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ざっくり映画ライフ:その7 困難な状況のなかで生きる少女達(赤い文化住宅の初子、百万円と苦虫女、フラガール)裏テーマもあるよ!

映画やドラマじゃ、お姫様のような女の子も多いけれど、
今回紹介する映画の主人公は、みんな、地を這って、時に人に踏んづけられながら
それでもどっこい生きている、不器用だけどあきらめられない少女達。
時々甘く、時々切なく、時々目も当てられない、切実な3作をどうぞ。

赤い文化住宅の初子

赤い文化住宅の初子 [DVD]赤い文化住宅の初子 [DVD]
(2008/01/25)
佐野和真、東亜優 他

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中学3年生の女の子・初子と二人暮らし。は亡くなり、は蒸発した。
兄は高校を中退し、仕事に就いたりやめたりを繰り返しながら、自らと初子を養うが
家計はギリギリで公共料金さえしばしば止められ、兄は初子に暴力的に振る舞う。
初子はラーメン屋でアルバイトをして家計を支え、高校進学を夢見るが
工場勤務の兄は初子の進学に反対。何もかも苦しい初子の毎日だったが、ひとつだけ
救いがあった。それは、同級生でボーイフレンドの三島くんの存在だった・・・

開始早々「生活保護を申請しろよー!」と突っ込みたくなってしまったが
(兄は仕事がないわけではなく、収入が少ないのと風俗などの浪費癖が酷い「だけ」で
保護を受給しているのにあのような困窮具合なのかもしれないが、後に述べる理由から
申請自体していないとみるのが自然かと思われる)
この兄妹がそれを申請しないのはほぼ間違いなく、父への意地だろう。
ホームレスになった父がある日突然兄妹のもとへやってきて、父が兄に「初子を高校にも
行かせられないなんて」と悪態をついて大喧嘩になるシーンがある。
貧困の再生産、それに虐待の再生産が起きていると思しき父兄。
世界のどこにも居場所がなくて、思うようにいくことは何一つなくて、真っ暗闇で生きる
初子をたったひとつ、しかしいつも確かに照らすのは三島くんの献身的な愛情だ。
やりきれない日常に、ダイヤモンドのかけらのような小さな恋がせつないほど映える。

ラストは、凄惨だが、初子と兄の行き詰まった暮らしに踏ん切りをつけ、前へ進むために
ある意味起こるべくして起こった事件。
これから兄妹や三島くんがどうなるかは分からないが、微かな希望が最後に生まれる。

ダメ兄に塩谷瞬さん、写真の中にいる亡きお母さんに鈴木砂羽さん、ホームレスまで
成り下がってひと悶着起こす父親に大杉漣さん、担任教師に坂井真紀さん、
意外なところでは桐谷美玲ちゃんが出演している。
初子や三島くんは無名俳優さんだが、それがかえって純粋無垢な感じになって良い感じ。


百万円と苦虫女

百万円と苦虫女 [DVD]百万円と苦虫女 [DVD]
(2009/01/30)
蒼井優、森山未來 他

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前作と同様、タナダユキさん監督の作品。
ドリーミーなロードムービー風に色づけしてあるがこの少女もなかなかの苦労人。
蒼井優ちゃん演ずる主人公・鈴子はフリーター。女友達とルームシェアしようとしたら
なぜかその彼氏も一緒で、しかも喧嘩して女友達が逃げてしまい鈴子は彼氏と二人きり。
この男がまたいろいろと嫌な奴で、鈴子はキレて彼氏の持ち物を窓から全て投げる!
そうしたら塀の中に入る羽目に。受刑を終えて実家に戻ってきても家に居場所がなく、
息苦しくなった鈴子はひとり家を出て、日本各地を転々として暮らすようになる・・・

海辺の町、山あいの村、ある地方都市、どこでも鈴子を求める人や落ち着ける居場所は
ちゃんといる・あるのだけれど、人間関係が苦手な鈴子はいつも躊躇ってしまい、
そこに「前科持ち」という消せない経歴がとどめを刺す。
とりわけ、「ある地方都市」のホームセンターで出会った、森山未來くん演ずる大学生・
中島とは最後までうまくいくのではないかと誰もが思うはず。
鈴子は中島には前科のことも、百万円貯めたら次の街へ引っ越すつもりだとも、
全てを話したうえで、中島は鈴子を受け入れ、慎ましくも穏やかな同棲生活を送った。
しかし「百万円貯めたら鈴子が去ってしまう、それなら・・・」と考えた中島の作戦が
かえって誤解を生んでしまう。
山あいの村で鈴子に優しくしていたお人好しの農家の長男(ピエール瀧さん)もそうだが
鈴子を想う男性達はみんな気弱で不器用、肝心な時にうまくやれない。
彼らの不器用さ・気弱さと鈴子の不器用さ・かたくなさによるすれ違いがもどかしい。

泣けるのは、鈴子の小学生のとの、手紙でのやりとり。いじめられっ子の弟だったが
地元の仲間に前科持ちと言われてやり返す鈴子を思い出し、勇気づけられ、強くなっていく。
だけど当の鈴子はなかなか人を受け入れられず、「また逃げてしまった」と涙する。

鈴子は人には不思議と恵まれているのだから、心の壁を乗り越えれば安息まですぐだろう。
どうかその厚い壁を越えてほしいと切に願わずにいられない。


フラガール

フラガールスタンダード・エディション [DVD]フラガールスタンダード・エディション [DVD]
(2007/03/16)
松雪泰子、豊川悦司 他

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町をあげた「困難な状況を這い上がる物語」。大ヒット、数々の受賞などがあったので
ご存じの方も多いのでは。
しかも本作は実在する町の、実在する施設の、実在する先生の(、実在する生徒がモデルの)
本当にあって今でもつづいている物語だというのだから一層胸が熱くなる。

福島県いわき市常磐炭鉱は大幅な規模縮小に追い込まれ、町は危機的状況に陥り、
町おこし事業として常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)を立ち上げる。
フラダンスの講師として、本場仕込みの高飛車な女・まどか(松雪泰子さん)が呼ばれ
「やってみたい」と集まったのは、早苗徳永えりちゃん)、早苗に強引に誘われた紀美子
蒼井優ちゃん)、泣き虫の大女・小百合南海キャンディーズしずちゃん)などごく僅か。
当初は早苗の付き合いだった紀美子は、まどかの優美で力強い踊りを覗き見て、
フラダンスに本格的に魅せられる。
しかし町には反対派の声が根強くあり、その中でも紀美子の母・千代富司純子さん)は
強硬な反対派で、紀美子は勘当され、家出してフラダンスに打ち込むことになった。
年が離れた兄・洋二朗豊川悦司さん)は紀美子を心配する一方で、まどかに出会い、
借金取り(寺島進さん)に追われて苦しむまどかを助けたりと、心が通じ合っていく。
フラダンスの踊り子たちはその後、飛躍的に増加、日本各地を行脚するうちに
次第に踊りの実力もメンバー間の絆も出来上がっていくのだが、困難は次から次へと・・・

あきらめない少女達、あきらめない大人達が奇蹟を起こす。
田舎町に赴任させられて腐っていたまどか、紀美子と千代の母娘対立、
ハワイアンセンター事業反対派たちなど、いがみ合い、硬い表情をしている人々が
フラダンスを通じてだんだん氷解し、南の島さながらに暖かい人情が生まれる。

物事は単純にはいかず、その行き場のない苦い怒りすら燃料に変わる。
時代性(昭和40年代前半)もあってやや暴力的な描写にちょっと引く場面もあるが、
大きな感動がすべてを帳消しにして、観る側に希望を与える。


「現在のフラガールがどうしているか」以前放映していたドキュメント、
見逃していましたが、DVDになってます。
因みに昨年の震災によせて、松雪さん、富司さん、蒼井ちゃん、しずちゃんなど出演者が
1000万円の義援金をいわき市に送ったそうで。

がんばっぺ フラガール!  ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】がんばっぺ フラガール! ―フクシマに生きる。彼女たちのいま―【DVD】
(2012/07/21)
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム

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これは観たいですね。いや、いまこそ観なくては。

いやぁ、女の子って強い生き物ですわ、ホントに。
世の男性の皆さん、あんまり強くないという女性の皆さん、ぜひ彼女達にあやかりましょう!


最後に、今回のざっくり映画ライフには、ひっそりと裏テーマが。
蒼井優
ベリーショートになった蒼井ちゃん、可ー愛ーい!
周囲は誰も同意してくれませんが(苦笑)それでも良いんです!
なんでも、「生まれたとき以来」のこんなに短い髪型だとか。
イメージががらりと変わって、これまでとはまた全然違う役どころが観られそう。
そんな日が今からとっても楽しみです。


※おまけのおまけ
先日のFC2ランキングのリザルトが過去最高を更新!
日記 1483位 (昨日:4019位) / 438961人中
その他 490位 (昨日:1236位) / 69919人中
更新日時:2012/10/22 09:17
皆様のおかげです。心よりお礼を申し上げます。これからも頑張ります!
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しずちゃんお疲れ様&ありがとう企画 乙女のパンチ特別編集版「ドラマのラストが現実になった?!ボクシングがもたらした意外な+α効果」

ボクシングのアマチュア世界選手権で、ロンドンオリンピックの出場を目指して闘った
お笑いコンビ・南海キャンディーズ(南キャン)のボケ担当、
しずちゃんこと山崎静代さん。
もしかするともしかして本当に五輪出られたりしちゃうのか・・・?!
なんてちょっと期待していたけれど、残念、五輪の夢は潰えてしまったそうで。
お疲れ様&勇気をくれてありがとうの念を込めて、しずちゃんが現在のコーチと
出会ったきっかけ+αになったドラマを今回のテーマにします。

様々な賞を総なめにした邦画「フラガール」に出演しアカデミー新人賞を受賞、
その演技力を認められて、TVドラマの主演を務めることに。
そのうちの1作が、先日「特別編集版」として放映されたドラマ「乙女のパンチ」です。

「乙女のパンチ」はボクシングもののドラマ。だからよく、「このドラマをきっかけに
しずちゃんはボクシングを始めたのかぁ」と勘違いされるようですが、実は違って、
プロデューサーがオファーをする頃には、しずちゃんは既に趣味としてボクシングジムに
通っていて、プロデューサーはその事実を全く知らなかったのだそうです。
そして、このドラマでボクシングの演技指導にあたった梅津正彦さんがコーチに。
「記念挑戦とか、芸人のネタでやるなら自分は下りる」と厳しい言葉をかけられても
しずちゃんは必死に食らい付いて、二人は二人三脚で今日まで歩んできました。

しずちゃんの今日までの歩み(ボクシング)は、以下のようなもの。
08年頃からジム通いを始めたしずちゃんは、段々本格的に取り組むようになり、翌年2月には
アマチュア女子ボクシングC級ライセンスを獲得。
今年のロンドン五輪で女子ボクシングの採用が決定したのを受けて、同年夏には
最重量級であるミドル級で出場の可能性を日本オリンピック委員会(JOC)コーチが示唆。
10年3月には第8回全日本女子アマチュアボクシング選手権大会の実戦の部・ヘビー級に出場。
しかし出場選手がしずちゃん1人しかいなかったため、同階級の認定王者になりました。
そして昨年5月、JOCが発表した女子ボクシングの強化選考選手20人の中の一人に選ばれ、
本格的にロンドンオリンピックを目指す事となったのです。
その後、今年2月に行われた全日本女子選手権兼ロンドン五輪予選日本代表選手選考会では
減量を行い、ミドル級に転じて出場し、優勝。この結果、いま中国河北省で行われている
ロンドン五輪予選を兼ねた世界選手権の日本代表に選ばれました。
「世界選手権でベスト8に入ればロンドン五輪出場が内定」。
初戦の2回戦ではウズベキスタンの選手に見事勝利。しかし3回戦ではドイツの選手に敗北。
3回戦で中国代表がタイ代表に勝ったため、ベスト8・内定はならず、涙をのむ結末に。


さて、話題をドラマに戻して、細かい感想を色々。
まず言いたいのは、私が観たのは6回のドラマを1時間強にまとめた「特別編集版」だったので、
エピソードが飛び飛びで「いつの間にそうなった」と置いてけぼりになる場面が
序盤でちらほらあったり、Wikipediaをチェックして初めて知った設定があったりと
ドラマのダイジェストならではの不満でしたが、これは仕方ない(苦笑)。
しずちゃんが主役のドラマで主題歌が安室ちゃん(Sexy Girl)とか
かなり笑えてしまったんですが、ドラマの挿入歌としては結構ハマっていました。
ボクシング試合シーンで、しずちゃんのパンチが決まった瞬間を4方向くらいから追いかけて
魅せる演出も格好良かった。この演出が繰り返されても、不思議とクドく感じませんでした。
そしてヒール役の黒谷友香さん、「あんなに細いのにボクサー(笑)」って思っていたら
試合や練習のシーンで、しずちゃん以上にしなやかで俊敏な「それっぽい」動きが見事。
見とれてしまいました。黒谷さんもボクシング大会出られるかも?
あと、意外や意外、篠山輝信が演技上手い。うるさい直情くんのイメージしかなかったのに。

抑揚や表情など、細かいところではやはり演技のプロ達との差が目立ってしまいましたが
しずちゃんが登場人物に何かを強く訴えかける演技などは迫力がありました。
そして、練習や試合に挑む時の精悍な顔立ち、優しい笑顔はとてもイキイキしていました。
実際にボクシングしている時でもこんな表情をしているのかなぁと想像できるようで。
存在感や華もちゃんと感じられたので、主演を務めたことに物足りなさはありませんでした。

ストーリーは王道というか少々ベタ気味ですが、人情部分に素直に感動できたので
これで良いかと。この人情部分がないと蟹江敬三さんや黒谷さんへの感情移入が
十分に出来ないし。そして、この話は、まるで「誰か」の物語そのもののようで・・・

ストーリーの概要+山ちゃんとのエピソードは「続きを読む」に続きます。
クリックすると続きが開きます。

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・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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