2017-09

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【映画】夏の終り【DVD】

秋も終わりに近づいた今「何を言っているんだ」って感じかもわからないですが
映画館に足を運ぼうと結構大真面目に考えていた作品を、なんだかんだで
映画館で観られず、結局、先日DVDで観ました。
意図せずに小林薫さんスペシャルウィークみたいになったのですが
ともかくも感想、いってみます。



夏の終り [DVD]夏の終り [DVD]
(2014/03/19)
満島ひかり、綾野剛 他

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「私の男」で大いに話題になった熊切和嘉監督の作品。
満島ひかり綾野剛小林薫と、役者もいいところが揃った。
さらに音楽は日本とも縁が深いミュージシャンのジム・オルーク
こんな顔ぶれを見るだけで、期待をせずにはいられないというもの。

夏の終り (新潮文庫)夏の終り (新潮文庫)
(1966/11/14)
瀬戸内 寂聴

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原作は瀬戸内寂聴が1962年に発表した自伝的短編小説で
この年、寂聴さん(当時の筆名は瀬戸内晴美)は女流文学賞を受賞している。
何度か映画化、TVドラマ化されているようだが
寂聴さんからは「もっとも生々しい」「肌に粟を生じて見た」との賛辞を贈られている。

文学的映画
音楽がほとんどなく、空間を台詞で埋めたりもしない。
小説の行間に画面を近づけようという試みか。
舞台となっている1950年代にタイムスリップしたかのような空気感もすばらしい。
衣装や町並み、家の中などのこだわりを引き立たせている。

説明不足
余白の多さは、そのまま、説明不足にも繋がっている。
あらすじを知らないと、何が何だかわけがわからない映画になっている
気がしてならない。
あらすじを知っていて観るのが前提みたいな作品である。
更に、時系列がしょっちゅう飛ぶので、あらすじを知っていて観た私ですら、
しばしば「話はどうなっているんだ?」と訳が分からなくなってしまった。
最近の説明過多なバラエティに慣れている人は見向きもしないだろうな。

空気映画?
決して大衆映画ではないだろう、この説明不足感からして。
アングラ寄りなんだろうが、居心地は決して悪くない。
精緻に再現された時代性、それに寄り添った映像美、
次第に漂う鬱々とした雰囲気や閉塞感。
さしずめ「空気映画」とでも名付けたいような印象だ。
それが最後、空が晴れるように一気に解放され、
物語はカタルシスを生む。

出演者総うつ状態
主人公の女、年上の男、年下の男。
この三人が主な登場人物だが、皆、もれなく病んでいる感じだ。
「どうしたらいいのかわからない」と家庭すら投げて恋に生きてしまう女。
普段は穏やかで狡猾なところもあるが、実は死にたがっている年上の男。
女への愛情、嫉妬、孤独に怯え、荒々しく愛を求める年下の男。
いつもというわけでもないが、要所要所でヒステリック、ノイローゼ的なのだ。
ちょっと「うわぁ・・・・・・」と引いてしまう場面もいくつかあった。
最後にはこの暗雲が一気に晴れるので、すごくすっきりするのだが。

愛のない愛
女はふたりの男の愛に引き裂かれてしまうのだが、その愛の内実が問題だ。
年上の男との関係は愛情というより、父と娘のような「愛着」、あるいは「習慣」。
年下の男との関係は愛情というより、女からすれば淋しさを紛らわせる「慰みもの」、
男からすれば孤独を埋めて、人の女ばかり欲しくなるという「依存」。
どちらにも本当の愛、女への愛がなく、結局は自己愛が勝る「愛」だった。
そのために女は袋小路に迷い込んでしまったのだろう。
そして、やがて、その事実に自分で気付き、自分を立て直していく、と。

逃げたがりの女が自立を手にするまで
「絵を描きたい」「好きな人ができた」と言って、夫と娘から逃げ出してしまう女。
年下の男とすってんてんで駆け落ちするけれど別れ、夜の女として暮らすも
行き詰まって「どうしたらいいのかわからない」と泣き崩れ、年上の男に救ってもらう。
それから、女は染色家として自立し、年上の男との中途半端な同棲生活を八年も
送るのだが、男には妻子があり、女の家と妻子の実家を往き来している。
年下の男の登場をきっかけに、その曖昧な関係が苦しくなってしまい、
再び「どうしたらいいのかわからない」と言って泣き、混乱することになる。
観ていてイライラしたり、「重たい」と感じたりする場面が続くが、
最後に女はリセットを図る。 夢見た染色家の仕事を選び、男たちからは距離を置く。
仕事を頑張り、男に頼らなくなることによって、女は本当の心の平安を得る。
そこまでの長い長い闘いの物語、自立の物語といえるだろう。

「息苦しいのよ、この部屋」
せっかく描き上げた大作を、女自ら、こう叫びながら、朱で塗りつぶしてしまう
場面が出てくる。
物語の佳境といえる場面、ここでの満島ひかりは狂気に満ちていて、怖くなるほど。
結婚したのに夫と子を捨てて駆け落ち、その男とも別れて妻子ある男の愛人に、
でもそれもうまくいかない、という、かなり奔放というか不器用な、業の深い女を、
序盤はふんわり、中盤からずっしりと、最後には力強く、演じきっている。
神経衰弱に陥る綾野剛とか、「一緒に死のう」なんて言う小林薫とか、
普段のイメージからは信じがたい姿を、役者たちは次々と、剥き出しに晒していく。
演技の見応えにこちらも思わず見入り、気が引き締まる。

女の本当が詰まっている
本作の宣伝文句でこんなフレーズがあった。
この作品の女は、心細くて、満たされなくて、年上の男曰く「わがまま」で、
最後には強い芯を持っていることが明らかになる。
本当は弱くて、本当は強くて。いつも不安で、あれもこれもと欲しくなったり、
時に自分を見失ったり、だけど最後には自分を貫く力を持っていて。

そんなところだろうか。
女の私が自分と本作の女を付き合わせてみると、こんなにわがままになんか
なれないとも、こんなに強くは生きられないとも感じた。
当てはまるような当てはまらないような。でも、こういう女いるよね。
少なくとも寂聴さんの思い切った本当を垣間見られたのはいい体験だった。


「もっとわがままになれ。自分の本当の欲望に素直になれ。
そうじゃないと、本当の強さも育っていかないままだぞ」
本作に、そんなふうに言われたような気がしました。
常に自分をかばって生きている私には難しいように思うのですが、
一歩先に踏み出すためには、これこそ最上の処方箋かもしれません。
観た直後より、こうやって振り返っている今の方が、
多くを考えさせられ、多くを教えられているようです。
映画館で観てもよかったよなぁ。


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【映画】「戦場のメリークリスマス」感想【音楽好きにもおすすめ】

今年もまた終戦記念日が来ますね。
だいぶ前に観て、感想メモまで残しておきながら、かなり長いこと
お蔵入りになっていた映画の話をします。
タイムリーなのか季節外れなのか判断に悩みましたが、
大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」を。

戦場のメリークリスマス [DVD]戦場のメリークリスマス [DVD]
(2011/10/29)
デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ 他

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ブルーレイはジャケットがちょっとかっこいい。

戦場のメリークリスマス Blu-ray戦場のメリークリスマス Blu-ray
(2013/11/23)
デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ 他

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豪華すぎるキャスト、しかもこれは「やむを得ない変更」
ボウイきたー教授きたーたけしさん(北野監督ともいう)きたー、という
キター祭りすぎる、今観るとびっくりするようなキャスト。
でも、このお三方の出演は、はじめから考えられていたのではないそうで。
実は、ビートたけし氏が演じた軍曹のハラは勝新太郎氏の予定で、
坂本龍一氏が演じたヨノイ大尉は沢田研二氏の予定だった。
さらには、デヴィッド・ボウイ氏が演じたイギリス軍少佐のセリアズにも、
俳優で映画監督のロバート・レッドフォード氏が来る予定だった。
そっちはそっちで豪華だが、スケジュールだったり、役柄への不満だったりで、
各人のOKが得られなかった結果、この三人が本決まりになった。
どっちにせよ、キャストだけで「やべえ観なきゃ」と思わせられるってある意味スゴい。

豪華だけど演技経験が浅いメインキャストを活かす秘策
デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし(最後のクレジットでは「TAKESHI」)。
このお三方はいずれも別の世界から来た人たちで、当然、演技経験は浅い。
歌うことやコントをやることは、ある程度、「演じる」に繋がるが、役者ではないし、
ましてこれまでユニットでじっと鍵盤とにらめっこだった教授はどうするのか?
それを結果的に何とかしたのは、「軍人」「陸軍の偉い人」という設定。
棒であろうと無愛想であろうと、命令口調で喋っていれば、様にならないことはない。
もちろん、これは後からついてきた感想で、作っている側、演じている側は当然
そんなつもりではなく、教授とたけし氏は互いの演技を「ひどい」と言い合っていたとか。
英語がよくわからない自分には、ボウイの演技の巧拙が正直よくわからないが、
後の二人は、軍人設定と、脇を固める本物の役者たちによって、
まあ一応何とかなっているんじゃないかと思えた。
二人とも後に映画の世界に本格的に足を踏み入れるのも興味深い。
一方は映画音楽でアカデミー賞、もう一方はヴェネチア国際映画祭で金獅子賞受賞。
いやはや、とんでもない。

こんなのあり?異端な映画
第二次世界大戦を舞台としているのに戦闘シーンゼロ。出演者は男性のみ。
インドネシア・ジャワ島の日本軍捕虜収容所だけで話のほぼ全てが進んでいく。
戦争に反対も賛成もしないし、とりたてて何か主張があるわけでもない。
大きなストーリーの軸もなく、単体のエピソードを時系列で並べた集合体で、
印象的なシーンをいくつか見せて、インパクトを残していく、という感じ。
一本筋が通った骨太なメッセージだとか、二転三転の劇的なストーリーだとかを
期待していると間違いなくがっかりする。
最近の映画のトレンドとは価値観が全然違うので、観るには少し覚悟が必要。
(遠回しな)同性愛ものということもあり、万人受けは決してしない作品だろう。
豪華キャストを起用して、印象的(衝撃的)なシーンをチラチラ見せて、
さしずめ「偉大なるはったり」といったところか?
まあ、この監督について私はあまりに無知なので、作風を断定するのはよそう。
しかし「変わった映画」「変わった監督」という印象は消えない気がする。

有名なあの台詞、あの場面はこんなふうに登場するのか
私はこの映画が公開されたちょっと前に生まれたくらいの世代で、
勿論、リアルタイムで体験しているはずもない。
でも「Merry Christmas,Mr.Lawrence」という台詞だったり、
ボウイと教授がキスして教授が「ハッ!」となる場面だったり、そういうものを
かなり断片的にだけ知っていて、「どうなるんだろう」と楽しみにしていた。
前者の「メリークリスマス~」のくだりは、ボウイか教授が言うんだろうとばかり
思っていたから、たけし氏が言ったのでちょっと驚いた。
しかも、子どものように純真無垢な笑顔で、それを言うのだ。
これは持っていかれた。意外性とインパクトがずっと残る。
後者の場面は本編より、実は宣伝用のカットのほうが印象的な気がした。
本編ではほんの一瞬。「あれっ今何か起きた?」くらいのさりげなさなのだ。
そういうもんか、という感じ。

言いたいことをあえて考えるならば
ロレンスとハラ、セリアズとヨノイ大尉の不思議な絆(要は男色関係な感情)を
エピソードの積み重ねで淡々と描いていく本作。
先程「とりたてて何か主張があるわけでもない」と書いたが、あえて考えるなら
「国境も文化も超えた関係が生まれ得る」ということは言えるのではないか。
そして、詳細はネタバレなので控えるが、結局主人公で語り手のロレンス以外
主要登場人物は誰も幸せになれない。
(原作がロレンスの実体験をもとにした小説なので、そりゃロレンスは無事だが)
これを深読みするなら「戦争の無益さとむごさ」を表現した、なんだろうか。
後の北野監督の映画では、拳銃を持った人間は誰も幸せになれないと
監督自身が決めていて、銃や暴力団を賛美しないようにしているそうだ。
観終えたときの後味が、どことなく北野映画に似ているような気がした。
大島監督→北野監督と、この「やるせなさ」が受け継がれていったのだろうか。

音楽が一種の目玉?
Merry Christmas Mr.Lawrence」は、教授の代表作のひとつで、
世代によって違いはあるだろうが、最も多くの人に知られている曲といえるだろう。
本作のサウンドトラックを教授が手がけていて(これが初の映画サントラ)、
英国アカデミー賞の作曲賞を受賞している。
実はこの映画で一番面白かった、印象に残ったのは、教授の音楽だったりする。
映像が音楽によって神格化されている側面はないだろうか?
そんな感想すら抱いている。
映画がつまらなかったと言っているのではなくて、音楽が素晴らしすぎるのである。
たけし氏の「メリークリスマス~」が映画の半分を持っていったならば、
教授の音楽が残り半分を持っていったように感じたのだ。
果たして、この顛末の、どこまでが大島監督の狙い通りだったのだろうか?
音楽目当てで、この少し古い映画のDVDやブルーレイを手にとってみる価値は
少なからずあると思う。
それに勿論、ボウイが演じているというだけでセリアズに見入った部分もあった。
音楽好きにはたまらない映画のはず。


偉大なる監督の偉大なる映画をこんなかたちでぶった斬っていいのだろうかという
逡巡は一応あります。
けれど、広告代理店でもないんだし、正直な感想を書いてこそ
感想やレビューになり得るのではないかと考え、率直に綴ることにしました。
頻繁に音楽を取り上げているこのブログにもよく合う作品だし、
まあ、ひとまず、これはこれで。


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劇場版 SPEC ~結~ 漸ノ篇&爻ノ篇 鑑賞レポート(ネタバレほぼなし)

2010年に連ドラで始まった人気刑事ドラマ「SPEC」シリーズの完結編
劇場版SPEC~結~」の前後編(漸ノ篇、爻ノ篇)を観てきました!
漸ノ篇を先週に、そして29日に公開された爻ノ篇を・・・公開初日に!
10月初頭の夜中に一挙放送されていた連ドラを何となく録画で観て
すっかり高まってしまい、以降のスペシャルドラマや映画なんかも
いい頃合いで放送してくれちゃうものだから、普段この手の映画は
地上波放映を待つのに、わざわざ劇場まで足を運び金をつぎ込む決心が
たかま・・・じゃなかった、固まりました。

前後編ということで、後編を観るとき前編の記憶が途切れ途切れだったら
ちょっとな、と考え、前編を遅めに観て後編を早めに観にいきました。
実は今なら2本同日に観られるようになるとも知らず・・・orz

まあともかく、気合いを入れて鑑賞してきたので、鑑賞レポートでも。
ニュアンス的なものは少々あるかもですが、基本ネタバレありません!
とはいえ一応、内容は右下の「続きを読む」ぽちっとな以降に書きます。
それでは、張り切ってどうぞ!


続きを読む»

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Cocco×塚本晋也:KOTOKO「個性派同士のガチンコ勝負!生々しい生き様はCocco自身の体験?」

シンガーソングライターのCoccoが映画に主演、監督が塚本晋也さんという
かなり期待の高まるタッグによって作られた映画「KOTOKO」。
昨年公開され、ヴェネツィア国際映画祭でオリゾンティ賞を受賞。
DVD化されたので、それを観てみました。
雑誌の広告では、星野源さんやリリー・フランキーさんの絶賛コメントも載っていたし
「愛のむきだし」を超えるハードなインパクトと後味を!と、超期待していましたが・・・

KOTOKO 【DVD】KOTOKO 【DVD】
(2012/09/05)
Cocco、塚本晋也 他

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まず注意!グロです。この監督にはよくあることのようですが、結構キツイ。
繰り返されるリストカット、それによる血まみれ、殴打され血の塊みたいになった男(恋人)、
他さまざま。しかし「繰り返されるリストカット」はCoccoの事実だからなぁ・・・
画像も大河どころでなく揺れる(小型カメラによるものか、手ぶれがひどい)ため画面酔い注意。
うーん、結構注釈が必要な映画ですね。
これに耐えられて、興味がある人は、感想~レビューを読んでみてください。
感想~レビューには血や手ぶれはありませんので(苦笑)


理性でできている現代の日本社会の中に、感情だけで生きている人間をぶち込む
現代、個人的な感情や心、身体の感覚は軽視され、集団主義的な理性が社会を統治している。
しかし本作の主人公・琴子(Cocco)は激しい感情、子どものようなあけすけの感情表現、
「世界が二つに見える」=自分や息子に関わろうとする人間の善と悪、虚構と現実の双方が
同時に見えてしまう(幻覚?)現象などの鋭敏な感覚に支配されて生きている。
彼女に理性はない。過剰に喜びはしゃぎ、近所の迷惑を忘れ泣き叫び、不安に翻弄される。
「感情はどこにいった?感覚はどこにいくのか?」そんな問題提起に感じられるふしがある。
社会不適応状態の琴子を通して、共存し得ないこのふたつの要素の齟齬をも描いているが。

愛が琴子を苦しめるが、愛を自ら捨てることはできない
琴子は、自分や愛する一人息子に関わろう(ここに彼女の被害妄想が加わり「危害を加えようと」
という一節が混じる)とする人間が二人見える。現実の興味本位で親切な他人と、妄想の危害を
加える他人の二人。これに怯えるあまり、琴子は人に危害を加え、町にいられなくなってしまい
引っ越しを繰り返している。
息子を片時も手放したくないと思うあまり、赤子である息子を抱いたまま炒め物を作り、
泣き叫ぶ息子をベッドに置いてくると料理を焦がし、料理を盛りつける際にフライパンごと
落として「熱い!!」と叫び、癇癪を起こして大暴れするという痛々しい場面も登場する。
琴子はシングルマザーで「結婚したことはない」という。友人もいない様子で(引っ越しして
ばかりだし、人は皆怖いし)誰にも手伝いや援助を求められない。
すがりつくように息子を「守ろう」とする、その姿は母性に似ているがやはり少し違う。
しかし、どれだけひとりぼっちの子育てに絶望しても、愛しい息子を離すことなどできない。

琴子を救うのは「歌」であって「息子」や「恋人」ではないのか?
「世界が二つに見える」琴子だが、ただひとつ、歌を歌っているときだけは、世界は
琴子を脅かさない。(ほかに、塚本監督演ずる恋人と同居している時期も、安定していた)
琴子にとって、歌=本当に好きなもの・安心できるもの、息子=すがっているもの、
守らないとならないという強迫観念のために守っているもの、なのかもしれない。
偶然琴子の歌を耳にして以来、琴子をストーキングしてきた男がやがて恋人になるが
琴子のリストカット癖、S癖といった、いきすぎた感情と感覚、愛情表現についていけなくなり
気付けば姿を消してしまう。
結局のところ「歌いちず」「アーティスト」のような琴子。「それなら歌手になればいいじゃん」
「場末のバーでもクラブでもいいから、歌うことを生業にすればいいじゃないか」と思えてくる。
「息子への愛情」というのも、とても脆いもの、悪くいうと恋人と似たような「縋りつく対象」、
「とってつけた義務感」、「息子そのものでなく、息子に尽くす自分を愛している」のように
感じられてしまう。自分をコントロールしない・できない女性は、子どもをもつべきではないと
思わざるを得ない。アーティストに専念するか、大人になるか、どっちか選ぶ必要があった。

精神科もよしあし?!入院して「もぬけの殻」になった琴子
繰り返されるリストカット、悪化する幻覚・妄想、度重なる大騒ぎ。「琴子が息子にDVを働いて
いる」と近隣住民から通報され、保健所の職員がやってくるも「死ね」「黙れ」などの暴言。
琴子を見かねた姉が、息子を引き取って育て、そこに琴子がたびたび通うという時期を経て、
「安定してきた」とのことで息子と琴子は再び一緒に暮らせるようになる。
奇しくも、息子との二人暮らしと、恋人との二人暮らしは丁度行き違いになるのだが。
そしてついには、息子に手をかけようとしてしまう(幻覚では「手をかけてしまった」)。
はっきり言って観ながらずっとイライラしていた。とっとと精神科に行きなさいと。
近隣住民の迷惑になっている辺りの描写はリアルで、だからこそ「早く病院行け」と憤った。
「ピュアな魂」じゃ済まないだろ、みんなの迷惑になってるだろ、それ虐待だろ、と。
息子を殺したと思いこんだ瞬間、琴子の世界は一転、「まっしろで、なにもない世界」と化す。
精神病院に長期入院している様子で、外に出られるのは一日に一度、煙草を一服する時のみ。
豪雨の中で煙草を吸って、傘にも入らずに薄着でバレエダンサーのように踊る(DVDジャケ)。
10年近くの月日が経っており、成長した息子が琴子のもとに時々面会にやって来て近況を話して
くれるのだが、琴子には目の前の少年が息子なのかもわからず喜びも、会えない不安もない。
こころは、やすらかなのか、それともからっぽなのか。やりきれない気持ちになる。
彼女は一生このまま廃人のままなのか?色彩を取り戻し、暴れ、入院・・・を繰り返しているのか?

琴子=Cocco? だとしたら壮絶なうえに、空白の年月と出来事が符合する
Coccoは2010年に「ポロメリア」という小説を書いているが、インタビューなどで本に関する話を
聞く限り、これは限りなく私小説に近いもののようだ。
これまでのCoccoの表現(たとえば、歌の歌詞)は、自身の人生と分かちがたく結びついており、
寓話タイプの楽曲も多くみられるが、そこには彼女の内的世界・妄想が著しく反映されている。
本作は、原案=Cocco、脚本=塚本監督とのこと。そうするとこのストーリーがCoccoの実際で
ある可能性はかなり高いのではないか。少なくともリストカットは本人が語っているし。
リストカットや拒食の治療のためにイギリスの専門の病院に入院していた時期があったというが
その時期、息子さんはどうしていたのか?息子さんが生まれた時期は音楽活動休止の時期で
明らかに情緒不安定だっただろうに、自力でひとりで育てることができたのか?
こういった疑問に、本作のストーリーをあてはめると見事に符合してしまう(流石に「あちこち
引っ越しを繰り返す」などまではないだろうが)。なんと壮絶な年月か。
演技にそんなに慣れていないであろうCoccoが琴子自身を生きるかのように、あまりに自然に
笑い、泣き叫ぶ姿(これが映画祭の審査員には「凄い演技」と映ったのだろう)も合点がいく。

・そのほか
Cocco、ちょっとイメチェン。眉を太く描き、髪にレイヤーを入れ、篠原涼子っぽくなっている。
歳相応の色気と清潔感が出て、綺麗。
塚本監督は映画「猛獣VS一寸法師」でリリーさんと共に推理をする探偵役で観たことがあるが
(10年強前)、当時の姿と比べて・・・老けすぎた。頭髪だってもっと・・・これじゃ監督自身が
グロじゃないか、失礼ながらそう感じる場面がちらほら。
劇中歌なのでストーリーの展開上どうしても痛々しいが、Coccoの囁くような歌、力強い歌、
エンディングテーマ含め何曲か歌を聴ける。どれも安定して、見事な歌唱。

「Coccoの世界観を忠実に表現」したいのなら、「大丈夫であるように」の是枝監督のように
自己主張より、Coccoの世界観を全面的に尊重する人がメガホンをとるべきだった。
逆に、「塚本監督の世界観で刺激的な人物を撮る」のなら、外見にはインパクトがあるけれど
自己主張は余り強くないとか、監督の色に染まる、といったタイプを題材にすべきだった。
ハマりのコンビかと思ったが、どうも互いの良さを殺し合ってしまったフシがある。
自己主張の強い個性派同士が、悪いかたちでぶつかり合ってしまった映画という
残念な後味が残った。

Coccoの生々しい演技(自身の再現?)、赤を効果的に用いた監督のセンスは見ものだが。


ん~これは好みが大きく分かれるでしょうな。自分は塚本監督の作風がきっとあまり
好みじゃなかったんでしょう。その逆に、塚本監督は好きだけどCoccoが有り得んと感じる
長年のファンの方もいるでしょう。
でも、二人の本作にかける並々ならぬ情熱が、映画祭で高く評価されたのはわかります。
火花の散るようなエネルギー、強烈なインパクトが、観る者を圧倒し、魅きつけるから・・・



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ざっくり映画ライフ:その15 カンヌ受賞なるか?!是枝裕和監督作品SP(歩いても 歩いても、誰も知らない、大丈夫であるように)

TVをつけたら、カンヌ映画祭に新作映画をひっさげて主要キャスト陣と共に登場し、
映画終了後、10分ものスタンディングオベーションを受け、涙する是枝裕和監督の姿。
少し前にドラマがダダ滑りしていただけに、カンヌではうまくいってほしいものです。
結構久しぶりの映画ライフでは、つらい日常のなかにあるささやかな幸福を照らし出す
是枝作品を特集します!


歩いても 歩いても

歩いても歩いても [DVD]歩いても歩いても [DVD]
(2009/01/23)
阿部寛、夏川結衣 他

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奇しくも、今年の日本アカデミー賞の大賞受賞者が二人もメインキャストにいる作品
(阿部寛さん、樹木希林さん)となった。
この映画は国内外の数々の映画賞を獲っており、樹木希林さん、夏川結衣さんが
助演女優賞をいくつか獲得している。

阿部寛さん演ずる主人公・良多が、夏川結衣さん演ずる、前夫と死別し子連れで再婚した妻と
子どもを連れて実家に帰省するが、良多は実家と、とりわけ原田芳雄さん演ずる父親と何かと
折り合いが悪い。妻が子連れのバツイチで年上ということで、樹木希林さん演ずる母親や
YOUさん演ずる姉に陰口や嫌味を何かにつけ言われ、穏やかに時間が流れているかに見えて
家の中は絶えずギスギスし、誰もが何かしらわだかまりを抱えて鬱屈している。
父は15年前に事故で亡くなった兄を溺愛し、良多には全く価値を見出そうとしない。
そして父と母の間にも長年のわだかまりがあった。昔、ある日のこと、母は目撃してしまった、
父と知らない女との浮気現場を。一触即発状態の家で、遂に良多は父と正面衝突する・・・

観ていて、何度も涙腺がバカになってしまった映画。
みんながそれぞれ、こらえ続け、ごまかし続けている姿が、リアルだから余計しんどくなる。
とりわけ辛かったのは夏川結衣さん演ずる妻。いわれのない嫌味を言われて何度も頭を下げる、
子どもが良多になつかない。良多も頼りなく、いまいち味方をしてくれず、孤軍奮闘に涙する。
でも芯が強くて、だんだん穏便ながら反論していくようになる。
また、遠い昔の父の浮気、父は「あんな昔のこと」「後までつけて、みっともない」と言うけれど
母は痛みをいつまでも忘れることができない。浮気現場で流れていた曲「ブルーライトヨコハマ」
を当てつけに口ずさんでみる。「やめろ!」と怒鳴る父、でも母はあえてやめない。
良多は少しずつ連れ子の息子と仲良くなって、抑えていた父への感情を言葉でしっかりぶつける。
ギリギリの空間の中で、みんなだんだん逞しくなって、自分を主張できるようになるのがいい。
そして時間が過ぎた。良多と妻の間に子どもが生まれて、四人家族になって、再び実家へ。
父は死んで、母は足が悪くなっていて、クルマの免許をとった良多が頼もしく家族を連れて
父と兄の墓参りに出かける。映画冒頭の場面と丁度対比しているのがミソだ。
自信がなくてぼんやりしていた良多、家の片隅で小さくなっていた妻などが
今は自信を持ってしゃんと生きている、一方で父母は死に近づいていく、
そういうあたりで胸がいっぱいになる。
じわじわと沁みて、それは今でも後を引いている気がする。



誰も知らない

誰も知らない [DVD]誰も知らない [DVD]
(2005/03/11)
柳楽優弥、北浦愛 他

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内容もさることながら、なにより柳楽優弥君が「天才子役」として一躍名を馳せた映画。
インタビューなどで見せる素顔は子どもそのものなのに、作中で見せる姿は
あまりにもナチュラルに役を生きており、やはり衝撃的だった。
今はなんか色々(奇行とか、結婚とか)あった後、微妙な俳優になったような・・・

実際にあった事件(1988年に発生した「巣鴨子供置き去り事件」)をもとに、多少の脚色
(柳楽君演ずる長男がきょうだい思いの優しく健気な子として描かれているなど)を加えた。
幼いきょうだいのために奔走し、母親の無茶な言いつけにも素直に従う「小学6年」の長男。
しかし長男はもちろん、他のきょうだいも、学校に行ったことがない、出生届すら出されていない。
父親がばらばらの4人きょうだい。なかなか言うことをきかず、長男が腹を立てることもある。
偶然出会った人々が、彼らの置かれた信じがたい状況に心を痛め、援助を申し出るも、
長男はそうした援助を断ってしまう。
コンビニの期限切れ弁当をもらうなど、心ある人たちから一部の援助は受けているものの、
長男の奔走虚しく、やがて限界が訪れる・・・

凄惨な状態にあるはずなのに不思議と穏やかな空気が流れているのは是枝監督ならでは。
そして、どうしようもないDQN親を演じたYOUさん。本来ならばどのような理由があっても
4人もの小さな子どもを放って出て行って男のもとへ走る、こんな母親は許されないのだが
YOUさん特有の愛嬌がちょっと憎めない可愛いママに見えてしまって何とも。
何だか本当に「ちょっと出かけてくるねー」ぐらいのノリに見える。
是枝監督はドキュメンタリー出身とのこと、史実+適度なアレンジ=映画としての見やすさに。
ただありのままを描いてグロくエグく現実をこれでもかと押しつけるのではなく
ナチュラルに事象を提示し、しっかり観せて、そのうえで観る人間に考えさせる。



大丈夫であるように-Cocco 終わらない旅-

大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-(初回限定盤) [DVD]大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-(初回限定盤) [DVD]
(2009/11/18)
Cocco

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2011年、塚本晋也監督とのタッグ作「KOTOKO」に主演、大きな話題をさらった歌姫
Coccoのドキュメンタリー映画。
是枝監督とCoccoとな?何の縁?と思っていたら、何とCoccoオルタナ時代に
「水鏡」というシングル曲のPVを撮影していたのだ。それが2000年の出来事。
そして、Coccoがオルタナ路線を捨てて、活動停止から復帰した時期のシングル、2006年の
「陽の照りながら雨の降る」で再びPVを手がける。恐らくはこれがきっかけとなったのだろう。

2007年9月15日(沖縄限定版)~2007年11月21日(日本全国版)、Coccoは
「ジュゴンの見える丘」という曲をシングルリリース。
テレ朝の「人魚の棲む海~ジュゴンと生きる沖縄の人々~」という番組のテーマソングだった。
取材時期のCoccoは、こういった、自らのふるさと・沖縄の自然を守る活動に精力的に取り組み、
活動停止から復帰した後は、殊更に「沖縄」を強調した曲づくりをしていた。
本作では、Coccoの環境保護活動を追いかけると共に、沖縄のおじいさんや愛息についてなど、
これまで音楽番組にもあまり出ることがなかった彼女の素顔を、ライヴの本番やリハーサル、
本番後などの姿も交えて、優しい眼差しで明らかにしていく。

この時期のCoccoは、後に雑誌にも本人のインタビューで明かされたように、拒食症や自傷行為を
繰り返していた。冒頭、沖縄の菓子を何粒か口にして、「今日食べるものはこれだけ」と言う。
友達や恩人に会って、過剰なほどにはしゃいで喜ぶ。
ライヴの本番後に、Coccoの楽屋に、ひどくバタバタした様子でスタッフが集まり、
次の日以降、彼女は腕にがっつりと包帯を巻いた姿で表れるようになる。何をしたかは明らかだ。
現実は厳しく、沖縄での環境保護活動は長続きせず、落書きや中傷が書き込まれるようになり、
やむなく活動を断念、精神状態は悪化し、拒食症治療のためにイギリスの専門の施設で療養。
ここまでが本作で描かれる(エピローグ部分は文字のみ)Coccoの姿である。
客観的に捉えるとかなり異様な姿に違いない。でも、食べ物をろくに食べないことも、自分の腕を
傷つけることも、言動が少々不自然なことも、「そんな人がいてもいいじゃない、そんな彼女で
いいじゃない」とばかりに、温かく包み込む。どんなに人と違っていても、それを受け止める。
あまりに、真っ直ぐすぎる、純真すぎるために、
いつも世間からズレてしまい、苦しみを抱えるCocco。
その不器用さを「愛すべきもの」として、沖縄の美しい自然とともに描き出している。



現実はリアルで、少なくない痛みを伴いながら何でもない顔をして流れていきます。
ただ、辛かったり腹立たしかったりするいつもの日々の中にも、きらりと輝く瞬間があって
毎日はただの灰色じゃないということを感じさせてくれる、色をつけてくれる。
是枝作品にはそんな強みがあるように思います。
作品は他にもまだまだ沢山あって未見なので、それら未見作品の山を観てからもっと感想が
生まれてくるでしょうが、今のところはこんな感じで。

福山雅治さんが主演、尾野真千子さんや真木よう子さん、リリー・フランキーさんらが助演の
カンヌ映画祭に出品された新作は今年秋頃公開とのこと。今からとても待ち遠しいです!


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ざっくり映画ライフ:その13 いつも音楽と共に!伊坂幸太郎作品の映画化(フィッシュストーリー、ゴールデンスランバー、死神の精度)

先週末、アカデミー賞発表もあったし、久しぶりに「ざっくり映画ライフ」の登場です。
一時期の派手なブームは一段落した印象ですが、先日TVの録画で「フィッシュストーリー」
を観て、伊坂幸太郎さんの小説の映画化ものをかなりの割合でコンプリートできました。
まだ「重力ピエロ」があるんだけど、それでも何だか気分すっきり。
いつの間に「ちょっと懐かしい人」モードになっていることに少しの驚きを感じながら、
軸となっている音楽と共に、振り返ってみましょう、伊坂作品の映画化。
斉藤和義さん(以下、公式のあだ名「せっちゃん」)のファンとしても何かとうれしかったり・・・。


フィッシュストーリー

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(2009/09/25)
伊藤淳史、高良健吾 他

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<軸となっている音楽:逆鱗FISH STORY」>
1975年にセックス・ピストルズよりも早く登場した日本のパンクバンド「逆鱗」の
全く売れない、しがない顛末から、全てを賭けた最後のレコーディング曲へ。
1982年にナンパに出かけるも友人達から半ばいじめられている気弱な大学生が
事件に遭遇、車内でテープで聴いていた「逆鱗」の曲が彼に奇跡を・・・!?
1999年、先程の大学生の友人は今でも一緒におり、ノストラダムスの予言を信じて
全てを投げ出し教祖様についてきた。しかし世界は滅びない。そこで起こったのは。
2009年、一度眠るとテコでも起きられない、ある才能を秘めたついてない女子高生が
巻き込まれた「シージャック事件」。そこにあらわる、信じがたい「正義の味方」!
そして2012年(これが「現在」の位置づけ)、彗星が地球に大接近、いよいよもって
地球は滅びてしまうのか?レコード屋で「逆鱗」を聴く男達は、奇跡の目撃者となる・・・

ボーズで眉毛も落とした高良健吾君がパンクバンドのヴォーカリストとして絵になる。
歌もそこそこうまく(デモ音源を作ったであろう、せっちゃんの歌い方まんまでもあるがw)
シャウトもいい感じ。かわって普段の姿は、持ち味の繊細さが今度はいい味出している。
安定の伊藤淳史君がベーシスト。時代を考えるとそこはシドの立ち位置なんだがいいのか?
リーダーでしっかりしているが「FISH STORY」の意味を知らない(=ホラ話。大学受験まで
結構英語が得意だった自分だって知らないよ!寧ろ知ってる他のメンバーがすげぇって)面も。
ガツンとくる演奏が爽快。せっちゃんぽくもあるが、4人の連帯感もよく出ている。
冴えない4人を何とか売り込もうと奮闘する不器用なマネージャー・岡崎(大森南朋さん)に
何かじんときた。2012年のレコード屋は岡崎の息子さんかと思ったが、違うのか?
(Wikiを見ると単に大森さんの二役としか書いてない)
圧巻は森山未來君の見事な身体能力あってこその「正義の味方」、これは見ごたえがある!
多部未華子ちゃんのウエエエン振りもビクビク振りもなんともいえず可愛い。
最後にああいう形で才能が花開くとは、納得なようなちょっと強引なような。でも彼女も
結局究極の「正義の味方」になったわけだな。
そして本筋とどう絡むのかよくわからなかった1982年&1999年のパートが意外な形で繋がる。
最初の2012年のシーンからしてもう繋がっているし、2009年にも直接リンクしている。
関連が全く読めなかった安定の濱田学くんがまさかこう繋がるとは思いもしない!
「相棒」の芹沢役でお馴染みの山中崇さんがすごい粗暴な男で出ていて、後から出演者を
見ないとわからなかった。地味にこれもものすごい驚き。

映画で観ていると時系列が次々変わってちょっと慌ただしいかもわからないが、2時間が
こんなにあっという間に過ぎた映画は初めて。最後の雪崩の如き風呂敷畳みの嵐は
アクション映画のハイライトのバトルシーンさながらのスピード感とスリル!!

これまで観てきた伊坂映画では本作が今のところ一番好き。
深い音楽愛~バンド愛を感じられるのもたまらない。


フィッシュストーリーフィッシュストーリー
(2009/02/25)
逆鱗×斉藤和義、いっとくブラザース 他

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「逆鱗」の面子が本当にCDデビューしてしまったサントラ。
せっちゃんが楽曲プロデュースを務めている(劇伴音楽は手がけていない)。


ゴールデンスランバー

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(2010/08/06)
堺雅人、竹内結子 他

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<軸となっている音楽:The BeatlesGolden Slumbers」>
いつも笑っているように見える堺雅人さんだが今回ばかりはせいぜい泣き笑いで、あとは
かなりテンパっている。そりゃ無理もない、だって身に覚えのない陰謀に巻き込まれて
命を狙われちゃうのだから。
堺さん演じる宅配便ドライバー・青柳は、首相暗殺の濡れ衣を何者かに着せられて
指名手配犯になってしまい、かつての仲間達を頼って逃亡劇を繰り広げる。
大学時代の恋人、学生時代の友人やサークルの後輩、(原作では元)職場の同僚、
昔助けてあげた元アイドル、ひょんなことから出会った病院の患者など、
さまざまな人々と(再び)出会いながら、青柳はひたすら逃げつづける・・・

勝手知ったるはずの仲間達がもはやバラバラで、自らは孤立無援の状況を例えて
「ゴールデンスランバー」みたいだ、自分はビートルズのポールみたいだと青柳は思う。
更に自分は何とか皆をつなぎ止めようとしているのだという意識からも。
青柳は昔の仲間達に辛うじて救われながら逃走を続ける。
それは絆がまだあったとも言えるし、最終的な安住の地がどこにもない点からは
もうたいした有力な絆なんて存在しないのかもしれない。
「人間が生活する上で一番重要なのは、人との繋がりや、信頼なのではないかという
作者の考えが込められている」とWikiにはあったが、つまり青柳はそれに救われたり、
その脆さに打ちのめされたりしてきたわけか。
ありとあらゆる方法を使って、警察の網の目をくぐり、最後には全く別人になって
恐らくは安泰ながら一生孤独な人生が想像できるラストに辿り着く。

大丈夫?大丈夫?とヒヤヒヤしていたら気がつけば逃げおおせている、そんな繰り返しが
スリリング。次々と都合よく助けてくれる人が出てくるのもいっそ爽快だったりする。
だけどどこか孤独なのはどうしてなのか。

せっちゃんの昔の楽曲で映画テーマソングの「幸福な朝食 退屈な夕食」が、さめた口調で
そんなせわしなく皮肉な世界を俯瞰している。


ゴールデンスランバー~オリジナルサウンドトラック~ゴールデンスランバー~オリジナルサウンドトラック~
(2010/01/27)
斉藤和義、サントラ 他

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この映画ではせっちゃんが音楽監督を務めている。劇伴音楽もせっちゃんの手による。
流石多彩な人だけあって、ストリングス・アレンジなんかも共作ながら手がけているのは
今更ながら驚いてしまう。


Sweet Rain 死神の精度(原作では「死神の精度」)

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(2008/08/27)
金城武、小西真奈美 他

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<軸となっている音楽:特定したものはないが、音楽全般>
この作品だけ他と大分毛色が違う印象。本質は変わらないが、どこかロマンティックで
スケールもデカくなっている気がする。金城武さん主演のせい?他のキャストも殆ど
いつもの顔ぶれは出ていない。

金城武さん演じる死神の千葉は人間の音楽=「ミュージック」を溺愛し、彼が地上に
降り立つ日はいつも雨が降っているという、ちょっと風変わりな死神。
役割は死神の調査部員で、調査のために地上に降り立って7日間対象者を観察し、「可」か
「見送り」かを判定する。「可」と判定すると対象者は8日目に死亡する。「見送り」と
判定すると対象者は今回は死なずに天寿を全うする。大抵のケースでは、判定は「可」。
今回の対象者は小西真奈美さん演じる藤木一恵。苦情処理の部署でクレーマーに悩まされ、
他の社員に何かと面倒ごとを押しつけられても断れず、身内は殆ど死んでしまった、
あまりにもついてない女性。いや、ある意味で「持っている」女性ともいえる。
千葉は無意識のうちに彼女に惹かれてしまい、初めて「見送り」の判定をする。
その後も、実は一恵の息子である青年が対象者を兄貴分のように慕っていたりして、
千葉は何度となく、対象者やその身近な人物である一恵の関係者の調査をしてきた。
年月が経った。今度千葉が対象とする老女(富司純子さん)は実は歳を取った一恵で
千葉を一目見るなり「人間ではない」ことを言い当てた。
そして千葉にあるお願いをする・・・

千葉以外の死神たちも「ミュージック」が好きで、いつもレコード店には誰かしら
ほかの仲間がいるのがユーモラス。世間話なんかの舞台もレコード店。
コメディ映画や向こうの映画(レッドクリフなど)以外で金城さんを見ると、演技か日本語の
どちらかがどうにも「微妙」だとか「棒」といった印象を受けるのだが、今回の千葉は
人間と言語含め感覚がズレた浮世離れした特殊な存在だから、そんなに違和感なく見られた。
それにしても一恵の人生はあまりに波瀾万丈。身内をことごとく亡くす、クレーマーは実は
一恵の声に惚れていて歌手にスカウトされデビュー(リリースしたCDを千葉は聴いている)、
結婚、出産、しかし旦那との死別をきっかけに自らの運命から子を守るため息子をあえて
孤児にする、死神の調査によって周囲の人間を多く亡くす、晩年は高台でひとり美容院をする。
最初に千葉が一恵を助けた時期も一恵は「もう死んでしまいたい」と思っていたのだが、
千葉は結局最後まで一恵を運命から救えなかったということになる。なんとも切ない。
天然キャラの千葉だから自覚が怪しいが、彼は明らかに一恵に淡い恋心を抱き続けながら
見守ってきて、なのに当の一恵から「最後のお願い」(=「殺して」に相当するもの)をされる。
一恵の「お願い」が叶ったとおぼしき日、空はよく晴れて、虹が出る。千葉が初めて見る青空、
晴れ空だ。太陽によって高台が照らされて緑も美しい、けれど何か悲しいのはどうしてだろう。

普段の伊坂小説→映画の舞台が地中や市井だとしたら、本作はちょっと地上の「いい家」。
全体的に雰囲気が少しだけリッチで甘い。
金城さん、富司さんの存在感がとてもいい。小西さんの健気さも可愛らしい。
シニカルな笑い所も登場するが基本的にはストレートなラブ~ヒューマンストーリーで
わかりやすいので、他の伊坂作品に比べると、メジャーな映画が好きな人向け。

「フラガール」や朝ドラ「てっぱん」の鬼母~べっちゃんを観てきた自分としては、
本作の富司さんは幻想だと思っている(笑)


別の企画で使いたい&本数オーバーで「アヒルと鴨のコインロッカー」を入れられませんでした。
それが結構物足りないかも、でもうってつけの場所がどうしてもあって・・・
けだるい空気感、クドカン映画ともまた違う登場人物の強いキャラ立ち、やるせなさ、
そして多くの作品で貫かれている「音楽」への愛(「アヒルと~」ではボブ・ディランの
「風に吹かれて」が物語の重要な鍵となる)。ん~、なんともいえませんね。
伊坂さんの本は未だに読んでいないけれど、そろそろ安価になっていそうな頃(失礼)、
これを機会に手にとってみようかな?なんて。

せっちゃん、いや最後くらいはちゃんと呼んで斉藤和義さんと伊坂さんとのタッグも
印象的でした。

君は僕のなにを好きになったんだろう/ベリーベリーストロング~アイネクライネ~(初回限定盤)(DVD付)君は僕のなにを好きになったんだろう/ベリーベリーストロング~アイネクライネ~(初回限定盤)(DVD付)
(2007/06/20)
斉藤和義

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コンセプト・アルバム「紅盤」にも入っている楽曲で、伊坂さんが作詞に挑戦。
斉藤和義ワールドとの相性はもちろんばっちりで、かつ伊坂作品らしさもある詞。ナイスです。



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ざっくり映画ライフ:その11 恋はいつも幻のように~ちょっと切ない初恋・青春(いちげんさん、ハルフウェイ、人のセックスを笑うな)

FC2のblogカテゴリはいつの間にか(2013/1/1から)「音楽」に引っ越したのですが
内容はこれまで通り。今回もまたまた映画ネタいきます。
年末年始を経るとどうしても映画が溜まってしまいます。

今回は初恋・青春ものの2回目、それもちょっと切ない後味のものをセレクトです。
タイトルはホフディランの曲から頂きました。恋はいつも幻のように~♪


いちげんさん

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(2008/02/20)
エドワード・アタートン、鈴木保奈美 他

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鈴木保奈美さんがとんねるず石橋貴明さんと出来婚して引退する直前に撮影した
引退前最後の作品ということで、大胆なヌードが登場。
F1オタとしては、「愛すべきピットレポーター川井ちゃんの元妻にしてNTRされた女」だが・・・
ともかく、原作の小説の存在をかなり前から知っていて、読んでみたかったけどなかなか
その機会がないうちに、つい先日、本作の存在を知って観てみた。
スイス生まれで日本在住、日本語で作家活動等をおこなうデビット・ゾペティ氏の
半自伝的ものがたり。
舞台は1989年の京都。大学で日本文学を学ぶスイス人の「」は
盲目の令嬢・京子の母から、京子に本の音読のボランティアを頼まれる。
異国人の「僕」と、盲目の京子。「いちげんさんお断り」の、ちょっぴり閉鎖的な京都から
足元5㎝くらいずつ浮かんで暮らしている二人は、次第に恋に落ちていく。

純文学の本を読んでいるかのような雰囲気が素晴らしい。全体に品がある。
はっきり言ってこんなに面白い映画だと思わなかった。もっと空気映画だと予想していた。
盲目だけど自己主張はっきり、結構理屈っぽく、強気で気丈で、清楚な佇まいの
ヒロイン・京子がとても魅力的。
主人公の「僕」の日本語もけっこう滑らかで、日本人のような慎ましさも
欧米人の立場からの客観性も持ち合わせる。彼の柔軟な感性がこの恋愛を可能にした。
自分を探しながら恋をして、自分を見つけて歩き出す頃、二人の道は離れてしまう。
しかしそれも互いを分かり合っての別れ。大人の恋。爽やかな切なさが後を引く。



ハルフウェイ

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(2009/08/28)
北乃きい、岡田将生 他

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恋愛ドラマでお馴染み、北川悦吏子さんが映画監督にチャレンジ。
岩井俊二さんと小林武史さんがプロデュースという形でサポートしている。
舞台は北海道、札幌。同じ高校に通う、3年生のヒロシュウ
ヒロの念願叶い、シュウがヒロに告白、二人は付き合うことになる。
地元の偏差値がさほど高くない大学に進学するので、それほど勉強の必要のないヒロ。
対して、シュウは早稲田志望。シュウはヒロにそれをなかなか言い出せず、
言ったところでヒロに「一緒にいたいのに」と泣かれてしまう。
シュウもヒロと一緒にいたいけれど、大きな世界に出てみたいという夢も捨てられず
優柔不断になってますますヒロを怒らせてしまう。
すれ違いながらも、恋と受験勉強の行方は最後までもつれ込む・・・

一応、台詞を書いた台本も用意してあったけれど、岩井氏の提案によって
ほとんどのシーンが、北乃きいちゃんと岡田将生君の言葉によるアドリブに。
ポツポツした口調でシュウへの不満をダラダラと一方的に愚痴るきいちゃん、
進路を一向に決められず、ヒロを持て余していっぱいいっぱい状態の岡田君、
ディテールは確かにとてもリアル。場面ひとつひとつにこだわって作っているのが
よくわかった。でも、「場面ひとつひとつ」をただ繋ぎ合わせているだけのようにも
感じられる。どうも流れが悪い。監督の練習用かと思えてしまいそう。
あとヒロに違和感。イマドキの高校生ってこんなに幼稚なの?脚本にあった展開を
きいちゃんがアレンジして喋っているだけ?それともきいちゃん自身の感性?
シュウは「こういう奴よくいそうだし、その悩みもわかる」と共感できたのだけど
肝心のヒロに共感できない。ヒロ(きいちゃん)のPVみたいな作りの映画なのに。

映像美だって綺麗なだけに、あちこち色々と残念。ラストのきいちゃんは可愛かったけど。
昨年公開された監督の映画「新しい靴を買わなくちゃ」はもう少しマシであることを祈る。

本作はこの曲の究極のPVのようにも感じてしまう(苦笑)

コルテオ~行列~/HALFWAYコルテオ~行列~/HALFWAY
(2009/02/11)
Salyu

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Salyuの両A面シングルの「HALFWAY」が本作の主題歌でエンディングテーマなのだが、
この曲の歌詞が、本作では描かれない二人の結末をネタばらししてしまっているのは
この曲も映画の一部、続きということなのだろうか。作詞に北川さんが参加しているし。
本作はこの曲とセットで楽しまないとどうも完結しないような。
あ、これ超名曲でっす。映画に興味をもてなかった人はこちらをどうぞ。
寧ろこっちを書きたかった(笑)


人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな(スマイルBEST) [DVD]人のセックスを笑うな(スマイルBEST) [DVD]
(2011/08/02)
永作博美、松山ケンイチ蒼井優 他

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「スマイルBEST」とはなんぞや?こちらの方が安いので張ってみたが。
DEATH NOTEでもDMCでもなく本作で私は松山ケンイチという俳優を知った。
そして気がつけば観る映画観る映画、彼が主演または出演をしていて、
結果的に役者マツケンのわりかしファンになっていった。
タイトルからハードなストーリーが連想されるが、ストーリーはうってかわって
純愛(えっちなことも、そりゃするけれど)と青春の甘酸っぱい、いい話。
原作の小説を書いた山崎ナオコーラさんうまいこと計算したな。
原作の小説はその年の文藝賞を受賞、翌年の第132回芥川龍之介賞の候補作にも
選ばれている。「面白い」という口コミコメントも当時、随所で目にした。
19歳のみるめ青年と39歳のワケアリアラフォー美女・ユリの危うい恋の行方に、
みるめの友達グループの三角関係(ユリ←みるめ←えんちゃん堂本)と、
年頃の男女特有の、連鎖する恋模様が絡み合う。

肉体関係を持ったそばから「旦那がいる」と打ち明け、堂々と二股を楽しんでしまう
風変わりで罪な、愛嬌があってどこか憎めないビッチのユリに永作博美さんハマりすぎ。
マツケンは本作で「彼女(嫁さん)は年上にしよう」なんて思ったりしちゃったのか?
GANTZの加藤みたいな「守る男」も体格に合っていて格好いいが、
ノルウェイの森も含め、こういう「追いかける不憫な青年」がマツケンってよく似合う。
報われない友情内三角関係の、蒼井優ちゃん・忍成修吾君もおもしろく切ない。
最初から最後までユリの手のひらで踊らされっぱなしのみるめ。だけど本当はユリも
淋しかったり、我が儘というかたちでしか愛情や淋しさを表現できない節がある。
みんなが少しずつ淋しくて、みんなのキャラが立っていて、きっと誰かに共感できる。
どことなく、自分があの頃やっていたことや考えていたことに似ているから・・・・・・




このblogでは恋愛映画以外のジャンルの映画を紹介することが多いのですが、実は
私が一番観ることの多いジャンルは恋愛・青春映画なんです。
いや、「だったんです」かな?いつの間にか観る傾向が大きく変わってきたかも?
それにしたってまだまだ「恋愛(初恋)・青春映画」の嗜好は引っ張るはずです。
また色々観次第、記事にします。
初恋、青春、もう二度と戻れないキラキラしていた時間。
恋愛は何度でもできるけど、初恋は一度しかできないんだよなあ。

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ざっくり映画ライフ:その10 スタジオジブリ2~ここ数年のジブリ映画(コクリコ坂から、借りぐらしのアリエッティ、崖の上のポニョ)

このところのスタジオジブリ映画は、当然ながら、昔のジブリ映画とはかなり
異なってきているのに加え、世代交代が確実に進んできていますよね。
そんな近年、転換期のジブリ映画をざっくりと取りあげます。

コクリコ坂から

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(2012/06/20)
不明

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実は「耳をすませば」を公開していた当時、そちらでなく本作が採用された可能性が
あったらしい。同じ少女漫画原作(但し本作は「なかよし」、「耳を~」は「りぼん」)
だから、繋がるものはある。「耳を~」のほうが王道の展開だが。
舞台は1960年代。船乗りの父は行方不明になったまま戻らず、母も仕事のため不在続き、
しかしは家事を一身に引き受けるなど家を切り盛りし、たくましく生活を送っている。
ひょんなことから海は、同じ学校の1学年上の少年・に出会い、ふたりは互いに恋心を
抱きはじめる。しかし、海が見せた「父の写真」は俊も持っているもので、もしかすると
兄妹かもしれない・・・けれど、想いを止めることができず、逡巡するふたり。
高校の文化部部室棟「カルチェラタン」を守るための奮闘劇とともに、ほろ苦い初恋を描く。
宮崎駿さんの息子さん、宮崎吾朗さんが2回目の監督、原案と脚本が駿さんによるもの。

ゲド戦記」でがっかりさせられたような、脈絡のわかりづらいストーリー、
平板な画面、無表情で無気力な主人公といった要素は改められ、良くも悪くも
いつものジブリ映画のヒロイン、物語になった。
それまでの(ハウルの動く城くらいまでの)作画やストーリーに比べ、かなり
あっさりして薄口なように感じた。「ゲド」も薄口(というか、詰めが甘い)な
映画だったあたり、吾朗さんの傾向?それともジブリ自体今後はこのような
あっさりめの作品が増えていくのか?
爽やかで、ラストの「兄妹かもしれない」の真相はこの時代ならでは。
まちの自然の美しさや人のずうずうしいようなあたたかさは原点回帰か。

急ぎですることがあったのもあり、「ながら観」してしまったが、そうやって観るのが
正直丁度良かった。
個人的には「ながら観」なんて出来ないような、濃い作品を期待しているのだが・・・
長澤まさみちゃんの声優ぶりはとても良かった、清涼感も元気もあってピッタリだった。
親友どうしを演じた岡田准一君と風間俊介君、随所で息がぴったり合って、これも爽快。

NHK総合で放送していた、この映画の撮影の裏側に密着したドキュメンタリー番組
「ふたり『コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜」がDVDになっていた。

NHK ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~ [DVD]NHK ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~ [DVD]
(2012/05/16)
宮崎吾朗 宮崎駿

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父子の確執がピリピリ。本作では吾朗さんが監督、駿さんが脚本を手がけたが
駿さん、吾朗さんに駄目出ししまくり。実質、駿さんとの共作だったりして?
しかし「ゲド戦記」の頃の確執はこんなものではなかったらしい。親子は難しいな。
作業の最中に起きた3.11と、だからこそ作業を止めるな!と檄を飛ばす駿さんや
父親への尊敬とコンプレックスを苦々しく吐露する吾朗さんが印象的だった。
なんだかんだいって駿さんは吾朗さんを認めているようだ。かなりのツンデレでは(笑)


借りぐらしのアリエッティ

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(2011/06/17)
不明

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これまで、作画スタッフとして活躍し、ジブリ上層部から高い期待をよせられた
米林宏昌さんが初めて監督を務めた。「ゲド戦記」の吾朗さん監督就任劇も含め、
ジブリのトップが全員高齢になったことを受けて、次世代育成を目的とした人選だった。
原作は1952年に出版されたメアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』。
「人間に見られてはいけない」という掟に従いながら、人間の家の床下で暮らし、
人間の生活品をときどき借りて暮らしている、小人一家の一人娘、アリエッティ
父と共にはじめての「借り」にいった日、心臓が弱い少年・が1週間だけ
療養のためにアリエッティ一家の住む床下の真上の屋敷にやって来て、
夜の「借り」の最中、アリエッティは翔に目撃されてしまう。
一家は近日中の引っ越しを余儀なくされ、父が引っ越し先を探しにいくなか、
翔はアリエッティに何かにつけ親切で、二人の間に淡い恋心が芽生えてしまう・・・

こちらもまた淡い作品。悪く言うと少々地味かもしれない。
でも、地味ながらもなかなかに各キャラが立っており、それなりに面白い。
樹木希林さんが声をあてている、翔の屋敷で働く卑しい家政婦のおばあちゃんが
憎たらしいけどかわいらしい。希林さんの声がキャラクターをより引き立てる。
藤原竜也さんが声をあてている、野性的で無頼な小人のこどもも可愛い。
アリエッティに仄かな好意を抱き始めてしどろもどろになっちゃう所など。
引っ越しの後、アリエッティはこの子と夫婦になったのかもしれない。
そして翔の声は神木龍之介君があてているのだが、実は声のみならず、
翔のキャラクターデザイン自体、神木君をベースにつくられたらしい。そりゃハマるよね。
初めは病気や生に消極的だったが、アリエッティとの交流で前向きに成長して、
2日後の手術を「頑張る」と言えるように。儚いが、芯の強い少年で、とても魅力的。
大当たりでもないが大失敗もしない、標準値的なジブリの映画。
淡くて優しい、柔らかなタッチが心地良い。


というか、ぶっちゃけこの映画の主人公は、テーマ曲だと思う(笑)

Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)
(2010/04/07)
セシル・コルベル

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スペースが無いのともう少しじっくり書きたいので詳細は次回以降に譲るが、
涙腺をもれなく刺激される、美しい歌声とサウンド。
歌い手のセシル・コルベルさんはジブリ映画のファンで、手紙とCDをスタジオジブリに
送付したことから、本作の音楽を担当することになった。
一発屋のようなブレイク~フェイドアウトになってしまったのが惜しまれる。


崖の上のポニョ

崖の上のポニョ [DVD]崖の上のポニョ [DVD]
(2009/07/03)
不明

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言わずと知れたメガヒット。宮崎駿監督が原作・脚本・監督のすべてを担当。
本作の公開が2008年だから駿さんはもう4~5年近く監督のポジションにいないことになる。
「人魚姫」をモチーフに据え、「新しく生まれてくる子供たち」に向けた作品になった。
本作のキャラクターのモデルは、スタジオ内のスタッフやその子供たちで、
その子育てを見ながら制作した映画なのだそうだ。
そのため「新しく生まれてくる子供たちに向けた作品」が出来たが、予想に反して
「子育てっていいかも」等、親世代・親を務めることについての反響が大きかった。
もと人間のフジモトと、海全体の女神のような存在・グランマンマーレの子どもの
さかなの子・ポニョは人間の世界に興味津々で、家に閉じ込められるのが気に入らず
ママ譲りの魔法を使って外界に出てしまう。そのときに、崖の上の家に住む5歳の少年・
宗介に出会い、ポニョはすぐに宗介を好きになるが、フジモトに海に連れ戻される。
その後。ちいさな妹達にも助けられ、ポニョが人間の姿になって宗介のもとに現れた!

この映画を観て、泣かずにいることが出来た試しがない。
愛娘が心配で仕方ない、人間嫌いでママに頭が上がらないお父さん、フジモト。
いつも気丈に振る舞っているけれど本当は不安を堪えている宗介のママ、リサ
ひねくれたことばかり口にしてしまうけど本当は誰より温かく優しい心の持ち主の
不器用なトキおばあちゃん。
ポニョのことが大好きで、まっすぐで健気な男の子らしい男の子、宗介・・・
キャラクターひとりひとりのエピソードが胸に迫ってきて、いつも涙が浮かんでしまう。
この映画には、掛け値なしの愛情がいっぱい、いっぱい、いっぱい詰まっている。
それぞれのキャラクターが画面のなかで実際に生きていて、彼らが心から願ったこと、
思ったことが、気持ちのままに溢れ出しているように感じる。

監督がこだわり抜いた「海の描写」も凄い。この「海の描写」に大きく貢献したのが
さきほどの「アリエッティ」の監督を務めた米林宏昌さんなのだそうだ。
理屈抜きに、胸にまっすぐ響いてくる映画。



さて、ポニョ以来の、宮崎駿さんが長編アニメーション映画の監督を務める映画が
今年の夏に公開予定らしいです。
駿さん自身の漫画を原作にしたもので、タイトルが「風立ちぬ」。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品で、
更には高畑勲さんが監督したスタジオジブリの「かぐや姫の物語」も、
同日公開の予定(同時上映ではなく個別に上映)だというから、
スタジオジブリ、にわかに慌ただしいことになっています。
どうなるんでしょうね?
「観ごたえのある作品が観たい!!」願うことはただひたすらそれだけです。

テーマ:スタジオジブリ - ジャンル:映画

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ざっくり映画ライフ:その9 極寒の地から、温もりと情熱届けます(南極料理人、旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ、劔岳 点の記)

いや~毎日、さむいですね。
でも今回とりあげる映画たちの舞台は、きっともっともっと寒いはず!
そんな中で奮闘する人々の、心なしか男くさい映画を、今回も3つセレクト。
まずは極寒の地の極み、南極からどうぞ!

南極料理人

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(2010/02/23)
堺雅人、生瀬勝久 他

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かつて海上保安官として南極地域観測隊に参加した経験をもつ西村淳さんによる
同名のエッセイを原作にした映画。西村さんの役目は「調理担当」の一員だった。
主人公は西村さん自身で、奥さんも実名で出てくる。
「南極」場面のロケは実は思い切り日本で、西村さんの出身地・北海道網走市だったりする。
映画での西村の役割は、南極大陸のドームふじ観測拠点(標高3810メートル)で越冬する
隊員8名分の食事をたったひとりで用意することになっている。
限られた食材と特殊な環境の中、隊員たちを飽きさせないメニューを作るために奮闘。
しかし環境が環境なだけに、定期的に発狂する隊員が続出。
隊員たちも一癖も二癖もある曲者ばかり。普段冷静な西村も時には本気で怒っちゃう!

「常時、笑顔に見えちゃう」堺雅人さんがあまりにも西村役にハマり過ぎ。
泣きたいキレたい状況でも(本当に放り出すこともあるが)いつも孤軍奮闘している姿が
涙ぐましいやらほくそ笑みが出るやら。
一見怖いけど誰よりぶっとい芯のある、頼もしいリーダー格の生瀬勝久さんも
最初は脱走しようとするが段々逞しく成長するひよっ子大学院生の高良健吾さんもいい。
個人的ツボは、医師なのにヘビースモーカーでいつも酒をたらふく呑んでダラダラ、
「医者の不養生」を地でいっている、けだるいおじさん、豊原功補さん。
「大丈夫かね・・・」と不安になるが実際の医療行為の場面ではちゃんとシャキッとする。
任期が終わり、むさ苦しくてだらしない男たちの所帯がすっかり片付けられ、
がらんとした部屋を西村が振り返るシーンは一緒にちょっと淋しくなる。
ラスト、それぞれの家族や恋人との再会にもちょっとウルッとくる。
しっちゃかめっちゃかな毎日だけど、なんだか楽しいし、食事がとってもおいしそう。
大変そうではあるけれどなぜだかハートが暖まり、お腹が減ってくる・・・?


旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ

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(2009/07/15)
西田敏行、中村靖日 他

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お次は日本の最北にある動物園にして、日本のみならず海外からも大勢の観光客が訪れる
北海道旭川市にある大人気の動物園、旭山動物園のサクセスストーリー、
そして前園長・小菅正夫氏(をモデルにした園長)の奮闘記。
実際の出来事とフィクションを交えて描いている。
今でこそ、上野動物園と入場者数を競うほどの規模にまで成長した旭山動物園だが、
90年代中盤には入場者数が最低を記録したり、動物が相次いでエキノコックス症で
死亡したり、旭川市から十分な財政支援を受けられなかったりと、廃園の危機に瀕していた。
そこで園長が踏ん張り、飼育員達もやる気を出して一致団結。冬期の開園を始めたり、
動物たちの行動や生活を見せる「行動展示」を導入したことで風向きが大きく変わる。

とにかくキャストが驚くほど豪華!それだけでも一見の価値はありそう。
実際の小菅さんはあんなどっしりさんではないが(笑)、カリスマ性と行動力、
そして言動の説得力はやはり西田敏行さんの成せる技だと思う。
サラリーマンNEOをずっと観てきた身にとって、中村靖日さんが準主役を張っているのは
それだけでもう胸熱。幼少期のいじめで人付き合いが苦手になったいまどきの青年役で
園長や個性豊かな飼育員達と我々を繋ぐ「語り部」となる。園復活劇のキーマンでもある。
柄本明さんが「絵が得意な飼育員、後に絵本作家」を彩りゆたかに演じているが、これは
あべ弘士さんという実在の絵本作家がモデル。
信じられないが、「相棒」シリーズでお馴染みの輿水泰弘さんが脚本を手がけている。
そのおかげか、岸部一徳さんや故・長門裕之さんといった、「相棒」でブラックな
役どころを演じている方々の「動物一途」な姿を見られて個人的に非常においしかった(笑)。
ペンギンのプールに設けた水中トンネルを見上げると、まるで本当にペンギンが青空に
飛んでいるかのように見える。これが「ペンギンが空をとぶ」。

市長役の萬田久子さんが少女に戻ったように見入り、嬉しそうにはしゃぐ姿がいい。
ラスト、飼育員のみならず動物たちからも惜しまれながら、園長はその役目を終える。
実際には新園長が誕生しているが、映画ではあえて描かれない。その余韻がまた心地良い。


劔岳 点の記

劔岳 点の記 メモリアル・エディション [DVD]劔岳 点の記 メモリアル・エディション [DVD]
(2009/12/11)
浅野忠信、香川照之 他

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最後は明治までタイムスリップして、難攻不落の高山の吹きすさぶ雪しぶきを受けながら・・・
明治時代末期、現在の国土地理院が実際に行った山岳測量プロジェクトを描いた作品。
測量官の柴崎に下ったのは、未踏峰とされてきた剱岳への登頂と測量の命令。
それは日本地図最後の空白地帯を埋めるという重要かつ困難を極める任務であった。
日本地図を完成させるために、男たちは信念と勇気をもって困難な登頂に挑む。
その年のアカデミー賞の最優秀賞を6部門、優秀賞も5部門と、大いに話題をさらった大作。
なかでも日本を代表するカメラマンとして活動してきた木村大作監督が高く評価された。

とにかくまずは荘厳な映像に圧倒されてしまう。
空撮やCG処理に頼らず、妥協せず丁寧に時間をかけて、明治の測量官の目線や感覚を
追体験できるような、圧倒的な自然美とリアリティを生みだしたこだわりに見入る。
そして人と人との絆や軋轢、絶対的で残酷でもある自然への畏敬の念。
主演の浅野忠信さんでなく助演の香川照之さんがアカデミー最優秀賞を取ったのは
とてもわかる気がする。浅野さんが駄目なのではなく、香川さんの熱演が凄まじいから。
浅野さん演じる柴崎には忠義をもって、武士の家人のようにつつましく仕え、
一方で父の劔岳登頂に反対し、対立する息子には全く容赦がない。
彼ら父子の不器用な父子愛、柴崎とその妻を演じる宮崎あおいさんとの夫婦愛といった
「見守る者」の愛情も大きなスケールで心に沁みる。
また、はじめは若気の至りが目立つ測量隊員を演じる松田龍平さんは、雪崩に巻き込まれ
救助されるシーンの撮影時、酸欠で失神状態になりながらも
弱音を吐かず演じ続けていたそうだ。
監督・スタッフ・俳優、全員の信念と勇気が物語や自然と同調したからこそ出来た
息もつけないほどの見ごたえ。

「邦画は洋画に映像クオリティじゃ勝てない」なんて通念を正面からぶった斬った。



コミカルな「ぬくもり」から、どんどんヒートして「情熱」へ。
怒濤の勢いで冬の耐えがたい寒さをぶっとばせ!とでも言わんばかりのセレクションでした。
しばらく寒いけど、彼らみたいに楽しく・諦めず・信念を貫いて、明日も出掛けましょう!

テーマ:邦画 - ジャンル:映画

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愛のむきだし「むきだしの愛、むきだしの想い、むきだしのからだ・・・アブノーマルでエログロだけど、壮絶で大きな物語、渾身の一作」

「平清盛」と「モテキ」(両方ドラマのほう)を観ていたもので、つい気になって
満を持して観てしまったDVD「愛のむきだし」。
今アツイ園子温監督だし、国内外でガンガン賞を取りまくったというし。
しかも1本の映画でDVD2枚組とか狂ってるし、変態がどうたらって帯にも書いてあったし。
しかし、いざ再生するや、全237分、情報量もエネルギーも叫び声も血バシャァァァもMAX、
予想の斜め上をいく、観終わってから呆気にとられるしかない、化け物みたいな作品でした。

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(2009/07/24)
西島隆弘、満島ひかり 他

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私が観たのは普通のDVDでしたが、ブルーレイのジャケもカッコイイ。

愛のむきだし [Blu-ray]愛のむきだし [Blu-ray]
(2012/07/06)
西島隆弘、満島ひかり 他

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内容を大雑把にまとめるなら、DISC1は「パンチラ盗撮少年が運命の女と出会った!
帰結しない四角関係、しかも彼女が僕の妹になるだって?!」という青春ラブコメ、
DISC2は「家族全員が新興宗教団体に攫われた!愛をもって命がけで、少年は救出に
向かう・・・」という新興宗教VS変態の衝撃的な救出劇・ラブストーリー。
DISC1とDISC2のギャップもかなり凄まじいんですが、何より後で調べて驚いたのが
主人公の盗撮少年・ユウは監督の20年来の友人がモデルで、
更にこの人の妹さんが昔、新興宗教に捕まって
「こっちの世界に戻ってこい!」と変態パワーで必死に救出したという
実話がモチーフになっている
、というエピソード。
しかも、新興宗教の描写をリアルに描くため、監督は複数の新興宗教に
入信しては脱会し、必死に逃げて、ついには極左団体にまで入ってしまう

とか、腰が抜ける・・・・・・(詳細はこちらの記事をどうぞ)
友達に盗撮マニアがいて、しかも友達の妹が新興宗教に捕まって
劇的な奪還劇を繰り広げたって、色々凄い。やっぱこの監督濃すぎです。


長すぎる濃すぎる映画ですが、何とか一本の記事のなかでまとめて
感想を述べてみます。


激しい暴力シーン、激しすぎる「むきだし」の登場人物
カンフーアクション、ナイフや日本刀や銃での惨殺など、キレのよい娯楽的アクションと
R指定もののおぞましいグロ描写とが交錯する本作。
さすがAAA&元Folder5、アクションのキレは小気味よいほど。
アクションしながら華麗に盗撮する「盗撮王子」西島隆弘くんが無駄にキマっている。
いつも生真面目で一生懸命でちょっとヘタレな悩める少年はあまりにもハマり役。
満島ひかりちゃんはパン「チラ」どころかモロ見せや、ブラ姿で生着替え、
太もも露出など「元アイドルなのに大丈夫?!」と心配になるほど身体を張っている。
そしたら・・・本作以前にとっくに脱いでたのね。

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(2005/12/22)
満島ひかり

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うひゃぁー・・・なら納得。因みに本作の時点でもう声は嗄れている。いつからでしょ?

それはともかく、主要登場人物全て暴力を振るい、愛に飢え、本性むきだし。
ユウ(西島隆弘くん):一時的ではあるが、キリスト教の神父である父・テツが
冷徹になり、毎日懺悔を強要され、「お前は罪深い」と罵られ、ついには家を出て
神父としてしか接してもらえなくなる。しかし唯一の例外がパンチラを盗撮している
ことを告白した時で、父として激怒され殴打され、快感を覚える。ほかに仲間と共に
カツアゲや万引きやケンカなどの悪さを働く。ヨーコを見るとすぐ勃起してしまう。
ヨーコ(満島ひかりちゃん):父の浮気癖が酷く、数ヶ月ごとに女を連れてくる。
父に強姦(未遂?)されたことがある。その後、両親は離婚、父の浮気相手だった
カオリについていく。よく叫び、疲れたら街の男たちにケンカを売って暴れる。
「男は敵、但しカート・コバーンとイエス・キリストは別」。言動に幼児性が目立つ。
腕に入れ墨(カオリとお揃い)を入れる。煙草を吸う。一時、レズビアンになる。
コイケ安藤サクラさん):幼少時よりエリートの父に暴力を振るわれて育つ。
校内で流血を伴う暴力を振るい、少年院に送られる。家に戻ってくると父が脳梗塞で
勃起したまま倒れていたため、男性器をへし折った後、ナイフで切断。
新興宗教・ゼロ教会に傾倒、教団幹部の右腕となる。狡猾で支配的に振る舞う。
ユウに強引に迫り、執着する一方、ヨーコと性的な行為に耽るなど、バイの傾向。
カオリ渡辺真起子さん):過去は不明。恋愛相手が次々と変わる。ヨーコの父と
別れ、ヨーコの義母となる。テツに惚れ込み、ストーカーのように教会に入り浸り、
無理矢理押し倒したりキスしたりと強引に迫る。テツの車の背後や左右から自らの
車をぶつけるなど、殺人すれすれの激しい愛情表現をする。
その一方、テツが結婚してくれないと(神父は結婚できない)途端に激怒する。
ワーッとクラブに踊りに行ったり、派手な格好で出歩いたり、入れ墨を入れていたり
して、衝動や自己顕示欲が強い。
テツ渡部篤郎さん):一介のクリスチャンだったが、妻=ユウの母を病気で亡くした後、
猛勉強の末に神父となる。優しい人柄で信者達の信頼も厚いが、カオリと破局していた
時期、冷徹になり、ユウに懺悔を迫ったり罵ったり、父親の役割を投げ出して家を出、
神父としてのみしかユウと向き合わない時期があった。カオリと復縁後は更正。

基本的に今現代の子どもたちは、精神的に阻害されていると思うんです。
親が健全であってもということですね。親がアル中とか離婚したということがなくても、
阻害されているんですよ」とは、先ほどの記事での監督の発言。
現代、愛情不足と抑圧から、倒錯的・暴力的な言動に走る子ども達ということか。
しかしカオリの過剰な激しさ、「むきだし」さはどのような原理から来るのか?
強引に異性に迫るのはコイケも同じ。抑圧的で自制心の強い、テツやユウのような
男性に向けて「むきだしでいこう!」というメッセージがあるのだろうか?
奔走する過程で、ユウがとても率直で逞しい少年へと脱皮していくのはそういうこと?


新興宗教は怖い
さきに書いたように、ゼロ教会の信者獲得方法や修行・洗脳方法は、複数の新興宗教に
監督が実際に入信して得た生身の情報の「全部本当に起きていること」。
統治の姿はオウム真理教や「20世紀少年」の「ともだち」などを彷彿とさせる。
信者獲得方法にもオウムの影が見えるような印象を受けたが、実際どうなのだろう。
一般の人があっという間にマインド・コントロールされていく全過程は衝撃。

以下、教団の右腕・コイケがユウとその家族に対して行ったこと。
・ユウに惚れ込み、教団の会議で信者獲得方法としてユウ一家の取り込みを強引に提案。
・ユウの周囲の人間の言動を全て把握。その結果、ヨーコの存在が有効だと判断した
コイケは、女装したユウによるウソの人格「サソリ」に一目惚れしたヨーコの前で
自分こそがサソリだと名乗り、ヨーコはコイケ(サソリ)にどっぷり心酔する。
・ヨーコに勉強を教えるという名目で頻繁にユウ達の家を訪れ、夕食を共にしたり
泊まっていったりと、家に居付くようになる。テツやカオリともすぐに打ち解けて、
二人は悩み(宗教上の理由に起因する結婚~二人の関係の行き詰まり)をコイケに相談。
・違和感と怒りを露わにする「邪魔者」のユウに対しては、部屋に上がり込んで
盗撮の資料を奪ってクラス中に暴露し、ユウを退学処分に追いやり、その一件に怒り
殴るテツ、嫌悪を強めるヨーコなど、一家からユウを孤立させる。
・ユウが家出して友人達と暮らしているうちに、ある日ヨーコやコイケが学校に来なく
なっていて、久しぶりに家に帰ると家は空き家になっていた。
・「コイケがゼロ教会の回し者かもしれない」と気付いたのはユウ自身ではなく、
ユウの友達の一人だった。
・ヨーコをダシにユウを挑発し、ユウ(とその友人達)に行方を追わせる=
自分達の元に来るよう仕向ける。

こっわーい・・・でも本当に自然にコイケは一家に馴染んでいって、その家の子のように
なっていて。あまりに強引で狡猾なコイケの手口。
ヨーコ→サソリの恋慕や、テツ&カオリの行き詰まりといった隙に見事に付け込んでいる。
後半の統治の様子とあわせ、新興宗教の恐ろしさをこれでもかと伝えてくるが、
さて、キリスト教のようなオーソドックスな宗教と新興宗教、なぜ新興宗教だけが
駄目なのか?
キリスト教だって成立当初は新興宗教だったのでは?
問題はその信者獲得方法や洗脳方法だというのはわかるが、一定の教えに寄りかかり、
他人にも共感を求めようとする点ではどちらも大差ないのでは・・・
このあたりの疑問などを、社会学者で本作にチョイ出演している宮台真司さんと
質疑応答しているインタビューがこちらなのだが、さっぱりわかりません(苦笑)
ご教授できる方の意見、お待ちしています(笑)

それからもうひとつ。
ラストで、頑張りすぎて心神喪失になり、自身をサソリと思いこむようになって
夜中に叫び出すなど発狂し、精神科の病棟に入院しているユウがいて、
それをヨーコが「今度は私のばん」と息巻いて病棟から脱出させようとする。
「不安定なユウ(サソリ)を刺激しないように」と、病院のスタッフに制止され
警察のパトカーの中でわあわあ泣くヨーコ、記憶やアイデンティティを取り戻し
病棟から飛び出して、パトカーに追いつき、窓ガラスを破るユウ、
そして二人は手を取り合って微笑みあうハッピーエンド、となるのだが、
これって精神科(精神病院)=新興宗教扱いなのだろうか?
監督にこうした意識があって故意にやっているのか、それとも深い意味はなく
ユウに苦境を与えてそれを救出するヨーコを描ければそれで良かったのか。
取り組みようによっては映画が一本作れそうなテーマではある。


ユウはどこまでヘンタイ?本当にヘンタイ?
父・テツの求め=懺悔するための罪を求めて、不良グループへの仲間入りをし、
ひょんなことからパンチラ盗撮の特訓をさせられ、上達し実践していると言うと
父は神父のお面を捨てて父になってくれた。
本気で殴って「ヘンタイ」と罵倒してくれた。
ユウはそれが嬉しかった。テツに父として自分と対峙してほしかった。
ユウの不良化→ヘンタイ化は、この部分においては、ただ父への愛の為にひたすら
「尽くして」いるように見える。「ヘンタイ」というより「ファザコン」だ。
最近良くも悪くも話題のエヴァンゲリヲンの、シンジのようなメンタリティだと感じた。
(シンジは父さん=ゲンドウが自分を必要としてくれているからエヴァに乗る)
そして、敬虔なクリスチャンの家庭で純粋培養で育てられた17歳の真面目でウブな
性愛の経験値がゼロに等しい少年が、パンチラに興奮したり、好きになった女の子に
勃起することは、男ならあたりまえなのでは?
盗撮したり、ヨーコの部屋に侵入してタンスのパンツを盗んだり、テツに盗撮行為を
侮蔑されて殴られるのを「気持ちいい」と感じている辺りがいけないわけで。
罪としてはカツアゲや万引きやケンカのほうが、パンチラや勃起よりはるかに重い。
問題は「盗撮」という行為と「マゾヒズム」のほうではないだろうか。

本作、随所で人物のSM関係が発生している。ヨーコやコイケの父は娘を支配しようとし、
コイケの父は鞭でぶたれるたび「Give it to me」と叫ぶようにとコイケに強要した。
逆にユウやカオリはテツに「もっと殴って」と懇願する。
そのテツは、カオリに過剰な愛をぶつけられることがまんざらでもなく、最後には結局
カオリを自ら求めてしまう。また、カオリと復縁して落ち着いた後は、懺悔強要の件を
「あの頃はどうかしてた。ごめんな」とユウに謝っている。
「パンチラはヘンタイ?」「勃起はヘンタイ?」より、「SMってヘンタイ?」と
問うたほうがよい気がする。
因みに、作中ではレズビアンもヘンタイ認定されているが、これは昨今の時勢を鑑みると
ヤバいんじゃないの・・・?寧ろそっちの方が心配。
訴訟等の問題が起きたとは聞かないので大丈夫なんだろうと思うけど。


友達は持つに限る
街でケンカするのも、盗撮に繰り出すのも、家出したら匿ってくれるのも、
ゼロ教会への侵入やヨーコの拉致を行うのも、教会本部に特攻する際に荷物を
支度してくれるのも、「頑張れよ」と言って泣いてくれるのも、
みんな、いつものおバカな不良グループのやつら。
4人のバカバカしくも固い絆に笑わされ、癒され、ちょっと泣きそうになる。
そういえば序盤にも書いたがユウのモデルは監督の友人だった。
色々なメッセージを内包している作品だと思うが、主テーマではなくとも
いい友達は持っておくに越したことはない」とはきっと必ず言っているはずだ。


ゆらゆら帝国がハマりすぎ
主題歌「空洞です」はまるでこの映画のために書き下ろしたような歌詞。
挿入歌「美しい」のギターリフが流れてくると不穏でゾクゾクワクワクする。
今では手放してしまったのが惜しまれる、ゆらゆら帝国のアルバム「空洞です」。

空洞です空洞です
(2007/10/10)
ゆらゆら帝国

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断言できる、ゆら帝ファンはこの映画を絶対観るべし!
もう解散してしまったが、彼らにもMVPを与えたくてならない。
「空洞です」の歌詞も出るので、エンドロールまでぜひお見逃し無く。


純愛ラブストーリー?新興宗教とそれに引きずり込まれそうな人への警鐘?
愛が足りない現代、若者よもっと怒れ、というハッパ?
パンチラ万歳、勃起万歳、堂々とヘンタイを生きろというヘンタイ賛歌?
はたまた、回り道せず恥ずかしがらず、愛を正面から叫べというエール?
いろんな方向からいろんな主張が聞こえてくる映画でしたが
一番伝えたいのは、やっぱ、愚直な「愛」が奇蹟を起こしうることでしょうか。
「僕のマリア」という抽象的な概念や憧れ→想像すると勃起せずにはいられない
性愛の(妄想の)対象→粗暴な言動やかたくなな態度など「嫌な所」もよく
知り尽くした上で「それでも愛してる、心の底から愛してる」という境地。
どの段階でも、全力で、おもいっきり愛を乞え、求めろ、与えろ、と。
誰もが全力で生きていて、演じているので、最後まで観ているとちょっと疲れますが
何かすっきりして、力強いものが身体にずしりと宿る一本です。
圧巻の見ごたえ。一度では多分よくわからないので、二度観をオススメします。



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