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これは使えるリラクゼーション系音楽CD:その13 やすらぎの音楽「楽器が人を癒す~ギター、ハープ、ピアノ 人と音楽~」

前回に続き、今回も世界旅行の名残を残してリラクゼーション系音楽を追いかけます。
但し今回の主役はすべて「楽器」という、このシリーズでは初の試み。
そしてこれらの楽器を奏でる奏者たちのプロフィールを見ると、見事に曲者ばかり。
そこで、今回は音楽に言及すると共に、ユニークな各楽器の名手たちの辿ってきた道も
併せてとりあげていきます。


やすらぎの音楽 The Heart of the Celtic Guitar/Andrew White

やすらぎの音楽~ケルティック・ギターやすらぎの音楽~ケルティック・ギター
(2011/03/25)
アンドリュー・ホワイト

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呼びました?どこかのblogで見たことがあるようなサブタイトル(笑)

<ひと>
本作の主役、アンドリュー・ホワイト氏は、「旅人」。ギタリストにこの手の人が
心なしか多いのはどうしてなのだろう。
イギリスに生まれ、10歳で独学でギターを学び、16歳で最初の旅に出る。
ニュージーランドに渡り、ストリート・ミュージシャンとして演奏活動に励んだ。
それから、彼の「旅と音楽」の怒濤の人生に拍車がかかる。
オーストラリアを横断し、インド、ヨーロッパの国々へ、広く世界をまわりながら
同時に演奏の技術を学び、音楽性の源となる記憶や経験を積み重ねていった。
アメリカにて、ニューエイジ・レーベルと契約し9作品をリリース。このうち、
グラミー賞ノミネートアーティスト、デヴィッド・アーカンストーンとの
コラボレーションアルバム「アイランズ」がUSビルボード・ニューエイジ部門で
最高6位にチャートイン、アンドリューはトップギタリストとして注目を集める。
その後イギリスやカナダでもレコード会社と契約を結んでCDをリリースするが
興味深いのは、どちらも「ライヴ」「ラジオ」の二つとの縁が深いこと。
カナダでリリースしたライヴCDはカナダのミュージック・アワードにノミネート。
彼のオリジナル・アルバムは、世界で100万枚以上のセールスを記録している。

<おんがく>
自分はギターに深い造詣を持っている人間では決してない。そのような者であっても
彼の技巧がとんでもないことがわかる。しかも風のように、さらりとやってのける。
収録されている楽曲の幾つかは、彼が実際に旅したなかで出逢った自然の光景が
モチーフとなっている。テクニカルながらもホッとやすらげるのは、これゆえだろう。
流麗でキレがある、ダレのこないアコースティック・スタイルの奥の奥には、
ケルト音楽への傾倒があるのだという。
懐かしくて新しい。ギターの音色の一粒一粒に透明感があって聞き惚れてしまう。
ライヴから音楽の道が幾度も開けていったほどのアンドリュー、いつか来日したなら
ぜひとも生でその演奏を耳にしてみたい。そして、彼の中に常に流れる情感ゆたかな
自然や伝統の経験を共にしたい。


やすらぎの音楽~ケルティック・ハープ/Celia Briar

やすらぎの音楽~ケルティック・ハープ~やすらぎの音楽~ケルティック・ハープ~
(2009/02/27)
Celia Briar

商品詳細を見る

「ケルティック~」ものの2度目。一体、その「ケルト音楽」とは?後ほど考えてみる。

<ひと>
本作の主役、セリア・ブライアー氏は、何と「大学講師」とケルティック・ハープ奏者という
まるでかけ離れた二つの仕事をかけもちしている、かなり異端な経歴の持ち主。
イングランドに生まれ、両親揃っての音楽一家で、就学前から母と一緒に歌っていた。
十代後半の頃は、地元のアイルランド音楽家達に認められ、パブでジグやリールの
バグパイプやフィドル、アコーディオンに合わせて歌って日々の大半が過ぎていたという。
転機は27歳。当時セリアは、社会科学の博士号を取得するために勉強に勤しんでいたのだが
ハープの美しさに魅せられ、大学の学業とハープの勉強の両方を見事にやってのけてしまう。
そして1983年、アイルランドでのコンクールで優勝。以来、世界各地で称賛を得るように。
セリアの人生は更に広がっていく。1988年、ニュージーランドに移住し、現在は作曲や演奏、
レコーディングなどの活動を行う傍ら、大学で社会政策学の教鞭もとっており、さらには
熱心な社会問題、環境問題の提唱者でもあるという。驚異的な才覚とエネルギーの持ち主だ。

<おんがく>
丁寧に紡がれる旋律は、絹で出来た織物のように繊細で、高価な菓子のように甘美。
同じケルティック・ハープでも、以前紹介したセシル・コルベルともまた違う。
このCDの企画が「やすらぎの音楽」という趣旨であることも関係あるのだろう、
セシルの音楽が「泣き」を誘うのに対し、本作はそこまでメランコリックではなく、
もっとフラットに聴くことができる。でもメランコリーな部分もちゃんとある。
どことなくインテリジェンスを感じるのは音楽や楽器の性質だろうか、
それとも彼女の「ひと」ゆえだろうか。甘さに溺れず、理知的に奏でている印象。
だからこそさめざめとせずに、爽やかに聴くことができる。


やすらぎの音楽~ピアノ Pray for a peace of mind/LIN HAI

やすらぎの音楽~ピアノやすらぎの音楽~ピアノ
(2012/04/27)
リン・ハイ

商品詳細を見る

本作はケルト音楽でも中国音楽でもない、比較的普通のヒーリング・サウンドの作品。

<ひと>
本作の主役、リン・ハイ(林海)氏は、さしずめ「そらのプロデューサー」といった所か。
普通に「プロデューサー」あるいは「必殺仕事人」などでも良いが、そらのプロデュースの
エピソードがなかなかほかにはみられないと感じて。
中国生まれ。4歳よりピアノを学び6歳で作曲を始め、7歳で初ステージ、小学校も音大付属と
幼い頃より才能を発揮し、研鑽を積む。中学の頃からジャズに傾倒、テクニックを習得。
90年代になると自身のオリジナル・アルバムを積極的にリリースするようになり、やがて
数多くのアーティストや歌手のプロデュース、中国映画やテレビの音楽プロデュースなど
プロデューサーとしての仕事が増え、音楽家としての存在を確立する。
有名どころでは「女子十二楽坊」の1stアルバムへ1曲を楽曲提供、アレンジ・演奏も担当。
そして04年~11年の8年間にわたり、ANA国際線全線における機内音楽番組「天上飛歌」を
プロデュースし、世界に向けて多くの中国音楽を発信・紹介するなかで、
自身によるオープニングテーマ曲「空の記憶」は搭乗客から多くの問い合わせが寄せられ
反響を呼ぶ。仕事人として名を馳せながら、初心を忘れずアーティストでもあり続けている。
そんななか04年、ロシアで小中学校銃撃占領事件が起こる。林氏は、傷つきトラウマを抱えた
子どもたちを中国に招待し、自身のピアノ演奏をプレゼント、希望を与えようと試みた。
この模様が中国全土でテレビ放送され、既に知れ渡っていた音楽性に加えて、彼自身の人間性が
クローズアップされ、多くの称賛の声が寄せられたのだという。
音楽趣向としては癒し系寄りで、プロデュース業メインに大活躍というと、日本人でいえば
小林武史さんのようなイメージか。色黒で髪にメッシュなんか入れているあたりも被る。

<おんがく>
何も付加情報を知らずに音楽だけ耳にすると、女性の作品だと信じ込んでしまうだろう。
売れっ子プロデューサーだけあり、聴きやすさ、キャッチーさが特徴で、老若男女問わず
誰にでも受け入れられそう。シンプルに、最小限の音数で、ピアノという楽器が持つ
繊細で優しい音色を最大限に引き出して、安らかで淡い光のような世界へと連れて行く。
クラシック~ニューエイジ~現代音楽を取り込むなどオリジナリティに溢れながら、
その感触はいたって自然体で力みがない。とても親しみやすく、それでいて気高い。


<ケルト音楽とはなんぞや?>
3作中2作に登場した「ケルティック」というキーワード。
以前セシル・コルベルの記事を書いた時はうやむやなままで突っ切ってしまったのですが
前回の概略で「~(の国)のケルト音楽」と書くくだりを入れたために、気になりだして
今回の記事を書く際はうやむやにできないと、Wiki、Yahoo!知恵袋、その他個人サイト等を
巡って調べたのですが、どうも釈然としません。
参考までにWikiより。(全文はWikiリンクへ)

「レコード会社、CDショップおよび音楽雑誌などによって西ヨーロッパのケルト人達の民族音楽から発展し、継承されていった幅広い音楽のジャンルを総称する際に作られた言葉」
「地域的にはブリテン諸島(アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォルなどを含む)から、フランスのブルターニュ、スペインのガリシア地方、アストゥリアス地方、北東ポルトガル、そしてカナダ(特にケープ・ブレトン島)やアメリカなどに住む、民族的にケルト人と区分される区域からの移住者が行う音楽まで広がりを見せる」


・・・ややこしや!知恵袋や個人サイトさんなどでは「主にアイルランドの伝統音楽」と
言っているところが多いですね。十分な説明ができず、申し訳ありません。


今まで登場したCDでの、シンセサイザーで構成した音の塊や、自然音などとは
全く違う角度、普段聴いている音楽と近いところからの「やすらぎの音楽」があることを
改めて知り、楽器の力、奏者の人柄や感性の力も実感させられました。
アコースティック/クラシック・ギターをはじめ、今回聴いた系統の他のアーティストも
今後もっと追いかけてみたいと興味をひかれています。


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