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ウルフルズ:後編 9「『アホ』を武器に、4人が一つにまとまって、この世界をサヴァイヴせよ!強靱でキレのよい、文句なしの傑作」

トータス松本が自ら「ベストアルバム以外で、何か1枚人に勧めるなら
これを選ぶ」と豪語したという、会心の出来の9thアルバム「」が
ウルフルズの記事、後半戦のメインです。

99
(2005/02/23)
ウルフルズ

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オリコン初登場順位6位(あえて9を逆さまにした順位なのが何とも)と、
セールスもさることながら、メンバー全員、心技体がひとつになったタイトな演奏、
時にパワフルで時に繊細な「ウルフルズ節」がひとつの無駄なくしみわたる楽曲、
そしてきっと、トータス、ウルフルケイスケ(ケーヤン)、
ジョン・B・チョッパー(ジョンB)、サンコンJr.(サンコン)4人の息もツーカーで
ウルフルズの歴史のなかで最も脂が乗り、気合いも入っていたとおぼしき時期。
タイトル通り全9曲で40分足らずと簡潔。捨て曲なし。
ウルフルズのCDのなかで何が一番好きか、オススメかと聞かれたら、
迷わずガッと挙げる、大プッシュの一枚です。
お値段も2,300円と何気にお買い得だったり。

バカサバイバーバカサバイバー
(2004/11/03)
ウルフルズ

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先日、またひとりカラオケに行った時、ウルフルズを歌ったんですが
その時にさりげなくTOP20をチェックしたら、
定番の「ガッツだぜ!!」「バンザイ~好きでよかった~」「明日があるさ」等に続き、
何と6位に本作#1で先行シングルの「バカサバイバー」が!!
因みに、4位は確か「それが答えだ!」で、「笑えれば」が5位。
「笑えれば」意外に見えて実はオリコン順位もよく、先日の「未来シアター」でも
ジーンズ職人さんのテーマソングになってましたね。
で私は「暴れだす」(後述)を歌ったのですが、この曲はベスト20ギリギリで意外。
活動休止前最後のオリコントップ10入りの曲だし、もっと人気あるイメージだったのに。

しかしまぁ。バカサバイバー、本人映像ヴァージョン(PV)のカラオケだったんですが
やっぱ何遍観てもこのPVはクソおもろw
ゲラゲラ笑っちゃって、ある意味見入っちゃって、歌うどころじゃなくなってしまいました。
バカサバイバー1
全体的にパンクスっぽく、トータスはSM風情のキケンな帽子とグラサンで威嚇し、
背中には「BAKA SURVIVOR」って縫い込んであって間違ったヤンキー、突き抜けてます。
キヨシローさんふうにアイメイクして赤レザーのスーツ着てるジョンB(詳細は後ほど)、
最後にこうやって出てきてるのは演奏放棄(笑)のサンコン、通常営業?のケーヤン。
あとなぜか突然脈絡なく、ババーンとごついバイクに跨ったトータスが出てくる(笑)

みんなとは違うベクトルで笑いが止まらないジョンBのターンw
バカサバイバー2
2番では画像の左半分がジョンB。こうやっておめかしウフフして彼女?を待つも
歌詞とリンクしてフラれた結果、シャツやスーツをぶん回してかなぐり捨て、
右側の映像(トータスと背中合わせしたりとパンクス風情で大暴れ)に繋がる。
ネタキャラ以外の何者でもないですなぁ。いやはや、ゆかい、ゆかい。(ひとごと)

「B・A・K・A SURVIVOR」(ビー・エー・ケー・エーと一文字ずつカタカナ読みする)って
みんなで歌うとか、もうアホ通り越して本当にバカだなwと笑いつつも、
寛容の「ええねん」の境地を超えて、「サヴァイヴ」というもっとひりつくやり方へと、
現実との向き合い方が大きく変わっているのが象徴的。
ケーヤンが作詞作曲してCMタイアップもついた#9「まいどハッピー」も、
一見するとお気楽なのだけど、よく見るとスマイルしながら挑戦状を叩きつけていたり。

よさげなムードにムカつけ
意味のない言葉に突っ込め
見た目も中身も濃い目
悲しい話で笑え


#2「ゼンシン・イン・ザ・ストリート」で歌われるように
「合い言葉はAAP(=アホアホパワー)」。
「アホ」を武器に、4人が一つにまとまって、この世界をサヴァイヴしていこうという
強い意志が全体に貫かれています。


胸を強く打つハート・ウォーミングな歌もいままで以上に強靱に。
#3「」、聴いていて全員のパッションに打たれて泣きそうになってきます。

ぼくが笑い飛ばす歌
君が笑い転げる歌
ぼくが酔いしれる歌
君が涙ぐむ歌
ぼくが叫びまくる歌
君が泣きじゃくる歌 歌 歌
歌! 歌!
ぼくは君に ぼくの歌を歌う
君もぼくと いっしょに歌ってくれ


トータスの歌に込められた熱量が物凄く、圧倒されます。
怒濤の勢いで一気にたたみかけるサンコンのドラムも聴きごたえをプラス。

そして#10「暴れだす」。(アルバム収録はfull version)

暴れだす/大丈夫暴れだす/大丈夫
(2005/01/13)
ウルフルズ

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わいも君が泣いちゃうPVもなんとも心温まる作品でぜひ観ていただきたいですが、
大人になるほどギクリとする歌詞と、シンプルで優しいメロディが素晴らしい曲。
なかでも個人的にグサッと刺さるフレーズがこちら。

オトナになって やることやって
ケガの数だけ 小さくなって


「サヴァイヴ」「AAP」で強気に攻めてみても、心はときどき苦しさや不安でいっぱい。
ここでホンネをきっちり吐露しているからこそ、全体の強さに説得力が出ています。

臆することなくズバッと切り込んで、そのまま快速で一気にゴールまで走り抜ける。
キレのよいアルバム。紛うことなく傑作です。



さて、「9」以降のウルフルズはといえば。
ウルフルズ1
トータスが侍姿に扮して歌う姿がよく似合っていてかっこいい「サムライソウル
こちらはオリジナルアルバムには未収録。
よく似てると言われているけど、香川照之さんではありません(笑)

サムライソウルサムライソウル
(2006/01/25)
ウルフルズ

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それから同年には、愛をテーマにしたアルバム「YOU」もリリース。

YOUYOU
(2006/03/08)
ウルフルズ

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・・・と、ここまでは割といい流れで来たと思うんですが、翌年からのリリースは
それまで居た東芝EMIからワーナーに移籍して。
この移籍は誰の意思なのか?どうも理由も目的も釈然としない上に、
バンドの方向性も悪い意味で変わってしまったような。

KEEP ON,MOVE ONKEEP ON,MOVE ON
(2007/12/12)
ウルフルズ

商品詳細を見る

現時点では最後のオリジナルアルバムである「KEEP ON,MOVE ON」は
ジャケットこそスタイリッシュなものの、クレジットはトータス+アレンジの伊藤銀次氏一色、
音からは他のメンバーの姿が、そして存在意義が見えてこない。
セールスは良かったようですが、何かモヤモヤしたものを感じているところに
09年、まさかの?必然の?活動休止宣言。
「KEEP ON~」のトリを締めくくるのが「四人」という曲であったのが苦く残り・・・。
ウルフルズ2
この頃からトータスがソロでライヴをしたりシングルやアルバムをリリースしたりしており、
またWikiではトータス以外のメンバーが09年以降ワーナーに所属していなかったり
といった所から、トータスのソロ専業?トータス以外のメンバーを切る目的?
という見方がありますが、一方で噂として少なからず耳にしたことがあるのが、
メンバー間の不仲、お金に関する内輪モメ・・・。
ウルフルズのギャラはまず全てリーダーのケーヤンに行き、そこから各メンバーへ配分される
制度への不満だとか、トータスVSケーヤン・サンコンの対立で、ジョンBの一時脱退もトータスに
耐えられなかったためだとか、トータスの独裁状態に対する他メンバーの不満だとか・・・・・・。
だから寧ろトータスの現状は「ウルフルズをやりたくても出来なくなって、
やむなくソロで活動するしかなくなった」結果だという説も・・・。
メンバー間の絆を前面に押し出してきたバンドが「不仲」「お金」を原因に仲違いするなんて
あまりにもやるせない。しかし、バンドは人間関係であって、ビジネスでもあるもので。
トータス一人を悪者とみなす向きもちょくちょくあるようですが、バンドは4人で成り立って
いるものだから、誰か一人だけのせいにはならないのではと思います。
3人のメンバーも決して黙っているわけではなくて、それぞれソロ活動を行っているようです。
あまり表舞台には登場しませんが・・・

演奏は確かにトータスのスタジオミュージシャンやツアーメンバーの方が上手かもしれない、
だけど何かが物足りない。
うまくはなくても、ケーヤン、ジョンB、サンコンの演奏には味があり、
なにより「この4人」でなくてはならないという必然感がありました。
今はもう、無くなってしまったのかもしれないけれど。
再結成(再始動)は諦めて各々の活動に期待するのが一番建設的ですが、
ユニコーンのような例もあるし、気長に待ってみるのもいいのかもしれません。

もう忘れられてしまったかもしれない、固い絆で結ばれた「この4人」だった頃のこと。
ちょっと淋しいよ」そう本音を零して本稿を終わりにしたいと思います。



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