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GP CAR STORY Williams FW14B「あの頃のF1オタクは必読のシリーズ!伝説のクルマの悲喜こもごも、すみずみまで見逃さないで」

「92年のチャンピオンカーにしてお化けマシン、ウィリアムズFW14Bに特化した
本が出てるらしい」という情報を最近ネットで得て以来、もう、そわそわ。
どうも昨年の本らしいとも聞いたような聞かなかったような気がするのですが
どっちにせよ読んでないんだし関係ない。
買うか?!その前にまずは立ち読みして、面白かったら買おう。
そんなわけで早速近場の書店でその書籍を発見、かじりつくように読むも・・・

GP CAR STORY Williams FW14B (SAN-EI MOOK)GP CAR STORY Williams FW14B (SAN-EI MOOK)
(2013/03/07)
イデア

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「あの頃滅茶苦茶印象的だった・速かったマシン」のムックシリーズで、3冊しか出ておらず
他のラインナップはこんな感じ。

GP Car Story vol.01 マクラーレンMP4/4・ホンダ (SAN-EI MOOK)GP Car Story vol.01 マクラーレンMP4/4・ホンダ (SAN-EI MOOK)
(2012/06/07)
不明

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GP Car Story vol.02 フェラーリ641/2 (SAN-EI MOOK)GP Car Story vol.02 フェラーリ641/2 (SAN-EI MOOK)
(2012/11/07)
不明

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セナ、プロスト、マンセルと、いわゆる「BIG4」(アレ、ピケさんがおらんぞ・・・)が
揃い踏みで、特にMP4/4とFW14Bはどちらが最強マシンだったか未だにYahoo!知恵袋等で
ああだこうだ議論されているほどですよね。
MP4/4はドライバーの力に依るところが大きかったのではとか(セナプロ。贅沢過ぎ!)
FW14Bを作った頃のウィリアムズが、のちのシューマッハーのフェラーリなど、
現代に繋がる「マシン、ドライバー、エンジン・・・総合力で勝負するスタイル」のおおもとに
なっているだとか。この本にもその辺色々書いてありますから、専門的な話はここでなくて
詳しい本やサイトをあたっていただければ。

FW14Bってこんなクルマ。
FW14B-1.jpg
ゴーカイな走りと、猪突猛進タイプでちょっぴり天然?なキャラが日本でも人気だった
ナイジェル・マンセルが、腕力と知力と思い切りを発揮してチャンプまで獲ったクルマ!
FW14B-2.jpg
後に書きますが、乗りこなすのはマンセルには及ばなかったものの、のちのチャンプ・
デイモン・ヒルと共に開発に尽力した「最強のセカンドドライバー」リカルド・パトレーゼ

この本で初めて知ったのですが、FW14Bは、92年シーズンの序盤だけ暫定で登場してもらい
中盤からは新車のFW15の出番だったはずが、いざ走らせてみるとFW14Bが凄すぎると判明、
シーズン通して使い続けることになったと。数戦だけの暫定車が、天下取っちゃったわけです。
なんか映画や小説に出てくるエピソードみたいに劇的すぎるわ、よくできてるわ。
で結局FW15はその間も開発が進み、FW15Cとして満を持して93年に登場することになります。
そんでまた圧勝すると・・・
そして、このマシンは、現代のF1でも活躍しているという恐ろしき天才デザイナー・
エイドリアン・ニューウェイの作品というイメージがあったのですが、
読んでみると実はパトリック・ヘッドの功績がかなり大きいのだと。
やや保守的なヘッドが、時に過激なまで先鋭的なデザインに走るニューウェイを
うまくセーブして、例えば空力はニューウェイに任せて他の部分は・・・といった具合に
ヘッド中心にまとめあげてつくったクルマだった、というのが真相のようです。
この本を読んで一番意外だった点かも。

でも、前年のクルマでFW14Bのプロトタイプの、FW14の時点で、マシンのコンセプトは
既に完成されていて、実際に91年は大いにマクラーレンを脅かしていました。
FW14.jpg
91年シルバーストーン。ガス欠でストップしてしまったセナをタクシーしながら
ヨユーのウイニングランのマンちゃん。セナとマンセルの名場面の一つですね。
FW14-2.jpg
FW14はなぜかカラーリングが3種も変わっていたそうで、序盤の頃はこんな感じでした。
序盤は信頼性がイマイチながら、パトレーゼがブラジルで2位。セナが優勝してめちゃめちゃに
泣いていたあのレースです。

92年はウィリアムズFW14Bがあまりに強すぎて、こういう光景が日常になってしまい、
F1離れを起こしたファンもいたようで・・・
Mansell_Patrese.jpg
右側の髭のおじさんがマンセル。マリオをリアル人間化するとマンセルになるって本当?
そして、左側で喜びつつも、微妙に複雑な表情を浮かべているのがパトレーゼ。
この本における二人の描かれ方があまりによく出ている画像。

モナコでセナが勝たなかったら、表彰台では↑の光景がずーっと繰り返されるばかり
だったはず。あのレース「絶対に抜けないモナコモンテカルロ」がドラマティックなのは
そういう背景もあったのです。
モナコといえば、最後にマンセルがヘロヘロになり、立つこともままならなくなって
路上に座り込んでしまう姿もありました。
オンボードから見える挙動が驚異的にスムーズなのもあり、さぞかしスイスイとドライブ
しているものかと我々には映りますが、実はあれこそがFW14Bを乗りこなす本当の大変さが
表れた場面だと、後半のマンセルインタビューで語られています。
ハイテクマシンに見えて、実際には腕力勝負、体力勝負のマシンだったようです。
また、セナの映画で91~92年が描かれるとき、セナはドライバーでなくマシンやチームに敗れた
かのように描かれ、VSプロストほどライバル(=マンセル)との闘いが前面に出ていないと
不満を述べていたのもマンセルらしく、これは確かに「言われてみれば」と納得。


実際のシーズンでもそうでしたが、この本のなかで更に強調されて描かれているのが
マンセル>>>>>コース上の塵>>>>>>>>>>パトレーゼ
という位置づけ。本書におけるマンセルageパトレーゼsageは凄まじく、91年からF1観て
パトレーゼを応援してきた私は、本屋でマジで泣きそうになりました。やりきれなくて・・・
同じマシンに乗っているのに、ダブルスコアの差がついて、何とかランキング2位は
取ったけれどそれはセナやシューマッハーに物凄く肉薄されながらの結果で、
ライバルは「マンセルは無理だけどパトレーゼなら追えそう」と言わんばかりに
真っ先に標的にされて、デビュー2年目のシューマッハーに追い回されて・・・
(で翌年はシューマッハーにボコられるわ、チームに虐められるわ、と・・・)
ここまでクソミソに書かれるんだったら、この本はいっそ「マンセルとFW14B」に
特化したほうが、「ポンコツのチームメイト」のことを思い出さなくてすむわ!
パトレーゼの熱烈なファンだという人には勧められない本です。FW14とか、FW13Bの本
出ないかなぁ、出るわけないけど。パトレーゼはそちらのマシンの方がいいですね。

そのうえで余計わからないこと。
よく知られているように、パトレーゼは明らかに(ベネトン行っても)、新兵器・
アクティブ・サスペンションに馴染めず、FW14Bに初めから手こずっていたし、
マンセルはFW14B以前にもアクティブサス経験があった(成功していたかはともかく)。
ドライバーとしての腕だって、どんなに盲目なファンでも「パトレーゼ>マンセル」と
言う奴はいないはず。つまり誰が見たって、マンセルがパトレーゼをかつてのピケばりに
警戒する必要はないんじゃないか?と思われるのですが、
「ふたりなかよし」に見せてきた裏で、マンセルはパトレーゼ側にデータを教えなかったり
嘘を教えたりしていて、パトレーゼがマンセル側の裏切りに気付いたのはシーズン終盤、
マンセル側の「嘘・秘密主義」はフランクなどチーム上層部にまで及ぶほどだったという
マンちゃんのパブリックイメージとかけ離れた政治的な姿がこの本で暴かれています。
「私の好きなマンちゃんじゃないやい!」悲しくなったけど、チャンピオンになるって
こういうことかもしれません。そして、コース上でしょっちゅう譲ったり譲られたりといった
屈辱を強いられて「バカヤローふざけんな!」と言えないパトレーゼもまた、残念ながら
「いいとこ止まり」の器だったということなのかもしれません。
・・・なのに、です。
なぜ、マンセルはそうまでしてパトレーゼを厳戒マークし続けたのか??

blog開設期にマンセルの記事を書いた時は、なにせ観ていない時期なのもあって
80年代半ばのネルソン・ピケとの激しいチームメイト間バトルを知りませんでした。
セナプロは双方の尊敬が根底にあるライバル関係で、最後には美談になるほどですが
ピケマンは、ピケが意地悪さんなのとマンちゃんが冗談通じないタイプのために
ただただ洒落にならない最悪の間柄。二人でやり合っている隙を、プロストにつかれ
漁夫の利をとられてしまうほど。
そんな二人、当初は2度のワールド・チャンピオンを獲っているピケが圧倒的優位。
しかし次第にマンセルが覚醒し、ピケを凌駕する場面が増えていき、泥沼の争いへ。
以降、FW14Bを手にするまで、実力者ではあるけれどチャンプにはいつもなれない、
不運ながらその才覚は多くの人に認められるまでに育っていったのです。
誰も初めは、マンセルがピケと対等に戦えるなんて期待もしていなかったのに。

推測になりますがやはりこの時の体験が、マンセルのトラウマになっていて、
当時の自分と同じ位置にパトレーゼが立つことを、過剰に想像してしまったのでは。
91年のパトレーゼはキレキレで(だからファンになった)、シーズン通算すると
予選で9-7でマンセルをぶっちぎったり、アメリカやメキシコでは「おい、危ないよ、
ぶつかるだろ!!」とヒヤヒヤするほどの至近距離でドッグファイトを繰り広げる
場面がみられたりして、観ているほうにはなかなか面白いことになっていましたが
これがマンセルにとっては「脅威」だったのでしょう。
但しマンセルは後半盛り返し、セナとチャンプ争いまで持ち込んでいるし、マシンの
信頼性も後半の方が良いしで、何だかんだでマンセルの方が「持ってる」のは明らかで
仮に「情報操作」無しで戦っていても普通にマンセルが勝っていると思うんですけどね。
一説には、マンセルは思いこみが激しく、被害妄想が強い人物だという話もちらほら。
それまでの人生が苦労人過ぎたから、悪い方へと物事を想定しがちなのかもしれません。
ただ、一介のパトレーゼファンとしては、「情報操作」なしのガチ勝負だったら
一体どこまで健闘できたのか?史実ほどボロクソにやられたのか?を観てみたいという
興味はあります。もっとがっかりするかもしれないけど。

情報量に少々圧倒されながらも、懐かしくなってその日はYoutubeでF1三昧でした。
甘いにがいあの日の想い出が蘇る、徹底的にマニアックなムック本。
詳細なデータもたっぷりなので、F1オタクの自負がある人にはきっと保存版!

MP4/4や641/2のほうも読んでみたくなりました。



おまけ、シューマッハーファンのあなたへサービス。
92michael.jpg
92年は初めてシューマッハーが優勝した、記念すべき年!初表彰台は母国ドイツと
めきめき頭角を現してきた年でしたね。
まだまだ幼さが残り、実は結構「イタズラ大好きの悪ガキ」の表情を頻繁に覗かせていた、
今から見ると新鮮すぎる、この頃のシューマッハーは嫌いじゃないです。
そんな彼も引退してしまい、リアルで見たドライバーがいまやひとりもいない現状は
やっぱりちょっと淋しいなぁ。

あ、よかったらFC2のF1動画↓も観てって下さい。このところ全然F1関連記事を書かないから
新作がないので、書庫と化してますけど。たまにまれにチェックしてますんで。
http://video.fc2.com/member?mid=11526797
「投稿動画数」の数字をクリックすると、これまで投稿している動画のリストが出ます。



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F1:その8 ジャン・アレジ「愛に生き、夢を追いかけたドライバー。ワールドチャンピオンとはまた違う、幸運なレーサーのカタチがここに」

GWを準備期間に充て、まさかのF1記事連載再開!
今回取りあげるのは、日本でも馴染み深いドライバー、ジャン・アレジ

「ジャン・アレジ」という名を聞いて、日本人が思い浮かべるイメージは大きく分けて
この二つかと。

後藤久美子さん(ゴクミ)の旦那様
TARGET表紙のアレジ&ゴクミ夫妻
最近では資生堂「マキアージュ」のCMなどで、黄金の輝きを放たんばかりの美しさで
観る者をハッとさせるゴクミ。
かつては小麦色の美少女だったのが、アレジと結ばれてからは(事実婚、実は略奪婚でもある)
愛故か、それともセレブになった故か、キラキラと眩いオーラをその身に纏うように。
しかしまぁエロティックで品のあるカップルだ・・・!
スーツ&デニム特集も面白そうだし、普通にこの雑誌欲しい。
昔、別の雑誌でこのカップルの特集を見かけて、ありあまる色気に
しばらく息を呑んでしまったものです。二人ともまだまだ枯れませんな!

黄金期目前の跳ね馬を果敢に駆り、情熱的な走りで人を魅了した愛すべきドライバー
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「アレジ=フェラーリドライバー」のイメージって強いんじゃないかと思います。
実際、5年間もドライヴしていたわけだし。
しかし何よりティフォシと我々のハートを掴んだのは、「本気でフェラーリが大好きだから
フェラーリのためならどんな駄目マシンだって諦めないぜ!」というまっすぐなスピリットと
その情熱から来る勇猛果敢な走り。
この動画の頃の「92年のフェラーリ(F92A)」は、跳ね馬の長い歴史に残る最悪な駄馬。
そんな逆境にありながら、モナコGP(絶対に抜けないモナコモンテカルロのレース)予選で
ウィリアムズ+セナに続く4番グリッドを獲得!関係者も吃驚したのだとか。
こうした、駄馬をねじ伏せるような走りが、同じフェラーリドライバーにして夭折したカリスマ
ジル・ヴィルヌーヴを彷彿させ、ティフォシ(=フェラーリファン)達を熱狂させました。

だけどアレジには、もう少し違ったかたちで、F1ドライバーとしての幸せを
全うできる可能性があったのも有名な話です。
そのきっかけが、こちらの大バトル。
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90年開幕戦、F1デビューしてまだ1年も経っていない新人アレジ、マシンも中堅どころのティレル。
(同僚には中嶋悟がいて、日本での中嶋のCMで、中嶋のメットを被ってドライヴしていた)
それなのに!この年のワールド・チャンピオン、アイルトン・セナのマクラーレンと
双方一歩も譲らない互角の大バトルで、もう観客も関係者もやんややんや。
スタートでトップに躍り出て、セナに抜かれてもすぐさま抜き返して、ぎりぎりまで
首位の座をセナ様に渡さない。結局抜かれるけれど、見事2位フィニッシュ。
表彰台でセナはアレジを称え、観客からはアレジコールが鳴りやまない。

こんなレースやバトルを何度か見せつけて、関係者が黙っているはずもなく、
アレジには当時のふたつのトップチームからオファーが来ます。
一つはフェラーリ、そしてもう一つはウィリアムズで、ウィリアムズと仮契約まで漕ぎつけるも
最後に選んだのはフェラーリ。
しかし、翌91年から、ウィリアムズは当時の最強チーム・マクラーレンに肉薄し、
92年にはマンセルが悲願のチャンプ、以降も97年頃まで「最強」の称号を欲しいままに。
一方で91年からのフェラーリはお家騒動や、エースのプロストの離脱で大波乱、
96年にミハエル・シューマッハーがベネトンの首脳陣を連れて組織改革に乗り出すまで
長い長いスランプに陥ってしまう・・・
「もしあの時、アレジがフェラーリじゃなく、そのままウィリアムズに行っていたら
もっと勝てたのに。ワールド・チャンピオンだって夢じゃなかったのに!」

今でも叫ばれ、そして論議になる「たられば」です。

アレジは幼少期から、先に述べた伝説のフェラーリドライバー、ジル・ヴィルヌーヴの大ファンで
部屋に等身大ポスターを飾っていたほど。
(ちなみにセナや片山右京などもジルファンで、右京はフランスF3選手権時代のライバル)
そして、フランス生まれだけど両親はシチリア出身のイタリア人。
流れるティフォシの血と、ジルへの憧憬が、何をもってしてもフェラーリを選ばせました。
幼い日からの夢を叶える道をとったわけですね。
そして結果的に、アレジはジルに擬えられてティフォシに熱狂的に愛され。
例え、優勝がたった1回しかなくても、ワールド・チャンピオンに手が届かなくても。
そういえばジルは無冠の帝王のまま、コース上(予選)で天に召された人でした。(優勝は6回)

アレジの最初で最後の優勝の場面がこちら。
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92年からつけている、ジルと同じカーナンバー27で、自身の誕生日に、
ジルの名を冠したカナダ「ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット」で、フェラーリで優勝!
ファイナルラップから涙で前が見えなかったというアレジ。
マシンは限界寸前にあったため、ウィニングラン途中で止まってしまいます。
そこに親友シューマッハーが寄ってきて、ベネトンに跨って歓喜のウィニングラン。
91年の同僚にして師匠のアラン・プロストが、解説席で思わず笑ってしまうほど
子どものような喜びっぷり。
観客がコースに凄い勢いで大挙してなだれ込み、大騒ぎ!轢かれちゃうよ!
神様が「最初で最後だから、オプションいっぱい付けてあげるね」と意図したかのような
めでたい曰くばかりの、アレジでなくとも感涙もののスペシャルな優勝。
夢が叶った瞬間でした。
そしてこのレースの後、日本のメディアに向けてゴクミとの交際宣言をして、
ゴクミが「勝利の女神」と呼ばれていたのを憶えています。


件の「たられば」を真剣に考えてみました。
90年のウィリアムズは前年に引き続き、ティエリー・ブーツェン&リカルド・パトレーゼの
地味だけどデキるコンビ。来るべき黄金期の足場固めにじっくり当たり、奮闘する姿は
93~95年のアレジ&ベルガーコンビとかなり印象が被る(実力が拮抗していた辺りも)。
90年序盤でブーツェンの放出とパトレーゼの残留が決まっており、No.1ドライバー候補の
オファーを、アレジと当時フェラーリにいたナイジェル・マンセルに持ち掛けていたのだそう。
アレジは、この「二股かけられている」状況にも嫌気が差してフェラーリを選んだようですが
もしマンセルとアレジがチェンジせず、91年から、アレジがウィリアムズにやって来て
パトレーゼと共に走っていたら・・・?(マンセルはフェラーリに残留したと仮定)

ウィリアムズ贔屓のパトレーゼファンから言わせてもらうと、これは・・・駄目でしょう(苦笑)
仮にもマンちゃんはBIG4の一人、マンちゃんとアレジではやっぱり格が違いすぎる。
マンちゃんが来たからこそ開発陣も本気になって凄い車が出来た、あれだけの成果を出した、
91年以降のウィリアムズ確変はそういう要因も小さくないのでは。
ブーツェンとアレジの比較もする必要があるけれど、前年までと似たり寄ったりになる気が。
それに、アレジはテスト嫌いのセッティング苦手、90年は中嶋にやってもらっていたそうで。
何だか書いててマンちゃんとアレジって似てる(セッティングは別として)と改めて思いつつ
パトレーゼに、いきなり入って来た生意気な新人君にそこまで面倒をみてあげる「父性」は
申し訳ないけれどあんまり感じられない(笑)仲良くしてあげる絵が全然浮かばない・・・
後年「どけジジイ」と言われるおじさんが「クソガキ」と罵る絵ばかり浮かんでなりません。
何気に、フェラーリの同僚が同郷のプロスト教授だったのもきっと良かったと思うんですよね。
教授はアレジが尊敬する先輩で、教授も同郷の後輩が可愛くてかなり面倒をみていたし。
(ゴクミの前の奥さんとの結婚式で立会人を務めたりするほど!まぁ、後に決裂するのだが)
そのあたりがパトレーゼでは・・・。(その点、ベルガーは本当によくやったと思う。
何度か深刻に対立したり、こっぴどいイタズラを喰らわされたりするけど、割と良い関係)
加えて、ウィリアムズってかなりドライバーを双六の駒のように考えているチームで、
その年のチャンプを翌年追い出したりするし(例:マンセル、ヒル)、トップダウンも多く
アレジの気質にはあまりに窮屈すぎるチームじゃないかと。
「1年それなりに走って、チームともパトレーゼとも大喧嘩して史実の教授状態になって、
すぐに余所のチームへと移籍しちゃいそう、しかもその移籍先がフェラーリ」が私の結論です。

似たもの同士?マンセルVSアレジの名勝負を動画でどうぞ。
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94年鈴鹿、セナのいないF1を嘆くように雨が吹き荒れて視界を遮る。
そんなあまりに湿っぽいレースを盛り上げてくれた、熱い二人の熱い、そしてフェアなバトル。
闘い暮れて二人は互いの健闘を讃え合う。いい光景です。
この二人に「周りの湿っぽいムード」なんて関係ない!
本当、二人が居てくれて良かったと思います。


確かにワールド・チャンピオンは獲れなかったし、優勝も一度しかできなかった。
でも、ティフォシが自分のことを、憧れのジルに擬えて、熱く賞賛してくれた。
ティフォシのみならず多くの人にとって、記憶に残るドライバーになれた。
「たられば」を今でも言ってくれるような根強いファンを沢山獲得することができた。
そうして、夭折することもなく五体満足で、無償の愛を与えあえるパートナーもそばにいる、
今日も。
こんな幸せ、もっと称えられても良いんじゃないでしょうか。
男としては仕事で「結果」を出したいものだけれど、「過程」に十二分な反響があって、
記録よりも記憶に残る仕事を残したというのも、それはそれで自分を思いきり褒めていい。
他人に誇っていい。
いろんな名ドライバー(や、名チーム)がいるからF1って面白いんです。
例え、ちょっと直情型で、いつまでも少年ぽさが抜けない、天然さんでも・・・
(この辺の面白エピソードはゲルハルト・ベルガーの回を参照ください)
とりあえず日本人としては、ゴクミさえ泣かせないでいてくれたらそれだけでいい・・・?!


さて、次は、これまでと全然違う切り口で、二人のF1ドライバーを取りあげていきます。
音楽に縁の深いドライバー、デイモン・ヒルとジャック・ヴィルヌーヴ。
カテゴリがF1なのか音楽なのか分からないくらいまぜこぜに書いちゃうつもりで準備中!
次回の記事も、どうぞお楽しみに。

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F1:その6.6 リカルド・パトレーゼ(後編)「キャリア最後に見たのは、かつての自分の姿だった・・・?過去と現在を繋ぐ”有名な暴言”」

リカルド・パトレーゼ前後編も、いよいよ後編に入りました。
6.6って?実質7ですけど、まぁいいでしょ(笑)

【episode three:「どけジジイ」から始まった意外な縁】

00年代に入った頃に、パトレーゼ(以下、前編と同様パトさん)が会長、
パトさんのファンクラブの代表さんが副会長、
そしてあのミハエル・シューマッハー(以下シューミ)が名誉会長を務める、
F1ドライバー等によるチャリティサッカー団体が出来たようです
(パトさんのファンサイトより。現在はパトさんは会長を退き、「Councillor」職みたい)。
いい歳してチームのキャプテンしてたり、相変わらずお洒落な着こなし披露してたりな
現在のパトさんの様子を窺い知ることができます。
しかし、なぜパトさんとシューミ?

この組み合わせで、ある”事件”を思い起こす人は多いかもしれません。
アンチシューミ派が、シューミを悪く言うときにたびたび出てくる話、
いわゆる「どけジジイ」事件です。

93年、ベネトンに移籍したパトさん、チームメイトはシューミ。
パトさんの経年劣化がそろそろ出ちゃって、シューミに全然かすりもしない日々。
前年のブランドルさんが結構やってくれただけに、こんなはずじゃ・・・。
更に、チームがシューミ中心主義な上、オーナーに冷遇され、踏んだり蹴ったり。
そんなとき、シューミがパトさんに発した台詞が、かの有名な「どけジジイ」で、
何の罪もなくモーターホームを追い出される始末。完全にイジメです。
しかも舞台はモンツァ=パトさんの地元。あまりの仕打ちに、男泣きしたんだってさ・・・

数年後、チャンプを獲った後のシューミがパトさんに再会した時、
「あのときはどうかしていた」
「何であんなことを言ったのか分からない」と、詫びたそう。(「泣いて」説も聞いたことある)

確かに、パトさんの走りぶりは、ファンが絶望するくらい冴えなかった。
しかしですよ、何も「どけジジイ」って言わなくてもいいでしょ?相手は年長!先輩!
当時のシューミのチームメイトは、これ程かは不明ながら、皆冷遇されていたとか。

でも実は、昔々、デビューしたてのパトさんは、チャンプを期待されるほど速い一方で
尊大だわ荒々しいわ運転マナー悪いわと、ドライバーとしてあまりに酷いので、
「お前が出るなら俺達は参戦しない」と、先輩ドライバーから総スカンを喰らっています。
少し後にデビューしたプロストも先輩に「あいつは危険だから気をつけろ」って
焚きつけられていたとか。
そんな時期、レース中に多重クラッシュが発生。死者が出てしまい、
「またアイツだな?」という具合に、パトさんのせいとみなされ、
後年に裁判で無罪が証明されるも、何年も罪人扱いされる憂き目に遭っています。
この一件があって、今に伝わるような「人格者」的な人間へと、成長したんでしょう。
結構、当時の若シューミと似たり寄ったりかそれ以上のこと、してるんですよねぇ。
チームメイトにも似たような態度、取ってたんじゃないかなぁ?

だから、かつての自分を見てるような気分も幾分あったんじゃないかと。
それで許したんじゃないかと私は思います。
「シューマッハー」というブランドが、団体運営に有利に働くという考えも
あったかもしれないけど。

少なくとも、それからは、うまくやってるんじゃないでしょうか。
さきに紹介したサッカー団体HPの写真でも、ガッと仲良しポーズしてたり、
シューミの走りがアンフェアだとされて問題になった時、擁護する発言をしたり、
ベストなドライバーは誰かと聞かれた時、回答が「セナとシューマッハー」だったりなので。
そう信じたい・・・
パトさんファンは、シューミを受け入れるのに、相当の「努力」が必要なのです・・・。


<my favorite race>

パトレーゼというドライバーの、こんなところが好き。
例えば91年メキシコ。チームメイト同士でぶつかりそうになるくらい熱いバトル!
これと同年ブラジルは、今でもやけに鮮明に覚えているんです。
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そして92年ドイツ。無難に3位を守りに行かないで、あえて攻めたところがカッコイイ。
92年のパトさんは守りのイメージが強かったから、この名バトルは意外ですらあった。
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渋くてカッコイイだけでなく、時に激情的な走りもちゃんと魅せてくれる。
「最強のセカンドドライバー」でありながら、エキサイティングに攻めるドライバーでもある。
そこがやっぱりいい!


【episode four:人格者イメージだけでくくっちゃダメよ】

全体的にちょっと綺麗に書きすぎたから、最後は軽~く貶してみよう!
綺麗なだけの人間なんて、いないんだぞ!!!

①パトさんってかなりのキレっぱや。若い頃からそうだけど、
ベテランになっても、モデナにキレたり、ベルガーにキレたり、
コントロールタワーに怒鳴り込みに行ったり・・・やっぱりイタリアン!
②パトさんが清廉潔白だと思いこんじゃいけないぞ。実はコネがあるんだ。
F1界のお偉いさん、バーニーさんと仲良しだ。
同じユダヤ系繋がりと、ブラバム時代の監督&ドライバー繋がりだ。
256戦もずっとシートを失わずにやってこれたのは、この人のおかげかもしれないね。
③パトさんはF1デビュー当時、なんと現役大学生だった!経済学部だったとか。
兵役逃れが目的だったらしい。
④パトさんは趣味がたくさん。好きな音楽はクラシックと、およそレーサーとは思えない♪
読書も好きだし、有名な話だけど鉄道模型は世界的コレクター。
スポーツは、スキー、サッカー、テニス、乗馬、他オールラウンダー。
なかでもスキーは、イタリア代表になりそうなところまでいってて、
スキーの訓練の一環でレースしてたら、気がついたらF1に来ちゃってたよ!
⑤パトさんはイケメンのくせに、ほんとはピケやベルガーよりもひどい女たらしなんだぞ。
パドックで大人気の綺麗な奥さんがいても平気で女遊び、一夜だけの関係が好きみたい。
そして近年、若くて綺麗な新しい奥さんとの間に子どもがいるって!リア充もほどほどに!

おまけ。Youtubeで有名になったやつ。一緒にいるのが新しい奥さん。
「サドレーゼ」ってつけたの私ですwだってサドいもんwww
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ふ~。ようやく、F1編を書き終えましたよ。おかげで連日寝不足になった(笑)
でも、「(あの頃の)F1がなぜ、どんなふうに面白かったのか」が
少しでも伝わると嬉しいと思い、渾身で取り組みました。
ドライバーそれぞれに個性、物語があり、甘い成功も苦い挫折もある。
テクノロジーの宝庫、F1。ワクワクさせられる、F1。
一方で、カネや政治やエゴや運や駆け引きなど、人間の業を抜きでも決して語れない、F1。
私がこの企画の最後をパトレーゼで締めくくったのは、そんな「名マシン」「清濁」「喜怒哀楽」を
一番体現しているドライバーだと思ったから。

幼い日、このスポーツに出会えて、本当に良かったと
いま改めて思います。

テーマ:F1グランプリ - ジャンル:スポーツ

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プロフィール

燃える朝やけ

Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
・コメント・トラックバック・拍手・
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