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ざっくり映画ライフ:その10 スタジオジブリ2~ここ数年のジブリ映画(コクリコ坂から、借りぐらしのアリエッティ、崖の上のポニョ)

このところのスタジオジブリ映画は、当然ながら、昔のジブリ映画とはかなり
異なってきているのに加え、世代交代が確実に進んできていますよね。
そんな近年、転換期のジブリ映画をざっくりと取りあげます。

コクリコ坂から

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(2012/06/20)
不明

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実は「耳をすませば」を公開していた当時、そちらでなく本作が採用された可能性が
あったらしい。同じ少女漫画原作(但し本作は「なかよし」、「耳を~」は「りぼん」)
だから、繋がるものはある。「耳を~」のほうが王道の展開だが。
舞台は1960年代。船乗りの父は行方不明になったまま戻らず、母も仕事のため不在続き、
しかしは家事を一身に引き受けるなど家を切り盛りし、たくましく生活を送っている。
ひょんなことから海は、同じ学校の1学年上の少年・に出会い、ふたりは互いに恋心を
抱きはじめる。しかし、海が見せた「父の写真」は俊も持っているもので、もしかすると
兄妹かもしれない・・・けれど、想いを止めることができず、逡巡するふたり。
高校の文化部部室棟「カルチェラタン」を守るための奮闘劇とともに、ほろ苦い初恋を描く。
宮崎駿さんの息子さん、宮崎吾朗さんが2回目の監督、原案と脚本が駿さんによるもの。

ゲド戦記」でがっかりさせられたような、脈絡のわかりづらいストーリー、
平板な画面、無表情で無気力な主人公といった要素は改められ、良くも悪くも
いつものジブリ映画のヒロイン、物語になった。
それまでの(ハウルの動く城くらいまでの)作画やストーリーに比べ、かなり
あっさりして薄口なように感じた。「ゲド」も薄口(というか、詰めが甘い)な
映画だったあたり、吾朗さんの傾向?それともジブリ自体今後はこのような
あっさりめの作品が増えていくのか?
爽やかで、ラストの「兄妹かもしれない」の真相はこの時代ならでは。
まちの自然の美しさや人のずうずうしいようなあたたかさは原点回帰か。

急ぎですることがあったのもあり、「ながら観」してしまったが、そうやって観るのが
正直丁度良かった。
個人的には「ながら観」なんて出来ないような、濃い作品を期待しているのだが・・・
長澤まさみちゃんの声優ぶりはとても良かった、清涼感も元気もあってピッタリだった。
親友どうしを演じた岡田准一君と風間俊介君、随所で息がぴったり合って、これも爽快。

NHK総合で放送していた、この映画の撮影の裏側に密着したドキュメンタリー番組
「ふたり『コクリコ坂・父と子の300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾朗〜」がDVDになっていた。

NHK ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~ [DVD]NHK ふたり/コクリコ坂・父と子の300日戦争~宮崎 駿×宮崎吾朗~ [DVD]
(2012/05/16)
宮崎吾朗 宮崎駿

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父子の確執がピリピリ。本作では吾朗さんが監督、駿さんが脚本を手がけたが
駿さん、吾朗さんに駄目出ししまくり。実質、駿さんとの共作だったりして?
しかし「ゲド戦記」の頃の確執はこんなものではなかったらしい。親子は難しいな。
作業の最中に起きた3.11と、だからこそ作業を止めるな!と檄を飛ばす駿さんや
父親への尊敬とコンプレックスを苦々しく吐露する吾朗さんが印象的だった。
なんだかんだいって駿さんは吾朗さんを認めているようだ。かなりのツンデレでは(笑)


借りぐらしのアリエッティ

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(2011/06/17)
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これまで、作画スタッフとして活躍し、ジブリ上層部から高い期待をよせられた
米林宏昌さんが初めて監督を務めた。「ゲド戦記」の吾朗さん監督就任劇も含め、
ジブリのトップが全員高齢になったことを受けて、次世代育成を目的とした人選だった。
原作は1952年に出版されたメアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』。
「人間に見られてはいけない」という掟に従いながら、人間の家の床下で暮らし、
人間の生活品をときどき借りて暮らしている、小人一家の一人娘、アリエッティ
父と共にはじめての「借り」にいった日、心臓が弱い少年・が1週間だけ
療養のためにアリエッティ一家の住む床下の真上の屋敷にやって来て、
夜の「借り」の最中、アリエッティは翔に目撃されてしまう。
一家は近日中の引っ越しを余儀なくされ、父が引っ越し先を探しにいくなか、
翔はアリエッティに何かにつけ親切で、二人の間に淡い恋心が芽生えてしまう・・・

こちらもまた淡い作品。悪く言うと少々地味かもしれない。
でも、地味ながらもなかなかに各キャラが立っており、それなりに面白い。
樹木希林さんが声をあてている、翔の屋敷で働く卑しい家政婦のおばあちゃんが
憎たらしいけどかわいらしい。希林さんの声がキャラクターをより引き立てる。
藤原竜也さんが声をあてている、野性的で無頼な小人のこどもも可愛い。
アリエッティに仄かな好意を抱き始めてしどろもどろになっちゃう所など。
引っ越しの後、アリエッティはこの子と夫婦になったのかもしれない。
そして翔の声は神木龍之介君があてているのだが、実は声のみならず、
翔のキャラクターデザイン自体、神木君をベースにつくられたらしい。そりゃハマるよね。
初めは病気や生に消極的だったが、アリエッティとの交流で前向きに成長して、
2日後の手術を「頑張る」と言えるように。儚いが、芯の強い少年で、とても魅力的。
大当たりでもないが大失敗もしない、標準値的なジブリの映画。
淡くて優しい、柔らかなタッチが心地良い。


というか、ぶっちゃけこの映画の主人公は、テーマ曲だと思う(笑)

Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)
(2010/04/07)
セシル・コルベル

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スペースが無いのともう少しじっくり書きたいので詳細は次回以降に譲るが、
涙腺をもれなく刺激される、美しい歌声とサウンド。
歌い手のセシル・コルベルさんはジブリ映画のファンで、手紙とCDをスタジオジブリに
送付したことから、本作の音楽を担当することになった。
一発屋のようなブレイク~フェイドアウトになってしまったのが惜しまれる。


崖の上のポニョ

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(2009/07/03)
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言わずと知れたメガヒット。宮崎駿監督が原作・脚本・監督のすべてを担当。
本作の公開が2008年だから駿さんはもう4~5年近く監督のポジションにいないことになる。
「人魚姫」をモチーフに据え、「新しく生まれてくる子供たち」に向けた作品になった。
本作のキャラクターのモデルは、スタジオ内のスタッフやその子供たちで、
その子育てを見ながら制作した映画なのだそうだ。
そのため「新しく生まれてくる子供たちに向けた作品」が出来たが、予想に反して
「子育てっていいかも」等、親世代・親を務めることについての反響が大きかった。
もと人間のフジモトと、海全体の女神のような存在・グランマンマーレの子どもの
さかなの子・ポニョは人間の世界に興味津々で、家に閉じ込められるのが気に入らず
ママ譲りの魔法を使って外界に出てしまう。そのときに、崖の上の家に住む5歳の少年・
宗介に出会い、ポニョはすぐに宗介を好きになるが、フジモトに海に連れ戻される。
その後。ちいさな妹達にも助けられ、ポニョが人間の姿になって宗介のもとに現れた!

この映画を観て、泣かずにいることが出来た試しがない。
愛娘が心配で仕方ない、人間嫌いでママに頭が上がらないお父さん、フジモト。
いつも気丈に振る舞っているけれど本当は不安を堪えている宗介のママ、リサ
ひねくれたことばかり口にしてしまうけど本当は誰より温かく優しい心の持ち主の
不器用なトキおばあちゃん。
ポニョのことが大好きで、まっすぐで健気な男の子らしい男の子、宗介・・・
キャラクターひとりひとりのエピソードが胸に迫ってきて、いつも涙が浮かんでしまう。
この映画には、掛け値なしの愛情がいっぱい、いっぱい、いっぱい詰まっている。
それぞれのキャラクターが画面のなかで実際に生きていて、彼らが心から願ったこと、
思ったことが、気持ちのままに溢れ出しているように感じる。

監督がこだわり抜いた「海の描写」も凄い。この「海の描写」に大きく貢献したのが
さきほどの「アリエッティ」の監督を務めた米林宏昌さんなのだそうだ。
理屈抜きに、胸にまっすぐ響いてくる映画。



さて、ポニョ以来の、宮崎駿さんが長編アニメーション映画の監督を務める映画が
今年の夏に公開予定らしいです。
駿さん自身の漫画を原作にしたもので、タイトルが「風立ちぬ」。
実在の人物である堀越二郎をモデルに、その半生を描いた作品で、
更には高畑勲さんが監督したスタジオジブリの「かぐや姫の物語」も、
同日公開の予定(同時上映ではなく個別に上映)だというから、
スタジオジブリ、にわかに慌ただしいことになっています。
どうなるんでしょうね?
「観ごたえのある作品が観たい!!」願うことはただひたすらそれだけです。
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テーマ:スタジオジブリ - ジャンル:映画

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ざっくり映画ライフ:その1 夏の夜長とジブリアニメ(千と千尋の神隠し・風の谷のナウシカ・紅の豚)「国民的老舗ブランドの変遷を追いながら」

昨夜録画した「千と千尋の神隠し」を今日の昼に観ながら、「そうだ、映画のための
新しい企画を作ろう」と思い付きました。
1記事全部使うほどは書かないけれど、印象に残ったのでざっくりと感想を述べたい用の。
その名も「ざっくり映画ライフ」。どんどん「ざっくり」が増えていきますが、
1記事1題材限定型だと題材の取りこぼしがどうしても増えちゃうんですよ。

記念すべき第一回はおなじみスタジオジブリ作品。言うまでもなく数多くありますが
今回は、今年放映された「紅の豚」「風の谷のナウシカ」そして昨日の「千と千尋の神隠し」
がややメインです。来週のトトロまで待つという手もありますが、トトロとラピュタは
内容ほとんど暗記しちゃっているからなぁ。
因みに、ジブリアニメをTVで観るということはそれすなわち加藤清四郎くんの「シネマボーイ」に
出くわすことと同義でありますが、普段「いらね」と感じるこの前フリ後フリも
ジブリアニメでだったらいいかなぁと。子ども(と大人)のためのアニメですからね。


まずは昨日の「千と千尋の神隠し」。もう10年も前ですか。

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(2002/07/19)
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キャッチフレーズの「生きる力」とか懐かしい。そういやよくそんな事言われてましたね。
「前にも観たからいいかな」と思っていたけど、それが案外覚えていなくって。
千尋一家が例のトンネルをくぐるまでのオープニングや、大泉さんが声優やっていたとか
でかい赤ん坊いたとか、千尋がヒロインらしくない子だというのが凄く話題になったとか、
そこまでは覚えていたんですけど、肝心の話の筋なんかは全然覚えていなかった。

ある映画を「前に観た」という経験が一応あっても、いざ観てみると殆ど覚えていない、
断片的な記憶しかない、物語が何を伝えようとしていたのかまではわからない、といった
ぼんやりした「経験」でしかない、なんてことありませんか?

TVを地デジにして以来、地上波で少しでも興味のある映画は必ず録る習慣がつき、
去年の年末の映画までまだ残っているんですが(もう観ないのかも・・・)
「あぁ、コレ、こういう話だったかぁ」「あのシーンとあのシーンしか覚えてなかった」
というパターンがかなりありました。(「ボディガード」なんかもそのパターン)
今回はモロにそれ。これまで、映画や単発ドラマの記事は二度観してメモをとりながら
記事をつくってきたんですが、すぐ前のものですら取りこぼしてしまうのだから、
まして過去の淡い記憶が頼りにならない、新たな発見があるのは言うまでもなく。

ジブリものの主人公ってみんなお利口さんで、明るく元気で、素直で可愛くて、
こういったシチュエーションでもすぐ適応して・・・というのにウンザリがあったのは
ナウシカを再聴したときに再確認したのですが、千尋はキャラ造形からして可愛くない(笑)
でもすごくいまどきの子どもにいそうな顔や所作をしている
んですよね。
理想的な子どもから現実の子どもへのシフトは、昔の作品から辿ると余計にインパクト大。
それに、ややゆっくり成長していくから、感情移入が追いつきやすい
今までの主人公って既に完成されていて、「どうせ出来るんでしょ?」と予測がついちゃう。
でも千尋は実にどんくさくて、挨拶もできなくて、ぼんやりしているところからのスタート。
周りから怒られながらも、仕事をがんばって、褒められる体験をして、責任感がついて
どんどんたくましく、臆さない子に育っていく。
だからいわゆる「主人公補正」も、今までと比べて自然に観られてよかったです。
最後には正体のよくわからない感動が湧いてきて、涙ぐんでしまいました。

登場人物たちが古い言葉をしゃべっていたり、古代日本ふうの着物を着ていたりしていて
大河ドラマ「平清盛」を連想してしまったのは私だけ?
ああいう(というか、もっと深い)日本古来の神話や伝承を織り交ぜた
キャラ設定やストーリーが、国際的な評価を決定づけたそうですね。
グローバリゼーションが方々で叫ばれていたあの時期によく、こんなメッセージを
鳴らせたな、しかも受け入れさせてしまうとは
、と、今考えると驚きを隠せません。

デジタル技術を使うようになった影響などもあり、絵柄など雰囲気が従来(トトロとか
ラピュタとかの頃)と比べてかなり変わっていますね。
あの少し垢抜けない、青臭い「らしさ」が欠けたような印象も受けたのですが、
時代と並走するとはつまりそういうことなのかと。

あの頃の問題提起(無気力な子ども、若者)は、10年経った現在にも鋭く響くように
感じました。最近よく子どもや若者が農村に出て修行したりしている流れにも続くような。
つまり、あの当時の世相の問題は、解決の目を見ていないと。個人レベルでは活発な若者も
増えているように感じるけれど、その面でも「格差」がとんでもなく大きいのでは。
「10年前の流行」って「懐メロ」にもなれない一番厳しいタイミングかもしれませんが
今こそこの作品は観られるべきだと思います。特に未来に躓いている、若者に。



次に、これも割と最近放映していた「風の谷のナウシカ」。

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島本須美、納谷悟郎 他

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はっきり言って苦手で、避け続けてきました。「グロ」なイメージが焼き付いていたから。
いつも食事をしながら映画の録画を観るので、ヘドロんちょが出てくるタイミングを運良く
華麗にスルーしながら視聴できましたが、ちょっと被った時はやっぱりしんどかった。
でも実はその辺は「千尋」の方がグロです。思い切りげぇぇってやってるし。
ナウシカは、その一瞬一瞬さえ避ければ大丈夫。「案外観られるな」と胸を撫で下ろしました。
今秋にエヴァンゲリオンの新作公開が控えている庵野秀明さんの名前を
クレジットで確認できて、それにも「おおっ」と。しかも「千尋」のクレジットにもGAINAXの名が。
庵野さんが描いたのは例の巨神兵ですが、勿論しっかり観ておきました。
エヴァを思い返すと確かに、随所にナウシカを想起させる描写があったかも。
今春くらいからEテレで30分くらいだけ放映されているアニメ「ふしぎの海のナディア」を
ずーっと欠かさずしぶとく観続けているんですが、それを称して「ナウシカ×エヴァ、
もしくはガンダム」と言っているくだりを雑誌で読んだのが何だか頷けるような。
(そこにプラス「ヤッターマン」じゃないの?グランディスさん達ってドロンボー一味の
パク・・・オマージュって感じがする)そしてその間の「トップをねらえ!」も気になります。

ナウシカは、とにかく自然が第一なんですね。良くいえば純粋な、悪く言えば原理主義的な。
自分のスキルや経験でなんでもできるから、自然自然と言って村人を率いることができる。
確かに勇ましいヒロインではあるけれど、それは愛情や環境に恵まれているから
成り立つ少女像
なのだと、ライバル役の姫君を観ていると懐疑的になってしまいました。
本作には原作の漫画があるそうで、そちらではその姫君が単なる「噛ませ犬」役でなく
成長を経てナウシカと対峙するキャラクターで、ナウシカと二分する人気があったとか。
だから観終わって寧ろ「是非とも今度は漫画のナウシカを読んでみたい」と思いました。
何巻何十巻と続けられる漫画と違い、映画は基本、2時間だから、描ききれない部分が
出ますよね。その「描ききれない部分」にこそ隠れた魅力が詰まった作品である気がして。

「ナディア」は、ナウシカにオマージュしながら、懐疑的な目線が混じっているところが
今(全体の半分も終わっていないけど・・・)観ていて、あるように感じます。
どんな過去があったのか殺生を絶対否定するナディア、しかし近代的な世界ではそれは
我が儘でしかない。ナウシカのような絶対的能力も権力もない。だから時々「みんな、
みんな大嫌い!」と言ってイジケて、孤立してしまう。「ナウシカの理屈は風の谷だから
通用するのであって、実際の世界では綺麗事でしかない」と言わんばかりに。

何度か脱線しましたがちゃんとナウシカに戻って、「千尋」でも千尋を救う少年の正体は
千尋が昔溺れたことがある、再開発で今はもう存在しなくなった川の神様だったりして、
ナウシカで提示された自然愛、自然保護の主張はブレないなぁとしみじみ。


最後に、あまりにもシブい豚が主人公の洋画風お気に入り作品「紅の豚」。

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(2002/03/08)
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よく、宮崎アニメでは飛行機や飛行艇など、飛ぶアイテムが頻出すると言いますが
この作品はそれを思い切り極めたもの。なにせ空の男たちのお話ですから。
そして舞台は20世紀初頭のイタリア。いやもうね、豚が豚なのに人間よりもモテて、
哀愁があって・・・ストーンズやトム・ウェイツなんかがよく似合いそうな豚ですよ。
観てみると結構、わんぱくヒロインが話を掻き回したりして、正統派の物語の体裁を
していると意外な印象さえあったんですが、全体に漂うムードが完全に白黒映画。
「古きよき」という言葉がこれほど似合うアニメ映画はないと言いたい。
千尋もナウシカも大きなメッセージを背負った映画だったんですが、本作に関しては
何を読み取るというではなくて、ただ心地良い空気に身を委ねるのが一番の楽しみ方。
男も女も現在を楽しく生きていて、エピローグに出てくる年をとった皆さんも
おじいちゃん・おばあちゃんなりの楽しい生き方暮らし方で楽観的にやっているのが
僅かな描写でも伝わります。「楽観的にいまを生きようよ」それがメッセージかも。
豚の「正体」も、明かしているようでイマイチはっきりしない=結局どこか謎に
包まれたままなモノローグで、最後にどうなったのかも「ご想像にお任せ」で、
こんなに最後まで神秘的で種明かしをしない不親切な主人公も宮崎アニメらしくない。
映画を観ているのかと勘違いするような雰囲気が極上の、異端の隠れ名作
私としてはこっそり隠しておいて、一人だけのものとして秘かに楽しみたいくらい。
ジブリ作品の時点で「こっそり」「一人だけのもの」なんてあり得ないのですが(笑)


ジブリ作品ってエンディングもお話のひとつで、エンディング楽曲にも傑作が多くて
聞き惚れてしまいますね。今回の中では「紅の豚」の加藤登紀子さんにうっとりするばかり。
スタッフクレジットの横に描かれる背景画もエピローグになっていて
こういうこだわりと、それを尊重してくれる日テレさん、GJ!と思うことしきり。
CMを入れるタイミングや時間数までジブリ側に指定されると聞いたことがあるのですが
日テレサイドには面倒かもしれないけれど、観る側としてはその徹底ぶりがありがたい。

80年代のナウシカを代表とする「ジブリ全盛期」、90年代の紅の豚といった
変化球、まったりの時期」、そして00年代の千尋のような「改革期」と
ジブリアニメの3つの年代を概観するかたちに図らずもなりました。
10年代は、吾朗さんが監督を務めることが増えて「世代交代期」になるのか?
しかしこれだけひとつのブランドを長く維持しているのはやはり凄いことですね。


あーあ、「ざっくり」のつもりがまた長々としてしまった。
変にハードルを上げてしまったような、または短く書けないのを露わにしてしまったような。
まだまだたくさん「ざっくり」な切り口であっさりと感想を書きたい映画があるので
今後どんなふうにそれらを語ろうかと考えながら、今回の記事を終わらせていただきます。

テーマ:スタジオジブリ - ジャンル:映画

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プロフィール

燃える朝やけ

Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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