2012-02

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居酒屋もへじ「"杉下右京"から大きくかけ離れた水谷豊さんがここに。ちょっと渋いけど、ほっこりする下町人情ドラマ、是非シリーズ化を!」

昨年の秋ごろに放送していたTBSスペシャルドラマ「居酒屋もへじ」を
先日再放送していたので、満を持して観てみました。
私は「相棒」でしか水谷豊さんを知らない世代というか視聴者なので、
"杉下右京"でない水谷さんを一度観てみたいと前から思っていたところでした。
なんだかコミカルそうで、人情味ありそうで、番宣CMで気になっていたけれど
随分迷いながらも本放送で観なかったのは、躊躇う所がありまして・・・
やっぱ、なんといっても、このキャストが。

水谷 豊 松坂慶子 桂 文珍 角野卓造 川﨑麻世 松村雄基 六平直政
佐藤 輝 緒形幹太 北川弘美 高田 翔 諸星すみれ 土師野隆之介
奈良岡朋子 石坂浩二


・・・渋すぎ!「自分にはまだ・・・早いような気がする」と思って、
あともしかしたら重複する番組なんかがあってのことだったかもしれませんが、
結局本放送は観ず。しかし名残惜しさを感じていたころ、今回の再放送!
もうこれは何かの運命だと思って迷わず録画し、後から観てみました。
そしたら、期待を裏切らず、ちゃんとおもしろく、心にしみるいいドラマでした。
但し、プロデューサーが「渡鬼」の人(石井ふく子さん)だと観る前に知っていたら
再放送でもやっぱり観なかったかも・・・偏見で。
偏見や食わず嫌いはよくない、と改めて実感させられる出来事でもありました。


水谷豊さん演じる主人公「もへじ」は、本名を「米本平次」というのですが、
「ガキの頃から、へのへのもへじの絵描き歌の顔にそっくり!」という由来で
みんなから「もへじ」と呼ばれています。(水谷さんの顔立ちの悪口じゃないんだよね?)
口癖は「アイター!」。何か驚くような呆れるような出来事が起こった時に
思わずおでこを叩いて言ってしまう台詞です。ちょっと古臭い(笑)
困った人がいたら放っておけず、元常連客で老人ホームに入りたくなくて
もへじ宅に逃げ込んできた「じっちゃん」や、親のいない子どもたちと共に
端からみると血の繋がった家族のような、不思議な共同生活を送っています。

もへじが営む「居酒屋もへじ」は、常連さんだけの溜まり場で、一見さんお断り。
東京の下町の仲間たちが、毎日のように集まって、お酒片手におしゃべり。
もへじを含め、みんなが言いたいことを遠慮なく言い合う、気心知れた仲間です。
代金も「あるときでいい」と、千円くらいもらっただけで済ませちゃう。

実に、杉下右京さんからは想像もできない役柄や世界です。
プロデューサーの石井さんは、本作の脚本を書いて長いこと、
「犯人を捕まえるのに忙しくて」スケジュールが空けられない水谷さんを待って
いたそうです。石井さんと水谷さんは私的には長い交友関係を続けながら、
お仕事としては23年ぶりのタッグとなったのだそう。そこで、あえて、
水谷さんがこれまであまりやったことのない役柄」を用意したのだとか。
しかし、犯人を捕まえるのに忙しすぎたせいか、時々右京さんが顔を出したり、
「あれ?水谷さんってこんな棒演技だったっけ・・・?」と感じられる部分が多少。
ギアチェンジがあまりに大変だったのでしょうか。
実力派ベテラン俳優さん揃い踏みの布陣なので、尚更、アラが少しでもあると
目立ちやすいのかも。
でも、おひとよしで生活感たっぷりな水谷さんを観るのはなかなか楽しく、
かすかな表情の演技などは絶妙だったので、話し方の面でしょうか、気になったのは。
それ以上に、この記事を書くために公式HPを見て初めて気づいたのですが
もへじは何と「44歳」で、川﨑麻世さんたちと同期という設定!
実際の水谷さんはもう還暦間近。い、いろいろチャレンジャーな・・・
そして、水谷さんと同じくらい、川﨑さんの「下町ののんきなあんちゃん」振りにも
びっくりしました。えっこんな役もやるの?!って。サプライズが多いですね。


さて、常連だらけの気兼ねない「居酒屋もへじ」も20周年。祝い酒を始めるところで
突然、松坂慶子さん演じる酔っぱらいの女性、陽子が乱入。
(「たいようの陽子」と言っていました。どこかで聞いたことがありますね。笑)
もへじは「一見さんお断り」のルールを説明しますが、陽子は聞く耳を持ちません。
笑い上戸に泣き上戸、絡み酒、歌って踊って、トイレに駆け込んで、しまいには
もへじの部屋で酔いつぶれて眠りこけてしまいます。酔っぱらいのフルコースです。
美しい女性の出現で鼻の下を伸ばしてちやほやしていた仲間たちも、これには顰蹙。
しかも翌日、陽子がお詫びの品を持って居酒屋もへじに来店、もへじが贈り物を
断ると、「ここで働かせてほしい、ただでもいい」と・・・!
陽子の出現で、もへじとその仲間たちには波紋が広がり、話が進んでいきます。
松坂さんが上手いんだなぁ。歌い踊る姿と、苦悶する姿とで、180度違って、
まさにヒロインです。
そのうえなんと、水谷さんとは歳も生まれた月も同じだったりするそうです!

以降は、公式HPに掲載されていないネタバレなので、知りたくない方はブラウザバックで。









陽子にどうやら哀しい過去があるようだと知った、もへじと仲間たち。
もへじは、陽子とどう接したらよいのかわからず、いつもの喫茶店で
店主の「ねえちゃん」(実の姉ではない)こと由亀さんに相談。
その過程で、もへじにも陽子とよく似た哀しい過去が10年前にあって、
当時のもへじは、今の陽子のような振る舞いだったことが明らかになります。

もへじには18歳の「息子」明がいるのですが、陽子は明を見るなり
部屋を飛び出して、泣き出してしまいます。
陽子は旦那と息子を不慮の事故で亡くしていて、その息子さんが
明と同じ18歳だったからです。
一方のもへじは、10年前、愛する妻を突然の病気で亡くしてしまいました。
二人には子どもができず、当時から明を育てていたので、もへじと明は
父子家庭に。喪失感と苦労の絶えないもへじを支えたのは、明の存在でした。
だから、ねえちゃんは、陽子と「一緒にいてあげる」ことを助言します。

陽子は物憂げな顔でもへじに「何もかもどうでもいい、死んでしまいたい、と
思ったことはあるか」
と尋ねます。
そこで、もへじは自らの体験を陽子に話します。
もへじも、妻を亡くしたとき、毎日のように酔いつぶれて、
ねえちゃんの前でやたらと明るく振る舞いながら、死を考えていました。
そんなときラジオで「自分の為には生きられないけど、他人の為になら生きられる
という言葉を耳にして、以来、その言葉を救いにしてきたのです。
だから、じっちゃんや、下の子ども達も引き取ったのです。
似たもの同士の二人。淡い恋心を抱き始める、もへじと陽子・・・。


その一方で、じっちゃんや明にも、それぞれ問題が起こります。
というか、じっちゃんの場合は、恐るべきやんちゃ振りなのですが。

桂文珍さん演じるじっちゃんが倒れた!という報せを受けて
ある家に向かうもへじと陽子。
じっちゃんは前の年、心臓発作を起こしているので、不安が募ります。
しかし行ってみると、娘か孫かというような若い「ガールフレンド」の家で、
ハッスルしすぎてしまったとのこと。しかも彼女は、じっちゃんが
心臓発作で入院したときの担当看護師さんといういわくつき。
じっちゃんの性欲はとどまることを知らず、居候先のもへじの家にまで
ガールフレンドを連れ込むほど。痛快すぎて笑えます。
しかも、じっちゃんはもへじにしょっちゅう、こづかいをねだるのです。
「居酒屋もへじ」の経営を考えると、明らかに厳しすぎる、多額のこづかいを!
もへじにとってじっちゃんは「目の上のたんこぶ」で、もへじ、しょっちゅうため息。

高田翔くん演じるは高校3年生と、難しい年頃で
もへじとあまり口をきかず、予備校もサボりがち。
そしてある日、顔にひどく殴られたようなアザを作って帰ってきます。
「いじめられてるのか?相手は一人二人じゃないんだろう?」と憤るもへじに対し、
明はクールに「自分の問題だから、自分で何とかする」と突っぱねます。
しかし、警察からもへじに連絡が入って、もへじと陽子が向かいます。
ボロボロの傷を負った明。なにやら大喧嘩をしてしまったそうです。
もへじは、いじめられた相手達にやり返した結果だと見抜き、なぜ喧嘩をしたのか
明に尋ねます。すると明は「おとうの悪口は絶対に許せなかった」と・・・
悄然とするもへじ。
実は、明のお父さんともへじは友達だったのですが、明のお父さんの家が
経済的に困窮していたため、お金を得る手っ取り早い手段として、お父さんは
暴力団方面に手を出して、道を踏み外し、現在服役中の身なのです。
明は母親の顔を知りません。明を産んですぐに浮気し、行方をくらませたからです。
亡くした息子は18歳。話を聞いて、陽子の中で、息子と明の存在がリンクします。
母親のように明を抱きしめる陽子。その胸の中で、今まで封じ込めていた苦しみが
溢れ出してしまった明は、思わず号泣。だけど、こらえるように泣く
のです。
とても胸を打たれる演技、そしてエピソードでした。
膿を出して心機一転した明は、次の日から晴れやかな表情で、家を出るように。


このままずっと「居酒屋もへじ」で働き続け、いずれはもへじと・・・と
みんなが思っていた矢先、陽子がみんなとの別れを宣言します。
前々から田舎の母親に「帰ってこないか」と言われていたのに、長いこと帰らずに
いたので、この際だから母親の顔を見てくると決心した、と。
陽子には理由があるのですが、みんなからすると、出会いも突然、別れも突然。
特にもへじには・・・。
旅立ちを明日に控え、店の片付けを終えた、帰り際の陽子は、
不意に後ろからもへじをギュッと抱きしめちゃいました。
戸惑いながら、もへじもその両手をそっとつかまえて。
だけどそれ以上進展することはなく、逃げ帰るように去る陽子と、
陽子の感触の余韻を、一人引きずるもへじ。
本当、似たもの同士。いい歳して、ちょっと不器用な二人です。

別れの日。手作りのおいしそうなお弁当を土産に、もへじは陽子をお見送り。
不器用な二人は、後腐れのないようにあっさり別れようとします。
「いちにのさん、で、振り返らずに歩こう」と。
しかし!いつからいたのか、じっちゃん登場。いいおせっかいを焼いてくれます。
「戻ってきたら俺と一緒に、みたいなことを言えないのか」なんて言って。
当然、意地っ張りで恥ずかしがり屋なもへじは大否定して、じたばたじたばた。
陽子もクスッと笑ってしまった所で、お話はおしまいです。



笑いあり、人情あり、いきいきした下町の日常あり、恋のロマンスあり。
水谷さん曰く、以前はこんなドラマや、こんな人々が沢山あった・いたんだとか。
他のキャストの方々も、「居酒屋もへじ」みたいな行きつけのお店の想い出や、
3.11で「人と人との繋がりの重要性」を改めて実感させられた今こそ
求められるドラマであると、インタビューで語っています。
石井プロデューサーにしてもその想いは同じ。
名役者が揃い、かつ、ドラマに懸ける想いもみんなひとつだったから
こんな素敵な作品が出来上がったに違いありません。



続きが気になりますね。もへじと陽子はあれからどうなった?あれっきり?
また新しい、訳ありなお客さんが来たり去ったりしているのかな?
もへじと陽子の続きものでもいいし、一話完結で色んな人が来るのでもいいので
(個人的には、もへじと陽子がくっついて欲しいなぁ)
ぜひとも続編を観てみたいところです。
水谷さん、犯人を捕まえる合間に、また居酒屋開いてくれないですかねぇ?

最後に蛇足ながら。ハリセンボン春菜の「~じゃねーよ!」でしか知らなかった
角野卓造さんを初めてちゃんと観まして、こんなに上品な役者さんだということも
初めて知りました。春菜の延長みたいなキャラを予想していて、ごめんなさい(笑)
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テーマ:ドラマ感想 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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僕はビートルズ「ジョージの視点から見るビートルズ?ビートルズファンには堪らない漫画だけど、そうでない人でも十分いけると思う」

もし、あなたの好きなミュージシャン、作家、その他アーティストが
名作を世に出すようになる前に、なぜかタイムスリップしたとしたら、
そしてその人の作品を、完コピできるくらいに再現できるとしたら、
あなたは、その人が世に出る前に名作の完コピを発表して、その人にまで伝わるほど
売れることで、その人の「未知の新作」を見たい聴きたいと思うでしょうか?

今回紹介する漫画の「バンドメンバー」たちは、今書いたことをそのまま
実行してしまった、大胆不敵な強者揃い。
その過程もアクシデントだらけ、行きつく未来も分からない、ハラハラしっぱなしで
思わずチェックしてしまう作品です。
かわぐちかいじ氏作画、藤井哲夫氏原作の「僕はビートルズ」。

僕はビートルズ(8) (モーニング KC)僕はビートルズ(8) (モーニング KC)
(2012/01/23)
かわぐち かいじ

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私はいつしか、漫画はレンタル派になったので、正確には「必ず買っちゃう漫画」ではなく
「必ずレンタルしちゃう漫画」なんですが、トラックバックテーマに乗じちゃいました。
で、ここにアップした画像の8巻、行きつけのコミックレンタル店でも、そのそばの書店でも
見つからないよ!画像を載せるためにamazon検索して、この表紙初めて見ました(泣)
そんなわけで、これから書く内容は、コミックスの7巻までの内容(ショウが誘拐されるまで)と、
昨日見たWikiに依ったものになります。あしからず。
というか、どっちかというと、現行の内容より、設定等に対する考察が中心なので
あんまり関係なかったりして。

話をざっくり紹介すると、ビートルズの売れっ子コピーバンド「ファブ・フォー」の
メンバー4人が、ひょんなことからビートルズがデビューする前にタイムスリップ!
ビートルズの曲を「ファブ・フォー」としてリリースしちゃって、
本家ビートルズはどうなる?ファブ・フォーはどうなる?現代に戻れるの?と。

時代が違うから環境も価値観も違うし、だいいち未来から来たから戸籍がないし、
メンバー間では推進派と否定派で大きく割れたり、ビートルズとやり合うつもりで始めた
「ファブ・フォー」が、実はビートルズを「殺して」しまう結果を招いてしまったり、
そんな中で"自分たちの音楽"がどんどん大きな時代の波をつくっていく盛り上がりの一方、
戸惑いと責任感にも苛まれ、彼らが「未来人」ではないかと悟る関係者も出てきたりして、
いつも何かと落ち着かない彼ら。

さて、にわかビートルズ好きがこの漫画を読んでいると、このようなストーリーとは別に
史実との関わりなどの設定がやけに気になってしまいます。
勿論、彼らが現代に戻ったらどうなるのか、彼らのこの先、なども気になります。
大きく分けて二つ、「気になる」の軸があるので、そこを中心に考えてみました。


ジョージが主役でポールが準主役(実質W主役)という視点

ビートルズといったら、ジョンかポールか、というのが一般的な認識だと思いますが
ストーリーの真ん中にあえてジョージ(役)をもってきて、
過去世界における「ファブ・フォー」プロジェクトの主役がポール役のマコトで、
それを側で見守ったり、ついていったり、戸惑ったり、反発したりするストーリーテラーが
ジョージ役のショウで、「ファブ・フォー」の物語は主にこの二人を軸に描かれる
のが
興味深いところです。
ジョン役のレイもプロジェクトやストーリーに大きく絡んでいるとはいえ、
史実より心なしか影が薄いような印象があります。
過去世界に来たときも、マコトとショウは初めから一緒なのですが、
レイや、リンゴ役のコンタは行方知れずから始まって、段々合流していくし。
コミックスの表紙は、マコト→ショウ→コンタ→レイ、の順番で回していたりするし。

ジョンやポールをストーリーテラーにすると視点が偏りそうだし、読者が喧嘩しそうだから、とか
イメージ的に一番普通っぽくて、読者が共感できそうな立ち位置がジョージだから、あたりが
「ジョージ(役)」をストーリーテラーに選んだ理由なのでしょうが、
(ビートルズのライヴの時、センターに居るのはジョージだから、という意味合いもあるのか?)
もっと気になるのは、なぜ「ジョージとポールのW主役なのか」。
ポールがリーダーシップをとって、ジョージがバンドへの音楽的影響力を強めて、
ジョンの影が薄れていって(リンゴはずっと俯瞰を続けてきた)というのは中期~後期。
だけど「ファブ・フォー」の志向は現代の頃から初期寄りで、
初期のビートルズで目立っていたのは、リーダーのジョンとファニーキャラのリンゴ。
ここでまず「あれれ?」と。
更に言えば、ジョージとポールというのは、知り合ったのが一番古い関係である一方で、
ジョージが死ぬまで、見方によっては死後の現在に至るまで、対立が続いてしまったという
史実で言えば最も相性が悪かったともいえる組み合わせであって・・・。

考えたのは、まず一つめが、漫画を機能させるための選択という意味合い
史実のポールだってそんな強引なことしないよ!と擁護したくなるほど、強気で強欲で
過去世界の「ファブ・フォー」を前へ前へと引っ張る役割のマコトと、
史実のジョージの繊細だけど芯の通った部分を引き継いだ、常識的で葛藤が多くて
肝心な時にははっきり主張をする、読者が共感できる漫画的主人公という役割のショウ。
史実でも核かつ問題児だったジョンを投影させたレイは、現代でも過去でも
まずは自分ありきなので、プロジェクトの進行役としてもストーリーテラーとしても不向き、
まして史実を逸脱したレベルで(笑)マイペースなコンタは客観的過ぎるし、ギャグ要員系。
そうしたら自ずと、ショウとマコトになるわな、という選択になるのかな、と。

二つめは、史実では泥沼になってしまったジョージとポールを、漫画の世界によって
分かちがたい関係として昇華させてあげるというメッセージ

しかし、ジョージの「ビートルズの中で悩み、もがき、その中で成長した」性質を
ショウも受け継いでいるとしたら、これからショウとマコトが大喧嘩を始める可能性も
出てきます。全員が揃って、ある程度意志統一のできた7巻までの時点で、
ファブ・フォーの中心はレイとマコトで、ショウはまだ二人の背中を追っているので。


現代に戻ったら4人はどうなるのか?史実通りレイだけ死んでしまうのか?

タイムスリップもの、異世界トリップものの漫画や映画などで、どうしても気になるのは、
「現代や現実に戻った時、どんな戻り方をするのか、どういう展開になるのか」
この作品も例外ではなく、メンバーたちも始終「いつ現代に戻るかわからない」という
自覚を持っており(なるべく過去世界の住人と深く関わらないようにしたいけれど、各々が
大事な過去世界の人間を持ってしまって、葛藤したり考えが対立したりする場面も)、
また、「ビートルズ登場直前のこの時代に来た」事実に運命や使命を感じていたり
(その意識が最も強いのがマコトで、故に「ファブ・フォー」プロジェクトを思い付く)、
過去世界での「ファブ・フォー」の活動で事実上ビートルズを解散させてしまった以上、
「僕はビートルズ」のタイトル通り、ビートルズの音楽を伝えていく役割を担ってしまい
途中で急に現代に戻るようなことがあると、ビートルズの音楽は未来に残らなくなるので
生き急ぐように、1stアルバムに初期から後期までの楽曲を凝縮してしまっています。

現代から過去へタイムスリップした時のシチュエーションは、
レイのバンド脱退を許せないマコトが、レイを駅のホームから突き落とし、
それを止めに走ったショウもマコトを追いかけるかたちでホームから落ちてしまって、
3人の向こうからは列車がすぐ目の前まで迫っていて、
そんな様子を、向かいのホームの列車に乗っているコンタが目撃する、というもの。
タイムスリップがなかったら3人とも死んでいるか、少なくともレイは死んでいそう。
そして、見ていただけのコンタが一緒にタイムスリップしたのも不思議。

タイムスリップ当時のバンドは、「ビートルズのコピーバンドの世界大会で優勝し、
第2のビートルズになって、ビートルズのオリジナル曲をリリースする」ことに意欲を燃やす
マコトをよそに、リーダーのレイは「コピーバンドでなく、ビートルズのスピリットを継承した、
オリジナルな音楽をしたい」という意向が強くなって練習を休みがちになり、
マコトがバンドを仕切りだしてレイとマコトの対立が顕著になり、バンド内のムードもピリピリ、
レイの脱退宣言、その末の解散(漫画の幕開けは解散ライヴの光景)という、史実をある程度
反映した人間関係で、解散ライヴの帰りにタイムスリップに至る事件が起こる、と。

過去世界で、レイはソロデビューして「自分なりの音楽」をやろうとするも何かが違う、
マコトと再会して演奏を共にすることで、しっくりくるフィーリングを得て、
ある程度納得してファブ・フォーに戻ってきたので、タイムスリップ時にあった
意見の相違は、今のところあまりみられず、寧ろレイは持ち前の知性と機転、威厳を発揮して
「さすがレイ」という存在感をみせて、マコトと二人三脚でバンドを引っ張っています。
この展開は、確執は消えたものの、再結成はジョンの死によってついぞ実現しなかった史実への
「ファブ・フォーによる、ビートルズの再結成の姿」という、夢の体現なのかもしれません。

漫画がどこまで続くか、これからどう展開していくかにも左右されますが
今のところ、タイムスリップ時と同じ過ちを繰り返す兆候はみられません。
しかしいずれ、現代へと戻る時が来るでしょう。それはどんな時か?
タイムスリップ直後の時期、状況を受け入れられず混乱したショウが一人で
未来の同じ場所に立って、列車に轢かれようとしたことがありましたが
直前でマコトが引き留めたおかげもあって、戻ることはできませんでした。
4人全員が「もうやり残したことはない。全て達成した」と感じた時に戻るのか
あるいは「俺たちは間違っていた。ビートルズになることはできないんだ」
と悟った時なのか、また人間関係が歪んだ時なのか、
はたまた、ビートルズに呪われるのか・・・?
どうにしろ、現代に戻ったらタイムスリップ時と同じシチュエーションが
待っているなら、レイを中心に3人はかなり命が危ういに違いありません。
一番前に飛び出していたのはレイなので、ショウとマコトはぎりぎりで留まるけれど
レイは・・・という悲劇的な構図がどうしても浮かんでしまいます。
それ以降、残る3人は散り散りになって、特にショウとマコトとの間には
埋まらない溝が・・・なんて展開になったら、やりきれなさすぎです。
史実とは違う結末、少なくともレイ(=ジョン)だけがいなくなるような結末でない
印象深いエンディングを見てみたい
ような気がします。
例えそれが、バッドエンドであっても・・・
とりあえず、コミックスが4の倍数になる巻数で終わることは間違いないでしょう(笑)


この漫画はBECKなどのような、音楽を奏でる喜び苦しみを描いた音楽漫画ではあまりなく、
よくあるような、個々の成長に焦点を当てた青春群像劇の漫画でもあまりなくて、
「ファブ・フォー」というバンドや、それを支える人々を含む一連のプロジェクトの行く末を
一喜一憂する(かつ、ビートルズトリビアにファンがニヤッとする)類の漫画の趣で、
バンドもの要素や青春要素が漫画に欲しい人にはちょっと味気ないかもわかりません。
けれど個人的には、ジョージのビートルズ~ソロでの展開やキャラクターを考えたとき、
彼を反映しているとおぼしきショウが、これから多くの変化や進化を繰り広げ、
物語をかき回してくれることが予想され、またそれを期待してしまいます。

現段階でも十分面白いけれど、そういうエピソードが起これば起こるほど、
この漫画はより面白く、そして、よりキャッチーになっていくように思います。

表紙カバーを外した時に対面できる、各人のギター、ベース、ドラムは本物のよう。
画や「かわぐちかいじ漫画」というブランドで入ってもいいので、
ビートルズのオタクやファンでなくても、この驚天動地の世界に足を踏み入れては
いかがでしょう。
なにせ、新人の藤井さんの原作が凄すぎて、審査員だったかわぐちさんが絶賛し
「俺が描きたいぐらいだ」って言って、本当に描いちゃってるぐらいですから・・・



トラックバックって、こうやってやるのか・・・。初めてやってみたトラバに手こずりまくり。

こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当ほうじょうです。
今日のテーマは「新刊が出たら必ず買っちゃう漫画は?」です。

本屋に行くたびに変わる平台のラインナップ!
こんな新刊が出ましたよとお勧めしてくるネットショップの本屋さん!
新刊って素敵な響きですね

新刊が出たら、必ず買っちゃう漫画のタイトル、
あなたにはありますか

人それぞれ楽しみにしている漫画、たくさんある...
第1381回「新刊が出たら必ず買っちゃう漫画は?」





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Salyu:そのEXPANDED salyu×salyu:s(o)un(d)beams「声の可能性をとことん追求したポップな研究室。4thへと続く重要なステップ」

3rdアルバムから1年、Salyuは全く予想もつかないような
アクションを起こし、その驚くべきプロジェクトは各方面で話題になります。
Salyuが自らのヴォーカリストとしての可能性を探るためのプロジェクト、
salyu×salyu」をスタートさせたのです。
その第一弾としてリリースされたのが、アルバム「s(o)un(d)beams」。
Salyuが尊敬し、世界的に活躍するミュージシャン小山田圭吾さんとの
コラボレーションによる、コンセプト・アルバムが実現しました。

s(o)un(d)beamss(o)un(d)beams
(2011/04/13)
salyu × salyu

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ご覧の通り、これまでの「森ガール」調ファッションから脱して、
クールな黒髪ショートにシンプルな服装と、ヴィジュアルでも心機一転!
(但し、インナースリーブの写真はどこかふんわりキラキラしています)

作詞陣には、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さん、七尾旅人さん、いとうせいこうさん、
3rdでも曲提供などをしている国府達矢さんなど、これまた豪華な顔ぶれ。
しかもよくよく聞いてみると、2年越しのプロジェクトということで、
ということは、3rdと同時進行・・・!どうりで3rdの声が荒れているはずだ・・・

プロジェクトや、アルバムの、Salyuや小山田さんのインタビューなどが
特設HPに掲載されています。
画像の充実ぶりが凄いですが、その分重いので注意。1ページ見るのにひと苦労・・・
Google Chromeなんかがある人はそっちで見たほうがいいと思います。

インタビューを読むと、Salyuが相当に理論型のヴォーカリストだということが
わかります。巷の歌手はよく「私(たち)がこの曲に込めた思いを伝えたくて」などと
言いますが(Salyuも全く言わないわけじゃないけれど)、
Salyuはこの時から自分を、声という「楽器」、「アスリート」だと認識しているんです。
彼女が歌について話す語り口は、楽器の演奏家が演奏理論について語るときのそれのよう。
Salyuが歌を歌うことは、「自分の声」という楽器を「演奏する」ことと同義なのですね。

Salyuは、4年前に「クロッシング・ハーモニー」という音楽理論に出会って以来、
「声の多重録音」というコンセプトを思いつき、それを小山田さんに
自らプレゼンしたのだそう。その行動力には恐れ入ります。
要は、他の楽器と違い、声という楽器は、ギターやピアノで鳴らしたら不協和音に
なるような和音を組み合わせて鳴らしても、「不協」にはならないというもの。
歌声は何層にも分かれ、例えば「奴隷」では一度に何と8音もの和音が歌われているのですが
「あれっ、変な響きだな」と感じる場面は一度もなくて、とっても不思議。


CDを再生するなり「だっだっ、だっだっ、だっ、だれ、だっ」と歌われ、何事かと驚く
ただのともだち」。これ、声の切り貼りではなくて、Salyu自身が人力で
「だっだっ」と言っているんですね。
アルバムの中では、こうした驚きのパフォーマンスが満載。
全てが「小山田さんの楽譜通りに、Salyuが歌っている」んだそうで、
その凄まじさには作詞を手がけた坂本慎太郎さんも驚愕するほど。

「もういやぁ あたし あなたの奴隷」と歌われる「奴隷」など、
歌詞もなかなかブッ飛んでますが、この2曲と最後の「続きを」を作詞したのが坂本さん。
ゆら帝でもなかなか、いや相当イッちゃってる世界が繰り広げられていましたが
こちらでも凄い。しかしなぜこんな奇抜な言葉が並んでいるのかというと、
Salyuの仮歌を聴いて、いわゆる「空耳」から言葉を作っていったからだそう。
なぜなら、それがSalyuにとって歌いやすい母音、口の動きだからと考えたから。
このように、本作では徹底的に、声を「楽器」として扱い、追求しています。

神々しさと奔放さに溢れる、本作でのSalyuの歌声を聴いていると
個人的に、たびたび「UAか?ビョークか?」と思わされるのですが、
(声の多重録音のアルバムはビョークも「メダラ」でやってた。
しかしあれは全部の音が声で構成されるという極端なコンセプトで、イマイチはまれず)
ときどき「Salyuは日本のビョークだ」という論評がありますが
Salyuがこのような音楽性に進み、UAがあまり活動しなくなった今では
「日本のビョークはかつてはUA、現在はSalyu」でどうでしょう、なんて考えたり。

Salyuの歌というと、清らかな、あるいは甲高いハイトーンや、
まろやかなミドルトーンがイメージされますが、
小山田さんは、彼女の低音域が特にお気に入りで、
muse'ic」や、カバー曲「Hostile To Me」などで
私達が新しく遭遇する、こっくりと深みのあるSalyuの低音が活かされています。
小山田さんがSalyuの新しい魅力を発掘してくれたみたいで、ちょっと嬉しいような気分に。
勿論あの祈りにも似た美しいハイトーンも(「Sailing Days」「s(o)un(d)beams」など)
痛烈なハイトーンも、絶好調。(「奴隷」の超ハイキーは、もはや驚異的!)


今まで「Salyu」名義では絶対に聴けなかったような曲調も沢山あって、
例えば「Mirror Neurotic」は、クールでダンサブルなファンク・ロック・チューン。
これがとても格好良く、私の個人的なお気に入りです。
また、空いた時間で小山田さんが勝手に作ってしまったという(笑)、
仮歌などの声をコラージュした「歌いましょう」は、
このアルバムが徹底的に「声の実験室」であることがよくわかる実験的ナンバーです。


このように書いていくと、前衛音楽でとっつきにくいのではないか、との
懸念をもたれる方も多くいそうですが、
確かに前衛的な部分はありつつも、あくまで「ポップス」との認識を
Salyu・小山田さん共に持っており、「予想していたよりはポップだな」とか
「普通に聴けるな」という印象を、実際に一枚通して聴いてみると感じるかと思います。
但し、普段「Salyu」やその周辺のポップな音楽を中心に聴いてきた人は、
慣れない質感に若干、抵抗を覚えるかもしれません。
私も、いつものSalyuとは全然違う音が乗っていて変な感じ、また逆に
クールな小山田サウンドにSalyuの声が調和せず喧嘩しちゃってる、などの
印象を抱いたりしたものですが、
繰り返し聴いているうちに気がついたら自然に聴けるようになっていて、
その頃には、何度もリピートするくらいクセになっている、といった
不可思議現象が起こったりしました。
一聴してよくわからないと感じても、懲りずに何度か聴いてみることを
オススメします。

聴けば聴くほど、ハマって、発見がある一枚です。



最新作に関するSalyuのインタビューを、音楽関連のニュースサイトで読みました。
この「salyu×salyu」で、オルタナティヴな音楽を思い切りやったことで
すっきりして、新作ではポップな歌を伝えることに専念できた
とのこと。
3rdには、心なしか、いろいろやっているけどどこか満たされない、不完全燃焼の
感がありましたが、新しい作品では、まっさらな彼女とその歌声に
出会うことができそうです。
それも、本作「s(o)undbeams」で、小山田さんをはじめとする気鋭のクリエイターと
出会い、今までになかった試みに、心ゆくまでチャレンジできた
から。
本作でのSalyuは、レコーディングに大変な苦労をしながらも
実にイキイキした瑞々しい歌声を魅せてくれていて、
彼女が3rdで直面した「失ったもの、なくしたもの」を超えて
さらなる高みへと到達するためのステップに、足を踏み入れたことが感じ取れます。
音、声、曲、どこをとっても面白みに溢れた本作を、
新作をチェックする前に、(もう)一度聴いてみてはいかがでしょうか。




新作をちゃんと聴けるまで、もうしばらく時間がかかりそうです。
他に書きたい題材があったり、年末年始の映画をまだ観ていなかったりなので(笑)
チェックし次第、今回に続くかたちで新作のレビューもしてみたいと思います。
ということで、Salyuのレビュー連載は、これにて一旦、ひと区切りです。
次の記事をお楽しみに!


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Salyu:その3 maiden voyage「失ったもの、なくしたもの、そして見つけたもの・・・ポップかつロックにかわり続けていく、進化と成長の過程」

ベストアルバムを挟んで、3年ぶりにリリースされたSalyuの3rdアルバム
maiden voyage」(=処女航海)。
Salyu自身によるセルフプロデュース(但しコバタケさんがco.producer)、
作詞、共作の作曲・編曲、
収録されている楽曲の半数以上がコバタケさんの手を離れたもの、といった
チャレンジいっぱいの作品になりました。

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さて、コバタケさんは、アルバムの1曲目にはいつも、現在のSalyuの状況や心情を
表現したような詞や曲調の曲を書いてくるのですが、
今回の1曲目「messenger」は、かなり意味深。
「失ったもの なくしたもの そのすべて見つけた」
「何かに つまずいたら シーンは変わってゆくけど
それでも このストーリーは 綴られてゆくから」
「あーすべて受け入れるだけ そしてそれを渡って行く」

など、「挫折」「喪失」「閉塞感」を伺わせる言葉が並んでいて、曲調も悩ましげ。
いったい、Salyuは、何を失い、何をなくし、そして何を見つけたのでしょう?


<失った、なくしたとおぼしきもの>

従来のような、柔らかさや神秘性、温もりを湛えた声

アルバムを聴いて一番顕著に感じることは、Salyuの声質の変化です。
ベストアルバムや、そのライヴの頃にはそんなに変化を感じなかったのですが、
同年8月にリリースされたシングル「EXTENSION」以降、今までとは声質が著しく
異なっていったように思います。
わずか半年で一体何が?歌いこみすぎで、喉をやられた?
ダイエットの成果で体型が変わって、歌声にも影響した?
それとも、お酒やタバコを散々やってきた罰・・・?
これまでSalyuの歌声にあった、柔らかさ、神秘性、オーガニックな風合い、温もりといった
キーワードがことごとく当てはまらなくなってきたのです。
とても上手なのだけど、今まで感じることができた「1/fのゆらぎ」的癒しがなく
なんだか機械的、人工的な質感で、「木管楽器のよう」な魅力が損なわれたような・・・。
時折高音がキンキンと刺さるように響いたり、低音部分で声が荒れたりするのが
見え隠れし、いささか「テクニックのひけらかし」に感じられる傾向も。
たくさん練習して、上手になったが故の、皮肉な顛末。
決して今までが下手だったワケではないのですが、
どうやっても、上手くなったテクニックや、変わった声質を
以前のように戻すことはできません。
そして、アルバムを買うようなファンが求めてきたのは、「今までの」歌声・・・
もしかすると本作で「思っていたのと違う」「前のほうが良かった」と言って
ファンをやめてしまった人も、少なからずいたかもしれません。
だけど進んでしまった道は、もう引き返すことはできないのです。

話題性の不足、セールスの不振、曲の質の低下

コバタケさんのもとを離れて作られた楽曲は、聴いてみると決して悪くはなく
最後の「VOYAGE CALL」などは圧巻の美しさなのですが、
これまでコバタケさんが作ってきた曲たちと比べると、どうも華が足りないというか
何度もリピートして聴きたくなるような、はっとするような魅力が幾分欠けていて
シングル曲としてリリースするも、話題になるようなタイアップがつきにくく、
セールスも振るわない、という結果を招いてしまいました。
これらの楽曲は、ほぼSalyuの作詞なのですが、こちらもコバタケさんのような
「共感」「ハッとさせられるようなフレーズ」などの魅力に欠けているのです。
結局、コバタケさんが手がけた「コルテオ~行列」、「HALFWAY」、
新しいYES」などの楽曲が、タイアップを得て、プロモーションの機会にも恵まれ
話題になり、セールスも伸びるという、「テコ入れ」の役割になることに。
そしてアルバムを聴いて「これは・・・大丈夫か?」と感じたのは、当のコバタケさんの
アルバム曲に、以前のような魅力が薄れていること。
コバタケさんが劣化したのか、それとも一度自分のもとを離れたために
手を抜かれたのか・・・?

新興勢力の台頭で、カリスマ性、プレミア感が損なわれてしまった

2番の歌詞に「愛がフライ 空にフライ」というフレーズが出てきます。
1番と語呂を合わせたとも思えますが、「シーンは変わって」のくだりから
どうもSuperflyを暗示しているような・・・。
これまで「10年に1人の歌声」などと絶賛されてきたSalyuですが、
昨今、そのような賞賛は、Superfly越智志帆さんなどに注がれて、
Salyuの影がちょっと薄れてしまった傾向があります。
私は二人とも好きですし、この二人は芸風もターゲット層も全然違うので
比較するのはお門違いですが、例えば「Superflyはあれだけ売れたのに
Salyuはいつまでたってもブレイクしない」
と、事務所の偉い人などに
スタッフさんがプレッシャーをかけられたりしているのかも。
皮肉にも、彼女はベストアルバムに賛辞を寄せてくれた一人でもあり・・・。
コバタケさん離れのシングルリリースで迷走している間に、気づけば後輩が
はるか上空を飛んでいるとなると、やりきれないことでしょう。


<見つけたとおぼしきもの>

新しい歌唱法、新しい魅力

鍛錬を積み、声質も変化したことで、Salyuはこれまでとは違うタイプの
ヴォーカリストになったといっていいでしょう。
一音一音が正確になり、滑舌もかなりはっきりくっきり。
あの高音も、当てたい的のど真ん中に瞬時に当たるような滑らかさで、
地声と裏声の境目を今まで以上に巧みに使いこなす
(ミックスヴォイスというらしい)。
テクニカルな歌唱法と、鋭角的なタッチの声が、新しい魅力です。
それを活かすためか、声質が変わってからの楽曲は、
生音よりシンセサイザーの打ち込みが目立つ、デジタルな質感のアレンジが多め。
さきに紹介した「messenger」の後半の、昂ぶるようなデジタルアレンジは、
シガー・ロスのヴォーカリスト、ヨンシーのソロ曲などを想起させるような壮麗さ。

「パフォーマー」から「プロデューサー、ソングライター」へ

まだ拙いながら、作詞、作曲、編曲に関わったSalyu。
これまでは、コバタケさんの作った曲を言われた通りに歌いこなせば
よかったのですが、今回は、自分が歌いたい言葉やイメージは
自分で創っていくことができるし、また、そうしなければならなくなりました。
Salyuは、基本「シンガー」で、「シンガーソングライター」ではないので
誰かに良い曲を書いてもらわないと、活動が出来なくなってしまいます。
もしくは、2ndでコバタケさんと一青窈さんとの「私事」に巻き込まれても
何も文句を言えずに、黙って歌わなくてはならないということが起こります。
だから、可能性を広げる必要があるのです。
「色々なことにチャレンジしている」という姿勢を見せるのは、
曲の書き手が、「面白そうな奴だ」と、興味をそそる効果も期待できます。
「シンガーとして活躍し続ける為」という長期的な視点で見れば、
Salyuは賢明な判断をしたのではないでしょうか。

今作では少々空回りしてしまったかもしれませんが、
試行錯誤なしにうまくいく成功なんて何一つないのです。

ポップかつロックに、かわり続けていこうという意志

Salyuの憧れはビョーク。彼女はその個性から、たくさんのアーティストが
寄ってきて、自身でも自分を最大限にプロデュースし、作品には構想段階から関わり、
結果、卓越した歌唱力だけでなく音楽性など、あらゆる方面で
世界中から高い評価を受けています。
彼女を目指すなら、ありとあらゆることにチャレンジする必要があります。
今作は、いわば「変容の過程」とでもいいましょうか。
まだ未完成だけど、そのプロセスなしには、前には進めません。
そして、実際にやってみて、反省点や改善点、難しいところなど
気づくことが沢山あったことでしょう。
そのうえで、「これからはこんなことをしたい」「次はこうしよう」という
自分なりのヴィジョンが、見えているのではないでしょうか。

ベストアルバムに寄せられたコメントで、コバタケさんは
こんなことを書いています。

Salyuとの仕事はもう10年を超えようとしているが、
その間彼女は僕にとって
予測のつかない変化と成長をくり返していた。
(中略)
最近もその傾向は続いているので、
多分今後もかわり続けていくのだろう。
それがとても楽しみです。


コバタケさんにとって、Salyuがかわり続けていくことは
とても楽しみなことなのです。
自分の音楽の中枢にいる人が、変化と成長でもがく過程を
温かく見守ってくれているのです。
ファンとしては、どんどんかわり続け、見たことのない景色を
私達に見せて欲しいと思ってやみません。


また、Salyu自身はこのような言葉を綴っています。

ロックという自由さと、またポップという宿命に向きあい続ける
意識の必要を、(小林武史さんから)常々に教えられてきました。


ポップかつロックに、彼女はかわり続けていくつもりなんでしょう。
そして私達は、かわり続けていく彼女の音楽を、好きなだけ味わうのです。



「予測のつかない変化と成長」は、意外な方向に進みます。
自分の可能性をもっと探るためのプロジェクト「salyu×salyu」の幕開け、
そして、小山田圭吾さんに直談判?!
次回は、そのようにして出来上がったコンセプト・アルバムを、追いかけてみます。



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ライヴの想い出:その1 Salyu Tour 2009 Merkmal(ベストアルバム「Merkmal」のちょい小咄入り)「泣きながら一気によ観ました」

リリィ・シュシュ名義でのデビューから10年、2008年末に
Salyuのベストアルバム「Merkmal」がリリースされました。
merkmal(初回限定盤A)(DVD付)merkmal(初回限定盤A)(DVD付)
(2008/11/26)
Salyu

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画像にあるのは「初回盤A」というライヴDVD付きの豪華版。いいなぁ(笑)
通常版だと、顔にかかっている雲はほぼとれて、
私が聴いた「初回盤B」は、顔が完全に雲で隠れてました(笑)。

収録曲は、全てリリィ・シュシュ~2ndまでの曲で、コンプリート済みなので、
「Featuring楽曲盤CD」付きの「初回盤B」をレンタルして
コレクションを補充したのでした。
Bank Band with Salyuの本家「to U」、
Ilmari氏との共演でこれも本家「VALON」(VALON-1はSalyu.verってわけです)、
Sean Lennonや本田ゆかさんとのコラボ、WISEとのコラボと、なかなか豪華。
4曲とも全く違う姿を見せているのが面白いです。
Bank Bandのアルバムで聴けるとはいえ、やっぱり「to U」は圧巻。


さて、このベストアルバムを引っさげたツアー「Salyu Tour 2009 Merkmal」が
翌年の冬から春にかけて行われました。
今は2012年、当時は2009年と、もう3年前ですからねぇ、
だいぶ記憶がとぎれとぎれになっていまして・・・
とってもあっさりしたレポートしか出来ないのです。ふがいない。

ライヴに行くといつものことですが、沢山広告やチラシが配られますよね。
その中で、ベストアルバムのリーフレットもありまして、
Salyuに関わってきた人、同業者などからのコメントが寄せられていました。
プロデューサーの小林武史さんは勿論、斉藤和義さん、Superfly越智志帆さん、
木村カエラちゃん、一青窈さん、いとうせいこうさんなど、そうそうたる面々です。
なかでも印象的だった、お二方のコメント。(改行はリーフレットの記載通り)

いいなぁ その声。
おめぇ 凄ぇよ。
羨ましいよ。


(「to U」で共演した、Mr.Children桜井和寿さんより)

はじめてその声を聴いた時、
素晴らしい音色の楽器に思えた。
木管楽器というか、
あるいはもっとプリミティヴな土で作った笛と言うか、
こんな歌声があるのかと。

歌は誰が歌ってもいいものだけど、
歌を歌うべき人というのは極めて希少なのだ。


(映画監督でリリィ・シュシュプロジェクトの中心人物、岩井俊二さんより)

表現のプロはやはり、言うことが違うや・・・と
ライヴ前に感慨にふけっていたことを思い出しました。
なぜここまで忠実に引用できるのかというと、手元にそのリーフレットがあるからで、
他のライヴのリーフレットは全部処分してしまったのに、これだけ残っていたのも
今となっては、何か奇蹟を感じずにはいられません、一方的に(笑)

関連グッズが沢山あったようです(これも当時もらったチラシに載っていた情報、
グッズに回す金がなくて泣く泣くそのまま帰った)。
男性でも女性でもおしゃれに着られそうなTシャツ、Salyu自身お気に入りのタオル
などなど・・・Salyuが自ら開発に携わった、こだわりの、欲しくなるようなグッズ。
この当時から、Salyuの、自分の作品への自発的な関わりが顕著になっていることを
示すエピソードでもありますよね。


さて、肝心のライヴ。
演出がかなり凝っていましたねぇ。ちょっと舞台的というか。
ステージ上、幕の上に、作り込まれたPV的映像が次々と現れて、幻想的かつスタイリッシュ。
そんなイントロダクションや合間(セット変換?)は、
「Salyuの歴史を振り返りましょう」というテーマの、よく出来たプレゼンみたい。
照明の色使いがキレイで多彩で、観ているだけでもとても楽しかったです。

セットリストは、だいたいベストアルバム通りで、多少曲順や曲目に変更があったかと。
参考までに、ベストアルバム(通常版)の曲目は次の通り。

1.プラットホーム 2.彗星 3.Tower 4.VALON-1
5.name 6.飽和 7.landmark 8.夜の海 遠い出会いに
9.Dramatic Irony 10.I BELIEVE 11.風に乗る船
12.トビラ 13.to U(Salyu version) 14.グライド

ここに、当時リリースされたばかりの「コルテオ~行列~」&「HALFWAY」が
混じってきていました。
コバタケさんが作曲に携わっていないシングル曲は、ベストアルバムにもライヴにも
「なかったことのように」取りあげられていません。


これまでのアルバムレビューで、様々な言葉を駆使して、Salyuの声の魅力、楽曲の魅力を
大騒ぎして伝えてきましたが、
それが目の前で繰り広げられるときたら・・・もう、鳥肌が何度も立つほどに感動しきりで、
過去最高の号泣具合となりました。少なく数えただけで4回は。
開始して、「プラットホーム」で登場してきて、「あの声が眼前に!」と感涙。
CDショップで流れているのを耳にするだけで涙ぐんでしまうような、泣きのツボな曲
コルテオ~行列~」が、よりによって目の前で披露され、涙腺大崩壊。
普段は「それ一青さんのことじゃん」とあまり好きじゃなかった「name」、
当時恋愛で思うようにいかない日々を送っていたため、苦しい心情を歌い上げる様に
まさかの涙(一青さんの曲で泣いてしまったなんて!というツンデレ心境になった)、
そして、CDでは「美しいね」という類の感動の「to U(Salyu version)」を
ライヴで歌われることによって、圧倒されたようで、感涙の嵐に。
隣のお客さんが心配そうに?迷惑そうに?していたのが空気でわかりましたが
涙を止めることができず。

どうも音楽で感動すると、号泣するクセがあるようです・・・。
(以前の記事で書きましたが、ZepのライヴCDでも大事故でした)

もちろん泣かずにしっかり感動もしてきていて、2ndの回でも絶賛した
夜の海 遠い出会いに」「I BELIEVE」なんかは迫真で大満足。
ライヴ最初のナンバー「プラットホーム」では少し声にアラも垣間見えたのですが
徐々にそれもなくなって、ノリにのっている時期の歌声を存分に味わうことができました。
歌唱法が変わった昨今、リリィ・シュシュ期や1stの静かな曲をどう歌うか興味がありましたが
現在の歌い方を生かしつつも、過去のアプローチにも少し立ち返って
VALON-1」「グライド」などをふわりと歌ってくれました。
アンコールの「HALFWAY」は、楽曲が好きなことも重なって、至福のときだったなぁ。
(「グライド」も確かアンコールで、静謐な締めくくりになったんだったっけなぁ)

アンコールの時に、Salyuが色々な話をしてくれました。
印象に残ったのは、初めてライヴハウスに行った時、感動して、ライヴハウスのオーナーに
「私もここで歌わせてください!」と直談判した
というエピソード。
そうしたら「曲はあるのか、楽器は?バンドは?」と当然問い詰められたとのこと(笑)。
その後、本格的に音楽をやっていきたいと志すようになって、歌の養成所のようなところに
通って、定期公演?卒業制作?で録音した音源がコバタケさんの耳にとまって、
「小林武史さんが君に会いたいと言っている」と聞いて本当にびっくりした、と。
おかげで現在の私があるのだと。
ベストアルバムの選曲からもわかりますが、「コバタケさんありきの私」という感謝の念を
言葉でも、ライヴの選曲でも前面に出していました。
「これからも色々なことにチャレンジするけど、私の音楽活動の軸は常にコバタケさんです」
というような趣旨のことを話していましたね。

そういや、2ndの時期に「ダイエットに苦心していた」というエピソードを紹介しましたが
ライヴ時の姿や、ベストアルバムのジャケに写る姿はすらりとスレンダー。
ダイエットに見事成功したんですね!
何かのTVの特集で観たのですが、「ボイストレーナーの先生に教えられ、常にハイヒールで
しゃんとして過ごしている」
と言っており、何てストイック!と感銘を受けたのですが
ダイエットも兼ねていたのかもしれません(笑)。でも、実に頑張り屋さんですよね。
天才肌に見えて凄い努力家なのが、私がSalyuを追いかけ続けている理由。



リリースされたばかりの新作をひっさげて、これからまたツアーをするそうなんですが
色々事情があって、行けそうにない・・・(号泣)
新しく進化した彼女に会いにいきたいとの、恋慕が募るかぎりです。



じわりじわりと順位をあげて、コメント、ブックマークもして頂けて、
手応えを覚えているこの頃でしたが、
最近、FC2blogのランキングが急上昇していまして、
何と「日記」カテゴリでは33960位 (昨日:31730位) / 808879人中
うち「その他」分野では8487位 (昨日:7928位) / 101132人中
という、恐ろしくなるほどの躍進ぶりで、光栄すぎます。
「時事ネタ」を取りあげているからというのもありましょうが
これからも記事書きに励みますので、またマニアックネタの回になっても
めげずに足を運んでやってください(笑)

しかし、3rdとSalyu×Salyuが残って、今までのようにつらつらとは
いかなさそうです。
色々と考えることがあって、どうアプローチしていこうかと・・・
何度も聴いて、練っていくとしましょう。



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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

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Salyu:その2 TERMINAL「この歌声はどこまで飛翔していくの?柔らかさとオーガニックな風合いを湛えた、極上の声が詰まったアルバム」

リリィ・シュシュ~1stまでは、ややアングラ寄りな人気を博していたSalyuですが、
彼女が一躍メジャーな存在として注目される出来事が起こります。
それは、小林武史氏&桜井和寿氏による「ap Bank」プロジェクトの一環
「Bank Band」への参加。ご存じ、桜井さんとのデュエット曲「to U」です。
それまで、TVに出ることはあまり多くなかったSalyuですが、
これをきっかけに一気にメディア露出が増え、当時、めざましテレビで軽部アナが
「僕のイチ押しのアーティスト」として紹介してくれたりして、
結構嬉しかったのを覚えています。(当時、朝はめざまし派だったもので)
フジはかなり、Salyuを推してくれてますよね。「コルテオ」のテーマソングとか、
最近ではめざましテレビのテーマソングに抜擢したりとか。

先日「僕らの音楽」で当時のことを、Salyuが加藤綾子アナと楽しそうに喋っていましたが
実は「毎日、野菜ばかり食べて」必死にダイエットに励んでいたとのこと・・・
確かに、今、当時の映像を振り返ってみると、結構・・・大分・・・ぽっちゃりしているかも。
でも、この頃のパワフルな歌声は、何気に、そのしっかりした体格がもたらした所も
大きかったのではないか、と感じるエピソードでもありました。


梅酒のCMのテーマソングになった「Tower」、映画の主題歌となった「プラットホーム
など、2006年のSalyuは正に、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
そうして翌年、満を持してリリースされたのが、2ndアルバム「TERMINAL」。

TERMINALTERMINAL
(2007/01/17)
Salyu

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これまでのジャケや歌詞カードでは、あまりはっきりと写されなかった、顔。
(シングルのジャケでは最初から結構あったようですが、基本アルバム派なので)
前作とは違い、今作では、歌い手Salyuの姿が、はっきりと大写しになっています。
初めて見た時「へぇ、Salyuってこんな顔してるんだ」って思ったのを覚えています(笑)。
このジャケを見るだけでは、「ぽっちゃりしている」のはよくわからないのですが・・・


アルバム全体が長く、曲調も多岐にわたっているため、最後まで聴くと少々冗長さがあり
楽曲の充実度も(シングル曲などは別格ですが)1stと比べるとやや劣るのですが
このアルバムで何より耳を惹かれ、胸を衝かれるのは、Salyuの圧倒的な歌声
例え曲に「物足りないかな」という印象があっても、詞に違和感があっても(後述)、
彼女の、脂が乗りきった、力強く伸びのいい声が、半ば強引に全部引っ張ってくれる
ほどの威力です。その意味で、2ndは「歌い手Salyuのベストワーク」と呼びたい。
前作は「コンセプトの勝利」で、今作は「歌い手の勝利」とでもいいましょうか。
1stから比べて飛躍的な進化を遂げ、強靱なバネのようなしなやかさと高みを
手にした一方で、近年ほど「隙がなくて完璧」というふうでもまだなくて、
柔らかさとオーガニックな風合いのある、丁度いい「すごい歌声」具合
(その意味で、今回のジャケもまた、うまいなぁ・・・)
Salyuのキャラクターイメージが1stなら、歌声のイメージは本作が、未だに強いです。

少女性を残しながらもロックな「風に乗る船」、躍動感に溢れる「Tower」など
曲の良さと歌声の良さがうまくかみあったシングル群は、例外なく会心の出来ですが、
アルバム曲の「夜の海 遠い出会いに」は、もはや凄まじいまでの迫力!
まるで、自分の声がどこまで飛距離を伸ばせるか試して、声と戯れているような、
全身全霊で自らの声の可能性の限界を引きだそうとしているかのような・・・。

鬼気迫るほどのその世界に、聴いていると思わず息を呑んでしまいます。
彼女自身で作詞にチャレンジした「I BELIEVE」の、後半の盛り上がりも素晴らしい。
また、あの「to U」のSalyu ver.もあって、10分近くある本格的なバラードですが
長尺にもかかわらず、じっと聴き入るだけの説得力があります。

そんな「暴れ馬のごとく、感性と技術を全開でぶちまけるSalyu」を象徴するかのように、
アルバム曲は、全体的にちょっとロック寄り、バンドサウンドが多くなっています。
1stのふわふわした浮遊感が消え、代わりに地に足の付いた質感があります。
メジャーシーンでのヒットを意識したポップ~ロックといった具合でしょうか。
バンドサウンドにキーボード少々で、冒頭の「トビラ」とか「ミスチルか?」なんて。
いまにも桜井さんが歌い出しそうな曲がちらほらあります。
桜井さん、このアルバム内の曲をカヴァーしてくれないかなぁ。
結構、ミスチルと通じるノリの曲が多いんです。

「バンドサウンド」「ちょい音響な音」のほか、新たに加わった要素があって、
それは歌詞に新しい要素を加えた人と同一人物からのインスパイアと思われるのですが
誰か・・・まぁ言うまでもないでしょう、当時コバタケさんと不倫関係にあった
一青窈さんでありまして。
彼女が詞を手がけた曲は、「純和風テイスト」というような色づけがされているものが
多いのです(シングル曲の「name」もそう)。
そして「歌詞の新しい要素」というと、歌詞カードを見るともうひと目でわかるほどの
一青窈ワールド。あの独特の個性的な言葉選び、女らしさアピール全開の世界観。
これがSalyu像と大きく乖離しているように感じられ、歌詞でも「Tower」なんて
「我慢してたら良いことがあるって 誰かの迷信ね」だの
「だって 好きなことしていいのよ」だのと、完全にお二人のお花畑の再現と化していて
「自分の曲でやれ!Salyuを巻き込むな、代弁させんな!」
と、当時少なからず怒りを禁じ得なかったのですが、
今聴き直すと(特に、3rdでSalyuが自ら書いている歌詞を見て思うに)
案外彼女が持ち込んだ「女らしさ」のテイストが、Salyuの今までなかった
新たな魅力を引き出した
結果に繋がり、同時にSalyu自身にも、少女から女への脱皮や、
コバタケさんが望むような「いつまでも子どもみたいでいい子なさりゅちゃん」を超えて
自分の欲しいものを自ら取りにいく、したたかな強さをもった自己イメージの構築などを
促したのじゃないのかな、なんて思ったりもしました。
というか、一青さんが促すまでもなく、Salyu嬢ってもともと恋愛体質なのかもね。

・・・とはいえ、当時、友人とのカラオケで「Tower」を入れると、
作詞作曲クレジット(作詞:一青窈 作曲:小林武史)が出た時点で大爆笑が起こり、
「それ、おめーらのことじゃねーか!」って皆が揶揄してた
のもまた事実でして。
コバタケさん、私情はもうちょっとほどほどにして欲しかった。
正直、この後でSalyuが生き急ぐかのようにコバタケさん離れに走り、迷走していく姿を
見ていると、2ndで二人の私情に巻き込まれるかたちになった体験で、嫌気や危機感を
覚えたんじゃないだろうか・・・と危惧してしまったので。
実際の心情はもっと複雑でしょうが(3rdアルバムの話になるので、ここでは割愛します)。


と、まぁ、色々思う所もある一枚ではありますが、雑音を除いて聴くなら
「Salyuってすげー!!!」と、その歌声に度肝を抜かれること間違いなしの
(個人的に)一番いい声をぎゅう詰めにした、美味しいアルバム
なんじゃないかと。
こんなに歌えたら気持ちいいだろうなぁ、って思わずにはいられません。
このアルバムでSalyuは、全身で「歌う喜び」を表現しているようで、
聴いているこっちが「歌うのが本当に大好きなんだね」と、何だか嬉しくなってきます。



さて、この後は、自らが選んだ道とはいえ、茨の道が待っています。
大きな変容の季節。
そのさなかで迎えた、デビュー10周年。
次回は、ベストアルバムの簡単な紹介と、それを引っさげたライヴツアーを
観に行った時の記憶を引っ張り出したライヴレポをしてみようと考えています。



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Salyu:その1 landmark「今でもこれが金字塔だと思う!トキメキと透明感に溢れたワンダーランド、コバタケさんの捨て曲なしベストワーク」

Salyuの作品を最初から追いかけていくシリーズ、2回目だけど「その1」は
デビュー作、「landmark(ランドマーク)」です。
landmarklandmark
(2005/06/15)
Salyu

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淡い色調の、可憐な花が、満開で咲いている姿になぞらえたジャケ。
Salyu自身は真ん中にいて小さいですが、手をいっぱいにひろげ、全身で光を浴びているよう。
このアルバムとアーティストをよく象徴した、うまいジャケだと思います。

小林武史プロデューサー(以下コバタケさん)には、女性アーティストに対し
「こうあって欲しい」という像があるように感じられます。
キーワードを挙げるなら、少女性、可憐、素朴、純真、あなたありきの私、など・・・
かつて(苦笑)手がけていたMy Little Lover(以下マイラバ)でこれが顕著に
みられましたが、マイラバでは、akkoさんがテクニック上の限界で到達できなかった
(テクニック上の限界を、"コケティッシュ"として昇華してみせたのはさすが)
「理想の女性アーティスト」の完成形を、このアルバムで達成できたのではないでしょうか。

そして、Salyuという少女の成長のペースにも、ちょうどぴたりと合っており、
コバタケワールドとSalyu嬢の実際の姿が、最も一致した作品だとも思います。
これ以降は、Salyu嬢が少女から大人へ成長し、その過程で強い自我がめざめ、
歌唱力も神業や成熟の域へと向かい、コバタケさんがついていけないとか、
Salyu嬢の反抗期(笑)とか、段々噛み合わなさが出てくるからです。

だから、「landmark」は、2人のベストマッチであると同時に、
「コバタケさんのベストワークなアルバム」だと思っています。
完璧な脚本に完璧な演出、そこに見事な演じ手。
まるで名映画監督のような、コバタケさんの緻密なつくり込みがあってこそ
Salyuという役者も、ここまでの力を発揮できて、かつ魅力的に映っているな、と。
このアルバムでの2人の役割を例えるなら、きっとそんな感じです。


CDをプレイヤーに入れて再生させると、まず感じるのは、これまでになかったスケール感。
透明感や神秘的な曲調などを引き継いでいますが、ふんわりと始まりながらも
高揚感があり、ワクワクさせられ、熱さを秘め、サビでそれが爆発するような歌声や展開に
思わず身震いします。
「これから何かスゴイことが始まるぞ」「どんな面白いものが待っているだろう?」
否応なしに聴く者の胸が躍り、歌声に詰まった情熱にこちらまで焦がれてしまいます。

「リリィ・シュシュ」という、薄暗く湿った枠から放たれ、
水を得た魚のように、瑞々しく、いきいきと跳ね回るSalyuの歌声は
「私の歌を歌える!うれしい!」という喜びに溢れているのがよく伝わってきます。
「リリィ・シュシュ」時は頼りなかった音程や声量も、大分しっかり骨組みができてきて、
ひとつひとつの声が、はっきりとした輪郭をもって力強く紡がれ、
時にはふわりと浮遊し、時には清らかに綴られ、時には高らかに舞い上がり、
楽曲の求めるままに、いや「心のままに」と感じられるほど、
変幻自在なイリュージョンがCDプレイヤーの中から繰り広げられます。


楽曲のバランスは「リリィ・シュシュ」の時と少し似ていて、
神秘的で透明感に溢れた曲、ファニーでポップな曲、バラード調の曲が同率くらい。
そして新しく、「躍動感を感じさせるダイナミックな曲」という枠が加わった感じ。
Salyuというアーティスト、あるいは少女の姿として、元々ある三つの面に加えて
「リリィ・シュシュ」のコンセプトに合わない、「わんぱくさ」が反映された、と。
サウンド面でもそうで、浮遊感や繊細さを出した、アナログロックや軽妙なポップと
レディオヘッドなどを想起させるような、ジリジリ焼き付くようなギターが印象的な
デジロック的なアレンジの曲とが、透明感を媒介として混在しています。
詞・曲ともに、全てコバタケさんの手によるもの。
ロマンティックで透明感あふれる、少女が紡ぐような「あえてちょっとつたない」歌詞も
イイんですよねぇ。


透明感と柔らかさが極上な曲としては「Peaty」「彗星」
ファニーでポップな曲では「ウエエ」「Pop」
美しいバラード調の曲では「VALON-1」
(「Dialogue」もいい曲なんだけど、まんまマイラバなきらいがあって、少々・・・)
そしてワクワク、ジリジリさせられる曲では
「landmark」「アイアム」「Dramatic Irony」
オススメといったところでしょうか。・・・って、ほぼ全部になってしまった!
(分類が難しい。ほとんど全部、「透明感」カテゴリに入るような気もしちゃう)

殆どハズレ曲が無いと思います。その点でもオススメ指数、名作指数が上がります。
楽曲の良さ、引き込まれる世界観は、歴代アルバムでもダントツだと思います。
また、冗長な大作でもなく、ある程度曲調にバラエティがありつつも
「透明感」「少女性」で一貫しているので、一枚の作品としてのまとまりも良い


常に、いまこの瞬間にも、進化を続けているアーティスト、Salyu。
しかし、私の中では、どこかで今でも、この1stアルバムでのイメージが
「Salyu像」だったりしている
ような気がします。
コバタケさんもそうなんじゃないのかなぁ?
今の進化を、娘が大人になるのを見届けるように、嬉しかったり複雑だったり
しながら見守っているのじゃないのかな?
・・・なーんて、想像してしまったり。


「landmark」リリース後にも、たゆまぬ鍛錬をたくさん積んだであろうSalyu。
次作は、その成果が歌声の進化に繋がり、これまでとはまるで違う世界を
私達に見せてくれるのです・・・!
その続きは次回へ。



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Salyu:その0 Lily Chou-Chou -呼吸- 「ダウナーに溺れず、バランス感覚に優れた通好みの一枚。今からは想像もできない、儚い歌声」

かねがね好いている邦楽女性シンガー、Salyuが4thアルバムをリリースしたそうで
それに乗じて、これまでの彼女の作品を振り返って、コツコツレビューしてみようと
思います。

彼女のシンガーとしての歴史のはじまりが、本作。
Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)」というユニットのシンガーに、
当時歌の修行中だったSalyuが大抜擢されたのです。
岩井俊二氏と小林武史氏(以後コバタケさん)が中心になって制作された、どダウナーな
リリィ・シュシュのすべて」という映画のために作られた仮想ユニット。
悩み多き少年たちの救いとして、「リリィ・シュシュ」というカリスマシンガーが居て・・・
という設定で、歌声は何度も流れど、歌い手の姿ははっきりと映らず。
劇中に出てきたこの架空のシンガーのアルバムを、実際に作っちゃったわけですね。

昔mixiをしていたことがありましたが、音楽通の層に人気だったのが
このアルバムのコミュでしたっけ。
「Salyu」より、通好み(ロック系、洋楽系好み)のようです。

お気に入りで、よく部屋に飾っていたのですが
今となっては、「平清盛」のオープニング映像を連想せずにはいられないジャケ(笑)

呼吸呼吸
(2008/11/26)
Lily Chou-Chou

商品詳細を見る

一説には、リリィ・シュシュのモデルというかイメージはCoccoだったとか。
Salyuの「縦に鋭角的に刺さるのでなく、横に拡がって奥深く響くタイプの声質」は
確かにCoccoとかUAに通じるものがあります。


技量としてはまだまだ拙く、Salyu名義でリリースしたアルバムにあるような曲は
この頃の彼女では歌いこなせそうにない感じ。
しかし、コバタケさんはそこを実にうまーく使ったんですねぇ。
素材」として。

全体的に、囁くような、呟くような歌が目立ちます。
あるいは、童歌を思わせる、純朴な歌。(このあたりでCoccoを意識したかな?)
テクニックではなく純粋な声質、素材がモロに活きるように。
繊細で壊れそうな表現は、後年テクニックや声量をつけてからでは再現しがたいような
「未熟だからこそ、少女だからこそできる」絶妙なさじ加減。
未熟な少女である今しかできない、と言ってもいいかもしれません。

霧もやに包まれたように、ぼやけて、不安定で、少し淋しげ。
「リリィ・シュシュ」という映画の世界と上手にリンクします。
しかし、映画はこれでもかというほどに少年少女の闇、病みをえぐり出していて
DVDで観ていたら、当時の恋人に「そんな映画を観てるからあなたは暗いんだ」と
強制的に停止させられ、続きを観られなくなったこともあったぐらいで(苦笑)。

その一方、このCDは、思春期の少女の不安定さ、頼りなさ、ぼやけた感じは出しつつ
音楽それ自体は実はそんなにダウナーじゃない
んですよね。
曲調は多彩で、マイラバやSalyu期にありそうな、ファニーでポップなタッチのものもあって
音使いも、デジポップ~ロック調だったり、アナログな質感のロック~ポップだったり、
またその合間だったりと、ちょっぴり実験的といってもいいような面白さ。
しかも、今に至るどの時期よりも、セクシーさが出ていたりするのが興味深い。
エロティック」や「飽和」がそう。揺らぎや危うさが、たまらない魅力になっています。
そして映画とのリンクが強い、詞からしてダウナーだったり、不安な心情を表現した曲では
シンプルでやや淡泊なバンドサウンドで、さらりと包み込む。
「不安定で壊れそうな季節」の表現はSalyuの歌声ひとつだけに任せ、
周りはあっさりと、かつ安定させてまとめているので、ダウナーになりすぎない。

このように、コバタケさんは「いち音源としては、ポップなバランス感覚を忘れない」
という所を大事にして作っていて、かつ実験的な匂い、ダウナーな匂いもちらつかせ。
それが、本作が通好みの唸る名作たる所以といえましょう。

Mr.Childrenの桜井和寿氏が後年、「いいなぁ その声」と表現したように(うまい!)
「ダイヤの原石」だったこの頃から既に、一発の声で人をハッとさせる「何か」が
宿っている
ことを、再聴して改めて実感しました。
異国のことばで歌われる「アラベスク」や、歌詞のない「回復する傷」などに
とりわけその「天性の声という才能」を感じて、じっと聞き入ってしまいます。

映画の中でこれらの曲が流れている時は、「カリスマシンガー」ぽい雰囲気がありますが
CDとして聴いてみると、えっ、カリスマ?そう呼ぶにはちょっとポップ&頼りないような。
寧ろ身近な代弁者みたいな感じです。
でも、「アラベスク」などの数曲には歌声にもサウンドにも神々しさが感じられ、
また、静謐な祈りのような曲「回復する傷」は、あの「キル・ビル」にも使われたとか!
タランティーノ監督がSalyuの歌声に聞き惚れて、採用したようで。
全然気づきませんでした。「回復する傷」探しに「キル・ビル」見直してみるか?(笑)


このアルバムを聴いた人、買った人は、その後「中の人」Salyuが
現在のような溌剌としたパワフルな方向性で活躍をしていくとは、
いや、「その後」があるのかとは、考えもしなかったのでは・・・。
こんなふうに企画もので出てきて、それっきりで終わる人って多いから。

因みに、「リリィ・シュシュ」プロジェクト、これっきりかと思いきや
近年また復活してたみたいですね。配信限定で新曲リリースしたり、ライヴやったり
してたそうですよ。
ここにはなぜか、岩井俊二監督はおらず、新しくギタリストさんが加わっていた模様。


さて、次回は、いよいよ第1回目。(今回は0回目なのです)
「リリィ・シュシュ」というプロジェクトの「素材」ではなく、いちアーティストとして、
Salyuのうたの歴史が始まります・・・!



良質なおまけ。「リリィ・シュシュのすべて」のサウンドトラックです。
「リリイ・シュシュのすべて」 オリジナル・サウンドトラック『アラベスク』「リリイ・シュシュのすべて」 オリジナル・サウンドトラック『アラベスク』
(2008/11/26)
V.A.

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繊細で美しいピアノの調べが多いです。オリジナル曲に加え、クラシックのカバーも。
唐突に、あまりうまくない「翼をください」の合唱があるのはサントラのご愛嬌。
ここでも、映画のダウナー具合を反映しすぎず、上品さでまとめているのはさすが。
眠る前のひとときにもよく合います。



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ざっくりテレビライフ:その1「世界ふれあい街歩き~THE世界遺産、さわやか自然百景との比較で語る」

地上波で観られるネイチャー系番組で、私の中のてっぱんは、
「世界ふれあい街歩き」「THE世界遺産」「さわやか自然百景」。
今回はそれらを、「世界ふれあい街歩き」をメインに語ります。

本当はNHKのBSの番組だけど、総合でも放送してくれている、まったり旅番組。
特徴は、レポーターなどが画面に一切映らず、撮影者側の話す声などもなく
(コーディネーターさんが現地語で話すのを、周囲環境音で消す編集がされている)、
まるで自分がその街を歩いて、現地の人とふれあっているような気分になれること。
そして、現地の人とのふれあいを通して、その街の魅力が伝わってくること。
このあたりでしょうか。
また、テーマソングと、ゆるカワなタイトルロゴなんかも「看板商品」かな。
オープニングで村井秀清さんのテーマソングが流れてくると、いつもホッとなごみます。
エンディングでは、それがピアノアレンジされたりして、また違うほっこり具合。
最近のNHKの番組は、5.1サラウンドなど、映像や音質にこだわったものも多いですが
この番組はそこまで凝らずに普段通り。それもまた、親しみやすさに繋がっているのでは。

昼間から「ふれあい」の相手をしてくれるような人というと、おじいちゃんおばあちゃんや
街の商人さん、主婦・・・となり、画面が少々泥臭く、やりとりがついついねちっこく
なりがちなのもご愛嬌?そしてみんな元気で、しつこいくらい親切(笑)
都心よりは、田舎町の方が多いのも、泥臭さの要因か。
都心はファッショナブルだけど、なかなか「ふれあい」の相手をしてくれないものね。
たまに、ある程度開けた街が舞台の時でも、「伝統とモダンの共存」型が多い印象です。
その意味では、「都会もいいけど、素朴な地方の温かさも・・・」というメッセージが
隠れテーマとしてあるように感じられることも。
田舎町にしても都会寄りの街にしても、その街の伝統や文化がいつもにじみ出てくるのが
この番組の素敵なところ。
街の人達が、街のことを本当によく知っていて、凄く誇らしげに語るんですよねえ・・・。

旅の途中で「インフォメーション」という、現地の名産品、近場の名所などの紹介に飛んで
その唐突な展開が、いつもTHE世界遺産とダブってしまい、
どっちがパクった?って言いたくなる時がある(笑)

「カメラマンさんが全部やっているのか?」
(一人ぐらいしか通れない道を歩いたり、現地の人がまっすぐカメラを見ている点から)
「全部行き当たりばったりでやっているのか?」
「ナレーションは台本?ナレーターさんのアドリブ?」
などの疑問をずっと抱いていましたが、Wikiってみると、かなりのこだわりがあるようです。
コーディネーターさんが、カメラマンさんにぴったり付いて歩いていたり、
撮影に一週間かかるなら事前の下見も一週間かかるなど時間をかけて作られていたり、
偶然の出会いもあるけれど、基本的には撮影する街には撮影の旨を伝えていたり、
撮影クルーさんの影が映像に入り込まないよう配慮したり・・・
ナレーションは台本ですが、番組への愛着がとても強い矢崎滋さんなどは、
街を歩いている感覚にこだわるあまり、台本の台詞でスタッフさんと激論を交わすほど。

ナレーションを務めるのは、男性では前述した矢崎滋さんが圧倒的に多く、
高橋克実さんもよかった。女性では中嶋朋子さん、田畑智子さんが多いかな。
みんないつも「○○ってことかぁ~」「○○なんだなぁ~」って言ってるような気がします。
あと「えーと、地図、地図・・・」とか(笑)
ナレーター役を務める人によって語り口や性格設定が少々変わるようで、
永作博美さんの時は「どうしちゃったの?」って違和感が・・・おきゃんすぎる感じで。
工藤夕貴さんが出てきた時もだいぶ驚きましたねぇ・・・
調べてみたら、寺脇康文さんや檀れいさんなんかも出てたようです。見たかった!!

DVD-BOXなんかも出てるみたいです。
でも、貧乏人の私めは、地上波の録画でガマンっす。

NHKのネイチャー系~ドキュメンタリー系、あとドラマやニュースにも貫徹している
NHKイズム」(自然は素晴らしい、家族は素晴らしい、お年寄り(略)、子ども(略))
に「またか」とならない程度に、深く考えずに軽く観るのが良いでしょうね。


次に「THE世界遺産」。日曜夜に放送している30分番組です。
フジのドラマや、フジ制作の映画に出まくっている深津絵里さんが、TBSの番組にいると
なぜか「いいのかな?」って勝手に心配にな・・・らないこともない(笑)
「ふれあい街歩き」が人重視なのに対し、こちらは自然や建築物の景観の美しさを重視。
SONYプレゼンツだから、これでもかとばかりの、圧倒的な映像美が売りです。
美しすぎる映像+深津さんの美声にうっとりしてしまい、肝心の内容(文化、歴史など)が
さっぱり頭に入らないのが特徴・・・って私だけ?
いや、寧ろ映像美とナレーション美が「肝心の内容」のような印象も受けるので、
これが正しい見方かもわかりません。
あと、おんなじCMがいつも何回も流れるものだから、CMをもはや暗記してしまう。
おぉ・・・SONYさん、なんと恐ろしいプロモーション戦略!

日曜って何気に「ネイチャー&教養系」カテゴリの祭り曜日ですよね。録画しまくり。
ざっと挙げても、「さわやか自然百景」、「日曜美術館」、「THE世界遺産」、
大河ドラマ「平清盛」(「相棒」と「平清盛」だけはリアルタイムで観ます)、
そして「N響アワー(3月で終わるそうです。クラシック系の新番組になるらしい)」。


最後は「さわやか自然百景」、NHK総合で日曜朝に放送している老舗番組。
15分と短く、場所も日本限定。制作はNHK各支局が行っているようですね。
こちらは、「自然」百景といいつつも、動植物がメインになることが多く、
どうぶつ百景だろ!」とツッコミたくなります(笑)
「どうぶつだもの」とはいえ、排泄物とか、交尾とか、朝もはよから・・・(苦笑)
そして「○○の自然の営みをみつめます」っていつも言っているような。
(「みつめます」、NHKのドキュメンタリー系番組でのナレーションで
しょっちゅう出てくるのは何でなんだろう)
映像が各支局制作のせいかちょっと汚く、そのためか古臭い感じがどうしても出ますね。
でもナレーションを務めるアナさんは超美声
上品で老若男女に受け入れられそうなこの声は、他には
「あなたに逢いたい」(休日の早朝にやっている、偉大な故人の生き様を概観する
15分番組。面白いので、録画して観ている)でも拝聴することができます。



その街の人の泥臭さと温もりから、街そのものの文化や歴史までふれることができる
「世界ふれあい街歩き」、
圧倒的な映像美で、自然遺産や文化遺産の景観を堪能する「THE世界遺産」、
動植物の営みから日本各地の古きよき自然を再認識する「さわやか自然百景」。
ネイチャー系一つとっても三者三様ですねえ。
こういうアプローチの違いがあるから、懲りずに今週も
「世界ふれあい街歩き」をはじめとする3番組を、ツッコミながら観るんでしょう。

テーマ:実話・ドキュメンタリー番組 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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これは使えるリラクゼーション系音楽CD その2:久保田麻琴「通り一遍の癒し系CDに飽きてしまったあなたへ。ワールドミュージックの旅で、心も体もトロトロに」

日々、リラクゼーション系CDを漁っている中で、「これは使える!オススメ!」と
実感できた、出色の作品を紹介する企画の2回目です。

今回取りあげるのは、リラクゼーションCDとしてはちょっと異色なほど、音楽濃度が濃い作品。
世界中を旅して、各地で自然の音をフィールド録音し、それを自分の音楽に融合させる作風から、
「ワールド・トラベラー」との異名をもつ、久保田麻琴さんの作品たちを特集します。
バリへの旅「Spirit of Healing Bali」、
インドへの旅「Spirit of Healing India」、
そしてアジア全域をぐるっとまわるような「Spa Asia」。
細野晴臣さん&ユナイテッドアローズの偉い方(Bali)、
リリー・フランキーさん(Asia)など、そうそうたる方々がコメントを寄せています!

本当は「ワールドミュージック」と呼んだ方が適切なんですが、
ヒーリング系CDをリリースしまくっているDella社の「一品」として売られている
関係上、リラクゼーションCDとして紹介することにしました。


他の数多ある癒し系CDでは、「ほら、こんな音やこんなメロディーを入れとけば
癒されるよね?そうでしょ?」という具合に、テンプレ化しているものが実に多く
色々CDを集めているうちに、だんだんげんなりしてくるのですが
久保田さんの作品たちは、まず良質なワールドミュージックとして音楽があって
それにたまたま癒し効果が付随していて、リラクゼーションとしても使える
、と
捉えた方が良い感じ。

量産されている癒し系CDたちには浅さが否めないし、期待してもいけませんが
この3枚は、CDを再生するなり、音の重みや密度がどっしりと迫って、次元が全然違う。
湿り気があって、多様で、ただ各国の音楽を再現しただけでもなくて
癒されて雰囲気があって、眠くもなるけど、それだけじゃ終わらないぜ、と。


まずはBali。
スピリット・オブ・ヒーリング~バリスピリット・オブ・ヒーリング~バリ
(2005/08/25)
久保田麻琴

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ガムラン、ジェゴク(竹ガムラン)、スリン(竹笛)、カチャピ(箏)などの
伝統楽器の演奏に、バリの自然音が溶け合って、うっとり「トロトロ」。

次にIndia。
スピリット・オブ・ヒーリング~インドスピリット・オブ・ヒーリング~インド
(2006/07/25)
久保田麻琴

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伝統楽器はシタール、ヴィーナ、タブラ、インディアン・ヴァイオリン等。
そこに自然音、そして歌声が混ざって、不思議な音空間が広がります。

今挙げた2枚、特にIndiaは、「ヨガ~瞑想のBGM」という目的で入手したんですが
試しに「India」の初めの2曲をBGMにヨガ~瞑想してみました。
うんうん、これはイケる!やる気が高まるってもんです(笑)
Baliはどちらかというと、友達が家に来た時にかけたい感じにムーディ。
友達寝ちゃうかもしれないけど(笑)

そして、「これまでの集大成!」との宣伝文句の付いた「Spa Asia」。
タイトルも今までとちょっと違いますね。
スパ アジアスパ アジア
(2010/06/25)
久保田麻琴

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今までとはちょっと違った味(ベトナム、中近東など)が加わるので
そこに慣れるのに時間がかかる人もいるかも。
私もそうで、こちらを先に聴いていたんですが、今言った点で少し躓いたかも。
でも新しく借りてきた「Bali」「India」で、本格エスニック風味に慣れて
今度は違和感なく楽しむことができました。
とにかく催眠効果が凄く、久保田氏自身が、制作中何度も眠りにおちるほど。
どっぷり濃密なまどろみを味わえます。休日の昼寝や夜寝る前などにどうぞ。

3枚共通した楽しみは、インナースリーブに載った、美しい現地の写真。
ちょっとしたエスニック写真館として、ここでもまたうっとり。


同じユニットで活動していたこともある細野晴臣さん曰く、

なんとも深くて濃いリゾート・ミュージックだ。
蜜のような空気を感じてトロトロになる。
「癒し」というものが軽いものじゃないということは、
まさしくこの音楽が表現していることだ。


とのこと・・・
このコメントは「Bali」に寄せられたものですが、今回紹介する3枚全てに
あてはまるといっていいでしょう。

良質な音楽を聴きたくて、かつ、ちょっとリラックスできたらいいな、と
思っているすべての人に、自信を持ってオススメできる音楽
です。


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テーマ:ヒーリング/ニュー・エイジ/瞑想/ヨガ - ジャンル:音楽

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Nowhere Boy ~ひとりぼっちのあいつ~「言葉で知る"事実"と映像で観る"現場"、衝撃度がこんなにも違うものなのか!良質な青春映画」

行きつけのツタヤでCD半額の日。色々選んで、DVD棚にまた寄り道。
そしたら、かねてより気になっていた映画に遭遇!迷わず借りてきました。
ジョン・レノンの若き日を描いた映画「Nowhere Boy~ひとりぼっちのあいつ~」。

ビートルズや、ジョン関連の書籍・ドキュメンタリーなんかで、
「ジョンは幼くして両親に捨てられ、伯母に預けられ、ミミ伯母さんのもとで育った。
そして、ジョンが17歳の時、実の母親ジュリアが交通事故で亡くなった。
そんなジョンを理解してくれたのが、同じく母を亡くしていたポールだった」

というエピソードが何度も出てきますね。
もちろん、そういった文章や朗読に「かわいそうだなあ」「つらかったね」と
思わないわけはありません。

だけど・・・いざ実写でこのいきさつを、こと細かに再現し、見せられると・・・
「ジョン!よく人生を最後まで投げ出さず頑張ったね」
と、寧ろあの40年間の波瀾万丈の生き方すら称えたくなるほど、
両親に捨てられ、「ふたりの母」に引き裂かれ、そしてもう一度失う衝撃と痛みが
自分のことのように胸に迫り、青年にのしかかった過酷な運命がいかに重かったか、
R&R、そしてポールと出逢えたことがいかに大きな救いだったか、よくわかります。


史実を再現した映画なので、内容の概要はさきほど述べた「有名なエピソード」通りです。
でも、2時間の映画という媒体は、それに色をつけて音をつけて、
具体的な台詞や表情や行動でもって、現実のジョンの楽しく苦しい日々の
文章や朗読からはこぼれ落ちるような、きらめきや生々しさを伝えてくれます。
監督をはじめとする制作陣が意図したとおり、ビートルズのジョンではなく
ビートルズになる前のジョン青年が、大人になっていく過程を
瑞々しく描いた、良質な青春映画
だと感じました。

実の父親のように可愛がってくれたジョージ伯父さんが幕開け早々で急逝し、
ジョンは葬式で、「赤い髪の女」ジュリアを目撃する、そこから物語が
一気に展開していくので、最初から緊張感があります。


きらめきで言うなら、強気でやんちゃ、イタズラやジョークを飛ばしまくる姿
友達と2人で2階建て(!)のバスの天井に「乗って」みたり、
ジョージ伯父さん(ミミ伯母さんの旦那様)の前では子どものように甘えたり、
初めてエルヴィスを映画で観た時に、周りの反応に驚くうちに、自分も身を乗り出して、
次のシーンではすっかりエルヴィスルックになっていたり。
ジュリアの出現以来、自分の出自に関するモヤモヤに苦しまされるジョンですが、
R&R、バンド、そして一生ものになる友達と居る時は、心から楽しそうです。
ちなみに、バンジョーやR&Rを教えたり、エルヴィスの映画に連れていったのはジュリア。
更に、当時からの俺様ぶり、粗暴ぶりもなかなかのもの(笑)


生々しさで言うなら、ミミ伯母さんとジュリアの姉妹の確執は本当に怖かった。
そして、ジュリアってちょっと尋常じゃない・・・

「厳格」というのは有名なのでミミ伯母さんが怖いのはある程度覚悟していましたが、
「女性的」としか知らなかったジュリアは完全にノーマークでした。
ジョンに対して、母親というより恋人や娼婦のように振る舞うジュリア。
キスしたり、キスをせがんだり、ソファの上でジョンに抱かれるような体勢をとったり。
ジョンも、実の母親を超えて、どこか彼女のような不思議な感情を抱くようになり、
ジュリアがポールと仲良くしていると、嫉妬を剥きだしにして怒ったり。
ミミ伯母さんも単に厳格というより、ジュリアが言う通り「溺愛」していて、
始終ガミガミガミガミを予想していたので「あれっ、優しいじゃん」と肩透かし(笑)
ジョンは「愛されなかった」というより、むしろ過剰で歪んだ愛を受けすぎたのかも。
正直、観ていて怖かったです。そりゃジョンも後年の言動までおかしくなるわ。

姉妹間の確執と、ジョンの「自分の出自」の悩みがピークに達するのが、
ジュリアが主催したジョンの誕生日パーティーの後、ミミ伯母さんのもとに
ジュリアが乗り込んできたシーン。
出自を問い質すも、ジュリアは何も答えず、ジョンは怒って家に帰ってきて、
ミミ伯母さんもごちそうを用意して帰りを待っていたのに、パーティでだいなしと、
険悪フラグが立ちまくりでの、姉妹対決、そして真相暴露。
ジュリアがしてきたことを、彼女の前で蕩々とジョンに語るミミ伯母さん、
泣くばかりで何も言えない、ジョンのことも見られないジュリア、
話を聞いて、号泣し、激昂して家を飛び出していくジョン、
ジョンが去ってそれぞれに涙にくれる2人・・・

展開でも十分凄まじいけど、俳優さん達が揃いも揃って上手いから、真に迫る!
ジョンに「異父兄妹」がいたけど、育てられなくて(メンタルの病?)孤児院行きという
エピソードは、史実でも知らなかったので本当にショックでした。
更に言えば、父がジョンを捨てたというより、父がいない間にジュリアが浮気して
妹を産んで捨てて、父との離婚も成立させないまま新たな愛人を作り(劇中の旦那さん)、
父は何とかやり直せないか粘ったけどジュリアが拒んだ、ジョンは父を選んだけど
去りゆくジュリアに泣いてすがりつき、それを見ていられなくなったミミ伯母さんが
ジョンを引き取った、という所まで具体的に映像つきで話されて、
映画の中のジョンじゃないけれど、相当こたえました。

そして、憎しみの連鎖が終わり、やっと姉妹が仲直りしてきたところでの事故。
カフェで語り合い、テラスで並んで日なたぼっこ、という画があったからこそ
ジョンの「これからって時だった」という台詞(後述)が痛切に胸を打ちます。


史実を一層胸を打つものにしたシーンは、ポールとの葬式でのやりとり
バンド「クォリーメン」のメンバーも皆葬式に駆けつけていました。
バンジョーをつまびくポールを見たジョンが激昂のあまり、ポールではなく
止めに入った別の友達をぶちかまして、式場を飛び出してしまいます。
ジョンを追いかけてきたポール、「俺のことも殴るか」と言ったら本当に殴られ、
血を流すポールを見て我に帰ったジョンは、すぐに平謝りして号泣。
「これからって時だった」「・・・・・・分かるよ」
「二度と戻ってこない」「・・・・・・ああ」

実母を(癌で)亡くす悲しみを知っているポールだからこそ成り立ったやりとり。
2人は抱き合い、一緒に泣きました・・・
式場に2人で戻ってくると、他のクォリーメンのメンバーもみんな号泣している。
さっきぶちかましてしまった友達は結構な痛手を負ったのですが、ジョンを責めず
ジョンも詫びて泣き、ついには「オマエらバンドだろ、泣いてんじゃねぇ!」って。
一生の心の課題となった、「孤独で複雑な出自というトラウマ」を抱え、もがきながらも
(顕著なのは、この映画のテーマ曲でもある「Mother」の歌詞。
泣き叫ぶように歌われる「Mama Don't Go,Daddy Come Home」は
1stソロにて。映画エンディングでは、あえてそれがないヴァージョンが流れる)
暗殺されるまで、自分と向き合い、生きることを最期までやめなかったのは
音楽や、バンドや、ポールなどの友達(後にはヨーコ)の存在が
大きな大きな支え、救いだったんだなぁ、と感じられるシーンでした。

そして、ミミ伯母さんからの旅立ちと絆。
ラストシーン、ジョンはポールやジョージ達とハンブルグに発つため
ミミ伯母さんの家にやって来て、出生証明書を求め、書類にサインを頼みます。
「親か保護者」のサインをしてもらうのですが、伯母さんが「私はどっち?」と
尋ねると、ジョンは「その両方」と。伯母さんはジョンを抱きしめて泣き出して
しまいます。この頃になると、ミミ伯母さんはすっかり柔和な女性に。
去り際、ジョンは伯母さんに「電話をするよ」と言い、ハンブルグ到着後すぐ電話。
ジョンは終生、伯母さんへの電話を毎週欠かさなかったとか。


ジョンの、ふたりの母。
ミミ伯母さんは、伯母さんを通り越した、本当の愛をくれたお母さん
そしてジュリアは、実の母を通り越した、ひとときの恋人といってもいいのでは。
ジュリアはジョンの為にお金を貯めてくれていて、そのお金でレコーディングした曲は
一途な恋の歌。
許されぬ恋かもしれないけれど、それでもかまわない、といったフレーズまで登場。

ジョンの最初の妻シンシアは、ジュリアのような女性で、
後妻のヨーコは、ミミ伯母さんのような女性だったといわれます。
しかしシンシアとは、子(ジュリアン)を授かりながらも愛し方がわからず破滅、
ヨーコはジョンの「母」となって、ジョンに愛し方や生き方を教えて最期まで一緒。
でも、シンシアは内助の功タイプ、対してヨーコはバツ2で奔放と、ちょっと複雑。
シンシアみたいなミミ伯母さんが良かった、ってことでいいのかな・・・?


最後に。
「Nowhere Boy~ひとりぼっちのあいつ~」って言うけれど
(劇中では出だしで、「落ちこぼれ」「どこにも行き場がない」との意で登場)
ジョン、全然、ひとりぼっちじゃないじゃん。
ふたりの母に愛されて、友達にも恵まれて、音楽という行き場も見つけた。
何にも苦しむことなんてないよ。
長いこと苦しみつづけてきたジョン青年に、思わずかけてあげたくなった言葉でした。



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相棒:その2「亀山に求められた役割、神戸に求められる役割。"相棒"の存在意義が希薄になる、スーパー右京体制をなんとかしてくれ」

ドラマ「相棒」の記事その1を書いたのは、もう昨年になるんですね。
弟が神戸というか及川氏をディスって、反論できなかった、って愚痴った回。
結局、あの記事は「今の相棒ちょっと不調。どうしたの?」という愚痴で終わり、
「亀山と神戸の比較」というか「弟への反論」はできずじまいでした。

それから、正月SPをはじめ、なかなか再放送してくれない過去のSPも
再放送で観られたり(相棒婚の回も!)、一人右京時代の再放送を
やってたので録画で観たりして、現行のシリーズも脱落せず毎週観てます。
前クールは「豪華ゲスト祭り」でしたが今クールは「懐かしのあの人祭り」ですね。
たまきさんの花の里も、ついてない女、月本幸子さんが引き継いで、
平和になったけど、右京さん的にはあれでいいんだろうか・・・笑
ともあれ、「まだまだ相棒は続くよ」と言ってもらえたような展開でひと安心です。

先日、友人2人(いずれも男性)とカラオケに行って、終盤はただダベっていたんですが
2人とも相棒オタであることが判明。S10が一番好きって言う奴もいたし、
弟のように「神戸相棒(及川氏)はあり得ん」と言う奴はいませんでした。
男性みんなが弟のような反応をするわけではないことを再認識できました(苦笑)


さて、過去の再放送を観たり、「かんぼうちょおおお!」をDVDで観たりするうちに、
「亀山と神戸のどっちが有益かを問うのは、ナンセンスではないか」という
見解に至りました。
なぜなら、2人に求められている(た)役割や、その時々の相棒は、全然別物だから。
今回は、亀山薫に求められた役割と、神戸尊に求められている役割の違い
比較して見ていきましょう。
そうしたら自ずと、ドラマ「相棒」の変遷を追うことにもなりましたが・・・(後述)。


個人的な見解かもしれませんが、2人がいた時期の相棒は、主にこんな感じ。
亀山時代の相棒:キャラクター消費、エンタメ消費
神戸時代の相棒:雰囲気消費、または謎解き消費(ブランド消費も?)



まずは亀山から。

○人物・・・漫画的キャラ。基本的に単純明快で、少年漫画の王道的主人公のよう。
シックスセンスや神の舌があるけど、大卒とは思えないような知識のなさで恥をかく。
正義感が強い。子ども好きで、懐かれやすい。肉体派で、大立ち回りもどんとこい。

○中の人の強み・・・三宅裕司さんの劇団で長いこと鍛えられてきた実力派
アクションがバリバリいけるのもその鍛錬の賜物。人気は相棒以降ついてきたか。
女性がキャーと騒ぐよりは、男性がうぉーかっこいいと惚れ込むタイプ。

○亀山と絡んで盛り上がる人物・・・伊丹(以下イタミン)、美和子、芹沢など
「特命係の亀山ァ!」で始まるイタミンとの子どもの喧嘩はデフォ、TPOを問わない(笑)。
肝心な所では必ず互いをかばったり、心配したりする、完全に「ツンデレ」なライバル関係。
・美和子が情報やアイデアをくれたり、諫めたり呆れたり面倒みたり、ちょっと離れたりも。
亀山と美和子の恋の進展も見所のひとつ。長い同棲期間を経て結婚、新天地にもついていく。
・元捜査一課のため、「後輩」の芹沢は結構素直に亀山をリスペクト、亀山も可愛がってる。
ただ、芹沢の軽口は右京さんや神戸など誰に対しても変わらず、毎回イタミンに殴られるw

○右京さんとの関係・・・互いを補い合う、友情のような信頼関係、あるいはパシリ?
頭脳担当の右京さんと肉体担当の亀山、という役割分担ができてましたね。
右京さんのことを、たまきさん以外で「右京さん」呼びする唯一の人物。
「右京レーダー」など、右京さんの奇特な言動も面白く捉える、よき理解者でもありました。

○当時の右京さん・・・コミュニケーション能力に難あり、「私としたことが!」と見落としも。
右京さんが不躾な態度をとると亀山がフォロー、見落とした点に亀山が偶然気づいて解決。
ひとりでは未完成で、亀山のアシストがあってこそ真価を発揮できたのが当時の右京さん。

○当時の相棒のスタンス・・・刑事ものだけど、特異な設定(2人しかいない窓際部署)や、
キャラ立ちしまくりの脇役たち、キャラ同士のコミカルなやりとりや人間臭い関係性で
「エンターテイメント性、人間ドラマ性の高い刑事ドラマ」になっていた。
警察組織や社会情勢への、問題提示や批判を織り込んでくるのは、昔も今も基本変わらず。

亀山はコミカルで、わかりやすく爽快。更に、美和子との恋、イタミンとのツンデレ(笑)、
新たな道へ進むための卒業・・・と、亀山の成長物語として亀山相棒を楽しむことも可能
右京さんがだんだんコミュ力をつけたのも、亀山と仲良くなった影響が結構あるのでは。


続いて神戸。

○人物・・・実写的キャラ。矛盾した面やムラっ気がみられる。清濁併せ呑み、葛藤も多い。
元は右京さん以上の地位にいたエリートで、基本的にデキル奴だが、同時にプライドも高い。
クールに振る舞っているが、意外と感情的で、癇癪を起こしたり、暴走したりすることもある。

○中の人の強み・・・元はシンガーソングライターだが、演劇をやっていた経験もあることから、
独自の雰囲気と器用さがハマって、ドラマや映画にも印象的な役柄でしばしば登場するように。
和風のイケメンで女性ファンが多く、「クール」「セクシー」と評される。意外におちゃめ。

○神戸と絡んで盛り上がる人物・・・大河内(ラムネ)、陣川など
・ラムネバリバリの強面ピルイーターの、数少ない(唯一の?)友人(元上司と部下)。
大河内はホモエピソードがあったため、アッー疑惑が囁かれ、映画で無駄なサービスショット
(2人して裸でシャワー)が入っているように、制作側にもネタにされている。
・陣川は亀山にも絡んでいたが、先輩面して「ソンくん」と絡むわ、空回りに巻き込むわの
いつもの大暴れの被害を被るのは、神戸のほうが多い。
また花の里ができてしまったので、陣川の絡み酒がそろそろ見られるかもしれない・・・!
※ちなみに、ヒマ課長(角田課長)と鑑識(米沢さん)は、亀山と神戸であまり態度の差はない。
鑑識は右京さんリスペクトで、趣味も合う。ヒマカは、特命部屋でのんびりしたいんでしょ(笑)
内村&中園コンビも、反特命、反右京さんで、亀山や神戸はあまり眼中になさげ。

○右京さんとの関係・・・先生と生徒、上司と部下。嫌味の応酬がトレードマーク。
ある程度の敬意は互いに払いつつ、深く干渉し合うことはないドライな関係。
たまに対立することもあるが、「あいつはああいう姿勢なんだな」ぐらいでセーブ。

○当時の右京さん・・・亀山時代後期から、右京さんのいわゆる「スーパー右京」化が進み、
人格面のアラなどが少なくなってきた。今週なんて「良いカウンセラー」ですってよ?
一人で難なく事件を解決できるようになって、「相棒」の必要性が薄くなっている。
神戸が頭脳派で物わかりがよいこともあり、右京さんが事件を解決していくのを、
サポートしたり、説明したり、別方面からのアプローチで貢献したりという、いわゆる
セカンド的な活躍にとどまり、キャラ面での弱さもあって「空気」化が進んでいる。

○当時の相棒のスタンス・・・神戸時代では、スタイリッシュ感を前面に押し出している。
劇場版Ⅱの宣伝文句にも「スタイリッシュ」という言葉が出ていたので余計に実感した。
神戸加入後はほぼ一貫して、オープニングのBGMがジャズ調、映像もクール系。
オープニングを観ていると、右京さんも精悍に見えて、画的にかっこいい。
加えて、神戸のキャラの弱さ(亀山ほどの漫画的インパクトに欠ける)もあって、
謎解きそのものにフィルターが当たりやすい。トリックやストーリーの巧拙について
ファンの間では、以前より大きく議論が交わされるようになってきた。
更に、一定の視聴率を獲れるコンテンツへと成長したため、「相棒」ブランド
できあがりつつあり、関連グッズなどが多く登場し、番組内でも宣伝されている。

神戸は「庁内S」という異色の設定で相棒に登場。元々一定の人気を博していた人を
抜擢したことで、今まで相棒を観ていなかった層を取り込めたかも。
しかし、庁内Sの設定が切れたS9以後はキャラ付けが弱く、突っかかることも減って
スーパー右京化した現状では、セカンド的活躍とムードメーカーに徹している。
スタイリッシュな演出には実写的キャラの方がリアリティが出る。よって、
スタイリッシュ感とリアリティの体現が神戸の主な役割。
さて、そこに、S10初回の「15年前の偽証」はどう絡むのか・・・?
初めのうちは何となく引きずっている雰囲気だったけど(青トーンの画面でもないし)
最近は偽証のぎの字もない感じだし、画面もまた青いし、なかったことになるの?
最終回辺りでそこんとこちゃんと決着つけてくれることを期待します。・・・こんな風に、
「これからどうなっちゃうの?!」というハラハラを持ち込む役回りも重要か。


・・・と、このように、亀山の頃の相棒と、神戸の頃の相棒では、相当事情が違うので、
単純に「どちらが良い、どちらが悪い」と評価をつけづらいんですよね。
今の相棒に亀山タイプのキャラを持ってきたら「今更感」「二番煎じ感」は否めないし、
昔の相棒が神戸タイプのキャラだったら他のキャラと合わず、破綻してしまうでしょう。
(最近の相棒は昔のキャラが次々出て、昔のノリに近くなり、神戸だけ浮いている印象を
しばしば受けてしまう)
「亀山の方がよかった」という意見は、「亀山時代の相棒がよかった」と言っているようなもので
キャラクター消費型の展開がマンネリズム化したために、相棒役を交代して
スタイリッシュムード+謎解き重視消費に切り替えたともとれる(S6以降を観ていると)。
よって、「それぞれの良さがある」と同時に、相棒役への評価は、そのまま
「相棒」というドラマ自体の姿勢への評価にも繋がっている
、というのが私の結論です。

最近に関して要望をいうと、神戸というか、「相棒」がいる意義を感じられない
展開が多くてなぁ。亀山時代を再放送で観てから今シーズンを観ると、
そこがやはり物足りなく感じられるのは否めない。
だから、亀山時代のファンが神戸を否定するのも、分からなくもない。
捜一も内村中園も丸くなって、かんぼうちょおおもおらず、鑑識やヒマカはテンプレと化し、
右京さまを礼賛するための「相棒」になってる現状は、ちょっと物足りないなぁ。
また何か、ハラハラするようなスパイス設定・展開の投入を期待します。


blogを書くようになってから、2chをほとんど見なくなっているんですが、
以前は、「相棒」に限らず何か番組を観たらすぐ該当スレを見ていました。
色々な人の見解が見られたり、フリークな人から知識を得られるのはいいけれど、
「自分の意見は筋違いではないか」「人に言ったら物笑いになるのではないか」
他人の目線にどこか怯えていたように思います。
2chでは、弟のような「亀山相棒第一。神戸はこれだからつまらない」派が多く
「神戸って言われるほど悪いか・・・?」という自分の感想に自信を持てなくなっていました。
でも、ドラマぐらい、いや他のどんなエンタメだって、自分の感想で観て、聴いて
いいんじゃないんでしょうか?右ならえで同じような感想を持たなくたっていいでしょ?
好きなものを自分で選んで、好きなように感じて、何が悪い?

社会に属している以上、オンタイムでは自分勝手にしているわけにいかないんだから
好きなものに接している時ぐらいは、自由に観て、聴いていきたい。
今回の記事を書いて、blog開設時からの思いが改めて強くなりました。
自分の感じたこと、考えたこと、良いと思ったものを、これからも大事に取りあげていきます。

テーマ:相棒 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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レッド・ツェッペリン:その2 伝説のライヴ「CDを再生するなり、動けなくなったり号泣したりしたのは初めてだ!鬼神のようなライヴアルバム」

ライヴに行って、号泣したことは何度もあります。
しかし、「開演してすぐ」は、ほぼ一度もない。
なのに、ただの音だけで、再生ボタン一つ押しただけで、
立ちすくみ、そのまましばらく動けなくなって、
このままじゃいけないと我にかえって座るも、今度は号泣してしまう。

こんな経験はもう最初で最後なんじゃないかと思うんです。

何を聴いて、そんなことになったのかって?
一昨年くらいに、レッド・ツェッペリンLed Zeppelin、以下前回同様Zep)の
How The West Was Won(邦題:伝説のライヴ)」を聴いたせいですよ!
(「伝説のライヴ」と、「狂熱のライブ」があって、ややこしいですよね)

伝説のライヴ -How The West Was Won-伝説のライヴ -How The West Was Won-
(2003/06/11)
レッド・ツェッペリン

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しかし、本当の「初め」に聴いたときは、全然こんな反応にはならなかったんですよね。
何がそんなにいいのかさっぱりわからなくて。

大学時代、軽音楽サークルに居た時、ドラマーの後輩が
「これイイっすよ!」と、なかば強引に貸してくれたというか、布教させられたのが
本作との出会いでした。
でもそれは今から10年近く前の話。「ツェッペリンw」「HR/HMw」って
完全なる食わず嫌い、偏見、カッコつけが頭にあったし、サークルの毛色もそういう風だし
当時はオールドな音楽を全然聴いていなかったし(ビートルズだって赤盤青盤でおしまい)。
そんな遍歴でZepが分かるはずもなく、何年もCD棚の「押し入れ」欄に入れっぱなしで
しまいには「聴かないCDは処分しよう」と捨ててしまいました。

時を経て、70年代前後の音楽にもどんどん触れるようになり、ようやく再聴を。
オリジナルアルバムを集め、最後に「ライヴCDもいっとけ、好評らしいし」って。
そして冒頭の反応・・・
「あの時、捨てずに大切にとっておけば」
どれだけ悔やんだか知れません、CDにとっても後輩にとっても、色んな意味で・・・!


当時、私はバンドのヴォーカリストを務めていました。大層へたくそだったけど。
そして、一番長く在籍していたバンドは、楽器隊の皆さんが、暇さえあれば
インプロヴィゼーション(即興演奏)を始めちゃうような、セッション馬鹿の集まりで。
メンバー達は実に多様な音楽を聴いていて、ドラマーはやはり?ボンゾ信者でした。
(ちなみにギタリストはジミヘン等が好き、ベーシストはやはり?レッチリのフリー信者)
自由奔放に音が鳴るわけですが、必ずしも歌がのりやすいようなセッションとは限らず、
楽器を持たないヴォーカリストとしては、毎回毎回大変。音楽の引き出しが全然足りないし、
インプロに乗っかって楽器を奏でるかのように、即興でメロディを紡ぎ出していくのって
かなり難易度が高いんですよ。自分で曲を作って持ってったほうが何倍も楽だった。
だから、「なぜあの時、Zepから学ばなかったのか、プラントから学ばなかったのか」
悔やんでも悔やみきれなくなります。だいいち、もうバンドやっていないのだから・・・


Zepのような、即興性が高いライヴをするバンドの場合、オリジナル曲が
どんなふうにアレンジされるのか、各メンバーが自らのフレーズをどういじくるか、
それらがどんなインプロに繋がるのか、といった楽しみ方ができますね。
私はかなり最近になってレッチリ(ジョン在籍時のライヴ)経由でそれを学びましたが
それだって、どうしてあの時やっておかなかったのか、どうしてアンソニーから(略)

CDの特に2~3枚目なんて、殆ど原型とどめてませんもんね。
1曲がプログレ並に長い(笑)
今「Dazed And Confused」聴きながらこれ書いているんですが、
ペイジ恒例の「弓弾き」を披露しているとおぼしきアドリブ場面に、
プラントが伸びやかで奔放なメロをつけて、高らかに即興で歌っています。
で、今は、ペイジがいろいろいじくってる。あ、今度はベースとドラムも加わった(笑)
この曲は、1枚目からの曲だから、ある程度アレンジ慣れがあるかもしれませんが
展開が読めず、知っていてもその変化の著しさが、聴いててエキサイティングですよね。
全然違う曲なんかが混じってきたりして。
そういう意味では、Zepってプログレ的な魅力もあるバンドかも。
まぁ、オリジナルの時点で、「Whole Lotta Love」とかプログレ展開だし。

Zepの「セッション的ライヴ」で面白いのは、ペイジが色んな音を繰り出して、
あらゆる角度からアプローチしてきて、それにプラントが上手く味付けして、
ジョーンジーとボンゾが流れを読んで追撃してくる
ところでしょうか。
そうしてボンゾが時々暴走して、超人的なドラムソロをかます、と。

今「Moby Dick」です、ドラムソロ大爆発。
激しいだけではなくて、こちらからあちらから幅広いアプローチを繰り広げます。
ドラムしか鳴ってないんですよ?高速連打をかましているわけでもない(それも凄いけど)。
なのにこんなに「面白い」なんて!

歌声も、ギターリフも、ベースの援護もなしに、これほどの「楽曲」が成り立ってしまう。
こりゃ、あらゆる方面のドラマーから、リスペクトされるわけですわ。



そして再び冒頭に戻って「なぜポカーンとしたり、号泣したりするほど
感極まったのか、音だけで?」の疑問が沸くのです。
インプロの面白さは、どっちかというと「感心」の類ですから。
衝撃を受けたのはなぜ?

それは、「Immigrant Song」に代表されるような、
爆撃のようなジョーンジー&ボンゾのリズム隊に、打ちのめされてしまったから
だと
言い切ってしまっても過言ではないです。
そこに伸びやかで完璧な響きの「アアア~ア~」、そしてペイジのあのリフが
合わさって、大カタルシスになっちゃった、と。

「地鳴りか!」と突っ込みたくなるほどのド迫力ですよ、あいつらどうかしてます。
攻撃的な曲ほど、その爆撃の威力が増します。
ボンゾはインプロ的なアレンジの時より、こうした攻撃的な曲を普通に演る時のほうが
爆発してる、すげえ、やべええええ、と感じます。単純明快なファイターなんでしょうね。
そしてジョーンジーは見事な二重人格。完全に暴力的なベーシストと化してる。
特筆すべきはやはり「Immigrant Song」のあの部分(on we sweep with~のくだり)。
何度聴いても(コピーバンドの演奏を聴いている時でさえ)耳があのベースラインにくぎづけ。
もう、初めから終わりまで、まるで暴風雨でも降ってるのかと思うような激しさ。
そうしてまた、プラントとペイジが歌もギターも完璧にキメるんだもん。
主に「Immigrant song」のせいでポカーンになって泣かされた、といっていいかも。


Zepの全員が一番美味しい時期の、美味しい曲だらけのライヴCD。
全体を聴いて思うに、大きく分けてZepのライヴの(耳で聴いた)魅力はふたつ。

勢いのある曲に顕著な、爆撃のような図抜けた迫力
ハッとさせられるギターリフや伸びやかな高音といった、オリジナルの良さを
オリジナル以上に攻撃性を増したリズム隊が援護射撃しまくりで、威力十倍増し。

曲の原型をとどめないほど、自由奔放で先が読めないインプロ
あの手この手を繰り出してくるペイジと、それにスイッとメロをのせるプラントの
引き出しの多さと柔軟さがあるからこそなせる業。リズム隊は出過ぎず、巧みなサポート。


改めて何度か聴いて、Zep好きがときにオリジナルアルバム以上に、本作を推すのも
無理ないか
、と。だってオリジナル以上にスリリングで大迫力なんだもの!
それに、演ってるのはオリジナルの曲で、オリジナルのイイ所もより良く再現されてるし。
オリジナルも一通り再聴してみて、「やはりベストだけじゃなくアルバム単位で
聴きたいものですね」と感じたのですが(よく、Zepはベストだけあればいいって
言う人がいるでしょ。自分も正直、そういうフシがあった・・・)、
「How The West Was Won」は本当すごいや。そりゃ「伝説のライヴ」にもなるわけだ。
これより聴き応えがあるライヴアルバムに、この先どれだけ出会えるだろうか?
大概は、オリジナルか、ライヴならDVDの方が良い、と言われるはず(私も基本そういう派)。
「一発の」「音だけで」ここまで感動させてくれるライヴアルバム、さぁ出てこい!
今まで軽視してきた各アーティストのライヴ「アルバム」、これから色々試してみましょうか。

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レッド・ツェッペリン:その1 永遠の詩~狂熱のライヴ「幻想的だけど、親近感もあり。ドキュメンタリーとPVのいいとこ取りした"ライヴDVD"な映画」

記憶が薄れないうちに、ささっと書いておきましょう。
行きつけのレンタルショップで、やっとずっと観たかったDVDを見つけたよ、
大好きなレッド・ツェッペリンLed Zeppelin、以下Zep)の
The Song Remains The Same(邦題:永遠の詩~狂熱のライヴ)」を!
いんや~、素晴らしかった~!

レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [DVD]レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [DVD]
(2010/04/21)
レッド・ツェッペリン

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ただ、素晴らしかったのはいいのですが、ここでのカテゴリ分けが困りました。
ライヴ?ドキュメンタリー映画?はたまた、壮大なPV集?
内容を大枠で捉えると「ライヴDVD」としたいのですが、ライヴ中に実際にあった事件や、
冒頭の普段暮らしはドキュメンタリー映画的で、本来のくくりは「映画」だし・・・
そして中間の「幻想シーン」を中心に、楽曲やアーティストのPV映像という解釈もできるし・・・
しかしながら、5thアルバム「The Song Remains The Same(永遠の詩)」や、
わりと近年に出たライヴアルバム「How The West Was Won(伝説のライヴ)」を
補完する役割が大きいと判断し、「音楽」ものとして分類させていただきました。
「Zepその2」を書いたときに、「その1はどこ?」ってなるのを回避する狙いでも(笑)

演奏面(特に、耳で聴いて感じたこと)は、「伝説のライヴ」の回になるべく譲って、
この記事では、映像で観て感じたことを中心に書いていこうと思います。


<オープニング>

冒頭から強面の連中が現れて、銃撃戦?なんだ、なんだ?
呆気にとられている内に、舞台はZepメンバー達の平和な日常へ。
ひとりひとり違います。これが何気におもしろいんだな。

・プラント・・・青々とした草木が生い茂る森の中にて、川で遊ぶ子ども達を見守る夫妻。
あっ、この子ども2人は、5thアルバムの・・・!きっと既視感があるはず!
家族四人で仲良く帰り道を歩いていると、自転車を走らせて、郵便屋さんが来たよ。

・ジョーンジー・・・そっくりの髪型した娘さん2人wに、怖い絵本を怖~く読んであげてます。
端からみたら、「ママ」が子どもに絵本読んでるように写るんじゃないのwww
料理を作る奥様に「何作ってるの」と声をかけたところで、お手紙届いたよ。
郵便屋さんから届いた手紙を開けるジョーンジー、最初は「ライヴだ」と嬉しそう。
でも途中で愕然として「明日だ(tomorrow)・・・」と、音響までいじられてリフレイン(笑)
完全にネタ要員です!ライヴだと地味だから、ここが一番の見せ場、なのか??
この頃のジョーンジーの髪型は、パッツンの短い前髪に、肩くらいのパッツンな金髪。
ジャニス・ジョプリンか、ストーンズのブライアンのオマージュだったのかな?
よく顔立ちを見ないと、性別がわかりません!!!

・ボンゾ・・・ロックスター、トラクターを華麗に駆り、農園の手入れをするの図
よく似合いますね。田舎にこんなオッチャン、いるいる。まったく違和感がないよ!
そしてポップな「クルマ」で帰ってきて、家に入っていきました。手紙来てるかな?

・ペイジ・・・他の皆がプライベート披露の趣のなか、ひとり、謎めいた姿。ズルい!
山の上とおぼしきところで、向こうの景色をみつめて、孤高の芸術家みたい。
最後にちょっと振り向いて、やっと「あぁ、ペイジだ」と確信できるくらいズルいw

実はこの「オープニング」が、次に書く「一人一人のPV的見せ場」の伏線になってるあたり
うまいですねぇ。


<一人一人のPV的見せ場>

Zepのように、インプロヴィゼーション(即興演奏)が多いバンドの場合、
一般のライヴDVDや、ライヴアルバムだと、楽器(隊)への興味が強い音楽玄人でないかぎり
少なからず「マンネリ」を覚えてしまいがち。
そこにメリハリをつけて、更に曲の世界観を表現し、演奏の魅力を引き出した
このPV的演出(通称「幻想シーン」)は、巧いとしかいいようがないっす。

ジョーンジーと「No Quarter」
失礼ながら、Zepは4thアルバムまででお腹いっぱい派(例外がPresence)という
不躾なにわかファンで今日まで来たのですが、
この演奏&映像で「認識を改めにゃ・・・」と思わされました。

幻想的なソロを奏でるジョーンジー。やけに長く映ってると思ったら、幻想シーンへ。
大聖堂らしきところでパイプオルガンを弾く、素敵な姿がプロローグ。本編とは関係なし(笑)
ピエロのような滑稽な顔のマスクをつけた、怖い集団が馬を駆って登場します。
何やら殺傷らしき行為を生業としている様子・・・
その集団の先頭に立っていた男が、馬を下り、ある家に入っていきます。
男はマスクを取って・・・双子の娘を笑顔で抱きしめる。男の正体はジョーンジーなのでした!
一家団欒を過ごした後、ジョーンジーは再び馬を駆って霧がかったどこかへ消えていく・・・
「ツアー中の大暴れと、ツアーを離れた日常との、二重人格ぶり」がテーマだとか。
一見大人しそうな、この手の奴が、本当は一番怖いよね!

プラントと「The Rain Song」「The Song Remains The Same(永遠の詩)」
ここまで全て、5thアルバムの曲が「幻想シーン」化されてきたので、
映画の狙いは5thの世界観を表現することにあるのかな?と感じたくらいでした。
でもそうでもなかったのね(ペイジ、ボンゾは初期曲だもの)。

漂流して、岸にたどり着き、焚き火で暖をとる、冒険者のようないでたちのプラント。
そこに女神様のような女性が現れて、プラントに立派な剣を渡す・・・!
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のごとくチャンバラした挙げ句、
プラントは勝利を収め、さっきの女神様を見るのですが、彼女は幻想のように消えた。
「神話にハマって、古代の王子様を演じた」んだとか。確かに言われてみれば。
王子様姿がサマになるプラント、罪な男!
しかしジョーンジーといいプラントといい、乗馬は自前なの?スタント?
2人して乗馬までできるんだったら凄すぎる。何気に気になる点です。

ペイジと「Dazed and Confused(幻惑されて)」
冒頭から素性を見せていないズルいバンマス。
幻想シーンでは、冒頭の姿とほぼ同じような格好。画家とかでこういう人いそう。
ペイジだけ冒頭から幻想シーンだったんだろうか?

遭難してしまったのか、必死で山を登るペイジ。(これも自前?意外と体張ってるな)
やっとのことで頂上にたどり着いたら、奇妙な面立ちをした不思議な男が立ちはだかる。
その男の顔が、だんだん変貌していきます。
はじめ老人だったのが、徐々に若返って、ペイジになって、若い頃のペイジになって、
子どもの頃のペイジになって、そうしてまた徐々に歳をとって老人になって・・・
「4thアルバムのインナースリーブの実写化」を意図したそうで、
こうやって繋がりを意識するあたり、プロデューサー気質がよく出ていますね。
本人は至って大真面目なんですが、ボンゾがこれ見て大爆笑しちゃったそうで(笑)、
ペイジは機嫌を損ねたとか。ボンゾが天然なのか、ペイジがやりすぎなのか?

ボンゾと「Moby Dick」
この曲はもはやボンゾのテーマ!
ライヴCD「How The West Was Won」でも、壮麗なドラムソロを披露していますよね。
今回のライヴでもそれは同じ。

ボンゾだけ「幻想」ではなく、冒頭の延長というか、実際の日常。
ボンゾは、とにかくあらゆる乗り物が大好き!
冒頭のトラクターや「ポップなクルマ」をはじめ、普通のクルマ、オートバイ、
さらにはF1に出てきそうなレース用のマシンまでも!!!
他には、ビリヤードに興じたり、奥様と踊ったり。
ちいさな子どもが慣れた手つきでドラムを叩いていますが、この少年こそが
ボンゾ亡き後、Zep再結成ライヴでドラマーを務めるジェイソン・ボーナム氏だったり。


<このDVDで気づいた演奏等に関わるポイント>

・全部で4時間近くある、あのライヴ完全版DVDでも、いつもジョーンジーって
引っ込んでて、余計に存在感が薄くなっちゃって「あれあれ」と思っていたんですが
何度かフィーチャーされるんですが、ジョーンジーはずっと、ボンゾをがっちり見てる。
あの爆撃のようなリズム隊の秘密は、ボンゾとの同調を常に意識するジョーンジーに
あったのですね!本当、プラントやペイジのことは、たま~にしか見てない。
ベースを弾いている時は、バテというものを知らないかのような、ボンゾのパワフルなドラム
引き立てることに専念してる。そのためにちょっと引っ込んでいるんだね。そうだよね。

・CDでとても印象的な(コピーバンドがなかなかコピれない原因の一つ)、
「Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)」のSE部分。
本家はこれをどう処理しているのかな?アレンジやインプロでごまかす?
そういうパターンもありますが、ここではペイジがつまみいじって、
効果音、エフェクト等を色々と披露してくれています。
片手でつまみを操作しながら、もう片手は手を振ってパフォーマンスしてる。
ここはステージ、魅せることも忘れません。器用ですなぁ。
こういうあたりのバランス感覚(魅せること、演奏を全うすること)を
常に意識しているのが、ペイジというギタリストの個性(のひとつ)なのかな。
ライヴ完全版DVDでも登場した恒例の「弓弾き」、こちらでも観られます。

・5thの曲がちらほら出ているってことは・・・そろそろ、プラントが喉を潰して
ハイトーンが出なくなってる時期じゃ・・・?!
それを思い出して、ある時点まではヒヤヒヤして仕方ありませんでした。
流石にあの「Immigrant Song(移民の歌)」のハイトーンは聴けず、
心なしか、ミディアム~スローな選曲が多いのは、やはりプラントの喉を
気遣ってのセットリストなのか。
前半のハードナンバーで、メロ大幅改変の連続なのも、喉のためなのか?
(「プラントにはいつものこと」ともいう)
でも、予想以上にハイトーンも発揮してて、安心&満足
「アアア~ア~」と、あのリフと、爆撃のようなリズム隊も恋しいけれど
それは「How The West Was Won」でガマン。
「How The~」に5thの曲はないので、5thの3曲が素晴らしい映像付きで楽しめることを
ありがたがることにしましょう!


映画チラシ 「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」出演 ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ映画チラシ 「レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ」出演 ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ
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アットワンダー

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当時はこんなカッコイイチラシで宣伝されていたんですね。
DVDのジャケも、こっちの方がよかったなぁ。
しかし当時、興行収入は良かったものの、評価は散々で、Zepメンバー達もあまり
この映画のことは語らないみたい。
確かに、唐突に入り込んでくるステージ外のエピソード(半裸で乱入する男、
収益パクられ事件など)等には、まとまりの無さをどうしても感じたけれど、
PVのように幻想的で、ドキュメンタリーのようにリアルなライヴ映像って
ありそうだけどなかなかないし、後年のアーティストのPVにも影響を与えてるだろうし、
なかなか見応えがあって、意義ある作品だと思うんですけどね。
「ドキュメンタリー風味の凝ったライヴDVD」だと思って観れば問題ないのでは。
少なくとも冒頭のシーンと幻想シーンは何度もリピートしたくなりました。
というか、しました(笑)

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James Iha:Let It Come Down「力まず、心地良く、人懐っこく。日本人顔した地味な奴の、何度でも聴きたくなる珠玉の名盤」

唐突に、「スマッシング・パンプキンズのメンバーをあげろ」といわれたら、
あなたはきっと、こういう順番で挙げるのではないでしょうか。
1:ビリー・コーガン(Vo&Gt)ほぼ全ての楽曲を作り、ギターソロも上手なスキンヘッド
2:ジミー・チェンバレン(dr)90年代を代表する凄腕ドラマー!ヤク絡みで一度脱退してたっけ
3:ダーシー(ba)紅一点ベーシスト。女性はアイコン、男性はハァハァ。後任のメリッサもいい女
4:誰だっけ?あぁ、確か、日本人顔した地味なギタリストがいたような・・・

えーと・・・今回は、その「日本人顔した地味なギタリスト」
James Ihaジェームス・イハ)が作った
現時点で一枚きりの、素敵なソロ作を紹介したいと思います。
イハはおじいちゃんが沖縄人。「いは・よしのぶ」という日本人名も持っていたりします。
スマパン解散後は、自らのルーツである日本での活動がぼちぼちあって、
Charaや湯川潮音などとのコラボ、映画「リンダ リンダ リンダ」のサントラ、
さらにはBEAMS系列でアパレルブランドの展開と、なかなか多彩です。
本業の音楽活動では、「The Perfect Circle」というバンドに加入して
ツアーにも出ていたようですが、今も続いているのかな?


本題に入る前に、一瞬だけ、スマパンのアルバムのジャケを幾つか
思い出してみてください。
夢見がちで可愛い2人の女の子(ちみっ子)、SFタッチの童話に出てきそうな若い子、
ゴシックな佇まいで下からこちらを見上げる美しい女性・・・どれも神秘的で、少し意味深。


そんなアルバムが立て続けにリリースされたちょっと後に出たソロが、これですよ。

レット・イット・カム・ダウンレット・イット・カム・ダウン
(2012/02/15)
ジェームス・イハ

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何でしょう、この神秘性のかけらもなさは(笑)
カーディガンズとかのジャケに使われそうな、ポップでちょいチープなデザインに彩られ、
普通の青年が普通の服着てただ写ってる。(でもよく見ると、3Dカラーの先駆けしてる!)
やっとのことで見つけ出した時の、脱力感といったらなかったですねぇ・・・


しかしこれがクセになるなる。捨て曲ってないんじゃないかなぁ。
個人的オススメトラックは#1、#4、#6、#11、ボーナストラックの#12ですが
でも全部いい!
イハ自身「スマパンで連日、轟音を鳴らし続けるのに疲れて作った」と語るとおり
アコギ中心で作られ、全編でイハの丁寧で繊細なアコギを堪能できます。
楽曲は一貫して、ゆったりしたテンポ、繊細で美しいメロディ、スウィートなムード
スマパンでも時々、轟音の中に繊細さ、甘み、柔らかさが表出する場面がありますが
その「繊細で甘くて柔らかな部分」がたっぷり詰まっているのが本作です。

今書いた「繊細さ、甘み、柔らかさ」が、解散前最後のアルバムでは感じられず
轟音は復活したものの、どこかかたくなで、口当たりが悪くなってしまったという印象を
私は持ちました。実質ビリーの独裁体制のアルバムだと聞いて、確かにビリーは凄いけど
イハの要素って、結構重要な風味だったのになぁ、って、残念に思ったものでした。

バンドのメンバーのソロ作は、ついついバンドの作品を引き合いに出したくなりますが
ジョン・フルシアンテの時と同様に、この人の作品も、なるべく、
「バンドのことは忘れて」楽しみたいものです。
なぜなら、それだけの価値が、本作にはあるから。
また、バンドとは全く違ったベクトルの魅力が、溢れているから。


Let It Come Down」は、スマパンぽい部分と、全くらしくない部分があります。
スマパンぽさを感じたのは、先程まで書いた「繊細さ、甘み、柔らかさ」。
そして、「らしくない」つまりは「イハらしさがよく出た」部分もかなりあって、
その「イハらしさ」こそが、本作が飽きずに何度でも聴きたくなる理由だと思います。

ひとつは、「力みのなさ」。
リラックスして楽しんで歌って弾いているんだろう、と想像できる演奏です。
正直に言って、イハの歌はお世辞にも「上手!」といえるものではありません。
でもそれがかえって味になっている。
自分の声をよく理解して(朴訥としているけど、地声も裏声も綺麗に響く、いわゆる「ええ声」)、
無理せず歌える音域・メロディーを選んで、力まず歌っているからハマるのでしょう。
アレンジもシンプルに、必要最小限な音だけ選んで、その「音」のひとつひとつが
テクニック自慢や緊張感を一切盛り込まず、ふんわりさりげなく奏でられているのが
大事なポイント。

もうひとつは「爽やかさ」。
ほぼ全ての曲がメジャーコードの明るいタッチの曲で、
全体がさらりとした繊細なアコギで紡がれ、そこにつまびくようなエレキが絡み、
透明感のあるコーラスが歌に寄り添い、所々にクラップなどのアクセントも加えて。
空は晴れていて、そよ風がたなびいていて、青々とした草花が風に揺られ・・・
そんな牧歌的な情景が浮かぶほど、心地良くなってきます。

「繊細で、メジャーコードメインで、少し拙い歌がハマって、心地良くて」というと
ジョージ・ハリスン(この人も立ち位置が何かとイハとかぶる)の名作ソロ
「All Things Must Pass(オール・シングス・マスト・パス)」が浮かび、
どちらもお気に入りで、聴いていてちょっぴり似た印象を受けましたが、良い意味で違います。
「All Things~」は神々しく、空高くそびえ立つ建築物のようで、「偉大」という感じ。
空の上から、不器用な神様が、キラキラと宝石のように輝くパンを降らせ、
飢えた民のお腹を満たし、民は神の恵みを享受できることに感謝の祈りを捧げる、みたいな。
(聖書のエピソードです。ジョージはヒンドゥー教徒なので、適切な例えじゃないかも・・・)
対して「Let It~」は、そこから神々しさや仰々しさを一切取り除き、
優しさや美しさはそのままに、新たに親しみやすさ、なじみやすさを加えた感じがします。
青い空を見上げながらぼんやりベンチに座っていると、気がつけば自分の隣にイハがいて、
アコギ片手に歌ってくれて、楽しくなって自分まで一緒に歌い出しちゃうような。
この「親しみやすさ、なじみやすさ」も、イハらしさの重要な項目ですね。


本作をモノに例えるなら、履き古したお気に入りのジーンズ
あちこちボロボロで、擦り切れていて、高級ブランドの品ではないんだけど
よく見ると、素材や縫製やデザインや製造工程にかなりこだわっていて、
自分のからだにほどよくフィットするので、ついついヘビロテしちゃうような。


リリース当初は「ソロ2ndも作るつもりだよ」って言ってたはずなんですが
あれから10年以上の月日が経ち・・・。
まだかなぁ・・・
もうやる気ない?そんなこと言わないで!
楽しみにしているリスナーは、まだまだいるんですよ~。




F1記事に疲れ、別件で調べ物が山ほどあって、FCブログをしばらく開けずにいたんですが
久々に来て、アクセス解析を見たら、大分前に書いたジョン・フルシアンテの記事が
検索で結構見にきてくださっていることがわかり、一生懸命書いたかいがあった!と歓喜しました。
F1記事でweb拍手を頂いた時も嬉しかったなぁ。反響があると、やりがいを感じますよね。
よしっ、これからも(まったりと)コツコツ、良い記事目指して書いていくぞー!
読んでくださった方、ありがとうございます。気が向いたらまた遊びに来ていただけると嬉しいです。


※追記(2012/2/14)
なっなんと、イハの2ndが出るって!
やったァァァ!辛抱強く待っていた甲斐があった!
本当は、諦めかけていたんですが・・・
ともあれブラボー!!!



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