2017-07

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【CDレビュー・感想】ゴンチチ:Merry Christmas with GONTITIなど詰め合わせ【ラジオ】

いつもその音楽への情熱に圧倒されている、オトシンさんのブログ
ロックじゃない奴はろくでなし」に影響を受け、
ゴンチチの音楽を聴いてみようと思いました。
音楽通の人が勧めてくれる音楽にハズレはないはず!と思うも、
初めて聴く音楽だったから、不安もありました。
にも関わらず、チャレンジして、もうすっかり夢中です。
それで今回は、ゴンチチの音楽感想詰め合わせになります。


棚に並ぶたくさんのゴンチチのCD。
途方に暮れながら、何枚かを選び出し、試聴機にかけてみた。
そこで最初の一音からピンときたのが、この1枚。
Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~

Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~
(2010/11/24)
ゴンチチ

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ステンドグラスみたいな、オシャレでかわいらしいジャケット。
CD棚に立てかけて飾ってある。
このジャケットは、ゴンチチのリードギター、ゴンザレス三上さんが
デザインに関わっているという。
ブックレットを開いてみると、ジャケットと同じ意匠で貫かれ、
見ているだけでハッピーで、満たされた気持ちになる。

私は今まで、クリスマス用に音楽を用意しようという考えがなかった。
クリスマス以外には使えないじゃないかと考えて、はなっから聴かず、
手にも取らなかった。
ところが、このアルバムは、試聴した瞬間、
「あ、当たり」と分かった。
家に連れて帰ると、見事、名作。
トラディショナルなどの既存のクリスマスソングが7曲。
ゴンチチのオリジナル曲は、過去作から4曲、
このアルバムのための作りおろしが4曲、収められている。
湿った、少しくぐもった感じの、一音一音大切に紡がれるギターがいい。
雪に包み込まれるような温もりを感じる。
クリスマスといわず、冬ならいつでも、とりわけ朝にピッタリ。

夏にフラやハワイ音楽のCDを集めたことがあったが、
それと同じように、冬はこのCDを聴きたい。


入門編として、ベストアルバムも手に取った。
Gontiti Recommends Gontiti

ゴンチチ・レコメンズ・ゴンチチゴンチチ・レコメンズ・ゴンチチ
(2003/07/30)
GONTITI

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現在、オールタイムベストがリリースされているようだが、
本作は2003年にリリースされた、ゴンチチ結成25周年、デビュー20周年を
記念した2枚組アルバムである。
打ち込みサウンドを取り入れたアーバンな楽曲が多い「Out side」と
ストリングス・アレンジやアコースティックな楽曲が多い「In side」。
私は、しっとりパウンドケーキのような「In side」が好きで、
先に紹介したクリスマス・アルバムの続きのつもりで聴いて楽しんでいるが、
あっさりレモンケーキのような「Out side」も、明るく爽やかに聴けていい。
「In side」の#21「放課後の音楽室」は、きっと誰もが
「ああ、これ聴いたことある!」となるはず。私はCMで聴いた覚えがある。
リラクゼーションCDの最大手・imageシリーズにも、何度も収録されている。
本作には、ライヴヴァージョンが収められている。穏やかな日だまりのような演奏だ。

ブックレットには、ゴンザレス三上さんと、サイドギターのチチ松村さんの
スペシャルインタビューがあり、結成秘話から2003年までの歩みが
1983年からの膨大なディスコグラフィーと共に語られている。
そして圧巻なのがAnniversary Commentで、総勢40人ものコメントが!
ミュージシャンから俳優、作家まで、幅広い分野の面々が揃っている。
竹中直人さん、原田知世さん、宮崎美子さん、五木寛之さんといった
一風変わった顔ぶれも。

彼らの音楽について、言葉であれこれ細かく説明する語彙力や知識は私にはない。
言葉であれこれ分析したり言及したりする音楽ではないようにも思える。
歌詞がなくても、技巧やうんちくに走らなくても、ラウドな音を鳴らさなくても、
「くつろぐこと」「心地良いこと」を追い求め、多くの人に伝わり、支持される。
「イージーリスニング」というジャンルを他の音楽より一段下に見ていたが、
「くつろげる音楽」「心地良い音楽」とはこんなにも価値があるのか。
普遍を突き詰めると粋に辿り着く、その逆も然り。

まるで、ツウが集まるコーヒー店。
でも一度来ると結構誰でも常連になれる、みたいな。


ゴンチチのCDは触れなくても、このようなかたちでいつも耳にしている、という
人もいるのではないだろうか。
私は今日初めて聴いた。
NHK-FMで土曜9時~11時に放送している、ゴンチチがMCを務める長寿番組、
世界の快適音楽セレクション」。
とことんジャンルレス。ゴンチチの曲に始まり、クラシック、ジャズ、
ワールドミュージック、ロック・・・
演歌や歌謡曲まで流れることもあるようだ。
居心地のよい曲、たまに不思議な曲が、2時間いっぱい詰め込まれている。
一応毎回テーマがあって、それに沿った音楽を
ゴンチチの二人と音楽評論家(週替わり)が持ち寄って紹介していく。
テーマがまたユニーク。ウェブサイトで過去3ヶ月の放送リストを見たら、
「7と5と0の音楽」とか、「ひざと看板とスプーンの音楽」とか、なんじゃそりゃ。
今日は年の暮れということで「年末恒例大蔵ざらえ」というテーマ(?)、
お気に入りだけどこれまでのテーマに入らなかった曲が紹介された。
トークは、しゃべりすぎずしゃべらなさすぎる、丁度良い具合。
途中で数回ミニコーナーが入ったが、これも音楽ネタで、長すぎず、軽妙。
まだ聴き始めだからコーナーの魅力まではわからなかった(笑)
「快適ジュークボックス」というキャッチコピーでもつけたくなるラジオ。
ただ、9時~11時は二度寝していたいので、録音して聴けたら良いのだが、
ラジオ自体を久しぶりに聴いたぐらいだし、まだちょっと難しい。
二度寝防止ってことにしようか。
夜や夕方に放送していた時期があったらしい、それすごく羨ましい。


ずっと軽視してきた「くつろぐこと」「居心地のよさ」。
そういうものをもっと大事にしたほうがいいよ、と
ゴンチチの二人にそろりと囁かれたような気がします。
理屈ではなく、感覚が素直に求めるもの。
頭でものを手に取ったり買ったりするのはやめて、
感覚が欲しがるものを五感に与えたい。
そんなことを考えながら、できるだけゆったりなごみながら、記事を書きました。
理屈人間の私にはなかなかできないんですが、今後も、いいヒントになるかと。


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【CDレビュー・感想】LUNA SEA:LUNACY

また、このブログらしくもなく、90年代の邦楽バンドの作品です。
時々取り出して聴いてしまう、LUNA SEAのアルバム「LUNACY」。
2000年に彼らは「終幕」して、2007年のライヴ、2010年の「REBOOT」宣言まで
長い沈黙を続けるのですが、その「終幕」前最後の作品がこれ。
昨年リリースされた新作よりもやっぱり好きなこのアルバムを
今回は感想/レビューしちゃいます。


まずジャケットが好みどストライク。

LUNACYLUNACY
(2000/07/12)
LUNA SEA、DJ KRUSH 他

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こういうシンプルで先鋭的なデザインが個人的に大好きなのである。
私は基本的に、ヴィジュアル系の様式美などにはまるで興味のない人間なので、
それまでの彼らの音源にはあまり親しみを持てなかった。
けれど本作は、ヴィジュアル系という枠組みをほぼすっかり外れたロックアルバムだ。
洋楽志向でガッツリ攻めて、私のツボを今でも突きまくる。
前作「SHINE」からその傾向が増していたが、本作はそれを更に突き進めた。
「LUNA SEA」というバンドの作品としては「らしくない」作品のさいはてなのだが、
それゆえに今に至るまで「このアルバムがいい」という根強いファンを生んでいるように思う。

以下、各曲ごとにみていく。

1.Be Awake
疾走感溢れる、爽やかでダイナミックな曲、爽やかすぎてLUNA SEAらしくないし、
なんかベタ。ぶっちゃけ苦手で、よく飛ばしてしまう。
「宇宙的に感じようよ」とは何ぞや(苦笑)
SUGIZOはあまり歌詞を手がけない方がいいような・・・・・・
宇宙的なギターソロは素晴らしいし、ギタリストとしては大好きなんだけど。

2.Sweetest Coma Again feat. DJ KRUSH
カッコ良すぎて、この曲だけどれだけリピートしたかわからない。
なぜシングルカットされなかったのか? feat.DJ KRUSHだから?
映画「007」の日本版エンディングテーマで、話題にもなったのに、もったいない。
徹底的にクール。前作で強すぎた「河村隆一」色がほどよく封じられ、
各パートが火花を散らすようにやりあっているのがあまりにスリリング。
Youtubeで終幕時のライヴ(FINAL ACT)を観ると、SUGIZOが腰を振りまくって煽っていて
盛り上がるところなのか笑うところなのかいい意味で迷ってしまう。

3.gravity
ドラマ・映画「アナザヘヴン」主題歌。オリコンで1位も獲っているシングル曲。
最近になってようやく魅力に開眼した曲。
やるせなくしどけない、鬱蒼とした曲を書かせたらINORANは随一だった。
今のINORANはもうこんな曲、書かないし書けないんだろうな。
INORANのアルペジオを主役にしたことで、SUGIZOのギターやJのベースがむしろ際立つ、
アンサンブルの妙を堪能できる曲でもある。

4.KISS feat. DJ KRUSH
直球でエロく、華やかで、都会の香りもする。
どくどく溢れ出してくるようなベースラインが淫ら。
SUGIZOとRYUICHIの組み合わせは#1も含め、どうも「あま~く」なる。
随所にサンプリングされた喘ぎ声はあのビビアン・スー(SUGIZOの当時の彼女)って本当?
DJ KRUSHはいい仕事しかしない。ベストマッチ。もっと色々やってみてもよかった。

5.4:00AM
乾いた午前4時のTOKYOのマンションの一室をミニマルなタッチで描き出した曲。
短編小説のような「ふぜいのある」上品な佳曲。
INORANの流れるようなアコースティックギターが美しい。
でも他のメンバーは持て余してる?と思っていると、ラストで一気に混沌に突入、
面目躍如となり、これまた、よくできた小説のオチのようである。

6.VIRGIN MARY
LUNA SEAのアルバムにはいつも中盤でプログレっぽい長尺の曲が入るようだが
それがここ、まさにど真ん中に鎮座する。
本作は「らしくない」作品と言ったけれど、唯一「らしさ」を残したのがこの曲かも。
幽玄の境地、耽美の世界。
シューゲイザーなギターのアプローチのおかげで退屈しない。

7.white out
ズブズブな#6から一転して、甘く温かくあっさりとした曲。
INORANの曲なんだけど、とても河村隆一的なのはなぜか。
曲が淡いあまりヴォーカルに呑まれたか?
クセのあるギターソロがユニーク。

8.a Vision
ストレートで豪胆な、Jらしい曲。のちのJソロ曲まんまともいえる。
Jの曲ではRYUICHIはタイトに歌ってくれるので、
華美になりすぎず聴きやすい。
大きな点でひとつひとつ刻み込んでいくようなベースソロがキく。

9.FEEL
#4「KISS」の延長線上にあるような妖しく悩ましい曲。そういえばタイトルの
文字数も同じで、間奏でもサンプリングされているし、意図的に繋がっているかも。
悩ましい曲を書かせるとSUGIZOがうまい。
サビの転調が妖しさを一層アップ。
ヨコノリのグルーヴィーな曲に、イントロ~Aメロのタテノリでゴリゴリなリフ、
間奏のヴァイオリンや#4のサンプリングなど、いい具合に詰め込まれている。

10.TONIGHT
LUNA SEAがある意味、アイデンティティを全部投げちゃった曲。
これはこれでよいが、昔からのファンの絶望する姿が目に浮かんでしまう。
シングル曲だがセールスが振るわなかったのはこのせいか。
よくまとまっており、バンドものの王道の曲・アレンジなのだが、だからこそ
変化球が売りのこのバンドが演るという、違和感が半端ないわけだ。
こういう曲をシングルカットした時点で「終幕」の始まりだったのかも。

11.Crazy About You
ラストはスケール感のあるJの曲。
いい曲なんだけど、これがアルバムを締めているので後味がよくない。
J曲を最初に、SUGIZO曲をラストにもってくれば、
冒頭の違和感も、ラストの違和感もなかったと思うのだが。
この時期からのJ曲はどうもアメリカン・ロック色が強くて、
LUNA SEAらしさから乖離している感が強いので。


本作を発表してからほどなく、LUNA SEAは「終幕」を発表。
それも納得できるような、個を突き詰めた、全体のまとまりを欠いた1枚は、
しかし曲単体では最高水準にあり、
また、そのまとまらなさ、歪さが、本作独特の魅力となっている。
そして本作のリリースがほかならぬ2000年というのも重要だ。
これが1997年とか2002年なんかの作品だったなら、ただの駄作である。
「2000年」というカオスな時代の空気を、本作は巧みに切り取ったようにも感じられる。
REBOOT前、SUGIZOはLUNA SEAを振り返り「偉大なる失敗バンド」なんて
言っていたというけれど、それゆえに愛おしくなるのかもしれない。
歪で、過剰で、カオティックな、なんて素敵なバンド、素敵なアルバム。
メンバーが最高密度で力を出し、ぶつかり合ったからこそできた最高傑作。



さて、その後の、というか、現在のLUNA SEAですが、
多くの人がご存じのように、2013年、最新作「A WILL」をリリース。

A WILLA WILL
(2013/12/11)
LUNA SEA

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レビューを書こうとも思ったけれど、「何か違う」の連呼になりそうなのでやめました。
歳を重ねた重厚さもあるんですが、どうもあまり好きにはなれなかったし。
だいいち全員、顔をちょっとずつ(某メンバーは「だいぶ」)いじっている気がするし・・・・・・
それにやはり「LUNACY」が一番好きだと、嫌と言う程わかってしまったので。
あくまでも好みです。時間は逆戻りしないし、私もあの頃に戻ってと言う気はないです。
でも、この作品の不思議な魅力を、どうしても多くの人に知ってほしかった。
そんな熱情に突き動かされて、綴った記事でした。

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【CDレビュー・感想】BUGY CRAXONE:ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー【ライヴレポ】

今回の記事の主人公は、札幌出身で90年代末にデビューして今もしぶとく活動している
BUGY CRAXONEブージークラクション)というバンドです。
私は2002年頃に彼らの存在を音源で知り、翌年、ライヴに参戦、
以来、このバンドを10年以上にわたり応援しています。
最近は少し距離を置いていたのですが、先日、久しぶりにライヴに行ってきて、
それが素晴らしかったので、初めて記事にしてみます。


<ライヴレポ>
ブージーのライヴは、要所要所で音源以上のものを語っている部分があるので、
あえて今回の記事はライヴレポから始めたい。

現在のDr、ヤマダヨウイチ氏が加入する前、前任のドラマーが脱退してからの
作品から、急に音も歌詞もスカスカになり、「空っぽ?思考停止?」と戸惑った。
「もう、私の好きだったあの『魂に突き刺さる詞と音』を鳴らすブージーはいないのかも」
と幻滅。しばらく音源は集めず、ライヴにも行かず、静観していた。

2014年11月21日、私は気が変わって、久しぶりに
ブージーのライヴに行ってみようと思い立った。
会場は札幌COLONY。ここは、10年近く前、私が初めて彼らのライヴに足を運び、
鮮烈な洗礼を受けた場所である。
その日は冬で、Vo/Gtの鈴木由紀子氏(以下由紀子さん)が酸欠でぶっ倒れるという
とんでもないアクシデントが起きるという、インパクトのありすぎる出会いだった。
激情の演奏、叫びながらも正確で巧い歌、Gt/Choの笈川司氏のグレッチが鳴らす
豊かな響きのギター・・・・・・私は一発で虜になってしまった。
由紀子さん――あの頃は「ゆっこちゃん」――は、一種の聖域というか、女神というか、
我々の一段上に立っている存在だった。
彼女はそういうカリスマ性を備えたヴォーカリストなのだ。

あれから10年余りが経った。期待外れになる覚悟をかなりしながら、
この倦んだ日々のなかに何か刺激が得られないかと、「賭け」にも近い気持ちで
チケットを買い、何年かぶりにライヴハウス「COLONY」に足を運んだ。

そこには、あの頃と変わらない熱気があった。
10年前の曲を2曲演ったとき、あの尖っていた頃と寸分違わぬ激情と真摯さとが
剥き出しになって表れてきて、私は心底ほっとした。
でも、聞き慣れないポップで楽しい曲調の新譜たちをメインにした演奏にも、
違和感は不思議となかった。寧ろ、「丁度良いな」と感じた。
観る側(聴く側)も、演る側も、歳をとったということなのだろう。
そして、ブージーというバンドは、無理なく自然に歳を重ねて、音を奏で続けている。
10年が経ち、私も歳を取ったし、周りの観客は若い子からシニア層までいた。
ステージ上のメンバーも歳を重ね、変わらないようで、少し落ち着いた感があった。
Ba/Choの旭司氏は、相変わらず黒ずくめで、ニコニコで、「変わってないなぁ」と
可笑しくなってしまったけれども。(ちょっと体型が豊かになったかな?)
でも、それが、「自然に楽しく、でも熱量は変わらない」時間を過ごせた理由だと思う。
楽しかった。メンバー4人と一緒に私(たち)もたくさん笑い、頭を振って踊った。

ただ、少し淋しいのは、私も含め長年のファンは、どこかで昔の面影を求め、期待して
今の彼らを受け入れている、受け入れようとしているということだ。
昔の曲のイントロが流れると、会場の雰囲気が一気に変わる。
待ち望んでいたというように。
「あの頃のブージー」がやっと表れた。そんな本音が、率直な身体の反応で露わになる。
だから、以前なら絶対になかった、由紀子さん自ら物販でグッズを捌く姿は、
ありがたさと同時に、何かやるせなかった。
大袈裟に言うなら、女神が地上に降りて同じ人間として息を吸って、目の前にいるのだ。
普段はバイトでもして生計を立ててるんだろうな、何してるんだろうな、
そんなかつてはタブーだった想像を、容易にしてしまう自分に戸惑った。
身近なのはいいけど、幻想が壊れるようで少し興ざめ、というやつなのだ。
今でもファンの多くは、由紀子さんに対して、一種の夢を見続けているのだと思う。
その夢や幻想ゆえに足を運んでいるファンは決して少なくないはずだ。
そして、それが、今でも変わらず、ブージーの大きな魅力のひとつなのである。


<CDレビュー・感想>
さて、やっと音源の話をする。

ナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピーナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピー
(2014/06/18)
BUGY CRAXONE

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6月にリリースされた音源だが、対バンのMCによると、今回参戦したライヴは
本作のレコ発ライヴだというので、ライヴ後に思わずその場で買ってしまった1枚。
タワレコででも買えばポイントも貯まるのに、ライヴの勢いで、今すぐ買わずにいられず、
つい衝動買いをしたのだ。
けれど今は11月・・・・・・レコ発って本当なのか?勘違いして買っちゃったんだろうか?
家でリリース日を確かめて以来、ずっとモヤモヤしている。
でも、2,700円はたくだけの価値はある良作だったから、モトは取れたので、よしとする。

軽快だけど思考停止じゃない
近作に対して「ユルすぎない?」と感じていたとは序盤にも書いたが、
本作「ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー」は、
軽快なタッチな中にも、ほどよい重厚感、密度が戻っているように感じられた。
80sのガールポップを思わせる、ちょっと懐かしいテイストを纏いながら、
子どもか頭の足りない人(失礼)が書いたかのように見せかけた歌詞を綴りながら、
決してそれは思考停止にはなっていないと。
以前の彼らは、「世知辛い」「生きにくい」と正面から歌い、奏でていて、
我々ファンはその姿に、信仰に近い愛情を抱いていたのだけれど、
時間が経ってメンバー4人(メンバーチェンジ含め)が大人になったことで、
「そこまで根を詰めて考えたってしょうがないでしょ」
「生きにくいけど、世知辛いけど、楽しくやっていこう?」と
シンプルな生き方に辿り着いたように感じられる。
また新しいかたちで、自分の今いる大地を見据えて、
そのうえで軽快にダンスしていることがわかる音楽になった。

音楽的アプローチも変えていく
音も詞も客観的になり、ゆとりが生まれた。
魂がどうとか、なぜ生きる・どう生きるとか、そういった感情の追求ばかりでなく、
音自体を「楽しむ」要素が増えている。
シリアスな曲調のパンクロックから、メジャーコードを多用したロック/ポップスへ。
以前にはなかった、80sシティ派ポップスみたいなジャジーな#4
「のー ふらすとれーしょん」といった楽曲もみられて、耳でも楽しい。
また、由紀子さんの歌に対するアプローチも変わった。
以前は刺すような少年性で勝負していて、多くの曲の一人称は「僕」「ボク」だった。
それが何年か前から少しずつ変わっていって、ロックをがっしり歌い上げるよりも
コケティッシュな少女性を前面に出し、結果、角砂糖みたいに甘くサラサラ透き通る、
ヴォーカリストとしての新しい魅力を引き出すことに成功している。

少年少女の感受性をもったまま大人になるということ
哲学的ですらあった初期~中期から変化して、近年の歌詞は「あえて軽快」だ。
考えていないわけじゃない。
例えば#5「わかってきたよ」では、こう歌っている。

ひとりひとりちがうってことを
やっとわかってきたとおもうの
どんなこともやるってきめて
ジャンプしたらむげんのせかい

Live いきてるってこと
Life たのしむってこと


若いバンドがこんなことを歌っていたら、「世間知らずのスカスカなバンド」だと
苦笑混じりで通り過ぎられてしまうだろう。
これは、それまで気を張った表現をしてきた、真っ正面から対峙しすぎてきた
ベテランのバンドが今ようやくこう歌うから説得力があるのだ。
ひらがな、というのも、これまた肝要だと、音源で聴くとわかる仕掛けである。
「Live 生きてるってこと」じゃ、この声やこの曲には重たすぎるし、説教くさくなってしまう。

彼らの現在のスタンスがよりわかるのが、#7「GO GO シリアス」という緩やかな曲。

なんかおかしいし なんかくるっている
そんなことくらい さぁ こえてすすめ

GO GO シリアス
これがせかいさ

花のようにじぶんのように
せかいをみてられたら
あとは上出来だと笑っちゃうの


世界はおかしいとも狂っているともよくわかっていて、
そのうえで奏でる「ウィー アー ハッピー」な音楽なのだ。
これは新たなる立ち向かい方、少年少女の感受性を持った大人のやり方。
心地よく、でもずっと、転がり続けていく。ライク ア ローリング ストーンってやつだ。
このバンドらしい、新たな地平が広がっている。

実は今が一番売れてる
Wikipediaを見ると、驚くことに、近年~現在の方向性が、過去のどの時期よりも
オリコンチャートの順位が良いのである。
メジャーレーベルに属していた90年代後半~00年代前半、
北海道の大規模なロックフェス「ライジングサン・ロックフェスティバル」の出場を果たしたり
怒髪天主催のレーベル「「Northern Blossom Records」に所属になった00年代中盤よりも。
このバンドは本当に山あり谷ありだと思う。
メンバーチェンジも多いし、音楽性もよく変わるし、安定するということがない。
そんな彼らが、15年近くやり続けた今、セールス的に最盛期にあるなんて。
思えば先日のライヴで観客の層が広かったのはそういうことかもしれない。
観客も60人くらいびっしりと埋まっていて、「もしかして客、増えてない?」と驚いた。
こんなことがあるものなのか。
てっきり斜陽の道を辿っているものとばかり思っていたから(自分のアンテナに
引っかからない、変化を受け入れられないという理由だけで)、未だに信じられない。
確かに、より、万人が入っていける音楽になった。
10年前くらいの時期の作風に思い入れが強い私はまだ戸惑いを隠せないけれども、
これが彼らの現在なのである。
長くやっていくというのはそういうこと。
柔軟で、変わり続けていきながら、
変わらずもあり続けるということなのであろう。



こんなに長く活動していられて、愛され続けていられるなんて凄いなぁと、
あの日出会った場所で、私は感無量になっていました。
その理由こそ、「空っぽ」だと思っていた近年の作品に、
めっきり足が遠のいていたライヴにあったのは、
まさに「百聞は一見にしかず」でした。
たった一夜のライヴ、たった1枚のCDに、
私はあまりにも多くのことを教わったのです。
一人でも多くの人に、彼らの音源やライヴに触れてほしいと
今でも、今こそ、強く願ってやみません。

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【CDレビュー・感想】FLiP:LOVE TOXICITY

私が1stアルバムから動向をチェックしているガールズバンド、FLiPの3rdアルバムが
昨年の6月に発表されました。
作品は当然昨年のうちにチェックしていたのですが、諸般の事情で
記事化はお流れになっていました。
それを今回、満を持して書いてみたいと思います。



LOVE TOXiCiTY(初回生産限定盤)(DVD付)LOVE TOXiCiTY(初回生産限定盤)(DVD付)
(2013/06/26)
FLiP

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ジャケットでまず語る
1stや2ndのジャケットとは違い、ヴォーカル/ギターのサチコが一人で映るジャケット。
背中ヌードに近い、SMを連想させる過激なファッションが目を引く。
1stや2ndは「かわいくてかっこよくて親しみやすい4人のメンバー」を売りにしていたのに
本作は一転してハードに。
このアルバムを象徴しているようなビジュアル、ジャケットだ。

個々の個性よりも完成度重視
1stや2ndでは、ギターのユウコやベースのサヤカもちょくちょく作詞していたが、
本作ではサチコが一貫して全ての詞を手がけている。
作曲と編曲はFLiP全員で。
それまでは、シングル曲などはサチコと、プロデューサーのいしわたり淳治氏が
多くの作詞作曲を手がけて、アルバムではユウコやサヤカも加わるというふうだったが
いしわたり氏が離れた本作ではセルフプロデュースに挑戦。
もともと安定した作詞作曲ができていたサチコ中心になった。
そもそものメディアなどでの取り上げられ方もサチコがメインだったので、
世間からの見られ方と実態がリンクする出来といっていいのかもしれない。
その結果、アルバム全体が一貫した完成度、雰囲気を保っている。

「いしわたり淳治プロデュース」のコーティングを剥がして
実際には「剥がされて」「捨てられて」と言った方が正しいのかもしれない。
なにせ手をかけたのに売れなかったのだから・・・・・・
でも、彼女達自ら「セルフプロデュースをしてみたい」と願い出たのかもしれない。
元々FLiPは全部自らでやっていたのだから。
チャットモンチー、9mm Parabellum Bullet、ねごと、NICO Touches the Wallsを手がけた
ヒット請負人のいしわたり氏による「伝わるため、売れるため」のポップなコーティングが
それまでのFLiPの作品をある程度世の中に知らしめてきたけれど、
本来の彼女達の表現したいもの、素の姿との乖離が生じてきたということもありそうだ。
なにせ、キャッチコピーは
「影と光の間に潜むのは未熟ながらも今を生きるもう一人の人格たち」なのだ。
1stや2nd、特に2ndは「光」の側面を強調したアルバムだったので、その反動として
「影」の側面が前に出てきても不思議はない。
そうして、詞・曲・アレンジ共にダークでハードなアルバムが出来上がった。

絶望のほとりから空を見上げて
甘いコーティングを剥がして、剥き出しになったのは、悲痛な叫び、痛み、闇。
ほぼ一貫して主人公は飢えているといっても過言ではない。
例えば、#2「カミングアウト」のサビでは、こう歌い上げる。

その手のばしてよ あたしの首まで
口約束はいらないの 今に夢を見ていたいの
そうでしょう? 空っぽな心であなたを感じたい
何度も狂わせて


Aメロでは「いじめてよもっと」なんて、ジャケット写真にも繋がる
更に過激なフレーズが出てくる。
アルバム全編にわたり、音も刺すように鋭角的で、ささくれ立っている。
その絶望がさいはてに達するのが#6「a will」の遺書風の歌詞で、ちょっと怖い。

どれくらいの愛があればいいのでしょうか。
どれくらいの愛を知れば愛せますか。
君と触れあう時間だけ微かな鼓動感じてたの。
たぶん愛を知らないまま愛していたから。


Coccoの歌詞のように重くて、山田詠美の小説のように淫らでもある。
「今日が終わる頃には世界は綺麗よ。
だって私の醜い身体が消えるの。」という直接的なくだりも出てきて
それまでのFLiPを知っているファンは戸惑ったことだろう。
売れない、プロデューサーに捨てられた、が実態であったなら、
そのくらい病んでしまっても無理もない。
しかしこれはなかなかに堕ちているな。

開き直れ!
これだけハードで病んでいる作品が、それでも聴けるのは、
根底にある、彼女達自らが持っているポップさ、そして地力であろう。
最後の#11「Bat Boy! Bar Girl!」ではこう宣言している。

Bat Boy! Bat Girl! 太陽より
Sing a song! Sing a song! 眩しいもの
Bat Boy! Bat Girl! 闇に光る
Sing a song! Sing a song! タカラモノを
飛びたて翼ひろげて 逆さまのこの世界
Bat Boy! Bat Girl! たとえそれが
Sing a song! Sing a song! ニセモノでも


ヤケクソ感が漂うともいえるが、響きは力強い。
カーンとホームランを放ったような聴き応えだ。
FLiPらしいダイナミックな歌声や演奏は、本作においても一貫しているので
繰り返し聴けば、今までの世界と地続きであることがわかる。
そもそも#1「タランチュラ」のBメロで既にこう言っているのである。

それでも死なない あたしは死なない


病みかかっていようと彼女達は死なない。
本作は、どんなになっても負けない、という、明確な意思表明なのだ。
結局、本作も「らしさ」は何一つ失われていない。
「らしくないけどらしい」アルバムだといえそうだ。

明るいものばかりもてはやされる世相へのカウンター
いつからか、重たい表現で勝負するバンドやソロアーティストを
あまり見なくなった。
重たい表現でやってきた面々が、いつの間にか方向転換していたり。
誕生日パーティーみたいに明るくて脳天気なバンド、
ほわんふわんととりとめのない綿菓子のようなソロシンガー。
重苦しい表現が排除され、「あかるい」「やさしい」ものばかりが重宝されるような
風潮はないだろうか?
FLiPは、そんな世相にもの申そう、一矢報いようとしたのではないか、とも感じた。
いつでも誰にでも出来ることではない、売れなくなるというリスクがあるから。
でも4人はその茨の道をあえて選んだ。
最後にひと花咲かせようと言わんばかりに・・・・・・。
その思い切りこそ、ロック。
売上を落とす結果になったかもしれないが、私が本作のことを忘れられなかったのは
彼女達のそんな根性が胸に響いていたからだろう。


2014年10月、FLiPは事務所を移籍し、新作シングル「GIRL」をリリース。
オフィシャルサイトのトップ画像にもあるように、
今ではすっかり、売れ線というか守備路線の「ガーリー」にイメチェンしています。
垢抜けてかわいいけれど、これは彼女達の本音か? 今更感も・・・・・・。うーん。
FLiPが3rdアルバムで過激で暗い路線を試みたのは、リスキーな挑戦ができる
最後のチャンスだと分かっていたから、
「遺書(a wlii)」は、本音で勝負できる表舞台に向けて発されたものなのかもしれません。
個人的にはちょっと残念ですが、生き残っていくため。
これからが彼女達の本当の勝負どころだから、まだ見守っていようと思います。
ライヴ行きたいなぁ。もっと幅広く全国を回ってくれたらと願うのですが、厳しいでしょうか。
ああ、行けるうちに行っておけば良かった。


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【CDレビュー/感想】TM NETWORK:BEST TRACKS~A MESSAGE TO THE NEXT GENERATION~

前回、前身的バンド「SPEEDWAY」のアルバムを紹介した続きとして、
今回はTM NETWORKのベストアルバムを。
以前、シングル・ベストの「TIME CAPSULE」を入手して、ずっと聴いていたのですが
再始動前の音源をシングルからアルバムまで網羅して15曲選んだこのベストも
興味深いセレクションなので。
実はベストアルバムの感想・レビューって初めてなので
試行錯誤のつもりでやってみます。


BEST TRACKS 〜A message to the next generation〜という
入力に骨が折れる長いタイトル、まあ凝り性の彼ららしいっちゃらしい。

BEST TRACKS~A message to the next generation~BEST TRACKS~A message to the next generation~
(2000/03/23)
TM NETWORK:TMN、TM NETWORK 他

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活動の一時期には「TMN」名義だったこともあり、ジャケットには「TMN」の三文字が
まず冠されている。
2000年、レコード会社移籍に伴い、旧レコード会社がメンバーの意向に関係なく
リリースしたものだが、このセレクションからかえって
メンバーの外側から見たTMが見えてくるかと考えた。
全曲感想・レビューをしながら、このユニットを概観してみたい。

1.LOVE TRAIN
一番売れたシングルが最初に入っているといういやらしい作り(笑)
活動休止前最後のアルバム「EXPO」の時期の曲。
90年代の音楽が青春という世代の私は、この曲がTMの曲のなかで最も好きで、
最も耳馴染みがある。幼少期、F1中継のCMで、カメリアダイアモンドのテーマソングに
なっていたこの曲をぼちぼち耳にした記憶があるのだ。
今聴いても古びない泣きのギターと、対照的に時代を感じる機械的なドラムビートの
イントロだけでもうロマンティックで、心をぐっと掴まれる。
そのまま切なく駆け抜けて、最後の転調がたまらなく盛り上がる!
夏が舞台なのに冬が妙に似合う気がするのはなぜだろう。

2.BE TOGETHER
2000年にTMを初めて聴く世代に向けて作られたとおぼしきこのアルバムらしく
前年にリリースされて大ヒットした鈴木あみ(現・鈴木亜美)のカヴァーの
原曲はここにござれとばかりに持って来た感じ。
アルバム「humansystem」収録曲で、シングルではないけれど
ファンの間では名曲と名高かった曲。
あみーゴのヴァージョンで初めてこの曲を知った世代なので、
最初はTMヴァージョンは違和感があったが、慣れるとこれっきゃなくなる。
ハッピー感、青春感が半端ない!
トキメキとエネルギーとスピード感に溢れている。

3.COME ON EVERYBODY
アルバム「CAROL」収録曲でシングル。
シャープなアレンジがキレキレ、特にリズムセクションがいい。
真新しい曲と言われてもわからない新鮮さ。
「CAROL」期の曲はどれもキャッチーで洗練されている。
サビの転調で一気に引き締まる。ダンサブルでクールでとても格好良い。

4.Kiss You
個人的にTMで一番の名盤だと思っているアルバム「humansystem」収録曲で
シングル。後にリミックスエディションもシングルリリースされている。
ブラスアレンジでちょっと大人に。
「洋楽志向」が前面に出て、ファンクで締まった格好良い曲。
この曲も古びない名曲。
流れるように繰り出させる言葉数の多いAメロ~Bメロもいい。
コムロさんの一癖あるコーラスが聴ける。

5.RHYTHM RED BEAT BLACK
TMNとしてリニューアルしたアルバム「RHYTHM RED」の
いわばタイトルチューンで、後にシングルカット。
ロックなアルバムのなかの渋い佳曲。
アーバンな曲に乗るのは、現在でも活躍する名脚本家の坂元裕二さんの
アーバンでドライな、トレンディドラマからそのまま飛び出してきたような詞。
TMといえば青春のイメージが強いが、成熟したオトナのミリョクもいいじゃない。
当人たちは当時30過ぎだったんだし、そうなるのが自然というもの。

6.金曜日のライオン
一転して若々しいデビュー曲。アレンジに時代を感じる。
YMOっぽさもありつつ、このユニットの音楽はデビューから一貫して
「ダンス」なんだなあと実感させられる。
疾走感がいい。

7.アクシデント
これも昔の曲。3枚目のアルバム「CHILDHOOD'S END」収録曲でシングル。
昔のTMは少しベタというかバタ臭い、歌謡曲っぽい匂いがする。
哀愁があるというか。でもここにもいい味がある。
この曲は青春の爽やかさが香り立つ。

8.HUMAN SYSTEM
アルバム「humansystem」から3曲目は実質タイトルチューン、1文字空くけれど。
モーツァルトの「あの」お馴染みの曲のリフをいただいた大胆なイントロに、
小室みつ子さんによる、少年少女たちの甘酸っぱいすれ違いの物語。
フレッシュで切なくて、当時の若い子にTMが愛聴されたのもよくわかる。

9.FOOL ON THE PLANET
ブレイク前夜のアルバム「SELF CONTROL」収録曲。
ビートルズの「Fool On The Hill」を連想させるタイトル。
アルバム「SELF CONTROL」にはなぜかそういう曲がちらほら。
6/8拍子のゆったりした曲。キネさんらしい曲。
こういった癒しサイドがあるのもTMの大事な魅力。

10.SELF CONTROL
直球の青春ソング。アルバム「SELF CONTROL」収録曲でシングル。
駆け抜けていくような鮮やかさ、一気に希望が広がっていくような
「陽」のオーラいっぱいのメロディ、アレンジ。
挫折から立ち上がっていく瞬間を捕らえた歌詞と併せて、胸がアツくなる。

11.ALL-RIGHT ALL-NIGHT
#9から#11までアルバム「SELF CONTROL」から、色の全然ちがう曲が続く。
こちらは、華やかなブラスアレンジにのって、サクサクと進むナンバー。
スラップ混じりのファンキーなベースがいい感じの重さを出している。
TMはユニットながら、結構バンドっぽい音を出していることに気付く。

12.WE LOVE THE EARTH
一転してアルバム「EXPO」収録曲、「Love Train」との両A面シングル。
90年代になるとTMは打ち込みサウンドの楽曲が目立つようになる。
地球平和を訴える趣旨の歌詞、主張はやや「パワー・トゥ・ザ・ピープル」的だが
聴き心地はとても爽やかなダンスナンバー。

13.DIVE INTO YOUR BODY
快楽の渦にワーッとなだれ込むような、徹頭徹尾パーッとした曲。
夏の享楽的な刹那がよく出ている、痛快なダンスナンバー。
TMがTMNにリニューアルする前夜の時期にリリースされたシングル。
この辺の楽曲がオリジナルアルバム未収録なのは勿体ないな。
TMの楽曲のなかでもかなりお気に入りの曲。

14.WILD HEAVEN
「Love Train」と同年の1991年にリリースされたシングルだが、
アルバム「EXPO」には収録されていない。
#13の享楽的なムードを、テクノロジーの進化によって更に強化したような
ダンサブルで楽しい曲。
けれど何か「終わり」を感じるのは、もうすぐ活動終了だという
予備知識が先に頭にあるからなのか?

15.GET WILD
言わずと知れた代表曲で幕を閉じる。
実はオリジナルアルバムには収録されていないシングル。
若さゆえの衝動や焦燥をクリアに切り取ってみせたのが名曲たる所以。
当時のライヴでは、後にB'zを結成する松本孝弘さんのギターを楽しめる。
ダンス×青春=王道TM、その堂々ど真ん中をいく。


80年代から1994年のTMN活動終了のTMを、90年代後半~00年代の視点から
捉えてみるとこうなりました、といった感じか。
メンバーやリアルタイムでTMを追っていたファン(FANKS)の認識に
どこまで近いんだろう、このセレクション。
TM関連の文章をよく書いている藤井徹貫さんのイントロダクション文が
あるくらいだから、まあそんなに迷うこともないんだろう。
そうなるとTM NETWORKというユニットは「ダンサブルときどき歌心、
青春ときどきアダルトな世界
」ということになる。
TMの作品を大体コンプリートした、後追いの自分からすると、
あれが入ってないこれはそんな必要か?などという声も出てくるとはいえ、
最大公約数はまあこんなところになるんだろうか、となるな、確かに。


多面性を持ったユニットの10年をアルバム1枚にまとめるという
難しい命題を持っている本作。
ほとんどの作品を揃えた後であえて出会ったこのベストアルバム、
無人島に1枚だけTMのアルバムを持って行くなら確かにアリかもしれません。
・・・・・・いや、やっぱりhumansystemかな?
楽しい迷いです。


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【CDレビュー・感想】SPEEDWAY:ESTAR/BASEMENT

今回はえらくマニアックなCDの紹介です。
友人が唐突に貸してくれたのです。
貸してくれなかったら、一生聴けていなかったんじゃないかなぁ。
手に入るなんて発想がなかったから、探そうとも思っていなかったもの。
そんな一枚、正確には二枚の、感想/レビューをどうぞ。


THE ESTER & BASE AREA
商品をそのまま紹介しようと思うと、画像が出てこない。
さすが1990年リリースの、超レア音源である。

ゴールデン・ベストゴールデン・ベスト
(2003/03/19)
SPEEDWAY

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2003年にリリースされたベスト盤。ここに入っている楽曲の多くが
今回紹介する、SPEEDWAY(スピードウェイ)のTHE ESTER & BASE AREAから
来ていると思われる。
SPEEDWAYとは、あのTM NETWORKのメンバー、
宇都宮隆氏(以下ウツさん)・木根尚登氏(以下キネさん)・そして
一時的な参加ではあるが小室哲哉氏(以下コムロさん。てっちゃんとは流石に呼べない・・・・・・)が
在籍していた、実質的にTMの前身と言われることの多いバンドである。
2007年にTMがリリースしたアルバムのタイトルは、まぎれもなく、このバンドからである。

SPEEDWAYSPEEDWAY
(2007/12/05)
TM NETWORK

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これがTMの前身!?耳を疑う「エスター」
二枚組アルバムの一枚目である。
戦隊もののような「パパパパパ、パッパー」というイントロ、
「夜が明けるまで 飲もう~と オ~~イェイ」という歌い出し。
いま何が起こったのか?!私はTM NETWORKの前身のバンドの音源を
聴いているのではないのか?!
TMとは似ても似つかない曲調に、耳にしている音源を信じられなくなる。
まあ、そりゃそうだ。確かにTMのメンバーが三人在籍していた(時期もあった)が、
スピードウェイは、六人あまりもメンバーがいる大所帯のバンドで、
リーダーも中心人物もコムロさんじゃなくてキネさんで、全く違うバンドと思った方が良い。
カラッとした、脳天気な、しかし歌謡曲調にねっとりした、「アメリカン・ロック」のバンドの
作品なのだから。
そのカルチャーショックをより強く感じさせる作品が「エスター(THE ESTAR)」である。

TMの序章的な色合いが強まる「ベースメント」
二枚組アルバムの二枚目である。

BASE AREABASE AREA
(2006/09/29)
SPEEDWAY

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この作品はAmazonで出てくるだけでなく、2006年に再リリースされている様子である。
一気に垢抜けた印象を受ける。
前作にあたる「エスター」が再リリースされず、こちらだけ再リリースされる理由も頷ける。
こちらにはコムロさんが参加していて、半分近くの曲を書いている。
前作にはなかった、エマーソン、レイク&パーマーやイエスを思わせる音色の
目立つシンセサイザーのサウンドが一曲目から見受けられる。
こんな具合に、僅かではあるが、確かにTMの影が見え隠れして、次の展開が
読めなくはない。
globeの「Sa Yo Na Ra」そっくりな曲もあるし・・・・・・
(しかも「スマイル・アゲイン」という曲で、歌詞もさよならがテーマだし、そのまま?)
但しバンドの世界観は相変わらずで、「ランチボックスはママの手作りパイ~」などとウツさんが
歌い上げているような曲が、ぼちぼち「ガクーーーッ」とさせてくれる。
しかしコムロさん一人の存在でこんなに変わるとは。
この後、コムロさんはTM NETWORK結成のために脱退し、後にウツさんとキネさんは
それに参加することを承諾、バンドは空中分解してしまうのだが、何だか納得できる。
他のメンバーには、たまったものではなかっただろうが。

何かほっとする作風から、グッと引き締まる作風へ
「エスター」は、ほぼ全ての作曲をキネさんが行なっていて、キネさん色が強い。
アレンジを当時のメンバー全員で行なっている。
後にTM NETWORKでキネさんがアルバム用につくる、いわゆる「キネバラ」の片鱗が
かなりはっきりみられる。同じ人の作品だから当然といえば当然なのだが。
アメリカン・ロックを標榜しながら、湿り気のある歌謡曲やフォークソングっぽさをも漂わせる。
「癒し系」といえそうな雰囲気のある「エスター」に対し、「ベースメント」の方では
プログレっぽい試みに挑戦している楽曲まで登場するし、音も引き締まる。
「ベースメント」ではコムロさんとキネさんの作曲の割合が半々。
曲もやはりそれっぽくなる。曲とアレンジでバンドは変わるもんですな。

歌詞はメンバーが書かない
歌詞はメンバーが書かない、外部のライターさんに発注する。
後のTM NETWORKの路線への繋がりを感じさせる拘りである。
実際のところ、拘りなのか、書けるメンバーがいなかったのかは分からないが。

ウツさんがビブラートを!
ずっと、ウツさんはビブラートをかけ「られない」シンガーなのだと
TM NETWORKやソロを聴いて、思っていた。
だがそうではなく、TMのビートの為にそれをあえて捨てた、
元はかけられる、かけ「ない」でいるシンガーなのだという事実が、本作を聴くと判明する。
これはかなりびっくりした。
歌い方のアプローチが、楽曲と相まって、何かどことなく西城秀樹を思わせる。

ブックレットに若きウツさんキネさんコムロさんいました
これもカルチャーショックであった。ベースメントの方にモノクロで載っていたのだ。
時代性か音楽性か、みな一様にグルグルパーマをかけて、みな一様に痩せている。
ウツさんは、もやしながらもさすが男前のハンサムである。
コムロさんは女性か女装なのかという長髪で、メイクもしている模様で、服装もアレだ。
で、キネさんである。TM NETWORKではずっと(今も)グラサンをかけて顔をガード、
目元は謎のヴェールに包まれている、あのキネさんである。
「Love Train」のジャケットで露わになっちゃった下がり眉が、見る者を
「あ、ヤバい」ともれなく思わせてくれてしまうキネさんである。

Love Train/We love the EARTHLove Train/We love the EARTH
(1991/05/22)
TMN

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スピードウェイの作品では、素顔が、目元が、露わになっている!
THE ALFEEの坂崎さんにちょっと似ているような感じだ。
TMで目元が露わになるとタブー感凄まじかったが、ここでは至って自然だ。
ってか、そりゃそうだ。
TMでは三人目のメンバーとして端に佇んでいるというパブリックイメージがあるが
ここではリーダーで中心人物。佇まいも変わるというものだ。
ラスボス感すら漂わせていて、ちょっと偉そうなスネ夫って感じである。
皆さんも是非ググったり、現物を探してみたりして、その勇姿を確かめていただきたい。

月光仮面のおじさんが
本作でなく、それとは別に友人から借りたベストに収録されていた
Rockin' On the 月光仮面」というシングル曲がある。
これがまたショッキングだった。
TM NETWORKの前身が「月光仮面のおじさんが」とか言いながら
歌って、奏でているのである。
まあ言うまでもなく、「月光仮面」のために作った曲なのであるが
あの三人が「月光仮面はだれでしょう~」という曲を奏でているのが
信じかねる。いやはや、時代ってすげえや。


だいぶ失礼なことばかり書いた気がします。
特にキネさん、ご無礼をお詫びします・・・・・・
でも、まあ、これが率直な感想であります。
今でも自然に聴ける二枚一組の名盤。
古くて新しい魅力を放っています。



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【CDレビュー・感想】Syrup16g:Hurt

気がついたらSyrup16gが再結成して、何事もなかったかのように新作を発表していました。
私は入院中にケータイに届いたメルマガでその事実を知ったのですが、とても嬉しく、
退院数日後に、なけなしのカネをはたいてすぐに手に取りました。
そんなわけで、そんなに最新でもないですが、レビューします。



HurtHurt
(2014/08/27)
syrup16g

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あいかわらず
Syrup16gの新譜「Hurt」。(ジャケでは大文字表記だが)
最後のリリースは2008年の「Syrup16g」だから8年も経っている。
年月が経ってのリリース、何か成熟したかと思っていた。
もうすっかり老成した曲が並んでいるのかと思っていた。
でも、その予想は、心地よく裏切られた。
相変わらず不安丸出しの曲だらけ。
うん、これを待っていた。
五十嵐隆氏の人としての幸せは、老成・安定なんだろうけど・・・・・・。

どっしりしたアンサンブル
一人一人のスキルが、積み重ねた年月の分だけ?上がっていて、
なよっとしたアレンジの曲もどしっとして聴こえる。
例えば五十嵐さん声質少し変わったけど歌うまくなった、とか。
そのために、弱っているような楽曲も、力強く響いてきたりする。

ハードに、変拍子に、ニューウェーヴに、和メロに
本作でもSyrupは全体的に、ニューウェーヴ、オルタナを通過した
メロディアスな作風。そこに、HR/HMばりのハードなギターの曲、
思い切り変拍子で展開してくる曲があってハッとさせられて、
前作からの流れである純和風な曲調・メロディなんかも見られる。
時代と適度に寄り添いながら、変わらずに、それでいて自然に時間が
彼らの中で流れているのがわかる。

またも冴え渡る歌詞
毎回そうだけど、本作でも歌詞が私の心を大きく捉えた。
例えばこんな言葉。

何でもないことが 出来ない
当たり前のことが 出来ないんだよ
(#4「ゆびきりをしたのは」)

自分の個人的な現状と相まって、胸を苦しくさせ、ある意味スカッとさせる。

そして相変わらずだが、こんなサビ。

死んでいる方が マシさ
生きているより マシさ
死んでいる方が マシさ
生きているより マシさ
(#8「生きているよりマシさ」)

身も蓋もないが、でも妙な説得力があって、
精神的に不安定していた時期、このフレーズに持っていかれてしまった。
ぶっちゃけ今でも危うい。影響力強すぎて、ちょっと危険だと感じた。

でも、アルバム最後のこの曲だと、また少し違う。

旅立ちの歌
繊細さを胸に
そっと秘めながら歩く
君とまた会えるのを 待ってる

残念の中で 落胆の雨でも
勇敢な姿を 誰かがずっと見ている
最低の中で 最高は輝く
もうあり得ないほど 嫌になったら
逃げ出してしまえばいい

(#11「旅立ちの歌」)


ちょっと長い引用になったが、これは老成の域、老成の粋だと思う。
少々五十嵐さんっぽい言い回ししてみた(苦笑)。
成長してないなんて言ってごめんなさい。
こう概括すると、色んな姿が見えてくるとも言える。

Syrupイズム
最近のハヤリスタリなんて殆ど関係なくメンバー3人の時間は流れているようだ。
聴く側も少なからずそうだろう。
変わらず後ろ向きで、変わらず脱力していて、そして変わらずなんか救われる。
安定のSyrup節、それが何より嬉しくさせられる。


何が嬉しかったかってやっぱり「まんま」だったことでした。
四六時中流して心地よい音楽じゃない、けれど人の不安には
これほど効く、寄り添ってくれる音楽なんかありゃしない。
お帰り、Syrup16g
まさか本当に帰ってきてくれるなんて思わなかったから、感激なのです。
しかも「まんま」で。
まるでライナスの毛布みたいに、私はこの音楽を抱きしめています。

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【CDレビュー・感想】Warpaint:Warpaint

もう新譜でもないのですが、お金はたいて買ったCDですから、レビューを書きます。
入院する前に作っていたメモを頼りに・・・・・・



ガールズ(という歳でもないようだが)バンド、Warpaintの2nd、「Warpaint」。

ウォーペイントウォーペイント
(2014/01/22)
ウォーペイント

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・ほとんどジャケ買い
「Warpaintは今どうしているのやら」と思っても情報がないのが長く続き、
いつからかすっかり諦めていたら、2ndアルバムがリリースされているとの報が。
それで、7月下旬、やっと購入した。
クリス・カニンガムのジャケにつられて購入。青と黄が混じり合った淡い発色がきれい。
4人どれがどれ?わからなかったが、日本盤付録ポスターで判明。

Warpaint:Warpaint ポスター

ふむふむ、謎が解けた。
それだけのためにあるようなポスターに感謝する一方で、彼女たちってアイドル売りなのかと
フクザツになる。

・エレクトロ化の功罪
Amazonのレビューが喧嘩になっていて怖い・・・・・・。賛否両論に割れている様子の本作。
80年代エレクトロを目指し、ニュー・オーダーやデペッシュ・モード、U2などなどを手がけた
フラッドに共同プロデュースを、ナイジェル・ゴドリッチにミキシング(2曲)を依頼した。
フラッドがつかまらなくて、2年の歳月がかかった、という。
1stは生々しくてドロドロし、感情が剥き出し、4人でやっている感が強かった。
2ndでは垢抜けて、混乱が整頓され、スッキリ聴ける。
ライヴハウスなんかで彼女らの演奏を生で聴いているような感触もある、不思議な感じ。
一方で1stのようなダイナミズムは削がれ、平板な印象も受ける。
音が変わったこと、長く待たされたこともあって、2ndでソングライティングや演奏が
どれだけ進化したのかはわかりづらい。
よって、アレンジやアプローチのエレクトロ化をいいか悪いか、どちらとみなすかによって
本作の評価が割れていくと思う。
わんぱくで生々しい世界が好きなら1st、洗練されたクールなものが好きなら2nd。

・「今の気分」「次はちがう作風」ならOK、「これからもこの路線」だとマズい
2ndのエレクトロ化は、1作だけやってみたチャレンジとしては良かったと思う。ただ、
この路線を続けられてはさすがにつまらないというか、飽きるだろう。
次作は全くちがう引き出しでいって、驚かせてほしい。
1stに戻ったり、2nd路線を続けると、「Warpaintは2ndで行き詰まった」と言われると思う。

・「○○が参加」「○○の女」といった話題が先行し、アーティストとして見てもらえてない?
アルバムがどうとかライヴがどうとかといった話の前に、「クリス・カニンガムの妻」
「ジェイムス・ブレイクの彼女」そして「ジョン・フルシアンテの元カノ」といった
(ジョシュ・クリングホッファーの元カノ、は入るのか?)ゴシップネタや、
フラッドやナイジェルの参加が先行している印象がある。
来歴でいつまでもフルシアンテを引っ張り過ぎ、エミリーをいい加減自由にしてやってくれ。
才人にモテるのは全然構わないが、肝心の要の音楽面での話――歌とか演奏とか、
プレイヤーとして、ソングライターとして――になぜならないのか?
今の状況はちょっとマズい。
「才人たちを自然に惹きつける磁力」はいいけど、自力をつけてほしい。
個々の能力を認められないと、いずれ忘れ去られる。

・リリース間隔がやっぱり長すぎた
忘れられかけてる、話題に前ほどなってない。
新人のうちはやはり、こまめにリリースしないと・・・・・・。



Youtubeで動画を観たけど、楽しそうなのが何ともいえない彼女らの魅力ですね。
でも、こんなに彼女らに興味をもったり心配をしたりしてるのって自分だけなんだろうか、と
淋しさを覚えたりもします。
次作こそは巻き返せ!頑張れWarpaint!


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【ライヴレポ】サッポロミュージックテントライヴ 山中千尋トリオplus【サッポロシティジャズ】

札幌は今、アート百花繚乱!
坂本龍一氏をゲストディレクターに迎えた「札幌国際芸術祭」は美術メインにアート全般、
「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」はクラシックのフェス+若い演奏家への教育、
そして7月から8月の2ヶ月に渡り、ジャズで街が埋め尽くされる「サッポロ・シティ・ジャズ」、
他にも演劇やロックの祭典、更に花火大会までめじろおし。
そんななか、サッポロ・シティ・ジャズにて、またしても本格的なライヴを観る機会が訪れたので
ライヴレポというかたちで書いてみることにしました。


☆またもラッキー
・昨年のKeiko Leeに続き、今年は山中千尋トリオplusのチケットを懸賞で当てる!
昨年も今年も某レンタルCD店の懸賞をゲッツェ、いやゲットした結果である。
ついているのか、それとも千円以上も一度にCDをレンタルするような層はジャズのライヴなんか
行かないのか、あるいはジャズのライヴに行くような層はレンタルなんかしない(買う)のか。
とにかく、当たったんだから、行っちゃおう。今年は諸事情が重なり、一人での参加。

☆ややこしや!チケット
・これは山中千尋さん側が悪いのではなくて、
「サッポロミュージックテントライヴ」というイベント全体の問題である。
チケット引き替えの仕組みがとにかく分かりづらい、面倒臭い。だってこんな風だもの。
①整列集合(整理番号順に会場前に並ぶ)16:15まで
②座席指定受付開始(好きな席を選んで予約、早い者順)16:30から
③開場 17:30 ④開演 19:00
チケットの整理番号は座席を指定しているわけではない。早く並べばいい席が取れて、
開演ギリギリに到着したら、当日チケットもあるし、もしかしたら座れないかもしれない。
でも座席指定受付の時間早すぎ・・・キツイ。時間潰すのが大変。
だけど①の段階で大行列だった。かなり待った、お陰でちょっと立ちくらみ。
早く行っておいて損はしない模様。
②をすませたら④まで出入り自由。今年は一度帰ることに。
・昨年は冷房が効きすぎで、寒くて寒くて・・・
その教訓から、やや厚着で①~②に出かけたが、万全を期するため、もう一枚着込む。
昨年は長い待ち時間に同伴者と話し疲れてライヴでこっくりこっくりしてしまったので、
その教訓から、30分程度だけだったが、ひと眠りしておく。
支度にダラダラしていたら①の本来の時間に遅れてしまったので、その教訓から、
少し早めに家を再スタートして、開場ちょっと前に会場へ到着。人いっぱい!

☆予想を超える熱い演奏~gdgd
・今年から、天井に「映像投射」という演出が加わった(正確には「復活した」らしい)。
見上げるとプラネタリウムみたいでとても綺麗。ただ、皆、前を見ていたと思うが・・・
・予め、ベストアルバムを聴いて、予習をしていった。
その印象は、「なめらか、しなやか、女らしい」といったもので、
今回の演奏もそんな感じかな?と思っていたら見事に裏切られた。
トリオによる、火を噴くような熱いグルーヴ。
ときに立ち上がり、体じゅうで鍵盤を叩く、激しい演奏。

小中学生のとき弾いてみた体育館のピアノの鍵盤が予想外に硬かったのを思い出す。
凄い力、まるでアスリート。しかも昼・夜の2公演をしているのだ。いやはやタフだ。
・しかし後半、「ビッグバンド」「スペシャルゲスト」と称して、散々煽った末に出て来たのは
どこかの音楽教室の先生と生徒たち・・・・・・
しかも彼らをメインに3曲も。生徒たちのソロをほぼ全員分ピックアップしてまで。
こういう場で聴くには堪えない。勘弁して。教室の発表会でやってくれよ。
山中さんを聴きにきているのに、一気にがっかり、演奏もgdgdだ。
スポンサーに楽器店がいるから、やらざるを得なかったんだろうなあ。
・流石にラストは通常運行で、トリオで締めてくれたし、アンコールもトリオだった。
・山中さんはベストアルバムのジャケ写(2011年)と別人に見えた。3年間で何があった?
黒髪が茶髪になっていたせいか?日焼けしていたせいか?髪型が変わっていたせいか?
わりかし頻繁にMCを入れる。気負いなく、取っつきやすそうなお姉さんという印象。
・実はCD音源(ベストアルバム)の時点でかなりの速弾きを披露しているのだが、
「なめらか、しなやか、女らしい」という固定観念が邪魔をして、気付かなかった。
音源はしなやかで、ライヴはダイナミック、その振れ幅が面白い人なんだろう。
・後ろの方の席のおじさん(ライヴ後に振り返ると、おじいちゃんだった)が、
ずっとうんちくを開演前やライヴ後に喋りまくっていて、うるさくてしょうがなかったが、
あーだこーだ言って、この人は本当にスゴいと褒めていたな。

☆予習アイテム:ベストアルバム「Reminiscenceレミニセンス)」

レミニセンスレミニセンス
(2011/08/24)
山中千尋

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聴いたことがない(けど興味がある)アーティストはまずレンタルから始めることにしている。
なるべく直近の作品を聴きたかったのだが、そういうのは全部借りられていてアウト。
「やっぱそうだよねぇ・・・・・・」と心のなかで頷きながら、とりあえずビール、ならぬベストで。
デビュー10周年記念盤でもあり、このアルバムで山中さんは全米デビューも果たしている。
山中さんのオリジナル曲は冒頭の1曲のみで、後は往年の名曲をカヴァー。
ピアノの音色に透明感がある。かろやか。
その効果もあり、過剰に自己主張するのではなく、「音楽」のなかに自然となじむピアノ。

耳馴染みのよい、穏やかでキャッチーで、スウィングして聴きたくなるような曲が勢揃い。
これは名盤、ライヴが終わってからも繰り返し聴いているが飽きない。


山中千尋さんは、音源とライヴの間に素敵なギャップがあり、サービス精神にも溢れた
素敵なピアニストさんでした。
会場があれだけごった返す理由も、1~2曲聴いていたらすぐに分かったような。
色々な世代の人が集まっていたし、誰か誘えば良かったと後悔しきりでしたが、
一人でも浮くことなく楽しむことができました。
今年は冷房問題も解決されていたし、いい雰囲気の会場をつくったスタッフさんに感謝です。
楽しかったなぁ。
他のアーティストのライヴにも、他のフェスにも、行ける範囲でどんどん行ってみたいですね。


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【よりぬきリラクCD】執筆の相棒になった集中系リラクゼーションCD集

現在amebaブログのほうで日々更新している短編集は、執筆に約半年かかりました。
分量も前後編20編全部合計すると30枚×20編=原稿用紙600枚分と、単行本が一冊、
いや普通に前編・後編と2冊で出しても1冊300枚分と、十分な単行本になってしまいます。
この大仕事に、常に寄り添ってくれた音楽たちを、今日は紹介したいと思います。
執筆中(2013年10月~2014年4月)、ここを随分留守にしてしまった、お詫びも込めて。


BEST MOZART 100

ベスト・モーツァルト100 6CDベスト・モーツァルト100 6CD
(2005/08/31)
オムニバス(クラシック)、ダム(ホセ・ファン) 他

商品詳細を見る

最新ヴァージョンも出ているらしい。こちら↓

ニュー・ベスト・モーツァルト100ニュー・ベスト・モーツァルト100
(2014/03/26)
オムニバス(クラシック)、ダム(ホセ・ファン) 他

商品詳細を見る


以前、知人の強いすすめで借りた。
モーツァルトといえば「頭が良くなる」とか「脳に良い」などといわれており、
知人はそれを狙いに買ったとか。頭が悪いことにコンプレックスがあるのだと。
あちこちの国のオーケストラの演奏を寄せ集めして、おおざっぱな説明で、と、
こういうちょっとジャンクなCDは普段自分では絶対に手に取らないだけあって
耳にすること、手にすることに躊躇いもあったが、貸してくれたのだし聴くことに。
商品紹介の欄にも出ているように、6枚ものCDが入っていて、
普段自分から積極的にクラシックを聴くわけではない私は、
「正直、これ全部聴けるんだろうか?」と思いながら、CD-Rにとにかく焼いた。

お馴染みの「あぁ、あれあれ!」となる楽曲から、オペラ、宗教曲まで。
モーツァルトってあんな曲もこんな曲も、あんな分野もこんな分野も、やってたんだ・・・
100曲もの楽曲をCD6枚に収めても、多分これが全てじゃないのだろう。
オーケストラが変わることによっての違いはあまり感じられない(私にはわからない)が
ジャンルによっての違いはかなりはっきり出ていて、この天才作曲家の多面性を
目の当たりにした。6枚それぞれにジャンルを分けているので、わかりやすい。
脳に良い云々は案外迷信でもないのかも? 気がつけば作業がはかどっていた。
私がクラシックに強くないのも吉と出て、曲調に引っ張られることもなく楽しめた。

最初、オペラなどの歌声が入っている楽曲だと気が散ったりしたが、段々慣れた。
こんな機会がなかったら聴けなかったかもしれない、聴かなかったであろうCD。
音楽を楽しみ有効活用し、モーツァルトという偉大な才能にひれ伏した100曲に感謝。
そして勿論、貸してくれた知人にも、感謝。


集中力~シータ波による脳活性

集中力~シータ波による脳活性集中力~シータ波による脳活性
(2012/01/27)
メンタル・フィジック

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このブログのリラクゼーションCD特集では常連となっている、
リラク系CDを山ほど出している、Della社のCD。
「またか・・・・・・」と感じながらも、効能が気になってレンタルせずにはおれず。
またも興味本位で、Della社コレクションを増やしてしまう。
まあ、その「興味本位」のお陰で、リラクゼーションCD特集はもう15回目を迎え、
今やここの名物コンテンツとなったのだが。(シリーズ名はちょっといじった)
これまでに損は殆どなかったから、確実性を見越して手にとってしまうのだ。

「集中力」のCDということでもっと硬質な音楽を想像していたのだが違った。
絶えず水音が流れ、エレクトリック・ピアノのシンプルで柔らかい音色が
透明でふわーんとした聴き心地を醸し出している。

「リラックス用のCDの間違いでは?」いや、そんなこともなく。
余計なことを考えずまずはリラックスし、それから集中へと導くのが狙いだ。
柔らかいサウンドは、周りの雑音をマスキングする効果を考えてのもの。
ただ聴いていると眠くなりそうだが(実際、車の運転中に聴くと眠気を誘発する
おそれがあるので使用しないようにとの但し書きあり)、意外にこれが集中できる。
既存の理屈では予想のつかない音楽、商品なのかもしれない。
それにしても、このCDのみならずリラクゼーションCDの殆どがそうなのだが、
車の運転中こそ集中したりリフレッシュしたりリラックスしたりしたいと思うのだが・・・
無音も淋しいし、ロックやポップスだと歌に気をもっていかれる人も多そうなんだけど。
自分は車を運転しないから直接関係はないけど、何だかなぁとモヤモヤしてしまった。


トベタ・バジュン:アフリカン・モード

African Mode【アフリカン・モード】African Mode【アフリカン・モード】
(2010/01/13)
Bajune Tobeta【トベタ・バジュン】、Atom™【アトム・ハート】 他

商品詳細を見る

リラクゼーションというか、アンビエント・ミュージック。
超クールでオシャレな、ブックレットの写真の数々も、聴く前から期待値を上げる。
トベタ・バジュン氏の作品は、以前「空気のおんがく」という、これもアンビエント音楽で
しかし②と同じDella社からリラクゼーションCDの枠でリリースされていたのを
紹介したことがあり、この人のほかの作品を聴いてみたかったので
見つけたときは歓喜だった。因みに本作はDella社からのリリースではない。
CD2枚組。どんな展開になるのか、ワクワクドキドキしながら聴いてみる。

CD1がメインで、収録時間もこちらの方が長い。
アフリカがテーマというと、どうしてもサバンナのテーマソング的なものを想像するが
寧ろボサノバっぽい。思い切りリラックスした、リッチな空間を想起させ、
「えっこれブラジルの間違いでなくて・・・?」なんて思ってもしまうが、
どうも私の頭のなかは後進国のイメージで止まってしまっているらしい。反省。
何が豊かさなのかということを考えさせられたし、最近は進んでる国は進んでるしなぁ。
歌ものが多く、どっちかというと集中というよりリラックス向け。
集中するのによさげなのはCD2のほう。
荒涼として、寒々として、しかも曲が進むほどに寒さはどんどん増していく。
そういえばアフリカといっても南のほうは南極の近くになるんだよな・・・・・・。
なんせ曲名が「Minus 0.5℃」「Minus 85.5%」などだもの(%はなにを示してるのか?)。
エキセントリックで、どこか淋しい。そして曲数も8曲ぽっきりで、収録時間も短い。
CD1もCD2も、密度がえらく濃い。はっきり「ここではない特定の場所」を想起させる。
一聴した後の満足感が凄い。とりわけCD2は、なかなか聴けないストレンジな世界。



ここで、以前の記事で紹介したCDのなかからも、役に立った2枚を簡単にピックアップ。

究極のゆらぎ 癒しの鐘 Healing Bell

究極のゆらぎ~癒しの鐘~究極のゆらぎ~癒しの鐘~
(2006/02/25)
小馬崎達也

商品詳細を見る

以前のシリーズ第3回の記事で紹介。
持っているCDのなかで、集中効果がいちばんすごいCD。
「魔性の女」とよく言うけれど、これは「魔性の音楽」かもわからない。
引き込まれるように集中している自分に気付いて驚かされる。
怪しいCDではないのでご安心あれ。

サブリミナル効果による 集中力アップ

集中力アップ集中力アップ
(2004/02/25)
小熊達弥、 他

商品詳細を見る

以前のシリーズ第1回の記事で紹介。
サブリミナルCDは周りの環境が静かであるときにより効能を発揮するという。
今回の執筆は冬~初春にかけてだったので、部屋の窓はほぼ閉めきったまま。
だからぴったりのシチュエーションだった。(これからの季節はちょっと厳しいかな)
音楽としてはそんなに心地よいとか面白いとかいうものではなく、効能重視型だが
何だか不思議なサウンドに耳を任せながら手を動かしていると、なかなかはかどる。


今回の執筆は、ある楽曲をテーマやモチーフに、その曲に沿ったイメージや内容の
小説を書くという企画だったので、モチーフ曲の入ったCDをかけながら書くことも
あったのですが、これは歌につられやすく、意外と頼りになりませんでした。
それから、執筆期間中は音楽をあまり探しに行かず、ひたすら書いていたので
同じ音楽ばかりルーティンでかけてしまい、実は今回紹介した音楽たちには
全て耳にタコが出来ており・・・(苦笑)。
長丁場の執筆期間中、とりわけ後半はかなり息が詰まっていたので、音楽探しにでも
行けばよかったです。せめて、集中効果は薄くても、持っている他のインスト作品を
聴くとか、もっと幅広くBGMをチョイスしていれば、ここまでマンネリしなかったかと。

反省は尽きませんが(肝心の小説ではもっと)、それは次回作に生かしましょう。
さぁ、明日(2014/06/20)はワールドカップ、ギリシャ戦!
・・・朝の忙しい時間帯にあるんですよねー。録画しますか。でも観られる限り観る!


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