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劇場版 SPEC ~結~ 漸ノ篇&爻ノ篇 鑑賞レポート(ネタバレほぼなし)

2010年に連ドラで始まった人気刑事ドラマ「SPEC」シリーズの完結編
劇場版SPEC~結~」の前後編(漸ノ篇、爻ノ篇)を観てきました!
漸ノ篇を先週に、そして29日に公開された爻ノ篇を・・・公開初日に!
10月初頭の夜中に一挙放送されていた連ドラを何となく録画で観て
すっかり高まってしまい、以降のスペシャルドラマや映画なんかも
いい頃合いで放送してくれちゃうものだから、普段この手の映画は
地上波放映を待つのに、わざわざ劇場まで足を運び金をつぎ込む決心が
たかま・・・じゃなかった、固まりました。

前後編ということで、後編を観るとき前編の記憶が途切れ途切れだったら
ちょっとな、と考え、前編を遅めに観て後編を早めに観にいきました。
実は今なら2本同日に観られるようになるとも知らず・・・orz

まあともかく、気合いを入れて鑑賞してきたので、鑑賞レポートでも。
ニュアンス的なものは少々あるかもですが、基本ネタバレありません!
とはいえ一応、内容は右下の「続きを読む」ぽちっとな以降に書きます。
それでは、張り切ってどうぞ!


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ざっくり映画ライフ:その6 バイオレンスからヒューマンドラマまでおまかせ、北野武映画特集!(アウトレイジ、キッズ・リターン、アキレスと亀)

もうすぐ「アウトレイジ ビヨンド」が公開ですね。
いままであまり興味がなかったのですが、いざ前編の「アウトレイジ」を観ると
もうすっかり楽しみになってしまいました!
ただお金がないのは相変わらずなので、DVD化を待つとしますかねぇ。
大きなスクリーンでバイオレンス映画を観られるまでの耐性も多分まだないし・・・
そんなわけで、今回のざっくり映画ライフは、北野武映画特集いきます!

アウトレイジ

アウトレイジ [DVD]アウトレイジ [DVD]
(2010/12/03)
ビートたけし、三浦友和 他

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記憶しているところでは、「バイオレンス映画だけどエンターテインメント性が高い」
みたいに言われていたような。それで、バイオレンスが基本ダメな私でも
「大丈夫かな?気楽に観られるかな?」と、TV放映を録画してみました。

漂う緊張感がただならない・・・
エンターテインメントというから、「座頭市」のように、笑わせたり楽しませたり
してくれるものだと思っていたら、そんな緩やかな隙間など一縷もない。
どいつもこいつも、みんな悪い・・・「全員悪人」!
そして生き残る奴ほど薄ら怖くて非情で、最後の最後に本性を見せたりする。
反対に破れる側の面子はどこか人情味や頼りなさがあり、そこが隙になる。
前者でいうと三浦友和さんや加瀬亮さんなんかはもうとんでもなく怖くて狡猾。
後者でいうとビートたけしさんや椎名桔平さん、國村隼さんなど、どこか憎めない。
中間あたりを泳いでいる立場の小日向文世さんあたりの役どころも読めなくて不気味。

暴力団の抗争の話で、R15+指定。それだけにかなり殴り合いや撃ち合いが出てきます。
でも目も当てられないほどグログロにしないところが、私が脱落しなかった要因です。
ここら辺はきっとたけし監督のこだわり。ありがたい。
「グロは嫌」という理由で避け続けてきたバイオレンス映画。「HANA-BI」や「BROTHER
などもそういう理由でまだ観ていないのですが、本作を観て「いけそうかも」と
思えるようになってきました。特に「HANA-BI」なんて代表作だし、観ないなんて損かも。
スピード感と緊張感溢れる物語展開にキャラ立ちした登場人物、飽きる暇がない。
いやぁ、これは続編で完結編になる「アウトレイジ ビヨンド」が気にならずにいられません!


キッズ・リターン

キッズ・リターン [DVD]キッズ・リターン [DVD]
(2007/10/26)
金子賢、安藤政信 他

商品詳細を見る

私が初めて観た北野映画。
前述の理由で「HANA-BI」は遠いところにあったので、本作が一番身近にあって
確か高校生ぐらいの頃に観たような・・・?いやTV権が無かった筈だから大学生か?
青春映画の王道のようなストーリー展開で、そこも入りやすかった要因ですね。
00年代には段々なくなっていくけれど、この頃は「キタノ・ブルー」と呼ばれる
青い色味の画面が独特の雰囲気を作っていて、なおさら青春まっさかりですね。
金子賢さんと安藤政信さんの出世作。二人とも最近なかなか見かけませんが・・・

でもよく観るとこれも「ボクシング」と「ヤクザ」でどちらにしてもややバイオレンス。
そういう所が当時、少々しんどくはあったのですが・・・
青春って外から見たら美しく見えるけれど中にいると結構酷なんですよね。
うまくいくばかりが人生じゃない。けれどそれを受け入れて生きていかなければならない。
青春は、キラキラした素振りして、大人社会の手厳しい洗礼をこれでもかと浴びせかける。
やるせないけれど、みんなそうやって大人になっていくしかないわけで。
青春の苦み、現実の壁、そういうものが容赦なくのしかかってくる、真っ黒な後味は
ある意味「アウトレイジ」よりもバイオレンスかも。

うまくいかない二人の生きざま、青春を過ぎた今改めて観たらどう響くのでしょう。


アキレスと亀

アキレスと亀 [DVD]アキレスと亀 [DVD]
(2009/02/20)
ビートたけし、樋口可南子 他

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TAKESHI'S」「監督・ばんざい!」を観た時、何となく行き詰まり感を覚えたのですが
この頃のたけし監督は、方向性に悩み、鬱々としていたそうですね。
そんな監督が「芸術家としての自己を投影した三部作の最後の作品」として
撮ったのが本作。そうやって考えると、たけしさんの半生もこんな風だったのだろうかとか、
奥さんとの関係性もこんな具合なんだろうかとか、いろんな憶測が浮かんできます。
ただ、観たときはそんなことは知らず、「印象に強く残った作品」のひとつになりました。

絵を描くのが大好きな「天才少年」が、前衛芸術家になって、
ひとりの女性と出会って恋に落ちて、家族を持って、
絵はなかなか売れず、世間から、そしていつしか妻からも受け入れられなくなって
それでも男は絵を描くことをやめられず、月日だけが残酷に過ぎていって・・・
物語は少年時代、青年時代、中年時代と大きく三つに分けて描かれ、配役も同様に分かれ、
中年時代(現代)の男と妻を演じるのがたけしさんと樋口可南子さん。
奥さんは青年時代、麻生久美子さんが演じていて、なんておいしい男なんだろう(笑)。

しかし本作もまた、口の中に苦みがいっぱいに染みわたるような映画で。
神童と仰がれて何不自由なく生まれ育ったところから大きく転落する少年期。
仲間達と出会って無茶して、切磋琢磨して、やがて人生の伴侶を見つける青年期。
自らの方向性を曲げられず、半分狂ったようになって、生活も苦しくなり、
娘からも妻からも見捨てられ、ボロボロになって、それでも描くことをやめられない中年期。
そして、そんなしがない男を、いつもどうしても見捨てられず、理解者であろうと努める妻。
二人に未来がないって分かっていても、最後に妻が帰ってくるのが男の唯一にして最大の救い。
妻が再び現れるまで、男は見る影もないほどに身も心も朽ち果てて。
愛がすべてを叶えることはできないけれど、
愛よりも無条件で理不尽で無償な、強い力はこの世のどこにもない。
一人の男の、波乱の半生を苦み(ときどきおもしろみ)たっぷりに描きながら、
愛がもっている可能性、愛をくれる存在への感謝、そういう温もりも感じられる映画です

少し地味めですが、私は本作がかなり強烈に胸に刺さりました。


こうやって見ていくと北野映画って「ほろ苦い」作品が多いですね。
ここに挙げきれなかった作品や、まだ観ていない作品も、やっぱりそんな香りがするし。
しかし「なぜたけし監督はここまでヤクザ映画を撮るのか?そういう世界の人なのか?
という疑問に対し、調べたところ、芸能界とヤクザの世界との癒着は避けがたいもので
たけしさんはその中で何とか利害関係を避けながらバランスをとってきて、
銃を使った人間は幸せな結末を迎えられないシナリオにしているのだそうです。
なるほどなぁと。ヤクザ賛美、暴力賛美が信条の方でなくて何となくひと安心。
暴力描写がキツイと感じたときは、最悪観なければ良いわけですからね。
生死を彷徨うバイク事故を経て、映画の世界観が随分変わったらしいのですが
バイク事故以前の北野作品はまるでノータッチ。そのあたりも今後、見比べてみると
面白そうだなと思いました。

そんなわけでPart2があるかもしれない北野武映画特集。
「相棒」の見過ぎで多少の暴力描写やグロ描写に耐性が付いたのもある気がしますが
バイオレンス映画も挑戦してみようと思えた今、また観ていく対象が広がっていきそうで。
世に放たれんとしている「アウトレイジ ビヨンド」、世界からどう受け止められるのか?
映画の内容と同時に、そちらのほうも興味深くて、とてもゾクゾクします。

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