2017-11

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年末年始、面白かったドキュメンタリー三選(プロフェッショナル仕事の流儀イチローSP、TSUKEMEN、市川猿翁&香川照之)

この年末年始は、ドキュメンタリー好きとしてもおいしい時期となりました。
ジャンルは見事にバラバラなのですが、年末から年明け、厳密にいうともう休み明け?
に観た各局のドキュメンタリーのなかで、面白かったものをピックアップして書きます。


プロフェッショナル仕事の流儀 特別編 イチロースペシャル 2012
スポーツ選手を主人公としたドキュメンタリーに初めて興味をもち、しかも「面白い」と
感じさせてくれた存在、それがイチロー。
昨年の正月に「イチロー ぼくの歩んだ道 ~特別対談『大リーグの10年』with糸井重里~」
という、糸井重里さんとの対談番組を観たのがはじまりだった。
パブリックイメージよりは肩肘はらず自然に、しかし大変理にかなっている考え方、行動。
今まで違う星に住んでいると思っていた人が少しだけ近くに感じられた。
以来、その言動に惹きつけられるようになった。

不調に喘いだ2011年を経て、「感触は戻っているが、結果に繋がらない」もどかしい
2012年前半、熟考の末選んだ古巣からの移籍という選択。
熱烈なファンの「イチ・メーター」おばちゃんとの交流も心あたたまるワンシーン。
シアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースへ、今まで持っていた全てを捨てて
単身赴任のようなかたちで自ら車を運転してイチローはニューヨークへ向かう。
それから・・・遂にイチロー復活!チームを替えてから、これまでの不振が嘘のように
打てるようになっていくさまがとても痛快。
リーグ戦で苦戦を迫られていたヤンキースも、イチロー復活と歩調をあわせるかのように
猛チャージをみせて、優勝争いが最終戦までもつれ込むほどに。
今年で40歳、イチローは新たなステージへと歩み始めた。

「常にできる人」というイメージがあまりにも強い人だけに、今回の
結果が出ないイチロー、閉じこもるイチロー、苦悩するイチローの姿は苦々しいものがあった。
皆が言うように年齢のせいなのだろうと思った。しかし、それでもイチローは乗り越えた。
苦悩するのも、スランプに陥るのも、歳をとるのも、誰もが通る道。
我々と同じ道を同じように通り、そこからホームランをもう一度打ってみせるのだから
憧れとカタルシスが生まれる。

イチローを見ていると、いつも「気持ちの背筋」と言うべきものがスッと伸びる。


明日へ!ゼロからの詠唱 (アリア)~ヴァイオリニスト TAIRIKUの挑戦~
日テレで早朝に放送していたものを録画で視聴。
2008年にデビューした、ヴァイオリン2台とピアノによる
アコースティック・インストゥルメンタル・ユニット、TSUKEMEN(つけめん)。
メンバーは、TAIRIKUSUGURUKENTA。若手のイケメン集団、またエリート集団。
クラシック、ジャズ、映画音楽、アニメソング、ゲーム音楽、そしてオリジナル楽曲を
彼ら独自の解釈で届けている。
そのなかでTAIRIKUこと佐田大陸は、実はあのさだまさしさんの息子で、
さださんが果たせなかった本当の夢「ヴァイオリニスト」を背負っている重圧、
TSUKEMENや自分自身が「さだまさし」を経由して知られ、見られることに
反発があり、父親とは同じ事務所に所属せず、独力でこれまで頑張ってきた。

ニューヨークの路上で、被災地で、大陸、そしてTSUKEMENは武者修行に励む。
「さだまさしの息子(の在籍するバンド)」など関係ない場所で、時に迷いながらも
のびのびと成長していく若きサムライたち。
「いままでよりもオリジナル曲に力を入れよう。TSUKEMENのオリジナリティで勝負しよう」
三人で曲作りに励み、コンサートで披露するレパートリーにもオリジナル曲を増やす。
そうした修練が自信になって、大陸は偉大な父の重みをもうはねのけず、受け入れる。
さださんの還暦記念コンサートで、親子が共演を果たす。
一回り成長した大陸、そしてTSUKEMENが印象的。

友人にジャズ~フュージョンのバンド(しかも同じ三人編成)で頑張っているのがいて、
TSUKEMENのがむしゃらな姿、凛々しく伸びていく姿が彼らと被った。
そういった理由で観たので、そこにさだまさしさんの息子さんがいるとは夢にも思わず、
さださんの夢がヴァイオリニストだったというのも非常に意外だった。
「さだまさしの息子」というブランドを時には有効に使いながらも、これからも
ストイックに頑張りつづけてほしい。それが「七光り」と呼ばれない最短の道。
彼(ら)なら、心配ないのではと思った。

これからも、がんばれ!!


NHKスペシャル 父と子 三代目市川猿之助・香川照之 二人の挑戦
ドラマに映画にCMに、もはやその姿を見ない日はないのではないかというほどの
押しも押されもしない俳優、香川照之さん。
2010年のドキュメンタリー「ラストデイズ『お前は、オレになれる』松田優作×香川照之」
で双方に興味をより深く持ったが、その時の香川さんは「父親には幼い頃捨てられて、
顔も覚えていない。殆ど他人だ」といった、父親に対する複雑な感情を口にしていた。

だから歌舞伎役者・九代目市川中車として、父親の猿之助さん(二代目市川猿翁を襲名)
と同じ道を歩くというニュースを聞いたときは二重三重の意味で驚いた。
Eテレで二人の共演する歌舞伎『将軍江戸を去る』を放映していたので興味本位で観た。
一年ほど、Eテレの「芸能百花繚乱」を観ていたが、この分野はなかなかわからない・・・
それでも、この共演には必ず大きなドラマがあるのだろう、ということは
素人の私にも推察することができた。

番組を観ると、今回の襲名劇は、香川さんは勿論として、脳梗塞から復帰する猿翁さん、
歌舞伎界デビューを果たす長男の政明くん(五代目市川團子(だんこ)を襲名)、
親・子・孫、三代みんなにとってのチャレンジであることがわかった。
一家の誰もが額に汗して、全力を尽くして、自分の限界を超えようともがいていた。
猿翁さんは昔、芸事に専念するために妻子を捨てたが、愛していないからではなかった。
今、「息子と共演できるのが夢だった」と感慨に胸をつまらせる猿翁さんがいて、
それを労り、慈しみ、大粒の涙を流しながら感謝の念を伝える香川さんがいる。

父から子へ。芸事への情熱、親としての愛は、有形無形を問わず確かに伝わっている。



いろんなことを考えさせられて、そのなかで「自分も頑張ろう」と思えるような
観終わってから自分のなかでもエネルギーの沸き上がってくる
逞しいドキュメンタリー揃いでした。
彼らのように、一歩でも二歩でも、前を向いてたゆまずに歩んでゆけたら・・・。
今年はなんだか、いい一年になりそうです。
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テーマ:ドキュメンタリー - ジャンル:テレビ・ラジオ

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年末年始SP!ざっくり音楽映画ライフ:その3 ジョン・レノン(イマジン、アメリカVSジョン・レノン、ジョン・レノン,ニューヨーク)

ざっくり音楽映画ライフSPのラストを締めくくるのは、ジョン・レノンJohn Lennon)。
妻のオノ・ヨーコが日本人というのもいくらか手伝ってか、日本では偉人のように
教科書にも載ってるお方ではあるのですが、本当のジョンには色々あってね・・・
そしてさすがカリスマ、知れば知るほどその「色々」の多いこと多いこと。
「もうそろそろ新しい話なんてないだろうよ」と思っていた矢先に、初耳の話が
さらっと出てくるんだからとんでもない。
動乱すぎる40年の生涯を綴ったドキュメンタリーの数々と、それにまつわる思い出話を
ざっくり身勝手にお届けします。


イマジン

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(2010/04/21)
ジョン・レノン、ヨーコ・オノ 他

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ここに載っているのは新しめのエディションだけど、実際に本作が作られたのは1988年。
ジョンが銃殺されたのが80年12月だから、「たった8年後」のドキュメンタリー制作に
今となってはちょっと驚き・・・でもないか?なにせ死に方が死に方だったから・・・

私が初めて観たジョン・レノン関連のドキュメンタリーで、ビートルズ関連の作品に
ふれるよりも先だったはず。なんというか、ジョン・レノンという個人の存在は、
ビートルズというバンドの存在とはまた別物という気が当時していたから。
それほどまでに、ビートルズのロックスターとソロ時のシンガーソングライターは
洋楽にそれほど詳しくない当時の私にとってはかけ離れたもののように感じられた。

内容はきっと多くの人が知っている通り。ジョン・レノンの最初から最後まで
オノ・ヨーコ中心に、彼に関わった多くの人のインタビューや、映像で綴り、
ジョン自身が受けた数々のインタビューがナレーションに用いられている。
とりたてて突飛な工夫やサプライズがあるわけではない、ごく普通の
ドキュメンタリーではあるが、本作に詰まっている史実がジョンの基本のき。

のちに公開されていく、「違った側面からの」ドキュメンタリーを十分に愉しむ
ためにも、まずは本作で基本を押さえたいところ。


PEACE BED アメリカVSジョン・レノン

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(2008/12/08)
オノ・ヨーコ

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当時の恋人と一緒に、映画館に足を運んだ作品。
この「当時の恋人」がジョンのガチファン、いやあれは信者だな・・・で、
ラストでぐずぐずと泣き出してしまうし(周りもそんな感じではあったが)、
映画を観終わって、二人でカフェに行っても、暫くメソメソとしていて
慰めるのがとても大変だったものだ。
更に「毎年12月の、ジョンの命日には、いつも悲しくなってしまう」と言って
本当に12月8日、マジで泣きそうになっているのには恐れ入った。
まったくおまえはどこの世代の人間かと当時びっくりしたものだ。
ま、音楽的頭の中が70年代~90年代を行き来してる今の私が言えたものじゃないが。
レノンがフルシアンテに変わったら、同じようになる自信がある意味、ある。

この映画では「活動家」「反戦運動家」としてのジョン(とヨーコ)を
フィーチャーしている。・・・とはいうが、ある程度普通にジョンの人生全体を
なぞってもいるのだが。
本作で知って驚くことが沢山あった。ニクソン政権、FBIとかなりギリギリの
命がけのバトルをジョンとヨーコが繰り広げてきたこと。
二人をアメリカにいられなくするためなら盗聴なんて朝飯前。
在住権を勝ち取るために、何遍も何遍も裁判に出廷し、国外退出通告を何度となく受け・・・。
本作の特徴として、「ジョンが自分の死を予知していた」「ジョンの死後、
次に狙われるのは私達だと、ヨーコは恐れ、孤独と恐怖に苛まれながら
ショーンを育てた」といったくだりがある。

つまりFBIの監視の目は80年になってもふたり(もう3人か)から離れることはなく、
ことによってはあのチャップマンがFBIの差し金かも?という含ませさえ感じさせる。
また、ジョンとヨーコの出会いの時期も描かれていて、ジョンはヨーコに出会ったから
活動家になったのではなく、映画「僕の戦争」への出演などをきっかけに
ジョンの胸には既に反戦、平和への志や前衛芸術への興味が芽生えていたことが
とてもよくわかった。
なのに未だに「ジョンがああなったのはヨーコのせい」という輩がしぶとく存在する。
映像に映る、若くけなげなヨーコに自分は心を打たれ、銃殺によってひとりぼっちに
なった彼女の悲しみ、心細さに、ラストシーンでは私も涙を浮かべていたのは秘密だ。


ジョン・レノン、ニューヨーク

ジョン・レノン, ニューヨーク [DVD]ジョン・レノン, ニューヨーク [DVD]
(2011/11/09)
ジョン・レノン、オノ・ヨーコ 他

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先日(首都圏あたりでは先々月くらい)にTV放映されていたものを観た。
普通にレンタルDVDで観ようともしていたが、最初に書いたように「もう
目新しいこと、残ってないでしょ?また焼き直しでしょ?」と思っていて
煮え切らず、TV放映が絶好の機会となった。

ところがどっこい、とてもフレッシュな切り口で全く飽きなかった。
秘密は、ジョンとヨーコが自由を求めてニューヨークに越してきてからの
紆余曲折を、当時発表していた音源や行ったライヴに関連づけて、
セッションやライヴを共にした仲間達の口から直接聞けること。
ビートルズのムック本やこれまでのドキュメンタリーで見聞きしてきた史実が
まるでついこの間起こったことのように、いきいきとした調子で語られる。

あぁこんな時は彼らも嬉しかったんだろうなぁ、あぁこんなことやらかして
いる時は本当にいい迷惑だったんだろうなぁ。その場に居合わせているみたい。

ニューヨーク、一時的にカリフォルニア、そしてまたニューヨーク。
音楽をつくり、ライヴを行い、政治的活動も行い、麻薬とアルコールに溺れ、
ヨーコともう一度出会い、ショーンのよき父としてゆったりと数年を過ごし、
そしてまた音楽をつくる。
「ダブル・ファンタジー」がジョンの魂の彷徨のゴールであり、皮肉にも
人生のゴール地点でもあるという演出がニクい。
音楽を中心に据えてくれたからか、感情移入がしやすかった。
活動家もいいが、やっぱりジョンは超一流のミュージシャンなのだ。
ジョンを取り囲む仲間達のあたたかさ、つかず離れずの距離もよい。
エルトン・ジョンのヘンテコな衣装も(笑)
本作は、家で一人で観て、ラスト、勝手に一人で泣いてしまった。



これでもう見尽くした感はあるのですが、関連作品にまだまだ
興味のある作品があるんですよね。例えばこんなの。

ジョン・レノンを撃った男 [DVD]ジョン・レノンを撃った男 [DVD]
(2008/06/06)
ジョナス・ボール、J・フランシス・カーリー 他

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同時期に公開していたので「当時の恋人」に「これも観てみたいかも」と
軽く話したところ、結構深刻な口調で拒否されてしまった(苦笑)。
ものごとを両側から把握したい私のようなひねくれ者(あるいは、野次馬根性
丸出しの奴)には、なかなか興味深い映画。

あとはこれとか。

ジョン・レノンの僕の戦争 [DVD]ジョン・レノンの僕の戦争 [DVD]
(2009/07/03)
ジョン・レノン、マイケル・クロフォード 他

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あのまんまるメガネの由来となった戦争映画。
どこかにあるかなぁ・・・探してみようかな?
うーん。まだまだ、きりがないようで。



エンタメの奥に人の生きざまを見て、人の生きざまの向こうにエンタメを観て。
古今東西ジャンルレスのエンタメを味わい尽くす一年がまた始まりました。
忙しいときもあると思いますが、一息ついたら、きっとすぐにエンタメが
欲しくなってしまうでしょう。何故なら、それが生き甲斐だから・・・
今年もいろいろと感想~レビューしていきます。どうぞ、よろしく!



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年末年始SP!ざっくり音楽映画ライフ:その2 ビートルズ(マジカル・ミステリー・ツアー、Arena:Magical Mystery Tour Revisited、ハード・デイズ・ナイト)

あけましておめでとうございます!
新春一回目の記事は、ビートルズThe Beatles)の音楽映画のざっくりライフです。


マジカル・ミステリー・ツアー

マジカル・ミステリー・ツアー [DVD]マジカル・ミステリー・ツアー [DVD]
(2012/10/10)
ザ・ビートルズ

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ビートルズデビュー50周年にあやかり、英国での初放送以来TV放送を封じていた
マジカル・ミステリー・ツアーMagical Mystery Tour)」が
45年振りに世界一斉に地上波解禁!
というのが去年10月末のフジテレビでの出来事で、彼らの大ファンである
ラヴ・サイケデリコLove Psychedelico)の二人が進行役となって
本編+製作の裏側を捉えたドキュメンタリーを放映した模様。
(「模様」なのは、私は地方在住なので、つい最近放映になったから)
結構、映画の大枠については、サイケデリコの二人に先に言われちゃっているので
こうやって書くのやりづらいのだけど(苦笑)

仕事に就かず居候しているリチャード青年(リンゴ)は、ジェシー叔母さんと喧嘩ばかり。
二人は「マジカル・ミステリー・ツアー」のバスに乗り込むが、乗客も乗務員も一癖ある
変な人ばかり。行く先々でもスッタモンダが連発する。実はこれは気まぐれな5人の
魔法使いの仕業。ハチャメチャな旅の合間に、ビートルズの演奏シーンが挿入される。

とにかくリンゴと叔母さんの喧嘩が激しすぎて観ていて笑いが止まらないところから
ヘンテコエピソードの連続。(しかもこの喧嘩シーンは全部アドリブだったらしい)
ジョンは居眠りして何度もジョージの肩にもたれかかり、そのたびにいちいち
ジョージが思いきり払いのけていたり(このへんの微妙な塩梅がジョージは上手い)、
ポールはやっぱり女の子口説いていたり(当時唯一の独身貴族ですからね)。
わけのわからない言葉(?)を超早口でまくしたてる軍人らしきおっさんがいるし、
バスだの車だの、最後にはカーレースにしか見えない「マラソン大会」はあるし、
叔母さんの夢の中で、もはや正体のわからない物体(スパゲティの山)を盛りまくって
ニヤけているジョン給仕はいるし(これはちょっとグロくて笑えない)、
胸ポロリしちゃってる(放送ではポップなモザイクで伏せられていた)ストリッパーまで。
最後にフラフラテコテコ飛び跳ねながら歩いてくる魔法使い達もフザけてる(笑)。

そして、ビートルズの演奏シーンは文句なしのみどころ。
ポールが相当高い崖から遠景を見つめる姿が渋い「The Fool on the Hill」、
岩山や雲の上の景色を次々と色をかえて映す、ちょっと画面酔いしそうな「Flying」、
サイケな衣装と変なお面でおかしなテンションが楽しい「I am the Walrus」、
唐突に舞踏会のような格好で4人がダンスを繰り広げる「Your Mother Should Know」。
出色なのは「Blue Jay Way」で、ひとつの画面に9人ぐらい万華鏡のように映るジョージ、
目元ははっきり、その下は様々な色が蠢く、今観ても刺激的な加工のジョージ。
原曲もインド音楽風メロディ×バンドサウンドでかなりミステリアスだが、
4人の遊び心・実験精神が炸裂し、原曲を何割も増したインパクトある映像になった。
エンドロールで流れる「Hello Goodbye」も微笑ましい。

話は次で述べるように滅茶苦茶だが、映像とエピソードと楽曲はとてもおもしろい。
サイケでぶっ飛んだ、前衛精神バリバリのビートルズを観たい人にはぜひ。
後生になって「MTVの先駆け」と高評価を受けているという意味でも一見の価値あり。
あとジョンが全体的にコメディアンばりのはっちゃけ振りで、時々志村けんさんに似てると
言われるのもなんかわかる気がする(笑)


Arena:Magical Mystery Tour Revisited

「マジカル・ミステリー・ツアー」のDVDが割と高価(5,000円程度)で、検索しても
Amazonから画像が出ないあたり、このドキュメンタリーは映画とセットなのでは、と
思っていたら、調べたところ確かに同様の特典はついているが、先日の放映分は
3/4近くが特典にない映像だったのだそうだ。但し、DVDでしか観られない映像もあり。
BBCAppleが共同製作した1時間弱の番組。
近年の歳とったポールやリンゴをはじめとする、映画に関わった人物のインタビュー
(93年のジョージや70年のジョンなど、今は亡きメンバーのインタビューもある)、
映画や60年代アンダーグラウンド文化に造詣の深い人物たちのご意見も伺える。
かなりの早口でまくしたてるマーティン・スコセッシ監督も何度か登場する。

一人独身貴族だったポールは何年かロンドンに住んでいて、おかげで他のメンバーより
アンダーグラウンドな文化に触れる機会が多くなり、アングラ文化と積極的に接触。
それが他のメンバーにも影響を及ぼした。折しも、ツアーを停止した時期でもあり、
アルバムリリースの宣伝も兼ねて「自分達自身で何か発信したい」という思いで製作。
この企画を積極的に推してくれたマネージャー、ブライアン・エプスタインの急逝もあり
ビートルズは初めてだらけの手作りの企画を、行き当たりばったりながらもやり遂げる。
映画はイギリスのBBC1で1967年12月26日(ボクシング・デー)に初放映された、が
バッシングの嵐。放映翌日にポールが謝罪会見を開く羽目になってしまった。

まぁこの手の後追いドキュメンタリーの常で、「当時は酷評されていたけど、自分は良いと
思った」「価値のある映画だ」との絶賛コメントがびっしり。
お茶の間でみんなで観る時間帯なのに胸ポロリストリップシーンがまずかったのでは?
しかし一番まずかったのはやはり「白黒放送」だったことだろう。それではあの映画の魅力は
半分も伝わらないだろうな・・・当時の環境を考えると仕方のないことかもしれないが・・・
映画の裏話に加えて、当時=60年代後半のサブカルチャー、アンダーグラウンド・シーン
についても詳しく言及しているので、そのあたりに興味のある人にも良いかもしれない。
ドラッグ片手に、前衛的な実験精神が世界中に花開きだした頃。
時代の代弁者、チャレンジ・スピリットを抑えられない姿勢は、
確かに他のどの映画よりもビートルズらしい映画なのかもしれない。



ハード・デイズ・ナイト

ハード・デイズ・ナイト [DVD]ハード・デイズ・ナイト [DVD]
(2007/11/28)
ジョン・レノン、ポール・マッカートニー 他

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いつも思うが「ハード・デイズ・ナイト」がなぜ「ビートルズがやって来た!ヤァ!ヤァ!
ヤァ!
」になるのか。訳者の凡ミスとも、当時の日本人の心情を代弁したともいわれるが
それにしてもこれはないっしょ。
そして、自分が観たDVDでは、本編のほかに、楽曲の「ハード・デイズ・ナイト」の
ジョンパートとジョージパートのギター練習画面が用意されていた。
先生によるお手本演奏があったり、練習用のリズムのみ映像があったりして。
ギター弾く人にしか得にならんような、ベースもドラムもないし。不平等では?

「ビートルズのメンバーの素顔」を覗いているような楽しい錯覚に陥る映画。
売れっ子で超多忙なビートルズ、メンバーはちょっとの間もじっとしていない。
マネージャーの言うことは聞かない、いたずら大好き、バックレる、脱走する。
そして四者四様に違う、それぞれに濃いキャラ。
リーダー格で皮肉屋のジョンに、お利口さんで好色家のポール、大人しいがオシャレには
人一倍こだわるジョージ、そしてちょっと気弱でいじけがちだけどどこか憎めないリンゴ
演奏シーンを交えつつ、愉快でシュールなエピソードを繰り返しながらストーリーは進む。
転びかけながら路地を駆け抜け、ファンの女の子の群れをかきわけて電車に飛び乗り、
自称「ポールのおじいちゃん」と絡み、車内の女の子をナンパし(この中にジョージの
最初の奥さん、パティ・ボイドがいた)、一応ステージなどの仕事もしっかりこなし、
ジョンが湯船で悪さをして、ジョージがシャツのディテールにケチをつけ、
ポールのおじいちゃんに全員さんざん振り回され、彼にけしかけられたリンゴがいじけて
コンサート直前に逃げ出し・・・

観るたびに大笑いしてしまう。以前ネット喫茶で観たが笑いを堪えるのが大変だった。
60年代のリヴァプールの空気が日本の片隅にまで流れ込んでくるかのよう。
とてもポップで、ストーリーやエピソードも痛快で、何度見返しても飽きない。
これぞ青春!リアルタイムでは生まれてもない自分が「青春」なんて思ってしまう。
青臭くて、瑞々しくて、やんちゃで、おもしろおかしくて、とてもおしゃれで。

「好きな映画は?」と聞かれたらきっと「ハード・デイズ・ナイト!」と答えると思う。
あまり聞かれないが(苦笑)



今回の記事は個人的には少々不完全燃焼です。なぜなら、観てみたいのに見つからない
ヘルプ!」「イエロー・サブマリン」などに言及できなかったり、
ドキュメンタリーもの(クォリーメン時代には居たあのメンバーたちの話、の系統)に
結局ノータッチなままだったり・・・。
そのあたりは、またチェックし次第、そして数が溜まり次第、ざっくりライフの
ビートルズ2にまとめるか、個別記事にしようかと考えています。
リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」も一向にレンタル化されないと
いうことは、そろそろそれなりの金をはたいて買う覚悟を求められているという訳で・・・
ま、じわじわやっていきますよ。


次回は何かとドキュメンタリー作品が多いジョン・レノン(ソロ活動中心)の特集です。
お楽しみに。


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年末年始SP!ざっくり音楽映画ライフ:その1 ローリング・ストーンズ(ギミー・シェルター、ワン・プラス・ワン、ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男)

私の住む地域では、この年末に集中して、
ストーンズ→ビートルズ→ジョン・レノン の順に、深夜に音楽映画を放送して
くれちゃいまして、もうすっかりHDがいっぱいです。
そこで、今回観た作品に以前観た作品の記憶も加えて、感想を交えながら
それぞれの映画をざっくり紹介してみようと思い立ち、ざっくりライフ化に。
年末年始の時間を利用して、ざくざくいきます!
SP第一弾はローリング・ストーンズThe Rolling Stones)です。


ギミー・シェルター

ザ・ローリング・ストーンズ / ギミー・シェルター〈デジタル・リマスター版〉 [DVD]ザ・ローリング・ストーンズ / ギミー・シェルター〈デジタル・リマスター版〉 [DVD]
(2011/07/20)
ザ・ローリング・ストーンズ

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輸入盤ではこのようなジャケもあるらしい。かっこいい。

Criterion Collection: Gimme Shelter [Blu-ray] [Import]Criterion Collection: Gimme Shelter [Blu-ray] [Import]
(2009/12/01)
Mick Jagger、Keith Richards 他

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1969年12月6日、米カリフォルニア州のオルタモント・スピードウェイ
ローリング・ストーンズをメインとするフリー・コンサートが行われる。
同年にはウッドストックも開催されており、「愛と平和」やヒッピー文化が広まって
ロック音楽やロックバンドは大きな理想や幻想を担うようになっていた。
ストーンズの米ツアーのハイライトに位置していたコンサート。他の会場でのライヴも
収録しつつ、フェス関係者の様子なども盛り込み、時間は確実にオルタモントへと流れる。
会場選びを巡るドタバタがあり、会場がオルタモントに決まったのは開催数日前。
警察が警備に対応できないなど明らかな準備不足が目立つ中、ストーンズ側は
警備にヘルス・エンジェルスという暴走族を雇って開催にこぎつけた。
ヘルス・エンジェルスは、罪のない客に暴力を振るったり、それをたしなめようとした
ジェファーソン・エアプレインのヴォーカリストを殴ってコンサートが一時中断したり。
客も暴力的になっており、ストーンズが会場に到着するや、ミックが客に殴られる。
ステージが始まっても、客同士の殴り合いが繰り返され、ミックやキースは怒りを露わに。
何とかステージを終えて会場を後にし、ロンドンの編集室で映像を見直すミックやチャーリー
の姿が挿入されるが、その時に彼らは会場で殺人が行われていたことを知る。
「アンダー・マイ・サム」の演奏中、拳銃を持って暴れる男を、ヘルス・エンジェルスの
メンバーがナイフで背中を刺し、袋叩きにしていたのだ。
事故死含め死者4人を出す、「愛と平和」どころか暴力にまみれた、最悪の結果に。

「愛と平和」の時代があったことは知っていたけれど、それはあまりに理想主義的で
脆さを感じており、本当にこんなものが長続きするものなのかと猜疑心を抱いていた。
しかしその終焉は予想の斜め上の呆気なさと残酷さ。
やるせない後味が残るが、この時代を知るうえでは観るべき映画だと思う。
人の業の深さ、気まぐれさを考えるためにも・・・
愛だけでは平和は訪れない。あまりに辛い、ストーンズ、そしてロックの挫折。


ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌

ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌 [DVD]ワン・プラス・ワン/悪魔を憐れむ歌 [DVD]
(2009/04/22)
ミック・ジャガー、キース・リチャーズ 他

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あのジャン=リュック・ゴダール監督が撮影した、名曲「悪魔を憐れむ歌
Sympathy for the Devil)のセッション、そして社会運動にかかわる
ドキュメンタリーめいたフィクション部分。このふたつが交錯する映画。

社会運動にかかわる部分はシュールで、一つ一つのエピソードがどうも断片的で、
流れが正直よくわからない(苦笑)。なぜストーンズのセッションと絡めたのかも
その必然性などもどうもわからない。
一方、「悪魔を憐れむ歌」のセッションでは、ミックが主導権を握って、
キースがベースを弾いてアイデア出しをリードし(そのためにビルが手ぶらになり
パーカッションをやる羽目になる)、と、ミック&キースがバンドの主体になって
バンド結成時の中心人物だったブライアンの存在感が大変希薄になっている様子が
手に取るようにわかる。何をしているのか、ちゃんと起きているか?
曲の軽快さも手伝って何だか楽しげなセッションのうちに、バンド内の力関係が
はっきりと変化していくさまがよく見える、実は生々しいドキュメンタリー。

映像がとにかく綺麗でどことなくシュールなのは、流石ゴダール監督としか。
「悪魔を憐れむ歌」セッションを中心に、雰囲気で何となく観るのが良いのでは。


ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 通常盤 [DVD]ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 通常盤 [DVD]
(2007/02/28)
レオ・グレコリー、パディ・コンシダイン 他

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天才で狂人の元リーダー、ブライアン・ジョーンズの波乱の一生を辿る伝記ドラマ。
音楽性の相違やドラッグ中毒などによりメンバーの中で孤立したブライアンは、
田舎に移り住み、女たちと酒池肉林の日々を過ごしていた。
ある日、ブライアンの元をロード・マネージャーのトムが訪ねる。彼はブライアンの
監督役兼世話役として、建築業者のフランク・サラグッドを連れてきた。
初めは奔放で粗暴なブライアンの言動や退廃的な生活に辟易するフランクだったが、
次第にブライアン邸に通うことに快感を覚え、家にもなかなか帰らなくなっていく。
ドラッグも絡んで、ドロドロの人間関係。そこに足を踏み入れてしまったフランクは
いつしかブライアンに対し、ある思惑を抱くように。
そして運命の「あの日」が訪れる・・・

かなり史実をみっちりカバーしつつ、自殺説・事故死説・他殺説と複数ある死因に
他殺説をとり、サスペンスの風味も少しだけ加わった、史実と虚構の狭間の世界。
奔放で反抗的な十代の頃から、ミックやキースと出会ってストーンズを結成し
キースと二人で曲作りに励む様子、リーダーとしてストーンズを牽引する姿、
アルコールやドラッグに溺れてSMまがいのセックスや女性取っ替え引っ替えに
墜ち、恋人アニタがついていけなくなりキースを頼って離れていく一部始終など
史実と同等かそれ以上に生々しく「サイテー」なブライアンをあぶり出す。
アルコールやドラッグ、そして悪夢によってサイケに歪んだブライアンの暮らしに
巻き込まれていくフランクの姿もまたリアルで、抗えない強い磁力を感じる。
史実では17歳で学校を放校になった時点で2人の子どもがいたらしい。
その一方で、弱さや脆さを露わにし、フランクに甘えてすがるような面もある。
サイテーだけど放っておけない、けれど許してもおけない、魔性の男の生涯。
「何て奴だ!」と腹が立ちながらも、気がつけばフランクと一緒に
ブライアンの世界に引き込まれて、出られなくなってしまう。



ローリング・ストーンズの音楽はあんなに軽快なのに
ドキュメンタリー系を観てみるとなぜこんなに重たいんでしょう?
目が覚めるような希望や力強さに溢れていた「シャイン・ア・ライト」の記憶が嘘みたい。
ライヴしているストーンズと普段のストーンズにはかなりの表裏があるということ?
どこのバンドにだって表裏や重たい秘密はつきものだけど、
明るい音楽をやっているバンドほど、そのギャップが効いてくるのかもしれませんね。
ホント正に「転がる石」。
転がれば転がるほど、音楽も熟成されるってやつでしょうか。



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Ramones:Too Tough to Die「ラモーンズの軽やかで明るい側面、鬼軍曹の素顔・・・"友人や人生に恵まれて、俺は幸せだ"」

前回の「End of the Century」は「ラモーンズの重くて暗い側面」が
フィーチャーされた映画でしたが、一転して今回とりあげる「Too Tough to Die」は
ラモーンズの、とりわけジョニー・ラモーンの、軽やかで明るい側面、救い、希望、
そういったものが前面に出た、楽しく、最後は心洗われる、ハッピーな作品に。
基本的には同名のトリビュート・チャリティ・ライヴのダイジェスト。
そこに出演者のインタビュー、ライブの後日談などが混じってくる展開です。

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2004年9月、ジョニーが前立腺癌で死去するほんの数日前に開催されたこのライヴは
元々ジョニーが友人のロブ・ゾンビに「ラモーンズ結成30周年ライヴをやるぞ」と
突然言い出したことから始まった企画。しかしジョニーの病状が深刻になるにつれて
趣旨は「闘病中のジョニーを励ますライヴ」へ。
そしてライヴを観に行くこともできないほどになり、死の床についたジョニーへ
会場のファンからの「ヘイ!ホー!レッツゴー!」の大声援のエールと
彼を、ラモーンズをリスペクトする出演者たちによる全力投球の演奏が捧げられるのです。
ライヴを「見届けて」僅か数日後にジョニーは旅立ってしまうのですが
ライヴの後日談として最後に、ジョニーの葬儀と友人達のスピーチ、そして
巨大ジョニー銅像の付いた記念碑に埋葬されるまでが収められています。
ライヴの収益は「前立腺癌研究とリンパ腺研究基金」に寄付されたり、
「ジョーイ、ディー・ディー、そしてジョニー・ラモーンに捧ぐ」と締めくくられたり、
出演者インタビューでもジョーイディー・ディーマーキーの話をする人がいたりと、
ジョニー一人だけでなく、ラモーンズ全体や、他のメンバーが好きな人にも
十分楽しめる内容になっています。

この映画のキーマン、立役者となる何人かの人物を鍵に
本作、そしてジョニーを介したラモーンズに、もっと踏み入ってみましょう。


ジョニーの妻・リンダ
リンダは元々、ラモーンズのホームグラウンドといえるライヴハウス「CBGB」の常連で
ラモーンズ以外にも同時期のパンク音楽シーンに造詣が深かった。
だから、ジョーイ、ディー・ディー、加えてジョー・ストラマーと訃報が続くなかで
これ以上パンク音楽シーンに悲しいニュース、悲しいムードを持ち込みたくなかった
また、ジョーイの闘病の姿を見て、病気のことを公開することによって、ジョニーが何かと
病気のことばかり聞かれるのではないか、そんなの嫌なのではないか
、とも考えた。
そのような考えから、リンダはジョニーの病気をなるべく公表しなかった。
時が来て、いざ公表すると、ジョニーはすっきりした様子だったという。
これまで彼女には「派手好きで良く喋る勘違いオバさん」というイメージがあったが
この良妻エピソードで随分印象が変わった。
ジョン・レノンにおけるオノ・ヨーコのような立ち位置なのだろう。まぁ彼女には
好き嫌い・諸説あるようだが・・・

リンダが明かすジョニーの素顔としては、映画(特にホラー)好き、収集癖、
日記(記録)の習慣
(ラモーンズ結成時以来、20冊にわたる)、野球観戦好きなど。
特に映画は、生き字引のような存在。友達が、映画でわからないことがあると
みんなジョニーに聞きに電話をしてくる。それでわざわざ調べて、教えてあげる。
個人的にも、わからないことを常に調べながら映画を観ていたらしい。
また、趣味によって(映画友達、野球友達など)友達がそれぞれ居た。
ジョニーの友達になる条件は「何か一つ仕事以外に、熱心な趣味がある」こと。
趣味を媒介として、たくさんの、さまざまな友達が出来て、
ラモーンズ解散後はとりたてて音楽活動をせず、趣味や友達との交流に勤しんでいた。

インタビュアーに「ジョニーの面白いところは?」と聞かれたリンダ、「全部よ」。
やることなすこと面白くて、毎日一緒にいても飽きないのだという。
色々聞かれていっぱい喋るリンダはいつも元気があって、何だか楽しそうだ。
こういうリンダと一緒にいたから鬼軍曹ジョニーも気を抜けて、「面白い」側面を
臆面もなくポロリポロリと出してしまえたのかもしれない。


マンディ・スライン監督
マンディ監督は両親ともがラモーンズの仕事をしていて、監督とお姉さんは
幼少期の夜をしょっちゅうCBGBで過ごしたのだそう。
「子どもが来る場所じゃない!」「託児所じゃねえ!」と言われていたとのこと
(そりゃそうだ、これは親が悪い)。
一般の子どもにとっての童謡が、彼女達姉妹にとってはラモーンズだったわけだ。
監督はシャイで、幼少期にしても大人になっても、なかなかメンバーには
自分から声を掛けたり、親しくなったりはできづらかった。
関係者の娘ということでメンバー達は優しく接してくれたけれどどこか他人行儀で
よそよそしく、距離があったとのこと。不器用な彼ららしい(笑)
やがてドキュメンタリー映画に興味を持ち、作品を作るようになる監督。
そんななかで今回の話と出会った。

「コンサートの様子を撮影させてください」という監督の申し出に
ジョニーは反対。監督が推測するに、ジョニーは友達をカメラの前に曝したく
なかったのだろう、友達を守りたかったのだろう
、という。
また、撮影するということはジョニーが会場に居られないことも意味する。
病状悪化で会場での鑑賞が絶望的になり、監督はリンダに密かに依頼、快諾を得る。
しかしジョニーはお見通しで、「何話してるんだ?」とからかわれてしまった。
そして、いざ当日、いざ撮影。リンダの存在にも助けられ、インタビューも無事完了。
ジョニーを元気づける為にと、無理なスケジュールを強行して編集に勤しむが、
散歩から帰るとジョニーの訃報が流れ、監督はへなへなと座り込んでしまった・・・

音楽を引き立たせたかった。ラモーンズの音楽の素晴らしさを伝えたかった
これが監督の願い、想い。
なかなかその意図、よく伝わってくる映画だったと思う。


レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
エンドロールにて、スペシャル・サンクス欄で、個人名でなくバンド名が
記されていて、「End of~」、トリビュート・アルバム「We're Happy Family」にも
参加と、皆勤賞状態のレッチリ。普段のライヴでもよくカヴァーしている。

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バンド単独で最も劇中にフルで流れる曲が多いのは貢献度かそれとも知名度か。
皆、いつも以上に気合いが入っており、フロント三人がガンガン動く。
それも当然、フロント三人はラモーンズが大好きで、影響を受けまくりだから。
ジョンフリーの手元に違和感が・・・と思ったら、ジョニーやディー・ディーにあやかり
ずっとダウン・ストロークで弾いている。特にフリーの違和感半端ない(笑)
Youtubeのコメント欄で「ジョーイそっくり!」「声はジョーイ、姿はイギー・ポップ
と大反響だったアンソニーは、キャラや当時の髪型と相まって寧ろジョニーみたい。
フリーのあのコケティッシュなキャラ作りにディー・ディーの影響が強いのも窺えた。

それにしても意外だったのは、いかにもラモーンズの影響を受けてます!な
アンソニーとフリーよりも、ジョンが一番ラモーンズと面識があること。
ジョニーとはかなり仲が良くて葬儀にも呼ばれているし、ジョーイやC.Jと遊んだことまで
あるという。レッチリ脱退後の近年、リンダと写っている画像なども目にする。
「憧れすぎて、ラモーンズのメンバーはアニメのキャラクターみたいだ」と言うジョン。
インタビューで、ラモーンズやジョニーについて目をキラキラさせながら喋るジョン。
葬儀のスピーチで今にもわあああんと泣きじゃくらんばかりなのを堪えて話すジョン。
巨大ジョニー銅像を間近にして、目をまん丸にしてお口ポカーンしてるジョン。
感慨深いというかお前面白すぎるだろというか、見どころの一つだと思う(笑)
アンソニーとフリーは、ヒレルジャック時代にチンソックスでライヴに乱入して
ジョニーに大目玉食らった
エピソードがあり、それが尾を引いてるのか・・・?
(本作には当然出てこないが、アンソニーの自伝に載っているエピソード)
唯一メタラーでラモーンズと縁が薄いと思われるチャドだが、ライヴ後?楽屋裏?で
マーキーと一緒に写真撮影なんかして、ちょっと仲良くなったようで良かった良かった。

個性の強いフロント三人と少し距離をおいたドラマー。レッチリって、どうも構造が
ちょっぴりラモーンズに似ているのではないか
と感じている。
ジョンをヒレルに、チャドをジャックに置き換えても同じことがいえると思う。
でもジョンをジョシュに置き換えた今のレッチリでは似てないなぁ。


たくさんの友達
「ラモーンズ30周年ライヴをやるぞ」と言い出したのはジョニーだったけれど
具体的な企画、出演者集め、出演、そして映画の監督まで全て彼の友人知人による
「手作りのライヴ」。
MCを務めたロブ・ゾンビ(ジョニーの提案時はソロで「バンドがない」と言ったら
「じゃあMCやれ」となった)曰く「仲間は自然と集まった。出たいというバンドも
沢山名乗り出てくれた。多すぎて断ったくらいだ」というほど。
ジョニーの危篤から死まで、エディ・ヴェダーはつきっきりだったというし
前述のジョン@レッチリやリサ・マリー・プレスリーなども見舞いに足を運び、
これまた多くの友達に看取られて臨終のときを迎えたのだそう。
件の巨大ジョニー銅像にはヴィンセント・ギャロなども友人としてメッセージを刻んだ。
葬儀のスピーチで、メンバーのC.Jは号泣しながら、ジョニーとの友情に感謝した。

ジョニーが友達と一緒に写っている写真も作中でどっと登場する。そこにはあの
ジョー・ストラマーの姿もある。
「End of~」では「フォロワー、寧ろコピーバンドがあんなに売れて俺たちは」
という険悪で皮肉なエピソードとして出てきた印象だが、あの作品の時点で
ジョーはラモーンズへの敬愛を語っている。それに時間も過ぎた。
ラモーンズには色々なことがあったが、もはや全てのわだかまりから解放されて
ジョニーは自由な気持ちで短い余生を謳歌した
ことがここからもわかる。

最も印象に残った友達は、やはりロブ・ゾンビ。
温かいけれどメソメソしない、つかず離れずの距離感のある優しさがいい。
巨大ジョニー銅像を造ったのはロブの友人で、造ったきっかけもまた、
ジョニーとロブとの何気ないいつものやりとりにあった。
「リンダに幸運だと自覚させること」「リンダ、リンダ、俺は伝説の男だ」
「お前がいい暮らしを謳歌できるのは、この俺のお陰なんだぞ」
葬儀のスピーチで、ジョニーの物真似混じりに銅像に込めた想いを語るロブ。
見た目はちょっと怖いけど、気の良い奥さんのようにジョニーを理解している。
ロブとジョニーの本名、苗字が同じだけど、兄弟ではないよね?


マーキー、C.J、プロデューサーのダニエル・レイによる3ピース+ゲストの数曲、
熊の着ぐるみやゴリラ?のお面などが楽しいディッキーズ
ヴォーカルの女性が視覚的にも聴覚的にも強烈すぎるX
シュワちゃんを彷彿とさせるド迫力のヘンリー・ロリンズ@ブラック・フラッグ、
深く響き渡り存在感のある声がすばらしいエディ・ヴェダー@パール・ジャムなど
見どころ聴きどころが書ききれないほど沢山あるライヴ、映画でした。
そりゃ本家のラモーンズとは違うけれど、温かくてアツイスピリットが伝わる。
そして現代にアップデートされている。
今や、若い子がイカす音楽としてラモーンズを聴き、Tシャツを着るまでに。
観ていて楽しくハッピーな気持ちになる映画であると同時に、「End of~」を思い出して
「ラモーンズ、こんなに愛されているんだな。凄いな、本当に良かったな」
という感慨が沸き起こってきたのは、一介のファンである私どころでなく
当のラモーンズのオリジナルメンバーたちこそ天で噛みしめていることでしょう。
友達や人生に恵まれて、俺は幸せだ
ジョニーがロブに託した手紙に綴ったこの言葉こそが、全てを語っています。



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Ramones:End of the Century「ラモーンズの重くて暗い側面・・・愛はそこにあった、けれどいつも時代や伝えたい人とすれ違った」

End of the Century」は、パンク・ロック・バンド、Ramonesラモーンズ)のギタリスト
ジョニー・ラモーン曰く「ぼくたちの重くて暗い側面を表現している」という映画。
報いが少なく苦労が絶えないバンド人生を20年も続けてきた彼らの悲哀、皮肉、
どうしようもない運命の悪戯、どこにでもあるけれど難しい人と人との行き違い。
キャラクターの立った、そして故にぶつかる、3人の今は亡き主要メンバーたち。
また、そんな彼らを愛してきた人々、深く影響された人々の物語。
まるで人生そのもののような、甘くて苦いドキュメンタリーです。

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<オリジナルメンバー4人が出会い、ラモーンズが誕生する>
ジョニーディー・ディートミーの三人はニューヨークの同じ区で育ち、
高校時代、いつもつるんでは悪さをしていた。
ジョーイも同じ区の中にいたのだが、「嫌い以前に知り合いになりたくないから」
という理由でこの仲間には誘われず、周囲の人間には専ら「変わり者」とみなされてきた。

その後、ジョーイは精神科で「強迫神経症」という診断を受け、医者から
この子は一生社会の役には立てないでしょう」というショッキングな宣告をされる。
母や弟が心配を募らせる中、ジョーイは彼にしかできない役割を見つける。
弟のミッキーがロックバンドのライヴに行くと、別人のように、「変身していくように」
鮮やかに自分を表現するジョーイの姿があった。
彼はのちにラモーンズのローディーとして、兄に、バンドに欠かせない存在となる。

ジョニー達もロックやロックバンドに興味を持ち始める。
トミーがプロデューサーで、ジョニーがベース、新しく加入したジョーイがドラム、
そしてディー・ディーがギターヴォーカルだったが歌うか弾くかどちらかしかできない。
そこでトミーは、ジョーイをヴォーカリストに据えることを思いついた。見事に嵌った。
ジョニーの嘆願でトミーもドラマーとしてメンバーに加わることに。

そしてオリジナルメンバーによるラモーンズが誕生する。
ディー・ディーがイントロで「1,2,3,4!」と叫ぶ、このカウントは彼らが創始者。
ジョニーが銃を持つかのような体勢でモズライトを構える、それは彼が鳴らす音そのもの。
ジョーイは一見ヴォーカリストらしくないが、長身も手伝いステージでの存在感は絶大。
トニーはゆったり構えてフロント三人を見守りながら独特のスタイルでドラムを叩く。
出会うべくして出会った四人は、作中では、ビートルズの四人にも擬えられる。
下積みを経て1976年、「ラモーンズの激情」でアルバムデビューを果たす。


<UKパンクに与える影響はこんなにも大きいのに、フォロワーはあんなに売れるのに>
揃いの衣装で軍隊のように統率され、初期衝動に溢れた瑞々しい音を鳴らすバンド。
MCなし、機関銃のように簡潔で攻撃的な楽曲が矢継ぎ早に繰り出される激しいライヴ。
ダウンピッキングのみのストロークがつくりだす「轟音の壁」。
ゆっくり演奏したらビーチ・ボーイズになりそうにポップな曲、独自の世界観の歌詞。
ジョー・ストラマー曰く「あんなに力強いライヴは初めて」「轟音の嵐」「無駄がない」。
UKを訪れたラモーンズの楽屋に潜入してみたいと恐がりながら言うジョン・ライドン
サウンドチェックの際にラモーンズの曲を使用するシド・ヴィシャス
アメリカでさっぱり芽が出なかった彼らはイギリスへ、そこで大いに受け入れられた。
ラモーンズが生んだパンク・ロックの潮流はセックス・ピストルズクラッシュなどに
脈々と受け継がれ、「まるでコピーのような」クラッシュの楽曲がヒットを軒並みさらい、
USでのパンクのイメージはセックス・ピストルズによって凶悪で野蛮なものとなり、
本家本元であるはずのラモーンズは、本国でどんどん居心地が悪くなってしまう・・・
現在では「ラモーンズでまず聴くべきCD」として挙げられるデビュー作~3rdの頃、
ちやほやされているものと思っていたら、本国では随分と事情が違っていた様子。
メンバーは少なからず、こうした無念や理不尽に打ちのめされる。


問題作「エンド・オブ・ザ・センチュリー」というターニングポイント
トミーは心身共に疲弊しきってしまい、メンバーを辞めプロデューサーに専念することに。
いつも皆を仕切りながらも本当はトミーを心の拠り所にしてきたジョニーは
ショックを受けるが、マーキーを見出し、新たなドラマーとして迎え入れる。
マーキーが加入してドラムが攻撃的になった。普段はジョークを言って場を和ませる男。
新体制で挑むアルバムで、ラモーンズは賭けに出た。
メンバー皆、とりわけジョーイの憧れ、フィル・スペクターをプロデューサーとして迎え、
エンド・オブ・ザ・センチュリー」をリリース、バンド史上最大のヒットアルバムとなる。

しかし・・・バンドの史上では最高であっても、マーケットの市場では思うほど振るわない。
そのうえ音楽性が今までのロックからポップス路線へとすっかりズレてしまい、
ロック路線を貫きたかったジョニーは憤りが募る。
一方、フィルは他のメンバーを無視してジョーイ一人を贔屓してアルバムを制作した。
これもまた、ジョニーなどが不満を抱いた理由である。
ジョニーはこの作品の「失敗」で悟った「俺たちは売れないんだ」・・・


<ジョーイ、ジョニー、ディー・ディー・・・もつれ、壊れていく人間関係>
80年代は更に苦戦を強いられるラモーンズ。
心身を常に病んでいて昔の恨みを忘れないジョーイ、支配的で時に暴力的にもなるジョニー、
「6歳児の子ども」のごとく破天荒で自由を求めてやまないディー・ディー。
70年代末頃から前兆がみられたが、苦境を機に彼らの関係性が本格的にほころび始める。

「エンド・オブ~」の商業的成功でジョーイは自信をつけて、今までは言えなかった
自分の意見をどんどん発言するようになる。それがメンバーとの軋轢を次々に生み、
気がつけばジョーイは孤立してしまう。そして、ジョニーとの長い対立の序章となる。

そこに決定的な出来事が起こる。
ジョーイの恋い焦がれていた女性・リンダが、ジョニーと恋に落ちた。
二人は後に結婚し、リンダはジョニーの最期まで看取るほどで、これは普通の恋愛であって
決してジョニーがジョーイへのあてつけに恋人を奪ったものではない。
しかしジョーイの認識は違った。「The KKK Took My Baby Away」という曲で歌われる
「俺の彼女を連れ去った」KKKとはジョニーのこと。
曰くつきのこの曲はライヴで何度も演奏された。当のジョニーは「ファンが求める曲なら
何でもやる」と割り切って演奏していた。
そう言いながらジョニーのほうでも小さな罪悪感が芽生えてしまったのか、
ジョーイとジョニーは音楽関係の話以外ほぼ一切、口をきかなくなる
皮肉にも、最期まで。

「軍隊」のように決まり切ったスタイルが次第に窮屈になったディー・ディーは
バンドの脱退を申し出、ラッパーへと転身。代わりにC.J.が加入する。
後に書くようにメンバーの出入りが慌ただしくなっている数年だったが、
ジョニーにとってこのディー・ディーの脱退は「傷ついた」と述懐させるほどのもの。
本作での後入りメンバーやバンド関係者によるインタビューは「ディー・ディーは破天荒、
ジョニーは気難しい、ジョーイは優しくていい人
」という感想ばかりが並ぶ。
C.J.は加入当初について「かなり慎重に空気を読むよう心がけた。ジョニーは尊敬するけれど
父親みたいで、友達にはなれなかった。ジョーイはいい友達だったよ」と述べている。
(2005年の「Too Tough To Die」のスピーチで言ってた言葉はホラかよ!・・・それは次回で)
本作が制作されたのは2002年頃、公開は翌年で、制作当時(除くラスト)死者はジョーイのみ。
だから「死人に口なし」という道理でこのようになっている部分もあると思われる。
しかしどこかで彼らの本音はすっかりインタビューの文言通りなのかもしれない。
そうなるとディー・ディー脱退以後のジョニーは孤立無援状態。
ディー・ディーはジョーイとジョニーの冷戦関係を知らなかったわけではないから、
彼の脱退は、ジョニーにとって裏切りと感じられたのだろう。
インタビューにてジョー・ストラマーが「バンドには誰か統率する存在が必要、
メンバーに最低限のきまりを守らせるのは大事
」と、ジョニーを擁護する発言をしている。

<安定しないドラマーの椅子>
荒んだ空気に息がつまりそうになりながら冗談も空回り、マーキーの酒量は増えていき
ついにはアルコール問題によるクビを言い渡されてしまう。
その後に5年間だけ加入したのがリッチー。しかし、バンドの一員とはみなされず
オリジナルTシャツのギャラさえも払われずお払い箱にされてしまう。
「そのぐらい払えよ・・・おいおい、ケチだよ・・・」観ながら思わず口をついて出そうになった。
インタビュー中、当然リッチーは憤っている。後にジョニーを励ます為に開かれる
トミー、マーキー、C.J.勢揃いのライヴにすら、その姿はない。
ここにジョーイとジョニー以上の深刻なわだかまりが誕生してしまった。

クリーンになってマーキーが戻ってくると、相も変わらずジョーイとジョニーが
対立しているのを見て吃驚。「またかよ・・・」という心境か。
マーキーは誰を心の拠り所にこのハードなバンドを続けたのか知りたいところ。


<90年代の限界、そして解散、引退、ジョーイの死>
ニルヴァーナ、後にジョニーの親友になるエディ・ヴェダー率いるパール・ジャム
90年代に一世を風靡したオルタナ/グランジバンドは皆ラモーンズを褒めているのに
90年代のチャンスも掴むことができない。
デビューからもう20年近く。もう疲れた、もう十分な名声を手にした。
第一線を退く時がやってきた。そうメンバーは判断した。そして、解散、引退。

この解散・引退にはもうひとつ理由があるかもしれない。
本作には描かれていないが「ジョーイは1990年代中頃に、リンパ腺専門病院に
通院する姿を目撃されていた」という情報があることから、ジョーイは長年にわたり
リンパ腺腫瘍と戦ってきた
と考えられている。(ジョーイの死因はリンパ腺癌)
そんな彼を労っての判断なのかもしれない。
ソロ活動も色々としているし、ジョーイ自ら「もう限界」と名乗り出るのは考えづらい。
そうするとジョニーが遠回しに気を遣ったのだろうか。

ジョーイの病状が重篤になっても、その命が尽きようとするときにも、
心配な気持ちに苛まれながら、ジョニーは最期まで彼の元へ行くことをしなかった。
「仲が悪かった奴と死ぬ目前になって和解するというのはどうなのか」
「姿を見られたくないのではないか」
ジョニーの中で思いやりと不器用さとが交錯していた。
そして、二人は和解を果たさぬまま、永遠に別れた。


<ロックの殿堂入り、もう一つの別れ>
2002年、ラモーンズはロックの殿堂入りを果たし、会場の壇上で存命のメンバーが集合する。
デビューから20年、30年近くもの月日を経て、彼らはやっと日の目を見たのだ。
しかしその僅か2ヶ月後、ディー・ディーがヘロインのオーバードーズで死亡
ここで本作はぷつりと呆気なく終幕を迎える。何とも淋しい限りだ。
「ラモーンズとは愛されず、運が悪い、淋しいバンドである」そう言いたいのか?


<本当は愛されていたラモーンズ、今改めて愛されるラモーンズ>
故ジョー・ストラマー。ソニック・ユースのサーストン・ムーア。ロブ・ゾンビ。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニーとジョン(喋っているのはジョンのみ)。
他にも沢山のアーティストが、ラモーンズにどれだけ衝撃を受けたか、影響を受けたか、
音楽をはじめるきっかけになったか、楽曲やメンバーのことが好きか、熱く語っている。
ジョーイの弟でローディーとしてラモーンズに尽くしたミッキー、ジョーイの母、
ラモーンズに掛け値なしの愛を注いでサポートしたスタッフやマネージャーの存在も。
当時は大騒ぎされなかったかもしれないが、本当はこんなに沢山の人がついてくれていた。
また、ストラマーのルーツだから、レッチリのメンバーが好きだから、など様々なきっかけで
時を超え現代の若者がラモーンズを聴いて心酔し、ロゴ入りTシャツを着たりもしている。
この辺りはジョニーに捧ぐライヴ「Too Tough To Die」に詳しいので、レンタルDVD等で
実際に観てほしいと思う。何だ、彼らこんなに愛されてた(る)んだって一目で分かるから。
こちらの作品については次回の記事でとりあげます。




タイミングが色々と悪かった。パイオニアならではの苦労。
愛聴するファンはところどころにいたけれど、それがセールスに繋がらなかった。
不器用に愚直に20年間も転がり続けた。ぶつかり合いながらも、やめなかった。
「脳天気でお馬鹿で少しお洒落なパンク」として扱ってきた今までを詫びたくなります。
いや、その名義はそのままでいいから、そこに「真っ直ぐな」という文言を加えましょう。
ラモーンズとは馬鹿みたいに生真面目で真っ直ぐなバンド、音楽なのだ。
それが、あまりにもよくよく分かる、痛いほど哀しいほど理解できる作品でした。




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プロフィール

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Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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