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シガー・ロス:その4.4 inni「親しみやすくて気高くて、圧倒的な音像が広がる・・・ベスト・アルバムとしても必携盤の完全ライヴ・アルバム!」

出世作となった1999年の「Ágætis byrjun(アゲイテスト・ビリュン)」から
当時の最新作、2008年作「Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)」
までの音像を一望できる、Sigur Rósシガー・ロス)のライヴ・アルバム+DVD
inniインニイ)を聴きました。
アルバムは2枚組で、驚くことに、1時間45分・全15曲あったライヴを
まるごとそのまま曲順も同じでパッケージしてあるので、臨場感が半端ない!
時期は丁度、4年間の活動休止期間に入る前の、最後の「残響」ツアーです。

インニイ(DVD付)インニイ(DVD付)
(2011/11/02)
シガー・ロス

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「残響」を作った時点で、もう彼らの未来は「ここから先」であって、
「アゲイテスト・ビリュン」や「()」のような、かつてシガー・ロスの音とされた
ローファイな幻影世界の住人となることはないのだろうか、それらの時代は
過ぎ去った黒歴史になるのだろうか・・・と、あの世界が(も)好きな者としては
寂しさと共に諦めがあったのですが、ものの見事にその懸念は打ち砕かれて、
希望~安定への境地へと入りかける「Takk...」「残響」からの選曲が中心ながら
要所要所でかつてのローファイでアンビエントな闇に引きずり込まれる。
どの時期も幅広く好きな私にはセットリストそのものが宝物のようです。
演奏は言うまでもなく素晴らしいし、ベスト・アルバムとして聴いても全く遜色ない作品
だと感じます。「()」や「Takk...」はCCCDだったので、私はこれを保存盤にすることに。

DISC1の#2「glósóli」のあのあふれ出るような多幸感、一転して#3「ný batterí」の
多感で絶望的な響き、そのどちらもが同じだけ胸一杯にカタルシスをもたらし、
聴いていて感動のあまり涙を禁じ得ず…
もともとオリジナル音源で親しんでいる楽曲達なのに、新しく出会ったばかりのような
フレッシュさと衝撃をこのアルバムで得ることができます。
それで且つ、イントロが流れてくると一発で曲がわかる、更に収録アルバムまでも。
この「親しみやすさと気高さの両立」はなかなかすごいですよ。
inni.jpg
本来ならセットだった、「ライヴ?PVでは?」と見紛うほどの芸術的なライヴ映像を収めた
というDVDを今回観られなくて残念!
彼ら、今年は武道館にも来るといいますね。ああ、東名阪に住んでたら・・・・・・

そうして、何度も耳を傾けていると、今まで見えてこなかったバンドやオリジナル音源の
いろいろな側面が浮き彫りになってきます。

一般認識としては、ボウイング奏法で奏でるディストーション・ギターと
ファルセット・ヴォイスの両方がバンドのシグネイチャー・サウンドになっている
名実共にバンドの顔のヴォーカリスト、ヨンシー・バーギッソンが中心で
あとは+α、っていう印象のあるバンド。
でもこのライヴを聴いていると、「アゲイテスト・ビリュン」から加入したキーボーディスト、
キャータン・スヴィーンソンの存在が、実は対となるほど大きいのでは?と感じます。
普段のアルバムだとヨンシーの声やギターにどうしても耳がいくのですが、本作では
KeyやSynが(音量含め)思いの外目立って聴こえたためです。
なにもこのライヴだけ特別なアレンジをしているわけではない(アレンジを楽しむ後半の
DISC2収録曲はまた別ですが)ということは、これまでもKeyやSynが大きな役割を果たしてる。
ということは、キャータンって「音作りにおける影のリーダー」ぐらいのイニシアチブを
これまで、とってきたのかも。
「残響」ではピアノやオルガン(のような音のシンセ)がアレンジで目立つし、
それ以前では、ヨンシーのディストーション・ギターが空気中に突き刺さるように響くのを
取り囲む霧のような「もや」で、あの幻想的なサウンドスケープに貢献しているし。
こうやって聴いていると彼らの音楽ってクラシカルにも感じられるけれど、そういえば
キャータンはそういった本格的な音楽教育を受けてきた人だったものなぁ、と。

Polarlicht_2.jpg
こちらは、以前Wikipediaのトップページを開いたらいきなり掲載されていた
(最近「きょうの一枚」というコーナーができたようです)オーロラの写真。
シガー・ロスの面々が生まれ育った、アイスランドでは日常的にみられる光景で、
私が彼らの音楽からいつも感じ取ってきたのは、そして魅了されてきたのは
こんなふうな、自然と幻想が交錯してできる、美しくて圧倒的な眺めなんです。

表の主役がヨンシー、裏の主役がキャータンなら、
彼らをアシストしながら巧みに自己主張している二人も忘れてはなりません。
DISC2の#5、つまりライヴの締めを圧巻の演奏で飾る「()」からの「popplagið」は
いわゆる「音の雪崩」が大爆発、「バンド」ならではの骨太さがたまりませんが、
このような起伏の激しい楽曲では、オーリー・レイソンの力強いドラムが
「俺はここだ!」と言わんばかりに炸裂、曲がガッと盛り上がっていきます。
「ポストロック」「シューゲイザー」のバンドということで頭脳派なイメージの
シガー・ロスにあって、「脳筋」(失礼)的なストレートなアプローチ。
彼のドラム・ヒーローにはありゃ間違いなくボンゾがいそうです。
そして、主張の強い3人をまとめる控えめなベーシストのゲオルグ・ホルム
DISC1の#3、寒風のSE、ヨンシーのディストーション・ギターの嵐が過ぎたあとから
曲の本編が始まりますが、はじめ「ギター?」と聴き紛うような音色で、丁寧に繊細な
調べを奏でており、物語の始まりにふさわしい「静寂」がとても引き立ちます。
DISC2の#3「Hafsol」でひたすら、今度は力強い音色をかき鳴らし続ける「はじまり」も
縁の下の力持ちによるとても美しい仕事のひとつ。他の音に埋もれても問題じゃありません。
90~00年代のバンドにしてはベースが目立たない気もしますが、それは普段私が、Baの大きな
音楽ばっかり聴いているせいでしょう(笑)
inni2.jpg
ヨンシーはもはや書くに及ばず、CDと遜色ない名演を、歌うほうでも弾くほうでも
惜しみなく披露しています。しかしそれまでの曲と「残響」でのヨンシーの声って
全然違いますね。声が嗄れながらあえて叫んだりもしているし。
中低音が中心の曲も多いので、印象まで変わる。本当、「残響」とそれ以前って
別物だと感じていたので、今回のライヴで(DISC2の#2など)「残響」の楽曲のなかに
それ以前の曲にあった、風土と攻撃性を感じさせるあのシグネイチャー・サウンドを
盛り込んでくれたのは個人的に感無量でした。


・・・と、こんな風にメンバー一人一人の個性まで色濃く感じられるところまで
聴きこんで、調べたりもして理解を深めていたところへ、残念なお知らせが。
http://www.emimusic.jp/intl/sigurros/news/
キャータン脱退&新作ティーザーVIDEO!!! (2013.01.25)

バンド側から正式にメンバーのキャータン(key)が脱退し、現在3人で活動していることが発表されました。
そのことについてはバンド側のコメントは
「キャータンはバンドから脱退した。キャータン曰く、人生の半分をシガー・ロスと過ごした。そろそろ違うことをする時だ」と語っています。
また、この脱退は喧嘩別れではなく、平和的だった」とのこと。
別のコメントでは彼は‘しばらくの間’バンドからいなくなる、とまた彼が戻ってくる可能性もあることを示唆しています。
キャータンが去ったことでサウンドの変化はあるが、それは彼がいなくなったことというだけではなく、シガー・ロスは常に進化し、面白いものを作っていこうとしているから」と語っています。
キャータン自身もソロ・プロジェクトを開始しているそうです。

中盤で書いたようにキャータンのバンド内のポジションがポジションだけに、
キャータンが加入してから音楽性が向上して売れたという功績もあるだけに、
心配なのはやはり今後の方向性ですが、今はメンバーそれぞれ(ヨンシー以外の二人も)
ソロ活動も経験していたりと、逞しくなっているはず。
次作までまたブランクが空きそうですが・・・でも、また、魅力的なものを
作ってくれるでしょう。それまで我々ファンは、のんびりと待っていますよ。




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映画「たまたま」感想+ヨンシー&アレックス「Riceboy Sleeps」

以前、シガー・ロスの連載記事を書いているとき、こんな映画があるのを知りました。
蒼井優ちゃん主演、シガー・ロス主題歌の映画「たまたま」。

たまたま [DVD]たまたま [DVD]
(2011/12/21)
蒼井優、森山開次 他

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記事の中で触れられればとも思ったのですが、本作のDVDを見つけていなくって、
時間もなくて、なおかつCDの感想・レビューだけである程度、尺が埋まったので
「またそのうち」と、気にはなりつつ眠らせていたんですが、
先日DVDレンタルショップに行ったら、たまたま本作を見つけてしまい、
しかもたまたまその日が準新作半額の日だったので、たまたまじゃなくレンタルしてきたと
いうわけです。
ネットの記事では「オールアイスランドロケ」って書いてあったはずで、それにも惹かれて
すぐに飛びついたのですが、あれ、アイスランドじゃなく、アイ「ル」ランド・・・!?


物語はちょっとした寓話。監督の小松真弓さん曰く「ファンタジー」。
蒼井ちゃん演ずる女優が、女優の仕事についてインタビューされている場面で始まり、
色んな作品に出演してきたようですが、舞台も相手役も明らかに日本(人)じゃない。
女優の仕事のやり甲斐を語りながら、相手に自分の考えや気持ちを伝えることの難しさ、
そして「伝えること自体がしんどくなって、めんどくさくなって」いった日々に言及するうちに
ある日、一人湖で舟に乗っている時、舟が転覆して、湖に溺れて、
気がついたら一人で異国に漂流し「あの日、水に濡れて、その後もう何が何だかわからなく
なって
」いる場面から寓話の表紙がめくられていきます。

誰も居ない海辺から、霧がかった山沿いの街に辿り着いて、色々な家を訪ねるけれど
「これは私のじゃないわ」「僕のじゃないな」と皆にはねのけられる上、人々はモノのように
女優を触ったり扱ったりします。
ふとしたきっかけで、ある少年に気に入られ、少年は大事に集めた綺麗な石ころたちを女優に
見せてくれます。自然のような石、人間の顔のパーツのような石、太陽のように輝く石。
少年は「よーくみていると、いろいろなものがみえてくるよ」と。女優はそれに見入ります。
一晩何となく少年の住み処においてもらいますが、「どこからきたんだろう。わからないや」
そう言って部屋の世界地図や地球儀を見る少年。女優も地図を見ます。日本を見て、
そしてアイルランドを見て訝しむ。いま自分が居る場所がアイルランドだと感づいたようです。

一晩開けて、女優と少年が歩いていると、草むらで老人が「紙をくれよ!お金をあげるから」と。
「あげないよ!」「お金じゃ買えないんだ!」「そのお金でふけばいいじゃないか!」
少年は老人に怒り、お尻ふきにされそうになった女優をかばって二人で逃げ出します。
女優は紙なのか?
少年と離れ、一人で街に戻ると、電話代が足りない男性が女優を手に取ろうとしますが、
女優は風のようにはぐらかします。女優はお金なのか?
切手コレクターの集まりに女優が紛れ込んで、色んな切手や古い手紙を眺めていると、
「ずいぶん遠くから来てる!」「珍しい!」と、コレクター達に詰め寄られてしまいます。
女優は切手なのか?
そのうちにお祭りが始まって、大きな頭に大きな体の張りぼて人間たちのパレードや、
民族衣装を着た少女たちの踊りに楽しむ女優。しかし不意に水に濡れたときの記憶が
フラッシュバックし、女優はお祭りから逃げだします。
「私、何やってるんだろう」「私って何だっけ」

真夜中。森山開次さん演ずる「アメ男」が女優の前に現れて、華麗なダンス。
ジャンプして空中を掴んだら、色いろなアメ玉がその手の中に出てきます。
街の人々の様々な気持ちが空中に漂っていて、それを掴まえたら、アメになるんだとか。
女優も同じように試してみますができません。そうしたらアメ男はこう言います。
君にはできないよ。選ばれた人にしかできないんだ。そして君はべつのことをするために
選ばれた人。みんなべつのことをするために選ばれた人

アメ男が女優の髪をすーっとなぞると、蒼いアメが。「不安の色、さみしい色」
そしてカラフルなアメ玉のなかから、アメ男は黄色の、スーパーボールのようなアメを
女優にあげます。「希望の色です。あげる!」と言って。その色は、あの親切な少年と見た
太陽のような色をした石ころにそっくり。

また夜が明けると、女優は道ばたに倒れていて、頭上に怖い顔をした中年女性が。
「あなたのことを待ってたのよ」「伝えてくれなきゃわからないじゃない!」
少年二人が通りかかり、「旦那に逃げられたヘビ女」だと言ってからかって通り過ぎます。
女優は、何か放っておけない様子。
木陰で化粧を直すヘビ女と、にっこり笑顔で隣に座る女優。
女優は、アメ男からもらった「希望のアメ」の半分をヘビ女にあげます。
太陽の石ころと、希望のアメと、ヘビ女の言葉と、水に濡れた記憶の映像が交錯する後、
ヘビ女は川面を見つめながら淋しそうに「もういいわ」「あの人もあなたのように、
誰かのそばにいてあげてるのかもね」「優しい人だったのよ」と独りごちた後、女優に
あなたを待っている人がいるのね。はやく行ってあげなきゃ。待ってる人のところへ」。
ヘビ女と別れた夕暮れどき、女優は清々しい顔で、自分の役目を悟り、受け入れます。
私の会いたい人は、私の笑顔を見て、何と言うだろう

「ある日、遠くからでもわかったんです。」女優は古い民家にたどり着きました。
食器棚に使われていないたくさんの食器。アコーディオン。壊れたラジオ。止まった掛け時計。
だれもいないその家で、女優はもう半分の希望のアメを口に含みます。
アコーディオンを弾く優しい顔のおじいさんの横で、椅子にそっと佇む女優。
おじいさんは本当に本当に嬉しそうに、女優の感触を確かめ、にっこりと微笑みます。
女優もおじいさんを見つめて、にっこり。
そうしてふとおじいさんが気づいたら、目の前には笑顔のマークを描いた紙と手紙一式。
呆然とするおじいさん。そしておじいさんの姿も、いつのまにか部屋からいなくなって。
あなたはちゃんと、伝えてる?
何年何十年かけて、相手に届く手紙が、世の中にはあります。
それもまた、たまたま



さあ、この女優の正体は、一体なんだったのでしょう?
蒼井ちゃんの衣装も「それ」っぽい気がしますね。
映像で観ているとちょっと分かりにくくて、二度観してようやくはっきりわかりました。
そして、この寓話は、女優が演じたドラマや映画の一つなのか、それとも彼女の人生の
あるひとときを切り取ったものなのか?
あえて謎のままで残している感じもしますが、ぜひ実際に観て考えてみてください。

エンディングで流れるシガー・ロスの音楽(アルバム「残響」の2曲目。アルバムより長い
フルバージョン)になんだか不思議と泣けてきました。
劇中の音楽も、シガー・ロスかアイスランドの後輩が手がけているのかと思ってしまうほど
深みがあって、たおやかで、神秘的。
アイルランドの美しい自然や、特有の雰囲気をもったお家、風土の空気感まで伝わってくる
淡くぼかした画面、石ころやアメ玉やアメ男のカラフルな色遣いが視覚に心地良く響きます。
トレードマークの無添加眉を整えて、シンプルでスタイリッシュな衣装を身にまとった
ちょっと大人になった蒼井ちゃんの佇まいも可愛い。
一時間程度の短い映画ですが、やすらぎたい休日のひとときにぴったりでした。

さて、シガー・ロスの音楽を主題歌にしておいて、なぜ「アイスランド」ではなく
「アイルランド」が舞台になったのかって?
蒼井ちゃんと小松さんが電話で「どこかへ行こうよ」と話していて、そのなかで
ビョークがアイスランド政府からもらった孤島に建てられた家が可愛いことや、
シガー・ロスのPVが格好良いといった話をしていたけれど、アイスランドと思いながら
たまたま、アイルランドとごっちゃになってしまったのが由縁なんだとか。
伸びやかで表現力豊かなダンスで魅了してくれる「アメ男」を演じた森山開次さんは
世界的に活躍する舞踏家で、蒼井ちゃんが以前から共演してみたいと思っていた人だったり
本作の音楽担当の高木正勝さんはシガー・ロスの来日時のオープニング・アクトを
務めていたりと、奇跡的な出会いのエピソードがたくさん重なった映画でもあります。
人と人、出来事との「たまたま」な出会いの素晴らしさ。思いを伝えること。
そんなテーマでつくられた、大人のためのおとぎ話です。


映画「たまたま」とは「ヨンシー」というキーワードのみの関連ですが、
たまたま先日聴いた「Jonsi & Alexヨンシー&アレックス)」というプロジェクトの作品
Riceboy Sleepsライスボーイ・スリープス)」の感想を簡単に述べて終わります。

Riceboy Sleeps (Dig)Riceboy Sleeps (Dig)
(2009/07/21)
Jonsi & Alex

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このコンビは、ヨンシーのソロ「Go」をつくったふたりなのですが(詳細はヨンシーの記事へ)
「Go」の前から、ヴィジュアル作品集や展覧会などの映像での活動を展開していて
しばらく経ってから、音楽活動として、本作をリリース。
ヨンシーのソロより、シガー・ロスの音楽のほうに近い印象です。
シガー・ロスの楽曲の、イントロ部分の静かな盛り上がりが、ヨンシーが歌い出さないまま
ずっと続いている感じ。シガー・ロスを聞き慣れていると「じらされ」感が初めは凄いのですが
何度も聴いていると慣れてきます。
リラクゼーションCDでもかけているかのように心やすらぐ、やさしくて美しい音楽。
静かな海に還っていくような感覚。夜眠る前のゆったりとしたひとときに、どうぞ。



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ヨンシー:Go「こんなヨンシー見たことない!エキサイティングでとにかく楽しい、めくるめく虹色のワンダーランドへようこそ」

シガー・ロス「残響」リリース後、バンドのカリスマ的存在のヴォーカリスト、
ヨンシー」ことヨンシー・バーギッソンのソロアルバム「Go」が
2010年に突如、登場。
これがもしかすると、本家よりも面白いんじゃないかというぐらいの仕上がり!

ゴーゴー
(2010/03/31)
ヨンシー

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ソロアルバムの話を知った時は「突如」という印象をもったものの、実は
共同作業者かつ私的なパートナーであるアレックス・ソマーズと共に、
既に課外活動をスタートしていたようでして(「ライスボーイ・スリープス」名義)。
そうした後に、「遂に」出来たソロ作品だったようです。

「ん?アレックスって男の人じゃない?」と疑問をもったあなた、そうなのです、
ヨンシーはゲイであることをカミングアウトしていまして、
「アゲイテスト・ビリュン」の、ある収録曲のPVのテーマは、彼の
「少年期の同性愛へのめざめ」だったりします。
「アゲイテスト・ビリュン」の記事で「自分の中にある残酷な自然の発見~受容」とも書いたのは
そうした含みをぼかしたものでした。
シガー・ロスの音楽がときに陰鬱なのは、もしかしたらこうした
セクシュアリティに起因する苦悩なんかもあるのかなぁ、などと考えたりもしていました。
そして、「同性のパートナー」との公私にわたる幸せなパートナーシップを臆せず語るなど、
ゲイという属性に対してオープンマインドになれたことが、シガー・ロスや今回のソロ作が
明るく開けた作品になっていったいち要因なのかもしれない
、とも思いました。
異性愛者が彼氏彼女ができてゴキゲンになるのと全く一緒です。
シガー・ロスの回でこうした性的属性について触れなかったのは、彼らがバンドであるのと、
「ゲイだから、ああいうファルセットなんだ」といった偏見の色眼鏡で
彼(ら)の音楽を捉えて欲しくないと考えたからです。


作品は、シガー・ロスが「神秘的」「幻想的」「癒される」といった括りがあるのに対して
このソロではむしろ、とことんEnjoy!しているし、させられるのが特色です。
オモチャ箱のような#1、近未来を連想させてスピード感のある#2、
疾走感が清々しい#4、リズムがスパークして色とりどりの火花が散るような#7など、
多彩な色がぶちまけられたジャケの如く、カラフルでより自由な楽曲でいっぱいです。
ヨンシーはソロ名義でフェスやツアーもするなど、アクティヴに活動していましたが
例えばライヴのアンコールで、こんな格好で登場したり!

ヨンシーのソロライヴ(アンコール)

シガー・ロスの他のメンバーと比べ、ヨンシーは内向的で、目立ったり積極的に喋ったり
するのを嫌う傾向があったと、ファンサイトさんで拝見しました。
それが今じゃこの姿です!ジャケでも堂々、その姿が(横からですが)まっすぐと。
表現に向き合うスタンスの変化が、かなりはっきり窺えます。
また、日本公式ソロサイトから行けるリンク先などで、PVを観ることができますが
#1「go do」では、ビョークすら彷彿させる大胆なフェイスペインティングにヘアスタイル!
#2「animal arithmetic」では、カラフルな紙吹雪が舞ったり、花火が上がったりして
とっても華やかで楽しげ。
そこに相まって「Go」「go do」といった直球の英語タイトルですよ。
「残響」の#11の曲名「All Alright」で、既に英語タイトルが出てはいるんですが
ソロではもっと英語曲名の比率がアップ。
より多くの人に伝えたい!」という、ヨンシーの開けたスタンスがここでも感じ取れます。

聴いていて目立つことは主にふたつ。
まず一つは、カリスマヴォーカリストのソロアルバムなんだから当然かもしれませんが
ヨンシーの歌声が前面に押し出された音作りになっていること。
シガー・ロスでは、ヨンシーの声は歌というより、幻想的なサウンドの一つとして
あるいは他の楽器パートの一つとして、漂っているようなところがあります。
しかしソロでは、歌声の音量を上げて、かつオーヴァーダヴなどの加工によって
ヨンシーの声が堂々、主役を張っています。
そしてもう一つは、弾けるようなリズム
ドラムは打ち込みと生音が混じっているようですが、
叩くごとに、色とりどりの火花が出るような、シャープでダイナミックな音色が特徴です。

全体的に、シガー・ロスより人工的な質感があります。
同じような音を鳴らしていても、シガー・ロスでは温かみがあった音が、
ソロではよりエレクトロニックに響きます。
曲に圧巻されるとき、シガー・ロスでは大自然などが連想されますが
ソロ曲で圧巻されながら連想されるのは、例えば
都会にそびえ立つモダンな超高層ビルディングだったりします。
このように、ヨンシーのソロを形作るサウンドに耳を澄ますことで
シガー・ロスのメンバー4人のサウンドの特色が、改めてはっきりと浮かび上がります。

メリハリをつけつつも、とことん開放的でとことん楽しいソロアルバム。
ヨンシーは「自分がやりたいことを思いきり追求できて楽しかった」と言っていて
ここから、ふたつのことが窺えます。
ひとつは、一般的には「シガー・ロス=ヨンシー」というイメージがあっても
実際はそうではない
こと。4人皆でやっている、あくまで「バンド」であること。
そしてもうひとつは、この5年くらいでシガー・ロスの音楽が飛躍的に明るく
エネルギッシュに変容した一因が、ヨンシーの方向性や心境の変化にある
こと。
ヨンシーはバンドのいちメンバーで、かつ重要なキーマンでもある、と言えばいいでしょうか。


シガー・ロスが苦手だという人にも「これならどう?」と勧めてみたくなるアルバム。
圧倒的な強度と音圧で、カラフルでモダンに色づいた、歌声とサウンドが押し寄せます。
これまで聴いたことのないような低音域から、飛距離とツヤが増したファルセットまで
広大な音の世界を、ヨンシーの歌声が縦横無尽に駆けめぐります。
「Takk・・・」とはまた違った、溢れんばかりのエネルギーや多幸感に元気を与えられ、
更に新たな要素「楽しさ」で、否応なしに心がワクワクと躍らされます。
あまりにも完成度の高い、ヨンシー青年の虹色の大冒険をご一緒に。
エキサイティングでしかも美しい、音のワンダーランドです!



このアルバムが、今夏リリース予定のシガー・ロスの新作にどれだけ影響するかは
わかりません。バンドですから、あまり関連がないかもしれません。
しかし、もし反映されるとしたら、これまで以上に希望に満ちた作品になるに
違いありません。
あるいは、皆で「希望疲れ」して、またダウナーテイストに戻ったりして(笑)
3.11、世界的不況(アイスランドの懐事情はかなり大変なことになっているようです)
など、暗いニュースも色々ありましたし。
でも個人的には、そんな今だからこそ、彼らに希望と癒しの音を鳴らしてもらえると
とっても嬉しいのですが。

ヨンシー(とアレックス)の課外活動、今後もあるのでしょうか。
本作がとっても良かったので、次があるなら期待せずにはいられません。
そのためには、何より、二人仲良くしていてね!
シガー・ロスのメンバー達を忘れない程度に(笑)。



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シガー・ロス:その4 Hvarf/Heim&残響「もう防御壁はいらない。カラフルでたおやかできもちいい、日常に寄り添う音楽の理想郷を求めて」

憂いの音楽から、歓びの発露を経て、
シガー・ロス (Sigur Rós)の音楽は、更に新たな段階に入っていきます。

まずは、未発表曲、シングルのカップリング曲、既発曲の再録から成る
スタジオレコーディング&アコースティックライヴレコーディングの2枚組アルバム
Hvarf/Heim(消えた都) 」の紹介。

HVARF-HEIM~消えた都HVARF-HEIM~消えた都
(2007/11/07)
シガー・ロス

商品詳細を見る

このジャケもいい!2枚組ということで、表側と裏側で画が違うんですが
そのどっちも幻想的で、とっても綺麗。中を開いても、いい!
紙ジャケだから、余計ナチュラル感が出ますね。
表側にしたり、裏側にしたりして、よく飾っていました。

内容は既出曲が主なので、揃えるなら後回しにしてもいいかもしれませんが
前作「Takk・・・」と次作の間を繋ぐ作風となっていて、興味深い作品です。
スタジオレコーディングの未発表曲は、基本的に前作の流れを汲みながら
どこか郷愁が漂う、美しい曲ばかりです。
そして次作の予告のようになった新機軸、アコースティックライヴレコーディング。
「アコースティック」と言うほど、アコースティックな印象を持たないかも。
アコギが中心というよりは、普段お馴染みの音、例えばディストーションギターや
たゆたう幻想的な加工音などのエレクトリックサウンドを省いて、
その合間にある、もう少しナチュラルでクラシカルな音たちが、主役になった感じ。
トレードマークの「幻想的」という色合いは少し薄れて、もっと地に足が付いた場所で
心安らかに、穏やかな旋律に耳を澄ます、といった趣。
幻想的で郷愁がほんのり漂う1枚目、ナチュラルでクラシカルなアレンジに出会う2枚目と
違った彩りながら、どちらもゆったり癒されます。



それに続いてリリースされた、現時点での最新作
Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)」。
日本含め、シガー・ロス史上最高の世界セールスを記録しています。

残響残響
(2008/07/02)
シガー・ロス

商品詳細を見る

もはやあの「轟音の壁」は影を潜め、代わりに幅広い音世界が広がっています。
「Hvarf/Heim」2枚目の「アコースティックライヴレコーディング」に通じる
シガー・ロス流アコースティック。アコギが出てこないわけでもないのですが。

古代の祭祀を想起させる、変則的リズムが耳を惹く#1。行進のような胸躍る#2。
野生の生きものを思い起こさせる、躍動感溢れる#6。
本格的なオーケストラテイストに圧巻の#7。幾層にも重ねられた繊細なアコギが絶品の#8。
凪の海のような静謐さで幕を閉じる#11(日本版にはボーナストラック#12があり)。
・・・と、枚挙にいとまがない、幅広さです。
心なしか、全体的に少しクラシック音楽を匂わせる曲構成になっています。

とりわけ、大きく趣を変えてきたな、と感じるのは、ヨンシーの歌声
ファルセットは健在ながら、地声を用いて中低音で歌う場面が圧倒的に増えています。
以前から地声で歌う場面はありましたが、従来はファルセットの「儚い歌声」が主流かつ
バンドのトレードマークでした。
それが本作では、寧ろ地声歌唱がメインで、高音部の処理としてファルセット「も」使う
というほどの転換ぶり。
しかもその地声の中低音が力強く、これまでの「中性的なイメージ」の枠を超え、
芯の通った逞しい男性らしささえ漂わせる
ようになっています。

アルバムを経るごとに、少しずつバンドの音が骨太に、かつキャッチーになってきたのは
ロックフェスやワールドツアーを沢山経験してきたことが大きいのではないかと思います。
初めは「オルタナティヴ枠」として出ていたのでしょうが
他のアーティストや、フェスの空気などにも影響され、
ロック的な力強さや普遍性に目覚めていったのかも。


本作も「Takk・・・」に引き続き多幸感があるのですが、「Takk・・・」と明らかに違うのは
奔流のように唐突に沸き上がり、自分にはコントロールできないようなものではなく、
もっと地に足がついた幸せであるということ。
今日がいい日であるように、とか、いいことがあって良かったな、とか、
明日いいことがあるといいな、といった、「今が楽しくて幸せ」という身近なもの。
特に後半にかけて、幻想的で静謐な曲が増えていきますが、それも
儚く消えていきそうな幻想ではなく、淡くも確かにここにある風景を描いたという感じ。

ジャケが象徴するように、「この世の楽園」のような理想郷が描かれていますが、
もう、この世ではないところ、即ち幻想と自閉の壁に護られた夢の世界に逃げ込むことは
ないのだろうなぁ、あくまでこの世のこの世界と対峙していくことに決めたんだろうなぁ、

そんな宣言ともとれる音世界です。
メンバーたちも、もうみんな30代。
胎児のように自分の中の理想郷に引きこもっていた少年が、葛藤や発見を経て
大人になって社会に根を張りはじめた、とでも表現できそうな、10年の過程。
彼らと一緒に、音楽も成熟したのでしょうね。
賑やかに始まって、静けさで終幕するという構成のアルバム。
穏やかな日々の何気ない幸せが、彼らの精神に根付いていることを窺わせます。

轟音の壁という防御壁や、ポストロック、前衛音楽といった理論武装はもはや意味を成さず、
今は、どんな人にもきっと感じられる、きもちいい音、きもちいい空気感を伝えるために、
一つ一つの音や曲があるように感じられました。
「つまらなくなった」「刺激が足りなくなった」と不満を訴える層もいるようですが
刺激が欲しいのなら余所に行けばたんまりと味わえます。

カラフルかつたおやかな、きもちいい音楽
現在のシガー・ロスは、私達の平凡な毎日に彩りをくれたり、安らぎをくれたりして
ひとりひとりの日常に寄り添う音楽になりました。

朝、このアルバムの前半部をかけながら支度をして、出かけた日がありました。
「今日はきっといい日になるだろう」なぜだか、そんな気分になれました。
逆に夜、後半部をかけて過ごすと、気分が安らかになって、いい気分で眠れました。
残響」は、こんな付き合い方がよく似合うアルバムだと思っています。



「シガー・ロスって今頃何してんだろ」と思っていたら、実は既にひょっこりお目覚めで、
今年はサマー・ソニックの出演が決まり、世界各地でのツアーもある模様。
そして、夏頃には、新作がリリースされる予定なんだとか・・・!
今度はどんな音楽に出逢えるんでしょうね。
楽しみでなりません。


さて、次回は、新作を読み解く鍵になるか?全くの別物か?
バンドのシンボル且つキーマンのヴォーカリスト・ギタリスト、ヨンシーのソロ作
「go」をレビューします。



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シガー・ロス:その3 Takk・・・「歓びや希望が音になって、とめどなく溢れ出す。心からの"ありがとう"を込めた、幸せになれるアルバム」

少しずつ暖かくなってきて、周りの景色もゆっくり新しい季節に向かって
変化していますね。
春の訪れ
シガー・ロスSigur Rós)も、そんな今の季節にぴったりなアルバム「Takk・・・」を
リリースしました。
・・・えっ?あの根暗なシガー・ロスが、春にぴったりのアルバムだって!?

Takk…Takk…
(2005/09/07)
シガー・ロス

商品詳細を見る


「Takk」とは、アイスランド語で「ありがとう」という意味。
だから邦題は「ありがとう」となっています。
実物は、カバーが紙製で出来ていて、色や素材の微妙な風合いがとても素敵です。
絵も絵本の表紙みたいですね。草木のゲートの下に立つ、一人の男の物語。

今まで、自然派の傾向は色濃くあったとはいえ、基本の印象は自閉的でダウナーでした。
そんなこれまでの彼らの世界観を、根底から覆す作品が出来たのです。
アルバム一枚通して、音といい、歌といい、多幸感で充ち満ちています。
この気持ちを誰かと分かち合いたい」とさえ言わんばかりの音空間が広がっています。
一体どういう心境の変化か?


アルバムをかけるなり、もう決定的に「あ、思いっきり違う」と分かるはず。
キラキラ輝く、多幸感を漂わせた音の集合体から成る、インストでスタート。
そうして、キラキラ輝く多幸感に、従来の浮遊するサウンドも加わり、
これまでの幻想感を保ったまま、開かれた、希望に満ちあふれた歌世界が
繰り広げられる
のです。

圧倒されずにはいられないのは、#2や#7などで、歓びの表現として
シガー・ロス史上なかったような音圧と激しさの轟音が押し寄せてくる場面。
まるで暴風雨のような、轟音の雨にさらされます。
同じフレーズを繰り返し、繰り返すごとに感情が昂ぶり、
それに乗じてメンバー4人全員が音を一斉に炸裂させる。
ここまでは前作「()」と一緒なんですが、
使われる場面が180度違うことに驚きを隠せません。
まさか、闇の表現として用いていた方法論を、真逆の表現に使うとは!
勿論、アルバム全体を一貫して流れる、多幸感漂う音空間はそのままにです。

嬉しくて嬉しくて仕方ない。
または、今まで経験したことのないような人の優しさに触れて、
深く傷ついた心が浄化されていくようで、驚きや感動で涙が溢れて止まらない。

そんな、人の姿、心の動きが想起されます。

そして他の曲では、穏やかな幸せを享受する、安堵や感謝の気持ちが感じ取れます。
「アゲイテスト・ビリュン」以来のオーケストラ・サウンドに始まり、
木琴や鉄琴を思わせる音、オルゴールのような音、ヨンシーの歌声の多重録音と、
豊富な種類の、幸せな音がいっぱいに詰まっています。
穏やかな曲では、音の隙間が活かされており、隙間からそよ風が吹いてくるかのよう。
曲調が殆ど全てメジャーコードで統一されているのも象徴的。
マイナーコードの、これまでを思わせる薄暗い曲もありますが、あくまでアクセント。

ヨンシーの歌声は、ファルセットにも関わらず、特に#7などで力強さを感じます。
今までの儚いファルセットや、嘆きや呻きのような歌唱法に加えて、
ヨンシーは新しい手札を手にしたようです。
本作に溢れる多幸感と希望は、ヨンシーの内面が大いに反映されたのかもしれません。
但し、シガー・ロスはバンドですから、彼一人だけの気持ちで方向性が動いたというより
何かしら、メンバー全員に共通した、歓びや感謝の念があったのでしょう。

暖かくて、優しくて、たまにその温もりが胸に染みて涙が出そうになる。
そんな主人公の姿が浮かぶ「絵本」です。


シガー・ロスがこうした方向性に移行したことについて、今までのファンや評論家などは
キャッチーになった」「売れ線狙いに走った」と言う向きもあります。
今までより格段に聴きやすく、とっつきやすくなったのは確かです。
しかし、一枚のアルバムのリリースまでに二年も三年もかかるこのバンドが
「よし、売れよう」と言って、狙って方向転換できるとも、するとも思いがたいのです。
聴いたところ、彼らはそんなに器用ではなさそうですし、嘘もつけなさそう。
何より、頭で狙いを変えただけでは、ここまでドラスティックな変化はでき得ません。
それほど決定的な変化です。

自分たちの音楽が世界的に認められたことに対する感謝か、
自閉の壁を打ち破って外(=リスナー)の世界と深く関わろうという意志か、
誰かやみんなの内面に生まれた強い歓びの体現か。
真意は相変わらず謎めいているし、今挙げた全てという気もします。
だけど確かなのは、メンバー達の中で、音楽観、世界観が大きく変わったこと。
そしてそれはミュージシャンとしてだけでなく、人として、
きっと幸せなことなのではないかなぁ
と私は思います。


このアルバムにキャッチフレーズをつけるなら、陳腐ですがあえて
「幸せになれるアルバム」
と呼びたいです。
幸せの予兆で始まり、ハッピーエンドで終わる、幸せ尽くしの一枚。
大切な人にCDをプレゼントするなら、このアルバムを選べば、
感謝や愛情の気持ちが深く伝わるかもしれません。
そんな、Takk(ありがとう)






最後は蛇足ながら、私から、今このblogを読んでくださっている皆さんへの「Takk」。
身内には一切blogをやっていること自体知らせていないにも関わらず、
おかげさまで当blogはそこそこ繁盛していまして、3月5日には
日記 13685位 (昨日:39819位) / 818523人中
その他 3764位 (昨日:9676位) / 96746人中
という自身最高順位を獲得し、今でも大体上位1/10には常にランクしています。
常連さんが沢山出来て、ググったりヤホーで調べたりした検索結果の中から
わざわざこのページをクリックしていただいて。
そういうことの積み重ねで、ここまで来ました。

勇気を出して、エンタメ系blogを始めて良かった。
私は幸せ者です。
全ての方に、心よりのTakk(ありがとう)を・・・



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シガー・ロス:その2 () 「瓦礫の街を彷徨っていたら、果てのない暗闇に呑み込まれて・・・哀しみと安堵感が同居する、名前のないアルバム」

前作「アゲイテスト・ビリュン」で、一躍世界にその名を轟かせた
シガー・ロスSigur Rós)は、
今回レビューする作品で、グラミー賞ベスト・オルタナティブ・ミュージックに
ノミネートされるという快挙を達成。
前作の時点で完成度は高かったのですが、今作で、その音楽性を更に深化させました。
しかし、それに加えて、本作はシガー・ロス史上最も謎めいたアルバムでもありまして・・・。

() (CCCD)() (CCCD)
(2002/10/23)
シガー・ロス

商品詳細を見る


シガー・ロスのアルバムの中で断トツお気に入りのジャケです!
グラミー賞ベスト・アルバム・カバーにノミネートされてもいます。
しかしながら、日本版のCCCDはいただけない。
この時期のCD全てにいえることなのですが。


アルバムにも曲にもタイトルがありません。
リスナーが自分で解釈してください、という意味合いだとか。
歌詞も、全曲、「ホープランド語」という彼らによる造語で、
何を歌っているのかは彼らにしかわかりません。
一人一人が、その耳に聴こえてくる音から、全てを感じ取らなくてはなりません。
逆に言うと、解釈は人の数だけあるとも言うことができます。

この姿勢を実験的ととるか、自閉的ととるか・・・
聴こえてくる音だけとってみると、前作よりは、若干開けた印象を受けます。
音の選び方に加えて、音の作り方、ミキシング・マスタリングの仕方に依るところも
大きいでしょう。


アルバムは全8曲によって構成され、前半4曲&後半4曲の二部構成のような曲調です。
前半の4曲は前作の流れをある程度汲んだ、前作にも入っていそうな楽曲。
しかし問題は、あるいは本題は後半にあるといえそうです。

後半は長尺の曲が多く、歌が少なく、インストに近いところがあります。
前作&前半はある程度「歌もの」なのですが、後半のヨンシーのヴォーカルは
歌というより、他の楽器の音色の一つかのよう。
そして何より、圧倒的に、「」にファインダーを当てています。
しかも、曲が進むほどに、その闇は深さを増していくのです。

冷え切って、うら淋しい、荒涼とした景色が連想されます。
日本でいうなら、3.11の瓦礫の山を前にしているかのような。
アイスランドでいうなら、前回の記事で、かつて火山の大噴火が起こり、
それによって捲き散らかされた火山灰が飢饉を招き、1/4の住民が亡くなり、
欧州からアジア、アフリカに渡るまで、何ヶ月もの間、空に火山灰が浮いていたという
エピソードを紹介しましたが、そのときのような、
骸の山、廃墟と化した街、灰色の空、そういった光景が眼前にあるかのような。

とても哀しいのですが、同時にどこか安らかでもあります。
前半の曲も併せて、前作よりどっしりした安定感が出ているからでしょう。
演奏の技量が上がったことや、経験値が増えたこともあるでしょうが、
全体的にゆったりとしたテンポで、間合いを大切にして曲を構成し、演奏しているのが
一番大きい要因かと感じました。

全体をたゆたう様々な音を緻密に構築し奏でる、キャルタンのキーボード/シンセサイザー。
時に流れるような、時にぼつりと大きな点を落とすような、ゲオルグのベース。
最低限の音を叩きつつ、曲の盛り上がり時で一気にピークに達するオッリのドラム。
そしてヨンシーのよどむギターと、嘆きと悲鳴の間を行き来するヴォーカル。
曲はじりじりと盛り上がり、畳みかけるように各パートが音の大地に降り立ち、
深い悲しみの感情の昂ぶりに連なって、音の塊が熱を増し、最後には爆発します。

アルバムの最後を飾る8曲目は、まるで火山の噴火や、激しく燃えたぎる薪のようです。


前作から、キーボーディストとしてキャルタンが加入し、
メンバーで唯一、本格的な音楽教育を受けていることもあって、バンドの音楽性が
飛躍的に上昇した結果が「アゲイテスト・ビリュン」でのブレイクでした。
前回の記事では、「シガー・ロスの音楽と、母国アイスランドの風土との繋がり」を
前面に出したかったために、音についての感想はほぼ割愛したのですが、
「アゲイテスト・ビリュン」は「色んな音が入っているなぁ」「沢山の手札を持って
いるんだなぁ」といった印象がありました。様々な背景があるというか。
比して今作「()」は、どの音を使ってどんな音楽をするか、ある程度一貫させて臨んだ
印象を持ちました。
一枚の背景をバックに、ひとつのモチーフを、4曲かけてどんどん展開させていくような。

但し、若干、前半と後半の関連や、前半の一貫性が薄いきらいもあり、
2曲目は後半に入っていそうな曲で、4曲目は希望の彩りが強い曲だったりします。
背景画を二枚書いて前半と後半に分けたか、
前半は前作の延長線上で作ったのか?
インスト傾向、静かで少し淋しい、という側面では後半と通じる部分があって、
一枚の背景画を違う解釈で描いたともいえますが・・・

前半でも後半でも共通しているのは、「ゆったり、どっしり、淡く儚い」というスタンス。
前作で目立った「ごうごう」と暴れるディストーションギターは抑えられ、
前作に入っていたようなオーケストラサウンドが特にないにも関わらず、
クラシックを聴いているような安堵感が得られます。
クラシックって、哀しげな曲調でもどこか安らかだったりしませんか。
緩やかなテンポで淡く紡がれる楽曲たちには、催眠効果さえあって、
リラクゼーションCDを紹介する記事にでも、眠れるCDとして登場させたいほど(笑)

季節に例えるなら、やはり
先日「南極料理人」という南極の基地を舞台にした邦画を観ましたが、そこで
アイスランドにも毎年訪れる、「極夜」の日々の場面がありました。
前回調べた通り、ほぼ一日中真っ暗で、みんな殆ど基地にこもりきり。
何となく暗いムードが漂いながらも、室内でワイワイ遊んだりもしていました。
本作がリリースされたのは冬や春ではありませんが、丁度そうした
アイスランドの冬の光景を切り取ったと捉えれば、前半の「少しの明るさ」も
納得できるかも。


彼らがなぜ闇に焦点を当てたのか、なぜ前半と後半が一貫していないのか、
どうしてアルバムタイトルや曲名がないのか、どういう心境の現れなのか・・・
音しか手がかりがない以上、全てはメンバーの頭の中、
もしくは私達リスナーの想像の中にしかないのでしょう。
あるいは、そんなことを探って聴くなんてナンセンス!音だけに集中して聴いてほしい
という意図が込められているのかもしれません。


ここまでのシガー・ロスは、玄人好みで陰鬱、ちょっととっつきにくいバンドでした。
しかし、続く次作で、がらりと趣が変わります。
「どうしちゃったの?」と言いたくなるくらいに。
暗闇から光へ。新しい輝きを放ちはじめたアルバムについて、次回書いてみます。



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シガー・ロス:その1 アゲイティス・ビリュン+アイスランドの風土「自然の美しさ、そして厳しさ・・・北極圏の小さな島国に想いを馳せながら」

自然は、人間を癒し、ときに人間に牙をむく。
とても美しく、同時に理不尽なほど残酷。
私達がこの1年でよく実感した事ですね。
だけど私達がつい忘れてしまっていたのは、人間は古代より、
こうした自然からの恩恵と戒めを、自然への感謝と嘆きを、繰り返してきた事実です。

そんな自然の空気を、みごと音に凝縮させたバンドがいます。
欧州の北の果て、北極圏の国、アイスランド出身のバンド、
シガー・ロス(Sigur Rós)
彼らの音楽は「ポスト・ロック」などとしばし括られ、前衛的な音楽アプローチで
構築され、例えばAmazonのレビューなどを覗いても難しそうな言葉でその魅力が
蕩々と語られていて、一見近寄りがたいような印象を受けます。
しかし、いざ耳にしてみると、ポスト・ロック界隈の知識がない一般リスナーにも
垣根なく届く、普遍性があるのです。
理屈抜きに耳が引き寄せられる、気持ちが音楽と同調する。その声に、そのサウンドに。

日本の公式HPによれば、ファンも、同じ畑の人間(ミュージシャン)から俳優まで幅広く、
ブラッド・ピット、トム・クルーズ、ナタリー・ポートマンなどの俳優・女優から、
デヴィッド・ボウイ、マドンナ、モービー、メタリカ、コールドプレイなどの
先輩・後輩ミュージシャンまで。
また、ビョークは同郷の先輩後輩として交流があり、
レディオヘッドのトム・ヨークやジョニー・グリーンウッドは彼らの音楽に
いち早く目をつけ、ライヴのオープニングアクトに抜擢し、世界的ブレイクの
きっかけを作ってくれた存在です。


シガー・ロスの実質的世界デビューアルバムで、かつ、傑作と名高いアルバム
アゲイティス・ビリュン(Ágætis byrjun)」を聴きながら、
彼らが音楽におけるアイデンティティとして常に大切にしている
母国アイスランドのことを、少しだけ調べてみました。
シガー・ロスの歌詞はいつもアイスランド語(+独自の言語「ホープランド語」)で、
その音楽も「アイスランドを思わせる」と評されることが多く、
彼らの音楽に近づくためには、アイスランドについて知ることが必要だと考えたからです。

アゲイティス・ビリュンアゲイティス・ビリュン
(2001/10/03)
シガー・ロス

商品詳細を見る

アルバムでは、歓喜の感情と陰鬱とした感情とが交錯しています。
かつてジミー・ペイジが「幻惑されて」で披露したギター奏法「ボウイング奏法」を
前面に出した、ヨンシーの奏でるごうごうという音色が、不穏なインパクトを放ち、
ヨンシーの歌声も天使のようなファルセットから地鳴りのような唸り声まで、まさに七色。
聴いていると、なんとも表現しがたいざわつきを覚え、二重人格性も感じるのですが、
それが「アイスランドらしさ」なのか?


アイスランドは、日本の北海道と四国を合わせた位の大きさの島国で、
国土の一部は北極圏にかかっています。
冬至が近づくと、一日に4時間程度しか太陽が昇らず、
逆に夏至の頃には、数十分間しか陽が沈まない
のだそうです。
北の果てにあるにも関わらず、スカンジナビア諸国よりずっと暖かく、
(島が火山島であるのと、島を囲むように暖流が流れているため)
オーロラが見られるのと同時に、温泉も沢山あるという不思議なところです。
漆黒の冬場、人々は家にこもって読書に励むため、文学や詩に親しむ環境に恵まれ
シガー・ロスやビョークをはじめとする、音楽家や文学者を
小さな国にも関わらず、沢山輩出しているんだとか。

海洋プレートの生成が地上で見られ、その大地の裂け目は「ギャオ」と
呼ばれるそうで、火山活動が盛んなのはこうした特徴のため。
噴火による災害にも幾度となく見舞われ、噴火で飛び散った火山灰が飢饉を招いて
住民の1/4が亡くなり、その灰は何ヶ月も欧州、アジア、アフリカを覆うという
大災害もあったそうです。近年でも噴火によって、欧州を中心に
世界中で航空機の運用に大きな影響を与えるなど、活動は現在進行形。
また、失うばかりではなく、海底火山活動によって新しい島が出来るといった
「誕生」も、火山活動がもたらしたものです。

シガー・ロスのメンバー達のふるさとは、首都レイキャヴィーク
世界的にも「空気のきれいな都市」とされているところです。
地熱の熱エネルギーを活用し、更に「水素ステーション」によって
水素で路線バスを走らせるなど、クリーンエネルギー政策は世界最先端。
何か、凄く閉ざされた謎めいた国のようなイメージがありますが、
実際はなかなかイマドキの都市のようです。
(但し、人工は都市に集中し、自然だけが取り残されたがらんどうな地域も多い)
大都市で、街中で、普段着でオーロラを楽しめてしまうという
羨ましくなる特色もあり。住民にとっては何も珍しくないんだとか。
一度行ってみたい・・・!
「行ってみたい」となると言葉の問題が出てきますが、
驚くべきことに、アイスランド人のほとんどがトライリンガルで、
母国語はアイスランド語ながら、小学校から英語とデンマーク語を習うそうです。
(デンマーク語が出てくるのは、かつて宗主国であったため、
英語が出てくるのは、アイスランド独立後~冷戦の期間に米軍が駐留していたためか)
片言の英語で、何とかなるかなぁ?


さて、個人的なアイスランドへの憧憬は置いておいて、
(それもシガー・ロスに惹かれる大事な理由でもあるのですが、話を進めるために)
今辿ってきた、アイスランドの風土が、シガー・ロスの音楽、
今回の場合は「アゲイティス・ビリュン」において、どう反映されているのか
考えてみましょう。


前衛的、実験的なアプローチをとる「先鋭的なバンド」という点では
レイキャヴィークの意外なほどの先進ぶりや、同郷の先輩ビョークからの影響などが
あるでしょう。ミュージシャンが多く輩出されている国なら、その分だけ
音楽も沢山入ってくるでしょうし。

そして、「歓喜と陰鬱の二面性」について。
アイスランドは火山活動に翻弄され続けてきた国です。
火山活動によって誕生した島がある一方、
降り注ぐ火山灰によって飢え死にした民も多くいました。
誕生の歓喜と、死の悲しみ、
自然がもたらした恩恵への感謝と、自然の理不尽な仕打ちへの嘆きとを、
古くから繰り返して、現代でもそれが続いています。

また、豊かな文化が培われる一方で、小さな島と暗闇に閉ざされてもいます。
新しいものを見つけたり、作り出したりする歓びと、
世界から立地上ぽつりと孤立して、漆黒の孤島に閉じこめられている息苦しさと。
遠いところから眺めている分には「いいなぁ」と憧れるものですが
住み続けていると、恐らくそのような鬱屈に悩まされることでしょう。

他のアーティストや、彼らのもう少し後のアルバムと比較すると
一つのアルバムの中で自己矛盾や精神分裂が起こっているように感じられますが
自然という猛者は予告なしに怒り猛りながら、予告なしに変化や誕生を生みだし
そこには人間が思い描くような脈絡や道筋などない
のです。
そんな自然と分かちがたい運命にある、アイスランドの風土を音楽にするなら
自ずと、歓喜、祈り、憤怒、嘆き、変調、再生が盛り込まれるはず。
彼らが「アイスランドの風土を音楽にするぞ」とどこまで考えていたかは
わかりませんし、全く思惑になかったかもしれないのですが
無意識レベルで、アイスランドの風土をその音楽に取り込んでしまったことは
音楽と風土とを照らし合わせてみて、かなり明白であるように見えます。

シガー・ロスはこのアルバムを通して、
自然とそれに対峙する人間の喜怒哀楽を表現してしまったのだと思います。
しかも、古代からの自然と人間との営みにも近いようなものを。
ごうごうと渦巻くボウイング奏法による轟音は、火山噴火や、人の心の燻り。
天から降り注ぐような神々しいファルセットの歌声は、恵み、誕生、人の歓び、祈り。
ときに、いにしえの儀式を垣間見ているような気分になります。
そしてときに、世界で最も空気の綺麗な都市で見られるオーロラのような
さいはての地でしか見られない美しい光景を間近で体感している気分もします。

曲調は実は、祈り→歓喜→淀み→嘆き→再生→安らぎ、という順序を辿ってもいて、
「不安定で根暗なアルバム」と片付けるのは尚早です。
Ágætis byrjun=「良き船出」という意味なんだそうです。
どうして、この暗さが目立つ少々自閉的なアルバムにこんなタイトルがついているのか
疑問をもっていましたが、背景まで深く深く探ってようやっと見えました。
自然が、生まれ、暴れ、やがて再生して新しく歴史をつくる。
あるいは、あの、暗闇でからだを丸めた胎児を思わせるジャケ。
命を授かり、苦しい思いをして母体から産まれ落ち、育っていく。
「自分の中にある残酷な自然」の発見と、その受容ともとれるかもしれません。
もしかしたら、全て胎内の羊水という海の中での出来事かも。
いかようにも解釈できそうですが、彼らの中で確かなのは
これは光だ」ということ。
ちょっと、わかりづらいけど(苦笑)


このバンドは、アルバムを重ねるごとに、どんどん変容していきます。
それに伴って、音楽の土壌にある価値観も変容していることでしょう。
今回書いた「アイスランドの風土との繋がり」は、薄れていったのかもしれないし
初めからそんなものは私のただの深読みで、ヨンシーたちの心象風景を音楽にしたら
こうなっただけかもしれません。
しかし、彼らの音楽を理解するのに大事な「いち要素」をしっかり見つめたことは
彼らの音楽の魅力の源を把握する為に、とても有意義な過程だったと思います。
読んでくださった方にも少しでも「なるほど」と感じていただけたなら
尚更です。
私は楽器をやらないので、音楽について音作りの面から論じることが難しいため
「ポストロック」系統の音楽を言葉にするのはとても大変です。
自分に出来るアプローチで挑むのみです・・・次作以降の記事でも。



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・音楽、映画、漫画・・・雑多な題材をとりあげ、レビューのような感想のような、「好きなものの話」をしています。音楽寄りの題材が多めかも。
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