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The Mars Volta:その2 Frances The Mute&Scabdates「わかりやすいだけが音楽じゃない!オマーが教えてくれた、音楽を"読み解く"ことの面白さ」

2005年吉日、比較的まったりとしていた音楽世界に、とてつもない化け物が
放たれました。
その化け物を創り出したのは、オマー・ロドリゲス・ロペス率いる一団、
The Mars Voltaマーズ・ヴォルタ)。
そして、化け物の名前は「Frances The Muteフランシス・ザ・ミュート)」!

フランシス・ザ・ミュート~スペシャル・エディション(初回限定生産盤)(DVD付)フランシス・ザ・ミュート~スペシャル・エディション(初回限定生産盤)(DVD付)
(2005/02/07)
マーズ・ヴォルタ

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1stで衝撃のデビューを飾った彼らでしたが、リック・ルービンとの共同プロデュースで
ちょっぴりキャッチーでエモな仕上がりになったこともあって、オマーは不満げ。
そこで2ndからは、自分でぜーんぶやっちゃおう!と、完全俺様主義を開始します。
セルフプロデュースは当たり前(本作以降、全ての作品はオマープロデュース)。
今作に至っては、各パートをそれぞれバラバラに録音して、そのつぎはぎのパートを
オマーがコラージュして一つの作品にしており、他のメンバーは全体像がわからないまま
とにかく弾かされる、叩かされる
、というとんでもないもの。
こういった「オマー絶対政権」が、後に「他のメンバー」のなかでも重要なメンバーの
離脱へと繋がって・・・いったか、詳細な本当の原因は定かではないですが、
オマー、才能ありまくりなのは良いんだけど、人としてどうかという言動が多いのがなぁ。

しかしながら、最初に書いたように、とてつもない化け物ミュージックが
野に放たれたことは確かで、
そのうえ、チャートアクションも良く、USでは初登場4位、一気に話題をかっさらいます。
改めて聴き直してみて「こんなのがメジャーで売れちゃうとは・・・」と驚愕しますが
それだけ、音楽ファンも刺激的で聴き応えのある音楽を求めていたということ。
ただポップな、あるいはただハードな音楽が巷に溢れるなか、
本作は、ハードコア、プログレ、ラテン音楽、サルサ、ダブなど、新旧や国籍を問わず
実に多種多様なジャンルやサウンドが、ごった煮になって同居しているのです。
難解さがないとは言いませんが、「一度聴いただけではわからない、でも何か気になる、
わかりたい・・・!」そんな、60~70年代の音楽にあった「読み解きたくなる深い魅力」
オマーは誰よりもよく知っていて、それを現代の実験的な音楽と混ぜ合わせて
巨大な青黒いマグマのような音楽の塊を、ドスンとメジャーシーンに投入しちゃったんですね。
オマーの問題提起と、多くのリスナーが抱えてきた「飢え」とが、ピタリと一致した結果です。

5曲を分断してCDでは12曲に。
というか、5曲目が長すぎるので、パートごとに分断したという感じか。
それにしても1~5曲目は全て10分超え。めまぐるしい展開。変拍子の嵐。
前作に少し近いようなハードコア風味の1曲目から、哀愁ナンバーの2曲目、
セドリックのスペイン語の歌唱まで出てくる3曲目、静寂がベースにある4~5曲目以降と
音楽の幅も随分広がり、いまやATDIの影は完全に消えたといっていいでしょう。
前作に続いてフリージョンのレッチリ組も参加。フリーは2曲でトランペット、
ジョンは1曲で2回のギターソロ。このソロはとっても「Stadiun Arcadium」でのプレイを
彷彿させます。本作が「SA制作時の片手間にちょっと参加してみた」作品でも
不思議じゃないです。というか、次作の参加のしすぎ振りがおかしい!あんた働き過ぎや!

前作のリリース直前に亡くなったメンバー、ジェレミー・ワードの日記から
幾分インスパイアを受けています。前作に続き本作も、死者からのインスパイアということに・・・。
長い長~い静寂と混沌のSE部分にヤキモキさせられる人が少なくないかもしれませんが
このSEが意味するところは、ジェレミーという死者への餞か、あるいは彼の世界の再現か。
「SE長げぇ!いらね!」とイライラして投げ出す前に、そこに込められた想いを想像してみては?
・・・な~んて、私も「そろそろいい加減にしなさいよ」と感じたクチなのですが。

オマーが本作において、ギターも含めトータルで物凄い仕事を成し遂げた一方、
セドリックも全くひけをとりません。1曲目から軽くG、他の曲でもE以上のハイキーを
(少なくとも聴いている分には)難なくするりと出しちゃっているのです!!!
一体どうなってんだよオマエ!煽るように歌い、しっとりと歌い、呟くように歌い、
更にはライヴでは奇行まがいのハードなパフォーマンスと、もう信じられない!
前作の記事で「千手観音」なんておかしなキャッチコピーをつけて激賞してしまった
セオドアも相変わらず見事な仕事するし、バンドの絶頂期といっていいでしょう。

さて、前作でフリーがレコーディングに全曲参加した後、ベーシストの座は誰が埋めたか・・・?
その大役を任じられたのは、ホアン・アルデレッテ
ポール・ギルバートなどと「レーサーX」というテクニシャン揃いのヘビメタバンドに在籍し、
その活動も80年代からと、経歴も腕前も申し分なし。
フリーの我の強いベースも凄い迫力でしたが、
ドラマーを引き立たせながら自分もイイ仕事をきっちりして、ギタリストと張り合うような
過剰なエゴは出さないという、このバンドにうってつけの人材、そしてプレイ
です。
同時期にはオマーの実弟マルセル・ロドリゲス・ロペスが加入し、
パーカッションやシンセサイザーを担当。この二人は現在でも在籍しています。
他にも、サックス、フルート、クラリネット、チューバ、トロンボーン、
果てはチェロ、バイオリンまで、ジャズかクラシックかというような音が詰め込まれ、
そのために参加メンバーがごっそり増えてます(笑)


ところで、マーズ・ヴォルタといえば、ライヴの評価がとっても高いバンド。
昨年のサマー・ソニックでも、彼らに全然興味がなかった層までもがっつり取り込んで
Twitterなどには「マーズ・ヴォルタすげえ!」の書き込みが連発だったとか。
そんな彼らの、今のところ1枚だけのライヴ・アルバムがあります。
1st~2ndの間の時期に行われたライヴを録音した、「Scabdatesスキャブデイツ)」。
メンバーは2ndと大体同じで、楽曲は1stからのものがメインです。

スキャブデイツスキャブデイツ
(2005/11/02)
マーズ・ヴォルタ

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リスナーにはそこそこ好評だったとはいえ、批評家などからは「これはライヴアルバムじゃない、
オーヴァーダブしまくってるじゃないか!」と手厳しい声も。
そう言われたオマー、「オーヴァーダブなんてしてないぜ。クリエイティヴなミックスを
しただけだ」
と強気。確かにとっても、「クリエイティヴ」ではありますが・・・
赤子の泣き声やら、駅での喧噪やらアナウンスやら、メンバーの談笑やら、
リフレインするセドリックの歌声やら、オーヴァーダブ、してないほうがおかしい(笑)
しかし思い出すと、フランク・ザッパもアルバムをこうした手法(ライヴを録音して
それをオーヴァーダブ、歌詞カードに「オーヴァーダブ:たっぷり。」とまで書いてある)を
駆使して制作しているんですよねぇ。もしかして、そんなアルバムを目指した?

2ndを聴いて「ベースが足りない!」と嘆いたベースフリーク(私の事ですが、何か?)は
これを聴いてベース=ホアン成分を補充しましょう。
とはいってもオマーのギターがテラ爆音で、かき消されがちですが・・・(涙)
でもスタジオ盤よりはよくベースが聞こえ、ホアンとセオドアが抜群のチームワークで
グルーヴをどっしり支えているのがよくわかります。
噂によると、セオドア(+ホアン)のグルーヴにオマーはすっかり酔っちゃって、
グルーヴに乗っかって、ギター演奏を放棄し、ふらふらと踊っていることさえあったそうで(笑)。
それはそれで、なかなか強烈なパフォーマンスではありますが・・・。
個人的な感想ですが、この頃の彼ら(のライヴ)って、かなりZepぽいと思います。
いつセドリックが「Push!Push!」って言い出しても驚かない(笑)。
圧倒的なハイトーンヴォイスのセドリック、あの手この手の俺様バンマス、オマー、
叩いて叩いて叩きまくるセオドア、彼に同期してどっしりしたグルーヴをかますホアン。
近未来型「How The West Was Won」(しかもインプロだらけの部分ばっかり)か!
ホアン&セオドアのいいところは、どれだけ激しく弾いて叩いても、主張が過ぎないこと。
「俺が俺が」でなく、心地良く聴けるんです。だからセドリックやオマーも引き立つ。
Zep好きと、ベース好き(+ドラム好き)は、まず間違いなく聴いてみて損はないはず!
ええ、全部私の事ですとも!

Gt,Ba,Dr(+Key)が一丸となって繰り出す、印象的なフレーズが強いインパクトを放ち、
それを繰り返すことによって呪術的な求心力が生まれます。
オマーは、こういう「インパクトのある強烈なフレーズ」を作るのがとっても巧い!
それまでどれだけダレているように感じても、フレーズ一つでハッとして、
耳を惹きつけられてしまうだけの力があります。

そして、一人一人の演奏の熱量がとっても高く、特に後半から最後にかけてどんどん
ヒートアップ
。それにつれて、楽曲も、会場の観客達もヒートアップしていきます。
みんなで一丸となって楽曲を盛り上げ、グルーヴの塊をどんどんでっかくしていって
最後にドカーンと大っきいグルーヴの大爆発を炸裂させる
様が目に浮かぶようです。

ライヴに行きたくなること請け合いの一枚!
アルバムの最後に、セドリックが挨拶していて、なぜか
「ありがとう。家帰って、風呂入れよ」って言ってる(笑)
なぜに風呂?観客も自分も汗いっぱいかいたから?
まぁセドリックだからなんでもいいか(笑)



さてさて、ここまで、飛ぶ鳥を落とす勢いで順風満帆にきたマーズ・ヴォルタですが
次作で危機が・・・そして遂にあの人物の離脱・・・!
次回取り組むのは、そんな波乱の3rdです。



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The Mars Volta:その1 de-loused in the comatorium「とんがってぶっ飛んだ音世界に、今回限りのあまりにも豪華すぎるリズム隊!」

祝・新作リリース!
言葉にするのが大変だと分かりつつ、ここまで来たらもう戻れない。
前回At The Drive-Inを書いたのだから、The Mars Voltaマーズ・ヴォルタ
いかなきゃ嘘でしょ!
連日、死にもの狂いでCDを聴き続けて、ようやく編み出した言葉の断片たちをどうぞ。


これからを期待されたポスト・ハードコア・バンド、At The Drive-Inをツアー中に抜け出して
バンドは解散、セドリックオマーのアフロ・ヘア・コンビはカリフォルニアへ逃亡。
そこで、何かとお世話になっていた、ジェレミー・ワード(ATDIのジムの実の兄弟)と共に
デ・ファクトというダブ・バンドを組み(セドリックがドラム担当のインストバンド)、
二人で一緒に住んで、沢山の映画を毎日のように観る日々を過ごしつつも、策を練るのは忘れず
遂に生み出した壮大なプロジェクト、それがマーズ・ヴォルタ!

デ・ファクト時代、どういう縁か定かではありませんが、ひょいとライヴに姿を見せたのが
レッド・ホット・チリ・ペッパーズジョン・フルシアンテ
側で驚嘆するセドリックをよそに、後に親友となるオマーは、はじめその男がジョンだと
全然気づかなかったのだとか・・・
オマーが影響を受けたアルバムに「Blood Sugar Sex Magik」あるのに(苦笑)
これがきっかけか、レッチリは、マーズ・ヴォルタをライヴのオープニング・アクトに指名、
アンソニーやフリーもそのサウンドを絶賛することに。

しかし、デビュー盤をリリースするにあたり、大問題が発生します。
当時のベーシストが脱退してしまい、ベースが居ない・・・!
そこにあらわる救世主、フットワークの軽い凄腕プレイヤー、フリーさん。
何と、アルバム全曲のベースを、さらっと担当してしまったのです!
更に、フリーと仲良し(当時はBy The Wayの乱の最中だったから、微妙か?)のジョンも
7曲目でギターソロを披露。
レッチリとマーズ・ヴォルタでツアーする日々、オマーとジョンは互いのホテルの部屋を
毎日のように訪れ、二人でセッションを繰り広げ、親交を一気に深めていったんだそうです。
(こういったやりとりで出来たのが、あの「Omar Rodriguez-Lopez & John Frusciante」)


「元ATDI」「レッチリの二人が参加」と、話題のとっかかりが豊富な彼らですが、
いざアルバムがリリースされてみると、それ以上にリスナーの度肝を抜いたのは
彼らの音楽!
ATDI時代のハードコア風味をある程度継承しながら、もっと情報量が多く、
もっと個性的で奇天烈な作品を、彼らは世にぶち込んできたのです。
それが「De-Loused in the Comatoriumディラウズド・イン・ザ・コーマトリアム)」。

ディラウズド・イン・ザ・コーマトリアムディラウズド・イン・ザ・コーマトリアム
(2003/06/18)
マーズ・ヴォルタ

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奇怪きわまりないジャケもさることながら、バンドのコンセプトもユニーク。
他に何人もメンバーがいるのに、アーティスト写真にはセドリックとオマーしか写らず、
音楽的実権も、取材を受けるのも常にこの二人。実質、二人のユニットみたいな形です。
アーティスト写真も、例えばこんな感じ。
The Mars Volta
距離近けぇ!アブナいよ!
しかしWアフロのインパクトが強烈だったので、あえてこれを選びました。
目つきがギラギラして、服装にはあまり構わず、黒Tシャツ黒パンツの格好が多いセドリックと、
でっかい黒縁眼鏡がトレードマークで、ピタピタファッションがお似合いのオシャレさんなオマー。
ほとんど喧嘩もしないらしいです(笑)


さて、いざCDを再生してみましょう。
まず耳を惹くのは、ATDIでは想像もつかないほど、艶やかで、「うた」に特化したセドリック
ATDIでの仕事は「叫ぶ」「ラップする」が半分を占めていたから、当然ちゃ当然なのですが
「えぇ?いつの間にこんなに上手くなったの?!」と驚かずにはいられないほど。
ATDIでの鋭さや伸びのよさはそのままに、
より表現方法が多彩になり、高音から低音まで縦横無尽に、美しく正確に歌う
ように。
決して逆の順に聴いてはいけませんよ(苦笑)
1st~2ndが、セドリックの声のピークかも。素晴らしいヴォーカルです。
00年代で間違いなく、一番好きなヴォーカリスト!
ちなみに、ジム・モリソンを彷彿とさせる、奇行すれすれのパフォーマンスは相変わらずです。

ATDIでは「5人全員が一丸になって」音楽を作っている節があり、見えづらかったのですが
オマーというギタリスト、サウンドメイカーの個性が本作ではっきりと見えて来ます。
すごくとんがって、不意打ちのようにとんでもないところから飛び出してくる、
美メロ、調和なんてかなぐり捨てたような、乱暴で感情的な、デジデジした型破りなギター。
ピポラピポラと音をたてる、エフェクトかけまくりの変態的な音色。

ぐるんぐるん頭にサウスポーに有色人種と、少しだけジミヘンぽい演奏姿もイカしてます。
「デジデジ」はギターのみならず、アレンジ全般、とりわけSE音にも多用されており
オマーはこういうテイストが好きなんだなぁとすぐにわかります。
本作(と次作)は、浮遊音系のSEの多用が顕著です。イライラする人もいるかな?(笑)
アレンジもこれでもかというほど多彩で、無音になったかと思いきや突然に爆音が飛び出し、
静寂なSEで終わるかと思ったらまた振り出しに戻る#7など、実に個性的。
マーズ・ヴォルタはよく「プログレバンド」と括られますが、オマーにとってはそれはほんの
いち要素でしかなく、持っている手札の一枚をひょいと出したら、たまたまそれが目立っただけ。
他にも山ほどの手札を惜しみなく出していることもあり、あまり「プログレバンド」と括られるのは
好きじゃないみたいです。

ドラマーにこだわる男、オマー。ATDIでも不満があったのだとか。
しかし、そんな「違いがわかる男」の前に、千手観音の如き凄腕ドラマーが現れます。
00年代を代表するドラマーとも呼びたい、その男の名はジョン・セオドア
ボンゾのように激しくて、ビル・ブラッフォードのように緻密です。
激しい曲ほど、その叩きぶりに痺れます。#2、#3など。
このような凄腕ドラマーに、言わずと知れた凄腕ベーシスト、フリーが加われば、
泣く子も黙る世界最強グルーヴが出来上がり!
チャドとの「最強」とはひと味違い、しなやかで深みのある、剛胆さと繊細さを兼ねたグルーヴ
フリーの仕事は、レッチリでこれまで披露してきたような「俺様スラップ」とはちょっと違い
彼の憧れるベーシストの一人、ジョーンジーのような、
天才ドラマーに徹底的に同調して、リズム隊の爆発力を増し、セオドアの腕前を引き立たせる趣。
しかし「俺様はフリー様だ!」と言わんばかりの存在感満点のプレイもやっぱり健在で
#5などは「やっぱ、フリーさんパネェっす」と呟かずにはいられないブインブインっぷり。
でもアルバム途中から、そんな大先輩フリーをさしおき
「フリーさん<<<俺」の音量にしちょうオマーって、やっぱり色々と半端ない(笑)

このアルバムは、他の作品と比べ、「動物的」とか「肉食系」みたいな表現をしたくなります。
そう感じるのはやはり、フリー+セオドアの豪華すぎるリズム隊の所以でしょう。
フリーはAtoms For peaceでもトム・ヨークの音楽に肉感性を与えていると評されているし
蚤さん恐るべし。
00年代のレッチリでは、世代交代の波に揉まれ、ジョン・フルシアンテに役割を取られたためか
このような課外活動でのほうが、活き活きとその底力、幅広さを発揮しているように感じます。

そして、件のフルシアンテのソロが#7にあるのですが、ぱっと聴くと、どこからどこまでが
彼のソロで、どこからがSEやオマーのギターか、聴き紛ってしまいます。
よく聴くと「あぁ、あのギターだ」と分かるのですが。
#7以外の曲で感じたことなんですが、オマーが似せているのか、実は二人は似ているのか?
ソロ中盤の、ドリーミーな音色でつまびくプレイが顕著ですが、フルシアンテの繊細さと
オマーの豪快さが、心地良いコントラストを成しています。
後半の「またくりかえし」部分のソロでは、音楽理論に乗っ取って弾きこむフルシアンテと
理論無視で感情優先に弾きまくるオマーとの対比がよく見えて、これまた興味深いです。


フリーやジョンがいる繋がりか、レッチリなどのプロデューサーとして名高い
リック・ルービンとの共同プロデュース。
オマーは、彼に不満なのか、自分が仕切れないのが不満なのか
このアルバムの出来をクソミソにけなしてます(苦笑)。
「次作からがほんとの俺だかんね!」という訳なんでしょうか。
しかし、ATDIから移行してきた人、
レッチリの二人が参加しているのでちょっと聴いてみようと手に取った人には
スムーズに移行しやすいアルバム
だと思います。


本作のリリース1ヶ月前に、デ・ファクトでも活動を共にし、サウンド・テクニシャン等を務めた
ジェレミー・ワードが薬物のオーバードーズで急逝してしまい、
更に本作の制作前に、セドリックは友人をこれまたオーバードーズで亡くすという
(セドリックは本作で、その人を主人公に据え、彼の人生を歌詞にしようと試みた)
波乱含みの幕開け。
次作から新ベーシスト、ホアン・アルデレッテが加入して、豪華すぎるリズム隊は
お開きとなるものの、ホアンはバンドに長く定着する大事な存在となります。
そうして次作からは、オマーのセルフ・プロデュースも開始。
いよいよヤバイことになる、2ndを次回、頑張って追いかけてみます。




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At The Drive-In:Relationship Of Command「祝・復活!怒りと疾走感に満ちた伝説のバンド。童貞ちゃうわの他にも空耳あるわ!」

メジャーアルバム僅か1枚で解散してしまった伝説のバンド
At The Drive-Inアット・ザ・ドライヴイン、通称ATDI)が、今年、まさかの再結成!
4月にアメリカで行われる「コーチェラ・フェス」というフェスでのライヴを皮切りに各地へ。
フジロックにも出るみたい!行きたいーーー!!!

前年から実はそういう噂は聞いたことがあったんですが、まさか本当に実現するとは!
それに伴ってか、セドリックとオマーのThe Mars Voltaマーズ・ヴォルタ)は
新作リリース後、活動休止するらしく。

前年の段階で、セドリックは既にATDIの再結成に乗り気で、何とかオマーを説得して
実現した模様。再結成がスパルタ組から出た話か、セドリックから出た話かは不明。
しかし最近のインタビューで、オマーが「カネ目当てに決まってるだろ」みたいなことを
言ってまして。何をするにも何かとカネがかさむって。。
潔いというか、身も蓋もないというか・・・


一抹のモヤッとした思いはともかく、現時点で「最初で最後のメジャー・アルバム」である
Relationship Of Commandリレーションシップ・オブ・コマンド)」を
聴いてみることにしましょう。

リレイションシップ・オヴ・コマンドリレイションシップ・オヴ・コマンド
(2004/12/22)
アット・ザ・ドライヴ・イン、アット・ザ・ドライヴイン 他

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感想の前に、結成からこのアルバムまでの、バンドの動きをさらりと。
アメリカとメキシコの国境沿いにある町、エル・パソにて結成。
セドリック(Vo)とジム(Gt/Vo/Key)を中心に活動をはじめ、のちに
オマー(Gt)、ポール(Ba)、トニー(Dr)を加えて現在の布陣に。
インディーズ時代に2枚のアルバムをリリースし、精力的にライヴに励み、
その凄まじい演奏・パフォーマンスでじわじわ人気を得ます。
そうしていよいよ、メジャー・アルバムの話が到来。
先行シングル「One Armed Scissor」(アルバム3曲目)が話題を呼び、
満を持してリリースされたアルバムは大ヒット。
「ポストRATM」「次代を担うバンド」として大きく期待され、フォロワーも多数。
本国の雑誌で「グレイテスト・ギターアルバム100」や
「グレイテスト・アルバム・ベスト100 1985-2005」にランクインするなど、
今でも名作と名高いアルバム、そして誉れ高いバンドです。


再生するなりその世界に呑まれて、激しいライヴが目に浮かんでしまうはず!
強靱なリズム隊に乗っかって、2本のギターが絡むリフは圧巻。
歌というより叫びのようなセドリックのヴォーカル、4人の鳴らすサウンド、
全てに疾走感が満ちあふれていて、怒りにも満ちていて、
攻撃的かつ切れ味鋭く、ライヴを重ねたお陰で演奏のまとまりも円熟していて、
5人が一体となって迫ってくる、「この5人でしかできない」と思わせるような
一体感と迫力の虜になります。

ラップ混じりのヴォーカルにトリッキーなギターということで、RATMが下敷きにあるとしても、
単にフォロワーでは終わらず、ヴォーカルはよりメロディアスかつ伸びがあり、
ギターはエフェクターだらけの足元、荒々しくて奔放に音世界と戯れるようなリードギター。
より進化したポストハードコアバンドとして、RATMのトム・モレロも賞賛したそうな。

存外ポップだったり、静寂に包まれたナンバーもあり、バラエティ豊かとも散漫とも
とれますが、やっぱり推しは怒りや疾走感が全開のハードなナンバー。
#1,#3,#4,#6,#7,#8などに耳を惹かれてしまいます。
のっけから頭を打ち抜かれるような衝撃が走る#1でまず驚き。大絶叫炸裂!!!
ギターリフやドラムとぴったり同期するためあまり目立たないけど、この曲はポールの
輪郭のくっきりした、主張の強いベースソロ始まり(#9もですな)。イイですねぇ。
序盤のほうで「違った~違った~ことだけっど~」という空耳を発見しました。
先行シングルカットされた#3は言うまでもなくかっこいい。陰鬱に始まり、サビで怒りが炸裂。
キャッチーな曲ですが、オマーとジムの2本のギターの絡みは美しくすらあります。
中盤でセドリックとジムが共にシャウトする場面がありますが、二人とも伸びのよいシャウトで
気持ち良すぎる!
#4は不本意にも「どどどど童貞ちゃうわ!」の空耳が先行して知れ渡ってしまいましたが(笑)
名曲なんですよ!最初から最後まで全員全開で飛ばしていて、ダイレクトに効きます。
童貞ちゃうわでも何でもいい、セドリックのラップの熱量とキレが凄いんです。
2本のGt,Ba,Drが一つになってうねる#6は、音の塊に振り回されて頭がぐるぐるになりそう。
この曲のイントロ、Boom Boom Satellitesがパクってる気がする(笑)
カーチェイスを連想させる(歌詞でも言ってる)#7は、サビの疾走感が最高!
車を飛ばしたいぞ~!クラップも効いて、音速の速さで駆け抜けたくなります。
イントロのヴォイス、パーカッションなど、音のアプローチがユニークで良いメリハリ。
#8はなんと、イギー・ポップ大先生が参加。セドリックでもジムでもない声がすると思ったら
イギー先生でした。ここでは「カカカカカカカ、帰れ!」という空耳が炸裂しています。
まさかイギー先生に「うるせえジジイ、帰れ!」って言いたいってことはないよな?
私が把握できただけで実に3つもの空耳。セドリック、いつ日本語覚えたの?(笑)

セドリックのヴォーカルがあまりにキレキレで、ついついそこばかり耳がいきがちですが
それに更に火を注ぐのがジムの怒号のようなコーラス。怖えぇ!迫力ありすぎです。
たまにオマーもコーラスしていることがあり(ライヴなど)、迫力更に追加。
そして#10ではトニーのドラムがイントロから大爆発!
爆撃リズム隊が好きな人はこのバンドを絶対聴くべきです。
なのにオマー、当時トニーのドラムに不満があったって?何と贅沢な!
後にマーズ・ヴォルタがドラマージプシーに陥るのを、既に予見しているかのようです。

もう、全てのパートが、火と火でぶつかりあって、燃えたぎっているんですよね。
でもそれだけじゃメリハリがないから、静と動のコントラストを常に意識している。
AメロBメロで引いてタメて、サビで一気に押す!

#5では「一曲終わって、あれ?もう一曲?」という構成。#8では雷雨とおぼしきSEが出てきて、
間奏部分では色んな音色を駆使して「雷雨」のイメージを表現しています。
エフェクト大活躍のギターサウンドと合わせ、後のマーズ・ヴォルタに通じる要素が
随所でみられて、そうした点でも興味深いです。


音源で十分お腹いっぱいになれる本作ですが、Youtubeなどで当時のライヴ映像を検索して
観てみることを強くオススメします!
なにせ彼らの本領はライヴ。セドリックとオマーのアフロコンビのインパクトが半端ない!
髪型もさることながら、右往左往と、もう狂ったように暴れ回りまくる!!!
オマー曰く「あの時期のことはヤクのやり過ぎでよく覚えてない」んだそうですが(苦笑)
視覚的にもとんでもないバンドです。
こんなのを生で観られた日にゃ・・・!

再結成ライヴではどんな演奏・パフォーマンスが観られるのでしょうか?
みんな歳をとって、色んな経験を積んで、当時ほど怒りに満ち満ちていないだろうし、
体力面もあるし、もうそんなにヤク漬けになることもないだろうし(たぶん)。
でも今でも「マーズ・ヴォルタのライヴは凄い」という感想を随所で聞くので、
少なくともアフロ組、とりわけセドリックは問題ないでしょう。
乗り気でないうえ最近落ち着いてきたオマーと、スパルタ組がやや心配・・・でもないか?


順風満帆にロックスター街道を歩んでいると思われていた5人。
しかし、ギャラの問題、更には音楽性の相違など、様々な問題が生じ、
5人はツアー中に「マーズ・ヴォルタ」と「スパルタ」に分裂、解散。
オマーのソロ・ベスト・アルバムに寄稿している、オマーの古くからの仲間によると
オマーのサウンドが他のメンバーに受け入れられなくなり、孤立し、バンド絶頂期に
脱退を余儀なくされる状況に追い込まれ、そこで昔から親友だったセドリックと
「協定」を結んで、ふたりでATDIから飛び出した、とありました。
でも、ATDIはそもそも、セドリックとジムが始めたバンドで・・・。
そして「ギャラの問題」については、例えばこうした場面。
At The Drive-In
セドリックが言っていたと記憶していますが、この手の写真は、フロントに写るメンバーに
より多くギャラが支払われるのだとか。
そうすると、メジャーバンドのフロントマンのセドリックが有利で
見た目のインパクトか、サウンドの影響力か、オマーも前に出てくることが多く
スパルタ組はこのように、後ろに追いやられる写真がちょっと多めです。

憶測するに、大きく括ると、ジムVSオマーで対立しちゃったのかな、と。
リーダー格だったはずのジム、いつの間にか人気や影響力が出てきたオマー。
オマーはマーズ・ヴォルタでサルサやラテン音楽など、隣国メキシコを思わせる要素を
多く盛り込んでいますが、ジムはそういう音楽は絶対にやりたくないと言っていました。
立場の逆転に加え、音楽性も合わない、出す音は理解を超えたアヴァンギャルドさ、と。
結果的に、この闘いはマーズ・ヴォルタ=オマーの圧勝に終わるとはいえ
自分がジムだったら、オマーの存在を受け入れるのはやはり難しいかも。
ずっと一緒にやってきたセドリックを奪還したりと、その行為も許し難いかも。
他のメンバーはジムについてきたとはいえ。
セドリックにしても、ジムを裏切ったことにどこかでずっと負い目があって、
だからATDIの再結成に乗り気になったのかな、なんて想像してしまったり。


そんな確執から11年が経ち、時の流れ、他さまざまなものがわだかまりを溶かし
(オマーの発言から鑑みるに、互いの利害のための、形式的な和解かもしれなくても)
今ふたたび5人による新たなステージが繰り広げられようとしています。
オマー曰く、ATDI名義での新作はないとのことですが、
なにせ真骨頂がライヴにあるバンドですから、ライヴを楽しめるだけでも
十二分幸せなことなんじゃないでしょうか。
セドリック、ジム、オマー、ポール、トニー、ガツンと来るかっこいいライヴを頼みますよ!
私は観にいけないから、Youtubeあたりをチェックするしかないので
観にいける幸せなあなたは、私の分まで存分に楽しんできてくださいね。



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テーマ:洋楽CDレビュー - ジャンル:音楽

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女の子ものがたり「幸せって何?不幸って何?辛辣な現実と、儚い青春の想い出と、一生消えない大切なもの」

甘い青春の郷愁ものがたりかと思っていたら、いきなり頬を平手打ちされるような
苦い現実をこれでもかと見せつけられ、本当に色々な事を考えてしまった
邦画「女の子ものがたり」。
西原理恵子さんの半自伝的漫画が原作です。
この映画で、西原さん&主題歌担当の持田香織さんの食わず嫌いが
かなり改善したかも?

女の子ものがたり [DVD]女の子ものがたり [DVD]
(2010/03/03)
深津絵里、大後寿々花 他

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えーっと、深津絵里さんが西原さん役ですと?!(厳密には「モデル」なだけだけど)
そこがなんとも(笑)
美しい深津さんが、ガサツ、毒舌、無精、酒飲み、仕事はスランプなダメ女を
いい塩梅で演じていて、なかなか面白いです。
しっかりしているけど気弱な担当編集者、通称「ぜんざい君」役、福士誠治君の
冴えない具合も見所。
いつの間にこんなもっさりに?朝ドラの頃はもっとシャキッとしてなかったっけ?
但し、この二人は想い出のストーリーテラーみたいな役割で、あんまり中心としては
出てきません。
深津さんは「女の子たちのものがたりの主人公」の現在の姿で、漫画のスランプをきっかけに
過去の「友だちとの想い出」を振り返り、次第に現在にも変化が現れてくる、という感じ。
話は西原さんの少女期ほぼそのままなので、あえてネタバレで話を進めます。

西原さんを投影した主人公、高原菜都美、通称「なっちゃん」は
7歳のとき、お母さんの再婚をきっかけに、見知らぬ田舎町に引っ越すことに。
引っ越したばかりの時、「外で遊んでて」とお母さんに言われたので外へ出たら、
広々とした、さびれた空き地で遊ぶ、同年代の女の子二人と出会います。
ひょんなことから、その日のうちに二人と打ち解けて、
それから長いこと、3人でいつも一緒に過ごす友だちになることに。

なっちゃんの義理のお父さんは優しいけれど、お金のトラブルが絶えず、
両親は毎晩のように喧嘩ばかり。
「私は幸せ、私は幸せ」・・・なっちゃんはひとり「おまじない」を唱え、
孤独や悲しみを紛らわせていました。
しかし、出会った二人の友だちは、なっちゃん以上に「ワケアリ」でした。
きいちゃん」こと、きみこは、母子家庭で貧困にあえぎ、いつも薄汚い格好で
「ビンボー」と皆から酷くいじめられていました。
みさちゃん」こと、みさは、子だくさんの一家で、お母さんは暴力的で
子育てに追われ余裕がなく、何かに付けみさちゃんを殴ります。
転校した小学校への登校時、いじめられるきいちゃんと、それをかばい続ける
みさちゃんを目にしたなっちゃんはショックを受けます。
他の女の子には「あの子達とは一緒にいないほうがいいよ」と言われてしまい、
困りつつも、二人と友だちでいることを決めたなっちゃん。
しかし、お母さんはなっちゃんに「友だちは慎重に選ばないといけない、
そうでないと私のような人生になってしまうから」
と言い聞かせます。
いい学校に進学して、いい会社に就職して、
自分のような、男に振り回される「失敗人生」を送らないためにと。
はじめは、「お母さんみたいになりたい。お母さんも辛かったらおまじない唱えたら」と
幼さゆえに意に介しないなっちゃんですが、
お母さんの言葉は、ものがたりが佳境に近づくにつれ、ジョブのように染みていきます。

それぞれの孤独と痛みを、舐め合うように、寄り添う3人の女の子。
7歳の3人は、まるで童話の主人公たちのように、きらめきにあふれています。

だけど現代の菜都美は、友だちの「と」もない無頼な生活を送っていました。
ぜんざい君は実は、昔の菜都美の漫画のファン。しかし、「編集部の意向」で
描きたくもない無難な恋愛漫画を惰性で描き、いつまでも無気力にだらだらと
現実逃避を続ける菜都美に業を煮やし、
「恋人も、友だちもいないでしょ?そんな人に、人間の機微とか描けるわけがない」
「描かないんじゃない、描けないんですよ!」と、怒りをぶつけます。すると菜都美は
(友だちは)いるよ。・・・いるんだ。あたしにも」と答えます。
しかし返答には間があき、その表情には翳りが。
菜都美の中で「友だち」は、一種のトラウマ、触れるのが怖い記憶になっている様子。
キラキラ輝いていたはずの友だちとの日々は、月日を経るごとに、次第に苦々しい過去へと
形を変えていきます。


女の子たちは、高校生になりました。
高校生の3人は、それぞれ大きな苦境にぶつかります。

まず、悪い男にはまったきいちゃんは、何日も家に帰らず、
その男達が他人の車からの給油などの悪行に手を出したために、警察に追い回され、
きいちゃんの縁でドライブに誘われた3人は、山中に置き去りにされてしまいます。
何とか町にたどり着き、開館していない銭湯に服のままザブーンと飛び込んだ
やんちゃな悪戯が警察に通報され、3人は補導されてしまいます。
きいちゃんはお母さんに「こんなところばかり私に似て」と言われます。
どうやらお母さんも、悪い男に引っかかり、離婚してしまったようです。
だけど、そんな酷い仕打ちを受けてもなお、きいちゃんはその男から
離れることができません。生まれる前に居なくなった、お父さんはきっと
こんな風だったんだろうと感じ、面影を追いかけてしまうのです。
ちなみに、みさちゃんはやはりお母さんに殴られ、なっちゃんはお母さんに
「だから友だちは慎重に選ぶように言ったじゃない」と淡々と言い放たれます。

次に、ギャンブル好きで新しい事業を次々に始めては失敗を繰り返してきた、
なっちゃんの義理のお父さんが、ギャンブルで莫大な借金を作り、自殺します。
板尾創路さん演じる、この「お父さん」は、何かにつけなっちゃんに
お前は何か違うぞ。人と違う人生を送れるかもしれん」と言い続けていたのが印象的。
しかも結果的にはそれが現実のものとなるのだから、愛情の力は凄いです。
けれど、皮肉にもこれがなっちゃんへの最期の言葉。
西原さんの史実では、美大受験前日の出来事だったそうです。
更に、この映画にははっきりと出てきませんが、西原さんの経歴を見ると、
最初のお父さんは酷いアル中で、お母さんは西原さんを身籠もったまま実家に戻って
西原さんを産み、お父さんは西原さんが3歳の時に亡くなって、
西原さんは実のお父さんの顔も知らないのだとか。
つまり、お母さんは、同じような悲劇を二度も繰り返してしまったことになります。

そしてみさちゃんには、最も過酷な運命が。
みさちゃんのお兄さんが轢き逃げ事故を起こし、お父さんと一緒に、死んだ相手を
山中に埋める、という、一家ぐるみでの犯罪を犯してしまったのです。
みさちゃんは高校生にして、たったひとりで幼いきょうだいを背負って
生きていかなくてはならなくなってしまいました。
スーパーで売り子のアルバイトをしたりと、もう、純真な女の子の生活を
楽しむ暇はなくなり、生活に追われていきます。
子育てに追われていた、あのお母さんのように。
後には水商売とおぼしき仕事に身を投じ、あっちへフラフラこっちへフラフラ。
へらへら笑って、都合が悪くなると逃げる、いわば「コトナ」になってしまいます。

痛々しいリアル。
しかし、同じように痛みを抱えて寄り添い合ってきた3人の仲に、
次第に隙間風が吹きはじめます。


昔から絵を描くのが大好きななっちゃんは、3人の「基地」ともいえるいつもの空き地に
ぼさっと建っている建物に、長い時間をかけて、大きな、迷える女の子たちの絵を描きます。
「変な絵」とみさちゃんは揶揄し、「上手やなあ」と、きいちゃんは褒めてくれました。
更に、なっちゃんには天賦の才能がありました。
小さい頃から既に、空には水色だけでなく多くの色が含まれていることを理解しており、
迷える女の子たちの絵にも、なっちゃんならではの独自の価値観、意図が込められていました。
義理のお父さんが予見した通り、なっちゃんは明らかに、平凡な女の子ではありませんでした。

高校生は、女の子というさなぎが、女という蝶になって羽ばたく季節。
悪い男とわかっていても件の彼氏と離れられないきいちゃんは言うまでもなく、
なっちゃんにも初めての彼氏ができて、みさちゃんはほとんど「ヤリ逃げ」ともいえるような
初体験を済ませ、またお母さんにぶたれていました。

3人+なっちゃん・きいちゃんの彼氏で、海へ遊びに行ったある日、
なっちゃんはファーストキスを経験します。
しかし同時に、いつか見た光景を、もう一度目にしてしまいます。
きいちゃんを容赦なく殴る彼氏。きいちゃんをかばい続けるみさちゃん。
なっちゃんの胸中に、不穏なものが去来します。


なっちゃんがお母さんに、将来何をしたいか尋ねられ、昔とは違って
「したいことをする」ように後押しされ、進むべき道を模索している頃、
きいちゃんは、あの悪い男と遂に結婚。
更に、久しぶりに3人で再会した時には、みさちゃんも何度目かの結婚をしており、
きいちゃんと幸せ自慢を繰り広げる一方で、きいちゃんが席を外した隙に
なっちゃんに僅かながらお金の無心をします。
きいちゃんも、みさちゃんも、男に殴られながらの結婚生活。
「うちら殴られてばっかりやなー」と、道化のように笑うみさちゃん。
幸せとは名ばかりの、不幸そのものの人生に首までどっぷり浸かってしまった2人。
なっちゃんは怖くなって、その場を逃げ出してしまいます。
「きいちゃんは幸せ、みさちゃんは幸せ」
震えながら、子どもの頃呟いていた、あのおまじないを繰り返して・・・。

ここで、なっちゃんと他の2人との関係に、遂に決定的な亀裂が入ります。
逃げ出したなっちゃんを追ってきた2人、辿り着いたのはいつもの空き地。
「何でうちらは、幸せになられへんのや」
「みさちゃんもきいちゃんも大好き。だから幸せになってほしい」

悲痛な願いを口にするなっちゃんに、きいちゃんはこう話します。
「不幸なんかなぁ?うちは不幸やなんて思てへんよ」
「幸せって何?不幸って何?夢があったら幸せで、なかったら不幸?
ええやんそんな、どーでも!」

そして突如、きいちゃんの感情が爆発します。
「"私はあんたらと違う"と思うてるんやろ!」
怒り狂い、なっちゃんを突き飛ばすきいちゃん。
「ああ思うてるよ、思ってる思ってる思ってる!!!
私はあんたらみたいな人生、送りたくない!」

体裁を取り繕うことがもはやできず、激しく応酬するなっちゃん。
みさちゃんが止めに入りますが、その喧嘩のあまりの激しさに止めきれず、
旦那に殴られて頭蓋骨に怪我を負った頭を打つように、倒れてしまいます。
そして、双方泥まみれになるまで喧嘩した挙げ句、最後の捨て台詞に、
きいちゃんは静かに、こう吐き捨てます。
「この町から出て行け。そんで、もう、帰ってくるな」

泣きながら、ボロボロに汚れた服で、ひとり立ち去って歩いていくなっちゃん。
なっちゃんは、絵の道を選び、きいちゃんに言われた言葉どおり、
町を出ていき、そして二度と2人に会うことはありませんでした。


現代の菜都美は、ぜんざい君を連れて、思い切って故郷の町に足を運びました。
漫画のスランプを抜け出すきっかけを作るため、友だちとの記憶と向き合うため。
すると、きいちゃんは、既に病気で他界していました。
みさちゃんはあちこちで借金をこさえた挙げ句、町を逃げ、消息不明とのこと。

きいちゃんのお母さんが、菜都美にきいちゃんの生前の言葉を伝えてくれました。
「なっちゃんは才能がある。うちらとは違うんや」
「なっちゃんは東京で忙しくしてるんやもん、邪魔しちゃあかん」
「なっちゃんの道はどんどん、伸びてゆくんやから」
そう言って、菜都美をずっと応援し、あえて会うことも、自らの病気を知らせることもせず、
病院のベッドではいつも菜都美の漫画を読んでいたきいちゃん。
きいちゃんは、あの日、あえて菜都美を自分たちから遠ざけ、
自分たちには行けない、遙かな夢を追う広い世界へと、背中を押してくれた
のでした。
まるでサバンナで暮らす動物のメスが、子どもを冷たくあしらって巣立たせるかのように。
なっちゃんが2人のもとを去った時、きいちゃんはなっちゃんの絵を見つめながら
静かな微笑みを浮かべていました。あまりにも、不器用な愛情でした。

短い旅の終わりに、菜都美たちがあの空き地に行くと、女の子が1人。
彼女の名前は「なつこ」で、あだ名は「なっちゃん」。
きいちゃんの娘さんです。
きいちゃんは、この絵は私の友だちが描いたんだよ、と言って、
「なっちゃん」を連れてよくこの空き地に来ていました。
心を通わせる、ふたりの「なっちゃん」。
小さななっちゃんは、菜都美があの大きな絵を描いた「なっちゃん」だと知って
大喜びし、「上手やなあ」と菜都美を褒めます。
その口調は、あの頃のきいちゃんと瓜二つ。

帰りの列車。車窓から流れ込む風に吹かれながら、
「私、友だちの漫画、描いてもいいかな?」と言う菜都美。
ぜんざい君は、いち読者として、そして大切な理解者として、心から喜んでくれました。
車窓を眺める菜都美の向こうに、「なっちゃーーん!」と叫び、走りながら手を振る少女が2人。
それは、高校生の姿の、きいちゃんとみさちゃんでした。
もう二度と会えない2人。だけど、想い出を辿れば、またいつでも逢える。
やさしい涙がそっと頬を伝いながら、菜都美はモノローグでこう語り、物語が終わります。
「もう、こんな友だちは、一生できないと思う」


とてもキラキラしていて、かなり辛くて、哀しくて、ちょっぴり優しいものがたりです。
綺麗ごとが一切ないのが、リアリティに繋がっています。
過酷な現実の中にある、一筋の光。やさぐれた心の中に埋もれている、一握りの温もり。
「幸せって何?不幸って何?」きいちゃんの問いかけも胸に刺さります。
TVでこの映画を観てから、既に2週間余りが経っていますが、
その答えは、未だに出せないままです。



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相棒:その5 Season ten 最終回感想「有終の美へと着地することのないTVドラマ、救われずに去っていく"相棒"・・・大胆不敵な問題提起」

いやぁ、どす黒い幕引きでしたねぇ。相棒ten
コンビものの「相棒」の去り方としては、国内外を見渡しても史上最悪レベルというか、
ある意味画期的ですらあったというか・・・。
事実上の、相棒「失格」って。
後味は最悪だけど、度肝を抜かれたし、相棒らしいっちゃらしくもあって
TVドラマの一種マナーである「終わりよければ全てよし」に一石を投じるようで
大胆不敵ですらあって、私の中では忘れがたいドラマ(Season)になりそうです。


前回の相棒の記事で、「神戸は綺麗に去れない」と予想したんですが、
予想の斜め上のかたちで当たってしまいました。
流石に死にオチはなかったけど、警察官としては「死んだ」ようなものですよね。
ラスト少し前で、海辺に車を停めて、空高く飛び去る風船を見つめて
物思いに耽るシーンがあり、「え・・・まさか本当に死にオチいっちゃうの・・・?」と
ガクブルでしたが、すぐ例のバーが出てきて「なぁんだ」と。
大河内は占い師かカウンセラーか、はたまたオカンか!
初回から全く進展のない泣きつきはいただけませんねぇ。

このところ「神戸は何の為にいるの」という、空気のような合いの手役でおさまっていて
最終回でも事件そのものはいつもありそうな話、お偉いさんが都合が悪いと言って
揉み消そうとするのもよくある話で、「この流れでどうやって卒業するの?」という
前半部でしたが、長谷川と雛子が神戸を呼び出したくだりで流れが一変しましたね。
いっそ小気味よいぐらいの「転」でした。「起」「承」がなだらかだっただけに。
あの右京さんが本気で他人に動揺しているとは。
そして、ハンマーで頭を殴られるような、「結」。

右京さんのスパイとして相棒になって、右京さんを裏切って相棒を去る。
やっとツーカーで通じ合える仲になってきた矢先の、決定的な裏切り。

(視聴者目線では)同じように「卒業」した亀山の記憶もコントラストをなして、
一層、この「限りなく漆黒に近いグレー」色が引き立ちます。
新しい夢をみつけ、自分の意志で特命を出ていって、皆から惜しまれたヒーロー、亀山。
涙ぐみながら去りたいと申し出ても去れず、突然偉い人に引き抜かれて
まるでPCが強制終了するかのように、プツリと物語を断ち切られた神戸。
亀山を思い出して神戸に立ち返ると、そのあまりの業の深さに、恐ろしくなってすらきます。
神戸、恐ろしい子・・・!この帰結は神戸というキャラが誕生した当初からあった構想なのか?
もしそうだったとしたら、及川さんはよく引き受けたなぁと。
でも、演じてみるのはやり甲斐がありそうですね。

「大概のドラマは亀山のような終わり方をするし、神戸もまた何か新しい夢や目標を与えられ
新たな道へ?」という無難な結末も想像していましたが、もしそうなっていたら
もう相棒というドラマに興味を持てなくなっていたでしょう。
その点では満足のいく結末でした。
リアルよりも生々しいリアルのえぐみを、主役によって「TVドラマ」にぶち込まれる
なんて、全く予想だにしていませんでしたから。

しかしまぁ、自分が右京さんだったら、相棒を招き入れるのがトラウマになりそうです。
でも人事は右京さんには選べないわけで。
次の相棒は、神戸の登場時とは違った意味で、すんなりとは迎え入れてもらえなさそうで、
そこに次Seasonの幕を開ける「どうなる?」の種がひとつ蒔かれましたね。


さて、神戸特命卒業以外で大きな変化といえば、
「小野田官房長官に代わる人物は?」のピースが遂に埋まりましたね。
長谷川「警察庁長官官房付」とな。すっかり忘れていましたよ。
しかし、干されていたこのSeason tenの期間で、雛子を手伝いながら虎視眈々と準備して
今回の一件でまんまと官房長官ポストをゲット!とおぼしきオチは「なるほどね」でした。
道理で上の方の事情をSeason中、一貫して秘め続けてきたわけだ。

そうすると、今後は右京さんVS長谷川「新・官房長」か?
けれどもしそうなったら、官房長付になった神戸が出てきそうなものでは?
でも神戸は相棒を卒業したわけだから、出すわけにはもういかないだろうし
新官房長は、右京さんの敵には特にならないのか?
でももう一つ解釈ができますね。
右京さんと再会した時には、神戸が「長官官房付」を断って、警察庁を去った、という見方。
長官官房付は一時的な場所らしいので、あるいは新しく、全く違う部署へ異動になった、とも。
VS官房長がぼちぼち起こるようなら、そう経たない内に顔を合わせそうなものだから
「またいつか、どこかで」なんて言い方、しないような気もして。
たまきさんの後釜に幸子が来たように、小野田さんの後釜に長谷川さんが来たと
捉えるほうが妥当だろうし。
「相棒卒業」は、「神戸は特命係の右京さんの相棒を卒業して違う立場でまた出ます」
じゃなくて、中の人=及川さん自体が卒業ですもんね、順当に考えると。

色々謎を残したまま、神戸は相棒世界から姿を消していきましたね。
謎の人物として現れて、重大な謎をひとつ視聴者に委ねて去る。
今回の最終回があってこそ、神戸も亀山と同格に、視聴者にインパクトを残す「相棒」と
なれたように思います。


償う術のない罪」が、今Seasonを貫徹するテーマとなりました。
過去の「償う術のない罪」に苦しみながら、現在形でまた新たな、しかもより罪深い
「償う術のない罪」を犯し、何事もなかったかのように元の「エリート」に
戻っていくことになった神戸。
亀山のような、絵に描いたような爽やかな主人公、まっすぐな物語は、
少年漫画のように、観る人に夢や憧れを抱かせ、強く心を惹きつけます。
しかし哀しいかな、亀山のようにまっすぐに考えられたり物事が進んだりする人物は
現実にはそういません。
現実は神戸のように、昔の過ちやさっきの失敗を、ときに正しいと思って突き進んだり
ときに悔いて慟哭したりしながら、ときに右についたりときに左についたりしながら、
絵にならないリアルを、その人なりに必死に生きているはずです。
「こんな時代だから、ドラマには夢が欲しい」と言う視聴者、作る制作陣が多いのを
否定はしませんし、夢のあるドラマも楽しく観ました。
でも、寧ろこんな時代だからこそ、現実から目をそらさず、しっかり向き合って
いかなくてはならないし、それをしないからいつまでも「こんな時代」なのではないか

時々考えます。
神戸という「絵にならないリアル」を通して、目先の視聴率を落としてでも
相棒制作陣が伝えようとしたのは、もしかするとそんなメッセージだったのかもしれません。
例え、そのリアルが、今まで見たことがないほど過酷なものだったとしても。

テーマ:相棒 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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ざっくりテレビライフ:その2 「言葉にこだわるお笑い深夜番組がたまらなく面白い!世界は言葉でできている&バカリズム辞典&フットンダ」

このところ軒並み、ネタやトーク以上に、「言葉」そのものにこだわったお笑い番組
深夜枠にひしめいているように感じます。
自称「言葉信者」の私には、居てもたってもいられません!
それで、色々観ています。全て録画ですが。
以下、こうした「言葉系」のお笑い番組3本を、楽しんだ感想をざっくりと書いてみます。


その1:世界は言葉でできている

お笑いというよりむしろ、M-1や、IPPONグランプリ等の賞レースに近い緊迫感。
そして、言葉で笑いを取るよりも、「なるほど」と感心したり、心に響くような
名言を創り出すことが主旨のアツイ番組。
残念ながらこの3月で終わってしまい、4月からは別のバラエティに移行するとか。
もっと観たかったのに!

偉人、有名人の名言をとりあげ、その一部を四角窓で隠して、
回答者「コトバスター」達が、そこに自分なりの言葉をはめ込んで新しい名言を創り、
その場にいる観客達が判定スイッチを押し、少しでも高い点数を得るバトル。
元の名言を超える=名言超えを目指し、お笑い芸人からコピーライターまで幅広い
「言葉の名手」が揃って、真剣勝負が繰り広げられます。

題材もいろいろ。
私は、TV番組表で「ジョー・ストラマーの名言」を題材にしているという記述を見て
この番組を初めて観るようになりました。
ひとりの人の言葉だけでなく、あるテーマが題材となり、そのテーマにハマる
名言をピックアップすることも多いです(「恋愛にまつわる名言」など)。

コトバスター達のバトルの末に出てくる、先人たちの名言そのものも
名言に関連する史実と相まって「さすが!」「ほほぅ、なるほど」と唸らされますが、
コトバスターが編み出した名言の方が観客に響くことがあって、それが「名言超え」。
獲得ポイントが2倍になり、更に「超ニーチェくん」という人形が贈られます(笑)。
人形の名前がニーチェなのがこれまた、らしいですよね。
先人たちの「正解」を知らなくても、コトバスターが創り出した名言に
「うまい!」と感動したり、「面白い視点だなぁ」と発見があったりして、
二重三重に言葉の妙味を堪能できます。

言葉のプロの圧勝と思いきや、実はお笑い芸人がなかなかうまいんです。
先日観ていたら、オードリー若林が、名言超えをしたばかりか、
放送史上最高得点までマークするという偉業を!
バナナマン設楽ピース又吉も、名言をコンスタントに出してきます。
今クール「デカ黒川鈴木」で味のある演技でドラマ主演を務める、130R板尾さんも良い。
そしてあの有吉も名言越えをしている!
前回のIPPONグランプリを観て、本気出したら有吉も真面目にやれるんだということが
やっとわかったばかりではありますが(笑)。
ミュージシャン枠からは、東京スカパラダイスオーケストラ(スカパラ)の作詞担当、
谷中敦さんも毎度毎度、粋でロマンティックな名言を繰り出すんですよねぇ。

一緒になって、頭を振り絞って必死に考えてしまいます。
陳腐な言葉じゃ人に響かない。奇をてらいすぎても名言にはなれない。
言葉っておもしろい。でも言葉ってむずかしい。
番組名「世界は言葉でできている」はあながち嘘じゃない、
言葉の奥深さをこれでもかというほどに体感できる、いい番組
だと思います。


その2:バカリズム辞典~ニューワードの1ページを刻む~

「カキューン!!」という深夜単発特別番組枠(主に2週ごとに入れ替わり)内の番組で、
もう観られない、今となってはレアな番組。
でも、またやってほしい!

バカリズムが司会進行&回答者、ほかに麒麟・川島石原良純さん、
はいだしょうこお姉さん、ギャグ漫画家の和田ラジヲさんが参戦。
バカリズム曰く、企画会議の段階で「ゆるく」という単語が10回以上出たとか(笑)
そのとおりのゆる~い番組です。

最近若い世代の中で流行っているという、正体不明の「新語」たち。
辞書にも載ってない、翻訳してもしっくりこない、そんな形のない言葉を
「絵」で表現して、独自の「バカリズム辞典」に刻もう!という趣旨。
最初に新語を表示され、次に使用例VTRが流れ、回答者全員でベスト回答を決めた後
正しい意味や用法が、なぜか「法廷画家」さんの絵つきで紹介されます。

絵の企画でしょうこお姉さんがいる時点で、どんな番組か想像がつくかと(笑)
石原良純さんの絵もなかなかに破壊的です。新語の意味に近づくのは巧いのに。
そして、バカリズムと麒麟川島が、ときに本職の和田ラジヲさん(ヘタウマ系)より
絵が上手だったりするのが何ともいえず・・・。

正解を当てるのはあまり目的ではなく、いかにおもしろい絵+解釈が出せるかが勝負。
やっぱりその辺、ラジヲさんは強いです。シュールで、うまいとこ突いてくる。
バカリズム、川島も安定した腕前。良純さんは当ての面で「いい線」いきつつ可笑しい。
しょうこお姉さんは、なかなか絵を書けないことが多かったり。
で、書いたら例の絵ですからね(笑)やたらとちっちゃい、いろいろヤバイ、と。
バカリズムの立ち位置がIPPONグランプリの松っちゃんになっているのが
心なしか気になりますが、ゆるい番組なので気にしない気にしない。

しかし、新語恐るべし。言葉はどこまで簡略化・暗号化されていくのでしょうか?
名回答よりも、ある意味一番衝撃的なのが、新語とその意味・用法だったりして。

絵による大喜利といってもよいこの番組。絵(+言葉)で爆笑を引き出すには、
画力があれば尚いいけれど、「目のつけどころ」と「絶妙に笑える絵」が
ポイントのようですね。
そして、結果的に、「ゆるく」は実は、笑える絵を描くのに必須な条件で。
風刺画系統にヘタウマ系が多い理由がなんとなく分かった気がします。
ゆるく構えながら、観察眼は鋭く。
うーん、言葉と絵の絡みも深いなぁ。


その3:フットンダ

時々ゴールデンより少し遅いくらいの時間にスペシャルをやっていて、
今回紹介した3番組では一番定着している番組かもしれません。
番組名からもおわかりのとおり、ゆるいテイストの、駄洒落~大喜利番組。
ゆる笑点、Young笑点といってもいいかも。

なぜか密教世界のテイストで統一されているスタジオセット(特に意味はない)。
そんな摩訶不思議な空間の中、タカアンドトシを司会(&回答者)に、
様々なモジり、言葉イジりが繰り広げられます。
回答者数人が中央の布団を囲んでぐるりと座り、まぁまぁ面白い回答をしたら
布団が「クスクス」という感じでひょこひょこ盛り上がります。
そして、キターーー!という面白い・くだらない回答が出たら、
その名の通り、布団が天高く吹っ飛ぶ!と。
この笑ったり吹っ飛んだりする布団、ちょっとかわいい(笑)。

お題は多彩で、歌って答えたり絵を描いて答えたり、挙げきれないほど豊富です。
例えば、ヒット曲のサビをモジって面白いフレーズを創ったり(名曲モジり)、
あるキーワードを元に、それに関連するようなものをモジった
ゆるキャラを絵にしたり(ゆるキャラモジり)。
面白そうだけど、一緒に考えているとなかなか難しい。
しかも中には、全員で一回りして、最後の一人で布団を吹っ飛ばす笑いを
出さなければならないものもあり、これはかなりのプレッシャー。
単純なようで、誰を最後に回すかなど、頭脳戦も要求されます。

何度観ても笑ってしまうのが、タカトシのタカが、ゆるキャラモジりで
なぜか毎度のように、マッチョメンのゆるキャラを無理矢理出してくること(笑)。
またかよ!と分かっていても笑いが出てしまう破壊力!
バカリズムなどのように意味深でもなんでもなく、ただただ馬鹿馬鹿しく、
かえってそのために観る者の腹筋を壊してしまう、単純明快な会心の一撃。
この、タカによるマッチョメンのゆるキャラ回答集を、S-1グランプリに
出したところ、なんと2010年1月のグランプリを獲得してしまったとか。
ゆるマッチョメンのお絵かきで1000万円!なかなかできることではありません。
・・・というか、タカ、あなたひょっとしてソッチの気、ないですよね??

同局では本場「笑点」も放映していて(フットンダは中京テレビ制作とはいえ)、
微妙にカブっている気がしないでもないですが、深夜だからできる技でしょうか。
最近観なくなってしまったけれど以前は毎週「笑点」も観ていました。
しかし、比較的若い層にとっては、ちょっとマンネリというか、物足りないのでは。
「フットンダ」はお題が多彩で飽きさせず、出演者やネタの発想も若いので、
ゴールデンや、せめて23時台などに昇格させて、もっとしっかりと
「若い層が観る新型大喜利」と「シルバー層が観る従来型大喜利」とに
選択肢を広げてもいいんじゃないか
と思います。



映画評論家の水野晴郎さんの名言じゃないですが、
「いやぁ、言葉って本ッ当にいいもんですね~」
と唸らされる、言葉の面白さ、難しさ、引き出し方の妙、他の分野との繋がり。
言葉だからこそできること、言葉にしかできないこと、言葉の無限の可能性
感じてやみません。
そんな3番組に、心からのリスペクト!

テーマ:お笑い番組 - ジャンル:お笑い

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ヨンシー:Go「こんなヨンシー見たことない!エキサイティングでとにかく楽しい、めくるめく虹色のワンダーランドへようこそ」

シガー・ロス「残響」リリース後、バンドのカリスマ的存在のヴォーカリスト、
ヨンシー」ことヨンシー・バーギッソンのソロアルバム「Go」が
2010年に突如、登場。
これがもしかすると、本家よりも面白いんじゃないかというぐらいの仕上がり!

ゴーゴー
(2010/03/31)
ヨンシー

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ソロアルバムの話を知った時は「突如」という印象をもったものの、実は
共同作業者かつ私的なパートナーであるアレックス・ソマーズと共に、
既に課外活動をスタートしていたようでして(「ライスボーイ・スリープス」名義)。
そうした後に、「遂に」出来たソロ作品だったようです。

「ん?アレックスって男の人じゃない?」と疑問をもったあなた、そうなのです、
ヨンシーはゲイであることをカミングアウトしていまして、
「アゲイテスト・ビリュン」の、ある収録曲のPVのテーマは、彼の
「少年期の同性愛へのめざめ」だったりします。
「アゲイテスト・ビリュン」の記事で「自分の中にある残酷な自然の発見~受容」とも書いたのは
そうした含みをぼかしたものでした。
シガー・ロスの音楽がときに陰鬱なのは、もしかしたらこうした
セクシュアリティに起因する苦悩なんかもあるのかなぁ、などと考えたりもしていました。
そして、「同性のパートナー」との公私にわたる幸せなパートナーシップを臆せず語るなど、
ゲイという属性に対してオープンマインドになれたことが、シガー・ロスや今回のソロ作が
明るく開けた作品になっていったいち要因なのかもしれない
、とも思いました。
異性愛者が彼氏彼女ができてゴキゲンになるのと全く一緒です。
シガー・ロスの回でこうした性的属性について触れなかったのは、彼らがバンドであるのと、
「ゲイだから、ああいうファルセットなんだ」といった偏見の色眼鏡で
彼(ら)の音楽を捉えて欲しくないと考えたからです。


作品は、シガー・ロスが「神秘的」「幻想的」「癒される」といった括りがあるのに対して
このソロではむしろ、とことんEnjoy!しているし、させられるのが特色です。
オモチャ箱のような#1、近未来を連想させてスピード感のある#2、
疾走感が清々しい#4、リズムがスパークして色とりどりの火花が散るような#7など、
多彩な色がぶちまけられたジャケの如く、カラフルでより自由な楽曲でいっぱいです。
ヨンシーはソロ名義でフェスやツアーもするなど、アクティヴに活動していましたが
例えばライヴのアンコールで、こんな格好で登場したり!

ヨンシーのソロライヴ(アンコール)

シガー・ロスの他のメンバーと比べ、ヨンシーは内向的で、目立ったり積極的に喋ったり
するのを嫌う傾向があったと、ファンサイトさんで拝見しました。
それが今じゃこの姿です!ジャケでも堂々、その姿が(横からですが)まっすぐと。
表現に向き合うスタンスの変化が、かなりはっきり窺えます。
また、日本公式ソロサイトから行けるリンク先などで、PVを観ることができますが
#1「go do」では、ビョークすら彷彿させる大胆なフェイスペインティングにヘアスタイル!
#2「animal arithmetic」では、カラフルな紙吹雪が舞ったり、花火が上がったりして
とっても華やかで楽しげ。
そこに相まって「Go」「go do」といった直球の英語タイトルですよ。
「残響」の#11の曲名「All Alright」で、既に英語タイトルが出てはいるんですが
ソロではもっと英語曲名の比率がアップ。
より多くの人に伝えたい!」という、ヨンシーの開けたスタンスがここでも感じ取れます。

聴いていて目立つことは主にふたつ。
まず一つは、カリスマヴォーカリストのソロアルバムなんだから当然かもしれませんが
ヨンシーの歌声が前面に押し出された音作りになっていること。
シガー・ロスでは、ヨンシーの声は歌というより、幻想的なサウンドの一つとして
あるいは他の楽器パートの一つとして、漂っているようなところがあります。
しかしソロでは、歌声の音量を上げて、かつオーヴァーダヴなどの加工によって
ヨンシーの声が堂々、主役を張っています。
そしてもう一つは、弾けるようなリズム
ドラムは打ち込みと生音が混じっているようですが、
叩くごとに、色とりどりの火花が出るような、シャープでダイナミックな音色が特徴です。

全体的に、シガー・ロスより人工的な質感があります。
同じような音を鳴らしていても、シガー・ロスでは温かみがあった音が、
ソロではよりエレクトロニックに響きます。
曲に圧巻されるとき、シガー・ロスでは大自然などが連想されますが
ソロ曲で圧巻されながら連想されるのは、例えば
都会にそびえ立つモダンな超高層ビルディングだったりします。
このように、ヨンシーのソロを形作るサウンドに耳を澄ますことで
シガー・ロスのメンバー4人のサウンドの特色が、改めてはっきりと浮かび上がります。

メリハリをつけつつも、とことん開放的でとことん楽しいソロアルバム。
ヨンシーは「自分がやりたいことを思いきり追求できて楽しかった」と言っていて
ここから、ふたつのことが窺えます。
ひとつは、一般的には「シガー・ロス=ヨンシー」というイメージがあっても
実際はそうではない
こと。4人皆でやっている、あくまで「バンド」であること。
そしてもうひとつは、この5年くらいでシガー・ロスの音楽が飛躍的に明るく
エネルギッシュに変容した一因が、ヨンシーの方向性や心境の変化にある
こと。
ヨンシーはバンドのいちメンバーで、かつ重要なキーマンでもある、と言えばいいでしょうか。


シガー・ロスが苦手だという人にも「これならどう?」と勧めてみたくなるアルバム。
圧倒的な強度と音圧で、カラフルでモダンに色づいた、歌声とサウンドが押し寄せます。
これまで聴いたことのないような低音域から、飛距離とツヤが増したファルセットまで
広大な音の世界を、ヨンシーの歌声が縦横無尽に駆けめぐります。
「Takk・・・」とはまた違った、溢れんばかりのエネルギーや多幸感に元気を与えられ、
更に新たな要素「楽しさ」で、否応なしに心がワクワクと躍らされます。
あまりにも完成度の高い、ヨンシー青年の虹色の大冒険をご一緒に。
エキサイティングでしかも美しい、音のワンダーランドです!



このアルバムが、今夏リリース予定のシガー・ロスの新作にどれだけ影響するかは
わかりません。バンドですから、あまり関連がないかもしれません。
しかし、もし反映されるとしたら、これまで以上に希望に満ちた作品になるに
違いありません。
あるいは、皆で「希望疲れ」して、またダウナーテイストに戻ったりして(笑)
3.11、世界的不況(アイスランドの懐事情はかなり大変なことになっているようです)
など、暗いニュースも色々ありましたし。
でも個人的には、そんな今だからこそ、彼らに希望と癒しの音を鳴らしてもらえると
とっても嬉しいのですが。

ヨンシー(とアレックス)の課外活動、今後もあるのでしょうか。
本作がとっても良かったので、次があるなら期待せずにはいられません。
そのためには、何より、二人仲良くしていてね!
シガー・ロスのメンバー達を忘れない程度に(笑)。



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シガー・ロス:その4 Hvarf/Heim&残響「もう防御壁はいらない。カラフルでたおやかできもちいい、日常に寄り添う音楽の理想郷を求めて」

憂いの音楽から、歓びの発露を経て、
シガー・ロス (Sigur Rós)の音楽は、更に新たな段階に入っていきます。

まずは、未発表曲、シングルのカップリング曲、既発曲の再録から成る
スタジオレコーディング&アコースティックライヴレコーディングの2枚組アルバム
Hvarf/Heim(消えた都) 」の紹介。

HVARF-HEIM~消えた都HVARF-HEIM~消えた都
(2007/11/07)
シガー・ロス

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このジャケもいい!2枚組ということで、表側と裏側で画が違うんですが
そのどっちも幻想的で、とっても綺麗。中を開いても、いい!
紙ジャケだから、余計ナチュラル感が出ますね。
表側にしたり、裏側にしたりして、よく飾っていました。

内容は既出曲が主なので、揃えるなら後回しにしてもいいかもしれませんが
前作「Takk・・・」と次作の間を繋ぐ作風となっていて、興味深い作品です。
スタジオレコーディングの未発表曲は、基本的に前作の流れを汲みながら
どこか郷愁が漂う、美しい曲ばかりです。
そして次作の予告のようになった新機軸、アコースティックライヴレコーディング。
「アコースティック」と言うほど、アコースティックな印象を持たないかも。
アコギが中心というよりは、普段お馴染みの音、例えばディストーションギターや
たゆたう幻想的な加工音などのエレクトリックサウンドを省いて、
その合間にある、もう少しナチュラルでクラシカルな音たちが、主役になった感じ。
トレードマークの「幻想的」という色合いは少し薄れて、もっと地に足が付いた場所で
心安らかに、穏やかな旋律に耳を澄ます、といった趣。
幻想的で郷愁がほんのり漂う1枚目、ナチュラルでクラシカルなアレンジに出会う2枚目と
違った彩りながら、どちらもゆったり癒されます。



それに続いてリリースされた、現時点での最新作
Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)」。
日本含め、シガー・ロス史上最高の世界セールスを記録しています。

残響残響
(2008/07/02)
シガー・ロス

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もはやあの「轟音の壁」は影を潜め、代わりに幅広い音世界が広がっています。
「Hvarf/Heim」2枚目の「アコースティックライヴレコーディング」に通じる
シガー・ロス流アコースティック。アコギが出てこないわけでもないのですが。

古代の祭祀を想起させる、変則的リズムが耳を惹く#1。行進のような胸躍る#2。
野生の生きものを思い起こさせる、躍動感溢れる#6。
本格的なオーケストラテイストに圧巻の#7。幾層にも重ねられた繊細なアコギが絶品の#8。
凪の海のような静謐さで幕を閉じる#11(日本版にはボーナストラック#12があり)。
・・・と、枚挙にいとまがない、幅広さです。
心なしか、全体的に少しクラシック音楽を匂わせる曲構成になっています。

とりわけ、大きく趣を変えてきたな、と感じるのは、ヨンシーの歌声
ファルセットは健在ながら、地声を用いて中低音で歌う場面が圧倒的に増えています。
以前から地声で歌う場面はありましたが、従来はファルセットの「儚い歌声」が主流かつ
バンドのトレードマークでした。
それが本作では、寧ろ地声歌唱がメインで、高音部の処理としてファルセット「も」使う
というほどの転換ぶり。
しかもその地声の中低音が力強く、これまでの「中性的なイメージ」の枠を超え、
芯の通った逞しい男性らしささえ漂わせる
ようになっています。

アルバムを経るごとに、少しずつバンドの音が骨太に、かつキャッチーになってきたのは
ロックフェスやワールドツアーを沢山経験してきたことが大きいのではないかと思います。
初めは「オルタナティヴ枠」として出ていたのでしょうが
他のアーティストや、フェスの空気などにも影響され、
ロック的な力強さや普遍性に目覚めていったのかも。


本作も「Takk・・・」に引き続き多幸感があるのですが、「Takk・・・」と明らかに違うのは
奔流のように唐突に沸き上がり、自分にはコントロールできないようなものではなく、
もっと地に足がついた幸せであるということ。
今日がいい日であるように、とか、いいことがあって良かったな、とか、
明日いいことがあるといいな、といった、「今が楽しくて幸せ」という身近なもの。
特に後半にかけて、幻想的で静謐な曲が増えていきますが、それも
儚く消えていきそうな幻想ではなく、淡くも確かにここにある風景を描いたという感じ。

ジャケが象徴するように、「この世の楽園」のような理想郷が描かれていますが、
もう、この世ではないところ、即ち幻想と自閉の壁に護られた夢の世界に逃げ込むことは
ないのだろうなぁ、あくまでこの世のこの世界と対峙していくことに決めたんだろうなぁ、

そんな宣言ともとれる音世界です。
メンバーたちも、もうみんな30代。
胎児のように自分の中の理想郷に引きこもっていた少年が、葛藤や発見を経て
大人になって社会に根を張りはじめた、とでも表現できそうな、10年の過程。
彼らと一緒に、音楽も成熟したのでしょうね。
賑やかに始まって、静けさで終幕するという構成のアルバム。
穏やかな日々の何気ない幸せが、彼らの精神に根付いていることを窺わせます。

轟音の壁という防御壁や、ポストロック、前衛音楽といった理論武装はもはや意味を成さず、
今は、どんな人にもきっと感じられる、きもちいい音、きもちいい空気感を伝えるために、
一つ一つの音や曲があるように感じられました。
「つまらなくなった」「刺激が足りなくなった」と不満を訴える層もいるようですが
刺激が欲しいのなら余所に行けばたんまりと味わえます。

カラフルかつたおやかな、きもちいい音楽
現在のシガー・ロスは、私達の平凡な毎日に彩りをくれたり、安らぎをくれたりして
ひとりひとりの日常に寄り添う音楽になりました。

朝、このアルバムの前半部をかけながら支度をして、出かけた日がありました。
「今日はきっといい日になるだろう」なぜだか、そんな気分になれました。
逆に夜、後半部をかけて過ごすと、気分が安らかになって、いい気分で眠れました。
残響」は、こんな付き合い方がよく似合うアルバムだと思っています。



「シガー・ロスって今頃何してんだろ」と思っていたら、実は既にひょっこりお目覚めで、
今年はサマー・ソニックの出演が決まり、世界各地でのツアーもある模様。
そして、夏頃には、新作がリリースされる予定なんだとか・・・!
今度はどんな音楽に出逢えるんでしょうね。
楽しみでなりません。


さて、次回は、新作を読み解く鍵になるか?全くの別物か?
バンドのシンボル且つキーマンのヴォーカリスト・ギタリスト、ヨンシーのソロ作
「go」をレビューします。



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シガー・ロス:その3 Takk・・・「歓びや希望が音になって、とめどなく溢れ出す。心からの"ありがとう"を込めた、幸せになれるアルバム」

少しずつ暖かくなってきて、周りの景色もゆっくり新しい季節に向かって
変化していますね。
春の訪れ
シガー・ロスSigur Rós)も、そんな今の季節にぴったりなアルバム「Takk・・・」を
リリースしました。
・・・えっ?あの根暗なシガー・ロスが、春にぴったりのアルバムだって!?

Takk…Takk…
(2005/09/07)
シガー・ロス

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「Takk」とは、アイスランド語で「ありがとう」という意味。
だから邦題は「ありがとう」となっています。
実物は、カバーが紙製で出来ていて、色や素材の微妙な風合いがとても素敵です。
絵も絵本の表紙みたいですね。草木のゲートの下に立つ、一人の男の物語。

今まで、自然派の傾向は色濃くあったとはいえ、基本の印象は自閉的でダウナーでした。
そんなこれまでの彼らの世界観を、根底から覆す作品が出来たのです。
アルバム一枚通して、音といい、歌といい、多幸感で充ち満ちています。
この気持ちを誰かと分かち合いたい」とさえ言わんばかりの音空間が広がっています。
一体どういう心境の変化か?


アルバムをかけるなり、もう決定的に「あ、思いっきり違う」と分かるはず。
キラキラ輝く、多幸感を漂わせた音の集合体から成る、インストでスタート。
そうして、キラキラ輝く多幸感に、従来の浮遊するサウンドも加わり、
これまでの幻想感を保ったまま、開かれた、希望に満ちあふれた歌世界が
繰り広げられる
のです。

圧倒されずにはいられないのは、#2や#7などで、歓びの表現として
シガー・ロス史上なかったような音圧と激しさの轟音が押し寄せてくる場面。
まるで暴風雨のような、轟音の雨にさらされます。
同じフレーズを繰り返し、繰り返すごとに感情が昂ぶり、
それに乗じてメンバー4人全員が音を一斉に炸裂させる。
ここまでは前作「()」と一緒なんですが、
使われる場面が180度違うことに驚きを隠せません。
まさか、闇の表現として用いていた方法論を、真逆の表現に使うとは!
勿論、アルバム全体を一貫して流れる、多幸感漂う音空間はそのままにです。

嬉しくて嬉しくて仕方ない。
または、今まで経験したことのないような人の優しさに触れて、
深く傷ついた心が浄化されていくようで、驚きや感動で涙が溢れて止まらない。

そんな、人の姿、心の動きが想起されます。

そして他の曲では、穏やかな幸せを享受する、安堵や感謝の気持ちが感じ取れます。
「アゲイテスト・ビリュン」以来のオーケストラ・サウンドに始まり、
木琴や鉄琴を思わせる音、オルゴールのような音、ヨンシーの歌声の多重録音と、
豊富な種類の、幸せな音がいっぱいに詰まっています。
穏やかな曲では、音の隙間が活かされており、隙間からそよ風が吹いてくるかのよう。
曲調が殆ど全てメジャーコードで統一されているのも象徴的。
マイナーコードの、これまでを思わせる薄暗い曲もありますが、あくまでアクセント。

ヨンシーの歌声は、ファルセットにも関わらず、特に#7などで力強さを感じます。
今までの儚いファルセットや、嘆きや呻きのような歌唱法に加えて、
ヨンシーは新しい手札を手にしたようです。
本作に溢れる多幸感と希望は、ヨンシーの内面が大いに反映されたのかもしれません。
但し、シガー・ロスはバンドですから、彼一人だけの気持ちで方向性が動いたというより
何かしら、メンバー全員に共通した、歓びや感謝の念があったのでしょう。

暖かくて、優しくて、たまにその温もりが胸に染みて涙が出そうになる。
そんな主人公の姿が浮かぶ「絵本」です。


シガー・ロスがこうした方向性に移行したことについて、今までのファンや評論家などは
キャッチーになった」「売れ線狙いに走った」と言う向きもあります。
今までより格段に聴きやすく、とっつきやすくなったのは確かです。
しかし、一枚のアルバムのリリースまでに二年も三年もかかるこのバンドが
「よし、売れよう」と言って、狙って方向転換できるとも、するとも思いがたいのです。
聴いたところ、彼らはそんなに器用ではなさそうですし、嘘もつけなさそう。
何より、頭で狙いを変えただけでは、ここまでドラスティックな変化はでき得ません。
それほど決定的な変化です。

自分たちの音楽が世界的に認められたことに対する感謝か、
自閉の壁を打ち破って外(=リスナー)の世界と深く関わろうという意志か、
誰かやみんなの内面に生まれた強い歓びの体現か。
真意は相変わらず謎めいているし、今挙げた全てという気もします。
だけど確かなのは、メンバー達の中で、音楽観、世界観が大きく変わったこと。
そしてそれはミュージシャンとしてだけでなく、人として、
きっと幸せなことなのではないかなぁ
と私は思います。


このアルバムにキャッチフレーズをつけるなら、陳腐ですがあえて
「幸せになれるアルバム」
と呼びたいです。
幸せの予兆で始まり、ハッピーエンドで終わる、幸せ尽くしの一枚。
大切な人にCDをプレゼントするなら、このアルバムを選べば、
感謝や愛情の気持ちが深く伝わるかもしれません。
そんな、Takk(ありがとう)






最後は蛇足ながら、私から、今このblogを読んでくださっている皆さんへの「Takk」。
身内には一切blogをやっていること自体知らせていないにも関わらず、
おかげさまで当blogはそこそこ繁盛していまして、3月5日には
日記 13685位 (昨日:39819位) / 818523人中
その他 3764位 (昨日:9676位) / 96746人中
という自身最高順位を獲得し、今でも大体上位1/10には常にランクしています。
常連さんが沢山出来て、ググったりヤホーで調べたりした検索結果の中から
わざわざこのページをクリックしていただいて。
そういうことの積み重ねで、ここまで来ました。

勇気を出して、エンタメ系blogを始めて良かった。
私は幸せ者です。
全ての方に、心よりのTakk(ありがとう)を・・・



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シガー・ロス:その2 () 「瓦礫の街を彷徨っていたら、果てのない暗闇に呑み込まれて・・・哀しみと安堵感が同居する、名前のないアルバム」

前作「アゲイテスト・ビリュン」で、一躍世界にその名を轟かせた
シガー・ロスSigur Rós)は、
今回レビューする作品で、グラミー賞ベスト・オルタナティブ・ミュージックに
ノミネートされるという快挙を達成。
前作の時点で完成度は高かったのですが、今作で、その音楽性を更に深化させました。
しかし、それに加えて、本作はシガー・ロス史上最も謎めいたアルバムでもありまして・・・。

() (CCCD)() (CCCD)
(2002/10/23)
シガー・ロス

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シガー・ロスのアルバムの中で断トツお気に入りのジャケです!
グラミー賞ベスト・アルバム・カバーにノミネートされてもいます。
しかしながら、日本版のCCCDはいただけない。
この時期のCD全てにいえることなのですが。


アルバムにも曲にもタイトルがありません。
リスナーが自分で解釈してください、という意味合いだとか。
歌詞も、全曲、「ホープランド語」という彼らによる造語で、
何を歌っているのかは彼らにしかわかりません。
一人一人が、その耳に聴こえてくる音から、全てを感じ取らなくてはなりません。
逆に言うと、解釈は人の数だけあるとも言うことができます。

この姿勢を実験的ととるか、自閉的ととるか・・・
聴こえてくる音だけとってみると、前作よりは、若干開けた印象を受けます。
音の選び方に加えて、音の作り方、ミキシング・マスタリングの仕方に依るところも
大きいでしょう。


アルバムは全8曲によって構成され、前半4曲&後半4曲の二部構成のような曲調です。
前半の4曲は前作の流れをある程度汲んだ、前作にも入っていそうな楽曲。
しかし問題は、あるいは本題は後半にあるといえそうです。

後半は長尺の曲が多く、歌が少なく、インストに近いところがあります。
前作&前半はある程度「歌もの」なのですが、後半のヨンシーのヴォーカルは
歌というより、他の楽器の音色の一つかのよう。
そして何より、圧倒的に、「」にファインダーを当てています。
しかも、曲が進むほどに、その闇は深さを増していくのです。

冷え切って、うら淋しい、荒涼とした景色が連想されます。
日本でいうなら、3.11の瓦礫の山を前にしているかのような。
アイスランドでいうなら、前回の記事で、かつて火山の大噴火が起こり、
それによって捲き散らかされた火山灰が飢饉を招き、1/4の住民が亡くなり、
欧州からアジア、アフリカに渡るまで、何ヶ月もの間、空に火山灰が浮いていたという
エピソードを紹介しましたが、そのときのような、
骸の山、廃墟と化した街、灰色の空、そういった光景が眼前にあるかのような。

とても哀しいのですが、同時にどこか安らかでもあります。
前半の曲も併せて、前作よりどっしりした安定感が出ているからでしょう。
演奏の技量が上がったことや、経験値が増えたこともあるでしょうが、
全体的にゆったりとしたテンポで、間合いを大切にして曲を構成し、演奏しているのが
一番大きい要因かと感じました。

全体をたゆたう様々な音を緻密に構築し奏でる、キャルタンのキーボード/シンセサイザー。
時に流れるような、時にぼつりと大きな点を落とすような、ゲオルグのベース。
最低限の音を叩きつつ、曲の盛り上がり時で一気にピークに達するオッリのドラム。
そしてヨンシーのよどむギターと、嘆きと悲鳴の間を行き来するヴォーカル。
曲はじりじりと盛り上がり、畳みかけるように各パートが音の大地に降り立ち、
深い悲しみの感情の昂ぶりに連なって、音の塊が熱を増し、最後には爆発します。

アルバムの最後を飾る8曲目は、まるで火山の噴火や、激しく燃えたぎる薪のようです。


前作から、キーボーディストとしてキャルタンが加入し、
メンバーで唯一、本格的な音楽教育を受けていることもあって、バンドの音楽性が
飛躍的に上昇した結果が「アゲイテスト・ビリュン」でのブレイクでした。
前回の記事では、「シガー・ロスの音楽と、母国アイスランドの風土との繋がり」を
前面に出したかったために、音についての感想はほぼ割愛したのですが、
「アゲイテスト・ビリュン」は「色んな音が入っているなぁ」「沢山の手札を持って
いるんだなぁ」といった印象がありました。様々な背景があるというか。
比して今作「()」は、どの音を使ってどんな音楽をするか、ある程度一貫させて臨んだ
印象を持ちました。
一枚の背景をバックに、ひとつのモチーフを、4曲かけてどんどん展開させていくような。

但し、若干、前半と後半の関連や、前半の一貫性が薄いきらいもあり、
2曲目は後半に入っていそうな曲で、4曲目は希望の彩りが強い曲だったりします。
背景画を二枚書いて前半と後半に分けたか、
前半は前作の延長線上で作ったのか?
インスト傾向、静かで少し淋しい、という側面では後半と通じる部分があって、
一枚の背景画を違う解釈で描いたともいえますが・・・

前半でも後半でも共通しているのは、「ゆったり、どっしり、淡く儚い」というスタンス。
前作で目立った「ごうごう」と暴れるディストーションギターは抑えられ、
前作に入っていたようなオーケストラサウンドが特にないにも関わらず、
クラシックを聴いているような安堵感が得られます。
クラシックって、哀しげな曲調でもどこか安らかだったりしませんか。
緩やかなテンポで淡く紡がれる楽曲たちには、催眠効果さえあって、
リラクゼーションCDを紹介する記事にでも、眠れるCDとして登場させたいほど(笑)

季節に例えるなら、やはり
先日「南極料理人」という南極の基地を舞台にした邦画を観ましたが、そこで
アイスランドにも毎年訪れる、「極夜」の日々の場面がありました。
前回調べた通り、ほぼ一日中真っ暗で、みんな殆ど基地にこもりきり。
何となく暗いムードが漂いながらも、室内でワイワイ遊んだりもしていました。
本作がリリースされたのは冬や春ではありませんが、丁度そうした
アイスランドの冬の光景を切り取ったと捉えれば、前半の「少しの明るさ」も
納得できるかも。


彼らがなぜ闇に焦点を当てたのか、なぜ前半と後半が一貫していないのか、
どうしてアルバムタイトルや曲名がないのか、どういう心境の現れなのか・・・
音しか手がかりがない以上、全てはメンバーの頭の中、
もしくは私達リスナーの想像の中にしかないのでしょう。
あるいは、そんなことを探って聴くなんてナンセンス!音だけに集中して聴いてほしい
という意図が込められているのかもしれません。


ここまでのシガー・ロスは、玄人好みで陰鬱、ちょっととっつきにくいバンドでした。
しかし、続く次作で、がらりと趣が変わります。
「どうしちゃったの?」と言いたくなるくらいに。
暗闇から光へ。新しい輝きを放ちはじめたアルバムについて、次回書いてみます。



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シガー・ロス:その1 アゲイティス・ビリュン+アイスランドの風土「自然の美しさ、そして厳しさ・・・北極圏の小さな島国に想いを馳せながら」

自然は、人間を癒し、ときに人間に牙をむく。
とても美しく、同時に理不尽なほど残酷。
私達がこの1年でよく実感した事ですね。
だけど私達がつい忘れてしまっていたのは、人間は古代より、
こうした自然からの恩恵と戒めを、自然への感謝と嘆きを、繰り返してきた事実です。

そんな自然の空気を、みごと音に凝縮させたバンドがいます。
欧州の北の果て、北極圏の国、アイスランド出身のバンド、
シガー・ロス(Sigur Rós)
彼らの音楽は「ポスト・ロック」などとしばし括られ、前衛的な音楽アプローチで
構築され、例えばAmazonのレビューなどを覗いても難しそうな言葉でその魅力が
蕩々と語られていて、一見近寄りがたいような印象を受けます。
しかし、いざ耳にしてみると、ポスト・ロック界隈の知識がない一般リスナーにも
垣根なく届く、普遍性があるのです。
理屈抜きに耳が引き寄せられる、気持ちが音楽と同調する。その声に、そのサウンドに。

日本の公式HPによれば、ファンも、同じ畑の人間(ミュージシャン)から俳優まで幅広く、
ブラッド・ピット、トム・クルーズ、ナタリー・ポートマンなどの俳優・女優から、
デヴィッド・ボウイ、マドンナ、モービー、メタリカ、コールドプレイなどの
先輩・後輩ミュージシャンまで。
また、ビョークは同郷の先輩後輩として交流があり、
レディオヘッドのトム・ヨークやジョニー・グリーンウッドは彼らの音楽に
いち早く目をつけ、ライヴのオープニングアクトに抜擢し、世界的ブレイクの
きっかけを作ってくれた存在です。


シガー・ロスの実質的世界デビューアルバムで、かつ、傑作と名高いアルバム
アゲイティス・ビリュン(Ágætis byrjun)」を聴きながら、
彼らが音楽におけるアイデンティティとして常に大切にしている
母国アイスランドのことを、少しだけ調べてみました。
シガー・ロスの歌詞はいつもアイスランド語(+独自の言語「ホープランド語」)で、
その音楽も「アイスランドを思わせる」と評されることが多く、
彼らの音楽に近づくためには、アイスランドについて知ることが必要だと考えたからです。

アゲイティス・ビリュンアゲイティス・ビリュン
(2001/10/03)
シガー・ロス

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アルバムでは、歓喜の感情と陰鬱とした感情とが交錯しています。
かつてジミー・ペイジが「幻惑されて」で披露したギター奏法「ボウイング奏法」を
前面に出した、ヨンシーの奏でるごうごうという音色が、不穏なインパクトを放ち、
ヨンシーの歌声も天使のようなファルセットから地鳴りのような唸り声まで、まさに七色。
聴いていると、なんとも表現しがたいざわつきを覚え、二重人格性も感じるのですが、
それが「アイスランドらしさ」なのか?


アイスランドは、日本の北海道と四国を合わせた位の大きさの島国で、
国土の一部は北極圏にかかっています。
冬至が近づくと、一日に4時間程度しか太陽が昇らず、
逆に夏至の頃には、数十分間しか陽が沈まない
のだそうです。
北の果てにあるにも関わらず、スカンジナビア諸国よりずっと暖かく、
(島が火山島であるのと、島を囲むように暖流が流れているため)
オーロラが見られるのと同時に、温泉も沢山あるという不思議なところです。
漆黒の冬場、人々は家にこもって読書に励むため、文学や詩に親しむ環境に恵まれ
シガー・ロスやビョークをはじめとする、音楽家や文学者を
小さな国にも関わらず、沢山輩出しているんだとか。

海洋プレートの生成が地上で見られ、その大地の裂け目は「ギャオ」と
呼ばれるそうで、火山活動が盛んなのはこうした特徴のため。
噴火による災害にも幾度となく見舞われ、噴火で飛び散った火山灰が飢饉を招いて
住民の1/4が亡くなり、その灰は何ヶ月も欧州、アジア、アフリカを覆うという
大災害もあったそうです。近年でも噴火によって、欧州を中心に
世界中で航空機の運用に大きな影響を与えるなど、活動は現在進行形。
また、失うばかりではなく、海底火山活動によって新しい島が出来るといった
「誕生」も、火山活動がもたらしたものです。

シガー・ロスのメンバー達のふるさとは、首都レイキャヴィーク
世界的にも「空気のきれいな都市」とされているところです。
地熱の熱エネルギーを活用し、更に「水素ステーション」によって
水素で路線バスを走らせるなど、クリーンエネルギー政策は世界最先端。
何か、凄く閉ざされた謎めいた国のようなイメージがありますが、
実際はなかなかイマドキの都市のようです。
(但し、人工は都市に集中し、自然だけが取り残されたがらんどうな地域も多い)
大都市で、街中で、普段着でオーロラを楽しめてしまうという
羨ましくなる特色もあり。住民にとっては何も珍しくないんだとか。
一度行ってみたい・・・!
「行ってみたい」となると言葉の問題が出てきますが、
驚くべきことに、アイスランド人のほとんどがトライリンガルで、
母国語はアイスランド語ながら、小学校から英語とデンマーク語を習うそうです。
(デンマーク語が出てくるのは、かつて宗主国であったため、
英語が出てくるのは、アイスランド独立後~冷戦の期間に米軍が駐留していたためか)
片言の英語で、何とかなるかなぁ?


さて、個人的なアイスランドへの憧憬は置いておいて、
(それもシガー・ロスに惹かれる大事な理由でもあるのですが、話を進めるために)
今辿ってきた、アイスランドの風土が、シガー・ロスの音楽、
今回の場合は「アゲイティス・ビリュン」において、どう反映されているのか
考えてみましょう。


前衛的、実験的なアプローチをとる「先鋭的なバンド」という点では
レイキャヴィークの意外なほどの先進ぶりや、同郷の先輩ビョークからの影響などが
あるでしょう。ミュージシャンが多く輩出されている国なら、その分だけ
音楽も沢山入ってくるでしょうし。

そして、「歓喜と陰鬱の二面性」について。
アイスランドは火山活動に翻弄され続けてきた国です。
火山活動によって誕生した島がある一方、
降り注ぐ火山灰によって飢え死にした民も多くいました。
誕生の歓喜と、死の悲しみ、
自然がもたらした恩恵への感謝と、自然の理不尽な仕打ちへの嘆きとを、
古くから繰り返して、現代でもそれが続いています。

また、豊かな文化が培われる一方で、小さな島と暗闇に閉ざされてもいます。
新しいものを見つけたり、作り出したりする歓びと、
世界から立地上ぽつりと孤立して、漆黒の孤島に閉じこめられている息苦しさと。
遠いところから眺めている分には「いいなぁ」と憧れるものですが
住み続けていると、恐らくそのような鬱屈に悩まされることでしょう。

他のアーティストや、彼らのもう少し後のアルバムと比較すると
一つのアルバムの中で自己矛盾や精神分裂が起こっているように感じられますが
自然という猛者は予告なしに怒り猛りながら、予告なしに変化や誕生を生みだし
そこには人間が思い描くような脈絡や道筋などない
のです。
そんな自然と分かちがたい運命にある、アイスランドの風土を音楽にするなら
自ずと、歓喜、祈り、憤怒、嘆き、変調、再生が盛り込まれるはず。
彼らが「アイスランドの風土を音楽にするぞ」とどこまで考えていたかは
わかりませんし、全く思惑になかったかもしれないのですが
無意識レベルで、アイスランドの風土をその音楽に取り込んでしまったことは
音楽と風土とを照らし合わせてみて、かなり明白であるように見えます。

シガー・ロスはこのアルバムを通して、
自然とそれに対峙する人間の喜怒哀楽を表現してしまったのだと思います。
しかも、古代からの自然と人間との営みにも近いようなものを。
ごうごうと渦巻くボウイング奏法による轟音は、火山噴火や、人の心の燻り。
天から降り注ぐような神々しいファルセットの歌声は、恵み、誕生、人の歓び、祈り。
ときに、いにしえの儀式を垣間見ているような気分になります。
そしてときに、世界で最も空気の綺麗な都市で見られるオーロラのような
さいはての地でしか見られない美しい光景を間近で体感している気分もします。

曲調は実は、祈り→歓喜→淀み→嘆き→再生→安らぎ、という順序を辿ってもいて、
「不安定で根暗なアルバム」と片付けるのは尚早です。
Ágætis byrjun=「良き船出」という意味なんだそうです。
どうして、この暗さが目立つ少々自閉的なアルバムにこんなタイトルがついているのか
疑問をもっていましたが、背景まで深く深く探ってようやっと見えました。
自然が、生まれ、暴れ、やがて再生して新しく歴史をつくる。
あるいは、あの、暗闇でからだを丸めた胎児を思わせるジャケ。
命を授かり、苦しい思いをして母体から産まれ落ち、育っていく。
「自分の中にある残酷な自然」の発見と、その受容ともとれるかもしれません。
もしかしたら、全て胎内の羊水という海の中での出来事かも。
いかようにも解釈できそうですが、彼らの中で確かなのは
これは光だ」ということ。
ちょっと、わかりづらいけど(苦笑)


このバンドは、アルバムを重ねるごとに、どんどん変容していきます。
それに伴って、音楽の土壌にある価値観も変容していることでしょう。
今回書いた「アイスランドの風土との繋がり」は、薄れていったのかもしれないし
初めからそんなものは私のただの深読みで、ヨンシーたちの心象風景を音楽にしたら
こうなっただけかもしれません。
しかし、彼らの音楽を理解するのに大事な「いち要素」をしっかり見つめたことは
彼らの音楽の魅力の源を把握する為に、とても有意義な過程だったと思います。
読んでくださった方にも少しでも「なるほど」と感じていただけたなら
尚更です。
私は楽器をやらないので、音楽について音作りの面から論じることが難しいため
「ポストロック」系統の音楽を言葉にするのはとても大変です。
自分に出来るアプローチで挑むのみです・・・次作以降の記事でも。



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相棒:その4「無謀にも、最終回と今後を予想する。Season tenの時間軸はどうなっている?神戸の終幕の行方は?新しい相棒は?」

記事の「その1」「その2」と、連続してうっすら予想を当ててしまって、
神戸卒業、卒業とその時期は契約当時からの規定事項、
年始からはだんだん明るくなっていく、花の里ができたら陣川の絡み酒が
、など)
うすら怖いというか、「もしかして私のせい?!」と思わなくもないのですが
(誰でも思い付くような予想とも言う)
またしても今後を大胆不敵にも、予測してみたいと考えました。
以下、素人の戯言にしばしおつきあいください。


<Season tenの時間軸はどうなっているのか?>

初回からしばらくは、相棒ブルーが影をひそめて、黄みがかった画面で、
神戸が追い詰められたような表情でPCに向かう場面や、陰鬱な展開が多いために
(顕著な例が「逃げ水」の回のラスト、右京さんに追いつけない神戸の描写)
序盤は、初回の事件終了後=偽証自覚後の出来事なのかと。
それから少し経つとまた相棒ブルーに戻り、神戸もいつも通りの神戸になったので
中盤は初回の事件と並行しているのか、または初回以前の時期の出来事なのか、
そして最後の方でまた画面が青みを失って初回後の時間軸に戻るのか?
と深読みしていたのですが、
陣川回の前の回で、相棒ブルーのままであっさりと、初回のあの一連の場面が
ダイジェストで回想されていたので、「あれ??」と。
相棒ブルーを変えるのを忘れたままで、陣川回前回だけ時間軸が違う?
それとも時間軸は全部連結していて、「嘘の上手い子どもだった」神戸が
中盤以降あえて何事もなかったかのように振る舞っていたからうっかり騙された?

初回の事件って、大河内に手紙が届く~真の被告達の裁判が始まるまで、
すごく色々な段階を踏んでいて、時間がかかる事件のはずです。
だから相棒世界の時間軸は一体どうなっているのかな?と。
初回の事件と並行して他の事件達に取り組んでいたって、おかしくない
長さだと思うんですよ。

Season9の官房長関連の前例がなかったら、時間軸を疑うなんて
まずしなかったのですが(笑)
相棒ブルーがない時点でもかなりの違和感があったので、何か裏付けが
あるのではないか?と訝って。
細かいことが気になる、相棒ファンの悪い癖ですが、
でもその「細かいこと」が重要だったりするのが相棒ですから・・・

「相棒その3」終盤で書いた「最終回で、初回の続きを観たい」という願望が
前回の最終回予告であっさりと打ち砕かれ、赤っ恥をかくことになりましたが
この展開から、少なくとも陣川回前回の時点で、初回の事件は過去の出来事に
なっていると取っていいのでしょう。
そのとき神戸は右京さんに「覚悟ができた気がします」と意味深な発言をしているし、
最終回は、やはり初回の出来事に裏打ちされた展開になるのか?


<神戸の終幕の行方>

「相棒その3」終盤でちらりと、
「神戸は亀山のような綺麗な去り方はできないと思う、死にオチすらある気がする」
と書いたんですが、最終回予告を観た限り、そちらは幾分望みが繋がりました。
なぜそう思うのかを今回書くと予告した通り、予想の理由を書いてみます。

1:相棒はエリートに厳しいドラマ
往々にして、企業や行政のトップやエリートの腐敗を容赦なく批判する場面が
みられます。事件の直接の加害者にならなくとも、腐敗や怠惰な態度を
右京さんに正される(相手は反省するとは限らないが)こともよくありますよね。
反して、社会的弱者や、辛い過去、事情を抱えた普通の人には"比較的"穏便。
このドラマを制作・放送しているテレビ局を考えると、当然かもわかりませんが(笑)

亀山は一介の巡査部長で、ヘマしてリストラ対象として特命係に飛ばされ、
体力戦闘力は申し分ないながら、おひとよしで、更には物事を深く考えるのが苦手で
「刑事に向かない」と美和子に言われるほど。要は割と普通の人です。
(本当は、警視庁本庁の捜査一課に配属される時点で凄いんだけど・・・)
ご存じの通り、亀山卒業時には大々的に宣伝され、メディアでも大騒ぎになり
亀山最終回では「さらば亀山!」というフレーズがつくほど。
新天地にて、自分なりの正義のかたちを追求するため、特命を去った亀山。
最初から最後まで、亀山はおひとよしでまっすぐな正義漢でしたね。
亀山の決断を称える右京さん、寂しさを隠せない右京さんの姿もとても印象的。

一方、かつて神戸は「警視」という、右京さんやイタミンよりはるか上の階級
(ヒマ課長と同じ階級、といったら凄みが薄れる・・・?)。
ノンキャリアながら目に見える挫折なく、上手に世渡りしてここまでやってきた
いかにもなエリート。仕事もそれなりにできて、口達者で、プライドも高くて。
右京さんと面識をもつ機会がなく、何かの事件で加害者に加担していたら
容赦なくお灸を据えられそうなキャラクターです。

特命係に送られる→真相は元いた部署の裏切り(そのため、自ら退路を断った)
→法で裁かれることはないけれど、警察官としてあるまじき行為をとったことを
自覚し、上司にもバレてちょっと特命係に居づらくなる(偽証)というように、
ある意味、神戸を通して、エリートの没落を描こうとしているのか?
その流れ(+最終回予告)でいくと、亀山のように新たな道を見つけて
朗々と右京さんから旅立っていく神戸がどうしても想像つかないのですよ。

2:引責「卒業」?
亀山の時は、最初から「卒業!」と制作側が売りにするほどでしたが
Season tenのOP映像は右京さんと神戸の二人がしっかり居て、
神戸の卒業は2月頃になって、ひっそりと発表されるのみ。
最終回予告でも、「最終回2時間SP!」のほうが前に出ていて、
画面の上の方で「神戸が卒業!」ってささやかに宣伝されている程度。
また相棒が卒業となるとファンが「またか」となるのを避けたかったとも
考えられますが(現に私、すっかりなりました。またか!)、
卒業発表の時に「この時期の卒業は当初から決まっていたこと」と言うならば
初めから「神戸卒業」を売りにしないなんてソンじゃないの?とも思えて。

となると、今回の神戸の卒業は、もしかすると真相は
やむを得ない事情による、予定外の措置なのでは?と。
女性週刊誌の書くことを鵜呑みにするなら、神戸の中の人が相棒婚の報告を
右京さんの中の人に報告するのが遅れたので中の人の機嫌を損ねた、みたいな
「怖い内部事情」があるのかもしれませんが、流石に我々視聴者にはそんな
楽屋ネタなんて関係ありません。
でも、今シーズンの異様な視聴率低下が理由だと言われたら、
視聴者でも納得せざるを得ないのでは・・・。
「神戸(もしくは中の人=及川さん)のせいで散々な目に遭った」という理由だとしたら
制作陣が、神戸に綺麗な卒業をさせてくれるとはとても思えません。

しかし、辛抱強く半年欠かさず観てきたいち視聴者から言わせれば、
「いまいち面白くない」理由は神戸より寧ろ、話そのものにあると感じました。
またヤクザかよとか、またお偉いさんの腐敗かよとか、また研究施設かよとか、
身近に感じられる舞台が少なかったり、蓋を開ければ裏にはこうした組織がらみだったりで
推理しにくいし共感もしにくい。懐かしのキャラや大物ゲストが出てきても
話そのものがいまいちでは、面白いのは最初の15分くらいだけ。
その上、大概のことは右京さん一人でやれてしまうので、神戸がいてもいなくても
あんまり変わらない展開続き。それで「神戸が悪い」って言われても・・・
切りやすい人を切ったんですかねぇ。


さて、最終回予告を観て推察できる展開は、神戸の暴走グセが出て、
右京さんからも大河内からも届かないところまで走りつづけ、そして・・・と。
「神戸さんは?」「さぁ。どこへ行くのでしょうねぇ」と話す幸子と右京さん、
とどめは最後の映像が、一人で立ち去る右京さんの後ろ姿。
最終回の題材はクローンらしいですが、それが神戸の何らかの問題意識や
トラウマ、コンプレックスに火をつけてしまうんでしょうか。
謎が多く、子どもの頃のこと、特に両親のことを語りたがらない神戸ですが、
まさかその秘密がクローンに・・・!?
及川さん+クローンとくると、及川さん主演の映画「クローンは故郷をめざす」が
連想されますが(「嘘が上手い子ども」というエピソードもちょっと重複している)
それもデッドエンドともとれる終わり方で。(ぼかす形で終わっている)
だから、生きて終わる展開を予測すること自体個人的には難しいんですよね。
あるいは失踪、生死不明といった結末。「最初から最後まで」を神戸にも徹底させるなら、
謎めいた登場で始まったのだから、謎めいた終幕がお似合いかもしれません。

でも、右京さんというか「相棒」というドラマは、
「罪は法のもとで裁かれ、生きて償う」がモットー。
法で裁かれない罪状の犯人にも、出来る償いをするように諭したり、
自殺しようとする犯人を諫めたり(そりゃそうか)して。
そうすると、W主演の相棒が死んでは元も子もないような・・・。
偽証の件を悔い改める念から、警察以外の職で被害者や加害者を守る役割の仕事
(例えば、弁護士など)に転身するとか。
・・・と、最終回予告を観るまでは「予想2」として考えていたんですが
あの展開で「新しい道を踏み出す神戸」を連想するのは難しくて。
雛子さまなど、どす黒いお偉いさんたちも再登場するようですから、
「スター・ウォーズ」よろしく、焦りを逆手に取って雛子たちに騙され、
暗黒面に墜ちていく展開のほうが、同じ「生きる」でもマッチしそうかも。

白神戸(+及川さん)が好きな人には申し訳ない限りの予想なんですが、
あの最終回予告に、一瞬たりとも希望的観測の余地がある神戸が居ないんですもん・・・。


<新しい相棒>

Season "ten"=「区切り」とのことですから、
何かドラスティックな変化、リセットを期待したいところですよね。

右京さんの中の人こと水谷さんの出身地、北海道では年明け以降
Season7の一人相棒→Season8、が再放送されたらしいです。
それがもし関係あるとしたら、次Seasonからは一人かも?と当初思いました。
しかし、一人相棒の話が「スピンオフ企画」として小説化されたそうで、
そうしたら基本はやはり二人=また新たな相棒を迎えることになるのでは、と。

相棒の初期は最終話でよく特命係が廃止に追い込まれ、二人が別部署に飛ばされ
その間、右京さんは休職してイギリスに居たなんてこともありました。
最終話で新しい相棒が出現しない限り、次シリーズに右京さんの相棒はいない訳で、
何話か、一人相棒があるのか?それとも初回が新相棒との出会いの回?
そんな辺りも見所ですね。
右京さんもそろそろ定年が見えてきているはずですから(三浦さんも卒業が近い?)
「相棒自体小休止するのか?はたまた、おしまい?」とも考えたんですが、
もしそうならとっくにニュースになっているはずですし。

Season tenでは、たまきさんの代わりに幸子が花の里を継ぎましたが
今のところ、官房長に代わる人間は現れていませんね。
公式HPで秘かに昇級して、中園参事官と同格になった大河内はどうか?と
予想していたんですが、官房長と縁のある雛子がその座を取って変わる可能性も
最終話予告で再浮上してきました。雛子、今回は何を企む・・・?
映画版Ⅱであれだけぐちゃぐちゃになった、警視庁上層部関係も語られませんでした。
官房長が亡くなった時点で、全てチャラになり、今まで通り平穏無事なのでしょうか。
最終話か、新Seasonに、そのあたりが解明される期待がかかります。


新しい相棒はどんな奴でしょう?亀山とも神戸とも被らないのは間違いないはず。
おひとよしの筋肉バカではなく、イヤミなインテリキャリアでもないキャラ。
となると、どんな・・・?
普段チャラチャラふざけていて掴み所がないが本当は切れ者な、マーロウ矢木タイプ?
はたまた、右京さんの子どもくらいの年齢の、ジェネレーションギャップ甚だしい、
いわゆる「ゆとり」タイプ?

色々考えられそうなところですが、そうやって考えていたときに、
興味深い情報を目にしました。
スマッシュヒットし、アカデミー賞でも数々の賞を獲った映画「探偵はBARにいる」に、
軒並み「相棒」の主要スタッフが顔を揃えているそうで。
もしかするともしかして、その縁で、大泉洋さんや松田龍平さんが
抜擢されたりしないか・・・?
大泉さんは前者のタイプにぴったりで、演技力にも定評があります。
そして松田さんの亡きお父様、松田優作さんは、水谷さんと無二の親友だったそうで
そんな繋がりから、後者のタイプ、またはぼんやり系(笑)で来たりして?
(因みに、大河に出ている弟くんは、系統でいうとちょっと神戸と被るし
他に「LIAR GAME」もあるし・・・の為、イマイチなのでは)
まぁ、俳優さんは星の数ほどいますから
我々が「当てっこ」しても、無謀なのは百も承知なのですがね。


神戸がどのように去るか、官房長の去った穴は誰が埋めるのか、
あれから上層部はどうなったのか、新しい相棒候補が顔をちらつかせるのか、
神戸が去った後、右京さんはどうするのか・・・

こうまとめると、俄然見所が多くなってきた最終回。
まだまだ先ですが、再来週の水曜日が楽しみです。
20時から!間違えないようにしなくっちゃ。


今までのTVドラマ記事だけ取り出すと、「相棒」しかドラマを観てないように
思われても仕方がないのですが、
今クールでは「平清盛」、「デカ黒川鈴木」、
前クールでは「11人もいる!」、「カレ、夫、男友達」と
一応他にも観てますんで、そこんとこヨロシク(笑)
しかし「平清盛」、これから1年間欠かさず見続けられるかどうか・・・
「相棒」を1Season=半年観るのもなかなか努力が要ったというのに。
大河ドラマの難しいところですね。はてさて、どうしましょうか。

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相棒:その3「今頃観たpre seasonの感想。"相棒"経験者なら一度はチェックしておきたいプロトタイプ!」

神戸君さよならカウントダウンが始まったり、イタミンの中の人に春が来たりと
何かと慌ただしい相棒周辺ですが、これからどうなっていくのか・・・?
そんな今日この頃、ずーーーっと観たかった「pre season」のDVD3作を
ようやっとコンプリート!
後はSeason3&5と、亀山時代のスペシャル回を残すのみ。
なかなか思うように再放送してくれないんだよなぁ。

相棒 pre season DVD-BOX相棒 pre season DVD-BOX
(2006/10/06)
水谷豊、寺脇康文 他

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色々と面白かったので、観て「へぇぇ」と唸った点、「!」と驚いた点、
今まで抱いていた疑問が解決した点を、ぼちぼち羅列していこうと思います。
テーマ曲はもちろん、「明日、春が来たら」でキマリ!
おっと、私としたことが。それ、妹さんの曲だった~♪
ごめんね川原さん。テヘッ!


初回の右京さん、かなりヤバい。理屈は通っても感情の機微が全然わからなかったり、
空気を本気で読めなかったり、人が不快がることをしても気づかなかったり、
奇行的行動がみられたり。不気味。
でも回を重ねるごとに普通めになっていって、3回目にはたまきさんに
「亀山さんのおかげで変わったのかしらね」と言われるまでに。
右京さんが煙草を吸っている!!!(本シーズンでは全く喫煙するシーンはない)
・3回目で右京さん、救急車で運ばれて盲腸で入院する。それがある事件と同タイミングだった為
TV画面に、運ばれながらギョロッとこっちを見る右京さんが大写しになって、
Mr.ビーンを彷彿とさせる不気味可笑しさ。奇人そのものです・・・
右京さんの亀山に対する扱いが冷酷。嫌味を通り越して侮蔑になっている。
「部下の扱いが酷すぎて、みんな辞めていく」と言われている通り、これはキツイ。
・亀山、来たばかりのpre seasonではさすがに右京さんに対して嫌悪感を露わに。
美和子に「あいつが・・・」みたいに愚痴っている。
・右京さんの厳しい言葉に自信喪失し、警察を辞めようと考えてしまった亀山を見て
エレベーターで乗り合わせた美和子、右京さんに「いじめないでねって言ったじゃない!」と
足を踏んづける!右京さん、まともに歩けないほど本気で痛がり、以後はちょっと自粛。
(その前に、亀山の特命係行きを聞いた美和子は、亀山に内緒で右京さんに挨拶に行き
「いじめないでね?」と釘を刺し、亀山と喧嘩になっていた)
・主に事件後、亀山&美和子がいちゃいちゃして、その後は夜の戯れを繰り広げていると
おぼしき描写がある(本シーズンでは、こういった場面はあまりみられない)。
官房長がいない。よって、右京さんの捜二→特命係への島流しの理由も単に、
「切れ者すぎて上から疎まれたため」となっている。
初回では捜一に課長がいた。本Seasonの官房長にあたる位置づけか。
右京さんを「君ももう少し器用だったら、今頃は間違いなくもっと出世しているのに」と
評価する。感情の動きが見えにくい右京さんが、素直に尊敬の念を表す先輩だった。
のちに、ある事情で職を辞すことになった為、現在のような「課長はいないの?」な設定に
なったと思われる。
内村刑事部長が中園参事官に敬語を使っている!!!!!
・初回のみ、イタミンの部下に現在の芹沢のような立場の後輩がいて、役名もあるのだが
2回目からは全く登場しなくなってしまった。彼はいずこへ・・・
・亀山とイタミンのこどものけんかは当時から。
亀山が捜一で不手際をしでかしてしまったのは、「人の手柄を横取りしようとする
ハイエナみたいな奴が約一名」いることで、手柄を取られないよう焦ってしまったため。
・初回は三浦さんの中の人が三浦さんでない役で登場している。
2回目からは、何食わぬ顔で三浦さんとして出てくる(笑)。3回目は出演なし。
(本Seasonで、芹沢も始めは芹沢でない役として登場し、後に芹沢としてレギュラーになった)
・米沢の中の人は初回で一瞬登場するが、役名のない監察医で、
右京さんに「邪魔しないでもらえますか」と邪険な態度をとる。
しかも、髭が生えている!!!
2回目に始めて米沢として登場。特命部屋を訪れ、段々現在のような親しい関係へ。
Season1でもそうだが、容姿は現在とは比べものにならないほどヲタくさい(笑)
大小が初回から出ている!当時から特命部屋を覗いている。
・ヒマ課長は2回目からの出演。「ヨッ、暇か?」の口癖は既に確立。
しかし特命係に手伝いを頼んだとき、特命係の仕事ぶりに激しい口調で不平を怒鳴り散らし、
亀山が「何だぁあの態度?!」と憤る。
3回目では、亀山にズバリ「暇なのは、課長なんでしょ?」と言われてしまう。
・たまきさんの小料理店の屋号が「花の里」ではなく「新ふくとみ」。そして店がかなり広い。
Season1でもそうだが、他の客も来ている。
pre seasonを含め、初期のたまきさんは右京さんに対して敬語でしゃべらない。
・初回で特命係に飛ばされてヤケ酒する亀山、陣川を彷彿させる絡み酒・・・!
・Season1で既に罪人となっていて、何があったのか分かりづらかった浅倉の事件
2回目に出てくる。亀山と美和子と3人で、ビルの屋上で空を見上げたりして、あぁ青春。
親友を疑われて、亀山は右京さんに対して相当反目する。
しかし変わり果てた浅倉を見て、幼い頃犯した罪やその他数知れない真実の姿を聞かされ、
「お前、俺の親友だった浅倉なんだよな・・・?」と、本気で怯えてしまう。
いやぁ生瀬さん、マジで怖かったです。
・本Seasonになかなか登場しない、「造り酒屋の息子で父親は市会議員のボンボン、
大学はスポーツ推薦」といった亀山の設定が、初回と2回目で明かされる。
・pre season時は土曜ワイド劇場だった。そのため各回が大体100分程度ある。
DVDの特典でPR映像が観られて、初回では「お父さんもお母さんも皆揃って」とか言ってる(笑)
・DVDで観ると、クレジット欄でモザイク処理がなされている箇所がある
しかもpre season3回共だから、なおのこと気になって調べてみたら、
主題歌のDVD版での差し替えがあって、そのための処理だったらしい。

こんな感じでした。ずっと気になってモヤモヤしていたので、疑問が明らかになって
スッキリできました。現在との色々な違いも面白かったし。
亀山時代からでも神戸時代からでも、相棒を観ている人、観ていた人なら
一度はチェックしてソンはないと思いますよ!

3つのうちどれか1本だけといわれたら、やはり初回かなぁ。
でも、カッコ怖い浅倉と亀山&美和子との友情が切ない2回目も捨てがたい。


さて、もうすぐ相棒本放送ですね。最近はずっと隔週だ。
pre seasonの感想だけである程度長くなってしまったので
本来ここで書こうとしてた予想記事はまた次あたりにしますが、
pre seasonで亀山を観て余計に思ったのですが
どうにも神戸は、亀山みたいなヒーロー然とした綺麗な卒業の仕方は
できない気がする・・・
下手すると死にオチのような気さえしてしまいます。
なぜそう感じるのかは次の機会に書く相棒記事に譲りますが。
ちゃんと、最終回に間に合わせなきゃ(笑)

最終回はどんな話なのでしょうね。
私としては、初回の事件の裁判、あの面々はなかなかの曲者揃いだと思うので
そちらにケリをつけるかたちでの終幕を観てみたいんですけどねぇ。
全ては今日の本放送後の予告にかかっていますが・・・
どうなる?

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Warpaint:The Fool「オンナノコ達の奥に潜む、仄暗い部屋に迷い込んで・・・グルーヴの海の中、悲鳴とも嬌声ともつかない声が交錯する」

Warpaint(ウォーペイント)の記事を書こうと思いつくも、
実際に書くまで結構時間がかかりました。
なかなか、日本語サイトでめぼしい情報が得られなくて。
困り果てて、本国の公式サイトまで見て、ようやっとそれなりの情報が集まり
何とか記事化までこぎつけました。
今回は、彼女たちのデビュー作「The Fool」をレビューします。

FoolFool
(2010/10/26)
Warpaint

商品詳細を見る

なんとも個性的で、そのうえ薄気味悪いジャケですねぇ・・・
しかし、このアルバムの時折ゾッとするような妖気を、よく表していると思います。

Warpaintでググって、画像検索するとなかなか面白いです。
本国じゃアイドル系バンド扱いなのかな?オシャレで可愛い写真が沢山出てきます。
日本ではいまいち人気が盛り上がらない印象ですが、向こうではこんな風に
雑誌の表紙を飾ったりもしているようです。
Warpaint NME表紙
左から反時計回りに、
Emily Kokal(Vo/G),Jenny Lee Lindberg(Ba/Vo),
Theresa Wayman(Vo/G),Stella Mozgawa(Dr/Key/Vo)。
色々検索して、お気に入りのメンバーを探そう!

Youtubeにライヴの動画も多く上がっています。それを見てもわかるのですが
彼女達、一見ごく普通の、イマドキの女の子(実際の年齢は「女の人」のようですが)。
公式HPにあるオリジナルTシャツは、ディテールにこだわったオシャレなデザイン。
ファッションアイコンみたいな感じで、とてもこんな仄暗い闇の中から奏でたような
音楽を作って紡ぎ出しているなんて信じられなくなります。


しかしまぁ、Jenny Leeのオシャレ個性派ぶりは猟奇的とすらいえるほどです。
「正面から見てショートヘア、横~後ろから見たら・・・ボーズ!?」な髪型やら、
最近の眼鏡屋で女性モデルがプロデュースしているようなデカメガネやグラサン、
男性かと見紛うようなボーイッシュすぎるファッションなどなど。フリーダム!
ライヴ動画でも一人ぶいんぶいんノリノリで動いていて、只者じゃありません。
左か右で極端に分けるヘアスタイルが好きなEmilyは女らしい格好が目立ち、
「Nice Leg!」とコメントされる一方、時々面立ちがデレク・トラックスに似てる・・・。
前髪で顔を隠しがちだったり、正面から写るのを嫌がったりしがちなTheresa
シンプルな、バンド少女らしい格好が多め。赤いギターもかっこいい。
デビュー直前に加入したStellaは、ドラムセットに隠れて、よくわからない(笑)。


さて、見た目の話はこのぐらいにして、肝心の音楽の話をしましょう。

メランコリックな曲調、やや拙い歌、無機質な単音中心のギター、反復性・・・
こう書き連ねていくと、ある音楽シーンが連想されると思いますが、
本国の雑誌のインタビューで、お気に入りのアルバムを尋ねられた彼女達が挙げたのは
U2,Brian Eno,Talking Heads,Depeche Modeなどなど。納得のチョイスです。
全体的に、これらの80年代NW系統の音楽が下地にあることが感じ取れます。
しかし、Warpaintが80年代NWの真似っこにならず高評価を得ているのには
もう少し要因が増えます。

例えば、「これだけ暗い曲調なのに、やけに踊れて、クセになる」という点。
よく「中毒性がある」と評されていますが、私も初めは「なんだこの下手な歌は」と
ピンとこなかったのに、リピートすればするほどどっぷり虜になってしまったんです。
メランコリックかつ踊れる、というあたりで、New Orderぽいとも考えたけれど
何か違う。もっと肉感的なんですよね。
ここで繰り広げられている音をもっとラウドに鳴らすと、The Musicみたいな
ハイなグルーヴにまで至るんじゃないかという。
その秘密は音源+ライヴ映像で判明します。ドラムは結構ドタバタロックしていて、
ベースはJenny Leeのステージ上の動きと同様に、実に奔放に動き回っています。
Emily&Theresa(+他の1~2人)のたゆたう歌やコーラスワークにまどわされて
「か弱い」という印象を受けますが、裏では人力リズムマシーンみたいな、
かなりダンサブルな、いっそ力強い動きをリズム隊がしているんですね(曲によりますが)。

そして、ジャケ写にもあるような、多くの楽曲に漂うただならぬ不気味さ
静寂の向こうから、どす黒いよどみ、とぐろを巻く情念がやってくるような。
前述したお気に入りアルバムで、EmilyはAphex Twinなども挙げており、
幾度となく音響的なアプローチが効いている背景も頷けます。
しかし音楽的背景もさることながら、彼女たちの「女性」という属性も
少なからずこのようなドロドロとした世界観を形作っているのでは、といったら
女性差別になるのでしょうか。
女流作家さんの本を読んだり、ドラマや映画、身の回りの女性たちを思い出すと
女性ってタイプこそ違えど、本当はみんな心の深淵に修羅をもっているのではないか
と感じることが多いです。その表し方が人によって異なるだけで。
いつも誰にでも心の闇や孤独を丸出しにするわけにはいかないし、自覚のない領域に
少女性や怒りや哀しみが隠されている人も多いでしょう。
だけど彼女たちはその「心の深淵の修羅」を自覚して、痛みと快感を知ってしまった。
このアルバムの呪術的な世界は、そんな修羅をあえて引き出して、それと戯れる
秘め事」を、聴き手に「覗き見」させてしまうかのようなエロスがあります。

淀んだグルーヴの海に溺れて、悲鳴をあげているような、快楽に喘いでいるような
ふうにも聴こえる、重なり合いながら揺らいで囁く、妖しい歌声。

陰鬱なだけでなく、なぜか心地良い、ちょっぴりアブナい世界。
彼女たちがこっそり教えてくれた仄暗い部屋に一度入ったら、もう抜け出せないかも?


Warpaint以前に「ジョン・フルシアンテの彼女」として有名になってしまったEmily。
既に破局し、ジョンは別の女性と結婚したとはいえ、「ジョンの元カノ」のバンドとして
Warpaintに関心をもったという人も少なくないのでは?(私もその一人です・・・)
ついでに書くと、Jenny Leeは現在のレッチリのギタリスト、
ジョシュ・クリングホッファーの彼女という噂もあるようで。
ジョンはWarpaintのインディーズ盤でミックスを手がけ、ジョシュはステラ加入前に
サポートメンバーとしてWarpaintに関わってきた経歴があります。
某レンタルショップで「レッチリの寵愛を受けるバンド」なんて宣伝文句で
貸し出されていて、「おいおい・・・」と怒りを禁じ得ませんでしたが、
他の国でもどうしても、こうした見られ方をされるのは避けられないと
皆分かっていたはず。だけど、彼女達はあえて正面を切ってデビューしました。

先程書いたAphex Twin、「ジョンと付き合っていた頃、二人で毎日聴いた」と
Emilyは臆せず語っていました。今でもジョンとは友達として仲良しで、
「今度一緒にAphex Twinに逢いにいくの。夢が叶うわ!」と。
うーん、やっぱり女の子は強いなぁ。
Emilyもいい恋しろよ!・・・なーんて、余計なお世話?


最後に、割と最近出たというデラックス・エディション。
ジョンがミックスを手がけたインディーズ盤の曲も数曲収録だそうです。
寧ろそのインディーズ盤が欲しいっす。
Fool: Deluxe EditionFool: Deluxe Edition
(2011/09/27)
Warpaint

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チキンフット:Chickenfoot「HR/HMは全然だめな私が、彼らとVelvet Revolverだけは聴けてしまう不思議。歳をとるって楽しそう!」

「たまたま近所に住んでたから」という信じられない単純な理由で結成されちゃった
HR/HM系スーパーグループ、Chickenfoot(チキンフット)の1stアルバム、
その名もまんま「Chickenfoot」。

ChickenfootChickenfoot
(2011/08/16)
Chickenfoot

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手でこすると、ジャケット表側ではメンバーの姿が、裏側では曲目が
浮かび上がってくるという面白い加工のジャケ。
よって潔癖性の人にはレンタルは勧めません。お金なくても、新品を買いましょう。

私、普段はまずHR/HMは全然聴きません。
それなのになぜ本作を手に取ったのかって?理由は至って簡単。
チャド(レッチリ)がようやくハードロックのプロジェクトを始めた!涙、涙
というものでした。
チキンフットでもレッチリでもドラマーを務めるチャド・スミスですが、
ミクスチャー・ロック~ポップ・ロックのレッチリに入ったのは
音楽性としては実は本意ではなく、本当はHR/HMが大好きなメタル野郎。
しかし、その方向では食べていけず、やむなくレッチリのオーディションを受けて
その腕を買われて現在に至るというわけ。
でも他のメンバーにとってメタルは敵。チャドは「サイケデリックゴリラ」などと
他のメンバーからしばしばバカにされながらも、耐えて忍んでここまで来たのです。
だから、ようやっと本来やりたかった方向性のバンドに参加できて、
「よかったなー!」と涙を拭いながら(誇張です、スミマセン)手にとってみたと。
なのに蓋を開いてみたら、やっぱり?脇役・・・(更に涙)
まぁ仕方ないか、なにせ他のメンバーが凄すぎですもん。
天才ギタリストとして名高いジョー・サトリアーニやら、
ヴァン・ヘイレンサミー・ヘイガーマイケル・アンソニーやら、ですもん。
しかもレッチリで最年長(で最のっぽ)のチャドは最年少ですからね。
「始めた」んじゃなくて、「入れてもらった」というニュアンスが正確そう・・・

このチキンフット、ヴィジュアル的にも色々と凄い。
高年齢バンドだから、毛量が足りない(苦笑)
堂々たるスキン+グラサンの強面ジョーに、後退した頭を帽子で隠すチャド(いつものこと)、
そろそろ心許なくなってきたマイケル。哀愁?迫力?
しかし、最年長のはずのヴォーカリスト、サミーだけ、見事にふっさふさ!
サミーとジョー&マイケルが10歳くらい差があって、更にチャドは二人より7歳くらい下で
かなりの年齢差バンドでもあるにも関わらず、このじーちゃんはまぁ、若い若い。
歌声にもそれが出ていますが、もうスゲェとしか言いようがありません。


一発プレイヤーをONにしただけで、アドレナリンが全開!
一つ一つの音がハッキリ、クッキリ、ズッシリと迫ってきて、潤いも感じます。
「ええ音だ」と聴き入ったり、圧倒されたりせずにはいられない威力。
マスタリング・ミキシングのグッジョブとも言えると思います。
当然各メンバーの演奏がウルトラ巧いから成せる技なのですが。
ズシンと打ちのめされるような大迫力のベース、おなじみのパワフルなドラム、
とても60代とは思えない素晴らしいヴォーカル、流麗で切れ味鋭いギター。
肉食系」とはこういうのを言うのでしょう。あと「オッサンパワー」とか。
肉々しさを、ジョーの鋭利な持ち味が中和して、胃もたれしないようになってる(笑)
バランスを配慮するなら、誰かこういう役割を担うメンバーが居ないとね。

曲は当然ロックですが、同時に結構ポップでキャッチーな印象もあります。
全速力で飛ばす曲から、しんみりしたバラードまで、曲調もさまざま。
Amazonのレビューでは「Zepぽい」「もろZep」という声も。
そうか、だから普段HR/HMが苦手な私でもスッと入れたのか。
この手のジャンルは苦手だから、と敬遠している人でも、とっつきやすいのでは。
サミーは魂がきっとForever Youngなのでしょう、バラードを歌っても
歳を重ねた含蓄による説得力はあっても、決して枯れてはいません。
活き活きとしたサミーの歌声を聴くだけでも、幅広い層が楽しめると思います。
長年の相棒、マイケルによるコーラスも綺麗。加工の仕方もいい感じです。

聴いていてやっぱり印象に残るのは、ダイナミックこの上ないチャドのドラム
レッチリでチャド&フリーのリズム隊にやられてしまった人は絶対に聴くべき!
(特に近年の)レッチリでは音楽性からどうしても制約があり、その鬱憤を晴らすべくか
チキンフットでは何の遠慮もなく、奔放にズダンズダンバカスカと叩きまくっていて
チキンフットの音楽に漲る「生命力」の泉となり、かつサミーやジョーをどっしり支え
チャドの永遠のヒーロー、ボンゾを思わせる、大活躍ぶりをみせてくれます。
そして、レッチリではフリーの影に隠れがちですが、チャドの果たしている役割は
決して影なんかじゃなく、大事な肝なのだと改めて実感させられました。
前任のジャック・アイアンズには悪いですが、チャドが来てから、レッチリは
「ベースが凄いバンド」から「リズム隊が凄いバンド」と呼ばれるようになったりで。

私はサミーやマイケルがいた高名なHR/HMバンド、ヴァン・ヘイレン
一度も聴いたことがないし、今後も聴いてみるかどうかはわかりません。
レッチリが「Stadium Arcadium」をリリースした時、ジョン・フルシアンテが
エディ・ヴァン・ヘイレンのようなHR/HMの要素を現代のバンドに取り込みたかった
という旨の発言をしていて、そのアルバムでは凄まじいギターソロが満載で
ヴィジュアルもどこかギターヒーロー然。そんなジョンのことを、チャドが
「自慢の弟」なんて称えて、HR/HM調の曲では実に嬉しそうに叩きまくるといった
エピソードは確かにありました。だから全くNOではないと思います。
しかしそういった個人的な「いわく」を除いても、元メンバーが2人いる以上どうしても
比較されるヴァン・ヘイレンというバンドの音楽を聴いていなかったり興味がなくても、
ただそこにある音楽を、楽しむことができるし、また、そうすべきなんじゃないか
至極個人的には思いました。
そうは言いつつ、実際にヴァン・ヘイレンを聴いてしまったら、
ついついジョーとエディを比べてしまうのかもしれませんが・・・


聴くと凄く元気が出て、勇気づけられる、生命力に溢れるアルバムです。
酸いも甘いもかぎ分けた、大人だからこそ奏でられる、
聴き手が安心してどっしりと身を任せることができる作品、そしてバンド。
大人による大人のための、そして、未来の大人たちのための音楽ですね。
歳を重ねるのが楽しみになります。
歳をとるほど、もっと楽しいことが待っているんじゃないかという気にさせられます。

「今日を楽しめ、だけど明日はもっと楽しいぞ」と言わんばかりの、
単純明快かつ楽観的なオッサン(オジイサン)達から、私達が得るものは多いでしょう。

メンバーがメンバーなだけに、単発企画かと思いきや、
ちょっと前には2ndアルバム、その名もなんと「Ⅲ」がリリースされたとのこと!
これからも継続してやっていくのかな?

00年代のストーンズ、そしてチキンフットと、2連チャンで
「枯れ専」ブログと化しているのはどういう訳だ?自分でもわかりません。
その前の「居酒屋もへじ」を加えると3連チャンだ!どうしたのか、私(笑)


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ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト「こんな風に歳をとるには今から何をすればいいのか、思わず逆算して考えてしまったライヴ!」

最近ではジョージ・ハリスンの「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」など、
ミュージシャンを題材にした映画にも定評があるマーティン・スコセッシ監督が
あのローリング・ストーンズのライヴを映画にしちゃった!
大々的に宣伝されてたので、ご存じの方も多いと思いますが
ビートルズ好きながらストーンズも気になるこの頃、ようやっと観てみました、
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」。

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト デラックス版 [DVD]ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト デラックス版 [DVD]
(2009/07/03)
ザ・ローリング・ストーンズ、クリスティーナ・アギレラ 他

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ミック・ジャガーのこの堂々たる、余分な贅肉が全くない見事な体格に、大振りのポーズ。
本作の見所を、ジャケ一発で見事に表現してくれちゃってます。
「平均年齢63歳」(当時)のバンドとは思えない、実にイキイキしたライヴ。
観ていると元気が出てくるし、自分もこうしちゃおれないぞと
なんだか思わされてしまいます。

あぁ、こんなふうに格好良く歳をとりたい!


映画の始まりは、いわゆるメイキング。
このような大プロジェクトを遂行するのは、やはりとっても大変そうです。
エンドロールを見ると、撮影スタッフの多さに驚いてしまいますが
大がかりなセットを作るにも、演出を考えるにも、撮影ショットを探すにも
一筋縄ではいきません。
その上、当のストーンズはツアー中でなかなか連絡が取れないし、
ミックはいつまでたってもセットリストをくれないし(ぎりぎりまで悩んでます)、
「カメラがグルグル回って撮影していると、観客も自分達も集中できない」と
撮影に差し支えそうな苦言をミックに呈されてしまうし(結局は説得した?)で、
スコセッシ監督はずーっと右往左往、しまいにはクタクタ・・・。

ストーンズファンは偉い人でも普通の人でもみんなおんなじ。
何と、クリントン元大統領ヒラリー夫人を連れてやってきました!
60歳代の友達大勢にも、席を手配してくれないかと泣きつかれたとのこと。
「カメラに写ってしまうかもしれないが、大丈夫か」と懸念するミックでしたが
多分オーライ。ライヴの前にいっちょ、記念写真の撮影です。
こういったゲストが、他にも大勢いて、スコセッシ監督のヒヤヒヤは更に募るばかり。
いやはや、こりゃとんでもない大仕事です。

「いつまでこれが続くの?まぁ面白いけど」と思っているところで
セットリストが届き、1曲目が始まった所で、スタッフサイドの物語は完全ストップ。
ストーンズのライヴにぐっと焦点が絞られます。


往年のヒット曲から、近年の楽曲まで、幅広く盛り込んだセットリスト。
メンバー&ファンの年齢相応の、ミディアム~スローな楽曲も多めですが
よく知られている通り、往年のヒット曲は元気いっぱいなもの。
しかし、前述したように、ミックのパフォーマンスは衰えを知らず!
60~70年代のいわゆる全盛期にもひけをとらない、いやもっと力強くなった歌に、
全身を駆使して繰り広げられるミックダンス、手足がビシッと伸びた素晴らしいポーズ。
シンプル・イズ・ベストのクールな衣装も、そんなストイックなミックにぴったり。
最初から最後まで一切のダラケなしで高速完走。「サー」の称号は当然でしょう。
至って個人的な感想ですが、ミックは現在の方が格好良い気がします。
全盛期はカワイイ系というか、変わった顔系というか、飛び道具系というのか
不思議ちゃんカテゴリの印象がありましたが、現在は正に「格好良い」輝くシニア。

そして、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウを演じる際に
ジョニー・デップが大いに参考にしたという、おまけに最近じゃ出演もしている、
ミックと双璧の人気を博すストーンズのヒーロー、キース・リチャーズ
ミックとは対照的に、クタッとした枯れた味わいの爺様ですが、全盛期と変わらぬ
ファッションアイコン振りで、ぐるぐる巻きの髪にはちょこちょこヘアアクセが。
その髪型と、目の下の黒いラインで、スパロウを想起するのは容易で(笑)。
ところで、キースは結構他のメンバー(サポートメンバー含む)と向き合って演奏する
場面が多く、とりわけそれが多い相手がドラムのチャーリー・ワッツ
ストーンズ初心者~初級者の私は、「うまく言葉にできないんだけど、ストーンズって
な~んか独特のノリがあるような感じがするんだけど・・・?」と思っていたんですが
この一連のパフォーマンス+記事を書くための下調べで、その謎が解けました。
一般的なバンドは、ドラム&ベースの「リズム隊」がリズムを担いますが
ストーンズは、チャーリーのドラムとキースのリズムギターがぴったり合わさって
リズムを構成しているため、他のバンドにはない「独特のノリ」が出ている
とのこと。
キースはチャーリーに全幅の信頼を寄せていて、
「チャーリーなしではストーンズサウンドはない」と言うほど。
なるほど、なるほど・・・。ストーンズ入門の良い教科書にもなるライヴです。

パフォーマンスと巧みなトークで観客を魅了する「エンターテイナー」ミックと、
ギタリスト、ミュージシャンに徹し、メンバー全員への目配りを心がけるキース
同じ一つのライヴをとっても、二人のアプローチは実に対照的です。

観ていてもう一つ印象に残ったのは、サポートメンバーがほぼ徹底して黒人系であること。
ゲスト3人の中にも、迫真の大物プレイヤー、バディ・ガイがいるし(後述)。
色んな音楽を吸収していったビートルズと違い、ストーンズの音楽はブルースが常に
根底にあるのが特徴。そんな姿勢を、ステージを一見するだけでも感じさせるのは
実に徹底していて、そして巧みな演出だなぁと。

こんな具合に、ストーンズとそのライヴの様々な側面に気づくことができたのは
あらゆる角度から忍び込むカメラワークに依るところがやはり大きいです。
スコセッシ監督、多くのスタッフさん、ありがとう!
ミックをはじめ、メンバーはやりづらかったかもしれませんが・・・。


ライヴの合間合間に、デビュー前後から近年までのインタビュー映像などが
織り込まれ、ドキュメンタリーとしても楽しめる仕組み。
デビューしてそんなに経たないミックに「いつまで続けられそうか」と尋ねると
「あと1年はいけるかな?」なんて言っている映像の後で、元気な4人、
また、もっと経った時期、同じくミックに「60歳までロックしているか?」と
尋ねると「当然さ」と自信満々に答えた映像の後で、貫禄のアンコール、など
感慨深くなる盛り込み方です。さすがスコセッシ監督!

他にも面白かったのはいっぱい。
例えば、エレガントな白髪の紳士チャーリーの、60年代のインタビュー。
のほほ~んとしていて、質問に答えているんだかいないんだか(笑)。
顔つきものほほんとしてて、邦楽でいえばEvery Little Thingのいっくん系です!
今回のライヴでも、メンバー紹介時にミックがチャーリーに「みんなに挨拶を」と振って
チャーリーが挨拶すると、ミック「しゃべった!」って!
そりゃしゃべるだろ!完全にいじられキャラですね。

また、ブライアン~ミック(・テイラー)の後任で元フェイセズのギタリスト、
ロン・ウッドVSキースのインタビューがありました。
インタビュアーもどうしたいんだか、「二人は双子」と例えながらも、
「ロンとキース、どっちがギターが上手だと思う?」なんて問いを本人達へ。
ロンは「俺に決まってる」と即答。一方のキースは「そう言うと思ったよ」と
返しつつ、「二人とも下手だけど、二人揃ったら最高」という粋な回答を!
いいですねぇ。キースのソロコーナーなど、随所でこういうアイロニー
ふりまいてくれるのが、キースのカリスマたる所以なんだろうなぁと感服。

ストーンズ初心者~初級者の私は、はじめロンとキースを本気で見間違えました。
だから「キース=くわえ煙草のギタリスト」と誤解しそうになりました(苦笑)
しかし大間違い、ヘビースモーカーはロンの方でした。いけない、いけない。
ロンの佇まいもかっこいい!バンドの中で目立たない立場の、渋いプレイヤーに
肩入れしやすい傾向がある私にはモロ、ドツボ。
これまで「ストーンズはブライアン急逝前後に限る」派で、以後に関心をもとうとせず
だから「ロン・ウッド?誰それ」とか「いつの間に4人に?」なんて思ってましたが
本作をきっかけに、そんな認識は大きく変わりそうです。


このライヴは、豪華ゲストでも話題になりましたよね。
最初に登場したのは、元(涙)ホワイト・ストライプスの凄腕ギター&ヴォーカル、
ジャック・ホワイト
最近では、ジミー・ペイジやU2のジ・エッジとも映画で共演してましたね。
今回はミックと一緒にアコギを奏でながらの、とても楽しそうな共演です。
おっと、ジャック、涙ぐんでないか?なんて場面も。根っからのロック小僧ですねぇ。
ギターの名手として名高い彼、ギターソロ時には当然キースにも寄っていきます。
ドラムを叩くこともある縁か、終幕時にはチャーリーの側にもいますね。
・・・とりあえずジャック、ロックスターなんだし、もう少し痩せた方がいいんでないかい?

次に登場したゲストは、バディ・ガイ。登場するなり迫力があるぞ!
ひと声、ひとギター、いちいち重みがズドーン!!って来るのです。
とにかく存在感がすごかった。
ミックは「バディ・ガイに手伝ってもらう」と紹介しましたが、むしろバディ・ガイに
喰われかけていたような?・・・いや、そんなことないか。

そして最後に出てきたゲストは、クリスティーナ・アギレラ
私は基本的に洋楽はロックばかりなので、彼女のような路線はほぼノーマークなんですが
当然のごとく歌唱力があって、しかもそこにロックを感じずにはいられない
歌声とパフォーマンスに、すっかり魅了されちゃいました。
ブロンド美女(当時)とミックとの絡みはとっても妖艶。腰をくねらせ、ぴたりと寄り添い
まるで恋人や愛人のような佇まい。最高にキマってました。あまりにエロティックなので
「これ、ミックの奥さんが観ても大丈夫?」と無駄な心配をしてしまいました。


これまではストーンズといったら、60年代後半~70年代前半あたりの
ポップでちょっとコケティッシュ」な感じがなんとなく好きでした。
(ストーンズ初心者~初級者だから、「Forty Licks」や「Rolled Gold +」などからの
感想になります。あとは色々あるドキュメンタリーDVDとか、ゴダールの映画とか)
しかし、スコセッシ監督が撮った今回のライヴは、デビューから40年もの月日を
正しく「転がる石」の如くロックし続けた結果培われた、
凄みとしなやかさ」という熟練ならではの魅力が詰まっています。

音源で聴くなら昔、ライヴを観るなら今かな?と思えてしまうほど、
ストーンズのライヴは凄いものだし、また、それをここまで鮮明に描き出す、
スコセッシ監督の技量も素晴らしいと思います。
正直、自分がここまでストーンズに魅了されるとは予想していませんでした。
ストーンズ&スコセッシ監督にしてやられた気分です。


しかしながら、記事書きの為にメンバーの動向を調べていたら、ちょっと淋しいニュースが。
チャーリーが脱退する、またはレコーディングのみ参加してライヴは参加しない
といったものです。
10年頃からこの話はあったとのこと。
そして今は、メンバー間で話し合いをしている最中だ、とチャーリー。
00年代から既にライヴに乗り気でなく、
キースに必死に説得されて、何とか今までは参加していたそうで・・・。
チャーリーはもう70ですからねぇ。体力的にもキツイのかな?
家族とのんびりしたいとも言ってました。そりゃそうだよなぁ。
だけど、キースは「チャーリーなしではストーンズサウンドはない」とまで
言っている男で、代役で納得できるのか?
そりゃ、なかなか意見もまとまらないよなぁ・・・。
少し前にミックのソロが車のCMになっていましたが、そうか、そんな事情もあったか・・・
・・・そういった意味でも、本作は貴重な作品になりそうですね。皮肉にも。


この記事に辿り着いてくださった音楽玄人の皆さん、ストーンズ初級者の私に
「まず、このへんのアルバムから聴いとけ!」っていうオススメ入門盤
何枚か教えて頂けるとありがたいです。
ストーンズの森は広大すぎて、どこから手を付けていいのか
途方に暮れてしまうのです。ベストを2つも聴いて、色々ドキュメンタリーを観ても。



おかげさまで当blogは着々とランクアップしてまして、一昨日なんかは
今まで見たことのないような順位にランクインしていて、たまげました。
また拍手もいただいて(「居酒屋もへじ」の記事)、感謝感激雨嵐です。
感謝の気持ちでいっぱいになると同時に、やる気もかき立てられます。
今後とも、どうぞご贔屓に!ぺこり。
恐らく今後も変わらず、何が出てくるかわからないびっくり箱ですがね(笑)



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Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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