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The Smashing Pumpkins:その2.5 Pisces Iscariot & Earphoria「スマパンの凪の部分、魅せる部分に出逢えるレア作品」

The Smashing Pumpkinsスマパン)の裏作品特集前後編、後編は
シングルのB-Sideやアルバムのアウトテイクなどを集めたアルバム
Pisces Iscariotパイシーズ・イスカリオット)」からスタート。

パイシーズ・イスカリオットパイシーズ・イスカリオット
(2012/07/25)
スマッシング・パンプキンズ

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Amazonで検索をかけると、豪華なDVD付セット「完全生産限定盤」が先に出てくる。

パイシーズ・イスカリオット(完全生産限定盤)パイシーズ・イスカリオット(完全生産限定盤)
(2012/07/25)
スマッシング・パンプキンズ

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何度も聴いてみて、一曲一曲ねちっこく追っていくような作品ではないと感じたため
あえてさらっとした感想を。

収録楽曲が生まれたのは主にSiamese Dream(サイアミーズ・ドリーム)期で
たまにGish(ギッシュ)期の曲が混じる。
つまり前回書いたDVD「Vieuphoria」とも重複する時期。
スマパンの裏作品はことごとくこの時期に集中している。

#2、#6、#7など、いつも通りのハードで疾走感のある楽曲、サウンドもあるが
それより大半を占めるのは、大人しい曲、穏やかな曲。
フリートウッド・マック(#9)やエリック・バードン&ジ・アニマルズ(#12)の
カヴァーまで登場。#12なんて思い切りブルース、後にも先にもあるまじきことだ。
(この4人の時代においては)
奇しくも全体におけるジェームス曲の割合がいつもの作品と同じくらい(#3、#5。#5は
ジェームスの歌唱で、ビリーがキャリア中、彼の作曲に唯一口を出さなかった曲)。

「Gish」と「Siamese Dream」の間にリリースされて忘れ去られたアルバム、と言っても
信じてもらえそうな気がする。
多少ばらつきはあるが、「穏やか」というキーワードでまとまる気もするし。
とはいえ普段のスマパンのアルバムとは全く異なるアルバムであることは言うまでもない。
こんな控えめなスマパンのアルバム、後にも先にも聴いたことがない(し存在しない)

他の普段の曲たちと何が違うのかというと、やはり「シングルA面」「アルバム収録曲」
といった「重圧」「大役」を背負わなかったことで、インパクトやエゴを強烈に主張する
必要がなく、ただリラックスしてありのままそこに在れば良い曲たち
だということ。
勿論リリース候補曲として全力で制作したのだろうし手を抜いたとは決して言っていない。
だけど後からこうして聴くと、不思議と肩の力が抜けた曲ばかり集まっている。
美しいメロ、アコースティックサウンドが多く、逆回転ギターなども登場する。
スマパンの「動」の部分を私達が普段聴いているとしたら、本作は「静」。
ライナーノーツを全く読まずに聴いていたら、大半をジェームスが手がけたと言われても
信じてしまいそうな癒し系の曲、気負わない素朴な魅力の曲が並ぶ。

初め聴いたときは「しくじったか」と思ったが、2回3回と聴いていくうちにジワジワ嵌った。
この穏やかさ、淡さの魅力に気付くことができたら後はすっかりクセになる。

夜寝る前に聴いてもなかなか悪くない。スマパンのアルバムを寝る前に聴けるなんて?!
あまり前面に出してこなかった「凪」のスマパンに出逢えるアルバム



次に、前回紹介したライヴDVD「Vieuphoria」のCD版「Earphoria」について。
ブッチ・ヴィグたちがトチ狂っているジャケはDVDと同じ(笑)

EARPHORIAEARPHORIA
(2002/11/27)
スマッシング・パンプキンズ

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ここには、DVDに入っていた迷場面・・・インタビューや喜劇といったパートは全てなく
ライヴでもMCは基本カットされ、演奏場面だけが収録されている。
そこで当時のスマパンのライヴの姿がかえって浮き彫りになる。
但し、「Vieuphoria」を観て補完しないと要領を得ない展開(例えば、「Mayonaise」の
アコースティック演奏で、途中でビリーが笑い出してしまうが、それはジェームスを見て
何か可笑しくなってしまったらしいから。彼は何もしてないと思うが、ビリーったら不思議)
がぼちぼち出てくるし、まさかの日テレ音楽番組出演場面だとか、「Silverf***」における
ジェームスの猟奇的パフォーマンスだとか、ビリーのギター破壊だとか、「これこそが
スマパン、こんなのもスマパン」と言いたい名場面が本作だけではことごとく知らずじまい。
「Vieuphoria」を観た後で、楽しい思い出の保存版として持っておくとか、
観た場面場面を補完しながら聴く、などといった工夫が必要
だろう。

前回の記事では主に視覚的な面に焦点をあてて感想を書いたので本作では聴覚的な面を。
まず、音質が曲によってはガタッと悪いので、いつもより少しボリューム上げて。

他のバンドの例にもれず、スマパンもライヴで元の楽曲を様々に弄って盛り上げる。
大人しめな曲をハードに演ってしまったり(#3「Disarm」)、その逆に激しい曲を
アコースティックヴァージョンにしたり(#4「Cherub Rock」)、
もともと速い曲をもっと速く演奏して思い切り煽ったり(#7「I Am One」、#12「Geek U.S.A」)
インプロ混じりに展開させたり別の曲と混ぜたり(#14「Silverf***」は、展開が激変したあげく
あの「Over the Rainbow」にまでいきついてしまう)。
こういった「魅せるバンド」としての側面を知ることができる。

#1や#6は、ビリーやジェームスの作ったインストで、どちらも完全に打ち込みサウンド。
まさかまさかこの時期に既に「Adore」への伏線が張ってあるのか・・・?!
ところでこれらの、DVDではBGMになっていたり、チョイ出で終わった曲たちについて
本作のライナーノーツでは「VHSでリリースされた『ヴューフォリア』には収録されて
いなかった」と書かれており、DVDで映像を観た身としては「???」となる。
VHSでは未収録の楽曲数曲が収録されていると宣伝文句にもなっているし。
VHSからDVDに新装発売する際に、本作の楽曲を挿入したものと推察される。
というかそれしかないだろう。

本作(Vieuphoriaも含め)には何曲も、先ほどの「Pisces Iscariot」にも収録されていない
全くの未収録曲が収められており、裏Pisces Iscariotとすらいえる側面があるかも。
そういった意味でもコレクターズアイテム的にとっておくと楽しいのでは。

何度聴いても荒々しい4人の演奏が快感だ。映像なしでも迫力が伝わってくる曲が幾つもある。
壮絶なパフォーマンスと、ここでしか聴けない曲を楽しめる、レアものの作品だろう。



あ~濃すぎるスマパンの3作品、あっという間でした。
感想をまとめあげるまでは大変だったのですが・・・なにせあまりに面白くて(笑)
これにてオリジナルメンバー時代のスマパンの作品は一通り網羅したはず。
後は現在「スマパン」と名乗っている集団を応援するか否か、なのですが
現時点での最新作「Oceania」は地味にイイとあちこちで耳にするしなぁ・・・
もはや原形を留めなくなったバンドのファンの心情というものは、色々複雑なのでありますよ。



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テーマ:CD・DVD - ジャンル:音楽

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The Smashing Pumpkins:その2.55 Viewphoria「怒濤のライヴとシュールな箸休め、いずれにしてもスマパンの春の時代を堪能」

行き慣れない地域によく行くようになったことから、そこにあるTSUTAYAの
CD・DVD棚をいつものように漁っていたら、お宝を発見!
The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ、以後スマパン)の
ライヴDVDなんかあるではないですか!その存在を店頭で初めて知りました。
そりゃもう即レンタル。

ヴューフォリア [DVD]ヴューフォリア [DVD]
(2002/12/18)
スマッシング・パンプキンズ

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主に「Siamese Dream」期のライヴが中心なので楽曲もサイアミーズ中心、
(だから2.55。2.5じゃないのはそれに該当する作品をこれから書こうとしてるから)
たまに「Gish」期の曲もちらり、そしてInterlude的に挿入されるインタビューや
不条理ドラマ(笑)。
色々と濃すぎるライヴDVD(+ドキュメント)の記録です。


ライヴ部
このDVDは、スマパンの88年(結成時)から94年までを収録しており、
93年~94年のワールドツアーからがメイン。各国でのTV出演時の映像も多い。
ひとつのライヴをまとめたものではないのでまとまりや流れはあまりないが
彼らが世界中を飛び回って大活躍していたこと、世界中で人気を博していく様子、
どこでも変わらず高いテンションを保持したライヴを提供していたさま
などを
窺い知ることができる。

「Siamese Dream」は音源としては素晴らしいアルバムで、個人的には一番思い入れが
あることを連載時の記事で綴ったが、そこに載せている画像から、ちょっと垢抜けない、
洗練されきっていない部分がヴィジュアル的には残っていることがわかる。
「スマパン」といえば音楽のイメージはサイアミーズだが、ヴィジュアルの印象は次作の
「メロンコリー」だったりする。ビリーはスキンヘッドで、ジェームスは黒髪セミロングに
メッシュを入れてて、ダーシーはメイクが濃くて妖艶で、ジミーは黒髪短髪で。
(ビリーは正確には、リリース時既にスキンヘッドだったわけではないが)
しかしながらここには、完成形として高評価を決定づけた「メロンコリー」以降失われる
後先考えない激情のダイレクトな表出、無尽蔵に沸き上がる初期衝動といった、
ライヴバンドとしての生々しい魅力、原点が詰まっている


音源で分かる役割分担は、当然ながらそっくりそのままライヴに直結している。
いわゆる「動」・・・激しくて、バンドの音楽の中核や屋台骨を担い、みどころ聴きどころ、
凄みを体現しているのがビリージミー
そして「静」・・・動きは少なめだが、視覚的なアクセント、清涼剤、バランスを保持する
役どころに回っているのがジェームスダーシー
スマパンのステージングは大体こんなふう。

リッチー・ブラックモアばりにギターをブン回し、壊し、
軒並み大絶叫、という大立ち回りをみせたり、MCではしゃぎすぎて出だしを外したり、
観客のカップ投げ入れに応酬してやりあったり「カップヲ投ゲルナ」と言ったり
といった、ハードだったり、面白可笑しかったりするビリーが新鮮。
ダーシーは「やる気のない様子」「けだるい姿」とよくいわれているが
その割には結構ガッツリと構えているじゃないかと感じた。
ようは衣装やベースに食われているのでは、と。昔のプリンセス・プリンセスみたいな
印象を個人的に受けた。やる気はあるけれど、動き回る余裕まではないという感じ。
ジミーはイメージ通り、ひたすら熱く叩く叩く。ちょっとカメラを振り返ったりするが。
ジェームスはダーシーより動かないじゃないか、よほどけだるいんじゃないかという
クールな立ち居振る舞い。だからビリーが引き立つようにも感じられたが。
しかしラストの「Silverf***」の終盤で大おちゃめ!戦隊ものみたいなかぶり物を
突然身につけて、銃のようなピック?で、さっきから出しているヒュオンヒュオンという
スペイシーなSEまがいのサウンドを飄々とした様子で鳴らす。何してんだよコイツ!

ジェームスといえばこんなハプニングも登場。
1992年、思い切りGish期の格好とサウンドのスマパンが日テレの音楽番組に出演している
(しかも司会が三宅裕司さん)様子が収録されているではないか!
司会側が「日本人のメンバーがいる」と誤解して情報を得ており、「日本語話せますか」
と得意げに聞かれてしまい、申し訳なさそうにぶんぶん首を振るジェームス。
ジェームスを見つけたときの司会側の嬉しそうな様子といったら・・・双方ちょっと気の毒。
このときに披露していたのが「Slunk」という、アルバム未収録曲。
三宅さん達曰く「独特の雰囲気があるバンドですねぇ」とのこと。

トーク部分を省いた演奏のみを抜粋し、DVDではチョイ出だった楽曲のフル・ヴァージョンを
収録したCD「Earphoria」が同時リリースされている。
本作収録楽曲についての詳細な感想含め、次回の記事で紹介する予定。


Interlude部
ライヴ映像をひとつふたつ、それからInterludeとしてインタビューや不条理ドラマなどを
挟んで再びライヴ映像、という展開の本作。
音源「Earphoria」では聴けない、ある意味これぞスマパン(笑)、メンバーやバンドが
よくわかる、お茶目で不思議な世界へようこそ!

ダーシーのダーシーごっこ:チープでメルヘンな音楽をバックに、お人形さんと一緒に
スマパンごっこをしているダーシーちゃん。
メンバーはみんな困ったさんばかりみたい。あれ?ダーシーちゃんも?
カウンセラー「バンドに問題があると聞いたけど」:実際にこの時期、問題ありまくり。
とりわけジミーに回ってきたときはこっちがヒヤヒヤするこのパート(苦笑)。
カウンセラーさんの親身な調子の質問に対しての回答(はぐらかし)、実に四者四様。
ジェームスと犬「少年とバグ」:ジェームス「少年」が愛犬バグを散歩に連れて行く。
語調はやけに偉そうで、「バグのお陰で理性的な大人になれた」らしい。
カウンセラーのパートでは大真面目に「靴がムカつくんだ」、素晴らしいお笑い要員。
ビリー、スマパン結成までを回想する:88年結成時からの貴重な映像を交えて
お届けする4人の出会い。
驚くべきことに、ビリーはスマパン結成前に活動していたバンドで既に
「静と動を行き来する音楽」をやっていたことが判明。そのビジョンの早さ、ブレなさ。
ジミーの本音:ジミーが他の3人の態度への秘めた不満を吐露するセラピーの様子。
ビリー「髪が長いとか馬鹿にするな」ダーシー「君を理解しようと努めてるよ」
ジェームス「お前が髪を切ったせいで俺一人が馬鹿にされるようになった。お前の策略か」
さびしげにキリッと「俺は尊敬されるべきなんだ」だそうで。
サイアミーズのレコーディングwithブッチ・ヴィグ:インタビュアーが潜入!
レコーディング風景が映るほか、プロデューサーのブッチ・ヴィグやビリーによる
レコーディング裏話を楽しめる。(例えばビリーは、一度も開けたことのないシタールを
かっこいいからと持ち歩いていたり、メロトロンを叫び声の効果音として導入したり)
そしてなぜか、インタビュアーとブッチが豚のかぶり物をかぶって楽しそうなのが
本作のジャケ(笑)。スマパンの不条理な世界に二人とも嵌り込んでしまったのだろうか。
ジミーのインタビュー、聞き手ジェームス:初めの話題には掴み所のない回答で
「ジミー、喋りは苦手か?ラリってて話せないとか?」と不安になるが、音楽やドラムの
話になると一転、熱がこもる。流石。加えてこの地味コンビ、妙にリラックスした雰囲気。
但し叔父さん(ジミー)と甥っ子(ジェームス)に見えないこともない(苦笑)
ジェームスって喋り声だけ聞くとビリーより何気に「ええ声」をしている。
マッサージされるジェームス:先ほどの日本の演奏シーンの後、旅館らしきところで
なぜかマッサージ(整体?)を受けるジェームス。肩をぐるっとまわしてもらって、
ご満悦のジェームス。凝ってる身としては、観てるこっちがマッサージされたくなってくる。
ビリーの独白「有名ってどんな感じ?」:今が一番幸せだと語るビリー。
売れてからやりづらくなると言うミュージシャンが多い中、「昔は働きながらバンドをやって
いたが、今は音楽に専念できるようになった」「僕たちが僕たちとして認められ、その願いが
現実になった。サイアミーズのツアーは最高だった」とのこと。
売れてからの苦悩は寧ろ次作以降で味わうことになっただろう。

ビリーの独白インタビューやサイアミーズレコーディングインタビューといった
わりと真面目なものと、ジェームスを中心とした(笑)不条理お笑いパートの二種類。
この時期のジェームスはホント、吉本にでもオーディション受けにいけよ。
ダーシーと駄目になったヤケか??



スマパンって案外、映像作品がないんですね。PVとかこだわってる印象があるから
PV集とか、ライヴ映像ももっと出ているのかと思いきや、このくらいしかない。
そうして、その唯一のライヴ映像をリリースしたのが、他ならぬサイアミーズ期。
次回書く予定の「Pisces Iscariot」もこの時期だし、彼らにとってこのときが
一番充実した季節だったのでしょうね。
やや後追いの自分がスマパンを好きになったきっかけがサイアミーズだったのも
少し納得。裏事情では本当に色々なことがあった時期ではありましたが、
なんせ4人とも、一番無邪気で、楽しそうに、満足げに見えるから

次回は、B-Side&Outtakes集「Pisces Iscariot」と、本作のCD版音源
「Earphoria」のW特集になる予定です。・・・2回に分かれるかも?



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A Perfect Circle:Mer de Noms & eMOTIVe「たった3作だけでお開きでは惜しい!品格がワンランク違うヘヴィ・ロック」

スマパン解散後のジェームス・イハの軌跡のひとつとしてその名を知り、
「イハはどこぞや」と聴いてみたら、音源では殆ど参加していなかったという・・・
(2ndアルバム完成後、ツアー・メンバーとして加入。3rdにクレジットされているが
ライナーノーツには「実際には参加していないらしい」とあった。
加入時、僅か2週間で楽曲を全て完全マスターしてしまったのはなかなかの武勇伝)
当初の目的からすれば完全な誤算ですが、音楽そのものが予想以上におもしろく
「運命の悪戯(というか単なるケアレスミス)」も中々面白いことをしてくれるものだなと
いうわけで、A Perfect Circleア・パーフェクト・サークル、以下APC)の記事を
書いてみることにしました。
今回聴いてみたのは1stと3rd。ただ、聴くほど「2ndも聴いてみたい」という気にさせられて
今更悔しい感じですが。

米を中心に熱狂的な人気を誇るロックバンド、Toolトゥール)のカリスマヴォーカリスト
Maynard James Keenanメイナード・ジェームス・キーナン)が
フィッシュボーンのギターテックだったBilly Howerdelビリー・ハワーデル)と出会い、
ビリーの作った曲を聴いたメイナードが「その曲に歌詞をつけてもいいかい」と切り出して
バンドの骨格が完成。バンドの殆どの曲をビリーが作曲し、レコーディングでも殆どのパートを
手がけていて、骨組みだけ見るとビリーとメイナードのユニット~プロジェクトといえそう。
但し、メイナードはトゥールのヴォーカリストとして有名すぎたため、メイナードの
サイドプロジェクトと勘違いする向きも当初はかなりあったそう。
ほかのメンバーは変動が結構あり、今書いたように実質ツアー・メンバーなのかもしれませんが
ドラムのJosh Freeseジョシュ・フリース)はほぼ初期から今にわたり在籍。
大きく分けると、NIN/マンソン人脈とスマパン人脈とに分かれる感じで、
●NIN/マンソン人脈:ダニー・ロナー(2ndまで、3rdにも参加。NINの元メンバー)、
ジョーディ・ホワイト(2nd途中から3rdまで。マリリン・マンソンのベーシスト)、
ジョシュ(NINで叩いた経歴あり。但し、他にもあらゆるバンドに参加している)
●スマパン人脈:イハ、パズ・レンチャンティン(1stまで、3rdにも参加。
APC活動休止時、Zwanのベーシストを務めるため脱退)
現在のベーシスト、マット・マックジャンキンスは「その他」かと。
1stのミックスを、NINやスマパンなどを手がけたアラン・モウルダーが担当しており、
こういった布陣になるのは必然だったのかも。

「活動休止」「現在の」と書いたように、2000年デビューも2004年には一時解散、
2008年に再結成表明、2010年に本格的再始動と、ややこしい(苦笑)。
流石にこうも途切れ途切れだと、サイドプロジェクトと言いたくもなりそう?

参加メンバーを書いているだけでこんなに尺を食ってしまうほどのカオティックなバンドですが
とにかく、アルバム感想に入りましょう。

1stアルバム「Mer de Noms」。

ア・パーフェクト・サークルア・パーフェクト・サークル
(2000/05/24)
パーフェクト・サークル、ア・パーフェクト・サークル 他

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デビュー・アルバム。因みに2ndは2003年リリースで、ここでメンバーチェンジが大量発生。
1stの頃のAPCはこんな感じ。
APC1
前面にいる可愛いのがパズちゃん。彼女がヴォーカルのバンドみたいに見えますね。
実際、APC構想当初はパズをヴォーカリストとして想定していたのだとか。

このようなポップにも見える写真に反して、音はへヴィでエモーショナル、そして呪術的。
「パーフェクト・サークル」の名前よろしく、ぐるぐると全てのパートが渦巻き、うねり、
その完璧なうねりの輪に、聴いている側は巻き込まれ、圧倒される、台風のような音楽。

ヘヴィ・ロック的な音を聴き慣れない私は最初こそ戸惑いを覚えましたが、聴くほどに
中毒の如くクセになっていく。すっかり彼らの轟音と重低音に引き込まれてしまいました。
メイナードのヴォーカルに顕著な、東洋~中近東テイストが混じった無国籍な風情もいい。
そして、確かに轟音で物凄い音圧ではあるけれど、それぞれの音にどこか透明感があって、
ただやかましいだけの音楽にならず、そこらのバンドより数段上の品格を感じます。
だからこそ、日頃ヘヴィ・ロックを聴かない私でも、苦にせず楽しんで聴けるのでしょう。

他のパートの演奏、楽曲の世界観、どれも素晴らしいですが、やはり突出して魅了されたのが
メイナードのヴォーカル。火になり、刃になり、水になり、楽曲によって自在に形をかえて、
「火のように熱く、刃のように鋭く、水のように滑らか」と全てを一つにすることもできる。

これでこそカリスマ。「トゥール聴いてみようかな」という気になりました。
・・・で、いざよそで動画を観たら、APCどころではない「強烈な捻れ、よじれ、カオス」。
どうしてもメイナードがいるのでAPCとトゥールは引き合いに出されるけれど
(ライナーノーツでさえ「APCにハマったらトゥールも聴いてみて!」なんて書いてある)
そこにかこつけて表現するなら、APCってキャッチーなトゥールなのかもわかりません。
APC2
パズたんエロ格好良すぎます。ヴィジュアル的には、是非留まって欲しかったところ。

因みに2ndはこんな感じ。黄色い物体の正体は?何か意味合いがあるのか?

サーティーンス・ステップ(CCCD)サーティーンス・ステップ(CCCD)
(2003/09/18)
ア・パーフェクト・サークル

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2ndを出して少し休むつもりだったのが、メイナードたちが世界情勢に触発されて
どうしても作らずにいられなかったという3rdは、新曲が2曲あるものの、
基本カヴァーアルバム。しかも、プロテスト・ソング(反体制歌)という縛りつき。
リリースは2004年、舞台はアメリカ。そうすると自ずと背景は浮かんでくるというもの。

イモーティヴ (CCCD)イモーティヴ (CCCD)
(2004/12/08)
ア・パーフェクト・サークル

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3rdアルバム「eMOTIVe」。
しかしムカつきますよねえ、このCCCDってパッケージは本当にもう(苦笑)
本作リリースの後には映像作品「aMOTION」がリリースされ、
こちらはイハもリミキサーとして参加。
で、2nd~3rdのラインナップと思しき画像がこちら。
APC3
メイナードの両隣の黒髪二人、この画像だとバランス良く分かれているので良いんですが、
しばしば隣り合って映っていたり、似たような格好をしたりしていて、見分けに苦労が・・・
顔立ちが見えれば簡単なんですが、二人して下を向いていると本気で見間違えてしまいます。

日本ではあんまり馴染みのない「プロテスト・ソング(反体制歌)」ですが、
本作に収められている曲を見るだけでも英米にはこんなにたくさん。
ジョン・レノン「Imagine」、マーヴィン・ゲイ「What's Going On」、
デペッシュ・モード「People Are People」、フィアー「Let's Have A War」、
レッド・ツェッペリン「When The Levee Breaks」(これ自体カヴァーだけれど)、
ジョニ・ミッチェル「Fiddle And The Drum」などなど。
バンドの方向性やメンバーの世代からか、80年代の音楽(ハードコア・パンクから
エレクトロ・ポップまで)がやや多めにチョイスされています。

言われないと原曲が何なのか分からないほど原形を留めず、APC色に染まったナンバーが
勢揃い。「カヴァー」というより「リミックス」といったほうが納得のような。
こういったカヴァー集は原曲を知るきっかけとしてよく楽しむことが多いのですが、
本作においてはそういう楽しみ方はまず無理。原曲を知っている人の反応が心配になる
曲もあるのですが、そういう人は恐らくこのアルバムを手に取らない層かと。
よそで動画を観てぶっ飛んだのがあの「Imagine」。原形は留めているほうなのですが
メジャーコードの原曲がマイナーコードに、そしてどっぷり重く、暗い・・・
しかし、その動画はPVで、そこには世界中で起こっている凄惨な「いま」が
主に報道映像をつないで、ドキュメンタリーのように次々と提示されていました。
ジョン・レノンは、空に虹色の夢を描くようなタッチで「Imagine」と語りかけましたが
APCのヴァージョンは、今まさに目の前にある現実と対峙する思考法、方法論として
「想像すること」を突きつけてくる感じで、これはこれでかなり考えさせられたし、
彼ららしいとも感じます。

浮遊感が漂うナンバーが多いのも怒りが浮かび上がってくるようでうすら怖く、
それだけにメイナードが怒りを込めてシャウトすると真に迫るのですが、
本作ではビリーがハイトーンなヴォーカルを披露する場面も登場します。
鋭角的なメイナードと柔和な響きのビリー、二人のコントラストも聴き所です。
そして、「2ndの流れを汲んだ音作り」とされるオリジナル曲「Passive」と
本作の多くの曲、更に1stでは全く作風が異なり、このバンドがとても多くの顔を
持ち合わせていることを見せつけられます。
APC4
重めの作風の割にこんな軽いノリの画像がちょくちょくあるのが興味深いところ。
眼鏡、三つ編み、シノラーみたいな短パン、一つ前の画像では帽子、1stの画像では長髪
(三つ編みと長髪はウィッグ)・・・個性的すぎる格好のメイナード。
よそで聞いたところによると、トゥールのライヴパフォーマンスはもっと個性的すぎるらしく、
ステージ演出もなかなかにグロテスクだとか・・・
かなり好きずきが分かれそうですね。


トゥールの入門編?トゥールが駄目ならこちらがオススメ?
どちらも的を射ていないような気がします。
比べるまでもなく、個性的で深み・凄みがあって面白い音楽だとそのままキャッチして
再び動き出した彼らの新譜でも出ないかなぁと、駄目元覚悟で期待してみるのも
楽しみ方としてはアリなのではないでしょうか。
勿論、APCをきっかけにトゥールに踏み出したり、その逆をしたりするのもまた乙かと。
実質5年くらいの活動でリリース活動はオシマイの現状が惜しいと感じてなりません。



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The Smashing Pumpkins:その5 Machina/the machines of God「有終の美。メロディアスで聴きやすい、ちょいメタル風味アルバム」

前作「アドア」のセールス不振のリベンジ、そしてある決断のために、1999年、
ビリーは、The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)に
あの男を再び招き入れます。そう、ジミー・チェンバレン
ドラッグ癖による逮捕劇で一旦は解雇した彼をビリーがどうしても必要な理由はふたつ。
「次はメタル・アルバムを作る」ため、
そして、バンドを有終の美で締めくくるため・・・。

前作の時点で、スマパンは解散を決めていたと言われています。
しかしその理由は解散を宣言した当時と、数年後とでは随分違っており、ビリー曰く
解散宣言当初は「ブリトニー・スピアーズみたいなアイドルがチャートを賑わせているような
最近の音楽シーンの中で戦うなんて馬鹿馬鹿しい」といった
「やり尽くした」系統の話が目立ったのですが、
後になって「アルバム制作中にメンバーからの協力を得られないことがあった」
「本当はスマパンを解散させるんじゃなくて、ジェームスを追放したかった」
「ジェームスがバンドを崩壊させた」と、最も早く出会って解散の時まで唯一在籍した
ジェームスとの確執が、解散の決定的な引き金になったととれる趣旨の発言をしています。
本当のところは我々にはわかり得ませんが、少なくとも、ビリーとジェームスとの間に
埋めがたい溝が生じて、何度となく深刻な諍いがあったことは確かでしょう。

そしてまた、完成した「有終の美」のアルバムを聴いたり、歌詞を読んだとき、
ビリー達は、スマパンでやれる限りをもう「やり尽くした」ことが納得できる作品に
なっているのも事実です。
比較的最近ファンになった人や、メタル系統好きの人に好評な、2000年リリースの
Machina/the machines of Godマシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド)。

マシーナ/ザ・マシーン・オブ・ゴッドマシーナ/ザ・マシーン・オブ・ゴッド
(2000/02/28)
スマッシング・パンプキンズ

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解散を決めただけあって、何か清々した、すごく割り切った印象を与える作品で、
これが爽快感と感じるか、そっけない「お仕事」と感じるかは分かれそうです。
スマパンの連載を始めるにあたって全作品を聴いてみることにするまで、私の中では
ずっと後者で、「ビリーのワンマンでバンド仲がギスギスした中で出来た作品」という
イメージが引っかかって、長い間、あまり好きになれないアルバムでした。
それを今回、久しぶりにじっくり再聴してみると、「なかなか良いアルバムじゃないか」と
感想が変わりました。
80年代NWの冷たい空気感の影響下にあるアルバムであることが本作でも大事なポイントで、
そのあたりのシーンを簡単にでも辿ったことで、本作への抵抗が随分減ったのだと思います。

放送事故?
machina1
かっこいいと思ってやっているのか?みんな壊れているんじゃないのか?
全員の正気が心配になってくる画像です。
百歩譲って前の3人はまだいいとして、後ろの人は写しちゃいけない!
元の画像が巨大+くっきり写るとショックが大きすぎるので、小さい画像で失礼します。

前作「アドア」を踏襲した、80年代NWの空気感や美しいメロディ重視の曲作りが
実は「轟音」「メタル」よりも中心になっています。

曲数も多ければ(ボーナス・トラックを除いて15曲)曲調もバラエティ豊か。
キャッチーかつへヴィな楽曲で、轟音ギター&ジミーのハードなドラムをまた楽しめる
#1「The Everlasting Gaze」、柔らかな音で凪のように軽やかな#6「Try,Try,Try」、
春風のようなサウンドに乗って躊躇いなく愛を歌う#3「Stand Inside Your Love
がベストアルバムに収録されましたが、このように、歌詞もサウンドも軽やかな曲が
目立つようになりました。メタリックな要素の多い曲は、#1と#7に#12くらいでしょうか。
悲しげな曲もあるし、10分近くの長尺のプログレ的展開の曲もみられるし、
もう10年前のムーヴメントとなったシューゲイザーを思わせるギターを聴ける曲も、
アコースティック・ギターがふわりふわりと優しく舞う曲、ジャジーなビートが
基調になっている曲もみられ、1曲のなかで大きく転調する曲も幾つかあります。
メランコリックな「泣きメロ」と、重たいものを引きずりながら何とか歩いているような
聴いていて苦しくなる曲調の、胸にずっしり堪えるような曲が後半部を引き締めます。

「メタル・アルバム」を期待して聴くと、肩透かしを喰らうかもしれません。
「次はメタル・アルバムを作るから来てくれ」とビリーに言われて復帰したのだとしたら
ジミーは「えっ?これがメタル・アルバム?本当に俺でなくては出来ない曲か?」と
疑念をもったかも。「ジミーでなくては叩けない曲」はそんなに無いように感じます。
前作の打ち込みビートをジミーの生音に変えただけ、というような曲もかなりあるので。
但しもう一つの可能性として、ジミーに「叩きたいけど思うように叩けなかった」という
事情があったことも想像できます。当時のライヴに行ったファンの人は、ジミーの様子を
「調子の良さそうなときもあれば、辛そうなときもあった」と言っていたようです。
ドラッグのリハビリは大変苛烈なものなのだそうです。ジミーがそれに苦しまされていても
不思議はありません。
machina2
スマパンあるある「その写真じゃフロントマン、ジェームスだろ」。時々みられます。
何だかこういう髪型をしてるとミッチー(及川光博)みたい。顔の系統が同じですね。
そして気になるのは眉頭をはじめ全体的に描きすぎた眉。これって、かっこいいの?
この頃のジェームスはすっかり気力を失って、内面で何かが壊れてしまったような感じ。
前作以来、(公式の写真では)にこりともしなくなっているし。
ドラッグのリハビリ中で、リアルにかなりの犯罪者面になっていて非常に怖いジミー。
そして、あんなにコワモテヴィジュアルなのに案外アイメイクも自然と似合うビリー。

ビリーは前作から、優等生症候群を抜け出して、完璧を求めるのをやめて、
「思春期の痛み、引き裂かれる自我」からも一歩抜け出して、肩の力が抜けた印象。
愛を乞うたり、「頑張ろう」と言ってみたり、叫ぶのをやめてクールな調子を保ったりと、
精神的な山場を超えて大人になった立場から、客観的に曲を作り、歌詞を書き、
歌を歌っているように感じます。
そして前作から、存在感が希薄なままのジェームスとダーシー。
前作と地続きのところに、「轟音ギター&ジミーのへヴィなドラム」を少し掛け合わせて
出来た作品ではないでしょうか。
ポップで美しいメロディを主体にして、へヴィな風味を味わうこともできる
案外聴きやすい、幅広い層の音楽ファンが楽しめるアルバム
です。


本作のレコーディング終了直後に、自らの役割を果たしたと感じたダーシー
バンドを脱退してしまいます。
曰く「女優に転身するため」。
しかしこれからライヴ・ツアーも控えており、とても困った事態に。
そこでバンドは救世主として最後の1年間だけ、メリッサ・オフ・ダ・マー
ベーシストに招聘します。
machina-mellisa
燃えるような赤い髪が自他共に認めるチャームポイントの彼女は、元ホールのベーシスト。
ソロ活動に専念するためにホールを脱退したところを、スマパン側に懇願されたのだそう。
メリッサがベースを始めたのは、ダーシーなどの女性ベーシストを見たことがきっかけ。
メリッサとしても、願ってもないオファーだったわけです。
一見やる気がないような気怠いパフォーマンスのダーシーに対し、メリッサはもっとバリバリ
弾くタイプ。同性に厳しいと評判の、元上司のコートニーお姉さんも、太鼓判を押す逸材です。

メリッサを迎えた新生スマパンでの、解散ライヴの様子。
machina-live
ワールド・ツアー。日本にも来たそうです。かなり温かな「お別れ会」ムードで、
ジェームスが変な日本語のジョークを連発したり、メリッサがノリノリで踊ったり、
最後にビリーが、会場に誰も居なくなるまで、感謝の念を込めて丁寧に頭を下げ続けたり。
「メーリッサー!」と野太い声で声援を送る男性ファン集団、ジェームスに黄色い声援を送る
女子中高生たち、あの曲をサンプリングした某バンドの皆さんなど、客層も様々だったとか。


これだけ作っておいてまだまだ曲が有り余っていた恐るべき怪物くん。
Machina II/the friends & enemies of modern musicマシーナII)」
(マシーナの続編)を、何と無償で配信!
アルバム本体とB面を数曲収録したEP3枚が、ビリー自身が立ち上げたレーベル
「Constantinople Records」からフリー・ダウンロードでリリースされました。
ベストアルバムには、その中から「リアル・ラヴ」が収録されています。


最初で最後?のベストアルバム「Rotten Applesロットン・アップルズ)」もリリース。

Rotten Apples,The Smashing Pumpkins Greatest HitsRotten Apples,The Smashing Pumpkins Greatest Hits
(2001/11/16)
スマッシング・パンプキンズ

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ブックレットを見るのが楽しくて。やんちゃでオシャレ、ポップな写真がいっぱいです。
あの曲やあの曲が入っていないのがどうしても心残りになりますが、
解散ライヴ直前にレコーディングされた曲「アンタイトルド」や、
映画のサントラに提供されたアルバム未収録曲「ドラウン」「アイ」が入っているので
まぁ良しとしましょう。


こうして、惜しまれつつ解散した・・・かに見えたスマパンですが、
この話にはまだ続きがあって・・・
史実を無視して、ここでお開きにしたほうがいいかもわかりませんが、
次回、あえて見つめていきます「新たな始まり」。



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The Smashing Pumpkins:その4 Adore「内省的で醒めたビートにそっと希望の灯がともる・・・未曾有の逆境の中で誕生した隠れ名作」

前作で、音楽シーンにおける念願の天下取りを果たしたかに見えた
The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)ですが、
バンドの運命を大きく変えてしまう事件が起こります。
ファンには青天の霹靂、しかしメンバーにとっては「いつか起こるであろうこと」と覚悟していた
事態だったかもしれません。
1996年7月。ツアー中のニューヨーク市で、ヘロインによる薬物中毒により
サポートメンバー(キーボード)のジョナサン・メルビンが死亡。
このとき、同室にいたジミー・チェンバレンは、一緒に薬物を摂取しており、逮捕。
裁判沙汰に至り、判決が出る前に、バンドは悩んだあげく、ジミーの解雇を余儀なくされます。
のちにジミーがこのときのことを回顧して「あの時のビリーの判断には感謝している」と。
ジミーは、長いことドラッグの問題を抱えていました。
ジミー曰く、ビリーは、自身が全てを投げ出すように重度の中毒の生活に明け暮れる姿を見て
自分の一番大切なもの=バンドを奪ったのだと。しかしぎりぎりまで我慢してくれていたと。
ドラッグ中毒は正常なコントロール能力をことごとく麻痺させます。朝も昼も夜も一日中、クスリを
やり続けるケースもしばしば。
スマパン連載の最初の2回で登場した、レッチリのアンソニーの自伝「スカー・ティッシュ」には
アンソニー自身の、生々しいドラッグ中毒者としての生態が晒されています。
当時のジミーの様子を想像するには十分かそれ以上の参考文献になるかもしれません。

悩めるビリー。
しかし、この逆境を乗り越えて新しいものを創り出そうと奮起するのもビリー。
案外ビリーって、逆境に強いというか、逆境にあればあるほど燃えるタイプの人のような気も
しますが、色々叩かれて発狂しちゃう面もあるからなぁ。

「ドラムがないなら、打ち込みマシーンで」と、ビリーはドラムマシーンの前で格闘し
更にはセルフ・プロデュース+全曲作曲(=ジェームスの曲なし)で作業に励みました。
本当はドラマーを新しく加入させたのですが(マット・ウォーカー)、僅か1年で
脱退してしまったためです。
こうして、リズム・セクションを中心に打ち込みを駆使したエレクトリックな、
未知のスマパンが日の目を見ることになりました。
そういえばジミーがスマパンに加入する前、ビリーとジェームスダーシーの3人で始めた
原始スマパンは、打ち込みマシーンでドラムパートを補っていました。
図らずも彼らは、原点回帰する格好になったのです。
それが1998年にリリースされた4thアルバム「Adoreアドア)」。

アドアアドア
(1998/05/30)
スマッシング・パンプキンズ

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前作が「メロンコリー」という造語の桃源郷だったのに対し、本作はメランコリーそのもの。
今まで小出しにしてきた孤独や淋しさ、陰鬱さが、もっと剥きだしになって、そして
もっと正面から向き合ってそれらを優しさに変えようとしている姿があります。

内省的で、ビリーの私小説ふうとも取れます。
打ち込みを導入+メランコリーな本作は、ニュー・オーダーやデペッシュ・モードなどの
80年代NWに直結するという印象を持つ人が多いはず。
ビリー自身、かねがねジョイ・ディヴィジョンへのリスペクトを公言してきたこともあり
ある意味これは自然な流れ。このあたりのシーンが好きな人には直球ヒットだと思います。
今までになかったようなコード進行、緩やかでメロディアスな楽曲、醒めたビートにギター、
淡く悲しげなヴォーカルをはじめとする各パート。叫びも轟音ギターもほぼ封印です。
ピアノ弾き語りのようなアレンジも多くみられ、まさに新機軸。
冬っぽい作品だとよく言われますが、このエレクトリックなサウンドと冷え切った質感は、
寧ろ今のような、夏の夜に涼をとるのにぴったりだと、本記事を書きながら思います。

そしてビリーは、これまでのように、自らの痛みや、退廃的な心象風景を歌うのをやめて
アルバムを貫徹して「愛」について、つまり「自らの痛み」以外の内容を歌っています。
かすれ気味の声で、気負いなく、さらりと歌い上げるビリー。この変化は如何にして?
adore1
モノトーンや、セピアトーンの写真がぐっと多くなります。
アルバムのブックレットの写真は、全てモノトーン。
本作の楽曲の雰囲気や、バンドが置かれた状況、心境が出ているようです。
この頃からビリーのスキンヘッドが定着。凄いインパクトのヴィジュアルになりました。
ダーシーはまるで女優さんみたい。

前作とそれに伴う長期ツアーで「ロック・バンドとしてはすべてをやり尽くしてしまった」
と語るビリー。本作までの間、映画のインストの仕事(「身代金」はビリーが半分の楽曲を
手がけた。バンドでは「ロスト・ハイウェイ」に、ベスト収録の楽曲「アイ」を提供)、
元彼女のコートニー・ラヴのバンド、ホールの楽曲を一部共作&アレンジ、
そして本作と同年にジェームスのソロ1stアルバムもリリースなど、一心不乱に走り続ける
時期を過ぎて一息つけるようになり、またバンドが大きな存在に成長したことによって
他のシーンやアーティスト、マスメディアなどの外野を気にせずともよくなって、更には
多くの人達に認められたことで、ビリーの心境が大きく変わった=成長が、背景にあります。
ジミーの件なくしても、本作の境地に至った可能性はあるのかもしれません。

adore2
ビリーの、悲劇的な過去。
幼くして両親が離婚し、継母はビリーを精神病院へと送り込みました。
友だちもほとんど出来ない少年は、ひたすらにジョイ・ディヴィジョンを聴いて育ちました。
ビリーは自身を「背が不自然なまでに高くて、声も変で、可愛くもない」と言いますが
これは周囲から言われているうちに、自分でも思うようになってしまったように感じます。
歌詞はいつだって天国と地獄の行き来。世界と自分との和解できない隔たり。
それが、いま、「外の世界のことは心得てる、そういうものが存在するのは納得ずみだ、
だけどそれは僕にはどうでもいいものなんだ、と。知ったことか、ね」と「宣言」する
ビリーがいます。
「いつだってもっと、もっと頑張らなくちゃって、Aばかりの優等生の心理で活動してきた。
『アドア』が初めてだったんだ、世間の目に曝されバンドをやっていながらAをとらなくても
いいんだって思えたのはね。完璧じゃなくてもOKだったんだ。完璧な自分を許した。
それ以来・・・・・・息ができるようになった

とは次作のインタビューで本作を述懐した時の話。
「自分を信じられるようになった・・・・・・でも、鏡は一生見続けるんじゃないかな」
コンプレックスや傷を抱えながら、そんな自分のありのままを受け入れようとする姿勢が
わかります。どんな形態でも、どんなサウンドでも、スマパンはスマパン。僕は僕。
ゆっくりと、少しずつ。

adore3
いわゆる「ゴス・ファッション」が多かったのも当時の特徴。
この路線が日本のヴィジュアル・ロックのブームと相まって、日本では本作が大好評、
本作をきっかけにスマパンのファンになる人も多くいたんだとか。

しかし一抹の不安要素が。それは、本作にビリーの姿は否応なくよく見えても、
ジェームスとダーシーの影がきわめて薄いこと。
一説には「サイアミーズ・ドリーム時から、ドラム以外の全パートはビリーが録音していた」
なんて話もあるほどですが、本作に関しては正直「もしかしたら」と感じてしまいます。
当時、メンバー間の連携を密にしようとの意図で、合宿スタイルのレコーディングを
していたそうですが、キレたジェームスが出ていったという話もあるくらいだし。

そうして、ビリーが精力を尽くして作り上げた本作は、従来型のスマパンロックを求めていた
ファンのニーズに合わず、セールス不振に終わるという、ビリーにとって屈辱の結果。
米では「ラウド・ロック」のムーヴメントの只中で、時代を読み違えた格好に。
80年代NW方面への回帰が流行しだしたのは00年代や最近のこと。5年も10年も、先を行って
しまったわけですね。

adore4
「辿り着いた」とひとり感慨に耽るように佇むビリー、
ぱたぱたと彼を追いかけるけど追いつけていないダーシー、
追いかけ疲れて頭を垂れているふうなジェームス。
アルバムのブックレットにも載っている写真なんですが、
まるでバンドの未来を、いみじくも予見しているかのようで、皮肉。
しかし、本作制作終了時、既にその「未来」は決まっていたとも言うので、
わざとちらつかせた可能性もあります。
・・・その「未来」とは?次回は、起承転結の「結」、そして「終わりの始まり」です。



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The Smashing Pumpkins:その3 メロンコリーそして終りのない悲しみ「創造力の巧みさと多様さ、圧倒的な完成度に息を呑む2枚組大作」

「『サイアミーズ・ドリーム』は、今でもいいアルバムだと思ってる。
僕は、もう1枚、みんなの頭をブッ飛ばすような、とんでもなく凄いアルバムを、
どうしても作りたいんだ」
The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)の曲作りの要、
ビリー・コーガンは、前作のブレイク冷めやらぬなか、真剣な表情で語ったのだそう。
「次のアルバムは、CD2枚組にしようと思うんだ。それぞれが違う雰囲気を持つ2枚のCD。
たとえば1枚はすごく静かで美しい音楽。もう1枚はエネルギー炸裂のロック!みたいな。
どう思う?」
こんな話を94年2月にはもうしていたらしいのです。

Pisces IscariotPisces Iscariot
(1994/10/04)
Smashing Pumpkins

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デビュー作「ギッシュ」から前作「サイアミーズ・ドリーム」までのBサイド・アウトテイク集
パイシーズ・イスカリオット」がリリースされたのは94年。
(限定生産の豪華盤が最近リリースされている)こちらにも14曲が収められているというのに。

創作意欲のピークともいえますが、基本的にビリーは多作なアーティストだから
「いつものこと」ともいえます。
しかし勢いはメンバー全員に波及していました。6月頃にはビリーの頭の中でアイデアをかなり
具体的にまとめ、ロラパルーザ・ツアーの頃には新譜用のアイデアがビリーやジェームスの中で
溢れ、9月にロラパルーザ・ツアーが終わると、ビリーは次から次へと曲のアイデアが浮かび、
猛烈な勢いで曲作りをしました。
ロラパルーザ・ツアーの後で少しの休暇を取った後、メンバーはすぐに新作の制作に取りかかり
月曜から金曜までスタジオにこもりきり。12月末には30曲近い曲が出来ていました。
そして翌95年2月頃には、作った曲は54曲にまで膨れあがり、4月頃からレコーディング開始。
今回は、マイブラの「ラヴレス」のエンジニアの中で唯一、ケヴィン・シールズに認められたと
評判のアラン・モウルダーフラッドを共同プロデューサーに迎えた新体制で臨みました。
終盤には休日返上でスタジオにつめて、8月17日にレコーディング完了。
ビリーは、レコーディング終了日当日、シカゴに向かう飛行機に乗る2時間前まで
歌入れをしていたほど。
こうして、全員の凄まじい情熱がひとつになって完成したのが
バンドの最高傑作、95年にリリースされたアルバムの代表作、
また90年代の2枚組アルバムの最高峰ともいえる
Mellon Collie and the Infinite Sadnessメロンコリーそして終りのない悲しみ)」。

メロンコリーそして終りのない悲しみメロンコリーそして終りのない悲しみ
(1995/10/25)
スマッシング・パンプキンズ

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米国のみで一千万枚近くのセールスを記録。グラミー賞では7部門にノミネートされ、
『タイム』誌による年間ベストアルバムに選ばれ、ビリーは見事な有言実行を果たしたのです。

mellon collie 1
いやー凄いインパクトの、全員囲み目メイク&ギラギラ・スケスケ衣装。
ビリーの「ZERO」Tシャツにも注目。本作に収録されている曲からとっているわけですね。
で、ジミーはこの手の格好はしないほうがいいと思うのだけれど・・・
ジェームスのカラーリング格好良いですね。金髪に黒髪にまた金髪。
ちょっと相川七瀬みたいに見えるのは、私だけ?

前作までは4ピースバンドらしさというか、音の隙間がかなりあって、そこに想像の余地や、
「ひと昔まえ」の感じが少し漂い、構築よりも雰囲気や勢いでもっていったような感じですが
本作は全ての楽曲の完成度がおそろしいほど高くて、がっちり構築されており、
緩やかな曲を除くと一切の隙がなく、精密な構造で建築された巨大なお城のよう。

14曲+14曲=計28曲を2枚に分けているのですが、どちらかが一方的に激しくて、もう片方が
一方的に大人しい、というふうに極端ではなく、バランスを考えながら分けている感じ。
Disc 1<Dawn to Dusk>がポップで激しい曲(ベスト収録もこちらからが3:1と多め)、
Disc 2<Twilight to Starlight>がダウナーから緩やかな曲、といった流れに。
歌詞でいくと、Disc 1は「愛はいらない」、Disc 2は「愛しているよ」というような?
とにかく曲調も歌詞も幅広くて、総括するのがとても困難なほどです。
7分、9分の長尺で展開もこれまで以上に複雑なプログレ志向な曲がいくつかあったり、
全編がストリングスで彩られていたり、80年代NWの風味が登場してきたり、
終始ノイズまみれだったり、子ども向けの歌のようだったりと、バラエティ豊かながら
散漫という印象を不思議と与えず、「すごくまとまったアルバム」という印象が残ります。
圧倒されながら。

歌詞を辿っても、歌の数だけ全然違う世界にワープしているよう。具体的な言葉を重ねて
情景描写を密に行い、そのなかから退廃的で孤独な心情描写が立ち上がってきます。
曲作りの面でも、歌詞を書く面でも、ビリーの「創造力」の巧みさと多様さに驚くばかり。
また、1Discごとに最後の1曲は「ジェームス枠」なのですが(ビートルズのジョージみたいな
待遇だなぁと思うことしきり、いや今後を考えるとそれより冷遇なのか)、2枚組を締めくくる
「Farewell and Goodnight」は、メンバー全員で順番に、途中から全員で歌っていて
なんだか微笑ましい。2曲とも「らしい」曲揃いで、息つく間もない本作の箸休め的な役割を
果たしています。箸休めを超えられないのが、ジェームスの切ないところでありますが。

「みんなの頭をブッ飛ばすような、とんでもなく凄いアルバム」が確かに出来ました。
「サイアミーズ・ドリーム」が「青春」言い換えれば「未完成」のアルバムなら
本作はバンドが大人へと成長し、感性とクオリティを両立した、見事な完成品の作品。
楽曲単位での、そしてアルバム単位での、しかも2枚組での圧倒的な完成度は、
これを上回るものをなかなか見つけることができません。



・・・と、アルバムやその制作過程は大変シリアスですが、画像は相変わらずフリーダム。
mellon collie 2
ベストアルバムのブックレットにも載っているヒトとヒトといぬとねこ。
ジェームスのWikipediaを見ると、このねこ姿のままでなにやら思索に耽る姿が
プロフィール画像になってます(笑)

もはやちょっとした事件。
mellon collie 3
この画像もブックレットに一部掲載されてましたね。(ビリーとジェームス)
笑えると笑えないのスレスレ。ジミー・・・・・・

mellon collie & simpsons
人気になったもんで「シンプソンズ」にも登場しちゃいました。
ビリーのTシャツ、「ZERO」が「0」になってる(笑)
そしてダーシーはどこかの尼さんですか?


「メロンコリー~」が数々の賞を受賞したということで、栄えある表彰式。
mellon collie-adore
思わず笑顔がこぼれるビリー、ダーシー、ジェームスの3人。
え、さんにん・・・?
天下を取ったかに思われたスマパンに、まさかの試練が。その末に出来た隠れ名盤を
次回、取りあげます。日本では人気なんですけどねぇ。



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The Smashing Pumpkins:その2 Siamese Dream「あの頃の繊細でわんぱくな気持ちが蘇る・・・熱くて、青臭くて、純真な傑作アルバム」

The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)の2ndアルバム
Siamese Dreamサイアミーズ・ドリーム)は、私にとって特別な思い入れのある一枚です。
はじめて聴いたスマパンの作品だったので、今でも「スマパン」といえば本作が浮かびます。
それから凄く夢中になって、何度繰り返し聴いたかわからない。
しゃにむになって音楽をたくさん聴いていた頃、演っていた頃の熱く青い想い出や、
当時のひたむきな気持ちを思い出さずにいられなくなるのです。
このアルバムは、そういった私の個人的エピソードを差し置いても、
聴く人の青春・・・熱くて、青臭くて、一生懸命に何かを追いかけていて・・・を
人によっては仄かに、人によってははっきりと、思い出させる力を持っている
ように感じます。

siamese dream 4

「ジェーンズ・アディクションのフォロワー」「ニルヴァーナのフォロワー」
「パール・ジャムのフォロワー」と、デビュー以来、オルタナ/グランジムーヴメントの
シーンの中でオリジナリティを認められず、散々フォロワー扱いされてきたスマパン。
ビリーは「次のアルバムで成功しなければ、その次はない」と考えるようになっていました。
こうしたプレッシャーやフラストレーションをエネルギー源にして作ったのが、本作。
代表曲「Today」をはじめ、たくさんの名曲が収められ、セールスも好調、
94年にはロラパルーザのトリを飾るなど、見事その頑張りが報われ、
スマパンは一躍、人気バンドへの道を駆け上っていきます。


前作同様、ブッチ・ヴィグとビリーとの共同プロデュースで完成させた2ndアルバム。
本作でスマパンが新たに手にした重要な鍵があります。それは「メロディ」。
以後、スマパンの軸になっていくアイテムです。
前作のサイケ風味もHR/HM風味も継承しているのに、それらをあまり感じさせないほど
「メロディアス」という印象が先に立ちます。
楽曲も、「激しいor静か」に加えて「穏やか」「優しい」「甘い」曲やアレンジが増えて
曲のバリエーションが幅広く、ポップでキャッチーになりました。それもヒットの要因でしょう。
恐らくスマパンの楽曲の中で一番知られている#3「Today」、これも人気の高いジェームス作曲
#9「Mayonaise」、ストリングス・アレンジを多用したシングル曲の#6「Disarm」など、
本作で所謂代表作と言われているナンバーは、メロウな曲が多めです。
アレンジも幻想的だったり、繊細だったり、柔らかかったりする音やリフが多く出てきます。

しかし私の個人的お気に入りは、昔も今も、パンキッシュで勢いのあるナンバー!
#1「Cherub rock」は私がスマパンと言われてすぐに連想する曲で、行進曲のようなドラムを
少しで止めて、クリーントーンのギター、ドラム、ベース、ディストーションギターと
一人ひとり順々に入って、「いざ4人揃い踏み!」みたいな結束感と猛々しさ漂うイントロは
いつ聴いても嬉しくなります。前作のような野心に、爽やかさが加わり、有り余るエネルギーを
空高く飛翔させようという高らかな盛り上がりに、自分の中にもかつてあった初期衝動が
鮮やかに蘇る思いがします。
#8「Geek U.S.A」は愉快痛快なロック・ナンバー。ゴリゴリしたギターが
気持ち良く、特にベースを引き連れて聴き手を左右に揺さぶるAメロ部分がたまりません。
なだれ込むようなサビ部分も爽快。ギターソロ、ドラムも大暴れ。やりたい放題やり尽くして
部屋中をメチャクチャにして、嵐を撒き散らしたまんま去っていく感じが大好きです。
展開がかなりめまぐるしく変わり、プログレ要素も混じっているのですが、そういうことを
感じる暇がないほど、「やりたいことぎゅうつめ」で、とにかく楽しい曲です。

本作の歌詞は、ビリーの少年期の孤独や痛みが歌われているといわれています。
希望に満ちあふれて聴こえる「Today」は、実は刹那に裏付けされた今日の幸福。

今日はいままでで最高の日
明日を待ってなんかいられない
そんなに長くはもたないかもしれない
ここを出るまでに
心が粉々になってしまう

ピンクのリボンが消えない傷になる
そんな後悔を洗い清めようと一生懸命だった
僕の天使の翼は傷つき縛られて
体の中がずきずき痛む

ビリーには、悲惨な生い立ちがあり、セラピーを受けていた時期もあったのだそう。
彼の心の中に佇む「怒り、泣いている純真な少年」と、それが失われゆく恐れとを歌った歌詞が
スマパンの楽曲に漂う「青臭さ」「叙情性」を際立たせています。
悲しくて美しくて楽しくて扇情的で・・・一見バラバラなようで、しっかりまとまって聴こえるのは
それ全てがまさしく「青春」そのものだからなのでしょう。
喜び、切なさ、孤独、ワクワクする気持ち。誰にでもあった、繊細でわんぱくなあの頃が
いっぱいに詰まった傑作アルバム
です。


レッチリアンソニーが自伝でスマパンのメンバーについて触れている部分がありました。
前回の記事でも少し述べた、レッチリ・ニルヴァーナ・スマパンでのツアーの話です。曰く、
ビリー=陽気で人懐っこい奴だよ。よく俺らと一緒にバスケとかして遊んだな。
ジェームス=シャイな奴だったな。
ジミーダーシー=ドラッグやアルコールなんかの深刻な問題を抱えていた。
 まずいことになるのは誰の目にも明らかだった。
だそうで。最後のは「オマエが言うなよ!」とも思えるのですが(91年当時はクリーンだったが
94年頃にドラッグ中毒が再発。治っては再発しての繰り返しがBy The Way辺りまで続いた)
「ビリー=陽気で人懐っこい奴」は、パブリック・イメージとは真逆で意外な感じ。
でも、こんな画像を見たら、「なるほどそうかも」と頷ける気がします。
siamese dream 1
ポカリ!漫才コンビのように楽しく遊ぶビリーとジェームスと、それを見ているふたり。
ジェームスが売れない芸人にしか見えない(笑)。「シャイ」が怪しくなるような。人見知りとか?

siamese dream 2
冬でも元気にヒャッホー!
この頃の皆さん、まぁ実に楽しそうで、USのバカガキって感じ丸出しで、無邪気でいいですね。

で、これも有名な話ですが、ジェームスとダーシーって
本作のレコーディング辺りまで、付き合っていたそうです。
それで何か色々あって別れて、しばらくはバンドの雰囲気がかなり気まずくなっていたとか。
「ダーシーはジェームスの初恋の人だった」というエピソードもあるそうで、甘酸っぱいなぁ。
siamese dream 3
二人の間にハートマーク(スマパンのロゴでもいい)でも描いてやりたくなるような画像。
この頃はまだ付き合っていたんでしょうね。じゃないとこの距離感はキツイぞ・・・
ビリーが「お熱いねぇ、おまえら」と言わんばかりに、しらっとした様子で見ているのも面白い。
そして・・・画像をひととおり通して見て、どうにもこの頃のジミーの目つきはヤバイ。

アンソニーの証言は早くも予知に変わり、本作の頃、ジミーはアルコール依存症に陥り
リハビリ施設に通っていたんだそうな・・・
何もかも絶好調に見えていた当時のスマパンですが、翳りの兆候は既にあったんですね。
そして前作のレコーディングの頃は、張り詰めたムードからビリーが鬱状態になったとか。
裏側は分からないものですね。まぁ、ミュージシャンにはよくあることとも言えるけれど。


ともかくも、勢いをがっちりと掴んだスマパン。
しかしこれだけではまだまだ満足できないのがビリー。
「もっともっと凄いアルバムを作ってやる!」と意気込んで、バンド最高傑作、そして
90年代の2枚組アルバムの最高傑作と名高い、次作の制作に取りかかります。
いよいよもってバンドは最高潮へ!楽しい画像もたくさん用意して、次回、紹介します。



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The Smashing Pumpkins:その1 Gish「サイケでプログレでハードロック?メンバーの底知れぬ野心が表れた、雑多でワイルドなデビュー作」

あなたはあの頃、ニルヴァーナスマパン、どっちが好きでしたか?
90年代に大隆盛していた、オルタナ/グランジバンドのシーンで・・・
私はスマパンです。ニルヴァーナも嫌いじゃないけれど、どうせ音楽を聴くなら
刺激の中にポップさや遊び心を含んでいて、聴いて爽快な気分になりたいと思うから。
90年代のオルタナシーンは正確には軽い後追いなのですが、なぜだか彼らの音楽を聴くと
「あの頃」「青春」そういったフレーズが頭に浮かび、がむしゃらだった日々を思い出す・・・

2000年頃、音楽サークルの先輩に教えてもらった
The Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)。
今思うと皮肉なことに、知った頃にはもう解散していたのです。
それでも私の中に清々しい風を、いつでも聴く度に彼らの音楽は吹き入れてくれました。
ところで、他の全部の解散前アルバムはベスト含め全て持っていたのに、デビュー作だけ
長らく聴いたことがなく、先日初めて聴いてみてフレッシュな刺激に顔がほころびました。
そんな1stアルバム「Gishギッシュ)」を皮切りに、スマパンの連載をはじめます。

ギッシュギッシュ
(1994/08/10)
スマッシング・パンプキンズ

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日本盤がリリースされたのが1994年と、実際のリリースとは間がありまして、
本国では1991年のリリース。
考えてみればこの年って、ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」が出て、
マイブラの「ラヴレス」が出て、レッチリの「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」が
出て、スマパンのデビューアルバムも出て・・・と、名盤ラッシュの濃すぎる年でしたね。

1st「Gish」と2nd「Siamese dream」には昨年、デラックス・エディションが登場。
とりあえずGishはこちら。かなり豪華です。通常盤もリマスターで再発されたようですよ。

ギッシュ(デラックス・エディション)(DVD付)ギッシュ(デラックス・エディション)(DVD付)
(2011/12/28)
スマッシング・パンプキンズ

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スマパンはヴィジュアルや宣伝写真にも遊び心やポップなセンスが光るバンドでした。
そんなところも好きな理由のひとつ。
というわけで、当時の画像もいつもの連載より心持ち多めに紹介しながら進めます。

リリース当初はこんな感じ。
gish1
とんでもなくサイケな服装を纏って、全員同じくらいに髪を伸ばしている(笑)。
左から、ダーシー・レッキー(Ba)、ジェームス・イハ(Gt/Vo)、
ビリー・コーガン(Vo/Gt)、ジミー・チェンバレン(Dr)。
ビリーがジェームス(ソロの記事ではずっと「イハ」呼びしてましたが、こちらでは名前で)
と出会って一緒に曲をつくり始め、そのうちダーシーが混じり、3人のライヴを観たジミーが
最後に加入。このラインナップで基本、解散までやっていくことになります。
よく知られているように、殆どの曲を作詞作曲してギターソロ、プロデュースまでこなす
バンドの中心人物ビリー、数曲で作曲を担当するクールな日系三世のジェームス、
紅一点、華のあるルックスのダーシー、そしてこの時代のドラマーの中でも屈指の
実力と人気を誇る、名うての凄腕ドラマー、ジミー。
全員のキャラクターが濃いのも親しみを持ちやすい大事なポイントですね。


画像でも幾分「サイケ」がキーワードにあることが感じ取れたのではないかと思いますが
「ギッシュ」は、かなりサイケでオリエンタルな風味が含まれているアルバムです。
ロック+パンク+サイケ+HR/HM+シューゲイザー+プログレみたいな印象です。

ロック」はまぁ言うまでもないとして、「パンク」を感じるのは、跳ねたノリ。
勢いがあって若さに溢れています。
爆発するような盛り上がり、攻撃的なギターやベースの音色などもパンキッシュ。
ときにビリーのヴォーカルも後の作品にはない、ぶっつけるような叫びが混じっていて
ジミーのドラムも怒りに任せて叩きつけているかのような激しさがあります。
サイケ」に関しては、例えば#2のビリーのメロディラインがインド音楽のようだったり、
#3でもそんなテイストのリフが登場したり、他の曲でもコード展開にそっと漂っていたり。
収録楽曲のそこかしこにサイケ色、60年代色を見つけることができます。
HR/HM」に関しては、評論家に「ツェッペリン・フォロワー」などと言われていたほどで、
後の代表作たちと比べ、とりわけギターがバリバリハードロックしていて驚きます。
かなりソロを派手にやっているし、リードギターを中心に音がとてもぶっとい。
ハードロックなギター+ヴェルヴェッド・アンダーグラウンド系統の轟音ノイズギターの
二本のギターが絡み合う、ギター好きには二度おいしいようなサウンド。
この頃からソロをビリーが弾いたりジェームスが弾いたりしていたそうですが
アグレッシヴな持ち味でソロも上手なビリー(ローリング・ストーン誌の「最も過小評価な
ギタリストランキング」で結構上位に居たりしましたね)、
繊細でメロディックなプレイが身上、時にトリッキーな変化球も投げているのがジェームス。
ダーシーのベースもゴリゴリとへヴィな音色を奏で、ギターとベースとドラムが重なるリフや
ベースラインとギターリフとが交錯するリフなどが頻出して、なるほどZepかも。
それでいて、アコースティックギターが前面に出る楽曲も後半を中心に多めです。
シューゲイザー」に関しては、轟音ノイズギターにサイケ風味という構成、
楽曲のなかに時たま漂う弛緩感。そして、思い切りまんまじゃないかと感じる曲があって
ダーシーがヴォーカルをとる#10は、気怠くて、歌声も儚くて、ネオアコ調で
更には女性ヴォーカルで、どうしてもマイブラを連想してしまいます。
プログレ」を感じるのは、特に後半のスローな曲に多くみられる、著しいコードの転調、
そしてリズムの転調。唐突に3拍子ベースから4拍子ベースに変わったりまた戻ったりして、
ちょっと曲の構成が複雑で、このあたりはとりわけスマパンらしからぬ面かもしれません。

gish3
樹やら草やら、色の加工がユニークな一枚。空の青さが際立ち、
ビリーとダーシーはなぜか揃ってグラサン。
そして個人的にはジェームスがスティーヴ・ハウ(イエス)に見えて仕方がない(笑)


ビリーのあの独特の歌唱法というか声質や、ジミーのジャズ畑出身ならではの
手数が猛烈に多い、勢いよく流れるようなドラム、そして轟音ギターなど、
「ギッシュ」の時点で、既にある程度「スマパンらしさ」とされるサウンドの土台は
出来上がっている印象です。
楽曲のサイケ風味、ハードロックなギター、プログレ的な
複雑な構成などが今と違っていて、そういったところに違和感があったり、
まとまりを書いた印象を受けたりするのですが。
ベストアルバムで#2「シヴァ」と#3「ライノセラス」を聴くことができるのですが
にも関わらず今まで本作に手を出してこなかったのは、やはりこの辺の違和感に
当時の自分が不安を覚えてきたからでしょう。サイケもプログレもシューゲイザーも
全然聴いたことがなかったし。

何だか、「オルタナ/グランジ」のイメージとちょっと離れている感じがします。
だいいち本人達がそう呼ばれるのを全然喜んでいません。まぁこれはカートなども
同様だったわけですが、それでもやっぱり、ニルヴァーナやパール・ジャムなどと
ちょっと毛色が違うものを感じます。

ともかくも、2ndや3rdの「これぞスマパン」といった路線からは少々逸れるけれど
何十色もの色が混じっているような雑食性はとてもユニークだし、
ワイルドな各パート、特に高みまでとことん上りつめてやろうと言わんばかりの
ギターソロには、バンドのいい意味での強欲さ、底知れない野望が透けて見えて
爽快です。しかもこの野望はちゃんと現実になるわけだし。
メンバー全員の野心を詰め込めるだけ詰め込んだ「肉食系」アルバムという感じ。
ニルヴァーナではメンバー(というかカート)を絶望させたブッチ・ヴィグ
プロデュースも、スマパンでは(ビリーとの共同プロデュースですが)
吉と出たようで、次作でも引き続きブッチとビリーの体制は継続。


売り上げも言うほど悪くはありませんでした。だけどタイミングがある意味、最悪でした。
「聴く価値なし、将来性なし」と欧米のプレスにけちょんけちょんに貶されたり、
オルタナ/グランジムーヴメントに居るバンドのひとつに過ぎないとみなされたり、
果ては後からリリースされたはずのニルヴァーナの「フォロワー」扱いされたり。
当時、レッチリ・ニルヴァーナ・スマパンの3組でツアーをしていたそうですが
ニルヴァーナとスマパンがどうやって一緒に過ごしていたのかが結構気になります。
このツアーについて、レッチリのアンソニーの自伝「スカー・ティッシュ」で
少し述べられていますが、ニルヴァーナとスマパンの仲については特に記述がありません。
アンソニーの中ではニルヴァーナ>>>>>>>>>>>>>>スマパンで、興味が余りなさそう。
まぁ、当時のスマパンは前座のようなものだったし、
カートは「カリフォルニケイション」の歌詞にも登場するほどの寵愛っぷりだし。
真相は本人達の中といったところでしょうか。

ビリーの悲劇はこれだけでは終わらず、
当時、コートニー・ラヴと交際していたビリーですが、ニルヴァーナのブレイクに
目を付けたコートニーは、より見込みのあるカート・コバーンの元へと。
(因みに、コートニーがビリーの前に付き合っていたのは、
ジェーンズ・アディクションのギタリストで、一時期レッチリにも参加したデイヴ・ナヴァロ)

gish2
「スキンヘッドのコワモテ」なイメージが強すぎるビリーですが、髪を伸ばしている
こんなアップの写真では、実はなかなかハンサムだということが判明。
清楚なダーシーも可愛い。
因みに、この時期の、ジミーのロングヘアもけっこうなプレミアものです。


「クソー!よくもよくもよくもよくも!」と、涙を落としながら地面に拳を叩きまくって
悔しがるビリーの姿が目に浮かぶよう・・・
まぁカートのその後を考えると、コートニーとは別れて正解だったと思いますが、
ビリーじゃなくてもこのシチュエーションは辛い、悔しい!
コートニーとのことはともかく(?)、この辛さ、悔しさのフラストレーションが
次作への大きなエネルギー源になるのです。
いよいよ、羽ばたく時がやって来ました。だからどうか泣かないであの日のビリー!



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James Iha:その2 Look To The Sky「14年振りにイハが戻ってきた!前作の美しいメロディはそのままに、ドラマティックに広がる世界」

まさかこんな記事を書ける日が来るだろうとは、
James Ihaジェームス・イハ)の1stソロアルバムの記事
書いたときには思ってもいませんでした。
正直、あれが最初で最後のソロアルバムになるのだろうと覚悟していたから。
ただよく見るとその記事って2月に書いたもので、もう少し下調べしていたら
新作2ndがリリースされる情報は得られたはずで・・・
当時の調べの甘さを痛感させられます。すぐに追記したんですけれども。
いざ購入してからもちょっと寝かせすぎちゃったかもしれないんですが
満を持して書きます、14年振りの2ndアルバムLook To The Sky」!
あぁ、嬉しい。

14年前、1stソロアルバムをリリースした頃のイハ。
James Iha 1st Album
当時、ソロアルバムを制作した動機として「スマパンで日夜、轟音を鳴らすのに疲れたから」
と語り、出来上がった作品はシンガー・ソングライター然としたアコースティック・アルバム。
「きみとぼく」が主人公のラブソングが中心の、内省的で朴訥とした世界観が特徴でした。
少し頼りないイハの歌と、さらりとしたアコースティック・ギターに、必要最小限の装飾を
まぶしたシンプルなアレンジ。いいメロディが詰まった、何度でも聴ける名盤でした。
この1stアルバムも新たにイハ監修でリマスターしてリリースされているそうで、
改めてご紹介。前回の記事とはリリース日が違うのに注意。

レット・イット・カム・ダウンレット・イット・カム・ダウン
(2012/02/15)
ジェームス・イハ

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そうして14年の月日が経ちました。画像は本作を引っさげたライヴツアーの様子。
白髪ではないですよ、白っぽい金髪。でももしかしてまさか、白髪染め効果?
James Iha 2nd Album
1stの記事でも軽くその間の経歴を拾ってあるのですが、
バンド活動としてはA Perfect CircleTinted Windowsなどに参加、
プロデューサー・リミキサー・ギタリストとしても書ききれないほど多くの作品に
携わっていて、前回書いていなかったところではThe Yeah Yeah YeahsMichael Stipe
Smashing Pumpkinsスマッシング・パンプキンズ)で最後の一年を共にした
盟友のMelissa Auf Der Maurなどなど。
また、映画音楽も、前回紹介した「リンダ リンダ リンダ」の後、満島ひかり主演の映画
カケラ」を手がけており、この映画は各国の映画祭で話題になっているそうです。
もう少し違った側面からの活動もあって、例えばレコーディング・スタジオを設立したり
レーベルを設立したり(これはもう無いですが)、漫然と14年間を過ごしてはおらず
寧ろ多忙を極めていたと言ったほうが良さそうな幅広い活動ぶり。
さまざまな経験を積んで、40歳を超えて、いまソロアルバムを作るにあたっては
「とにかく色々やってみて、とことん納得のいくものを作ろうって感じ」。

14年越しの2ndアルバムは・・・前作の良いところはそのままに、経験と年齢を重ねただけ
リアリティ、詞や曲の幅広さ、そしてそっと外へと開けたアレンジが加わりました。

LOOK TO THE SKYLOOK TO THE SKY
(2012/03/14)
ジェームス・イハ

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基本的に楽曲そのものは「イハ金太郎飴」とでも言えそうな、前作やスマパンのイハ曲のような
優しいメロディと繊細なヴォーカル。
でも展開がドラマティックな曲も多くなっていて、そこで印象が随分違ってきます。
イハと共同でプロデュースを務めたネイサン・ラーソンは映画音楽に多く携わっており
そこにイハ自身の映画音楽の経験も重なって、「映画みたいな風景」がときどき見えてきます。
#3,#8,#10のようなエレクトリックな音を多く用いた高揚感あるアレンジは、
前作にはなかった新しい魅力で、3曲とも全てアルバム内でハイライトとして位置づけられます。
とりわけ#10「Speed Of Love」は豪華なプロダクションに、ときめきの高揚を感じさせる
躍動感溢れる楽曲で、イハのヴォーカルにもいつもより熱がこもっています。
#3「To Who Knows Where」の、イントロやサビの高みと抑えめな中間部分との
メリハリを大きくつけながら続く、少しノイジーで80'sテイスト混じりなアレンジも気持ちいい。
今年の夏はフジロックに出演するイハですが、そんな場面でもみんなで盛り上がれそうです。
「夏フェスでも盛り上がれそう」なんて、前作のイハからは考えられなかった展開。
静かな曲も相変わらずよくて、本編を締めくくる#12「A String Of Words」は
隠し味のシタールに似たサウンドも効いた、眠りを誘うも華やかなアレンジが綺麗。
前作で深く愛された「シンプルなメロディの美しさ」は変わらず基盤に置くも、
前作よりも作り込んだ、多彩な、いまどきのプロダクションが
楽曲を鮮やかに引き立てます。


また、本作に関わったメンバーの多くは、イハの友だちか、友だちの友だちなのだそう。
例えば#1にバッキング・ヴォーカルで参加しているThe Cardigansカーディガンズ)の
ニーナはネイサンのパートナー。最近「ドラゴン・タトゥーの女」のテーマソングでも話題の
The Yeah Yeah Yeahsヤー・ヤー・ヤーズ)のカレンO&ニック・ジナー(#9に参加)
との縁は前述の経歴紹介の通り。
なんだか、イハの人柄が感じられます。
この記事を書くにあたって&リリース当時の雑誌やネットインタビューなどを読んでいて
思わずにはいられなかったのは、イハという人は、その辺の日本人より「日本人の美徳」を
良い意味で漂わせている人なのだなぁということ。
慎み深く、冷静で、人と人との繋がりを大切にして、過剰な自己アピールはしない。
イハの1/4に流れる日本の血が無意識にそうさせるのか、意識してそのようなメンタリティを
築いていったのかはわかりませんが、他の洋楽アーティストの言動と比べて印象に残る点です。
悪い意味だと「押しが弱い」「ちょっと地味」となり、欧米の価値観の中で、あるいは
音楽エンターテインメントの世界でそれがややマイナスに働いている部分はあるのかも
しれないけれど、これだけ長く、幅広い分野で、各国で活躍することができているのは
その謙虚な人格がやはり功を奏しているのではないでしょうか。
彼のこのような人柄がそことなく、本作でも楽曲に見え隠れしています。

それにしても、日本盤解説でも書かれていましたが、イハってとんでもないロマンティスト!
「彼の中には無垢な少女が住んでいるのではないか?」だって。
アルバムタイトルのフレーズ「Look To The Sky」が歌詞に登場する#1「Make Believe」の
歌詞なんてこんなふうです。

君は髪に星を飾って 突然やってくる
君は呪文を唱えて 風に浮く
驚かせて 長すぎる間 僕は寝ていた
一目でも見たい 長い間 ずっと僕は待っていた

空想と遊び
舞い降りていく
僕と一緒に居れば

君にぎっしり詰め寄る
君をゆっくり裏返す
手は疲れた
君の心は傍に居る

光の速さ
煌めき輝く
息をしようとしながら
信じて 僕を信じて


この歌詞を書いた人が女性だと言われても信じてしまうだろうほどの甘さ。
初めて詩人の銀色夏生さんを知った時「何てロマンティストな男性なのか」と思っていたら
実は女性だったわけですが、それの逆バージョン級の叙情性です。
そして最も特筆すべきは、これを40過ぎのオッサンが書いたという点なのですが
あまり深く考えないようにしましょう。

元の歌詞が美しいものだから必然的にこうなるのでしょうが、訳詞が素晴らしい。
日本盤を手に入れた人は、是非、訳詞片手に味わって欲しい一枚です。
#2「Summer Days」のサビなんて、詩人がさらりと書いた一篇のよう。

夏の日々はやつれていく
朝の微風が夢に閉じ込められて
声が聞こえてきて 取り付かれる
光の中で迷いながら
君の薄れる光の中


春にリリースされたアルバムなのに、初夏があまりにもよく似合う歌詞が多いのは
なぜなんでしょう。よく夜空の星を見上げているし。いま記事を書いて正解だったかも?

そして前作では見られなかった、シニカルな人間観察眼が光る歌詞も3曲ほど。
とりわけ#7「Appetite」はキャバレー音楽を意識したものと、曲調も異色。
「とにかく色々やってみる」実験精神はこういった側面からも盛り込まれました。

前作での「きみとぼく」の純真な幻想世界から、ほろ苦さもある日々のリアルのうちの
ロマンティシズムへ。綺麗なものも汚いものも混然と存在する現実世界の中に居ながら
ある日ある時見つけ出した甘く切ない風景、止められない誰かを愛しく想う気持ち。

前作が理想郷なら、本作は毎日持ち歩くお気に入りのペンケースのようなアルバムです。
ちょっと蓋の裏側を開けると、澄み切った夜空の星を集めておける仕掛けつきの。

「前作と同じような曲しか出てこない時期があり、その間はソロアルバム制作から離れた」
「前作と同じようなアルバムにはしたくなかった」と語るイハ。
根負けして待つのを諦めて去ってしまった人も多いでしょうに、この人は自分のペースや
作品のクオリティにあまりに実直。しかしそれでこそもう一度、新しいところから
マスターピース作りをやり直して、見事達成するあたり、何と芯の強く、ブレない人。
「次作はまた14年振りってことはないと思う」とのことなので、本作を1stと同様に
大切な一枚として聴き続けながら、マイペースに作られるであろう次作を待ちましょう。
年齢を重ねても錆びない、上品なロマンティシズムの健在をも期待して。




おまけ。
James Iha funny shot
本記事に掲載するためにイハの画像を探していたら、3~4つくらい、このような白目剥きの
イタズラ(グロ?)画像が登場して、可笑しくてしょうがなかったので載せました。
次回からはいよいよスマパンの連載なんですが、メンバー4人で居るときもこの手の変顔や
お茶目な格好が目立ちます。なるべく4人平等にピックアップしたいので、イハ単独の名場面は
とりあえずこちらに。
流石に本作のように壮年になってからは、イタズラは控えているようですが。
・・・うわぁ、積み上げた記事の流れが全部台無しだ!


おまけのおまけ
とりたてて時事ネタをこの数日中に書いたわけでもないのに、これまでの蓄積が
一気に報われ、突然のランクアップに嬉しい悲鳴です。
日記 4832位 (昨日:6606位) / 781771人中
その他 1483位 (昨日:1922位) / 101335人中
更新日時:2012/06/23 08:27 と、自己最高ランク2位なんです。
1位の時は全体の人数が今より少なかったので、実質今が1位かも。
感謝。この一言に尽きます。



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James Iha:Let It Come Down「力まず、心地良く、人懐っこく。日本人顔した地味な奴の、何度でも聴きたくなる珠玉の名盤」

唐突に、「スマッシング・パンプキンズのメンバーをあげろ」といわれたら、
あなたはきっと、こういう順番で挙げるのではないでしょうか。
1:ビリー・コーガン(Vo&Gt)ほぼ全ての楽曲を作り、ギターソロも上手なスキンヘッド
2:ジミー・チェンバレン(dr)90年代を代表する凄腕ドラマー!ヤク絡みで一度脱退してたっけ
3:ダーシー(ba)紅一点ベーシスト。女性はアイコン、男性はハァハァ。後任のメリッサもいい女
4:誰だっけ?あぁ、確か、日本人顔した地味なギタリストがいたような・・・

えーと・・・今回は、その「日本人顔した地味なギタリスト」
James Ihaジェームス・イハ)が作った
現時点で一枚きりの、素敵なソロ作を紹介したいと思います。
イハはおじいちゃんが沖縄人。「いは・よしのぶ」という日本人名も持っていたりします。
スマパン解散後は、自らのルーツである日本での活動がぼちぼちあって、
Charaや湯川潮音などとのコラボ、映画「リンダ リンダ リンダ」のサントラ、
さらにはBEAMS系列でアパレルブランドの展開と、なかなか多彩です。
本業の音楽活動では、「The Perfect Circle」というバンドに加入して
ツアーにも出ていたようですが、今も続いているのかな?


本題に入る前に、一瞬だけ、スマパンのアルバムのジャケを幾つか
思い出してみてください。
夢見がちで可愛い2人の女の子(ちみっ子)、SFタッチの童話に出てきそうな若い子、
ゴシックな佇まいで下からこちらを見上げる美しい女性・・・どれも神秘的で、少し意味深。


そんなアルバムが立て続けにリリースされたちょっと後に出たソロが、これですよ。

レット・イット・カム・ダウンレット・イット・カム・ダウン
(2012/02/15)
ジェームス・イハ

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何でしょう、この神秘性のかけらもなさは(笑)
カーディガンズとかのジャケに使われそうな、ポップでちょいチープなデザインに彩られ、
普通の青年が普通の服着てただ写ってる。(でもよく見ると、3Dカラーの先駆けしてる!)
やっとのことで見つけ出した時の、脱力感といったらなかったですねぇ・・・


しかしこれがクセになるなる。捨て曲ってないんじゃないかなぁ。
個人的オススメトラックは#1、#4、#6、#11、ボーナストラックの#12ですが
でも全部いい!
イハ自身「スマパンで連日、轟音を鳴らし続けるのに疲れて作った」と語るとおり
アコギ中心で作られ、全編でイハの丁寧で繊細なアコギを堪能できます。
楽曲は一貫して、ゆったりしたテンポ、繊細で美しいメロディ、スウィートなムード
スマパンでも時々、轟音の中に繊細さ、甘み、柔らかさが表出する場面がありますが
その「繊細で甘くて柔らかな部分」がたっぷり詰まっているのが本作です。

今書いた「繊細さ、甘み、柔らかさ」が、解散前最後のアルバムでは感じられず
轟音は復活したものの、どこかかたくなで、口当たりが悪くなってしまったという印象を
私は持ちました。実質ビリーの独裁体制のアルバムだと聞いて、確かにビリーは凄いけど
イハの要素って、結構重要な風味だったのになぁ、って、残念に思ったものでした。

バンドのメンバーのソロ作は、ついついバンドの作品を引き合いに出したくなりますが
ジョン・フルシアンテの時と同様に、この人の作品も、なるべく、
「バンドのことは忘れて」楽しみたいものです。
なぜなら、それだけの価値が、本作にはあるから。
また、バンドとは全く違ったベクトルの魅力が、溢れているから。


Let It Come Down」は、スマパンぽい部分と、全くらしくない部分があります。
スマパンぽさを感じたのは、先程まで書いた「繊細さ、甘み、柔らかさ」。
そして、「らしくない」つまりは「イハらしさがよく出た」部分もかなりあって、
その「イハらしさ」こそが、本作が飽きずに何度でも聴きたくなる理由だと思います。

ひとつは、「力みのなさ」。
リラックスして楽しんで歌って弾いているんだろう、と想像できる演奏です。
正直に言って、イハの歌はお世辞にも「上手!」といえるものではありません。
でもそれがかえって味になっている。
自分の声をよく理解して(朴訥としているけど、地声も裏声も綺麗に響く、いわゆる「ええ声」)、
無理せず歌える音域・メロディーを選んで、力まず歌っているからハマるのでしょう。
アレンジもシンプルに、必要最小限な音だけ選んで、その「音」のひとつひとつが
テクニック自慢や緊張感を一切盛り込まず、ふんわりさりげなく奏でられているのが
大事なポイント。

もうひとつは「爽やかさ」。
ほぼ全ての曲がメジャーコードの明るいタッチの曲で、
全体がさらりとした繊細なアコギで紡がれ、そこにつまびくようなエレキが絡み、
透明感のあるコーラスが歌に寄り添い、所々にクラップなどのアクセントも加えて。
空は晴れていて、そよ風がたなびいていて、青々とした草花が風に揺られ・・・
そんな牧歌的な情景が浮かぶほど、心地良くなってきます。

「繊細で、メジャーコードメインで、少し拙い歌がハマって、心地良くて」というと
ジョージ・ハリスン(この人も立ち位置が何かとイハとかぶる)の名作ソロ
「All Things Must Pass(オール・シングス・マスト・パス)」が浮かび、
どちらもお気に入りで、聴いていてちょっぴり似た印象を受けましたが、良い意味で違います。
「All Things~」は神々しく、空高くそびえ立つ建築物のようで、「偉大」という感じ。
空の上から、不器用な神様が、キラキラと宝石のように輝くパンを降らせ、
飢えた民のお腹を満たし、民は神の恵みを享受できることに感謝の祈りを捧げる、みたいな。
(聖書のエピソードです。ジョージはヒンドゥー教徒なので、適切な例えじゃないかも・・・)
対して「Let It~」は、そこから神々しさや仰々しさを一切取り除き、
優しさや美しさはそのままに、新たに親しみやすさ、なじみやすさを加えた感じがします。
青い空を見上げながらぼんやりベンチに座っていると、気がつけば自分の隣にイハがいて、
アコギ片手に歌ってくれて、楽しくなって自分まで一緒に歌い出しちゃうような。
この「親しみやすさ、なじみやすさ」も、イハらしさの重要な項目ですね。


本作をモノに例えるなら、履き古したお気に入りのジーンズ
あちこちボロボロで、擦り切れていて、高級ブランドの品ではないんだけど
よく見ると、素材や縫製やデザインや製造工程にかなりこだわっていて、
自分のからだにほどよくフィットするので、ついついヘビロテしちゃうような。


リリース当初は「ソロ2ndも作るつもりだよ」って言ってたはずなんですが
あれから10年以上の月日が経ち・・・。
まだかなぁ・・・
もうやる気ない?そんなこと言わないで!
楽しみにしているリスナーは、まだまだいるんですよ~。




F1記事に疲れ、別件で調べ物が山ほどあって、FCブログをしばらく開けずにいたんですが
久々に来て、アクセス解析を見たら、大分前に書いたジョン・フルシアンテの記事が
検索で結構見にきてくださっていることがわかり、一生懸命書いたかいがあった!と歓喜しました。
F1記事でweb拍手を頂いた時も嬉しかったなぁ。反響があると、やりがいを感じますよね。
よしっ、これからも(まったりと)コツコツ、良い記事目指して書いていくぞー!
読んでくださった方、ありがとうございます。気が向いたらまた遊びに来ていただけると嬉しいです。


※追記(2012/2/14)
なっなんと、イハの2ndが出るって!
やったァァァ!辛抱強く待っていた甲斐があった!
本当は、諦めかけていたんですが・・・
ともあれブラボー!!!



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プロフィール

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Author:燃える朝やけ
・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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