結果的に二人の精神を強く鍛え、
同時に日本人というアイデンティティをはっきりさせるものでした。
次に、着実にライヴ・バンドとしての底力を海外で培っていた彼らは
曲目に、皆でハイになれるようなアッパーなナンバーを増やしていきました。
そこで得た、今までになかった好感触、観客との一体感が
自閉がちだった二人の、音楽に向かうスタンスを大きく揺さぶります。
そのなかで彼らは、あるプロジェクトを持ち掛けられます。
SFアニメ映画「アップルシード」の、メインテーマを含む音楽提供です。
この映画は、「フル3Dライブアニメ」という画期的かつ高度なテクノロジーを駆使して
制作されたアニメで、ブンブンは正にぴったり。
これまで後付けのタイアップは幾つか付いたことはありましたが、アニメスタッフと共に
物語の軸となるメインテーマを手がけるのは全く初めての経験。
今までの音楽性を保ちながらも、より多くの観客に届くような曲を作らないとなりません。
一年がかりで取り組んだ大プロジェクト。
そうして出来た主題歌「Dive For You」は、今に至るまでブンブンのアンセムの一つに。
初めは映画のサントラのみに収録されていた曲でしたが、大好評を博したため
痛快なビートとスピード感がやみつきになる名曲「Spine」と
ダブルA面扱いでシングルカット。両曲共に本作にも収録されました。
ライヴでお披露目してもやはり物凄い反応が観客から返ってきて、二人は心境を新たにします。
「音楽で自分を表現しながら、多くの人と繋がりたい」


冒頭からスケールの大きなアレンジ、扇情的な曲調、咆哮のような歌で始まるアルバム。
ブンブン本人達の心情だけでなく、楽曲、サウンド、そしてミキシング・マスタリングまでが
前のめりになっているかのようです。
今までが嘘みたいに、音にうっすらかかっていた歪みの霧が晴れ、
一つ一つの音像がはっきりくっきりと映ります。
1stで楽しめたような、リズムビートの快楽を取り戻しながら、
そこに明確な「主人公の意志」が加わって、ドラマティックな作品になりました。
描かれているのは主人公の覚醒の瞬間。歓び、開放感、驚き、躍動感、安堵。
聴いていると思わずハイになって、同時に心の中に熱く燃え上がるものを感じます。
聴き手も主人公と一緒になって覚醒していくというわけです。

テクノの枠は守りながら、限りなくロックに近い音とスピリッツが流れています。
力強い生ドラム、ゴリゴリと気持ち良く響き渡るベース、ギターのように暴れるシンセも
さることながら、本作を最もロックたらしめているのは川島さんのヴォーカル
これまでは、ラップしたり、囁いたり呻いたりといった「楽器のひとつ」下手したら
「ノイズのひとつ」のように登場していた「歌」が、本作ではセンターポジション。
歌ものという形態になったことが、より、テクノ→ロックへの変容を感じさせます。
その歌声はワイルドで男性としてはハイキー、激しいシャウトも頻出。
猛々しくも本質的に上品さを内包した声質は、打ち込みサウンドとの相性も良し。
本作以降、ブンブンの作品は歌ものがメインになり、川島さんのヴォーカルの役割は
どんどん比重を増していきます。
今までインスト的作品が多かったブンブンの、決定的なターニング・ポイントです。
川島さんのもうひとつの役割、リリックでも、中野さんのサウンドメイキングに
負けず劣らずの大仕事を果たしています。
中野さんが曲とサウンドで描くイメージを、川島さんがリリックと声で具現化します。
本作~次作頃が、川島さんの切れ味が最も鋭く冴え渡った時期だと思います。
そこを見抜いて、中野さんはあえて舵を大きく切って、川島さんを思い切り前へ
出していったのではないかと。
歌ものに持って行くことでキャッチーにするという狙いもあったのでしょうが。

中野さんは本作のもうひとつのテーマとして「母性」「包容感」を掲げました。
これまでの「武器みたいな音楽」をやめて。
ゴスペルの女性コーラスを複数の曲で導入したり、アコギを使ったり。
そしてゴールとして、#10で、神聖で厳粛なムード漂う、やわらかな楽曲を作り上げました。
そこに川島さんがリリックで、作品を貫徹する物語を描きます。
それは愛の物語。
#1「Rise and Fall」で「あがったりおちたりを繰り返しながら自分を保とうとしてきた、
いつでもそんなおれのためにそこにいてほしい」と愛を乞い、
終盤の#10「Anthem -reprise-」で「見つけたんだ やっと きみに」
「ぼくはいつでも きみの中にいるよ」と、愛の終着地への到達のカタルシスに包まれます。
この「愛」の相手は、主人公の恋人と捉えるのが一番わかりやすい理解の仕方ですが、
ブンブンの音楽を愛するファンや、見えざる神聖な存在に向けてともとれます。
「見えざる神聖な存在」としては#2「Let it All Come Down」が顕著で、
「さあ 来なさい すべてに身を任せて」と歌う女性ゴスペルコーラスが
「禁じられたやり方で解き放て 祝祭のあの日の熱を求めて」「むこう側へ突き抜けろ」
と自問自答する主人公を導いています。
また、終幕の#12「Stride」では、感涙にむせぶ主人公を天から祝福するように
「歩きつづけて 止まらないで」と、ここでも女性ゴスペルコーラスが呼びかけていたり。

全体的に前のめりで、覚醒や、抑制からの解放、愛を共有すること、
つまり現在を生きることへのエールや歓びが表現されている作品ですが、
単にハイでオープンマインドなアルバムにはなっていません。
それはブンブン二人の死生観から来るもの。
「死と生は隣り合わせで、だからこそ思い切り生きよう」という深い観念。
CMなどでお馴染みの#3「Moment I Count」はたまらなくスリリングな名曲ですが
そのスリルはどこから来るかというと「最後にむけての一瞬一瞬」。
そして、アンセムとなった#9「Dive For You」は、勿論映画の世界観や
SFアニメーション映画の主題歌という位置づけも影響しているのでしょうが
「きみのためにダイヴしよう」「さあ 愛しい人よ 来世で会おう」と高らかに歌われ
愛しい人のために主人公は命を落とす用意をしているわけです。
「おれでいさせてくれ おれがおれたる所以
今がおれの時 いちどきりの今 この時」

このフレーズに、ブンブンならではの「生きる意味」が集約されているように感じられます。
彼らが音楽を奏でつづける意味も。

#1で「おれがここにいる理由なんてないんだ」と、前作までの二人の姿のように
自らを凝視し、自信喪失に陥り、「自分探し」をしている途中の主人公。
曲が進むにつれて、いちどきりの今この時をおれらしく思い切り生きていこう、
きみのために思い切り生きていこう、おれはきみのためにここにいるんだ、と
少しずつ、はっきりと、答えが見つかっていきます。
物語を読む私たちは、その姿に共感を覚えたり、自分自身の姿に照らし合わせてみたり
勇気づけられたりといった感情移入を、無理なくすることができます。

言葉のチカラとサウンドのチカラが合わさって、身体だけでなく心までもが動く。
熱く燃えたぎる魂の奥に、誇り高き信念が宿っているのを目の当たりにする。
本気でつくられた作品に本気で向かい合う。
ブンブン二人のストイックな情熱が詰まった、非常にブンブンらしい作品であると同時に
リスナーも最も、音楽を通して、彼らと繋がれる作品になっているのではないでしょうか。

発売からもう10年弱が経過していますが、私が本作に今でも惹かれるのは
きっとそれ故。


本作で開拓した新機軸を、次作では更に推し進めて、
もっとキャッチーでダイレクトな作品が出来上がります。
そして新たなアンセムが!
「この曲聴いたことがある」がきっと最も多い、次作のレビューもお楽しみに!

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その3 PHOTON「絶望を極めた末に行き着いた静寂。あてどない渇きの向こうには、確変前夜の煌めきが」

2001年9月11日、アメリカで起こった悲劇的なテロを皮切りに
Boom Boom Satellitesブンブンサテライツ)の二人が懸念していた
世界情勢への不安が、現実のものとなってしまいました。
イギリスで二人ぽつねんと孤立した生活を送っていた中野雅之さんと川島道行さんですが
対岸の火事とはいえ、感受性の鋭敏な(とりわけこの時期は)二人ですから
その衝撃はいかほどか。

3rdアルバム「PHOTON」には、前作に詰まっていた「怒り、混乱、嘆き」は直接的には
描かれず、かわりに、それらを突き抜けた「虚無」という静の世界が展開されています。
ジャズを大きく取り入れたのもあって、ある種の心地良さを感じられるのですが
根底にあるのは絶望とその果ての闇。
よく「好きの反対は無関心」なんて言いますが
この場合は「怒りの反対は無感覚」とでも言うべきか。

その内容の少なくない部分は、アルバム・ジャケットに結実されています。

PHOTONPHOTON
(2002/07/24)
BOOM BOOM SATELLITES

商品詳細を見る

見事なジャケなので、普段より大きく表示しています(笑)。
このジャケは、「機動戦士ガンダム」や「風の谷のナウシカ」の美術監督にして
日本アニメーション界の巨匠、今は亡き中村光毅氏の描き下ろしなんです。
宇宙船が惑星を目指す姿。月に着陸して、地球への帰還を目論んでいるように見えますが
舞台は月と地球とは限らない、光っている星が太陽とも限らない。
それに、仮に地球に行くとして、機体の目指す向きが微妙にズレているような気もする。
答えのない謎掛けのされたイラストレーションですね。
そして、宇宙船が今立っている不毛の地から、目指す惑星までは、あまりに遠い。
惑星を背後から照らす恒星のまばゆい輝きを自らも享受するけれど、周りには誰もいない。
宇宙空間の静けさに耳を澄ませながら、気が遠くなるほどの寂寞と孤独に苛まれる、遙かな旅。

本作も前作に引き続き、答えのない問いをリスナーに投げかけるアルバムです。
「起」「承」が延々と繰り返され、「転」「結」へと一切転がらないまま終わってしまいます。
答えを一瞬出したかと思ったら、また消しゴムで全部消してしまい、空欄の解答部分と
とりとめのない落書きだらけのテスト用紙を提出されたような。
そしてジャケのイラストがなくても、イメージできる光景は、やはり宇宙空間
静かで、荒涼としていて、吸い込まれるような暗黒があって、少しの光があって。
「ポッポッ」と記号的に鳴り響く電子音が余計、宇宙空間やスペースコロニーを
想起させます。
ジャケの制作というのは、作品より普通は後ですが、稀に同時か前に制作するケースも
あるそうで(例えば、YESの「リレイヤー」は、アルバムタイトルを画家に伝えただけで
ジャケが出来てきた)、何せ描いた方が超大物なので後者か?と勘ぐったのですが
どちらにしてもアルバムの内容にフィットしすぎ。
超一流の仕事は違うというやつでしょうか。

タイトル「PHOTON(フォトン)」とは「光子」「光の粒子」などといった意味。
曲によっては相変わらずピリピリとした緊張感を露わにしていますが、基本的に本作は
そういった緊張感や、今まで真っ直ぐに突きつけていた怒り、混乱、嘆きといった鋭利な感情を
光の粒子で包んで、やわらかに包容している作品のように感じます。
不協和音がもたらす不快なインパクトで激しく攻めてきた前作とは違い、本作は
うっとりするような冷ややかな静寂、密に調和したひとかたまりの音の流れ、
囁くような(歌)声。
だけど、それでいて包んではくれなくて、いつも突き放している印象もやはりあって、
例えば#2「LIGHT MY FIRE」は、あどけなさを孕む女性ヴォーカルが大変映える曲なんですが
「あっちへ行って」「わたしたちは絶対にひとつにはなれないの」「やってみなさいよ さあ!」
と、心を閉ざし、男に対し容赦ない言葉ではっきりと「拒否」を突きつけています。
男のほうはどんな様子かというと、「かつては愛があったが、今では失われてしまった」心情を
描いた#6「40-FORTY」のように、孤独で打ちひしがれ、ギリギリの所まで追い詰められている
心の渇きや悲鳴が抑制された言葉で描かれ、そのタッチはハードボイルド小説を思わせます。
渇ききって弱り果てた男の姿は正しく当時のブンブンの二人そのもの。
二人はこんなに精神的に追い詰められた状況にあったのだなぁと、壮絶さに身震いが出ます。

このアルバムが憤怒や混沌を超え、祈りや悟りの境地まで飛んでいってしまった要因は、
世界情勢へのショックに加え、当時ブンブンの二人が通っていた
「インド人が多く集まるレイヴのパーティー」の影響もあったのではないかと推察できます。
きっとそこでは密教的な、少なくともロンドンでのお祭り騒ぎに比べて遙かに内省的な
音楽体験ができたはずだから。
外側の喧噪にもう我慢がならなくて、瞑想のようにひたすら内側に向かい続けてみたら
感情の果ての果て、世界の果ての果て、宇宙空間まで出てしまったような。
遠く、遠く。
ロンドンでは、音楽で生計を立てたいアマチュアが日本とは比較にならない数、存在して
だから貪欲さも日本のそれとは全く違い、「コマーシャルなものを作る」「本当に好きな
ものは別のところへ取っておく」という発言が多くみられ、二人はそんな同業者達にも
強い違和感を覚えたのだそう。
もはや攻撃する気力もなく、出来るのはただただ祈り、自らの内面を凝視するのみ。
しかしながら、僧侶の修行さながら、ここまでして自分を追い詰め(られ)たからこそ
こんな美しい作品が生まれ落ちたのか
と考えると、少々複雑です。

本作では同じフレーズが違う曲で登場し(最たる例が「stay away」)
音のタッチと相まって、アルバムを徹底的にひとつの世界で貫徹しようという狙いが
よく見えます。時計の針のように規則的で繊細なリズムも手伝って、
この「一体感」「反復性」が、聴いていて不思議な快感をもたらします。


実は私、本作が初めて聴いたブンブンの作品でした(音楽通の知人に勧めてもらった)。
だけど「暗いアルバム、アーティスト」といった感想は当時全然湧かなくて。
明るくもないけれど、「UMBRA~PHOTONの暗黒期」と称するような「暗さの極み」とも
感じられず。ブンブンの他作品と比較して内向的だというのはあると思うんですけど。
普段は外に向かっているエネルギーのベクトルが、全部内に向かっている音楽だという。
なにせ本作が±0の状態で、他の作品へと進んでいったのだから。

前作~本作くらいのブンブンには「孤高の格好良さ」があって、そこに惹かれます。
だって、世界のどこを見渡してもこんな内向的でシリアスなダンス・ミュージックなんてない。
重たい音を集めてみました、センスあるでしょ、と言いたがるアーティストはいるけれど、
よりにもよって自己探求のプロセスを音にするなんて。ましてテクノでそれをやるなんて。
そうして、誰が何と言おうとも、頑固にここまでオリジナルな作品作りをやり抜いたなんて。

内面をひたすら凝視したシリアスな音源制作と並行して、ライヴ活動も精力的に行って
ライヴバンド」としての力を虎視眈々とつけていた時期でもありました。
私は、本作は次作4thへの布石、あるいは伏線だと見ています。
次作で顕著になる「包容感」「母性」への希求、#7「BLINK」のような、暗闇から一歩出た
躍動感をはらんだ曲の出現など。
確変一歩手前。
そんなすれすれの時期に、いつでも一番ワクワクします。

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その2 UMBRA「ダンス・ミュージックのアンチテーゼを鳴らすダンス・ミュージック。怒り嘆くテクノ、シリアスなビート」

ヨーロッパを中心に、テクノ、その中のジャンルで括ると「ビッグ・ビート」にあたる
驚異的な新人として、シングル~1stアルバムで高評価をほしいままにしてきた
Boom Boom Satellitesブンブンサテライツ)。
しかし、2ndアルバム「UMBRA」は、1stの方向性から大きく逸れ、いやそれどころか
当時のテクノ、ダンス・ミュージックの潮流からも著しく逸脱した問題作。
これまで日本のレーベル以上にブンブンの音楽に理解を示してきた海外レーベルが
「これは重すぎる」と引いてしまったほど。
テクノ界のエリート天才児から転落、一気に問題児扱いへ。
どうした?ブンブン!?

UMBRAUMBRA
(2001/02/07)
BOOM BOOM SATELLITES、Michiyuki Kawashima 他

商品詳細を見る

実を言うと、ブンブンの二人、中野雅之さんと川島道行さん、とりわけ中野さんは
かなりのひねくれ者で頑固者、そして強い感受性ゆえに深く考え込んでしまう性質。
ヨーロッパでのシングルデビューの際には既に、レコード会社が売るために嵌め込んだ
当時のテクノの流行潮流「ブレイク・ビート」「ビッグ・ビート」に
カウンターを当てる」曲としてシングル曲を拵えたというのだから、
ひねくれ度合いと度胸は折り紙つき。
中野さんは当時を振り返り、「反抗期の子どもみたいだった」と述懐していました。
「悪態ついてる子どもほど、実は愛されたかったりする」「自虐的だった」
3rdまでのブンブンは音楽シーンにおいて、そんな振る舞いをしてきたのだとも。

1stアルバム制作時に日本とヨーロッパを行ったり来たりの生活だったこともあって、
ブンブンの二人は活動拠点をロンドンに移し、移住。
そこで「ガイジン」として過ごして、二人には沢山のものが見えてきて
とりわけ強く感じられたのが「違和感」「反発」でした。
イギリスで「ガイジン」として暮らすことは、日本で同様に暮らすのとは段違いに
辛いこと、厳しいことの連続で、第一段階としてそこで二人が多感になりました。
また、音楽が労働者階級の救いだった一昔前と違い、当時のイギリスは空前の好景気、
ダンス・ミュージックの世界でもお祭り騒ぎのような音楽で溢れかえっていました。
中身のないお祭り騒ぎムードにまず違和感を抱き、次に、好景気で人々が満たされたのか
観察してみると、そんなことはなくて、二人の中には危機感が芽生えていきました。
本作制作時はまだ9.11テロは起こっておらず、戦争もひと段落した平和な時期でしたが
「これで大丈夫なのかな?」という警戒感を抱き、中野さん曰く
政治的って言ったら大袈裟だけど、思想的なものが色濃く出てくるようになって
1stとはまるで様変わりした、混沌・怒り・嘆きを鳴らすダンス・ミュージックが
生まれました。

しかし、1stから聴いてきたリスナーや、レコード会社の期待を裏切ったり、迷惑をかけて
しまう結果になったために、中野さんは自責の念に囚われ、ベストアルバム制作のために
本作を聴き直すまで、長らく「辛くて聴けない」作品になっていました。
年月を経て聴き直してみると「その場で鳴ってる音に対してものすごく楽しみながら作ってた
との再評価に至り、ベストにも沢山の曲が収録されています。


アルバムを再生するなり、1曲目からずっしり重い、号砲のようなベースが響き渡り、
1stとは空気がガラリと変わったことが瞬時に感じ取れます。
ただ事じゃない切羽詰まったムードが全体に漂い、他人事ながら心配になってきてしまいます。
もはや1stにあったような客観性や遊びといった余裕、三人称の目線はなく、
ひりついて殺伐とした世界の当事者として、サウンドは激しく荒ぶります。
1stに比べて一つ一つの音の押しが強く、とりわけリズムセクションはしばしば
轟音のよう。ギターやヴォーカルもかなり歪められ、退廃的な世界観と併せて
グランジを彷彿とさせます。こんな荒技がテクノ~ダンス・ミュージックの手法で
繰り広げられているのです。
対照的に、相変わらず冷めた視点として、シンセサイザーによる浮遊感のある電子音が
多くの曲で漂っており、1stの頃から根本は変わっていないことも覗えます。

跳ね回る激しいリズムセクションは、踊り出したい衝動を誘うも、あまりにシリアスな
ムードから、「ノってもいいのかな?」「踊ったら場違いじゃないか?」と逡巡が生まれそう。
ラッパーのChuck D氏をフィーチャーした「Your Reality's a Fantasy But Your
Fantasy Is Killing Me
」(長っ)にそれが顕著で、大変躍動感のあるラップとリズムに
重たいテーマ、何かを引きずるような曲調がのしかかり、踊りたいけど踊れない。
「ノりたいけどノれない」曲調、「届きたいけど届かない」テーマの歌詞が積み重なり、
当時のブンブンが抱えていたフラストレーションが刻み込まれています。
呪術的な展開も目立ちます。同じフレーズを行ったり来たり。
曲の求心力を引き出すと同時に、自らの混乱や不安をなだめるような呪文にも聞こえます。

歪んで、潰れた音、踊りたいけど踊れないビート、辛辣なテーマ、漂う不安や混乱、
その奥底に流れている激しい怒り。
およそテクノ~ダンス・ミュージックのジャンルや手法の音楽とは思えない本作は、
寧ろグランジやヘヴィ・ロックを普段から聴いている人に勧めると、すんなりとハマりそう。
正直、聴いていて楽しくなったり心地良くなれたりはしませんが、
愚直なまでに自身(と世界)に向き合う姿勢や、人間の喜怒哀楽全ての感情をテクノ~
ダンス・ミュージックで表現してしまう手腕は、全ての作品に貫徹しているものながら
素晴らしいし、凄いです。

大概のダンス・ミュージックは喜怒哀楽の「喜」と「楽」に特化し、「怒」や「哀」は
殆ど取りあげず、自分の中にも周りにもないかのように狂喜乱舞しがちなものだから。
ブンブンがやりたいことは、ジャンルのセオリーに則ったヒット曲を量産するのではなく
ジャンルに囚われず、音楽を通して、自身の、世界の、人間の、真を追求すること。

頑固者な上に哲学者のようですが、それがブンブン。
だからこそ共感したり、応援したくなったりする魅力があると思うのです。


次回は「ダークなブンブン」前後編の後編といえるような作品。
音楽もさることながら、思わずジャケ買いをしたくなる、
あの大物が手がけたクールなジャケット写真にも注目!の一枚です。

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

Boom Boom Satellites:その1 OUT LOUD 「ヨーロッパのテクノ界に舞い降りた、東洋よりの若き天才。冷めた眼差しと、抑圧的な美しさ」

久しぶりの音楽連載記事は、初めての「ビッグ・ビート」「テクノ(・ロック)」ユニット。
今年でデビュー15周年を迎えるBoom Boom Satellitesブンブンサテライツ)を
1stアルバムから追っていきます。

ブンブンサテライツ、通称「ブンブン」「ブンサテ」「BBS」は
ベース・プログラミング担当で作曲・編曲を一手に担う、マルチプレイヤーの中野雅之さんと
ヴォーカル・ギター・作詞担当で、ユニット名の名付け親でもある川島道行さんの2人組ユニット。
ここ数年ではロック・バンドにかなり近いアプローチで、ロック・フェスでもお馴染み。
しかし元々の音楽性は上述したとおり、「ビッグ・ビート」「テクノ」に分類され、
初期の作品ほど打ち込みの要素が目立ちます。
ところで「ビッグ・ビート」って何だろう?

ビッグ・ビート(Big Beat)は、音楽のジャンルの一種で、テクノの細分類の一つである。
バンドサウンド重視の音作り・サンプリングによるループを多用した
ブレイクビーツ
が特徴である。
1990年代中盤に、イギリスの音楽雑誌がケミカル・ブラザーズの作る、
テクノとロックを融合したような音楽を、この言葉で評したのが
ビッグ・ビートというジャンルが出来たきっかけであるとされる。

(Wikipediaより)


Wikipediaによると、このカテゴリには他に、邦楽ではTMNや小室哲哉さんプロデュースもの、
洋楽ではケミカル・ブラザーズプロディジーファットボーイ・スリムなどが
該当するのだとか。(ケミカル・ブラザーズは「デジロック」とも言われていた)

そうして、ブンブンの作る音楽は、ヨーロッパから火がついての日本デビューと、
いわば逆輸入。1997年、ベルギーのレコード会社からのシングルデビュー時、
ヨーロッパの音楽雑誌をして「ケミカル・ブラザーズ、プロディジー以来の衝撃」と
報じさせるほどの衝撃を与えます。
ブンブンは登場した瞬間から、先達を超えてしまったと評されたわけです。
海外アーティストの間でも話題となり、ガービッジをはじめとする多くのアーティストから
リミックス依頼を受けます。
日本ではミニアルバム(シングルともされる)「JOYRIDE」で登場し、
翌98年に1stアルバム「OUT LOUD」を日本とアメリカでリリース。
アルバムを作りながらも、2ヶ月に1回はヨーロッパに行くほどのハードスケジュールで、
制作期間中に5本の海外フェスにも出場と、アルバム・デビュー前の新人としては
異例の注目を浴びていました。
日本でアルバムのインタビューを受けたかと思うと、すぐにまたイギリスでツアー。
今のブンブンしか知らない層には信じてもらえなさそうな程、当時のブンブンは
ワールドワイドな名声と期待の渦中にいたのです。

OUT LOUDOUT LOUD
(1998/10/31)
BOOM BOOM SATELLITES、Masayuki Nakano 他

商品詳細を見る

「OUT LOUD」の音や曲は、以後のブンブンの作品とは決定的に一線を画しているように
感じられます。ベストアルバムでも、本作の曲だけ浮いているような印象を受けます。
ブンブン自体が辿っていたキャリアの通り、純真で挫折知らずの天才児が、何の屈託もなく
やりたい放題やって、それで認められて、自信満々で音と戯れているかのようです。
近年とは大分音の感触が違って、ロックの要素はそんなになくて、テクノの色が前面に出て
無機質ながらも洗練された音世界が広がります。ジャズの要素も効果的に含まれています。
そして最大の違いは、殆どの曲がインストであること。ヴォーカルが入っている曲は2曲のみ。
初期のアルバム、とりわけ本作は、川島さんの居る意義が薄いように感じられ、
「何で中野さん単独でやらないんだろう?」と思ってしまうほどでした。

本作のインタビューで中野さんは「やりたいことってまだまだいっぱいある」
「今だったらやろうと思えば全部できちゃう」
「自分達のテンション的にはそれくらいいい状態」

と、ブンブン、あるいは中野さん自身のモチベーションが正に今、ピークに達していることを
言葉にしているのですが、それも頷けるような、迷いのなさでアルバムが貫かれています。
これは本作以後では絶対にあり得ないもので、次作以後は常に迷いや葛藤と闘った末に
音楽を世に出しているといった趣旨の発言と、それが分かるような音楽が展開されるので
本作以降の作品でブンブンを知った人が本作を聴くと、かなり面食らうはずです。
「あれっ中野さん、いつもの苦悩はどこ行った?」って。


海外に先達が居るのに、なぜ異国の新人・ブンブンの音楽が
当時これほどまでに受け入れられたのか?
そこを考えると、本作と当時のブンブンの魅力がはっきりします。
ある分野において、何かがセンセーショナルだと騒がれるとき、その「何か」は
必ず、「その分野に今までなかったもの」を持っているはず。
先達になくて当時のブンブンにあったものは?

最初に紹介した「ビッグ・ビート」の先達、ケミカル・ブラザーズやプロディジー、
ファットボーイ・スリムを聴いたとき、「テクノだけどロックだ」「突飛だ」
「強烈だ」「強引だ」「ガンガン攻めてくる」「タテノリだ」といった印象を抱きました。
しかしブンブンは、タテともヨコともつかない、ひねり、うねりのようなノリがあります。
また、色々な音色を盛り込みながらも、どこかでその音楽を俯瞰して見ているかのような
冷静さがいつも漂っていて、音楽の主体に自身はいません。あくまで拵えているだけ。
冷めた目つきで全体を見渡して、あるべきところに正確に音を配置しているかのよう。
そしてどこか慎ましいのです。人の領域に無理に攻め入ったりしない、提示に留める。
だから涼しげな風のようにさりげなく、心地良く、気持ち良く、楽しむことができる。
狙い澄ませて組み立てられた躍動感は、したたかさすら感じられます。

安易な発想かもわかりませんが、「日本文化への憧憬」めいたものもあったように思います。
ブンブンは日本語で歌ったり古典芸能の楽器を用いたりしているわけでは決してないけれど
とりわけ本作は、簡素で無駄がなく、抑制的な美しさが漂っており、控えめで慎ましく、
少ない音数で、センスのある一音一音を引き立たせ、それによって更に
音のセレクトの巧みさが際立っています。

ブンブンのトレードマークともいえる「厳しさ、緊張感」もこの頃から漲っています。
こういった特性は、日本古来の(かつ外国人がイメージしやすい)文化、禅や俳句などに
幾分通ずるように思われます。
「東洋文化の中から創り出され、しかも西洋のフォーマットに則った音楽」として
ヨーロッパやアメリカのリスナーにとって、非常にユニークに感じられた可能性はあるでしょう。

異国から突如舞い降りた若き刺客。これまでのシーンになかった冷めた眼差し。異端の天才。
常に新しい刺激を待っているヨーロッパやアメリカのテクノ界のリスナーにとって、
こんなに「新種の刺激」だらけのユニット、音楽は、興味を引かれずにはいられなかった。
当時のブンブンに寄せられた熱い視線の理由を、私はこのように推測します。

勿論、私達日本のリスナーが聴いても、聴き入ったり驚いたりせずにはいられない音楽である
ことには変わりありません。
全曲、完成度が高くて、全ての音がそこに収まるべくして収まったかのような、
正解を知り尽くして組み立てたような楽曲、サウンド。

聴けば聴くほど「こりゃ、とんでもない才能だ」と、そら恐ろしくなってきます。


「天才・中野」の才能ひとつで持って行ったような、ここまでのブンブン。
中野さんの才能のピークは、悪く言うとこの地点だったのかもしれません。
次作からは、順風満帆を地でいくブンブンのキャリアに影が差し込み、
二人は試練と内省の季節へと突入していきます。
だけど実はその悶々が、今まで誰も見たことがない音楽を創り出したりします。
何もかもががらりと様変わりする、2ndアルバムに次回、迫ってみたいと思います。

テーマ:CDレビュー - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

洋楽に出逢った3つの瞬間 -はじめのイエスタデイ・ワンス・モア、慟哭のヘイ・ジュード、決定打のブラッド・シュガー・セックス・マジック-

世の多くの人と同じかは分かりませんが、私の実家は洋楽とは縁遠い家庭。
TVで音楽番組を観るときは普通の邦楽の番組、父は演歌が十八番。
しかしその家で育った子どもは二人とも、洋楽を聴くようになっていきます。
弟はジャズやクラシック、そして私はロックなど。
弟は吹奏楽部を長く続けていたので必然的ですが、私は運動部なのでまるで関連がない。
「そういえば、いつ洋楽と出逢ったっけ?」少しだけ昔を振り返ってみることにします。
いつもとは全く意匠を変えて、今回は珍しくエッセイ~自伝型式でお送りします。


①はじめのイエスタデイ・ワンス・モア

かつて、木彫り職人を生業としていた父は、高校を通信制で4年がかりで卒業したために
強い学歴コンプレックスがあり、それを私に託すべく、私は幼い頃から英語の勉強を
させられました。おかげで未だに、「さ」行の発音が全部thになります(苦笑)。

そんな風にして月日が流れ、私は中学生になっていました。
NHKのラジオ英語教室のテキストを買い与えられ、ラジオを聴きながらレッスンするのが
ほぼ日課でした。
あるときから、その講座で「今月の1曲("今週"か?)」というコーナーが始まりました。
スタンダードな英語の曲の英詞と日本語訳、少しそのアーティストについてのこぼれ話が
掲載されていたり、講師やゲストの方が語っていたように記憶しています。
邦楽一本槍で生まれ育った私は、ここで初めて「英語の歌」を聴いたのです。

カーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」。
サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」。
ビートルズの「イエスタデイ」。クイーンの「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」。
普段聞き慣れている邦楽とは、言葉だけでなくサウンドも空気も、何もかもが違う世界。
何だかとても大人びて感じられました。
喧噪のようなサウンドや世界観の、当時のメジャーな邦楽にどっぷり浸かっている中で
静寂、間、詩情、繊細さ(初め3つ)、圧倒的な歌唱力や演奏力(クイーン)に
私はレッスンの合間、しばしそれらのスタンダードに耳を澄ませました。
「シャラララ」「シンガリンガリン」「この部分で、いつも泣きそうになってしまう」
イエスタデイ・ワンス・モア」の歌詞はとても具体的に、音楽への愛が描かれていて
当時も印象に残りました。なぜなら、私もそんなふうに音楽が好きだったから。
カレンの低く心地良い声と、テキストで触れられていた彼女の悲痛な最期も。

しかし当時、洋楽が私の脳みそにおける「世界の中心」になることはありませんでした。
部屋には相川七瀬と黒夢のポスターを貼っていて、黒夢とシャ乱Qのコピーバンドをやって
他にはB'zやglobeなども好きでした。とにかくロックなもの、勢いがあって刺激的なものを
求めていました。それに、部活動や、高校の受験勉強なども控えていました。
だから英語のレッスンで聴いたスタンダード曲は、レッスンが終わると
記憶の脇の方に除けられ、再び振り返るまでにはしばしの期間を必要としました。


②慟哭のヘイ・ジュード

高校生になり、通販で安物のギターを買って、コードを覚えようとしたり、簡単な作曲に
取り組む傍ら、遠距離通学の合間を縫って今度は大学受験の勉強に励む日々。
Thee Michelle Gun Elephant、Blankey Jet City、椎名林檎、Coccoなどに心酔し、
彼らがインタビューや歌詞などを通して洋楽アーティストからの影響を示唆していたことで
「そろそろ洋楽も聴いてみてはどうだろう」と思い立ちました。

当時話題になっていた、洋楽のコンピレーション「NOW」シリーズをレンタルしてみたり、
これまた当時話題だった、ビートルズのナンバー1ヒットを集めた「1」を聴いてみたり。
私は「洋楽はじめの一歩」を着実に踏み出しました。
当時流行っていたリッキー・マーティンの曲、安室ちゃんもファンだというローリン・ヒルの曲、
レニー・クラヴィッツの「アメリカン・ウーマン」(カバー)、ブラーの「ソング2」などなど
この頃はまだまだジャンルなんて分かりませんから、面白いと感じたらそのまま楽しむだけ。
その姿勢は基本今も変わりませんが、変な蘊蓄に縛られなかったこの頃が一番気楽だったかも。

ビートルズの「イエスタデイ」以外の名曲も沢山知りました。ポールの曲、ジョンの曲。
ジョージやリンゴの魅力に気づくのはもっともっと後の話になります。
なかでも当時最も心を掴まれたのは「ヘイ・ジュード」でした。
ジョンとヨーコの物語はあの頃既に知っていましたが、「じゃあ、残された奥さんや子どもは
どうなったのだろう?」という疑問がずっと胸中にありました。その謎を解いたのがこの曲。
父親を「なくして」しょげているジュリアン(=ジュード)に寄せて、ポールが書いた励ましの
暖かく力強いメッセージ。
「レット・イット・ビー」などもそうですが、ポールの曲は、背景を知ったらあまりに切なくて
胸が痛む、背景も楽曲の一部のような「名曲」が多いように感じます。
楽曲と一緒に当時のエピソードをCD付属の冊子で読んで、想像してみたら、涙が溢れました。
これが、洋楽を聴いて涙を流した、私の最初の出来事となります。
カーペンターズも、「イエスタデイ~」だけでなく、「トップ・オブ・ザ・ワールド」など
多くの名曲があることをこの時期に知りました。「トップ・オブ~」も大好きな曲です。

この頃になると、夜、食事が終わって父が木彫りの仕事場に行っている間や、休日の昼間に
母がFMラジオをBGMにかけていることが多くなりました。
そうすると様々な洋楽や邦楽を偶然、耳にする機会が多くなります。
自分の部屋で受験勉強やら作詞作曲やら読書やらしていても、AMラジオから色々流れてきます。
「あの曲の正体は何だ?!」忘れられない声、リフ、メロディーが、頭の中のHDDに
次々と蓄積し、謎解きと「問題のブツ」の入手は、ごく一部が高校時代、そして残りの多くは
大学に入ってからに引き継がれることになりました。
ノー・ダウトの「ドント・スピーク」、レネ・マーリンの「Unforgivable Sinner」、他数多。
お陰で、高校時代に買ったり借りたりしたCDは、マニアックなものばかり。
大学でようやく「コレ知ってるよ」と言ってもらえるようになるのを
待たねばなりませんでした・・・


③決定打のブラッド・シュガー・セックス・マジック

決死(?)の受験勉強の成果が出て、志望校に合格、念願の一人暮らしと
大学生活が始まります。そこで、高校時代に決心がつかなかったある「夢」に
いよいよもってチャレンジすることを決意します。その「夢」とはズバリ、
「音楽サークルに入部して、バンドをやる」こと!
「んな大げさな」と笑われそうですが、当時はこれで精一杯だったんです!

大学にはどうやら3つくらいの音楽サークルがある様子。そこで見学に行きました。
2つまで見た後、最後に某サークルの新歓ライヴに足を運んだのですが、
これが現在まで続く運命の出逢いになろうとは・・・
サークル内でも実力派と名高いメンバー達(入部してから知りました)による
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」。
「魂を撃ち抜かれる」とは恐らくああいう瞬間のことを言うのでしょう。
瞬時に演奏と曲に惚れ込み、このサークルに入部する決心が固まりました。
因みにヴォーカルの人がハイトーンヴォイスだった為、後に本物のレッチリの同曲を聴いた時
「あれ?声低いじゃん?」と、違和感に加えて物足りなさまで覚えたのも事実です(笑)。
すぐに慣れて、未だにレッチリお気に入りナンバーの上位にランクするほどハマりましたが。
あ、勿論、先輩方の親身な対応がもう一つの決定打だったのは言うまでもありません。

高校生まではクラスメイトから「音楽通だね」と言われて鼻高々になっていたのが
サークルに入部すると、その鼻はすぐにへし折られてしまいました。
邦楽ですが、あるアーティストを知っていれば先のレッチリバンドの面々とバンドを組めたのに
知らなかったばかりに、チャンスを逃してしまったという憂き目にのっけから遭いました。
隣にいた同期が「ファンです」と答え、見事バンド入りしたその同期はサークルのカリスマとなり
どれだけ悔し泣きしても地団駄を踏んでも足りないほどでした。

私は先輩や同期に頼み込み、かたっぱしからオススメのCDを貸してもらいました。
毎日ものすごい量のCDが家にあり、TVも観ないでひたすらCDばかり聴いて過ごしました。
自分でも買ったりレンタルしたりして、生き急ぐように沢山の音楽を知ろうとしていました。
よく噛まずに色々な食べ物をたんまり口に含んで、一気に呑み込んで、大食いするみたいに。
好きになったものもあれば、よくわからないものもありました。
洋楽を下地にしたサブカルノリの邦楽が当時のサークルの主流で、邦楽の方が多いのですが
先輩や同期にも色々なタイプな人間が潜んでおり、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
スマッシング・パンプキンズプライマル・スクリームといった洋楽お気に入りバンドを
教えてもらいました。
オアシスレディオヘッドビョークシェリル・クロウガービッジ
椎名林檎やCoccoが影響を受けていると噂だったアラニス・モリセットなどは確か自分で
チェックしたはずです(一部、友人から借りて揃えたものもあるが)。
後輩にレッド・ツェッペリンを布教され、そのCD-Rを全然聴かずに結局処分してしまい
近年になってからわあわあ後悔した、という一件もこの時期に起こっています。
(参照:レッド・ツェッペリン「How The West Was Won」の記事

それから、サークルに「憧れの先輩」がいました。
喋ると愉快で、演奏すると格好良いその先輩は、男子からも女子からも人気者でした。
尊敬するとすぐに心酔しやすい私は、その人にあやかって、愛聴している音楽を真似して
聴いてみたりもしたものです(山嵐など、邦楽ミクスチャー系ラップロックが多かった)。
前述のレッチリの作品「母乳」と「カリフォルニケーション」を貸してくれたのもこの先輩。
そう、先輩はパンクなベーシストでした!(笑)
ブラッド・シュガー・セックス・マジック」は自分でレンタル→のちに購入して、
一日に何回もリピートし、ついつい身体を揺すって、踊り狂いながら大音量で聴く日々が
かなり続き、今思い出すと近所迷惑だったのではないかと申し訳なくなります・・・

「ぎぶるうぇいぎぶるうぇいぎぶるうぇいなぁ」に始まる様々なロックを聴いているところへ
同期と新しくバンドを組む話が。ベーシストが「アラウンド・ザ・ワールド」のイントロを
どるるどるるどるるどるるるるるるとライヴの前の音だしで披露するロックフリークの一方、
彼とその仲間達はジャズ好きでもあり、ジャズという音楽経験が皆無の私は内心、激しく困惑。
そこで彼らが「お気に入り」として貸してくれたのが、akiko(ジャズヴォーカル)や
上原ひろみ(ジャズピアニスト)などのCD。自分と同じようなロックを共有しながら
このような、彼らの世界を取り入れてパフォーマンスをする必要に迫られ、毎日が勉強。
一番結果が出た時期でもありましたが、本当に大変だったし、自分が足を引っ張っている自覚や
音楽的疎外感にも苦しめられました。しかし同時に、沢山の悪ふざけも共有しました(笑)


④それから

月日は更に流れて現在。③で活動を共にしたメンバー達は、現在もバンド活動を行っています。
そして私は、大学時代に覚えた音楽を作ったミュージシャン達が影響を受けたと語る
昔のミュージシャン、昔の音楽、異ジャンルに少しずつ手を広げてみたり、
今になって面白くなってきた音楽を試してみたり極めてみたりと、気ままな変遷を遂げている
最中です。多分これからもっと変わっていくでしょう。

ああそうだ、ある意味原体験といえそうな経験をもっと以前にしていました。
小学校高学年頃、図書館で借りた本に感銘を受けて作ったんでしょうが
自由研究で「ビートルズとジョン・レノン」なんて離れ業をやってのけていました。
といっても、恐らく内容は殆ど本の丸写しだったのでしょう、頑張ったわりに
全然評価をもらえず、いじけていたのを覚えています。
あの当時はまだ、ビートルズもジョンのソロも聴いたことすらなかったはずです。
とっても謎というか、未来に向けての伏線が張られていたというか(笑)



何を書くのもそれぞれの困難がありますが、音楽ネタは愛情が深いだけに
半端なものやいい加減な情報を書いては・・・と、ハードルが他の題材より一段上がります。
現在、下調べにあたっている題材があり、次回はそれか別のネタを投稿しますが
音を文章で表現するって本当に大変です。
興味あるリストが「ジャズ」「デジロック~ダンス」「古典ロック」などなどなものだから
途方に暮れるばかり。邦楽の懐かし系、マニアック系、更にはTVネタ、映画ネタなども
リストにあるので、いよいよもって何が飛び出すか分かりません。お楽しみに・・・!

テーマ:毎日が音楽だ - ジャンル:音楽

web拍手 by FC2

しずちゃんお疲れ様&ありがとう企画 乙女のパンチ特別編集版「ドラマのラストが現実になった?!ボクシングがもたらした意外な+α効果」

ボクシングのアマチュア世界選手権で、ロンドンオリンピックの出場を目指して闘った
お笑いコンビ・南海キャンディーズ(南キャン)のボケ担当、
しずちゃんこと山崎静代さん。
もしかするともしかして本当に五輪出られたりしちゃうのか・・・?!
なんてちょっと期待していたけれど、残念、五輪の夢は潰えてしまったそうで。
お疲れ様&勇気をくれてありがとうの念を込めて、しずちゃんが現在のコーチと
出会ったきっかけ+αになったドラマを今回のテーマにします。

様々な賞を総なめにした邦画「フラガール」に出演しアカデミー新人賞を受賞、
その演技力を認められて、TVドラマの主演を務めることに。
そのうちの1作が、先日「特別編集版」として放映されたドラマ「乙女のパンチ」です。

「乙女のパンチ」はボクシングもののドラマ。だからよく、「このドラマをきっかけに
しずちゃんはボクシングを始めたのかぁ」と勘違いされるようですが、実は違って、
プロデューサーがオファーをする頃には、しずちゃんは既に趣味としてボクシングジムに
通っていて、プロデューサーはその事実を全く知らなかったのだそうです。
そして、このドラマでボクシングの演技指導にあたった梅津正彦さんがコーチに。
「記念挑戦とか、芸人のネタでやるなら自分は下りる」と厳しい言葉をかけられても
しずちゃんは必死に食らい付いて、二人は二人三脚で今日まで歩んできました。

しずちゃんの今日までの歩み(ボクシング)は、以下のようなもの。
08年頃からジム通いを始めたしずちゃんは、段々本格的に取り組むようになり、翌年2月には
アマチュア女子ボクシングC級ライセンスを獲得。
今年のロンドン五輪で女子ボクシングの採用が決定したのを受けて、同年夏には
最重量級であるミドル級で出場の可能性を日本オリンピック委員会(JOC)コーチが示唆。
10年3月には第8回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会の実戦の部・ヘビー級に出場。
しかし出場選手がしずちゃん1人しかいなかったため、同階級の認定王者になりました。
そして昨年5月、JOCが発表した女子ボクシングの強化選考選手20人の中の一人に選ばれ、
本格的にロンドンオリンピックを目指す事となったのです。
その後、今年2月に行われた全日本女子選手権兼ロンドン五輪予選日本代表選手選考会では
減量を行い、ミドル級に転じて出場し、優勝。この結果、いま中国河北省で行われている
ロンドン五輪予選を兼ねた世界選手権の日本代表に選ばれました。
「世界選手権でベスト8に入ればロンドン五輪出場が内定」。
初戦の2回戦ではウズベキスタンの選手に見事勝利。しかし3回戦ではドイツの選手に敗北。
3回戦で中国代表がタイ代表に勝ったため、ベスト8・内定はならず、涙をのむ結末に。


さて、話題をドラマに戻して、細かい感想を色々。
まず言いたいのは、私が観たのは6回のドラマを1時間強にまとめた「特別編集版」だったので、
エピソードが飛び飛びで「いつの間にそうなった」と置いてけぼりになる場面が
序盤でちらほらあったり、Wikipediaをチェックして初めて知った設定があったりと
ドラマのダイジェストならではの不満でしたが、これは仕方ない(苦笑)。
しずちゃんが主役のドラマで主題歌が安室ちゃん(Sexy Girl)とか
かなり笑えてしまったんですが、ドラマの挿入歌としては結構ハマっていました。
ボクシング試合シーンで、しずちゃんのパンチが決まった瞬間を4方向くらいから追いかけて
魅せる演出も格好良かった。この演出が繰り返されても、不思議とクドく感じませんでした。
そしてヒール役の黒谷友香さん、「あんなに細いのにボクサー(笑)」って思っていたら
試合や練習のシーンで、しずちゃん以上にしなやかで俊敏な「それっぽい」動きが見事。
見とれてしまいました。黒谷さんもボクシング大会出られるかも?
あと、意外や意外、篠山輝信が演技上手い。うるさい直情くんのイメージしかなかったのに。

抑揚や表情など、細かいところではやはり演技のプロ達との差が目立ってしまいましたが
しずちゃんが登場人物に何かを強く訴えかける演技などは迫力がありました。
そして、練習や試合に挑む時の精悍な顔立ち、優しい笑顔はとてもイキイキしていました。
実際にボクシングしている時でもこんな表情をしているのかなぁと想像できるようで。
存在感や華もちゃんと感じられたので、主演を務めたことに物足りなさはありませんでした。

ストーリーは王道というか少々ベタ気味ですが、人情部分に素直に感動できたので
これで良いかと。この人情部分がないと蟹江敬三さんや黒谷さんへの感情移入が
十分に出来ないし。そして、この話は、まるで「誰か」の物語そのもののようで・・・

ストーリーの概要+山ちゃんとのエピソードは「続きを読む」に続きます。
クリックすると続きが開きます。

続きを読む»

テーマ:TV番組 - ジャンル:お笑い

web拍手 by FC2

オノ・ヨーコ:グレープフルーツ・ジュース「世紀の名曲"イマジン"はこの本から生まれた。あなたの想像力はどこまで羽ばたくことができるか?」

1964年に500部限定で発売された、オノ・ヨーコの詩集「グレープフルーツ」。
70年に加筆された英語版が世界発売され、そして93年、訳者の南風椎氏が
ヨーコに企画を持ちかけ、丁寧に言葉を選び、日本を代表する写真家たちに
協力を依頼。かくして、詩と写真とのコラボレーションとして発売されたのが
今回紹介する「グレープフルーツ・ジュース」です。

グレープフルーツ・ジュース (講談社文庫)グレープフルーツ・ジュース (講談社文庫)
(1998/04/15)
オノ・ヨーコ

商品詳細を見る

この画像での帯にはなぜか「女の愛読書フェア」と銘打ってありますが、
むろん、性別を問わず楽しめる本です。

彼女の旦那・ジョン・レノンが、かの名曲「イマジン」を創る際に
インスパイア元として挙げていたのはあまりにも有名。
「イマジン」への繋がりももちろん論じますが、ここではまずひとつの詩集として
本作について考えていきたいと思います。

常に「●●しなさい」と命令形で綴られ、
命令の中身は身近ですぐにでも出来そうなものから、ナンセンスなものまで様々。
ヨーコの著書「ただの私(あたし)」によると、彼女は感情のままに作品を創るそうで
本作においても、言葉の響きの美しさ、思いつきのユニークさが魅力となっています。

本作の作風は幾つかに分類されますが、分類がてら、私が特に惹かれた詩や、
イマジンの素」と思われる詩を紹介します。
以降、「続きを読む」に続きます。クリックすると続きが開きます。

続きを読む»

テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

web拍手 by FC2

音楽と縁の深いF1ドライバー:その2 ジャック・ヴィルヌーヴ「オリジナルCDアルバムをリリース!スタイルはパンクス、音楽はアコースティック」

90年代も後半に差し掛かると、F1開催団体、スポンサー等の圧力もあってか
かつてのような個性派ドライバーは減って、優等生的言動のドライバーが
大勢を占めるようになっていきました。
「F1が以前よりつまらなくなってきた」という声が少しずつ増え始めた頃です。
しかし、そういった趨勢をものともせず、歯に衣着せぬ発言と独創的な振る舞いで
我が道を行くF1ドライバーがいました。
ジャック・ヴィルヌーヴ(プラチナブロンド)
額が若干広いきらいがありますが、そんなことを全く気に留めないかのような
鮮やかなプラチナブロンドのカラーリングが眩しい、彼の名はジャック・ヴィルヌーヴ
アイルトン・セナやジャン・アレジなど、数多のF1ドライバーがカリスマと仰ぐ
夭折のレーサー、ジル・ヴィルヌーヴの息子です。
以下、彼の奔放なヘアスタイル・コレクションと共にお届けします!

F1ドライバーにとって視力が悪いのは致命的。しかしジャックは基本、眼鏡ユーザー。
しかもその理由が、日本F3000選手権参戦中に寂しさを紛らわせるためにのめり込んだ
ゲームボーイのせいだと専らの噂。
詩や小説を愛する一方、PCマニア、ゲームマニアで、いわゆる「オタク」。
家に引きこもってゲームばかりやっていたせいで、婚約者にフられたりするほどです。
ジャック・ヴィルヌーヴ(長めアレンジヘア)
M字が進行してきても気にせず軽くカラーリング、ぱっと散らしたアレンジ。
レッチリのフリーの如く、紫色に染めていた時期も!
ドライバー仲間と一緒にスキンヘッドに挑戦し、関係者を唖然とさせたこともありました。

さて、そんな曲者レーサー・ジャックには、最も大事な趣味があります。
それは音楽を聴くこと、そしてアコギ片手に作曲をすること。
自宅の音楽CDは数千枚ともいわれ、音楽愛は本物。
そして何と、2006年、自らが経営するレストランより、インディーズで
オリジナルCDアルバムPrivate Paradiseプライヴェート・パラダイス)」を
リリースしてしまったのです!
[広告] VPS

動画に映っている映像は、本作のジャケット写真。頭頂部のトリミングが素晴らしいです。
しかしこうやって見ると、ヒップホップのアーティストのアルバムのよう・・・。
パンクな言動、とりわけ髪型から、てっきりパンク・ロック風の作品を
作っているとばかり思っていましたが、お聴きのとおりアコースティックな作風。
全13曲中、実に6曲がジャックの作詞作曲で、ピアノを演奏した箇所も。
レコーディングに当たり、特別トレーニングを受けたわけではないこともあり
ジャックの歌は「とっても上手い!」といった類ではないですが、
リラックスして楽しんで歌っているのが聴いていて伝わってきます。
[広告] VPS

この曲は妹でプロ歌手のメラニーとのデュエット。
驚いたことに、ヴィルヌーヴ家はF1一家のみならず(ジルの弟=ジャックの叔父さんもレーサー)
お祖父さんはピアノの調律師、そして父ジルはピアノとトランペットを嗜んでおり、
れっきとした音楽一家でもあるのです。だからジャックが音楽を愛するのはもはや必然。

ジャック・ヴィルヌーヴ(眼鏡&パーマヘア)
パーマをかけてみました。何かこんなミュージシャンや俳優いそう(笑)
割と何でも似合いますね。
因みに、ジャックのファッションはサーキット上でも構わずカジュアルで、
「F1ドライバーなのにだらしない」「ハイグランジ」などと言われてきました。
レーシングスーツもわざと大きなサイズを着て、いつも着崩しています。

何気にジャックは97年のワールドチャンピオン。そんな彼がなぜ、音楽CDを
制作・リリースしたのか?
長いこと作曲を続けてきたジャックは、自分の曲を本格的にスタジオで録音したら
どんな風に聴こえるのか興味がありました。勿論、目標はリリースすること。
そして根底には「音楽が好きだから、楽しみたいから」があって、
本業はレーサー、音楽はあくまで趣味にとどめるつもりだとか。

本作の収録曲で、F1関係者やフリークの間で恐らく最も話題になったものがこちら。
[広告] VPS

カナダ人歌手との共演。父を亡くしたときにメラニーが曲のベースを作り、
CDリリースの数年前にジャックが手を貸して完成した曲です。
テーマはズバリ、父、ジル・ヴィルヌーヴ。
動画では父と息子の、レーサーとしての姿と共に、父の姿・子どもの姿を垣間見られます。

デビューイヤーの同僚で、2世ドライバー、父の夭折、音楽好きといった繋がりのある
デイモン・ヒルが、父への憧憬を常々口にしてきたのとは対照的に、ジャックは
「小さい頃に亡くなったから、あまり想い出はない」と冷たい調子。それもそのはず、
レースの道を志してからというもの、「ジル・ヴィルヌーヴの息子」という称号は
スポンサーを得る格好の材料にはなれど、それ以上にジャックにとっては
苛烈なプレッシャーとしてずっとのしかかっていた、はっきり言って「余計なもの」。

しかし、ジャックのF1ドライバーとしてのキャリア・ハイはデビューイヤーの96年と
ワールドチャンピオンを獲得した97年で、以降は右肩下がりの戦績となり、
シート浪人も経験。周囲からの期待が減っていくのは、同時に「ジルの息子」という
重圧から解き放たれることも意味していたのかもしれません。
父ジルがついぞ成し得なかった、ワールドチャンピオンも達成することが出来たし。
また、本CDをリリースした06年は、現時点でジャックの最後のF1キャリアの年でもあって。
04年にはクラシックカーのイベントで、父と同じマシンに同じデザインのヘルメットで運転、
06年にはジルのセレモニーにもフェラーリ関係者と共に参加と、父に対する複雑な感情を
乗り越えた、通り抜けたことが窺えます。
父ジルが活躍したフェラーリでのドライヴが期待され、何度かチャンスもありましたが
いずれも様々な事情で潰えています。

ジャック・ヴィルヌーヴ(俳優風)
遂にベテラン俳優のように進化!華麗なトリミングに涙が出ます。
「ハイ・グランジ」だけあって、パール・ジャムのエディ・ヴェダーすら彷彿とさせる?

ジャックの楽曲は、本記事で動画にして取りあげたYoutube経由のもののほかに、
公式MySpaceで、音楽や動画を楽しむことができます。
音楽の喜び楽しみはミュージシャンも音楽フリークもF1ドライバーも一緒
遙か遠くにいるような存在のF1ドライバーが、何だか身近に感じられて嬉しくなります。


最後に、全日本F3000選手権参戦時代の、若きジャックの姿を。
この時92年、そしてF1デビューイヤーの96年には既に頭髪の悩みが。
その間、僅か4年。泣けてくるぜ、泣けてくる(I am the Walrusの訳詞風に)・・・
ジャック・ヴィルヌーヴ(若かりし日のフサフサロングヘア)

テーマ:F1グランプリ - ジャンル:スポーツ

web拍手 by FC2

音楽と縁の深いF1ドライバー:その1 デイモン・ヒル「ジョージ・ハリスンとの浅からぬ縁の物語から、ストーンズ、エルヴィス・コステロまで」

時は1977年、パンク・ロックやニュー・ウェイヴなどの台頭によって音楽シーンが激変し、
60~70年代のミュージシャンがこぞって苦戦を強いられた時代。
元ビートルズのジョージ・ハリスンも例外ではなく、かつての勢いを失って
音楽作りに疲れ、曲作りを全くせずに、昔から大好きだったスポーツの観戦に
興じていました。そのスポーツこそが・・・F1!
サーキットに通い詰めるうちに、ジョージは様々なF1ドライバーと仲良くなりました。
代表的なのは、ジャッキー・スチュアートニキ・ラウダグラハム・ヒルなど。
音楽へのモチベーションを失っていたジョージは、こうしたF1ドライバー達との交流から
大きなエネルギー、インスパイアを得ます。
その最たるものは、ニキ・ラウダが瀕死の重傷を負う激しいクラッシュ事故から
見事生還したこと。顔などに火傷の痕がありありと残るも「不死鳥」と讃えられました。
「僕ももう一度やれるはずだ」ジョージは意気込み、愛に溢れた傑作アルバム
George Harrison(邦題:慈愛の輝き)」をリリース。
その中に、エネルギー源の一つとなったF1ドライバー達への感謝と、「闘いの後、
リラックスして聴いてほしい」という願いを込めた曲「Faster」が。
タイトルはジャッキー・スチュアートの自伝からとったそうです。
[広告] VPS

70年代後半のF1が手に取るようにわかるPVになっています。
タクシーに乗ってジョージが弾き語りをする、その運転手、よく観るとスチュアート!
ラウダが表彰台に登る姿や、パトレーゼ、ピケ、そしてグラハムのヘルメットも確認できます。
つまるところ、ジョージのF1好きは、かなりガチです(笑)

そんな日々の最中、グラハム・ヒルが、自身の運転する航空機の事故で不慮の死。
グラハムは保険に入っておらず、更に同乗者を何人も巻き込んでいたために
遺族は補償金の支払いを求められ、安泰だったはずの家計は暗転、火の車に。
父を慕ってやまない長男・デイモン・ヒル、15歳の出来事でした。

バイク便などのアルバイトをしながら、デイモンはロック・ミュージシャンを目指したり、
二輪レースをしたり、そして父と同じ四輪レースの道へと転向したりと未来を模索します。
しかしながら、モータースポーツに参戦するには、他のスポーツとは段違いのお金がかかり、
このような生活では、上位のカテゴリに参戦するには資金的に厳しいものがあります。
そこで、イギリスF3の参戦にあたり、父グラハムと親交があったジョージに
「無作法は承知だが、背に腹は代えられず」参戦資金の無心を依頼する手紙を出します。
するとジョージは快諾。心を動かされてのことでした。

何とかF3に参戦→国際F3000までステップアップするも、なかなか芽が出ず。
不遇+貧乏に喘いだデイモンですが、91年年末にかけた一本の「ダメモト」の電話が
運命を激変。何と、ウィリアムズのテストドライバーの座をゲット!
優れた開発能力で、92年のウィリアムズをドライバー&コンストラクターチャンピオンまで
導き、ストーブリーグに敗れて&嫌になって「引退」を決めたナイジェル・マンセル
強い推薦から、翌年度のセカンド・ドライバーのポストを得て、遂に本格的なF1デビュー。
チームメイトのアラン・プロストのドライビングから学び、同年には優勝できるドライバーに。
そして翌94年の同僚・アイルトン・セナの死によって、唐突にエースドライバーに昇進。
94~96年までチャンピオン候補として闘いを繰り広げ、96年、念願叶って遂にチャンピオン!

デイモンは、ジョージにイギリスF3の際の借金の返済を申し出ますが、ジョージは笑って辞退。
なにせ、95年オーストラリアGPでデイモンが優勝した際、喜ぶあまり
『ビートルズ・アンソロジー』の発売を公式発表の前に思わず言ってしまうという
フライングをするほどだったのだから。

当時のジョージがデイモンを語るインタビューの動画があります。
[広告] VPS

英語ですが、「セナ」などの単語が聞き取れるあたり、ジョージはデイモンをずっと
見守り続けていたといっていいでしょう。
ギタリスト繋がりで、一緒にセッションをすることもあったようです。
癌との闘病の末、01年に亡くなったジョージ。生きているうちにデイモンの晴れ姿を見られて、
デイモン側からいえば存命中に晴れ姿を見せられて、双方、「本当によかった」ことでしょう。

デイモンとミュージシャンとの繋がりはジョージに留まらず、
95年のポルトガルGPにはミック・ジャガーが陣中見舞いに訪れ、
97年はロン・ウッドの誕生日にも招かれたそうで、何とビートルズもストーンズも虜に!
そして、こんな豪華競演も。
[広告] VPS

エルヴィス・コステロ!元ピンク・フロイドのドラマー!
もう凄すぎの「スタンド・バイ・ミー」です。
日本で「イギリスのF1ドライバー」といえばマンちゃんですが、本国でのスターは専らデイモン。
イギリス人が思い描く、身近で親しみやすい性格や立ち居振る舞いなのだとか。
じゃあマンちゃんは・・・・・・

かつてミュージシャンを目指していただけあり、ギターの腕はなかなかのもので、
親交のあるイギリスHRバンド、デフ・レパードの1999年発売のアルバム
『Euphoria』に収録されている「Demolition Man」では、
何と、デイモンのギターソロを聴く事ができるそう。
ジョニー・デップがOasisの3rdに参加してソロを弾いた時と同じ現象だと思ってください(笑)

そして自らのバンド、「Damon Hill & The Conrods」での演奏姿の動画もあります。
[広告] VPS

すっかりロマンスグレーの紳士と化し、ジョージ・ハリスンか秋篠宮殿下かと見紛うほど。
飄々とギターを構える姿はF1ドライバー時代を彷彿させるも、
最後には思い切りポーンと飛び跳ねたり、おどけたりして、お茶目。
なんだかとっても楽しそうです。
因みに白髪は、父グラハムを亡くした15歳の頃から現れ始め、
ドライバー現役時代には一生懸命染めていたのだそう・・・
こんな辺りからも苦労人が滲み出てきます。
セナと僅かな間、同僚を経験しましたが、実はセナと同年齢だったりも。

ワールドチャンピオンには珍しく、人格的にバランスの取れたナイスガイとして評判で、
人脈も広くて、ちょっとひょうきん。
現在のデイモンがジョージそっくりの容姿になったのは、決して偶然ではないような気がします。
映画『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』には
今度は、デイモンがジョージを語る場面が収録されているのだそう。
何だかんだで劇場に足を運び損ねて、後からこの事実を知ってますます嘆いているのですが
こうなったら、DVD入手やレンタルに願いをかけるのみ!


最後に、この記事を書きながらずっとかけている、参考「音」献を。

慈愛の輝き慈愛の輝き
(2010/09/15)
ジョージ・ハリスン

商品詳細を見る

ジョージのソロでは「All Things~」と並ぶベストだと思っています。
全曲に愛が溢れていて、聴いていてこちらまで幸せな気分になれます。

テーマ:F1グランプリ - ジャンル:スポーツ

web拍手 by FC2

F1:その8 ジャン・アレジ「愛に生き、夢を追いかけたドライバー。ワールドチャンピオンとはまた違う、幸運なレーサーのカタチがここに」

GWを準備期間に充て、まさかのF1記事連載再開!
今回取りあげるのは、日本でも馴染み深いドライバー、ジャン・アレジ

「ジャン・アレジ」という名を聞いて、日本人が思い浮かべるイメージは大きく分けて
この二つかと。

後藤久美子さん(ゴクミ)の旦那様
TARGET表紙のアレジ&ゴクミ夫妻
最近では資生堂「マキアージュ」のCMなどで、黄金の輝きを放たんばかりの美しさで
観る者をハッとさせるゴクミ。
かつては小麦色の美少女だったのが、アレジと結ばれてからは(事実婚、実は略奪婚でもある)
愛故か、それともセレブになった故か、キラキラと眩いオーラをその身に纏うように。
しかしまぁエロティックで品のあるカップルだ・・・!
スーツ&デニム特集も面白そうだし、普通にこの雑誌欲しい。
昔、別の雑誌でこのカップルの特集を見かけて、ありあまる色気に
しばらく息を呑んでしまったものです。二人ともまだまだ枯れませんな!

黄金期目前の跳ね馬を果敢に駆り、情熱的な走りで人を魅了した愛すべきドライバー
[広告] VPS

「アレジ=フェラーリドライバー」のイメージって強いんじゃないかと思います。
実際、5年間もドライヴしていたわけだし。
しかし何よりティフォシと我々のハートを掴んだのは、「本気でフェラーリが大好きだから
フェラーリのためならどんな駄目マシンだって諦めないぜ!」というまっすぐなスピリットと
その情熱から来る勇猛果敢な走り。
この動画の頃の「92年のフェラーリ(F92A)」は、跳ね馬の長い歴史に残る最悪な駄馬。
そんな逆境にありながら、モナコGP(絶対に抜けないモナコモンテカルロのレース)予選で
ウィリアムズ+セナに続く4番グリッドを獲得!関係者も吃驚したのだとか。
こうした、駄馬をねじ伏せるような走りが、同じフェラーリドライバーにして夭折したカリスマ
ジル・ヴィルヌーヴを彷彿させ、ティフォシ(=フェラーリファン)達を熱狂させました。

だけどアレジには、もう少し違ったかたちで、F1ドライバーとしての幸せを
全うできる可能性があったのも有名な話です。
そのきっかけが、こちらの大バトル。
[広告] VPS

90年開幕戦、F1デビューしてまだ1年も経っていない新人アレジ、マシンも中堅どころのティレル。
(同僚には中嶋悟がいて、日本での中嶋のCMで、中嶋のメットを被ってドライヴしていた)
それなのに!この年のワールド・チャンピオン、アイルトン・セナのマクラーレンと
双方一歩も譲らない互角の大バトルで、もう観客も関係者もやんややんや。
スタートでトップに躍り出て、セナに抜かれてもすぐさま抜き返して、ぎりぎりまで
首位の座をセナ様に渡さない。結局抜かれるけれど、見事2位フィニッシュ。
表彰台でセナはアレジを称え、観客からはアレジコールが鳴りやまない。

こんなレースやバトルを何度か見せつけて、関係者が黙っているはずもなく、
アレジには当時のふたつのトップチームからオファーが来ます。
一つはフェラーリ、そしてもう一つはウィリアムズで、ウィリアムズと仮契約まで漕ぎつけるも
最後に選んだのはフェラーリ。
しかし、翌91年から、ウィリアムズは当時の最強チーム・マクラーレンに肉薄し、
92年にはマンセルが悲願のチャンプ、以降も97年頃まで「最強」の称号を欲しいままに。
一方で91年からのフェラーリはお家騒動や、エースのプロストの離脱で大波乱、
96年にミハエル・シューマッハーがベネトンの首脳陣を連れて組織改革に乗り出すまで
長い長いスランプに陥ってしまう・・・
「もしあの時、アレジがフェラーリじゃなく、そのままウィリアムズに行っていたら
もっと勝てたのに。ワールド・チャンピオンだって夢じゃなかったのに!」

今でも叫ばれ、そして論議になる「たられば」です。

アレジは幼少期から、先に述べた伝説のフェラーリドライバー、ジル・ヴィルヌーヴの大ファンで
部屋に等身大ポスターを飾っていたほど。
(ちなみにセナや片山右京などもジルファンで、右京はフランスF3選手権時代のライバル)
そして、フランス生まれだけど両親はシチリア出身のイタリア人。
流れるティフォシの血と、ジルへの憧憬が、何をもってしてもフェラーリを選ばせました。
幼い日からの夢を叶える道をとったわけですね。
そして結果的に、アレジはジルに擬えられてティフォシに熱狂的に愛され。
例え、優勝がたった1回しかなくても、ワールド・チャンピオンに手が届かなくても。
そういえばジルは無冠の帝王のまま、コース上(予選)で天に召された人でした。(優勝は6回)

アレジの最初で最後の優勝の場面がこちら。
[広告] VPS

92年からつけている、ジルと同じカーナンバー27で、自身の誕生日に、
ジルの名を冠したカナダ「ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット」で、フェラーリで優勝!
ファイナルラップから涙で前が見えなかったというアレジ。
マシンは限界寸前にあったため、ウィニングラン途中で止まってしまいます。
そこに親友シューマッハーが寄ってきて、ベネトンに跨って歓喜のウィニングラン。
91年の同僚にして師匠のアラン・プロストが、解説席で思わず笑ってしまうほど
子どものような喜びっぷり。
観客がコースに凄い勢いで大挙してなだれ込み、大騒ぎ!轢かれちゃうよ!
神様が「最初で最後だから、オプションいっぱい付けてあげるね」と意図したかのような
めでたい曰くばかりの、アレジでなくとも感涙もののスペシャルな優勝。
夢が叶った瞬間でした。
そしてこのレースの後、日本のメディアに向けてゴクミとの交際宣言をして、
ゴクミが「勝利の女神」と呼ばれていたのを憶えています。


件の「たられば」を真剣に考えてみました。
90年のウィリアムズは前年に引き続き、ティエリー・ブーツェン&リカルド・パトレーゼの
地味だけどデキるコンビ。来るべき黄金期の足場固めにじっくり当たり、奮闘する姿は
93~95年のアレジ&ベルガーコンビとかなり印象が被る(実力が拮抗していた辺りも)。
90年序盤でブーツェンの放出とパトレーゼの残留が決まっており、No.1ドライバー候補の
オファーを、アレジと当時フェラーリにいたナイジェル・マンセルに持ち掛けていたのだそう。
アレジは、この「二股かけられている」状況にも嫌気が差してフェラーリを選んだようですが
もしマンセルとアレジがチェンジせず、91年から、アレジがウィリアムズにやって来て
パトレーゼと共に走っていたら・・・?(マンセルはフェラーリに残留したと仮定)

ウィリアムズ贔屓のパトレーゼファンから言わせてもらうと、これは・・・駄目でしょう(苦笑)
仮にもマンちゃんはBIG4の一人、マンちゃんとアレジではやっぱり格が違いすぎる。
マンちゃんが来たからこそ開発陣も本気になって凄い車が出来た、あれだけの成果を出した、
91年以降のウィリアムズ確変はそういう要因も小さくないのでは。
ブーツェンとアレジの比較もする必要があるけれど、前年までと似たり寄ったりになる気が。
それに、アレジはテスト嫌いのセッティング苦手、90年は中嶋にやってもらっていたそうで。
何だか書いててマンちゃんとアレジって似てる(セッティングは別として)と改めて思いつつ
パトレーゼに、いきなり入って来た生意気な新人君にそこまで面倒をみてあげる「父性」は
申し訳ないけれどあんまり感じられない(笑)仲良くしてあげる絵が全然浮かばない・・・
後年「どけジジイ」と言われるおじさんが「クソガキ」と罵る絵ばかり浮かんでなりません。
何気に、フェラーリの同僚が同郷のプロスト教授だったのもきっと良かったと思うんですよね。
教授はアレジが尊敬する先輩で、教授も同郷の後輩が可愛くてかなり面倒をみていたし。
(ゴクミの前の奥さんとの結婚式で立会人を務めたりするほど!まぁ、後に決裂するのだが)
そのあたりがパトレーゼでは・・・。(その点、ベルガーは本当によくやったと思う。
何度か深刻に対立したり、こっぴどいイタズラを喰らわされたりするけど、割と良い関係)
加えて、ウィリアムズってかなりドライバーを双六の駒のように考えているチームで、
その年のチャンプを翌年追い出したりするし(例:マンセル、ヒル)、トップダウンも多く
アレジの気質にはあまりに窮屈すぎるチームじゃないかと。
「1年それなりに走って、チームともパトレーゼとも大喧嘩して史実の教授状態になって、
すぐに余所のチームへと移籍しちゃいそう、しかもその移籍先がフェラーリ」が私の結論です。

似たもの同士?マンセルVSアレジの名勝負を動画でどうぞ。
[広告] VPS

94年鈴鹿、セナのいないF1を嘆くように雨が吹き荒れて視界を遮る。
そんなあまりに湿っぽいレースを盛り上げてくれた、熱い二人の熱い、そしてフェアなバトル。
闘い暮れて二人は互いの健闘を讃え合う。いい光景です。
この二人に「周りの湿っぽいムード」なんて関係ない!
本当、二人が居てくれて良かったと思います。


確かにワールド・チャンピオンは獲れなかったし、優勝も一度しかできなかった。
でも、ティフォシが自分のことを、憧れのジルに擬えて、熱く賞賛してくれた。
ティフォシのみならず多くの人にとって、記憶に残るドライバーになれた。
「たられば」を今でも言ってくれるような根強いファンを沢山獲得することができた。
そうして、夭折することもなく五体満足で、無償の愛を与えあえるパートナーもそばにいる、
今日も。
こんな幸せ、もっと称えられても良いんじゃないでしょうか。
男としては仕事で「結果」を出したいものだけれど、「過程」に十二分な反響があって、
記録よりも記憶に残る仕事を残したというのも、それはそれで自分を思いきり褒めていい。
他人に誇っていい。
いろんな名ドライバー(や、名チーム)がいるからF1って面白いんです。
例え、ちょっと直情型で、いつまでも少年ぽさが抜けない、天然さんでも・・・
(この辺の面白エピソードはゲルハルト・ベルガーの回を参照ください)
とりあえず日本人としては、ゴクミさえ泣かせないでいてくれたらそれだけでいい・・・?!


さて、次は、これまでと全然違う切り口で、二人のF1ドライバーを取りあげていきます。
音楽に縁の深いドライバー、デイモン・ヒルとジャック・ヴィルヌーヴ。
カテゴリがF1なのか音楽なのか分からないくらいまぜこぜに書いちゃうつもりで準備中!
次回の記事も、どうぞお楽しみに。

テーマ:F1グランプリ - ジャンル:スポーツ

web拍手 by FC2

相棒:その7 劇場版II感想「陰謀と欲望の渦がとぐろを巻く、見応えある映画。事件を時系列順に整理して、何が起こったのか改めて見直す」

前作の劇場版と比べ、完成度も見応えもどっしり増して、
ぜひとも一つの映画としてちゃんとリコメンドしたい作品、
相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」。

相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜- <通常版> [DVD]相棒 劇場版II -警視庁占拠!特命係の一番長い夜- <通常版> [DVD]
(2011/08/03)
水谷豊、及川光博 他

商品詳細を見る

前作のお祭り騒ぎの喧噪がぴたりと止んで、代わりに現れたのはとぐろを巻く闇。
「警視庁VS警察庁」「絶対的正義VS相対的正義」「陰謀と欲望の渦」「人の業」と
描きたいものも非常にはっきりして、凍てついた空気、張り詰めたムードが終始漂い
画面の向こうに流れる漆黒の世界へと、どんどん深みにはまっていきます。

さて、こうした刑事もの・謎解きもので難しいのは、鑑賞にあたって
ストーリーを味わうことと事件を読み解くことの両方を同時にしなければならない点。
「官房長の死」というあまりにも大きすぎる結末に全部引っ張られそうになりますが
本記事では、右京さんと神戸が謎を解く過程や、二人や周辺の人物の心情をあえて脇に置き、
事件を読み解くことに重点を置いて、時系列を追って
「この作品の中では、一体何が起こったのか?」をまとめてみます。
既に本作を何度も観たり、前クールまでのTVドラマを観た人には「今更?」かと思いますが、
「TV放映で初めて観た」「前に観たけど、事件がよくわからない」
「相棒は好きだけど、謎解き部分がわからずにストーリーを楽しんで観ている」
といった人に向けて、少しでもお役に立てるように、書くことにしました。
勿論これは、刑事ものを「相棒」以前は全く観てこなかった、私自身のための
まとめでもあるのですが。

以下、「続きを読む」へ。クリックすると続きが開きます。

続きを読む»

テーマ:相棒 - ジャンル:テレビ・ラジオ

web拍手 by FC2

月とキャベツ「あたかもMaking of "One more time,One more chance"-ひとつの曲ができあがる過程と、物語に奇しくもぴたりと寄り添う歌詞-」

山崎まさよしさん(以下、通称の「まさやん」)をCMで見かける機会が
最近また多くなってきました。ユニクロのダウンコートのCM、ビールのCMなど。
まさやんと言えば、ブルース色の強い楽曲を独特の歌声で弾き語りするシンガーソングライター、
そしてギター(とりわけアコギ)の名手と名高いプレイヤー(マルチプレイヤーでもある)。
と同時に俳優としての活動もぼちぼち行っていて、
10年ほど前にはドラマで主演級をしていた記憶が。

そんな才能豊かなまさやんの、俳優デビュー作にして、音楽のブレイクのきっかけになったのが
月とキャベツ」と、そのテーマソングの「One more time,One more chance」。
「観てみたいな」と思いつつ、ずっと未見のままだったのですが、ある日の深夜にTVで放映。
満を持しての拝見となったのでした。

月とキャベツ [DVD]月とキャベツ [DVD]
(2001/03/23)
山崎まさよし、真田麻垂美 他

商品詳細を見る


ストーリーはシンプルかつテンプレ的で、バンドを解散して行き詰まっている無精な男が
不思議な女の子と出会い、彼女とのひと夏の奇妙な共同生活を経て恋に落ちていくけれど
実は彼女には哀しい秘密があって、そのための別れを経て、一歩前に進むというもの。
ざっくり書き出すと本当に呆気ないし、物語の巧みさに唸ったり、メッセージに心を打たれたり
といった感動はなく、雰囲気映画と片付けそうになるかもわかりません。
音楽に興味がない人には。

しかし、音楽好きには、とても興味深い映画として観られるはず。
その要因は二つ。まず第一の見所は、ひとつの旋律が一曲の歌へと育つ過程が、
映画一作をかけて、とても丹念に、そして彩り豊かに描かれている
ことです。

主人公・花火がピアノで作曲をはじめます。
(まさやん=ギター弾き語り+ハーモニカというイメージが強いので
ピアノをここまで弾けるのに驚いたのですが、調べてみたらそれどころか、何でも屋だった!)
まずは基本のモチーフ(イントロ部分)から。
次にAメロ、Bメロ、サビ部分と出来上がり、次第にメロディも付いていきます。
転調部分(「夏の想い出はまわる~」の部分)に詰まり、「ここの転調がうまくいかないんだ」と
様々なコードを弾いて試行錯誤する花火。色々試して、ふいにピンとくる展開を見つけるシーンは
よくミュージシャンが曲作りに関して「降ってくる」と表現しますが、
まさにその「降ってくる」瞬間のミュージシャンに立ち会っているかのよう。
花火は曲先で歌を作るタイプで、歌詞は後述する出来事をきっかけに一気に出来ます。
そうして、最後の花火というかまさやんのピアノ弾き語りによって、歌は完成形を見ます。

また、不思議な女の子・ヒバナは花火のファンで、ダンスを学んでいて、
いつも言っているわがままの調子で「花火の曲で踊りたいの」と言い出し、
花火が弾くピアノの「One more~」に合わせて、柔らかな動きをつけます。
曲が形になっていくほど、ヒバナのダンスも躍動感や精緻な動きが増していく様子は
音楽が出来ていくプロセスをダンスで表現しているかのよう。


そして、もう一つの見所。
「One more~」という歌は、この映画をつくるより前に、そして全く別に出来たものです。
当時のまさやんの失恋体験がベースとなっていて、だから「桜木町」という、映画の流れに
全くそぐわない言葉がサビに出てきたりします(まさやんは一時、横浜の桜木町に住んでいた)。
そして映画の原案は、「さっぽろ映像セミナー」の受講シナリオから誕生した
『眠れない夜の終わり』という作品で、それを監督の篠原哲雄氏と、真柴あずき氏が
脚本に起こしたそうで。
だけど、映画を観ていると、「この映画の脚本を元にまさやんが曲を書いた」と言われても
間違いなく信じるだろう、と言い切れるほど、歌詞と物語がぴったり寄り添っています


歌詞の引用もあるので、「続きを読む」に続きます。クリックすると画面が開きます。

続きを読む»

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

«  | ホーム |  »

プロフィール

燃える朝やけ

Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
・コメント・トラックバック・拍手・
リンクなど、お気軽にどうぞ。
でも荒らさないでね?
・なぜかFC2拍手ボタンが各記事の上部に表示されているなど、変な箇所もぼちぼちありますが、お気になさらずご利用ください。

 

カテゴリ

ごあいさつ・雑談用 (1)
blog振り返り&好評だった記事 (4)
音楽(洋楽) (76)
At The Drive-In (1)
The Beatles (1)
Yes (1)
Carpenters (1)
Chickenfoot (2)
Deep Purple&Rainbow (1)
Elliott Smith (1)
Emerson, Lake & Palmer (2)
James Iha (2)
Jeff Buckley (3)
John Frusciante (8)
Jonsi (1)
Led Zeppelin (2)
Lou Reed (2)
The Mars Volta (7)
My Bloody Valentine (2)
NICO (3)
Omar Rodriguez Lopez (1)
A Perfect Circle (1)
Ramones (9)
RIDE (1)
Sigur Ros (5)
The Smashing Pumpkins (8)
Sparta (1)
Tim Buckley (1)
Warpaint (2)
ZWAN (1)
洋楽雑記 (6)
音楽(邦楽) (39)
access (1)
Boom Boom Satellites (11)
BUGY CRAXONE (1)
FLiP (3)
LUNA SEA (1)
Salyu (7)
SPEEDWAY (1)
Syrup16g (4)
TM NETWORK (1)
ウルフルズ (1)
大貫妙子&坂本龍一 (1)
古明地洋哉 (2)
ゴンチチ (1)
橘いずみ (1)
はっぴいえんど (1)
松崎ナオ (1)
矢野顕子&上原ひろみ (1)
音楽(ジャズ、クラシック、etc) (9)
Nadeah (1)
Willie Nelson & Wynton Marsalis Feat. Norah Jones (1)
ZAZ (2)
Keiko Lee (1)
辻井伸行 (1)
村治佳織 (1)
山中千尋 (1)
吉松隆 (1)
音楽雑記 (5)
映画音楽 (3)
Jonny Greenwood (1)
Vincent Gallo/John Frusciante (1)
V.A. (1)
音楽映画 (11)
The Beatles(Movies) (2)
John Lennon (2)
Ramones(Movies) (3)
The Rolling Stones (2)
Cocco (1)
山崎まさよし (1)
映画 (28)
小説×映画 (5)
映画雑記 (1)
書籍(小説その他) (9)
読書雑記 (1)
漫画&アニメ (11)
小説×漫画 (1)
リラクゼーション (15)
ネイチャー&教養系 (8)
TVドラマ (25)
お笑い&バラエティ (13)
世界は言葉でできている (2)
IPPONグランプリ (3)
F1 (12)
フィギュアスケート (4)
雑記 (8)
詩を書いてみた (2)
未分類 (0)

 

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

リンク

ブロとも一覧

ブロとも申請フォーム

検索フォーム

 

 

検索用ユーザータグ

 よく取りあげるテーマやキーワードからの簡単検索をどうぞ。

感想 レビュー CD 洋楽 映画 邦楽 TVドラマ 邦画 ライヴ DVD ジョン・フルシアンテ リラクゼーション 相棒 ラモーンズ F1 ブンブンサテライツ スマッシング・パンプキンズ 中野雅之 書籍 川島道行 FC2動画 ジェームス・イハ 漫画 お笑い番組 ビリー・コーガン 水谷豊 マーズ・ヴォルタ 雑記 セドリック・ビクスラー・ザヴァラ オマー・ロドリゲス・ロペス ビートルズ ジミー・チェンバレン Salyu 杉下右京 洋画 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ アニメ ダーシー・レッキー シガー・ロス 及川光博 ウィリアムズ ホアン・アルデレッテ リカルド・パトレーゼ ドキュメンタリー ジョン・レノン アイルトン・セナ 八重の桜 小林武史 神戸尊 又吉直樹 あまちゃん blogまとめ Eテレ 若林正恭 アット・ザ・ドライヴイン 寺脇康文 Syrup16g 亀山薫 フィギュアスケート ナイジェル・マンセル アンケート ミハエル・シューマッハー キース・エマーソン 歴史にドキリ ミック・ジャガー バカリズム 深夜食堂 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド ジョージ・ハリスン 宮藤官九郎 坂本龍一 夏目漱石 NICO クラシック IPPONグランプリ キタダマキ 中畑大樹 世界は言葉でできている エマーソン、レイク&パーマー FLiP トラックバックテーマ チャド・スミス 五十嵐隆 ケヴィン・シールズ ジェフ・バックリィ 教養番組 孤独のグルメ ジョン・セオドア 香川照之 宮崎駿 加瀬亮 自作詩 生瀬勝久 ビートたけし 岡田准一 二宮和也 安藤サクラ カール・パーマー 木南晴夏 平清盛 いしわたり淳治 松雪泰子 阿部寛 ポール・マッカートニー グレッグ・レイク 藤井哲夫 かわぐちかいじ 僕はビートルズ 成宮寛貴 長瀬智也 小泉今日子 田辺誠一 サウンドトラック 小説 谷中敦 キース・リチャーズ ローリング・ストーンズ アラン・プロスト ゲルハルト・ベルガー ロン・ウッド チャーリー・ワッツ サミー・ヘイガー マイケル・アンソニー ジョー・サトリアーニ チキンフット THE世界遺産 インド ジョン・ポール・ジョーンズ ジミー・ペイジ ロバート・プラント レッド・ツェッペリン ジョン・ボーナム ロッキー 集中力アップ サブリミナル効果シリーズ シルヴェスター・スタローン Warpaint 深津絵里 オードリー ZAZ F1総集編 ジャン・アレジ オノ・ヨーコ 南海キャンディーズ カーペンターズ 山里亮太 山崎静代 F1中継 川井一仁 設楽統 エヴァンゲリオン スパルタ ジム・ワード 秋山竜次 サンマリノGP 鈴鹿GP マクラーレン ドイツGP 蒼井優 松山ケンイチ ルー・リード 安倍夜郎 木根尚登 Cocco まほろ駅前番外地 小林薫 満島ひかり 小室哲哉 メイドインジャパン SPEC デヴィッド・ボウイ 信長のシェフ 古明地洋哉 妻は、くの一 ラジオ ブライアン・ケスラー スティーブン・ジョーンズ 堺雅人 ミュージカル 宇都宮隆 NHK 中村獅童 ハワイ ケルト音楽 ベネトン 木更津キャッツアイ ヨーロッパGP 今宮純 沖縄 三宅正治 ブラジルGP フラ・ジャズ メキシコGP ニキ・ラウダ 阿川佐和子 川島明 B'z 柳楽優弥 樹木希林 浅越ゴエ 福田充徳 チュートリアル ハリセンボン 徳井義実 千原ジュニア 夏川結衣 ムロツヨシ 南国少年パプワくん 流星の絆 ロン・デニス 羽生善治 有吉弘行 ヒメナ・サリニャーナ 是枝裕和 池袋ウエストゲートパーク エリオット・スミス 裏・相棒 山崎まさよし 長谷川宗男 後藤久美子 RAILWAYS 三浦貴大 中井貴一 高島礼子 本仮屋ユイカ フェラーリ ティレル  アンヴィル ミッキー・ローク アテルイ伝 ジャック・ヴィルヌーヴ デイモン・ヒル ふしぎの海のナディア エルヴィス・コステロ フィール・ザ・ネイチャー・シリーズ 久米島 エディット・ピアフ 狗飼恭子 リラックス ストロベリーナイト 田口ランディ 城達也 モナコGP 絶対に抜けないモナコモンテカルロ 塚本晋也 春日俊彰 オードリー春日のカスカスTV ネイチャー・サウンド・ギャラリー 屋久島 慶良間 パワーアップ アナウンサー 森山春香 さわやか自然百景 あなたに会いたい マンちゃん 女の子ものがたり シンジ 芥川賞 柴崎友香 ジャズ 大島渚 SPEEDWAY バリ アジア 世界ふれあい街歩き グランプリ天国 鉄人 モーツァルト アンビエント 貴水博之 トベタ・バジュン 松本大洋 サドレーゼ 教授 山中千尋 ワールドミュージック 久保田麻琴 谷口ジロー 久住昌之 LUNASEA ブージークラクション ゴンチチ オペラ座の怪人 アイスショー MOZU 浅田真央 お笑い 高橋大輔 イエス TM-NETWORK プラス思考 サントラ ヴィンセント・ギャロ 綾野剛 瀬戸内寂聴 熊切和嘉 リリィ・シュシュ 浅倉大介 ヨンシー ジョン・アンダーソン バカリズム辞典 フットンダ スティーヴ・ハウ クリス・スクワイア ケイコ・リー アラン・ホワイト リック・ウェイクマン 読書雑記 ビブリオバトル ディーントニ・パークス JIN-仁- 猿飛三世 ボスニアン・レインボウズ ノンフィクション 西原理恵子 フランソワーズ・サガン 小西真奈美 大貫妙子 上原ひろみ 居酒屋もへじ ヤンキー君とメガネちゃん 松坂慶子 リーガル・ハイ 小山田圭吾 access 西島秀俊 新選組! 実験刑事トトリ 太陽の罠 夫婦善哉 半沢直樹 矢野顕子 ナイツの言い間違いで覚える科学の法則 マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン 堤幸彦 戸田恵梨香 マーティン・スコセッシ フリー 斉藤和義 松崎ナオ 辻井伸行 ウルフルズ トータス松本 リンゴ・スター ヒャダイン ア・パーフェクト・サークル トゥール メイナード・ジェームス・キーナン ウルフルケイスケ ジョン・B・チョッパー 玉山鉄二 マイコ 宮崎あおい イ・ジュンギ 溝端淳平 村治佳織 サンコンJr. 橘いずみ 教育番組 リッチー・ブラックモア レインボー クリント・イーストウッド 唐沢寿明 木村拓哉 渡辺謙 桜井和寿 鈴木おさむ 中田有紀 笑福亭鶴瓶 バラエティ番組 振付稼業air:man 中居正広 宮崎美子 山下和美 ディープ・パープル ヤン・ヨンヒ 井浦新 仲間由紀恵 ウォーキング 前山田健一 北野武 ブライアン・ジョーンズ 小出恵介 快眠 斉藤由貴 竹下景子 西村賢太 タナダユキ 森山未來 豊川悦司 富司純子 たりないふたり 広末涼子 東野圭吾 吉松隆 ローラ 堀内健 吉田修一 松本清張 中谷美紀 妻夫木聡 寺尾聰 佐藤元章 園子温 ウィリー・ネルソン ノラ・ジョーンズ ウィントン・マルサリス レイ・チャールズ 樋口可南子 國村隼 三浦友和 久米田康治 椎名桔平 チャールズ・ブコウスキー マット・ディロン 甲斐亨 ゆらゆら帝国 西島隆弘 さよなら絶望先生 腹式呼吸 ヨガ BGM ストレッチ 大東駿介 加藤浩次 ポール・ヒノジョス メリッサ・オフ・ダ・マー ニュース ソフィア・コッポラ トニー・ハジャー ナデア マイ・ブラッディ・バレンタイン エミネム ZWAN ブライアン・レイツェル はっぴいえんど 立川志の輔 ティム・バックリィ 山崎ナオコーラ 永作博美 水川あさみ 稲垣吾郎 サラリーマンNEO セクスィー部長 沢村一樹 ビーディ・アイ オアシス 中村光毅 アップルシード 須藤理彩 平井直樹 もう中学生 伊坂幸太郎 黒谷友香 高良健吾 伊藤淳史 中田ヤスタカ ベクシル ライド アンディ・ベル マーク・ガードナー リチャード・ギア ジュリア・ロバーツ 村上龍 コメントスペース ヨンシー&アレックス 榎本ナリコ 岡田将生 松本隆 細野晴臣 大瀧詠一 鈴木茂 ガス・ヴァン・サント ロビン・ウィリアムス ハーレイ・ジョエル・オスメント マット・デイモン ベン・アフレック 西田敏行 市川猿翁 イチロー 日テレ 本郷奏多 重松清 ジェームス・ハント 若杉公徳 佐田大陸 TSUKEMEN プロフェッショナル仕事の流儀 ブルース・ウィリス ディズニー・ピクサー Radiohead 村上春樹 CAN 絲山秋子 ジョニー・グリーンウッド RZA 北乃きい 鈴木保奈美 ウータン・クラン セシル・コルベル 内田有紀 浅野忠信 松岡昌宏 中村靖日 神木龍之介 塚本高史 金子修介 フラ 宮崎吾朗 金城武 

 

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

メールフォーム

 

名前:
メール:
件名:
本文:

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。