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Salyu:その4 photogenic「ガールからレディへ、カリスマからすぐそばにいてくれる身近な存在へ。誠実なメッセージが胸を打つ歌詞」

遅ればせながら、Salyuの4thアルバム「photogenic」をレビューします。
ジャケ写がとっても綺麗、正しく「photogenic」ですね。

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コーネリアス=小山田圭吾さんとのクールで前衛的なプロジェクト「salyu×salyu」としての
ライヴ活動も続けながら、この4thはデビュー以来のお付き合いの小林武史プロデューサー
(以後いつも通りコバタケさん)とふたりだけで作品に対峙し、ほぼ全曲のソングライティング、
アレンジ、プロデュースをコバタケさんに任せ、自身は歌を歌うことに専念。
但し例外として#4「青空」は、Mr.Children桜井和寿さんが作詞作曲を担当。この二人の
コラボはBank Bandの「to U」以来となりました。
セルフプロデュースに挑むも、思い通りにいかないフラストレーションや行き詰まり感、また
「寄せ集め」感をどうしても耳で聴く分には受けずにいられなかった前作とはうってかわり、
本作ではリラックスして伸び伸びと歌っている彼女の姿に出会うことができます。
コバタケさん一人がほぼ全ての曲を手がけているため、当然ながらテイストがまとまっており、
それもまた聴きやすさに繋がっています。
曲調は気負わないポップスがメイン。東日本大震災からほぼ1年という時勢にも大きく影響を受け
祈りのようなミディアム~スローな曲も今までより多め。
ミスチルのブレイクからはや20年近く、Salyuももう30歳過ぎと、コバタケさんもSalyuも歳を重ね
Salyu曰く「ガールからレディへ」と、今までよりやや落ち着いた作風に変化しています。
Salyu-photogenic

しかしながら「声変わり」は本作でも「健在」・・・。
最初にアルバムをCDプレイヤーにかけたとき「一体何が起こっているのか?」と思うほどの
がさついて潰れた声。久しぶりにSalyuを聴いたから、余計にそう感じたのですが、
「一度潰れた声は元には戻らないのだろうか」と、もどかしさ、虚しさに襲われました。
特に元気いっぱいに張る歌のAメロBメロ。サビの高音(#4はFまで出している)は凄い迫力ですが
痛々しくも感じられます。いつの間にか、耳をつんざくような、耳に優しくない地声に・・・。
リリィ・シュシュや1stを聴いた時のような胸のざわめきや心地良さ、2ndの芳醇な歌声こそが
Salyuをして「天才」「10年に一度の逸材」などの賛辞を多くのミュージシャン等から賜った、
唯一無二の魅力、才能だっただけに、もはや「元天才」と呼んだ方が良いのかもしれません。
リリィや1stはアレンジやプロデュースの偉業のほうが大きいきらいもありますが。
実はこのblog、軒並み「Salyu 声変わり」「劣化」などのキーワード検索で来られる方がおり
「え、そんなに酷い?」と躊躇っていたのですが、いざ本作を聴くと、そりゃ、そんな言葉で
検索をかけたくもなるだろう、と、いらっしゃった方々にシンパシーを抱くばかり。
かつてその歌声に耳や胸を大きく揺さぶられ、人によっては涙さえ流すほど、Salyuの歌を
深く愛したからこそ、私を含め以前からのファンは、哀しかったり、悔しかったりするのです。

ただ、比較のために前作を聴いてみると、前作の潰れ具合の酷さよりは改良されているような。
単に耳が慣れただけかもしれませんが。あと本作の曲は、繰り返し聴いていると大分慣れるので。
また、#5以後の緩やかめのナンバー、柔らかな歌い方や裏声を駆使した歌になると、地声の
潰れが目立たなくなり、「滑らかで美しい歌声」との印象が前に出るので、このようなスロー~
ミディアムテンポ、ファルセット~ミックスヴォイス専門でやっていけば?という感想も
抱いたのですが、それじゃ作品としてメリハリがつかない上にSalyu自身が面白くないのか。
3rdを聴き直しながら感じたのは、「コルテオ~行列~」「ハルフウェイ」くらいの声のままで
3rd以降の試み、例えばセルフプロデュースやソロプロジェクトなどを展開していたら、
もっと思い通り歌えたのだろうし、今頃もっと絶対的な地位を確立していたのではないか

という行き場のない「if」でした。
でもそれはSalyu自身が一番分かっているはず。その無念から目をそらさず、したいこと、かつ
現状でできることを、最大限に追求しているのが現在の彼女の歌であり生き方なのでしょう。
そうやって信じて、彼女が歌い続けられる限り、応援していくしかありません。


本作の聴きどころというか見どころのハイライトは、歌詞にあるように感じました。
さきに述べたように震災に大きく影響を受けた作品であり、またコバタケさん&Salyuの
人としての成熟、そして時代の空気の変容が反映された本作。
Salyuが歌手として次のステップへ進むために必要だった、「愛」と「バラード」を歌うこと。
大人になった歌詞は、今まで目立った恣意的な拙さ=ガールを強調する必要性が無くなったぶん、
メッセージがダイレクトに伝わります。

アルバム先行シングルカットされた静謐な名曲、#5「Lighthouse」は、
こんなサビのフレーズが印象的。

そう今日から新しく生まれて
そう今日から新しく生きていけるよ
そんな日はもう来ないかもしれないって
思ってた

歌詞カードを開くと、この曲の隣には、荒廃した自然の中に立つSalyuが陽射しに目を細める姿。
どんな場所に向かって書かれた詞なのかは今更述べるまでもないでしょう。

続く#6「悲しみを越えていく色」は軽妙でポップな曲ですが、こちらにはこんな美しいサビが。

そんなにうまくいかないし
つらい事も続くのでしょう
そんな現実の中で
いつも変わらないけど
一つとして同じじゃないから
その夕日の色 言葉にはできない色
この夕日の色 悲しみを越えていく色


そしてアルバムの最後の曲、#10「旅人」では、

新しい地平であなたに出会うために

と締めくくられます。
丁寧に丁寧に、祈りのような言葉が紡がれて、歌詞を読んでいると静謐な気持ちになります。

また、インタビューでSalyuが「アルバム収録曲の中で象徴的な曲」として挙げていた、
#1「camera」の歌詞。

もしもつらいことならば フォーカスをゆるくすればいい
心の目でみたいように

曰く、「小林さん自身の表現の変化=時代の変化も感じて、とても衝撃的だったんですね。
自分が出会ったもの、縁したものによって、自分がどんな気持ちになったとしても、
真実を見つめたい、現実から目を逸らしたくないっていう意思が時代のトレンドだったことも
あったと思う。
でも、今は、フォーカスをゆるめちゃえばいいんだって歌ってて。」と。
「いま」を、どんな気持ちで生きていけばよいか、何を大切にしていけばよいかを、
繊細に正確に捉え、伝える、温かで誠実な言葉達が随所に織り込まれています。



リリィ・シュシュや1stのように、サウンド・プロダクションやコンセプトにドキドキするのも、
2ndや3rdの一部シングル曲のように、絶対的に伸びのよい歌声に圧倒されるのも、
3rdやsalyu×salyuのように、未知の領域へのチャレンジに果敢に取り組む姿勢に期待するのも
遠い昔のように感じられる本作。
目新しくて刺激的な音やアレンジではない、至ってシンプルでオーソドックスな楽曲群です。
でもそこにSalyuのリアル、そして時代のリアルを少しだけ見たような気がしました。
Salyuが今後、以前のように神格化された人気を博することは、恐らくないと思います。
再ブレイクは何がきっかけか分からない中で突如起こる現象なので皆無とは言い切れませんが
当面は現状維持で、なだらかで落ち着いた道を、一歩一歩踏みしめて歩んでいくのでは。
爆発的な変容(更なる経済発展など)は望めなさそうないま、
「いま、ここ」にある些細な幸せが何よりも愛おしく貴重なものだと
しみじみ胸に染みてくるようないま。
そんな「いま、ここ」を生きる私達に優しく寄り添うアルバム、そして歌い手の道を
現在のSalyuはメインの姿勢として選んで、歩んでいるのかなという気がします。

「カリスマ」から「すぐ隣で微笑んでいそうな存在」へ。それは一見、凋落のようにも見えて
アーティストとして、人として、とても幸せで、とても尊い仕事なのではないかと感じています。


Salyuのことを知ってからもう10年近く、私も一緒に歳を重ねてきました。
喉が使えなくなってしまうまで、世界の誰一人として彼女を必要としなくなってしまうまで、
声の限り、意欲と可能性の限り、長くしぶとくずっと歌い続けていって欲しいシンガーです。



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Salyu:その3 maiden voyage「失ったもの、なくしたもの、そして見つけたもの・・・ポップかつロックにかわり続けていく、進化と成長の過程」

ベストアルバムを挟んで、3年ぶりにリリースされたSalyuの3rdアルバム
maiden voyage」(=処女航海)。
Salyu自身によるセルフプロデュース(但しコバタケさんがco.producer)、
作詞、共作の作曲・編曲、
収録されている楽曲の半数以上がコバタケさんの手を離れたもの、といった
チャレンジいっぱいの作品になりました。

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さて、コバタケさんは、アルバムの1曲目にはいつも、現在のSalyuの状況や心情を
表現したような詞や曲調の曲を書いてくるのですが、
今回の1曲目「messenger」は、かなり意味深。
「失ったもの なくしたもの そのすべて見つけた」
「何かに つまずいたら シーンは変わってゆくけど
それでも このストーリーは 綴られてゆくから」
「あーすべて受け入れるだけ そしてそれを渡って行く」

など、「挫折」「喪失」「閉塞感」を伺わせる言葉が並んでいて、曲調も悩ましげ。
いったい、Salyuは、何を失い、何をなくし、そして何を見つけたのでしょう?


<失った、なくしたとおぼしきもの>

従来のような、柔らかさや神秘性、温もりを湛えた声

アルバムを聴いて一番顕著に感じることは、Salyuの声質の変化です。
ベストアルバムや、そのライヴの頃にはそんなに変化を感じなかったのですが、
同年8月にリリースされたシングル「EXTENSION」以降、今までとは声質が著しく
異なっていったように思います。
わずか半年で一体何が?歌いこみすぎで、喉をやられた?
ダイエットの成果で体型が変わって、歌声にも影響した?
それとも、お酒やタバコを散々やってきた罰・・・?
これまでSalyuの歌声にあった、柔らかさ、神秘性、オーガニックな風合い、温もりといった
キーワードがことごとく当てはまらなくなってきたのです。
とても上手なのだけど、今まで感じることができた「1/fのゆらぎ」的癒しがなく
なんだか機械的、人工的な質感で、「木管楽器のよう」な魅力が損なわれたような・・・。
時折高音がキンキンと刺さるように響いたり、低音部分で声が荒れたりするのが
見え隠れし、いささか「テクニックのひけらかし」に感じられる傾向も。
たくさん練習して、上手になったが故の、皮肉な顛末。
決して今までが下手だったワケではないのですが、
どうやっても、上手くなったテクニックや、変わった声質を
以前のように戻すことはできません。
そして、アルバムを買うようなファンが求めてきたのは、「今までの」歌声・・・
もしかすると本作で「思っていたのと違う」「前のほうが良かった」と言って
ファンをやめてしまった人も、少なからずいたかもしれません。
だけど進んでしまった道は、もう引き返すことはできないのです。

話題性の不足、セールスの不振、曲の質の低下

コバタケさんのもとを離れて作られた楽曲は、聴いてみると決して悪くはなく
最後の「VOYAGE CALL」などは圧巻の美しさなのですが、
これまでコバタケさんが作ってきた曲たちと比べると、どうも華が足りないというか
何度もリピートして聴きたくなるような、はっとするような魅力が幾分欠けていて
シングル曲としてリリースするも、話題になるようなタイアップがつきにくく、
セールスも振るわない、という結果を招いてしまいました。
これらの楽曲は、ほぼSalyuの作詞なのですが、こちらもコバタケさんのような
「共感」「ハッとさせられるようなフレーズ」などの魅力に欠けているのです。
結局、コバタケさんが手がけた「コルテオ~行列」、「HALFWAY」、
新しいYES」などの楽曲が、タイアップを得て、プロモーションの機会にも恵まれ
話題になり、セールスも伸びるという、「テコ入れ」の役割になることに。
そしてアルバムを聴いて「これは・・・大丈夫か?」と感じたのは、当のコバタケさんの
アルバム曲に、以前のような魅力が薄れていること。
コバタケさんが劣化したのか、それとも一度自分のもとを離れたために
手を抜かれたのか・・・?

新興勢力の台頭で、カリスマ性、プレミア感が損なわれてしまった

2番の歌詞に「愛がフライ 空にフライ」というフレーズが出てきます。
1番と語呂を合わせたとも思えますが、「シーンは変わって」のくだりから
どうもSuperflyを暗示しているような・・・。
これまで「10年に1人の歌声」などと絶賛されてきたSalyuですが、
昨今、そのような賞賛は、Superfly越智志帆さんなどに注がれて、
Salyuの影がちょっと薄れてしまった傾向があります。
私は二人とも好きですし、この二人は芸風もターゲット層も全然違うので
比較するのはお門違いですが、例えば「Superflyはあれだけ売れたのに
Salyuはいつまでたってもブレイクしない」
と、事務所の偉い人などに
スタッフさんがプレッシャーをかけられたりしているのかも。
皮肉にも、彼女はベストアルバムに賛辞を寄せてくれた一人でもあり・・・。
コバタケさん離れのシングルリリースで迷走している間に、気づけば後輩が
はるか上空を飛んでいるとなると、やりきれないことでしょう。


<見つけたとおぼしきもの>

新しい歌唱法、新しい魅力

鍛錬を積み、声質も変化したことで、Salyuはこれまでとは違うタイプの
ヴォーカリストになったといっていいでしょう。
一音一音が正確になり、滑舌もかなりはっきりくっきり。
あの高音も、当てたい的のど真ん中に瞬時に当たるような滑らかさで、
地声と裏声の境目を今まで以上に巧みに使いこなす
(ミックスヴォイスというらしい)。
テクニカルな歌唱法と、鋭角的なタッチの声が、新しい魅力です。
それを活かすためか、声質が変わってからの楽曲は、
生音よりシンセサイザーの打ち込みが目立つ、デジタルな質感のアレンジが多め。
さきに紹介した「messenger」の後半の、昂ぶるようなデジタルアレンジは、
シガー・ロスのヴォーカリスト、ヨンシーのソロ曲などを想起させるような壮麗さ。

「パフォーマー」から「プロデューサー、ソングライター」へ

まだ拙いながら、作詞、作曲、編曲に関わったSalyu。
これまでは、コバタケさんの作った曲を言われた通りに歌いこなせば
よかったのですが、今回は、自分が歌いたい言葉やイメージは
自分で創っていくことができるし、また、そうしなければならなくなりました。
Salyuは、基本「シンガー」で、「シンガーソングライター」ではないので
誰かに良い曲を書いてもらわないと、活動が出来なくなってしまいます。
もしくは、2ndでコバタケさんと一青窈さんとの「私事」に巻き込まれても
何も文句を言えずに、黙って歌わなくてはならないということが起こります。
だから、可能性を広げる必要があるのです。
「色々なことにチャレンジしている」という姿勢を見せるのは、
曲の書き手が、「面白そうな奴だ」と、興味をそそる効果も期待できます。
「シンガーとして活躍し続ける為」という長期的な視点で見れば、
Salyuは賢明な判断をしたのではないでしょうか。

今作では少々空回りしてしまったかもしれませんが、
試行錯誤なしにうまくいく成功なんて何一つないのです。

ポップかつロックに、かわり続けていこうという意志

Salyuの憧れはビョーク。彼女はその個性から、たくさんのアーティストが
寄ってきて、自身でも自分を最大限にプロデュースし、作品には構想段階から関わり、
結果、卓越した歌唱力だけでなく音楽性など、あらゆる方面で
世界中から高い評価を受けています。
彼女を目指すなら、ありとあらゆることにチャレンジする必要があります。
今作は、いわば「変容の過程」とでもいいましょうか。
まだ未完成だけど、そのプロセスなしには、前には進めません。
そして、実際にやってみて、反省点や改善点、難しいところなど
気づくことが沢山あったことでしょう。
そのうえで、「これからはこんなことをしたい」「次はこうしよう」という
自分なりのヴィジョンが、見えているのではないでしょうか。

ベストアルバムに寄せられたコメントで、コバタケさんは
こんなことを書いています。

Salyuとの仕事はもう10年を超えようとしているが、
その間彼女は僕にとって
予測のつかない変化と成長をくり返していた。
(中略)
最近もその傾向は続いているので、
多分今後もかわり続けていくのだろう。
それがとても楽しみです。


コバタケさんにとって、Salyuがかわり続けていくことは
とても楽しみなことなのです。
自分の音楽の中枢にいる人が、変化と成長でもがく過程を
温かく見守ってくれているのです。
ファンとしては、どんどんかわり続け、見たことのない景色を
私達に見せて欲しいと思ってやみません。


また、Salyu自身はこのような言葉を綴っています。

ロックという自由さと、またポップという宿命に向きあい続ける
意識の必要を、(小林武史さんから)常々に教えられてきました。


ポップかつロックに、彼女はかわり続けていくつもりなんでしょう。
そして私達は、かわり続けていく彼女の音楽を、好きなだけ味わうのです。



「予測のつかない変化と成長」は、意外な方向に進みます。
自分の可能性をもっと探るためのプロジェクト「salyu×salyu」の幕開け、
そして、小山田圭吾さんに直談判?!
次回は、そのようにして出来上がったコンセプト・アルバムを、追いかけてみます。



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Salyu:その2 TERMINAL「この歌声はどこまで飛翔していくの?柔らかさとオーガニックな風合いを湛えた、極上の声が詰まったアルバム」

リリィ・シュシュ~1stまでは、ややアングラ寄りな人気を博していたSalyuですが、
彼女が一躍メジャーな存在として注目される出来事が起こります。
それは、小林武史氏&桜井和寿氏による「ap Bank」プロジェクトの一環
「Bank Band」への参加。ご存じ、桜井さんとのデュエット曲「to U」です。
それまで、TVに出ることはあまり多くなかったSalyuですが、
これをきっかけに一気にメディア露出が増え、当時、めざましテレビで軽部アナが
「僕のイチ押しのアーティスト」として紹介してくれたりして、
結構嬉しかったのを覚えています。(当時、朝はめざまし派だったもので)
フジはかなり、Salyuを推してくれてますよね。「コルテオ」のテーマソングとか、
最近ではめざましテレビのテーマソングに抜擢したりとか。

先日「僕らの音楽」で当時のことを、Salyuが加藤綾子アナと楽しそうに喋っていましたが
実は「毎日、野菜ばかり食べて」必死にダイエットに励んでいたとのこと・・・
確かに、今、当時の映像を振り返ってみると、結構・・・大分・・・ぽっちゃりしているかも。
でも、この頃のパワフルな歌声は、何気に、そのしっかりした体格がもたらした所も
大きかったのではないか、と感じるエピソードでもありました。


梅酒のCMのテーマソングになった「Tower」、映画の主題歌となった「プラットホーム
など、2006年のSalyuは正に、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
そうして翌年、満を持してリリースされたのが、2ndアルバム「TERMINAL」。

TERMINALTERMINAL
(2007/01/17)
Salyu

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これまでのジャケや歌詞カードでは、あまりはっきりと写されなかった、顔。
(シングルのジャケでは最初から結構あったようですが、基本アルバム派なので)
前作とは違い、今作では、歌い手Salyuの姿が、はっきりと大写しになっています。
初めて見た時「へぇ、Salyuってこんな顔してるんだ」って思ったのを覚えています(笑)。
このジャケを見るだけでは、「ぽっちゃりしている」のはよくわからないのですが・・・


アルバム全体が長く、曲調も多岐にわたっているため、最後まで聴くと少々冗長さがあり
楽曲の充実度も(シングル曲などは別格ですが)1stと比べるとやや劣るのですが
このアルバムで何より耳を惹かれ、胸を衝かれるのは、Salyuの圧倒的な歌声
例え曲に「物足りないかな」という印象があっても、詞に違和感があっても(後述)、
彼女の、脂が乗りきった、力強く伸びのいい声が、半ば強引に全部引っ張ってくれる
ほどの威力です。その意味で、2ndは「歌い手Salyuのベストワーク」と呼びたい。
前作は「コンセプトの勝利」で、今作は「歌い手の勝利」とでもいいましょうか。
1stから比べて飛躍的な進化を遂げ、強靱なバネのようなしなやかさと高みを
手にした一方で、近年ほど「隙がなくて完璧」というふうでもまだなくて、
柔らかさとオーガニックな風合いのある、丁度いい「すごい歌声」具合
(その意味で、今回のジャケもまた、うまいなぁ・・・)
Salyuのキャラクターイメージが1stなら、歌声のイメージは本作が、未だに強いです。

少女性を残しながらもロックな「風に乗る船」、躍動感に溢れる「Tower」など
曲の良さと歌声の良さがうまくかみあったシングル群は、例外なく会心の出来ですが、
アルバム曲の「夜の海 遠い出会いに」は、もはや凄まじいまでの迫力!
まるで、自分の声がどこまで飛距離を伸ばせるか試して、声と戯れているような、
全身全霊で自らの声の可能性の限界を引きだそうとしているかのような・・・。

鬼気迫るほどのその世界に、聴いていると思わず息を呑んでしまいます。
彼女自身で作詞にチャレンジした「I BELIEVE」の、後半の盛り上がりも素晴らしい。
また、あの「to U」のSalyu ver.もあって、10分近くある本格的なバラードですが
長尺にもかかわらず、じっと聴き入るだけの説得力があります。

そんな「暴れ馬のごとく、感性と技術を全開でぶちまけるSalyu」を象徴するかのように、
アルバム曲は、全体的にちょっとロック寄り、バンドサウンドが多くなっています。
1stのふわふわした浮遊感が消え、代わりに地に足の付いた質感があります。
メジャーシーンでのヒットを意識したポップ~ロックといった具合でしょうか。
バンドサウンドにキーボード少々で、冒頭の「トビラ」とか「ミスチルか?」なんて。
いまにも桜井さんが歌い出しそうな曲がちらほらあります。
桜井さん、このアルバム内の曲をカヴァーしてくれないかなぁ。
結構、ミスチルと通じるノリの曲が多いんです。

「バンドサウンド」「ちょい音響な音」のほか、新たに加わった要素があって、
それは歌詞に新しい要素を加えた人と同一人物からのインスパイアと思われるのですが
誰か・・・まぁ言うまでもないでしょう、当時コバタケさんと不倫関係にあった
一青窈さんでありまして。
彼女が詞を手がけた曲は、「純和風テイスト」というような色づけがされているものが
多いのです(シングル曲の「name」もそう)。
そして「歌詞の新しい要素」というと、歌詞カードを見るともうひと目でわかるほどの
一青窈ワールド。あの独特の個性的な言葉選び、女らしさアピール全開の世界観。
これがSalyu像と大きく乖離しているように感じられ、歌詞でも「Tower」なんて
「我慢してたら良いことがあるって 誰かの迷信ね」だの
「だって 好きなことしていいのよ」だのと、完全にお二人のお花畑の再現と化していて
「自分の曲でやれ!Salyuを巻き込むな、代弁させんな!」
と、当時少なからず怒りを禁じ得なかったのですが、
今聴き直すと(特に、3rdでSalyuが自ら書いている歌詞を見て思うに)
案外彼女が持ち込んだ「女らしさ」のテイストが、Salyuの今までなかった
新たな魅力を引き出した
結果に繋がり、同時にSalyu自身にも、少女から女への脱皮や、
コバタケさんが望むような「いつまでも子どもみたいでいい子なさりゅちゃん」を超えて
自分の欲しいものを自ら取りにいく、したたかな強さをもった自己イメージの構築などを
促したのじゃないのかな、なんて思ったりもしました。
というか、一青さんが促すまでもなく、Salyu嬢ってもともと恋愛体質なのかもね。

・・・とはいえ、当時、友人とのカラオケで「Tower」を入れると、
作詞作曲クレジット(作詞:一青窈 作曲:小林武史)が出た時点で大爆笑が起こり、
「それ、おめーらのことじゃねーか!」って皆が揶揄してた
のもまた事実でして。
コバタケさん、私情はもうちょっとほどほどにして欲しかった。
正直、この後でSalyuが生き急ぐかのようにコバタケさん離れに走り、迷走していく姿を
見ていると、2ndで二人の私情に巻き込まれるかたちになった体験で、嫌気や危機感を
覚えたんじゃないだろうか・・・と危惧してしまったので。
実際の心情はもっと複雑でしょうが(3rdアルバムの話になるので、ここでは割愛します)。


と、まぁ、色々思う所もある一枚ではありますが、雑音を除いて聴くなら
「Salyuってすげー!!!」と、その歌声に度肝を抜かれること間違いなしの
(個人的に)一番いい声をぎゅう詰めにした、美味しいアルバム
なんじゃないかと。
こんなに歌えたら気持ちいいだろうなぁ、って思わずにはいられません。
このアルバムでSalyuは、全身で「歌う喜び」を表現しているようで、
聴いているこっちが「歌うのが本当に大好きなんだね」と、何だか嬉しくなってきます。



さて、この後は、自らが選んだ道とはいえ、茨の道が待っています。
大きな変容の季節。
そのさなかで迎えた、デビュー10周年。
次回は、ベストアルバムの簡単な紹介と、それを引っさげたライヴツアーを
観に行った時の記憶を引っ張り出したライヴレポをしてみようと考えています。



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Salyu:その1 landmark「今でもこれが金字塔だと思う!トキメキと透明感に溢れたワンダーランド、コバタケさんの捨て曲なしベストワーク」

Salyuの作品を最初から追いかけていくシリーズ、2回目だけど「その1」は
デビュー作、「landmark(ランドマーク)」です。
landmarklandmark
(2005/06/15)
Salyu

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淡い色調の、可憐な花が、満開で咲いている姿になぞらえたジャケ。
Salyu自身は真ん中にいて小さいですが、手をいっぱいにひろげ、全身で光を浴びているよう。
このアルバムとアーティストをよく象徴した、うまいジャケだと思います。

小林武史プロデューサー(以下コバタケさん)には、女性アーティストに対し
「こうあって欲しい」という像があるように感じられます。
キーワードを挙げるなら、少女性、可憐、素朴、純真、あなたありきの私、など・・・
かつて(苦笑)手がけていたMy Little Lover(以下マイラバ)でこれが顕著に
みられましたが、マイラバでは、akkoさんがテクニック上の限界で到達できなかった
(テクニック上の限界を、"コケティッシュ"として昇華してみせたのはさすが)
「理想の女性アーティスト」の完成形を、このアルバムで達成できたのではないでしょうか。

そして、Salyuという少女の成長のペースにも、ちょうどぴたりと合っており、
コバタケワールドとSalyu嬢の実際の姿が、最も一致した作品だとも思います。
これ以降は、Salyu嬢が少女から大人へ成長し、その過程で強い自我がめざめ、
歌唱力も神業や成熟の域へと向かい、コバタケさんがついていけないとか、
Salyu嬢の反抗期(笑)とか、段々噛み合わなさが出てくるからです。

だから、「landmark」は、2人のベストマッチであると同時に、
「コバタケさんのベストワークなアルバム」だと思っています。
完璧な脚本に完璧な演出、そこに見事な演じ手。
まるで名映画監督のような、コバタケさんの緻密なつくり込みがあってこそ
Salyuという役者も、ここまでの力を発揮できて、かつ魅力的に映っているな、と。
このアルバムでの2人の役割を例えるなら、きっとそんな感じです。


CDをプレイヤーに入れて再生させると、まず感じるのは、これまでになかったスケール感。
透明感や神秘的な曲調などを引き継いでいますが、ふんわりと始まりながらも
高揚感があり、ワクワクさせられ、熱さを秘め、サビでそれが爆発するような歌声や展開に
思わず身震いします。
「これから何かスゴイことが始まるぞ」「どんな面白いものが待っているだろう?」
否応なしに聴く者の胸が躍り、歌声に詰まった情熱にこちらまで焦がれてしまいます。

「リリィ・シュシュ」という、薄暗く湿った枠から放たれ、
水を得た魚のように、瑞々しく、いきいきと跳ね回るSalyuの歌声は
「私の歌を歌える!うれしい!」という喜びに溢れているのがよく伝わってきます。
「リリィ・シュシュ」時は頼りなかった音程や声量も、大分しっかり骨組みができてきて、
ひとつひとつの声が、はっきりとした輪郭をもって力強く紡がれ、
時にはふわりと浮遊し、時には清らかに綴られ、時には高らかに舞い上がり、
楽曲の求めるままに、いや「心のままに」と感じられるほど、
変幻自在なイリュージョンがCDプレイヤーの中から繰り広げられます。


楽曲のバランスは「リリィ・シュシュ」の時と少し似ていて、
神秘的で透明感に溢れた曲、ファニーでポップな曲、バラード調の曲が同率くらい。
そして新しく、「躍動感を感じさせるダイナミックな曲」という枠が加わった感じ。
Salyuというアーティスト、あるいは少女の姿として、元々ある三つの面に加えて
「リリィ・シュシュ」のコンセプトに合わない、「わんぱくさ」が反映された、と。
サウンド面でもそうで、浮遊感や繊細さを出した、アナログロックや軽妙なポップと
レディオヘッドなどを想起させるような、ジリジリ焼き付くようなギターが印象的な
デジロック的なアレンジの曲とが、透明感を媒介として混在しています。
詞・曲ともに、全てコバタケさんの手によるもの。
ロマンティックで透明感あふれる、少女が紡ぐような「あえてちょっとつたない」歌詞も
イイんですよねぇ。


透明感と柔らかさが極上な曲としては「Peaty」「彗星」
ファニーでポップな曲では「ウエエ」「Pop」
美しいバラード調の曲では「VALON-1」
(「Dialogue」もいい曲なんだけど、まんまマイラバなきらいがあって、少々・・・)
そしてワクワク、ジリジリさせられる曲では
「landmark」「アイアム」「Dramatic Irony」
オススメといったところでしょうか。・・・って、ほぼ全部になってしまった!
(分類が難しい。ほとんど全部、「透明感」カテゴリに入るような気もしちゃう)

殆どハズレ曲が無いと思います。その点でもオススメ指数、名作指数が上がります。
楽曲の良さ、引き込まれる世界観は、歴代アルバムでもダントツだと思います。
また、冗長な大作でもなく、ある程度曲調にバラエティがありつつも
「透明感」「少女性」で一貫しているので、一枚の作品としてのまとまりも良い


常に、いまこの瞬間にも、進化を続けているアーティスト、Salyu。
しかし、私の中では、どこかで今でも、この1stアルバムでのイメージが
「Salyu像」だったりしている
ような気がします。
コバタケさんもそうなんじゃないのかなぁ?
今の進化を、娘が大人になるのを見届けるように、嬉しかったり複雑だったり
しながら見守っているのじゃないのかな?
・・・なーんて、想像してしまったり。


「landmark」リリース後にも、たゆまぬ鍛錬をたくさん積んだであろうSalyu。
次作は、その成果が歌声の進化に繋がり、これまでとはまるで違う世界を
私達に見せてくれるのです・・・!
その続きは次回へ。



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Salyu:その0 Lily Chou-Chou -呼吸- 「ダウナーに溺れず、バランス感覚に優れた通好みの一枚。今からは想像もできない、儚い歌声」

かねがね好いている邦楽女性シンガー、Salyuが4thアルバムをリリースしたそうで
それに乗じて、これまでの彼女の作品を振り返って、コツコツレビューしてみようと
思います。

彼女のシンガーとしての歴史のはじまりが、本作。
Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)」というユニットのシンガーに、
当時歌の修行中だったSalyuが大抜擢されたのです。
岩井俊二氏と小林武史氏(以後コバタケさん)が中心になって制作された、どダウナーな
リリィ・シュシュのすべて」という映画のために作られた仮想ユニット。
悩み多き少年たちの救いとして、「リリィ・シュシュ」というカリスマシンガーが居て・・・
という設定で、歌声は何度も流れど、歌い手の姿ははっきりと映らず。
劇中に出てきたこの架空のシンガーのアルバムを、実際に作っちゃったわけですね。

昔mixiをしていたことがありましたが、音楽通の層に人気だったのが
このアルバムのコミュでしたっけ。
「Salyu」より、通好み(ロック系、洋楽系好み)のようです。

お気に入りで、よく部屋に飾っていたのですが
今となっては、「平清盛」のオープニング映像を連想せずにはいられないジャケ(笑)

呼吸呼吸
(2008/11/26)
Lily Chou-Chou

商品詳細を見る

一説には、リリィ・シュシュのモデルというかイメージはCoccoだったとか。
Salyuの「縦に鋭角的に刺さるのでなく、横に拡がって奥深く響くタイプの声質」は
確かにCoccoとかUAに通じるものがあります。


技量としてはまだまだ拙く、Salyu名義でリリースしたアルバムにあるような曲は
この頃の彼女では歌いこなせそうにない感じ。
しかし、コバタケさんはそこを実にうまーく使ったんですねぇ。
素材」として。

全体的に、囁くような、呟くような歌が目立ちます。
あるいは、童歌を思わせる、純朴な歌。(このあたりでCoccoを意識したかな?)
テクニックではなく純粋な声質、素材がモロに活きるように。
繊細で壊れそうな表現は、後年テクニックや声量をつけてからでは再現しがたいような
「未熟だからこそ、少女だからこそできる」絶妙なさじ加減。
未熟な少女である今しかできない、と言ってもいいかもしれません。

霧もやに包まれたように、ぼやけて、不安定で、少し淋しげ。
「リリィ・シュシュ」という映画の世界と上手にリンクします。
しかし、映画はこれでもかというほどに少年少女の闇、病みをえぐり出していて
DVDで観ていたら、当時の恋人に「そんな映画を観てるからあなたは暗いんだ」と
強制的に停止させられ、続きを観られなくなったこともあったぐらいで(苦笑)。

その一方、このCDは、思春期の少女の不安定さ、頼りなさ、ぼやけた感じは出しつつ
音楽それ自体は実はそんなにダウナーじゃない
んですよね。
曲調は多彩で、マイラバやSalyu期にありそうな、ファニーでポップなタッチのものもあって
音使いも、デジポップ~ロック調だったり、アナログな質感のロック~ポップだったり、
またその合間だったりと、ちょっぴり実験的といってもいいような面白さ。
しかも、今に至るどの時期よりも、セクシーさが出ていたりするのが興味深い。
エロティック」や「飽和」がそう。揺らぎや危うさが、たまらない魅力になっています。
そして映画とのリンクが強い、詞からしてダウナーだったり、不安な心情を表現した曲では
シンプルでやや淡泊なバンドサウンドで、さらりと包み込む。
「不安定で壊れそうな季節」の表現はSalyuの歌声ひとつだけに任せ、
周りはあっさりと、かつ安定させてまとめているので、ダウナーになりすぎない。

このように、コバタケさんは「いち音源としては、ポップなバランス感覚を忘れない」
という所を大事にして作っていて、かつ実験的な匂い、ダウナーな匂いもちらつかせ。
それが、本作が通好みの唸る名作たる所以といえましょう。

Mr.Childrenの桜井和寿氏が後年、「いいなぁ その声」と表現したように(うまい!)
「ダイヤの原石」だったこの頃から既に、一発の声で人をハッとさせる「何か」が
宿っている
ことを、再聴して改めて実感しました。
異国のことばで歌われる「アラベスク」や、歌詞のない「回復する傷」などに
とりわけその「天性の声という才能」を感じて、じっと聞き入ってしまいます。

映画の中でこれらの曲が流れている時は、「カリスマシンガー」ぽい雰囲気がありますが
CDとして聴いてみると、えっ、カリスマ?そう呼ぶにはちょっとポップ&頼りないような。
寧ろ身近な代弁者みたいな感じです。
でも、「アラベスク」などの数曲には歌声にもサウンドにも神々しさが感じられ、
また、静謐な祈りのような曲「回復する傷」は、あの「キル・ビル」にも使われたとか!
タランティーノ監督がSalyuの歌声に聞き惚れて、採用したようで。
全然気づきませんでした。「回復する傷」探しに「キル・ビル」見直してみるか?(笑)


このアルバムを聴いた人、買った人は、その後「中の人」Salyuが
現在のような溌剌としたパワフルな方向性で活躍をしていくとは、
いや、「その後」があるのかとは、考えもしなかったのでは・・・。
こんなふうに企画もので出てきて、それっきりで終わる人って多いから。

因みに、「リリィ・シュシュ」プロジェクト、これっきりかと思いきや
近年また復活してたみたいですね。配信限定で新曲リリースしたり、ライヴやったり
してたそうですよ。
ここにはなぜか、岩井俊二監督はおらず、新しくギタリストさんが加わっていた模様。


さて、次回は、いよいよ第1回目。(今回は0回目なのです)
「リリィ・シュシュ」というプロジェクトの「素材」ではなく、いちアーティストとして、
Salyuのうたの歴史が始まります・・・!



良質なおまけ。「リリィ・シュシュのすべて」のサウンドトラックです。
「リリイ・シュシュのすべて」 オリジナル・サウンドトラック『アラベスク』「リリイ・シュシュのすべて」 オリジナル・サウンドトラック『アラベスク』
(2008/11/26)
V.A.

商品詳細を見る

繊細で美しいピアノの調べが多いです。オリジナル曲に加え、クラシックのカバーも。
唐突に、あまりうまくない「翼をください」の合唱があるのはサントラのご愛嬌。
ここでも、映画のダウナー具合を反映しすぎず、上品さでまとめているのはさすが。
眠る前のひとときにもよく合います。



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