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【CDレビュー・感想】ゴンチチ:Merry Christmas with GONTITIなど詰め合わせ【ラジオ】

いつもその音楽への情熱に圧倒されている、オトシンさんのブログ
ロックじゃない奴はろくでなし」に影響を受け、
ゴンチチの音楽を聴いてみようと思いました。
音楽通の人が勧めてくれる音楽にハズレはないはず!と思うも、
初めて聴く音楽だったから、不安もありました。
にも関わらず、チャレンジして、もうすっかり夢中です。
それで今回は、ゴンチチの音楽感想詰め合わせになります。


棚に並ぶたくさんのゴンチチのCD。
途方に暮れながら、何枚かを選び出し、試聴機にかけてみた。
そこで最初の一音からピンときたのが、この1枚。
Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~

Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~Merry Christmas with GONTITI~best selection of christmas songs~
(2010/11/24)
ゴンチチ

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ステンドグラスみたいな、オシャレでかわいらしいジャケット。
CD棚に立てかけて飾ってある。
このジャケットは、ゴンチチのリードギター、ゴンザレス三上さんが
デザインに関わっているという。
ブックレットを開いてみると、ジャケットと同じ意匠で貫かれ、
見ているだけでハッピーで、満たされた気持ちになる。

私は今まで、クリスマス用に音楽を用意しようという考えがなかった。
クリスマス以外には使えないじゃないかと考えて、はなっから聴かず、
手にも取らなかった。
ところが、このアルバムは、試聴した瞬間、
「あ、当たり」と分かった。
家に連れて帰ると、見事、名作。
トラディショナルなどの既存のクリスマスソングが7曲。
ゴンチチのオリジナル曲は、過去作から4曲、
このアルバムのための作りおろしが4曲、収められている。
湿った、少しくぐもった感じの、一音一音大切に紡がれるギターがいい。
雪に包み込まれるような温もりを感じる。
クリスマスといわず、冬ならいつでも、とりわけ朝にピッタリ。

夏にフラやハワイ音楽のCDを集めたことがあったが、
それと同じように、冬はこのCDを聴きたい。


入門編として、ベストアルバムも手に取った。
Gontiti Recommends Gontiti

ゴンチチ・レコメンズ・ゴンチチゴンチチ・レコメンズ・ゴンチチ
(2003/07/30)
GONTITI

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現在、オールタイムベストがリリースされているようだが、
本作は2003年にリリースされた、ゴンチチ結成25周年、デビュー20周年を
記念した2枚組アルバムである。
打ち込みサウンドを取り入れたアーバンな楽曲が多い「Out side」と
ストリングス・アレンジやアコースティックな楽曲が多い「In side」。
私は、しっとりパウンドケーキのような「In side」が好きで、
先に紹介したクリスマス・アルバムの続きのつもりで聴いて楽しんでいるが、
あっさりレモンケーキのような「Out side」も、明るく爽やかに聴けていい。
「In side」の#21「放課後の音楽室」は、きっと誰もが
「ああ、これ聴いたことある!」となるはず。私はCMで聴いた覚えがある。
リラクゼーションCDの最大手・imageシリーズにも、何度も収録されている。
本作には、ライヴヴァージョンが収められている。穏やかな日だまりのような演奏だ。

ブックレットには、ゴンザレス三上さんと、サイドギターのチチ松村さんの
スペシャルインタビューがあり、結成秘話から2003年までの歩みが
1983年からの膨大なディスコグラフィーと共に語られている。
そして圧巻なのがAnniversary Commentで、総勢40人ものコメントが!
ミュージシャンから俳優、作家まで、幅広い分野の面々が揃っている。
竹中直人さん、原田知世さん、宮崎美子さん、五木寛之さんといった
一風変わった顔ぶれも。

彼らの音楽について、言葉であれこれ細かく説明する語彙力や知識は私にはない。
言葉であれこれ分析したり言及したりする音楽ではないようにも思える。
歌詞がなくても、技巧やうんちくに走らなくても、ラウドな音を鳴らさなくても、
「くつろぐこと」「心地良いこと」を追い求め、多くの人に伝わり、支持される。
「イージーリスニング」というジャンルを他の音楽より一段下に見ていたが、
「くつろげる音楽」「心地良い音楽」とはこんなにも価値があるのか。
普遍を突き詰めると粋に辿り着く、その逆も然り。

まるで、ツウが集まるコーヒー店。
でも一度来ると結構誰でも常連になれる、みたいな。


ゴンチチのCDは触れなくても、このようなかたちでいつも耳にしている、という
人もいるのではないだろうか。
私は今日初めて聴いた。
NHK-FMで土曜9時~11時に放送している、ゴンチチがMCを務める長寿番組、
世界の快適音楽セレクション」。
とことんジャンルレス。ゴンチチの曲に始まり、クラシック、ジャズ、
ワールドミュージック、ロック・・・
演歌や歌謡曲まで流れることもあるようだ。
居心地のよい曲、たまに不思議な曲が、2時間いっぱい詰め込まれている。
一応毎回テーマがあって、それに沿った音楽を
ゴンチチの二人と音楽評論家(週替わり)が持ち寄って紹介していく。
テーマがまたユニーク。ウェブサイトで過去3ヶ月の放送リストを見たら、
「7と5と0の音楽」とか、「ひざと看板とスプーンの音楽」とか、なんじゃそりゃ。
今日は年の暮れということで「年末恒例大蔵ざらえ」というテーマ(?)、
お気に入りだけどこれまでのテーマに入らなかった曲が紹介された。
トークは、しゃべりすぎずしゃべらなさすぎる、丁度良い具合。
途中で数回ミニコーナーが入ったが、これも音楽ネタで、長すぎず、軽妙。
まだ聴き始めだからコーナーの魅力まではわからなかった(笑)
「快適ジュークボックス」というキャッチコピーでもつけたくなるラジオ。
ただ、9時~11時は二度寝していたいので、録音して聴けたら良いのだが、
ラジオ自体を久しぶりに聴いたぐらいだし、まだちょっと難しい。
二度寝防止ってことにしようか。
夜や夕方に放送していた時期があったらしい、それすごく羨ましい。


ずっと軽視してきた「くつろぐこと」「居心地のよさ」。
そういうものをもっと大事にしたほうがいいよ、と
ゴンチチの二人にそろりと囁かれたような気がします。
理屈ではなく、感覚が素直に求めるもの。
頭でものを手に取ったり買ったりするのはやめて、
感覚が欲しがるものを五感に与えたい。
そんなことを考えながら、できるだけゆったりなごみながら、記事を書きました。
理屈人間の私にはなかなかできないんですが、今後も、いいヒントになるかと。


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【CDレビュー・感想】LUNA SEA:LUNACY

また、このブログらしくもなく、90年代の邦楽バンドの作品です。
時々取り出して聴いてしまう、LUNA SEAのアルバム「LUNACY」。
2000年に彼らは「終幕」して、2007年のライヴ、2010年の「REBOOT」宣言まで
長い沈黙を続けるのですが、その「終幕」前最後の作品がこれ。
昨年リリースされた新作よりもやっぱり好きなこのアルバムを
今回は感想/レビューしちゃいます。


まずジャケットが好みどストライク。

LUNACYLUNACY
(2000/07/12)
LUNA SEA、DJ KRUSH 他

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こういうシンプルで先鋭的なデザインが個人的に大好きなのである。
私は基本的に、ヴィジュアル系の様式美などにはまるで興味のない人間なので、
それまでの彼らの音源にはあまり親しみを持てなかった。
けれど本作は、ヴィジュアル系という枠組みをほぼすっかり外れたロックアルバムだ。
洋楽志向でガッツリ攻めて、私のツボを今でも突きまくる。
前作「SHINE」からその傾向が増していたが、本作はそれを更に突き進めた。
「LUNA SEA」というバンドの作品としては「らしくない」作品のさいはてなのだが、
それゆえに今に至るまで「このアルバムがいい」という根強いファンを生んでいるように思う。

以下、各曲ごとにみていく。

1.Be Awake
疾走感溢れる、爽やかでダイナミックな曲、爽やかすぎてLUNA SEAらしくないし、
なんかベタ。ぶっちゃけ苦手で、よく飛ばしてしまう。
「宇宙的に感じようよ」とは何ぞや(苦笑)
SUGIZOはあまり歌詞を手がけない方がいいような・・・・・・
宇宙的なギターソロは素晴らしいし、ギタリストとしては大好きなんだけど。

2.Sweetest Coma Again feat. DJ KRUSH
カッコ良すぎて、この曲だけどれだけリピートしたかわからない。
なぜシングルカットされなかったのか? feat.DJ KRUSHだから?
映画「007」の日本版エンディングテーマで、話題にもなったのに、もったいない。
徹底的にクール。前作で強すぎた「河村隆一」色がほどよく封じられ、
各パートが火花を散らすようにやりあっているのがあまりにスリリング。
Youtubeで終幕時のライヴ(FINAL ACT)を観ると、SUGIZOが腰を振りまくって煽っていて
盛り上がるところなのか笑うところなのかいい意味で迷ってしまう。

3.gravity
ドラマ・映画「アナザヘヴン」主題歌。オリコンで1位も獲っているシングル曲。
最近になってようやく魅力に開眼した曲。
やるせなくしどけない、鬱蒼とした曲を書かせたらINORANは随一だった。
今のINORANはもうこんな曲、書かないし書けないんだろうな。
INORANのアルペジオを主役にしたことで、SUGIZOのギターやJのベースがむしろ際立つ、
アンサンブルの妙を堪能できる曲でもある。

4.KISS feat. DJ KRUSH
直球でエロく、華やかで、都会の香りもする。
どくどく溢れ出してくるようなベースラインが淫ら。
SUGIZOとRYUICHIの組み合わせは#1も含め、どうも「あま~く」なる。
随所にサンプリングされた喘ぎ声はあのビビアン・スー(SUGIZOの当時の彼女)って本当?
DJ KRUSHはいい仕事しかしない。ベストマッチ。もっと色々やってみてもよかった。

5.4:00AM
乾いた午前4時のTOKYOのマンションの一室をミニマルなタッチで描き出した曲。
短編小説のような「ふぜいのある」上品な佳曲。
INORANの流れるようなアコースティックギターが美しい。
でも他のメンバーは持て余してる?と思っていると、ラストで一気に混沌に突入、
面目躍如となり、これまた、よくできた小説のオチのようである。

6.VIRGIN MARY
LUNA SEAのアルバムにはいつも中盤でプログレっぽい長尺の曲が入るようだが
それがここ、まさにど真ん中に鎮座する。
本作は「らしくない」作品と言ったけれど、唯一「らしさ」を残したのがこの曲かも。
幽玄の境地、耽美の世界。
シューゲイザーなギターのアプローチのおかげで退屈しない。

7.white out
ズブズブな#6から一転して、甘く温かくあっさりとした曲。
INORANの曲なんだけど、とても河村隆一的なのはなぜか。
曲が淡いあまりヴォーカルに呑まれたか?
クセのあるギターソロがユニーク。

8.a Vision
ストレートで豪胆な、Jらしい曲。のちのJソロ曲まんまともいえる。
Jの曲ではRYUICHIはタイトに歌ってくれるので、
華美になりすぎず聴きやすい。
大きな点でひとつひとつ刻み込んでいくようなベースソロがキく。

9.FEEL
#4「KISS」の延長線上にあるような妖しく悩ましい曲。そういえばタイトルの
文字数も同じで、間奏でもサンプリングされているし、意図的に繋がっているかも。
悩ましい曲を書かせるとSUGIZOがうまい。
サビの転調が妖しさを一層アップ。
ヨコノリのグルーヴィーな曲に、イントロ~Aメロのタテノリでゴリゴリなリフ、
間奏のヴァイオリンや#4のサンプリングなど、いい具合に詰め込まれている。

10.TONIGHT
LUNA SEAがある意味、アイデンティティを全部投げちゃった曲。
これはこれでよいが、昔からのファンの絶望する姿が目に浮かんでしまう。
シングル曲だがセールスが振るわなかったのはこのせいか。
よくまとまっており、バンドものの王道の曲・アレンジなのだが、だからこそ
変化球が売りのこのバンドが演るという、違和感が半端ないわけだ。
こういう曲をシングルカットした時点で「終幕」の始まりだったのかも。

11.Crazy About You
ラストはスケール感のあるJの曲。
いい曲なんだけど、これがアルバムを締めているので後味がよくない。
J曲を最初に、SUGIZO曲をラストにもってくれば、
冒頭の違和感も、ラストの違和感もなかったと思うのだが。
この時期からのJ曲はどうもアメリカン・ロック色が強くて、
LUNA SEAらしさから乖離している感が強いので。


本作を発表してからほどなく、LUNA SEAは「終幕」を発表。
それも納得できるような、個を突き詰めた、全体のまとまりを欠いた1枚は、
しかし曲単体では最高水準にあり、
また、そのまとまらなさ、歪さが、本作独特の魅力となっている。
そして本作のリリースがほかならぬ2000年というのも重要だ。
これが1997年とか2002年なんかの作品だったなら、ただの駄作である。
「2000年」というカオスな時代の空気を、本作は巧みに切り取ったようにも感じられる。
REBOOT前、SUGIZOはLUNA SEAを振り返り「偉大なる失敗バンド」なんて
言っていたというけれど、それゆえに愛おしくなるのかもしれない。
歪で、過剰で、カオティックな、なんて素敵なバンド、素敵なアルバム。
メンバーが最高密度で力を出し、ぶつかり合ったからこそできた最高傑作。



さて、その後の、というか、現在のLUNA SEAですが、
多くの人がご存じのように、2013年、最新作「A WILL」をリリース。

A WILLA WILL
(2013/12/11)
LUNA SEA

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レビューを書こうとも思ったけれど、「何か違う」の連呼になりそうなのでやめました。
歳を重ねた重厚さもあるんですが、どうもあまり好きにはなれなかったし。
だいいち全員、顔をちょっとずつ(某メンバーは「だいぶ」)いじっている気がするし・・・・・・
それにやはり「LUNACY」が一番好きだと、嫌と言う程わかってしまったので。
あくまでも好みです。時間は逆戻りしないし、私もあの頃に戻ってと言う気はないです。
でも、この作品の不思議な魅力を、どうしても多くの人に知ってほしかった。
そんな熱情に突き動かされて、綴った記事でした。

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【CDレビュー・感想】BUGY CRAXONE:ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー【ライヴレポ】

今回の記事の主人公は、札幌出身で90年代末にデビューして今もしぶとく活動している
BUGY CRAXONEブージークラクション)というバンドです。
私は2002年頃に彼らの存在を音源で知り、翌年、ライヴに参戦、
以来、このバンドを10年以上にわたり応援しています。
最近は少し距離を置いていたのですが、先日、久しぶりにライヴに行ってきて、
それが素晴らしかったので、初めて記事にしてみます。


<ライヴレポ>
ブージーのライヴは、要所要所で音源以上のものを語っている部分があるので、
あえて今回の記事はライヴレポから始めたい。

現在のDr、ヤマダヨウイチ氏が加入する前、前任のドラマーが脱退してからの
作品から、急に音も歌詞もスカスカになり、「空っぽ?思考停止?」と戸惑った。
「もう、私の好きだったあの『魂に突き刺さる詞と音』を鳴らすブージーはいないのかも」
と幻滅。しばらく音源は集めず、ライヴにも行かず、静観していた。

2014年11月21日、私は気が変わって、久しぶりに
ブージーのライヴに行ってみようと思い立った。
会場は札幌COLONY。ここは、10年近く前、私が初めて彼らのライヴに足を運び、
鮮烈な洗礼を受けた場所である。
その日は冬で、Vo/Gtの鈴木由紀子氏(以下由紀子さん)が酸欠でぶっ倒れるという
とんでもないアクシデントが起きるという、インパクトのありすぎる出会いだった。
激情の演奏、叫びながらも正確で巧い歌、Gt/Choの笈川司氏のグレッチが鳴らす
豊かな響きのギター・・・・・・私は一発で虜になってしまった。
由紀子さん――あの頃は「ゆっこちゃん」――は、一種の聖域というか、女神というか、
我々の一段上に立っている存在だった。
彼女はそういうカリスマ性を備えたヴォーカリストなのだ。

あれから10年余りが経った。期待外れになる覚悟をかなりしながら、
この倦んだ日々のなかに何か刺激が得られないかと、「賭け」にも近い気持ちで
チケットを買い、何年かぶりにライヴハウス「COLONY」に足を運んだ。

そこには、あの頃と変わらない熱気があった。
10年前の曲を2曲演ったとき、あの尖っていた頃と寸分違わぬ激情と真摯さとが
剥き出しになって表れてきて、私は心底ほっとした。
でも、聞き慣れないポップで楽しい曲調の新譜たちをメインにした演奏にも、
違和感は不思議となかった。寧ろ、「丁度良いな」と感じた。
観る側(聴く側)も、演る側も、歳をとったということなのだろう。
そして、ブージーというバンドは、無理なく自然に歳を重ねて、音を奏で続けている。
10年が経ち、私も歳を取ったし、周りの観客は若い子からシニア層までいた。
ステージ上のメンバーも歳を重ね、変わらないようで、少し落ち着いた感があった。
Ba/Choの旭司氏は、相変わらず黒ずくめで、ニコニコで、「変わってないなぁ」と
可笑しくなってしまったけれども。(ちょっと体型が豊かになったかな?)
でも、それが、「自然に楽しく、でも熱量は変わらない」時間を過ごせた理由だと思う。
楽しかった。メンバー4人と一緒に私(たち)もたくさん笑い、頭を振って踊った。

ただ、少し淋しいのは、私も含め長年のファンは、どこかで昔の面影を求め、期待して
今の彼らを受け入れている、受け入れようとしているということだ。
昔の曲のイントロが流れると、会場の雰囲気が一気に変わる。
待ち望んでいたというように。
「あの頃のブージー」がやっと表れた。そんな本音が、率直な身体の反応で露わになる。
だから、以前なら絶対になかった、由紀子さん自ら物販でグッズを捌く姿は、
ありがたさと同時に、何かやるせなかった。
大袈裟に言うなら、女神が地上に降りて同じ人間として息を吸って、目の前にいるのだ。
普段はバイトでもして生計を立ててるんだろうな、何してるんだろうな、
そんなかつてはタブーだった想像を、容易にしてしまう自分に戸惑った。
身近なのはいいけど、幻想が壊れるようで少し興ざめ、というやつなのだ。
今でもファンの多くは、由紀子さんに対して、一種の夢を見続けているのだと思う。
その夢や幻想ゆえに足を運んでいるファンは決して少なくないはずだ。
そして、それが、今でも変わらず、ブージーの大きな魅力のひとつなのである。


<CDレビュー・感想>
さて、やっと音源の話をする。

ナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピーナポリタン・レモネード・ウィーアーハッピー
(2014/06/18)
BUGY CRAXONE

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6月にリリースされた音源だが、対バンのMCによると、今回参戦したライヴは
本作のレコ発ライヴだというので、ライヴ後に思わずその場で買ってしまった1枚。
タワレコででも買えばポイントも貯まるのに、ライヴの勢いで、今すぐ買わずにいられず、
つい衝動買いをしたのだ。
けれど今は11月・・・・・・レコ発って本当なのか?勘違いして買っちゃったんだろうか?
家でリリース日を確かめて以来、ずっとモヤモヤしている。
でも、2,700円はたくだけの価値はある良作だったから、モトは取れたので、よしとする。

軽快だけど思考停止じゃない
近作に対して「ユルすぎない?」と感じていたとは序盤にも書いたが、
本作「ナポリタン・レモネード・ウィー アー ハッピー」は、
軽快なタッチな中にも、ほどよい重厚感、密度が戻っているように感じられた。
80sのガールポップを思わせる、ちょっと懐かしいテイストを纏いながら、
子どもか頭の足りない人(失礼)が書いたかのように見せかけた歌詞を綴りながら、
決してそれは思考停止にはなっていないと。
以前の彼らは、「世知辛い」「生きにくい」と正面から歌い、奏でていて、
我々ファンはその姿に、信仰に近い愛情を抱いていたのだけれど、
時間が経ってメンバー4人(メンバーチェンジ含め)が大人になったことで、
「そこまで根を詰めて考えたってしょうがないでしょ」
「生きにくいけど、世知辛いけど、楽しくやっていこう?」と
シンプルな生き方に辿り着いたように感じられる。
また新しいかたちで、自分の今いる大地を見据えて、
そのうえで軽快にダンスしていることがわかる音楽になった。

音楽的アプローチも変えていく
音も詞も客観的になり、ゆとりが生まれた。
魂がどうとか、なぜ生きる・どう生きるとか、そういった感情の追求ばかりでなく、
音自体を「楽しむ」要素が増えている。
シリアスな曲調のパンクロックから、メジャーコードを多用したロック/ポップスへ。
以前にはなかった、80sシティ派ポップスみたいなジャジーな#4
「のー ふらすとれーしょん」といった楽曲もみられて、耳でも楽しい。
また、由紀子さんの歌に対するアプローチも変わった。
以前は刺すような少年性で勝負していて、多くの曲の一人称は「僕」「ボク」だった。
それが何年か前から少しずつ変わっていって、ロックをがっしり歌い上げるよりも
コケティッシュな少女性を前面に出し、結果、角砂糖みたいに甘くサラサラ透き通る、
ヴォーカリストとしての新しい魅力を引き出すことに成功している。

少年少女の感受性をもったまま大人になるということ
哲学的ですらあった初期~中期から変化して、近年の歌詞は「あえて軽快」だ。
考えていないわけじゃない。
例えば#5「わかってきたよ」では、こう歌っている。

ひとりひとりちがうってことを
やっとわかってきたとおもうの
どんなこともやるってきめて
ジャンプしたらむげんのせかい

Live いきてるってこと
Life たのしむってこと


若いバンドがこんなことを歌っていたら、「世間知らずのスカスカなバンド」だと
苦笑混じりで通り過ぎられてしまうだろう。
これは、それまで気を張った表現をしてきた、真っ正面から対峙しすぎてきた
ベテランのバンドが今ようやくこう歌うから説得力があるのだ。
ひらがな、というのも、これまた肝要だと、音源で聴くとわかる仕掛けである。
「Live 生きてるってこと」じゃ、この声やこの曲には重たすぎるし、説教くさくなってしまう。

彼らの現在のスタンスがよりわかるのが、#7「GO GO シリアス」という緩やかな曲。

なんかおかしいし なんかくるっている
そんなことくらい さぁ こえてすすめ

GO GO シリアス
これがせかいさ

花のようにじぶんのように
せかいをみてられたら
あとは上出来だと笑っちゃうの


世界はおかしいとも狂っているともよくわかっていて、
そのうえで奏でる「ウィー アー ハッピー」な音楽なのだ。
これは新たなる立ち向かい方、少年少女の感受性を持った大人のやり方。
心地よく、でもずっと、転がり続けていく。ライク ア ローリング ストーンってやつだ。
このバンドらしい、新たな地平が広がっている。

実は今が一番売れてる
Wikipediaを見ると、驚くことに、近年~現在の方向性が、過去のどの時期よりも
オリコンチャートの順位が良いのである。
メジャーレーベルに属していた90年代後半~00年代前半、
北海道の大規模なロックフェス「ライジングサン・ロックフェスティバル」の出場を果たしたり
怒髪天主催のレーベル「「Northern Blossom Records」に所属になった00年代中盤よりも。
このバンドは本当に山あり谷ありだと思う。
メンバーチェンジも多いし、音楽性もよく変わるし、安定するということがない。
そんな彼らが、15年近くやり続けた今、セールス的に最盛期にあるなんて。
思えば先日のライヴで観客の層が広かったのはそういうことかもしれない。
観客も60人くらいびっしりと埋まっていて、「もしかして客、増えてない?」と驚いた。
こんなことがあるものなのか。
てっきり斜陽の道を辿っているものとばかり思っていたから(自分のアンテナに
引っかからない、変化を受け入れられないという理由だけで)、未だに信じられない。
確かに、より、万人が入っていける音楽になった。
10年前くらいの時期の作風に思い入れが強い私はまだ戸惑いを隠せないけれども、
これが彼らの現在なのである。
長くやっていくというのはそういうこと。
柔軟で、変わり続けていきながら、
変わらずもあり続けるということなのであろう。



こんなに長く活動していられて、愛され続けていられるなんて凄いなぁと、
あの日出会った場所で、私は感無量になっていました。
その理由こそ、「空っぽ」だと思っていた近年の作品に、
めっきり足が遠のいていたライヴにあったのは、
まさに「百聞は一見にしかず」でした。
たった一夜のライヴ、たった1枚のCDに、
私はあまりにも多くのことを教わったのです。
一人でも多くの人に、彼らの音源やライヴに触れてほしいと
今でも、今こそ、強く願ってやみません。

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【CDレビュー・感想】FLiP:LOVE TOXICITY

私が1stアルバムから動向をチェックしているガールズバンド、FLiPの3rdアルバムが
昨年の6月に発表されました。
作品は当然昨年のうちにチェックしていたのですが、諸般の事情で
記事化はお流れになっていました。
それを今回、満を持して書いてみたいと思います。



LOVE TOXiCiTY(初回生産限定盤)(DVD付)LOVE TOXiCiTY(初回生産限定盤)(DVD付)
(2013/06/26)
FLiP

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ジャケットでまず語る
1stや2ndのジャケットとは違い、ヴォーカル/ギターのサチコが一人で映るジャケット。
背中ヌードに近い、SMを連想させる過激なファッションが目を引く。
1stや2ndは「かわいくてかっこよくて親しみやすい4人のメンバー」を売りにしていたのに
本作は一転してハードに。
このアルバムを象徴しているようなビジュアル、ジャケットだ。

個々の個性よりも完成度重視
1stや2ndでは、ギターのユウコやベースのサヤカもちょくちょく作詞していたが、
本作ではサチコが一貫して全ての詞を手がけている。
作曲と編曲はFLiP全員で。
それまでは、シングル曲などはサチコと、プロデューサーのいしわたり淳治氏が
多くの作詞作曲を手がけて、アルバムではユウコやサヤカも加わるというふうだったが
いしわたり氏が離れた本作ではセルフプロデュースに挑戦。
もともと安定した作詞作曲ができていたサチコ中心になった。
そもそものメディアなどでの取り上げられ方もサチコがメインだったので、
世間からの見られ方と実態がリンクする出来といっていいのかもしれない。
その結果、アルバム全体が一貫した完成度、雰囲気を保っている。

「いしわたり淳治プロデュース」のコーティングを剥がして
実際には「剥がされて」「捨てられて」と言った方が正しいのかもしれない。
なにせ手をかけたのに売れなかったのだから・・・・・・
でも、彼女達自ら「セルフプロデュースをしてみたい」と願い出たのかもしれない。
元々FLiPは全部自らでやっていたのだから。
チャットモンチー、9mm Parabellum Bullet、ねごと、NICO Touches the Wallsを手がけた
ヒット請負人のいしわたり氏による「伝わるため、売れるため」のポップなコーティングが
それまでのFLiPの作品をある程度世の中に知らしめてきたけれど、
本来の彼女達の表現したいもの、素の姿との乖離が生じてきたということもありそうだ。
なにせ、キャッチコピーは
「影と光の間に潜むのは未熟ながらも今を生きるもう一人の人格たち」なのだ。
1stや2nd、特に2ndは「光」の側面を強調したアルバムだったので、その反動として
「影」の側面が前に出てきても不思議はない。
そうして、詞・曲・アレンジ共にダークでハードなアルバムが出来上がった。

絶望のほとりから空を見上げて
甘いコーティングを剥がして、剥き出しになったのは、悲痛な叫び、痛み、闇。
ほぼ一貫して主人公は飢えているといっても過言ではない。
例えば、#2「カミングアウト」のサビでは、こう歌い上げる。

その手のばしてよ あたしの首まで
口約束はいらないの 今に夢を見ていたいの
そうでしょう? 空っぽな心であなたを感じたい
何度も狂わせて


Aメロでは「いじめてよもっと」なんて、ジャケット写真にも繋がる
更に過激なフレーズが出てくる。
アルバム全編にわたり、音も刺すように鋭角的で、ささくれ立っている。
その絶望がさいはてに達するのが#6「a will」の遺書風の歌詞で、ちょっと怖い。

どれくらいの愛があればいいのでしょうか。
どれくらいの愛を知れば愛せますか。
君と触れあう時間だけ微かな鼓動感じてたの。
たぶん愛を知らないまま愛していたから。


Coccoの歌詞のように重くて、山田詠美の小説のように淫らでもある。
「今日が終わる頃には世界は綺麗よ。
だって私の醜い身体が消えるの。」という直接的なくだりも出てきて
それまでのFLiPを知っているファンは戸惑ったことだろう。
売れない、プロデューサーに捨てられた、が実態であったなら、
そのくらい病んでしまっても無理もない。
しかしこれはなかなかに堕ちているな。

開き直れ!
これだけハードで病んでいる作品が、それでも聴けるのは、
根底にある、彼女達自らが持っているポップさ、そして地力であろう。
最後の#11「Bat Boy! Bar Girl!」ではこう宣言している。

Bat Boy! Bat Girl! 太陽より
Sing a song! Sing a song! 眩しいもの
Bat Boy! Bat Girl! 闇に光る
Sing a song! Sing a song! タカラモノを
飛びたて翼ひろげて 逆さまのこの世界
Bat Boy! Bat Girl! たとえそれが
Sing a song! Sing a song! ニセモノでも


ヤケクソ感が漂うともいえるが、響きは力強い。
カーンとホームランを放ったような聴き応えだ。
FLiPらしいダイナミックな歌声や演奏は、本作においても一貫しているので
繰り返し聴けば、今までの世界と地続きであることがわかる。
そもそも#1「タランチュラ」のBメロで既にこう言っているのである。

それでも死なない あたしは死なない


病みかかっていようと彼女達は死なない。
本作は、どんなになっても負けない、という、明確な意思表明なのだ。
結局、本作も「らしさ」は何一つ失われていない。
「らしくないけどらしい」アルバムだといえそうだ。

明るいものばかりもてはやされる世相へのカウンター
いつからか、重たい表現で勝負するバンドやソロアーティストを
あまり見なくなった。
重たい表現でやってきた面々が、いつの間にか方向転換していたり。
誕生日パーティーみたいに明るくて脳天気なバンド、
ほわんふわんととりとめのない綿菓子のようなソロシンガー。
重苦しい表現が排除され、「あかるい」「やさしい」ものばかりが重宝されるような
風潮はないだろうか?
FLiPは、そんな世相にもの申そう、一矢報いようとしたのではないか、とも感じた。
いつでも誰にでも出来ることではない、売れなくなるというリスクがあるから。
でも4人はその茨の道をあえて選んだ。
最後にひと花咲かせようと言わんばかりに・・・・・・。
その思い切りこそ、ロック。
売上を落とす結果になったかもしれないが、私が本作のことを忘れられなかったのは
彼女達のそんな根性が胸に響いていたからだろう。


2014年10月、FLiPは事務所を移籍し、新作シングル「GIRL」をリリース。
オフィシャルサイトのトップ画像にもあるように、
今ではすっかり、売れ線というか守備路線の「ガーリー」にイメチェンしています。
垢抜けてかわいいけれど、これは彼女達の本音か? 今更感も・・・・・・。うーん。
FLiPが3rdアルバムで過激で暗い路線を試みたのは、リスキーな挑戦ができる
最後のチャンスだと分かっていたから、
「遺書(a wlii)」は、本音で勝負できる表舞台に向けて発されたものなのかもしれません。
個人的にはちょっと残念ですが、生き残っていくため。
これからが彼女達の本当の勝負どころだから、まだ見守っていようと思います。
ライヴ行きたいなぁ。もっと幅広く全国を回ってくれたらと願うのですが、厳しいでしょうか。
ああ、行けるうちに行っておけば良かった。


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【CDレビュー/感想】TM NETWORK:BEST TRACKS~A MESSAGE TO THE NEXT GENERATION~

前回、前身的バンド「SPEEDWAY」のアルバムを紹介した続きとして、
今回はTM NETWORKのベストアルバムを。
以前、シングル・ベストの「TIME CAPSULE」を入手して、ずっと聴いていたのですが
再始動前の音源をシングルからアルバムまで網羅して15曲選んだこのベストも
興味深いセレクションなので。
実はベストアルバムの感想・レビューって初めてなので
試行錯誤のつもりでやってみます。


BEST TRACKS 〜A message to the next generation〜という
入力に骨が折れる長いタイトル、まあ凝り性の彼ららしいっちゃらしい。

BEST TRACKS~A message to the next generation~BEST TRACKS~A message to the next generation~
(2000/03/23)
TM NETWORK:TMN、TM NETWORK 他

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活動の一時期には「TMN」名義だったこともあり、ジャケットには「TMN」の三文字が
まず冠されている。
2000年、レコード会社移籍に伴い、旧レコード会社がメンバーの意向に関係なく
リリースしたものだが、このセレクションからかえって
メンバーの外側から見たTMが見えてくるかと考えた。
全曲感想・レビューをしながら、このユニットを概観してみたい。

1.LOVE TRAIN
一番売れたシングルが最初に入っているといういやらしい作り(笑)
活動休止前最後のアルバム「EXPO」の時期の曲。
90年代の音楽が青春という世代の私は、この曲がTMの曲のなかで最も好きで、
最も耳馴染みがある。幼少期、F1中継のCMで、カメリアダイアモンドのテーマソングに
なっていたこの曲をぼちぼち耳にした記憶があるのだ。
今聴いても古びない泣きのギターと、対照的に時代を感じる機械的なドラムビートの
イントロだけでもうロマンティックで、心をぐっと掴まれる。
そのまま切なく駆け抜けて、最後の転調がたまらなく盛り上がる!
夏が舞台なのに冬が妙に似合う気がするのはなぜだろう。

2.BE TOGETHER
2000年にTMを初めて聴く世代に向けて作られたとおぼしきこのアルバムらしく
前年にリリースされて大ヒットした鈴木あみ(現・鈴木亜美)のカヴァーの
原曲はここにござれとばかりに持って来た感じ。
アルバム「humansystem」収録曲で、シングルではないけれど
ファンの間では名曲と名高かった曲。
あみーゴのヴァージョンで初めてこの曲を知った世代なので、
最初はTMヴァージョンは違和感があったが、慣れるとこれっきゃなくなる。
ハッピー感、青春感が半端ない!
トキメキとエネルギーとスピード感に溢れている。

3.COME ON EVERYBODY
アルバム「CAROL」収録曲でシングル。
シャープなアレンジがキレキレ、特にリズムセクションがいい。
真新しい曲と言われてもわからない新鮮さ。
「CAROL」期の曲はどれもキャッチーで洗練されている。
サビの転調で一気に引き締まる。ダンサブルでクールでとても格好良い。

4.Kiss You
個人的にTMで一番の名盤だと思っているアルバム「humansystem」収録曲で
シングル。後にリミックスエディションもシングルリリースされている。
ブラスアレンジでちょっと大人に。
「洋楽志向」が前面に出て、ファンクで締まった格好良い曲。
この曲も古びない名曲。
流れるように繰り出させる言葉数の多いAメロ~Bメロもいい。
コムロさんの一癖あるコーラスが聴ける。

5.RHYTHM RED BEAT BLACK
TMNとしてリニューアルしたアルバム「RHYTHM RED」の
いわばタイトルチューンで、後にシングルカット。
ロックなアルバムのなかの渋い佳曲。
アーバンな曲に乗るのは、現在でも活躍する名脚本家の坂元裕二さんの
アーバンでドライな、トレンディドラマからそのまま飛び出してきたような詞。
TMといえば青春のイメージが強いが、成熟したオトナのミリョクもいいじゃない。
当人たちは当時30過ぎだったんだし、そうなるのが自然というもの。

6.金曜日のライオン
一転して若々しいデビュー曲。アレンジに時代を感じる。
YMOっぽさもありつつ、このユニットの音楽はデビューから一貫して
「ダンス」なんだなあと実感させられる。
疾走感がいい。

7.アクシデント
これも昔の曲。3枚目のアルバム「CHILDHOOD'S END」収録曲でシングル。
昔のTMは少しベタというかバタ臭い、歌謡曲っぽい匂いがする。
哀愁があるというか。でもここにもいい味がある。
この曲は青春の爽やかさが香り立つ。

8.HUMAN SYSTEM
アルバム「humansystem」から3曲目は実質タイトルチューン、1文字空くけれど。
モーツァルトの「あの」お馴染みの曲のリフをいただいた大胆なイントロに、
小室みつ子さんによる、少年少女たちの甘酸っぱいすれ違いの物語。
フレッシュで切なくて、当時の若い子にTMが愛聴されたのもよくわかる。

9.FOOL ON THE PLANET
ブレイク前夜のアルバム「SELF CONTROL」収録曲。
ビートルズの「Fool On The Hill」を連想させるタイトル。
アルバム「SELF CONTROL」にはなぜかそういう曲がちらほら。
6/8拍子のゆったりした曲。キネさんらしい曲。
こういった癒しサイドがあるのもTMの大事な魅力。

10.SELF CONTROL
直球の青春ソング。アルバム「SELF CONTROL」収録曲でシングル。
駆け抜けていくような鮮やかさ、一気に希望が広がっていくような
「陽」のオーラいっぱいのメロディ、アレンジ。
挫折から立ち上がっていく瞬間を捕らえた歌詞と併せて、胸がアツくなる。

11.ALL-RIGHT ALL-NIGHT
#9から#11までアルバム「SELF CONTROL」から、色の全然ちがう曲が続く。
こちらは、華やかなブラスアレンジにのって、サクサクと進むナンバー。
スラップ混じりのファンキーなベースがいい感じの重さを出している。
TMはユニットながら、結構バンドっぽい音を出していることに気付く。

12.WE LOVE THE EARTH
一転してアルバム「EXPO」収録曲、「Love Train」との両A面シングル。
90年代になるとTMは打ち込みサウンドの楽曲が目立つようになる。
地球平和を訴える趣旨の歌詞、主張はやや「パワー・トゥ・ザ・ピープル」的だが
聴き心地はとても爽やかなダンスナンバー。

13.DIVE INTO YOUR BODY
快楽の渦にワーッとなだれ込むような、徹頭徹尾パーッとした曲。
夏の享楽的な刹那がよく出ている、痛快なダンスナンバー。
TMがTMNにリニューアルする前夜の時期にリリースされたシングル。
この辺の楽曲がオリジナルアルバム未収録なのは勿体ないな。
TMの楽曲のなかでもかなりお気に入りの曲。

14.WILD HEAVEN
「Love Train」と同年の1991年にリリースされたシングルだが、
アルバム「EXPO」には収録されていない。
#13の享楽的なムードを、テクノロジーの進化によって更に強化したような
ダンサブルで楽しい曲。
けれど何か「終わり」を感じるのは、もうすぐ活動終了だという
予備知識が先に頭にあるからなのか?

15.GET WILD
言わずと知れた代表曲で幕を閉じる。
実はオリジナルアルバムには収録されていないシングル。
若さゆえの衝動や焦燥をクリアに切り取ってみせたのが名曲たる所以。
当時のライヴでは、後にB'zを結成する松本孝弘さんのギターを楽しめる。
ダンス×青春=王道TM、その堂々ど真ん中をいく。


80年代から1994年のTMN活動終了のTMを、90年代後半~00年代の視点から
捉えてみるとこうなりました、といった感じか。
メンバーやリアルタイムでTMを追っていたファン(FANKS)の認識に
どこまで近いんだろう、このセレクション。
TM関連の文章をよく書いている藤井徹貫さんのイントロダクション文が
あるくらいだから、まあそんなに迷うこともないんだろう。
そうなるとTM NETWORKというユニットは「ダンサブルときどき歌心、
青春ときどきアダルトな世界
」ということになる。
TMの作品を大体コンプリートした、後追いの自分からすると、
あれが入ってないこれはそんな必要か?などという声も出てくるとはいえ、
最大公約数はまあこんなところになるんだろうか、となるな、確かに。


多面性を持ったユニットの10年をアルバム1枚にまとめるという
難しい命題を持っている本作。
ほとんどの作品を揃えた後であえて出会ったこのベストアルバム、
無人島に1枚だけTMのアルバムを持って行くなら確かにアリかもしれません。
・・・・・・いや、やっぱりhumansystemかな?
楽しい迷いです。


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【CDレビュー・感想】SPEEDWAY:ESTAR/BASEMENT

今回はえらくマニアックなCDの紹介です。
友人が唐突に貸してくれたのです。
貸してくれなかったら、一生聴けていなかったんじゃないかなぁ。
手に入るなんて発想がなかったから、探そうとも思っていなかったもの。
そんな一枚、正確には二枚の、感想/レビューをどうぞ。


THE ESTER & BASE AREA
商品をそのまま紹介しようと思うと、画像が出てこない。
さすが1990年リリースの、超レア音源である。

ゴールデン・ベストゴールデン・ベスト
(2003/03/19)
SPEEDWAY

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2003年にリリースされたベスト盤。ここに入っている楽曲の多くが
今回紹介する、SPEEDWAY(スピードウェイ)のTHE ESTER & BASE AREAから
来ていると思われる。
SPEEDWAYとは、あのTM NETWORKのメンバー、
宇都宮隆氏(以下ウツさん)・木根尚登氏(以下キネさん)・そして
一時的な参加ではあるが小室哲哉氏(以下コムロさん。てっちゃんとは流石に呼べない・・・・・・)が
在籍していた、実質的にTMの前身と言われることの多いバンドである。
2007年にTMがリリースしたアルバムのタイトルは、まぎれもなく、このバンドからである。

SPEEDWAYSPEEDWAY
(2007/12/05)
TM NETWORK

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これがTMの前身!?耳を疑う「エスター」
二枚組アルバムの一枚目である。
戦隊もののような「パパパパパ、パッパー」というイントロ、
「夜が明けるまで 飲もう~と オ~~イェイ」という歌い出し。
いま何が起こったのか?!私はTM NETWORKの前身のバンドの音源を
聴いているのではないのか?!
TMとは似ても似つかない曲調に、耳にしている音源を信じられなくなる。
まあ、そりゃそうだ。確かにTMのメンバーが三人在籍していた(時期もあった)が、
スピードウェイは、六人あまりもメンバーがいる大所帯のバンドで、
リーダーも中心人物もコムロさんじゃなくてキネさんで、全く違うバンドと思った方が良い。
カラッとした、脳天気な、しかし歌謡曲調にねっとりした、「アメリカン・ロック」のバンドの
作品なのだから。
そのカルチャーショックをより強く感じさせる作品が「エスター(THE ESTAR)」である。

TMの序章的な色合いが強まる「ベースメント」
二枚組アルバムの二枚目である。

BASE AREABASE AREA
(2006/09/29)
SPEEDWAY

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この作品はAmazonで出てくるだけでなく、2006年に再リリースされている様子である。
一気に垢抜けた印象を受ける。
前作にあたる「エスター」が再リリースされず、こちらだけ再リリースされる理由も頷ける。
こちらにはコムロさんが参加していて、半分近くの曲を書いている。
前作にはなかった、エマーソン、レイク&パーマーやイエスを思わせる音色の
目立つシンセサイザーのサウンドが一曲目から見受けられる。
こんな具合に、僅かではあるが、確かにTMの影が見え隠れして、次の展開が
読めなくはない。
globeの「Sa Yo Na Ra」そっくりな曲もあるし・・・・・・
(しかも「スマイル・アゲイン」という曲で、歌詞もさよならがテーマだし、そのまま?)
但しバンドの世界観は相変わらずで、「ランチボックスはママの手作りパイ~」などとウツさんが
歌い上げているような曲が、ぼちぼち「ガクーーーッ」とさせてくれる。
しかしコムロさん一人の存在でこんなに変わるとは。
この後、コムロさんはTM NETWORK結成のために脱退し、後にウツさんとキネさんは
それに参加することを承諾、バンドは空中分解してしまうのだが、何だか納得できる。
他のメンバーには、たまったものではなかっただろうが。

何かほっとする作風から、グッと引き締まる作風へ
「エスター」は、ほぼ全ての作曲をキネさんが行なっていて、キネさん色が強い。
アレンジを当時のメンバー全員で行なっている。
後にTM NETWORKでキネさんがアルバム用につくる、いわゆる「キネバラ」の片鱗が
かなりはっきりみられる。同じ人の作品だから当然といえば当然なのだが。
アメリカン・ロックを標榜しながら、湿り気のある歌謡曲やフォークソングっぽさをも漂わせる。
「癒し系」といえそうな雰囲気のある「エスター」に対し、「ベースメント」の方では
プログレっぽい試みに挑戦している楽曲まで登場するし、音も引き締まる。
「ベースメント」ではコムロさんとキネさんの作曲の割合が半々。
曲もやはりそれっぽくなる。曲とアレンジでバンドは変わるもんですな。

歌詞はメンバーが書かない
歌詞はメンバーが書かない、外部のライターさんに発注する。
後のTM NETWORKの路線への繋がりを感じさせる拘りである。
実際のところ、拘りなのか、書けるメンバーがいなかったのかは分からないが。

ウツさんがビブラートを!
ずっと、ウツさんはビブラートをかけ「られない」シンガーなのだと
TM NETWORKやソロを聴いて、思っていた。
だがそうではなく、TMのビートの為にそれをあえて捨てた、
元はかけられる、かけ「ない」でいるシンガーなのだという事実が、本作を聴くと判明する。
これはかなりびっくりした。
歌い方のアプローチが、楽曲と相まって、何かどことなく西城秀樹を思わせる。

ブックレットに若きウツさんキネさんコムロさんいました
これもカルチャーショックであった。ベースメントの方にモノクロで載っていたのだ。
時代性か音楽性か、みな一様にグルグルパーマをかけて、みな一様に痩せている。
ウツさんは、もやしながらもさすが男前のハンサムである。
コムロさんは女性か女装なのかという長髪で、メイクもしている模様で、服装もアレだ。
で、キネさんである。TM NETWORKではずっと(今も)グラサンをかけて顔をガード、
目元は謎のヴェールに包まれている、あのキネさんである。
「Love Train」のジャケットで露わになっちゃった下がり眉が、見る者を
「あ、ヤバい」ともれなく思わせてくれてしまうキネさんである。

Love Train/We love the EARTHLove Train/We love the EARTH
(1991/05/22)
TMN

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スピードウェイの作品では、素顔が、目元が、露わになっている!
THE ALFEEの坂崎さんにちょっと似ているような感じだ。
TMで目元が露わになるとタブー感凄まじかったが、ここでは至って自然だ。
ってか、そりゃそうだ。
TMでは三人目のメンバーとして端に佇んでいるというパブリックイメージがあるが
ここではリーダーで中心人物。佇まいも変わるというものだ。
ラスボス感すら漂わせていて、ちょっと偉そうなスネ夫って感じである。
皆さんも是非ググったり、現物を探してみたりして、その勇姿を確かめていただきたい。

月光仮面のおじさんが
本作でなく、それとは別に友人から借りたベストに収録されていた
Rockin' On the 月光仮面」というシングル曲がある。
これがまたショッキングだった。
TM NETWORKの前身が「月光仮面のおじさんが」とか言いながら
歌って、奏でているのである。
まあ言うまでもなく、「月光仮面」のために作った曲なのであるが
あの三人が「月光仮面はだれでしょう~」という曲を奏でているのが
信じかねる。いやはや、時代ってすげえや。


だいぶ失礼なことばかり書いた気がします。
特にキネさん、ご無礼をお詫びします・・・・・・
でも、まあ、これが率直な感想であります。
今でも自然に聴ける二枚一組の名盤。
古くて新しい魅力を放っています。



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【CDレビュー・感想】Syrup16g:Hurt

気がついたらSyrup16gが再結成して、何事もなかったかのように新作を発表していました。
私は入院中にケータイに届いたメルマガでその事実を知ったのですが、とても嬉しく、
退院数日後に、なけなしのカネをはたいてすぐに手に取りました。
そんなわけで、そんなに最新でもないですが、レビューします。



HurtHurt
(2014/08/27)
syrup16g

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あいかわらず
Syrup16gの新譜「Hurt」。(ジャケでは大文字表記だが)
最後のリリースは2008年の「Syrup16g」だから8年も経っている。
年月が経ってのリリース、何か成熟したかと思っていた。
もうすっかり老成した曲が並んでいるのかと思っていた。
でも、その予想は、心地よく裏切られた。
相変わらず不安丸出しの曲だらけ。
うん、これを待っていた。
五十嵐隆氏の人としての幸せは、老成・安定なんだろうけど・・・・・・。

どっしりしたアンサンブル
一人一人のスキルが、積み重ねた年月の分だけ?上がっていて、
なよっとしたアレンジの曲もどしっとして聴こえる。
例えば五十嵐さん声質少し変わったけど歌うまくなった、とか。
そのために、弱っているような楽曲も、力強く響いてきたりする。

ハードに、変拍子に、ニューウェーヴに、和メロに
本作でもSyrupは全体的に、ニューウェーヴ、オルタナを通過した
メロディアスな作風。そこに、HR/HMばりのハードなギターの曲、
思い切り変拍子で展開してくる曲があってハッとさせられて、
前作からの流れである純和風な曲調・メロディなんかも見られる。
時代と適度に寄り添いながら、変わらずに、それでいて自然に時間が
彼らの中で流れているのがわかる。

またも冴え渡る歌詞
毎回そうだけど、本作でも歌詞が私の心を大きく捉えた。
例えばこんな言葉。

何でもないことが 出来ない
当たり前のことが 出来ないんだよ
(#4「ゆびきりをしたのは」)

自分の個人的な現状と相まって、胸を苦しくさせ、ある意味スカッとさせる。

そして相変わらずだが、こんなサビ。

死んでいる方が マシさ
生きているより マシさ
死んでいる方が マシさ
生きているより マシさ
(#8「生きているよりマシさ」)

身も蓋もないが、でも妙な説得力があって、
精神的に不安定していた時期、このフレーズに持っていかれてしまった。
ぶっちゃけ今でも危うい。影響力強すぎて、ちょっと危険だと感じた。

でも、アルバム最後のこの曲だと、また少し違う。

旅立ちの歌
繊細さを胸に
そっと秘めながら歩く
君とまた会えるのを 待ってる

残念の中で 落胆の雨でも
勇敢な姿を 誰かがずっと見ている
最低の中で 最高は輝く
もうあり得ないほど 嫌になったら
逃げ出してしまえばいい

(#11「旅立ちの歌」)


ちょっと長い引用になったが、これは老成の域、老成の粋だと思う。
少々五十嵐さんっぽい言い回ししてみた(苦笑)。
成長してないなんて言ってごめんなさい。
こう概括すると、色んな姿が見えてくるとも言える。

Syrupイズム
最近のハヤリスタリなんて殆ど関係なくメンバー3人の時間は流れているようだ。
聴く側も少なからずそうだろう。
変わらず後ろ向きで、変わらず脱力していて、そして変わらずなんか救われる。
安定のSyrup節、それが何より嬉しくさせられる。


何が嬉しかったかってやっぱり「まんま」だったことでした。
四六時中流して心地よい音楽じゃない、けれど人の不安には
これほど効く、寄り添ってくれる音楽なんかありゃしない。
お帰り、Syrup16g
まさか本当に帰ってきてくれるなんて思わなかったから、感激なのです。
しかも「まんま」で。
まるでライナスの毛布みたいに、私はこの音楽を抱きしめています。

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【ライヴレポ】access TOUR 2014 S@札幌PENNY LANE 24【だいぶ辛口】

久々のライヴレポは、某T2N氏と約束した通り、先月行ったaccessのライヴです。
先月って・・・おっせーよ!って言わないでください。色々忙しかったもので。
だからその、細かなところ(セットリストとか)は覚えていないんですが、
もともとオールスタンディングの最後列でひっそり佇んでいたので、
メンバー2人の姿かたちだとか、動きだとか、そういうのは全然見えなかったし、
予習不足で強行して行ったので(後述)、元々曲目わかんないってのもあります。

え?まだaccessってやってたのかって?90年代で解散したんじゃなかったのかって?
いえいえ、私も去年ぐらいに初めて知ったんですが、2002年に再始動したんです。
そして、インディーズレーベルになっちゃってますが、現在でも新曲をリリースしたり、
こうやってライヴをしたり、してるんです。
浅倉大介さん(以下、公式の渾名の「大ちゃん」で)はしょっちゅうTVで観ますが、
相方の貴水博之さん(以下、同上「ヒロ」で)もバリバリ活動中ですよ!

去年あたりにようやく音源を集めたり動画を観たりするようになったという新参者、
大変おっかなびっくりながら、初めてライヴに行ってきました。
そんなわけでレポです。最初のライヴレポ(Salyu)から約5回目になるのかな。

最初に言っときますが、私はこのユニットを割と外側から観ているライトなリスナーです。
ドライなこと、外側から見えた客観的な景色について、結構書いちゃってます。
コアなファンの方々のお怒りを買うかも・・・・・・




○ええっ、アイドルみたいなノリなの?どうしよう?
大きな掲示板のスレを見ながら、彼らについて色々と基本知識や予備知識は得ていた。
「ここに来る!ライヴ行ってみようかな?」そう思い立ったはいいが、逡巡が半端なかった。
だって・・・
・振り付けがあるの?みんなでやるの? 
・ペンライト?タオル?黄色い歓声?みんなで歌うの?
・えっそれってまるでアイドルのコンサート・・・そんなディープなファン、ディープな空間に
ついていける自信、全然ない・・・つか引くわ・・・どうしよう・・・ついていける?
・全国津々浦々で行なわれるライヴをいくつも参加する強者ばかりなの?それ無理・・・
・90年代(いわゆる、みんなが知ってるあの頃)なら音源全部持ってるし曲もかなり覚えてる。
でも再始動後は、アルバム3~4枚+オールタイムベストで止まってる=10年代ノーチェック。
いいの、そんなライトファンが行っちゃって?

しかしここは勇気と賭けで、行ってきちゃった。チケットは7000円近くしたので本当に賭け。
ところが始まる前から、思わぬつまずきを・・・

○10円も100円も500円もある、でも200円だけがない!
ロッカーの鍵である。
昨今は、友人達の小規模な会場で行なわれるライヴしか行っておらず、荷物をロッカーに
預けるんだから小銭は持ってるのが常識!という常識をすっかり忘れていた。
でもギリギリで行ったから(ぼっち参加で、待ち時間が苦痛だったため)もう5分もない!
そばにあるジュースの自動販売機に500円を入れるが、なぜか返ってきやがる。
千円入れるという手があると今になって気付いたが、勿論後の祭り。
完全にテンパって、鍵をかけられないままロッカーを離れ、貴重品持って会場へ。
皆さんは気をつけましょう。って、常識か。

○初心者・ぼっち・予習不足・振りわからない、超アウェイですが大丈夫でしょうか
オールスタンディング、最後尾にちょこんと佇む。ワンドリンク、水のペットボトル。
ものすごく緊張しながら最初の曲を迎えた。何と1stアルバム収録曲「BE NUDE」。
PAがうまくいってなくて、「かつてアリーナでやってたユニットがこんな音響でorz」っていう
瞬間があり、余計に不安になったが、周りに合わせて振りをしてたら段々ほぐれてきた。
前方に、accessのライヴに来慣れてるっぽい女子二人組がいて、ノリノリで踊ってたので
彼女達をガン見しながら、見よう見まねでそれっぽく振る舞ってみる。
お、何とかなりそうかも! あ、結構楽しいかも!
MOONSHINE DANCE(accessで一番好きな曲)とかもう完璧!
次来たときは、皆と一緒に歌っちゃってもいいかな?(でも多分うるさいと苦情くるな)
結構何とかなるもんだった!
どちらかというと、体力がきつかった。。酸欠にもなりかけたし、最後尾で正解だった。
前~中列で最初から最後まで歌いまくっていた皆さん、物凄い体力と情熱だよ・・・

○暑い
札幌、4月末、なのにお昼の気温は20度超えというありえない天気。
ステージ上のふたりは当然、下で観ている我々も暑い。
脱水気味でもあった。ペットボトルで頻繁に水を飲むが、あたまいたい、きつい。

○実は同じ会場で私もライヴしたことがあるけど、プロとの差はやっぱり大きいわ
そう、大学時代、サークルの定期演奏会で、バンドのヴォーカリストとして
今回観に行った会場の、全く同じステージに立ったのである!
でもやっぱこのおふたりは全然違う、あたりまえだけども。
それを何より実感したのが、ステージの使い方。
上手へ下手へとにかく動け。「お立ち台」らしきスペースが上手・下手両方にあったけれど
そういうのをフル活用して魅せろ。
衣装、アクション、それらもパフォーマンスのうち、恥ずかしがらないで鮮やかに。
後ろの席までも煽っていこう!
うーん、あの頃出来なかったことばかりで、一瞬だけ苦々しい思い出と向き合うも、
プロになれて、続けていけるのってこういう人たちなんだな、と納得、あとは楽しく鑑賞。

○ついBoom Boom Satellitesと比べてみてしまう悪い癖――音楽的魅力を探れ!
この会場に最後に来たのは丁度、ブンブンサテライツの6thアルバムのツアーだった!
いや、sleepy.abか?
ともかく両方の兼ファンとしては、ついつい比べて観てしまうんだな。
そこから図らずも、accessというユニットの音楽性について、凝視することと相成った。

<サウンド>
これは名勝負だった。中野さんVS大ちゃんの直接対決を観てみたい気がした。
もはやイントロ当てクイズと化した超アレンジ、歌い出しまで曲が全然わからない。
時々いきなりピタッ!と静止して、何事もなく続いたりするのには驚かされた。
それに合わせられるヒロもぱねえ。グルーヴというより、シンセVS歌のバトル。
一個一個の音の密度がすげえ。歌もないのに、間奏やアウトロで踊っていたのは
きっと私だけではなかったはず。
大ちゃんすげえ。完全に圧倒された。
このツアーでのアレンジは例年以上に気合いが入っていたという。いいもん観た!

<歌>
えーと、ブンブンの場合、川島さんに歌唱力ってあまり求めていないから・・・
声質は川島さんのほうが好きで、ギター持ってちょっと退廃的な佇まいしてるのが
クールでかっこいいと思って「鑑賞」してるわけで・・・楽しみ方が全然違うんです。
accessは歌ものである以上、やはりヒロには歌唱力を期待して聴くし、観る。
音源から、ヒロ=ビブラートを使わないヴォーカリスト、という図式があったのだが
今回は随所で揺らしていた。ターザンの雄叫びのような、どこかエスニックな
(但し音程がちょっと不安定だったかも)フェイクもところどころ。
体の奥から物凄い声量が出ていて、マイクいらないんじゃないかと思う場面も。
ただ、リズムがあやしい?息が切れてる?という節もところどころ。
まあとにかく、90年代の音源と比べても経年劣化は少ないほうではないだろうか。
これからまた歌い手をする予定のある私にとって、学ぶものは余りに多かった。

<「テクノ×ロック」と「テクノ×ポップス」>
近年のブンブンは、テクノユニットの体裁をとったロックバンドだと自分は捉えている。
ただ彼らの根本はあまりにもテクノで、歌メロが弱く、ロックになりきれておらず、
そこに私は「押しの弱さ」を感じてしまい、こうして軽微な浮気をしている(苦笑)。
一方でaccessは、ポップユニットの体裁をとったテクノユニットなのかもしれない。
一般には逆だと思われているだろうし、私も「シンセを多用したポップス」と捉えているが
今回のライヴに関しては「テクノ」「EDM」が歌とバトルするほど前面に出ていて、
それがとても格好良かった。
accessには私の好物である「ロック」はあまりない。にもかかわらず、魅せられたのは、
「シンセサウンドのおもしろさ」そして「ベテランの底力」が素晴らしかったからだろう。
ギターサウンドと反骨精神だけが「刺激的で面白い音楽」じゃないよ、と、
このところ、ふたり(をはじめとする多くのミュージシャン)に教えられている気がする。

○帰り道――これがマジもんのaccessファン(ヲタ?)だ
鍵を閉めてないロッカーのために、一番に飛び出して、ロッカーに向かう羽目に。
特に何も買わず会場を去る。会場のスタッフだかaccess側のスタッフだか不明だが、
スタッフさん達、愛想とか言葉遣いとか、態度悪いよ。やる気ある?
ふと見ると、外に人だかり。逆側を見ると、灰色のバンが停めてある。
・・・これって、ひょっとして「出待ち」!?アイドルかヴィジュアル系バンドみたい。
引いてしまい、逃げるように地下鉄駅へと歩を進める。
駅のホーム、車内、ライヴ帰りの年季が入ってそうなファン(ヲタ)さんでいっぱい。
2~3人くらいの女の子の集団が多く、感想をダベり合っている。
女の子1人の場合、凄い速さでスマホに何か打ち込んでいる。セトリだろうか?
普段街中ではあまり見ないような、服装にそんなに構わない感じの女性が多め。
そういえばカップルも歩いてた、やたらとおしゃれさんのぼっち女性もいたなー。

○アイドル商売っ気を抜いてくれないと、楽しくても友だちを誘えないよ
このユニットがいまいち「地上」に再浮上できないのは(例えば彼らの先輩にあたる
TM NETWORKは、ばかでかいホールを何日も連続でいっぱいにしているのだが)、
やはり、音楽そのものに特化せず、いわゆる「ヲタ商売」、アイドル商売のノリや
馴れ合いを引きずってしまっているが故だろう・・・。
40過ぎたら(いや、本来なら30過ぎたら)、アーティストに移行・進化してくれないと、
見てる側がキツイんです。
かつてのaccessは、「アイドルに間違えられながら」、革新的な音楽を打ち出して、
それは後続のアーティストに小さくない影響を与えた。
つまりふたりはあくまで「アーティスト」のつもりで音楽を作っていたということ。
それがいつから「停止」あるいは「退行」してしまったのか?
本人達もファンも、時代に取り残されてしまった者同士、だから今でも辛うじて
成り立っているんです、なんてちょっと哀しすぎる。
せめてかつての気概だけでも取り戻してくれないだろうか。
その兆しが、今回の意欲的な取り組みだったなら、願ってもないのだが。
だって現状では、友だちに堂々と好きと言えないし、ライヴにも誘えない。
「色々と残念なユニット」としか言いようがない。あれこれ瀬戸際なのだろうけど。
厳しい言い方をしたが、冷静にこのユニットを見た印象は、どうしてもこうなる。




にわか気味なのに偉そうですみませんでした。
「ライヴはとても楽しかった。思っていた以上の音楽性を見せつけられて
感動した、圧倒された」

一言でまとめるならこれが感想なのですが、
現状、「accessが好き」と言うと、周りに引かれるか失笑されます。
女性ファンだけでなく、男性ファンも少しずつ増えているいま、
もうちょっと彼らを取り巻く環境が良くなったらなぁと思うのです。
難しいかもしれないけれど・・・



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私が初めて買った(洋楽の)CD

ブログリンクさせていただいている、rikoさん&マグかつさんのところで
「私が初めて買った洋楽CD(レコード)」という企画が流行っているようで、
お二方のところへ久しぶりに伺って早々、便乗させていただきました(笑)。

とはいえ、洋楽CDに巡り会うまでには20年弱を要し、それまでずっと邦楽派で、
いざ洋楽に出逢うも、当時の環境は「人類皆レンタルCDショップしかもタダ」状態。
レンタルショップも近所にあることを知ってウハウハ、大抵がレンタルで、
初めて買ったのだってブッ●オフだか、現在の●オにあった中古だったし。
「ほんとのおニューを買ったのって、もしや、割と最近?」という事実に気づくほど。
(従って、rikoさんやマグかつさんのところに書いたのは「中古」で、新品でないので
回答ミスだったかも。うわっちゃ~~すみません・・・)

そんなわけで「私が初めて買った(洋楽の)CD」と、()ついてます。弱気です。
つれづれ続く音楽の昔話、おひまでしたら聞いていかれませぬか・・・?


まず初めて「CD」を買ったのはいつか、という話になります。
故郷の田舎町にはCDショップが一軒しかありませんでした。だから、みんながその店へ
新譜を求めて足を運んだものでした。そういう意味じゃその店、売れてたかも?
私も父などに連れられて車で寄ったり、中学校の部活の帰りに寄っていったりして、
お小遣いをシコシコためて、気になるあのアルバムの為だけに
魂を燃やしていたものです。
お年玉をためて、高校受験が終わったらギターを買ったりね。

そんなロックキッズふぜいのファーストCD自腹体験は1995年頃。
小学生の頃は親にCDを買ってもらっていましたが、中学生になってからお小遣いが増えて
CDを買うのも自腹になりました。
シングルは、ZARDの「愛が見えない」globeの「DEPARTURES」だったか曖昧です。
前者はまだ、親に買ってもらった気もするし・・・。
でも後者は確実に自分で買った記憶があります。だってそのCD、忘れもしない、
私の誕生日に発売されたんです。いわば自分で買った自分への誕生日プレゼント。
CMヴァージョンがとても好きで、音源を再生して「CDとキーが違うー!」と嘆いたものです。
でもglobeはこの曲が入った1stより、ロック度の高い2ndあたりのほうが好きだったなぁ。
アルバムはガチでしょう、B'zの「LOOSE」。これはかなりはっきり覚えています。
何度も何度も聞いたり、家にだれもいない時にシングル3部作を歌ってみたり。
特に「LOVE PHANTOM」は衝撃でした。シビれた!ただ小中学生には刺激が強かったかも(笑)


中学生の頃までは、音楽を入手する手段はこの「近所のCD店」と、部屋にあるAMラジオ、
あとはTVで音楽番組や映画・ドラマ・CMから流れてくる曲・・・と、完全に受け身でした。
さて、これが高校生になると、片道1時間かけてそこそこ大きな街の高校に通うようになり、
そうすると、レンタルショップに通う機会が増えてきます。
家族での買い物でも随分連れていってもらいましたが、何しろ「定期」という無敵アイテムを
持っている上に、登下校の途中にツ●ヤがあったんです!
CDも借りられるし、中古もあるし、音楽雑誌も親の目を気にせずに読み放題できるし!

この頃から洋楽寄りの邦楽にハマっていきます。それが意図せず、洋楽への自然なかけはしと
なっていました。思えば私が高校生だった頃(90年代後半)は、歌謡曲っぽいグループが減り、
今までTVに出なかったようなバンドが次々とTVに出て来たり、流行ったりして、「邦楽」が
がらりと様変わりした時期だったように記憶しているんですが、いかがでしょうか?
当時熱心に聞いていた、椎名林檎、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BLANKEY JET CITY、
ドラムにyukihiroが加入してからのL'Arc-en-Ciel、LUNA SEAのJのソロ、GRAPEVINE・・・
どれもこれも、これでもかと、洋楽のニオイがします。今思い返すと余計はっきり(笑)。
ここに列挙した全員から「いますぐ洋楽聞け」と言われてる気さえしてきます(笑)


さて、洋楽との本格的な出会いは大学時代の軽音楽サークル。この話は何度かここでしてるので
はじめの出会い(先輩達が演奏するレッチリで開花、とか)は端折っていきます。
周りを見ると、同級生も先輩もみんな、どこで仕入れてきたのって位、山ほど音楽を聴いてて
自分の音楽の経験値の少なさに何度目かの挫折感を覚えます。
そこで、かたっぱしから、先輩方や同期に「アレ聞いてみたいです」「コレ貸して」と言っては
毎日(本当に毎日)バカみたいな量のCDを借りてきては、MDにダビングしていました。
そういうCD音源の入ったMDが200枚とかそれくらいあるので、MDが完全オワコン化した現在、
「今のプレーヤーがダメになったらこれ全部ゴミになるの?収集し直しになるの??」と
わりと深刻に、途方に暮れています。
で、そういう中でも「初めて借りた洋楽CD」「初めて買った(中古)洋楽CD」は、結局
レッチリから逃れられないのです。周り中がレッチリ好きという時代(2000年頃)という
風潮も手伝っていたでしょうね。しかもベーシスト、ドラマー、ギタリストばかりだし。
フリーオタの先輩から「カリフォルニケイション」を借りたのが初めて借りた洋楽CD、
先輩方のあの日のカヴァーの原曲を求めてまずはレンタル、聴いて恋して中古購入したのが
初めて中古で買ったCD「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」でしたねー。
そんな具合に、周りから+レンタルや中古屋からさんざっぱらCDを収集し、
スマパンやらRATMやらレディへやらオアシスやらプライマルやらアンダーワールドやら
(邦楽も山っほどあるのですが割愛します)を教わり、自分でもアラニスやらシェリルやら
ノーダウトやら、自分で気になったものを収集するようになりました。

大学3年頃から趣向が変わります。(地元)インディーズの音楽を教わったのです。
というか、腕のいい先輩などは、今はメジャーにいるバンドと対バンしたりしていて、
それを観に行ったりしているうちに、「このバンドかっけー!」と惚れていくのです。
なかでも、大学3年に観に行った「BUGY CRAXONE(ブージー・クラクション)」という
バンドのライヴは強烈でした。
女性ヴォーカルの4ピースロックバンドなのですが、狭い会場であまりに盛り上がりまくり、
ヴォーカルの女性(鈴木由紀子さん)が酸欠で倒れてしまうというアクシデントが!!
しばらくメンバーのジャムで繋ぎ、やがて由紀子さんが出てきて、アンコールに応えて
ひたむきにがむしゃらに歌い、叫ぶ由紀子さん。アツイ!!隣の友人は泣いていました。
そんなわけで何年かは、このバンドを中心に、東京からやってくるインディーズバンド、
地元でデビュー目指してあくせくやってるインディーズバンドを中心に追っていました。
メジャーだとBONNIE PINKとかスガシカオとか元ちとせといったちょっと落ち着く邦楽や、
大学時代にバンド仲間に教わった、上原ひろみとかakikoといったジャズへと背伸び。
アルバイトみたいな仕事ばかりとはいえ、社会で働き出したというのも大きかったでしょう。
とはいえ事実上のワープアですから、CDとかライヴとか、そうそう買ったり行ったりできない。
音源もライヴも価格が安価なインディーズは、そういう面でも丁度良かったのです。
気がつけばもうしばらく、「プロの」音源を買ってない・・・
Boom Boom Satellitesの6thが、初回限定盤に10周年記念の豪華冊子が
ついてくるというので、それにつられて久しぶりにタワレコに走ったとか、そんな感じでした。
あれ?洋楽のCDって新品で買ったっけ??


さて、年月が経ってくると、会場に以前なら誰かしらサークルの知り合いがいたのが、もう全然
出会えなくなってきます。かといって後輩は顔も名前も全然わからねえ・・・
こんな具合で、地元インディーズのライヴに行くのが段々躊躇われるようになります。
そっから勇気出して話しかけるという手もあったかもしれませんが、私自身の意欲自体が
そこまで無くなっていたんですよね。
自分が好きだったバンドも軒並み解散するか、東京に行くもいつの間にか音沙汰が途絶えて
「彼らは今?」状態になっていって、見たいものがなくなっていたし。

そんなときに何となく手に取ったDVD「Live At Slane Castle」が運命の悪戯を仕掛けます。
レッチリのライヴなのですが、私の好きな「Blood Sugar~」が入ってないから、今の今まで
観ていなかったのです。「そういえば観たことなかったな」と軽い気持ちで観てみました。
・・・あれ?レッチリってもっとフリーが目立つバンドじゃなかったっけ?ギターの人、こんなに
目立って大丈夫?しかしやたらかっけーなあ・・・ギターの人ってこんなかっこよかったっけ?
「10年来のファン」と言いながら、アンソニーとフリーしか名前を覚えておらず、というか
洋楽の場合、メンバーの顔とか名前とか興味がなくて、音楽雑誌も全く読まなかったので
そのギタリストがジョン・フルシアンテといって、カリフォルニケイション頃から
音楽的イニシアチブが彼に移行している、といった基本的情報も知らなかったのです。
それが確か2010年頃のこと。情報を得ようとぐぐると、脱退のニュースでもちきり・・・・・・
自分の疫病神体質を恨みながら、ファンの皆さんに詫びながら、彼が2009年にソロアルバムを
リリースしているのを知ります。それが、「さよなら俗世間」という趣の少しコワい作品、
ジ・エンピリアン」で、どうしてか私は迷わずそのCDを「買いに」行ったのでした。
キャッチーな「シャドウズ・コライド・ウィズ・ピープル」でしっかり予習しての決断だけど。
それから、このギタリストの好きだという音楽をかたっぱしから追っかけてまわり、背伸びして
60年代や70年代の洋楽にも手を伸ばすようになります。
(ものっすごい量の音楽を聴く人なので、流石に「好きだという音楽」完全制覇は絶対無理)
そのなかにblogタイトルを楽曲からとったYES(イエス)などもありました。
あとはジョンにこだわらず、興味の赴くままに、フリーダムに。
結果、フツーに70年代洋楽のファンにもなりました。80年代にも手が届くか??


で、最近は洋楽を漁りすぎて疲れてしまい、「あまちゃん」効果でうっかりYMOとTM NETWORKに
ハマり、とりわけTMから抜けられず「お前はFANKSか!(世代的に違うと思いますが、彼らの
熱心なファンをこう呼ぶとか呼ばないとか)」っていう状態になっています。後は芋づる式に、
後輩のaccess、彼らと同時代のLUNA SEA(いまここ)とかいう興味関心でございます。
といいつつも、ずっとハマってきた90~00年代のバンド達の盛衰も気になるわけで、やっぱり
(相変わらず)節操がありません。まぁ、趣味嗜好に節操なんぞいらんと思っているのですが。
ん~、でも全体的に回帰・回顧気味ですよね。新しいものになかなか興味が出ないし、警戒する。


そんなわけで、驚くべきことに、私が初めて洋楽のCDを新品で買ったのは、
ジョン・フルシアンテの「ジ・エンピリアン」(2009年リリース、翌年購入)だったのです。
つまり2010年です。おそっ!しかもやっぱりレッチリ(にいた人)、なんという因果・・・
そしてここまで辿り着く道のりがあまりにも長っ!
そう、これだけ長い話になるのが確実だったので、お二方へのレスでは済ませられず、
わざわざ「記事書きます」って予告してきたんです。
rikoさん、マグかつさん、面白いネタ元を提供していただき、便乗もOKいただき
ありがとうございます♪
皆さんもふと、ご自分の音楽の(あるいは、他の趣味の)歴史をおさらいしてみると
意外な発見があって楽しいですよ。


ヤバいとかヤバくないとか言っていたおばあちゃんは、10月初頭の危機は持ち直したものの
先日、再びの「危機」宣言がきました。今度はいよいよ覚悟が必要なようです。
身内を亡くすのは初めてではないけれど、やはり慣れないし、死を待つだけのこんな期間は
まな板の上の魚の気持ちってやつですね。
心身かなりぐったり。でも人生には、無駄な体験も感情もないと信じて・・・。


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Akiko Yano×Hiromi:Get Together -LIVE IN TOKYO-「ものまねしたくなる?!ファンキーな歌とピアノVS元気が出るピアノ」

ジャズやフュージョンの理屈はわからないけれど、聴いていて元気が出るから
友人に紹介されて以来、好きなように楽しく聴いているピアニスト、上原ひろみ
そして、彼女と同じくアメリカに本拠地を置き、「近所づきあい」感覚でかるーく
世代をも超えて意気投合してしまったベテランシンガーソングライター、矢野顕子
二人ともかなりトんでるプレイヤーだというのは、特に矢野さんはものまねでお馴染み(笑)。
そんな二人がタッグを組んでライヴを行ってみたら・・・??
という豪華な夢が、東京で大々的に実現したひとときを、記録したアルバムです。

Get Together  ~LIVE IN TOKYO~Get Together  ~LIVE IN TOKYO~
(2011/11/23)
矢野顕子X上原ひろみ

商品詳細を見る


今作より前、上原ひろみ嬢のソロアルバム「PLACE TO BE」にて、彼女のオリジナル曲
「GREEN TEA FARM」を、ひろみ嬢の「ぜひ矢野さんに歌って欲しい!」という切望を受けて
矢野さん×ひろみ嬢のコラボが音源化、という出来事があったのですが、
二人の仲良しぶりはそれからも続き、NHK総合の音楽番組「SONGS」では二人で並んで
ラーメンズルズル(ラーメンの曰くは後述)という楽しすぎる登場!
そのときに、今回紹介するアルバムからの曲を二人で披露してくれたのでした。
もう、少し前になってしまいますが。

Place to BePlace to Be
(2010/01/28)
Hiromi

商品詳細を見る

↑これが二人の共演曲が収録された、ひろみ嬢のソロアルバム

「ひろみ嬢の作品のコンプリート欲」というだけで手を出した今作、
実を言うと、矢野さんの歌って、しっかり聴いたことがなかったんです。
ものまね番組でよくネタにされてるなーとか、教授の元奥さんなんだなぁとか、
それぐらいしか知らなくて、どれだけ破壊力があるか想定しておらず・・・・・・
楽しいカルチャー・ショックもといアキコ・ショックにぶっちぎれてしまいながら
聴いている内に陽気になってきちゃった、仲良しコラボの感想をぽつぽつ書きましょう。


編曲は#2,#5以外全てひろみ嬢。

#1 「CHILDREN IN THE SUMMER」
糸井重里さんが作詞、矢野さんが作曲した、夏休みをイメージさせる曲。
歌や演奏、歌詞には当然清涼感があり、ひろみピアノも普段よりPOP、
「クラムボンのミトさんの演奏?」って勘違いしそうなカルいノリ。
矢野さんの歌がメロディラインを丁寧になぞり、美しい歌声を披露・・・とか
うっとりしてたらすぐにうちのめされてしまう。
独特の、素っ頓狂なあの個性。よくものまねされている、あの節回し。
純朴な楽曲ではやはり収まらない。アウトロ、ひろみも早くもぶっとばし出す。

#2 「あんたがたアフロ(あんたがたどこさ&AFRO BLUE)」
#2と#7は、2曲の全然違う曲をメドレーにして、行ったり来たりしながら
1曲で2度以上おいしい、彼女達らしいおもしろ企画。
静寂と優美の、ピアノ2台によるデュエットが、さらさら流れるように繰り広げられる
「AFRO BLUE」と、お馴染みのわらべうたを超個性的にアレンジした「あんたがた~」。
それにしてもものすごい「あんたがたどこさ」の矢野節。もうめちゃんこ。
メロディラインにもリズムにも、乗ってるのか壊してるのか?いっそパンキッシュ!

#3 「CAPE COD CHIPS -LIVE IN TOKYO-」
矢野さんの詞、ひろみの作曲。
気持ちがちょっと離れてるかな?という関係のパートナーに向けたメッセージを
ポテトチップスを仲介として歌いあげるという、ユニークな歌詞。
甲高くぶっ飛びまくるサビのメロディラインがかなり個性的。
特に最後は高い、高い!矢野さん、ほとんど叫びながら歌っている。
こんな超個性的なメロは矢野さんの曲だろうと思ってクレジットを見ると
ひろみの曲で驚く。ひろみ、それだけ矢野さんの超個性をわかっているということか。

#4 「LEAN ON ME」
カヴァー曲、全英詞。
ここまでの少々奇抜な矢野顕子節は一休みして、しっとりと歌いあげ、演奏する。
仲良し二人による、ピアノでのお喋り。
因みに矢野さんは、前回の記事で書いた大貫妙子さんとも仲良しなのだとか。
友達、仲間がいつもいっぱい。明るい矢野節は、ご本人の人柄をしのばせる?

#5 「学べよ」
作詞も作曲も矢野さん。
もう何もかもがぶっこわれている。
「ぶっこわれてる脳は 乾くばかり」っていう歌い出しって。
「泣くだけ泣いたら はい、次、行きます!」のくだりは特に飛びまくり。
失敗したのか、失恋したのか、とにかく超ショックな出来事にぶつかって、
怪我して、泣いて、じゃあそこから学ぼう!と這い上がろうとする詞。
この二人、ただじゃ転ばなさそうである。
低い所でさわがしく、気持ちの混乱を表現しているピアノアレンジが巧み。

#6 「月と太陽」
作詞も作曲もひろみ。
ここまでの矢野さん曲がかなりトんでいながら、しかし絶妙なバランス感覚で
どっしりと立っていたので、この曲は心なしか、頼りなく、生真面目に聞こえる
気がしないでもない。二人の性格の違いが出ているような感じもある。
この曲に関しては、矢野さんが、ひろみの表現したい歌を伝えることに専念している。
全く奇をてらわず、優しく包み込むように、純真でまっすぐなひろみの世界観に
命を吹き込む。
アルバム(ライヴ)中で異端な曲のようで、すんなり馴染んでいるMagic。

#7 「りんご祭り(DON'T SIT UNDER THE APPLE TREE&リンゴの唄)」
楽しいメドレー再び。ライヴ録音らしく、大歓声からスタート。
ファンキーでハネててノリノリ、グルーヴィーな「~APPLE TREE」。
ピアノ2台+歌だけで、ここまででっかいグルーヴが生まれている。
そこに驚いているといつの間に、「赤いリンゴに口びるよせて~」と
レトロな、お馴染みのあの歌へとなだれ込む。
ハネたまんまで憂いている。悲しげなのに、全然悲しくない。
くせになる新解釈。こちらも、両曲を行ったり来たり、フリーダム。

#8 「ラーメンたべたい」
「何のこっちゃ?ふざけてるのか?」と度肝を抜かれるタイトル、
「SONGS」冒頭で二人がラーメンをかっこんでいるのはこの曲に因んで。
ひろみの大食い・早食いが凄かった(笑)。流石、世界を一人で放浪してるだけある。
ところでこの曲が歌っているのは、どうやら、失った恋(愛)について。
気丈にしてるけど本当はこたえるものがあって、ヤケでラーメンを一人で
たべたい(たべる)という、ちょっと切ない矢野顕子ワールド。
強がりだけど弱くって、弱音を吐いてても強くって、大人の女は一筋縄ではいかない、
けれど何だかんだいってやっぱり強い!そんな矢野さんの姿が見えてくるようだ。
「今度くるときゃ みんなでくるわ ばあちゃんもつれてくる」って、
心許ない時こそユーモアセンスを発揮できるのがカッコイイ大人の証拠。
アレンジは、はっきりした形を保っていないような、どことなくファジーな旋律。
複雑で、完全にどこかに着地できない、ムズカシイ感情の機微をうまく表している。
そして、大喝采と「どうもありがとう!」の声で、賑やかに幕を閉じる!


フツーの人に比べてテンションがとっても高い、パワフルでハイな感性を
持って生まれた「特殊」なふたりが、偶々近くに住んでいるという縁も手伝って
出逢い、年の差も超えて、おそろしくストレンジなタッグが誕生した。
元気が出るピアニストと、元気が炸裂する歌うたいの組み合わせ。
エネルギッシュでファンキーな演奏が、楽しさをわけてくれるはず。

ひろみの個性も相変わらず強いけれど、それを遙かに凌駕する(ひろみが矢野さんに
合わせている部分も多いというのもあるが)、矢野顕子のぶっとんだ個性は圧倒的。
こりゃものまねして笑かしたくもなる。カルチャーショックものの超個性、すごいや。



個人的な話ですが、実は明日からの3連休で、3年ぶりに実家に帰るのです。
祖母の容体が余り良くないと知らされて。
で、ぶっちゃけ、私、両親との関係に問題大アリで、凄く緊張していて・・・。
体調を崩すほどに緊張していたのですが、このCDをかけたり、記事を書いていたら
何だか元気になってきた!!
この二人がくれるエネルギー、パワー、言葉のアヤどころでなくホンモノのようです。
何度聴いてもぶっとんだアルバムですが、今日ばかりは、二人に頭を下げたい勢い。


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燃える朝やけ

Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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